T 7212:2018
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 BSFポートのコネクタ ······································································································ 3
4.1 BSF呼吸回路ポート及びBSF患者接続ポート ····································································· 3
4.2 BSF附属ポート ············································································································· 3
5 試験方法························································································································· 3
5.1 試験の周囲条件 ············································································································· 3
5.2 圧力損失の測定 ············································································································· 3
5.3 ガス漏れ試験 ················································································································ 3
6 滅菌済みBSFの包装 ········································································································· 3
7 表示······························································································································· 3
7.1 記号の使用 ··················································································································· 3
7.2 BSFの表示 ··················································································································· 4
7.3 包装の表示 ··················································································································· 4
7.4 単回使用のBSF ············································································································· 4
8 製造業者が提供する情報 ···································································································· 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
医療機器工業会(JAMDI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS T 7212:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
T 7212:2018
麻酔及び呼吸に使用する呼吸回路フィルタ−
ろ過性能以外の要求事項
Breathing system filters for anaesthetic and respiratory use-
Non-filtration aspects
序文
この規格は,2002年に第1版として発行されたISO 23328-2を基とし,我が国の医療用機器に関する技
術基準に対応するため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
この規格は,呼吸回路フィルタ(BSF)のろ過性能以外の要求事項を規定する。
BSFは,患者に送り込むガス及び患者から排出されるガス中の,微生物を含む粒子数を減少させるため
に使用する。
BSFは,臨床使用したときに多様なレベルの湿度に暴露される。臨床使用を模擬する目的で加湿空気に
BSFをさらすことは,BSFのろ過性能に影響を与える可能性があるため,この試験方法の一部を構成する。
1
適用範囲
この規格は,麻酔及び呼吸に使用するBSFのろ過性能以外の,接続ポート,漏れ,圧力損失,包装,表
示及び提供する情報の要求事項について規定する。この規格の試験方法は,臨床用呼吸回路とともに使用
するBSFを対象としている。
この規格は,その他の種類のフィルタ,例えば,バキューム源若しくはガスサンプリングラインの保護,
圧縮ガスのろ過,又は生理的な呼吸測定のための検査装置の保護を目的として設計されたフィルタには適
用しない。
注記1 BSFのろ過性能の試験方法については,JIS T 7211がある。
注記2 JIS T 7212:2005は,2021年2月28日まで,適用することができる。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 23328-2:2002,Breathing system filters for anaesthetic and respiratory use−Part 2:
Non-filtration aspects(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
2
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JIS T 0307 医療機器−医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
JIS T 0601-1 医用電気機器−第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項
注記 対応国際規格では,IEC 60601-1:1988,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements
for safetyを記載している。
JIS T 0841-1 最終段階で滅菌される医療機器の包装−第1部:材料,無菌バリアシステム及び包装シ
ステムに関する要求事項
注記 対応国際規格:ISO 11607-1,Packaging for terminally sterilized medical devices−Part 1:
Requirements for materials, sterile barrier systems and Packing systems
JIS T 7201-2-1 吸入麻酔システム−第2-1部:麻酔用及び呼吸用機器−円すい(錐)コネクタ−円す
い(錐)及びソケット
注記 対応国際規格:ISO 5356-1,Anaesthetic and respiratory equipment−Conical connectors−Part 1:
Cones and sockets
JIS T 7201-2-2 吸入麻酔システム−第2-2部:麻酔用及び呼吸用機器−円錐コネクタ−ねじ式耐重量
コネクタ
注記 対応国際規格:ISO 5356-2,Anaesthetic and respiratory equipment−Conical connectors−Part 2:
Screw-threaded weight-bearing connectors
ISO 7000,Graphical symbols for use on equipment−Resistered symbols
