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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 7203-1989 

医療用酸素濃度計 

Oxygen Analyzers for Medical Use  

1. 適用範囲 この規格は,患者に投与するガス中の酸素濃度又は患者が呼出するガス中の酸素濃度を計

測する医療用酸素濃度計(以下,酸素濃度計という。)について規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって規格

値である。 

引用規格: 

JIS T 1001 医用電気機器の安全通則 

JIS T 1002 医用電気機器の安全性試験方法通則 

JIS T 1003 医用電気機器の電気的安全性試験方法 

JIS T 1004 医用電気機器の機械的安全性試験方法 

JIS T 1005 医用電気機器取扱説明書の様式 

JIS T 7201 麻酔器 

対応国際規格: 

ISO 5356/1 Anaesthetic and respiratory equipment−Conical connectors−Part 1:Cones and sockets 

ISO 7767 Oxygen analyzers for monitoring patient breathing mixtures−Safety requirements 

IEC 601-1 Safety of medical electrical equipment. Part 1:General requirements 

関連規格 JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) 酸素濃度計 混合ガス中の酸素濃度を測定し,表示する装置。 

(2) 酸素濃度 体積パーセント (%) 又は酸素分圧 (kPa {mmHg}) のいずれか適切な単位で表示される混

合ガス中の酸素濃度。 

(3) 酸素濃度計の読み 酸素濃度計の示す測定された酸素濃度。 

(4) パーセント (%) 酸素 百分率の体積比率として表される101.325kPa {1 013.25mbar} の周囲圧及び

20℃の温度での混合ガス中の酸素の濃度。 

(5) 表示 酸素濃度計自体又はそれと一緒に供給される情報。 

(6) 表示部 定量的又は定性的な情報を表示する部分。 

(7) 可視表示器 作動状態を目で見えるように示す装置。 

(8) 校正用調節器 校正を行うために表示部を調節する装置。 

(9) 警報 酸素濃度が警報濃度を超えたときに起こる警報信号。 

(10) 警報濃度 警報が,初めて作動するときの酸素濃度。これは,酸素濃度が減少して警報濃度(警報最

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低濃度)以下になったとき,又は増加して警報濃度(警報最高濃度)以上になったときに起こる。 

(11) 警報設定値 警報濃度設定器又は表示部が,酸素濃度の警報がそこで作動することを示す酸素濃度値。 

(12) 警報部 ある濃度に設定された警報濃度を超えたことを検出して,警報信号を発する酸素濃度計の部

分。 

(13) 警報信号 操作者が即時に対応を必要とする状態を示す可視若しくは可聴又は両者による信号。 

(14) 注意信号 酸素濃度警報以外の,必ずしもすぐ対応する必要のない信号。 

(15) 測定値への干渉 干渉するガスを含む混合ガス中の酸素の測定値と,干渉するガスを窒素に置き換え

た混合ガス中の酸素の測定値との差。 

(16) 応答時間 酸素濃度計の読みが,最終値の90%を示すまでの時間。 

(17) 検知部 測定する混合ガスと直接接触して機能する酸素濃度計の部分。 

(18) 予測寿命 指定された手順に従って使用し,保守したとき,酸素濃度計又はその構成部品の機能が,

この規格を満たすと予測される期間。 

(19) 保管寿命 指定された手順に従って最初の出荷容器に保管したとき,酸素濃度計又はその構成部品の

機能がこの規格を満たし続ける期間。 

(20) 有効寿命 指定された手順に従って使用し,保管したとき,酸素濃度計又はその構成部品の機能が,

それぞれこの規格を満たす期間。 

3. 安 全 安全に関する事項は,JIS T 1001(医用電気機器の安全通則)によるほか,次のとおりとす

る。 

(1) 電撃に関する保護の形式及び程度は,それぞれJIS T 1001の4.に規定された次の分類に適合すること。 

(a) 電撃に対する保護の形式による分類 クラスI機器又は内部電源機器 

(b) 電撃に対する保護の程度による分類 B形機器 

(2) 患者漏れ電流は,次の部位で測定すること。 

(a) 検知部がガス通過方式の酸素濃度計については,酸素センサ。 

(b) 検知部がガスサンプリング方式の酸素濃度計については,サンプリングチューブと酸素濃度計本体

との接合点。 

4. 性 能 

4.1 

測定精度 測定精度は,次のとおりとする。 

(1) 酸素濃度計を5.4.1に規定する試験を行ったとき,測定精度は±3%酸素でなければならない。ただし,

15%酸素から25%酸素の範囲では,±1%酸素でなければならない。 

備考 この許容差には,その酸素センサ,電気回路,校正方法及び表示部の分解能のような酸素濃度

計に関連するすべての誤差を含まなければならない。 

(2) 酸素濃度計の表示部の表示範囲は,酸素濃度で0〜100%とし,少なくとも110%まで読めることが望

ましい。その読みをディジタルで表示する場合には,次のとおりとする。 

(a) 少なくとも2数字とすること。 

(b) 酸素濃度が指定された表示範囲を超えているときには,そのことを示すこと。 

例: 読みが100%酸素を超えたとき,100%酸素以上を読める3数字の表示か又は点滅する2数字の表

示のような方法。 

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4.2 

安定性 酸素濃度計は,指定された方法によって校正し,5.4.2に規定する試験を行ったとき,8時

間の連続使用の間,4.1(1)に規定する測定精度を維持しなければならない。 

4.3 

応答時間 酸素濃度計の応答時間は,5.4.3に規定する試験を行ったとき,指定された値の1.15倍以

上であってはならない。 

4.4 

警報 警報を備えている場合は,次のとおりとする。 

(1) 警報は,可視及び可聴の両方であること。 

また,警報最低濃度以下になったとき作動する必要があるが,警報最高濃度以上になったとき作動

する機能を併せてもってもよい。 

(2) 警報精度は,5.4.4に規定する試験を行ったとき,10%酸素から60%酸素までの範囲内では,警報設定

値の±2%酸素,それ以外の範囲では,警報設定値の±5%酸素でなければならない。 

(3) 下限の警報設定は,16%酸素以下にできないこと。警報設定が固定の場合には,警報設定値は16%酸

素以下でないこと。20%酸素未満の警報設定値に設定する場合には,可視の注意表示があることが望

ましい。これは,20%酸素未満の警報濃度設定器に赤色で表示するか又は20%酸素未満に設定したと

き作動する可視表示のようなものでもよい。 

4.5 

湿度及び結露の影響 

4.5.1 

湿度の影響 酸素濃度計は,指定された方法によって操作し,0%から100%までの範囲のいかなる

相対湿度の混合ガスを使用する場合でも,5.4.5(1)に規定する試験を行ったとき,4.1(1)に規定する測定精

度を維持しなければならない。 

4.5.2 

結露の影響 酸素濃度計は,結露の影響について次のいずれかによらなければならない。 

(1) 水分の微粒子を含んでいる混合ガス又は検知部の酸素センサが結露しているものを用いて,5.4.5(2)に

規定する試験を行ったとき,4.1(1)に規定する測定精度及び4.3に規定する応答時間を維持すること。 

(2) (1)の規定を満たさないときは,結露の影響を受ける旨の表示及び取扱説明書に同様の記述をすること。 

4.6 

干渉するガス又は蒸気の影響 酸素濃度計は,干渉するガス又は蒸気について,5.4.6に規定する試

験を行ったとき,次のいずれかによらなければならない。 

(1) 表1に示す濃度のガス又は蒸気のいずれであっても,酸素濃度計の読みに2%酸素以上の干渉がない

こと。 

(2) 吸入麻酔薬との使用において,(1)の規定を満たさないときは,吸入麻酔薬での使用はできない旨の表

示及び取扱説明書に同様の記載をすること。 

なお,この場合であっても表1に示す濃度のヘリウム又は炭酸ガスについては,酸素濃度計の読み

に2%酸素以上の干渉がないこと。 

表1 吸入麻酔薬とその他の干渉するガス又は蒸気 

乾燥酸素との混合 

ガス又は蒸気 

ガス又は蒸気濃度 

(体積 %) 

酸素濃度 

(体積 %) 

ヘリウム 

80 

20 

笑気ガス(1) 

80 

20 

ジエチルエーテル(1) 

(可燃性麻酔薬) 

10 

90 

炭酸ガス 

10 

90 

ハロタン(1) 

96 

エンフルラン(1) 