ISO 9360-1,Anaesthetic and respiratory equipment−Heat and moisture exchangers (HMEs) for humidifying
respired gases in humans−Part 1: HMEs for use with minimum tidal volumes of 250 ml
注記 対応国際規格では,ISO 9360-1:2000を記載しているが,この規格では最新版を引用すること
とした。
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
呼吸回路フィルタ,BSF(breathing system filter,BSF)
呼吸回路中の微生物を含む微粒子の透過を減少させることを目的とした機器。
3.2
BSF呼吸回路ポート(BSF breathing system port)
呼吸回路に接続するBSFのポート。
3.3
BSF患者接続ポート(BSF patient connection port)
気管チューブ,気管切開チューブのコネクタ,フェイスマスクなどの装置に接続するBSFのポート。
3.4
BSF附属ポート(BSF accessory port)
ガスサンプリング,モニタリング,圧力測定などのための附属機器に接続可能なBSFのポート。
3.5
BSF内部体積(BSF internal volume)
非加圧時のBSF内の体積から,BSF内の全固体要素の体積及び全てのめすコネクタ内部の体積を減じた
もの。
3
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注記 この用語は,対応国際規格でも本文中で使用していないが,そのまま記載することとした。
3.6
圧力損失(pressure drop)
BSFを一定の流量でガスが通過する場合に,BSFに流入するガス流中で測定した圧力と,BSFから流出
するガス流中で測定した圧力との差。
4
BSFポートのコネクタ
4.1
BSF呼吸回路ポート及びBSF患者接続ポート
呼吸回路ポート及び患者接続ポートのコネクタは,JIS T 7201-2-1に適合していなければならない。
4.2
BSF附属ポート
BSFに附属ポートが付いている場合,そのポートには,JIS T 7201-2-1及びJIS T 7201-2-2に適合する
15 mm又は22 mmの円すいコネクタは接続できないものとし,ポートの閉鎖手段を備えていなければなら
ない。
5
試験方法
5.1
試験の周囲条件
試験中の周囲条件は,次のとおりとする。
− 温度
:23 ℃±2 ℃
− 相対湿度 :60 %±15 %RH
− 気圧
:96 kPa±10 kPa
5.2
圧力損失の測定
圧力損失は,表1に示す流量を用いて,ISO 9360-1の6.3(Measurement of pressure drop)に従い決定し
なければならない。
表1−圧力損失の測定に用いるガス流量
BSFの使用目的
流量
(L/min)
小児
15
成人
30
5.3
ガス漏れ試験
BSFは,ISO 9360-1の6.4(Test for gas leakage)に適合しなければならない。
6
滅菌済みBSFの包装
滅菌済み(STERILE)として供給されるBSFの包装は,JIS T 0841-1に規定する要求事項に適合しなけ
ればならない。
7
表示
7.1
記号の使用
7.3及び7.4の要求事項の一部は,JIS T 0307又はISO 7000に規定する適切な記号を用いても差し支え
4
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ない。
注記 JIS T 0307又はISO 7000に規定する図記号を次に示す。
− APG類機器:
− 滅菌済み:
− 使用期限:
− バッチ番号:
− 単回使用:
7.2
BSFの表示
BSFには,次の表示を行わなければならない。
a) 方向性のあるBSFの場合は,患者に対する取付方向
b) 製造業者によってBSFが可燃性麻酔ガスと併用しても安全であるとされている場合は,“APG”とい
う文字(JIS T 0601-1参照)
7.3
包装の表示
包装には,次の表示を行わなければならない。
a) 製造業者名若しくは供給業者名又はその登録商標,及び住所
b) BSFの使用目的
c) 該当する場合は,“滅菌済み(STERILE)”という語(又は相当する語)
d) 必要に応じて保管方法
e) 製造年月日又はロット番号若しくはバッチ番号
f)
BSFが保管又は貯蔵の影響を受ける場合は,使用期限
7.4
単回使用のBSF
単回使用のBSFの場合,BSF自身又は包装のいずれかに“単回使用(SINGLE USE)”という語(又は相
当する語)を表示しなければならない。
8
製造業者が提供する情報
製造業者は,次の情報を提供しなければならない。
a) 使用方法
b) 一回換気量及び/又は流量の推奨範囲
c) 5.2に規定する方法で測定した,表1に規定するガス流量における圧力損失
d) ミリリットルで表したBSFの内部体積
e) 5.3に規定する方法で測定した,ミリリットル毎分で表したガス漏れ
f)
該当する場合,次の物質又は機器とBSFとの併用に関する危害の警告
− 吸入療法に用いるあらゆる種類の吸入薬
− 麻酔ガス及び蒸気
(YYYY-MM)
5
T 7212:2018
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− 加湿器及び噴霧器
g) BSF又はその部品のいずれかが再使用可能な場合,保守の方法,並びに洗浄,消毒及び/又は滅菌の
詳細
h) 廃棄又は洗浄までの推奨最大使用時間
i)
使用後の安全な廃棄の方法
j)
(例えば,JIS T 7211に規定されている)調整前及び調整後の透過度
k) BSFが1個以上のルアーなどの小口径のコネクタをもつ場合は,他の機器への不適切な接続が,患者
危害をもたらすおそれがあることを強調する警告
参考文献 JIS T 7211 麻酔及び呼吸に使用する呼吸回路フィルタ−第1部:ろ過性能を試験するための食
塩試験方法
注記 原国際規格では,ISO 23328-1,Breathing system filters for anaesthetic and respiratory use
−Part 1: Salt test method to assess filtration performanceを記載している。
6
T 7212:2018
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS T 7212:2018 麻酔及び呼吸に使用する呼吸回路フィルタ−ろ過性能以外の
要求事項
ISO 23328-2:2002,Breathing system filters for anaesthetic and respiratory use−Part 2:
Non-filtration aspects
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 麻酔及び呼吸に使用
するBSFのろ過性能
以外の,接続ポート,
漏れ,圧力損失,包
装,表示及び提供す
る情報の要求事項に
ついて規定
1
JISと同じ
一致
−
−
2 引用規格
5 試験方法 ISO 9360-1に従う。
5
JISとほぼ同じ
変更
対応国際規格の最新版を適用する。
6 滅菌済み
BSFの包装
JIS T 0841-1に適合
6
JISとほぼ同じ
変更
技術的な差異はない。
ISO 11607が,ISO 11607-1とISO
11607-2とに置き換わっており,
ISO 11607-1に対応したJISを記
載した。
7 表示
7.1 記号の使用
JIS T 0307又はISO
7000に規定する適切
な記号
7.1
ISO 15223又はISO
7000に規定する適切な
記号
変更
技術的な差異はない。
引用部に差はないため,JISを引
用規格とした。ISO 15223は廃止
され,置き換わった規格に対応し
たJISはない。
7.2 BSFの表示
JIS T 0601-1を参照
7.2
JISとほぼ同じ
変更
国際規格に対応するJISの最新版
を,常に適用する。
我が国の医療機器の認証上,対応
国際規格に記載の1998年版でな
く,最新版を適用するとした。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 23328-2:2002,MOD
2
T
7
2
1
2
:
2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
T
7
2
1
2
:
2
0
1
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。