96 

注(1) 吸入麻酔薬を示す。 

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4.7 

機械的衝撃 独立して使われる酸素濃度計(システムの構成要素を成すか又は分離できない構成部

品となっている酸素濃度計を除く。)及び酸素センサのような分離できる構成部品は,5.4.7に規定する試

験を行ったとき,4.1(1)に規定する測定精度,4.3に規定する応答時間及び4.4(2)に規定する警報精度を満

たさなければならない。 

4.8 

周期的ガス圧変動 酸素濃度計は,周期的ガス圧変動に対して次のいずれかでなければならない。 

(1) 5.4.8に規定する試験を行ったとき,4.1(1)に規定する測定精度及び4.3に規定する応答時間を満たすこ

と。 

(2) (1)の規定を満たさないときは,呼吸回路内で使用できない旨の表示及び取扱説明書に同様の記載をす

ること。 

4.9 

ガス漏れ又はガスサンプリング量 酸素濃度計のガス漏れ又はガスサンプリング量は,次のいずれ

かでなければならない。 

(1) 検知部がガス通過方式の酸素濃度計は,5.4.9(1)に規定する試験を行ったとき,毎分20ml以上の漏れ

流量がないこと。 

(2) ガスサンプリング方式の酸素濃度計は,5.4.9(2)に規定する試験を行ったとき,呼吸回路からサソプリ

ングするガスの量が,指定された値の1.15倍を超えないこと。 

4.10 酸素センサの寿命 酸素センサを酸素濃度計の寿命の間に交換するように意図されている場合には,

酸素濃度計の読みの精度,安定性及び応答時間は,5.4.10に規定する試験を行ったとき,指定された有効

寿命の使用期間後に,それぞれ4.1(1),4.2及び4.3の規定を満たさなければならない。 

4.11 信号モード 警報信号は,可視と可聴でなければならない。 

また,注意信号は可視でなければならない。 

備考 注意信号には,可聴信号も併用されてよい。 

4.12 可聴信号周波数 可聴信号の基本周波数は,5.4.11に規定する試験を行ったとき,200Hzから3 500Hz

までの範囲になければならない(2)。 

注(2) 可聴信号は,周期的に,すなわち,ON/OFF,2音調又は反復音調で,0.2Hzと1.0Hzとの間の周

期(5秒ごとに1周期と毎秒1周期との間)で繰り返すことが望ましい。 

4.13 表示部及び可視表示器 酸素濃度の表示は,適切な測定単位[2.(2)参照]で表示され,表示部は215 

lx[20フィートしょっ(燭)光]の明るさで,酸素濃度計の正面1mのところから明りょうに見え,表示

が単純で隣接の表示部又は可視表示器と明確に見分けられなければならない。 

4.14 手動警報信号解除 手動調節器で酸素濃度警報信号を解除できる場合には,可聴警報信号だけとし,

5.4.12に規定する試験を行ったとき,解除後120秒以内に自動復帰しなければならない。 

4.15 校正用調節器及び切換器 電池の状態テスト又は信号の作動テスト及び警報信号の解除機構の切換

えは,自動的に復帰しなければならない。測定とテストの切換器は,明確に区別できる位置になければな

らない。校正用調節器には,設定した位置から容易に動かないような手段を講じなければならない。 

また,すべての調節器は,増大方向が次の操作によって生じること。 

(1) 回転式調節器は,時計回り方向の回転。 

(2) 直線式調節器は,上方,右方又は操作者から遠くの方への動き。 

備考1. 校正用調節器は,例えば,奥まったところに配置するか又はロック機構を備える。その他の

調節器は,設定位置から容易に動かないような手段を講じ,明確に区別できる位置にあるこ

とが望ましい。 

2. 調節ノブ,スイッチ,トグル,親指ホイール又は押しボタンの配置は,操作上適切な間隔で

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あることが望ましい。 

3. 調節器及びその表示は,215lx(20フィートしょっ光)の明るさで,酸素濃度計の正面から

1mのところで明りょうに見え,表示が単純で隣接の調節器の表示と明確に見分けられること

が望ましい。 

4.16 使用環境 使用環境に対する性能は,5.4.13に規定する試験を行ったとき,4.1(1)に規定する測定精

度及び4.3に規定する応答時間を満たさなければならない。 

4.17 保管環境 保管環境に対する性能は,5.4.14に規定する試験を行ったとき,4.1(1)に規定する測定精

度及び4.3に規定する応答時間を満たさたければならない。 

5. 試験 

5.1 

試験条件 試験条件は,JIS T 1002(医用電気機器の安全性試験方法通則)の4.による。 

5.2 

試験項目 試験項目は,次のとおりとする。 

(1) 安全に関する試験 

(2) 性能試験 

(a) 測定精度 

(b) 安定性 

(c) 応答時間 

(d) 警報 

(e) 湿度及び結露の影響 

(f) 干渉するガス又は蒸気の影響 

(g) 機械的衝撃 

(h) 周期的ガス圧変動 

(i) ガス漏れ又はガスサンプリング量 

(j) 酸素センサの寿命 

(k) 可聴信号周波数 

(l) 手動警報信号解除 

(m) 使用環境 

(n) 保管環境 

5.3 

安全に関する試験 安全に関する試験は,JIS T 1002,JIS T 1003(医用電気機器の電気的安全性試

験方法)及びJIS T 1004(医用電気機器の機械的安全性試験方法)による。 

5.4 

性能試験 

5.4.1 

測定精度 測定精度は,酸素濃度計の全表示範囲にわたる幾つかの酸素濃度について,次の方法に

よって試験を行う。 

(1) 乾燥した酸素と窒素の混合ガス(相対湿度が2%を超えないこと。)で,酸素濃度計の全表示範囲にわ

たり,ほぼ等しい間隔で5種類以上の酸素濃度の酸素を含み,表示された濃度の±0.5%酸素の試験用

混合ガスを使用すること。その中の3種類には純酸素,純窒素及び空気 (20.9%O2) を試験用ガスとし

て使用してもよいが,その場合には乾燥しているもので±0.1%酸素の濃度で表示されていること。 

(2) 検知部へ導入する試験用混合ガスの温度(3)を,25±2℃に維持すること。 

また,その圧力は,大気圧であること。 

注(3) 試験用混合ガスの温度は,周囲温度と同一である必要はない。 

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(3) 酸素センサと酸素濃度計の温度が,それぞれ試験用混合ガスの温度及び周囲温度と平衡になった状態

で,指定された方法によって校正する。(1)の試験用混合ガスを検知部に触れさせ,指定された応答時

間の3倍以上の時間を経た後,各試験用混合ガスに対する酸素濃度計の読みを記録する。 

(4) (3)の結果,気圧の変化によって濃度の読みの誤差が±0.1%酸素以上に及ぶ場合には,正常大気圧と測

定した環境圧との差で酸素濃度計の読みを補正し,各々の補正された酸素濃度計の読みが,示された

酸素濃度の±(3%酸素+試験用混合ガスの酸素濃度の精度)であること。ただし,乾燥空気で校正し

た後において15〜25%酸素の範囲内では,±1%酸素であることを確認する。 

5.4.2 

安定性 安定性は,校正した後8時間の連続使用の間,酸素濃度計の酸素測定範囲の中央付近の精

度について,次の方法によって試験を行う。 

(1) 乾燥した酸素と窒素とから成る混合ガスで酸素濃度計の全表示範囲の20%から80%の濃度の酸素を含

む試験用混合ガスを使用すること。この場合,除湿した室内空気を使ってもよい。試験用混合ガスの

精度は,表示された濃度の±0.5%酸素であること。 

(2) 検知部へ導入する試験用混合ガスの温度(3)を,25±2℃に維持すること。 

また,その圧力は大気圧であること。酸素濃度計を試験中は,同じ状態に維持すること。 

(3) 酸素センサ及び酸素濃度計の温度が,それぞれ試験用混合ガスの温度及び周囲温度と平衡になった状

態で,指定された方法によって校正する。試験中は,目盛の再校正をしてはならない。検知部を連続

8時間試験用混合ガスに触れさせ,連続測定式の酸素濃度計の場合は,少なくとも15分ごとに1回酸

素濃度計の読みを記録する。間けつ(歇)測定式の酸素濃度計の場合は,少なくとも15分ごとに1

回試験用混合ガスのサンプルを測定し,酸素濃度計の読みを記録する。 

(4) (3)の結果,気圧の変化によって誤差が±0.1%酸素を超える場合には,正常大気圧と測定した環境圧と

の差で酸素濃度計の読みを補正し,それぞれの補正された酸素濃度計の読みが,示された酸素濃度の

±(3%酸素+試験用混合ガスの酸素濃度の精度)であること。ただし,乾燥空気で校正した後,15

〜25%酸素の範囲では±1%酸素であることを確認する。 

5.4.3 

応答時間 応答時間について,次の方法によって試験を行う。 

(1) 乾燥した酸素と窒素の混合ガスで,95%から100%までの範囲及び20%から25%までの範囲の酸素濃

度で表示された酸素濃度の±0.5%酸素の2種類の試験用混合ガスを使用すること。約21%酸素を含む

混合ガスが望ましい場合には,除湿した室内空気を使ってもよい。 

(2) 検知部へ導入する試験用混合ガスの温度(3)を,25±2℃に維持すること。その圧力は,大気圧であるこ

と。 

(3) 酸素センサ及び酸素濃度計が,それぞれ試験用混合ガスの温度及び周囲温度と平衡になった状態で,

指定された方法によって校正する。酸素濃度が95%から100%までの間に相当する試験用混合ガスに

検知部を触れさせる。指定された応答時間の3倍以上の時間を経た後,酸素濃度計の読み (R1) を記

録する。 

次に,検知部を酸素濃度が20%から25%までの間に相当する試験用混合ガスに触れさせる。指定さ

れた応答時間の少なくとも3倍以上の時間を経た後,酸素濃度計の示す読み (R2) を記録する。 

次いで,R2を測定した酸素濃度計で,酸素濃度が95%から100%までの間の試験用混合ガスに検知

部を再び触れさせる。酸素濃度計の読みが変動し始めてから,上昇してR1とR2との差の90%〔R2

+ [0.9× (R1−R2)] =R3〕になるまでの時間を秒単位で記録する。 

最後に,R1を測定した酸素濃度計で,検知部を酸素濃度が20%から25%までの間の試験用混合ガス

に再び触れさせる。酸素濃度計の読みが変動し始めてから,下降してR1とR2との差の90%〔R1− [0.9

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× (R1−R2)] =R4〕になるまでの時間を秒単位で記録する。 

(4) 酸素濃度計の読みが,R3及びR4になるまでの時間を,指定された応答時間の値とそれぞれ比較する。 

5.4.4 

警報 警報は,警報設定可能な全範囲にわたり,各種の酸素濃度で警報設定点の精度について,次

の方法によって試験を行う。下限が固定式の場合は,16%酸素以下に設定されていないこと。 

また,可変式の場合は,16%酸素以下に設定できないことを調べる。20%酸素未満に設定できるものは,

適切な可視の注意表示を備えているかどうかを調べる。 

(1) この試験の実施は,次の方法のいずれかによってもよい。 

(a) 酸素濃度を変える方法 

(b) 酸素センサを電気的にシュミレートする方法 

(c) 校正用調節器を調節する方法 

(2) 酸素濃度を変える方法による場合には,5.4.1(1)の試験用混合ガスを使用し,5.4.1(2)の条件によって行

うこと。 

(3) 警報部設定可能な全範囲にわたり,ほぼ等しい間隔で5種類以上の酸素濃度計の読みを選び,それぞ

れの読みについて警報が作動しないように警報濃度調節器を調節する。 

次に各警報が作動し始めるまで警報濃度調節器を調節し,警報が最初に出る時点でのそれぞれの酸

素濃度計の読みについて,その警報濃度値及び相当する警報設定値を記録する。 

また,可視と可聴の両方の警報信号(4)が作動することを確認する。 

注(4) 可視及び可聴の信号は,4.11〜4.15の規定による。 

5.4.5 

湿度及び結露の影響 

(1) 湿度の影響 湿度の影響は,結露しない範囲の湿度に酸素センサを2時間触れさせておき,この間に

室内空気で測定精度について,次の方法によって試験を行う。 

(a) 校正用混合ガスとしては,乾燥した室内空気を使用し,試験用混合ガスとしては,95%以上の相対

湿度に加湿した室内空気を使用する。この際,結露させないこと。 

(b) 酸素濃度計の周囲温度を25±2℃に維持し,検知部へ導入する校正用混合ガス及び試験用混合ガス

の温度を35±2℃に維持する。その圧力は,大気圧であること。指定された手順に従って,酸素濃

度計を加湿されたガスの測定のための配置(例えば,アダプタを取り付けるか又は酸素センサの設

置方向)とする。酸素濃度計及び酸素センサを,試験中は同じ状態に維持する。 

(c) 酸素センサ及び酸素濃度計を,それぞれ35±2℃の温度及び周囲温度と平衡になった状態で,指定

された方法に従って,校正用混合ガスを使用して校正をし,連続2時間,検知部を試験用混合ガス

に触れさせる。連続測定式の酸素濃度計では,少なくとも15分ごとに1回,酸素濃度計の読みを記

録する。 

また,間けつ測定式の酸素濃度計では,少なくとも15分に1回,試験用混合ガスのサンプルを測

定し,酸素濃度計の読みを記録するとともに±0.2℃の精度で温度を,また,そのときの読み値の±

0.2%の精度で気圧を記録する。 

(d) 酸素濃度計の読みが酸素分圧単位でない場合には,次の式によって酸素分圧単位に変えること。 

B

R

P

×

=100

ここに, P: 酸素分圧 (kPa) 
 

R: 酸素濃度計の読み(%酸素) 

B: 気圧 (kPa) 

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次の式によって,温度及び気圧のそれぞれの読みについて,100%水蒸気による希釈効果について,

それぞれの酸素濃度計の読みを補正する。 

100

×

×

=

B

P

V

B

B

A

t

ここに, 

A: 補正された酸素濃度計の読み(%酸素) 

B: 気圧 (kPa) 

Vt: 水蒸気圧(温度tでkPa)(表2参照) 

t: 加湿された試験用混合ガスの温度 (℃) 

P: 酸素分圧 (kPa) 

それぞれの補正された酸素濃度計の読みが,17.4%酸素から24.4%酸素までの範囲にあることを確

認する。 

表2 温度と水蒸気圧との関係 

温度 

℃ 

圧力 

kPa {mmHg} 

33 

5.03 {37.7} 

34 

5.32 {39.9} 

35 

5.63 {42.2} 

36 

5.95 {44.6} 

37 

6.28 {47.1} 

(2) 結露の影響 酸素センサを100%の相対湿度(結露)に2時間触れさせている間の,測定精度と応答

時間について,次の方法によって試験を行う。 

(a) 校正用混合ガスとしては,乾燥した室内空気を使用し,試験用混合ガスとしては,100%の相対湿度

(結露)をもつ加湿した室内空気を使用すること。 

(b) (1)(b)に規定する条件が適用されるように確保し,試験用混合ガスが完全に飽和した結露状態で検知

部へ導入され,検知部で結露することを確認する。 

(c) 2時間の間,(1)(c)の規定によってそれぞれの酸素濃度計の読みを記録した後,5.4.3に規定する方法

によって応答時間の試験を行う。 

(d) (1)(d)の規定によって,その結果を計算し,それぞれの補正された酸素濃度計の読みが,17.4%酸素

から24.4%酸素までの範囲にあることを確認する。 

また,各々の応答時間を確認する。 

5.4.6 

干渉するガス又は蒸気の影響 干渉するガス又は蒸気の影響は,表1に示す干渉するガス又は蒸気

のいずれかがある場合,測定精度について次の方法によって試験を行う。 

(1) 乾燥した酸素との混合ガスで,表1に示す濃度の干渉するガス又は蒸気を含み,表1に示す酸素濃度

の±2%酸素をもつ試験用混合ガス又は蒸気を使用すること。 

(2) 25±2℃に,検知部へ導入する試験用ガスの温度を維持すること。 

また,その圧力は,大気圧であること。酸素濃度計を試験中は,同じ状態に維持すること。 

(3) 酸素センサ及び酸素濃度計の温度が,それぞれ試験用混合ガスの温度及び周囲温度と平衡になった状

態で,指定された方法によって校正する。酸素濃度計に,可燃性ガスの使用ができないことを示す表

示があるかどうか酸素濃度計本体を調べる。検知部を連続2時間適切な試験用混合ガスの一つに触れ

させ,連続測定式の酸素濃度計の場合は,少なくとも15分ごとに1回酸素濃度計の読みを記録する。

間けつ測定式の酸素濃度計の場合は,少なくとも15分ごとに1回,試験用混合ガスのサンプルを測定

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

し酸素濃度計の読みを記録する。表1に示す他の適用できる混合ガスについて,それぞれこの試験を

繰り返す。 

(4) この結果,気圧の変化によって誤差が±0.1%酸素以上に及ぶ場合には,正常大気圧と測定した環境圧

との差で酸素濃度計の読みを補正し,それぞれの補正された酸素濃度計の読みを確認する。 

5.4.7 

機械的衝撃 JIS T 1004の4.に規定する可搬形機器の落下試験後,4.1(1)に規定する測定精度,4.3

に規定する応答時間及び4.4に規定する警報について,それぞれ5.4.1,5.4.3及び5.4.4に規定する方法に

よって試験を行う。 

5.4.8 

周期的ガス圧変動 周期的ガス圧変動は,4.1(1)に規定する測定精度及び4.3に規定する応答時間

について,次の方法によって試験を行う。 

(1) 検知部に,9.81±0.98kPa {100±10cmH2O} の陽圧及び1.47±0.20kPa {15±2cmH2O} の陰圧を交互に2

秒間以上加え,これを10分間,60秒に10±1回の割合で繰り返す。 

(2) 5.4.1に規定する測定精度及び5.4.3に規定する応答時間の試験を行う。 

5.4.9 

ガス漏れ又はガスサンプリング量 ガス漏れ又はガスサンプリング量は,次のとおりとする。 

(1) ガス漏れ ガス漏れば,呼吸回路に連続測定式の酸素濃度計を接続し,次の方法によって試験を行う。 

(a) 試験用ガスとして,室温の加圧空気を使用すること。 

(b) 検知部を呼吸回路内に設置する。JIS T 7201(麻酔器)に規定する寸法の接合部のプラグで,呼吸

回路口の一方を閉じ,他の口をTピースの一つの口に接続する。Tピースの他の口に±0.294kPa 

{3cmH2O} の精度の圧力計及び毎分±2mlの精度の流量計の出口をそれぞれ接続する。流量計の入

口には加圧空気源を取り付ける。 

(c) 加圧空気源を2.94kPa {30cmH2O} に調整して,流量計の読みを1分間調べる。 

(2) ガスサンプリング量 ガスサンプリング方式の酸素濃度計のガスサンプリング量は,呼吸回路からサ

ンプリングするガスの流量について,次の方法によって試験を行う。 

(a) 試験用ガスとして,室温の加圧空気を使用すること。 

(b) ±10%の精度の流量計を使用して,(1)(b)に規定する試験装置を準備する。 

(c) 加圧空気源を2.94kPa {30cmH2O} に調整して,流量計の読みを1分間調べる。 

5.4.10 酸素センサの寿命 酸素センサの寿命は,取扱説明書に示す酸素センサの有効寿命の限度の近くで,

4.1(1)に規定する測定精度,4.2に規定する安定性及び4.3に規定する応答時間について,次の方法によっ

て試験を行う。 

(1) 98%酸素以上の濃度の乾燥した試験用混合ガスを使用すること。 

(2) 検知部へ導入する試験用混合ガスの温度(3)を,25±2℃に維持すること。 

また,その圧力は大気圧であること。 

(3) 酸素センサについて5.4.1に規定する測定精度,5.4.2に規定する安定性及び5.4.3に規定する応答時間

の試験を行う。指定された酸素センサの有効寿命に相当する期間,検知部を試験用混合ガスに触れさ

せる。周囲温度及び試験用混合ガスの温度は,この期間中に8.(1)に規定する使用環境の周囲温度範囲

を超えて変化してもよい。この期間の後,酸素センサをそれぞれ5.4.1〜5.4.3によって再び試験する。 

5.4.11 可聴信号周波数 酸素濃度計のすべての可聴信号の基本周波数を,周波数測定装置を使用して測定

する。 

5.4.12 手動警報信号解除 低酸素濃度警報信号の解除機構が自動復帰するまでの時間について,低酸素濃

度警報を作動させ,警報状態を維持している間に,解除機構を操作し,ストップウォッチを使用して,可

聴信号が停止している時間を測定する。 

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5.4.13 使用環境 酸素濃度計を使用環境の周囲温度範囲の上下限の温度と平衡状態にした後,4.1(1)に規

定する測定精度及び4.3に規定する応答時間について,次の方法によって試験を行う。 

(1) 酸素濃度計の電源をONにし,温度40±1℃,相対湿度95%以下の室内空気と平衡状態に保つ。酸素

濃度計の内部にサーミスタを入れる方法などによって,平衡状態を確認する。 

(2) 5.4.1に規定する測定精度及び5.4.3に規定する応答時間の試験を行う。 

(3) 次に,10±1℃の温度で,(1)及び(2)の試験を繰り返す。 

5.4.14 保管環境 輸送のため包装した酸素濃度計を,保管環境の周囲温度範囲の上下限の温度と平衡状態

にした後,検知部に導入するガスの温度を25±2℃に保って,4.1(1)に規定する測定精度及び4.3に規定す

る応答時間について,次の方法によって試験を行う。 

(1) 輸送のため包装した酸素濃度計が,相対湿度95%以下で,次のいずれか低い方の温度の室内空気と平

衡状態を保つ。酸素濃度計の内部にサーミスタを入れる方法などによって,平衡状態を確認する。輸

送のため包装した酸素濃度計が,試験温度と平衡状態になった後,更に4時間その温度を維持し,そ

の後,室温に戻す。包装を解き,指定された手順によって設置する。 

(a) 60±1℃ 

(b) 取扱説明書に示された最も高い保管温度 

(2) 5.4.1に規定する測定精度及び5.4.3に規定する応答時間の試験を行う。 

(3) 次の試験温度のいずれか高い方の温度で(1)及び(2)の試験を繰り返す。 

(a) −10±1℃ 

(b) 取扱説明書に示された最も低い保管温度 

6. 表示 酸素濃度計には,次の事項を表示する。 

(1) 品名又はカタログ番号 

(2) 製造業者名 

(3) 製造番号 

(4) 結露の影響 必要な場合,4.5(2)に規定する表示をすること。 

(5) 干渉するガス又は蒸気の影響 必要な場合,“吸入麻酔薬の使用はできません。”又は同様の表示をす

ること。 

(6) 周期的ガス圧変動 必要な場合,4.8(2)に規定する表示をすること。 

(7) 表示部 表示部には,4.13に規定する表示をすること。 

(8) 警報設定 警報設定が固定の場合には,警報設定値を表示すること。 

(9) 簡単な取扱説明 簡単な取扱説明及び酸素濃度計の応答時間を表示すること。 

7. 取扱説明書 取扱明説書には,次の事項を記載する。 

(1) JIS T 1005(医用電気機器取扱説明書の様式)によるほか,酸素濃度計の目的及び意図する用途を示

すこと。 

(2) 次の性能仕様及び特性を示すこと。 

(a) 酸素濃度測定範囲及び精度 

(b) 安定性 

(c) 応答時間 

(d) 酸素濃度警報範囲及び精度 

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(e) 使用温度範囲及び保管温度範囲 

(f) ガスサンプリング量(検知部がガスサンプリング方式の酸素濃度計) 

(g) 消費電力又は使用電池の種類と数 

(3) 次の性能の影響を示すこと。 

(a) 酸素センサに不利な影響を及ぼす湿度又は結露の限度 

(b) 干渉するガス又は蒸気 

(c) 温度 

(d) 機械的衝撃 

(e) 周期的ガス圧変動 

(f) 電磁干渉 

(g) 気圧又は測定部位での圧力 

(h) 電源電圧 

(i) 酸素センサ又は酸素濃度計の経年変化 

備考 酸素濃度が酸素濃度単位(体積%)で表示される場合には,取扱説明書に,酸素濃度計の読み

は測定するガスが1気圧のときに限り正しいという説明を示すこと。 

(4) 酸素センサの交換期間が示されている場合には,取扱説明書にその予測寿命を示すこと。酸素センサ

が4.10の規定を満たしている期間を,25℃で乾燥した100%酸素での連続使用の時間若しくは日数又

は月数で有効寿命として示すこと。 

備考1. その他の作動条件も有効寿命に基づいて示されてもよい。 

2. 酸素センサの保管方法及び保管寿命を示すことが望ましい。 

3. 酸素濃度計のその他の消耗部品(例えば,電池)の予測寿命も,特定の使用条件下で示され

ることが望ましい。 

(5) 正しい操作及び現場での使用者のサービスに必要なすべての操作制御器,調節器及びシステム構成部

品(例えば,電池ケース)の位置を図示すること。 

(6) 次の酸素濃度計の操作のための説明を示すこと。 

(a) 操作前の点検及び校正 

(b) 日常の検査及び試験 

(c) 清しょく(拭),消毒又は滅菌方法 

(7) 校正用ガスとして室内空気を使用する現場での試験方法を示すこと。 

(8) 次のような図示されたサービス情報を示すこと。 

(a) 酸素濃度計を正しい作動条件に維持するのに必要な,調整を含む保守及び校正についての説明。 

(b) 使用者が実施できる調整及び修理方法。 

(9) 酸素濃度計の正しい設置方法及び酸素センサのケーブル又はサンプリングチューブの接続方法を示す

こと。 

8. 使用条件 酸素濃度計は,次の使用条件で,正常,かつ,安全に使用できなければならない。 

(1) 使用環境 使用環境は,JIS T 1001の3.(1)による。ただし,検知部が接触するガスの相対湿度は0〜

100%とする。 

(2) 保管環境 保管環境は,指定がない場合は,JIS T 1001の3.(2)による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

医療安全用具部会 麻酔器専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

佐 藤   暢 

鳥取大学医学部麻酔学科 

前 田 勲 男 

工業技術院標準部 

渡 辺   徹 

厚生省薬務局 

小 林 建 一 

東京慈恵会医科大学麻酔科 

神 山 守 人 

杏林大学医学部麻酔科 

茅   稽 二 

順天堂大学医学部麻酔科 

宮 坂 勝 之 

国立小児病院 

山 田   満 

国立大蔵病院麻酔科 

渡 辺   敏 

北里大学医学部麻酔科 

市 河 鴻 一 

株式会社アイカ 

佐 藤 誠 芳 

アコマ医科工業株式会杜 

磯 部 満 夫 

理研計器株式会社 

小 池 英 二 

アトム株式会杜 

宮 田 昭一郎 

利康商事株式会祉 

久 枝 雄 三 

泉工医科工業株式会杜 

鈴 木 史 郎 

オリジン医科工業株式会社 

新 田 好 広 

日本ビーオーシー株式会杜 

(事務局) 

柾 谷 栄 吾 

工業技術院標準部電気・情報規格課 

根 上 雄 二 

工業技術院標準部電気・情報規格課