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T 6605:2005  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本歯科材料工業

協同組合(JDMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。これに

よって,JIS T 6605:1994は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,国際規格に整合した日本工業規格を作成するため,ISO 6873:1998,Dental gypsum 

productsを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS T 6605には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 種類 ······························································································································ 1 

4. 品質 ······························································································································ 1 

4.1 外観 ···························································································································· 1 

4.2 硬化時間 ······················································································································ 1 

4.3 線硬化膨張 ··················································································································· 1 

4.4 圧縮強さ ······················································································································ 1 

4.5 細線再現性 ··················································································································· 2 

5. 試験方法 ························································································································ 2 

5.1 サンプリング ················································································································ 2 

5.2 試験条件 ······················································································································ 2 

5.3 練和方法 ······················································································································ 2 

5.4 硬化時間試験 ················································································································ 2 

5.5 線硬化膨張試験 ············································································································· 3 

5.6 圧縮強さ試験 ················································································································ 6 

5.7 細線再現性試験 ············································································································· 6 

6. 表示 ······························································································································ 8 

7. 説明書 ··························································································································· 9 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ···································································· 10 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 6605:2005 

歯科用硬質石こう(膏) 

Dental stone 

序文 この規格は,1998年に第2版として発行されたISO 6873,Dental gypsum products を元に,対応す

る部分については,原国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一

覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,微粉砕された硫酸カルシウムの半水和物を主成分とし,必要に応じ調整材及

び着色材を含み,陰型,模型又は歯型の作製及び義歯埋没用に用いる歯科用硬質石こう(膏)(以下,石こ

うという。)について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 6873:1998,Dental gypsum products (MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は, その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7503 ダイヤルゲージ 

ISO 3696 Water for analytical laboratory use−Specification and test methods 

3. 種類 石こうの種類は,次による。 

タイプ1 硬質石こう(膏),模型用 

タイプ2 硬質石こう(膏),歯型用 

タイプ3 超硬質石こう(膏),歯型用 

4. 品質  

4.1 

外観 粉末は,目視で試験したとき,品質が均一で異物又は塊を含まず,製造業者が指定する方法

で練和したとき,均一な練和物が得られなければならない。 

4.2 

硬化時間 硬化時間は,5.4によって試験したとき,すべての材料は,7. c) で製造業者から示された

数値に対して20 %以内でなければならない。製造業者が硬化時間を範囲で示している場合には,この範囲

の中間値の20 %以内でなければならない。 

4.3 

線硬化膨張 線硬化膨張は,5.5 によって試験したとき,表1による。 

4.4 

圧縮強さ 圧縮強さは,5.6 によって試験したとき,表1による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.5 

細線再現性 細線再現性は,5.7 によって試験したとき,図4 a) テストブロック中の線a が再現で

きなければならない。 

表 1 

タイプ 

線硬化膨張 

圧縮強さ 

MPa 

0〜0.20 

20.0以上35.0未満 

0.16〜0.30 

35.0以上 

0〜0.15 

35.0以上 

5. 試験方法  

5.1 

サンプリング 試験に用いる石こうは,製造業者から示された使用期限を過ぎていてはならない。

同一ロットの製品とし,既に開封された容器又は壊れた容器の中の粉末を用いてはならない。 

5.2 

試験条件 石こうの練和及び試験は,すべて23±2 ℃,相対湿度 (50±10) %の環境下で行う。練和

及び試験に用いる器具並びに器械は,すべて汚れがなく乾燥していて石こう粒子が付着していてはならな

い。試験をはじめる前に試験材料及び試験器具は,少なくとも15時間,試験温度に保たれていなければな

らない。 

5.3 

練和方法 練和方法は,次による。 

a) 練和は,製造業者が指定する混水比で,必要量の粉末(質量)及び必要量の水(体積)を計量する。

製造業者が範囲で指定している場合には,中間値を用いる。 

b) 練和方法は,製造業者が指定する方法で行う。 

なお,練和開始時間は,石こう粉末を水に加え始めたときとする。 

c) 練和に用いる水は,水道法の規定に基づく水質基準に関する水道水又はISO 3696に規定する水を用い

る。 

5.4 

硬化時間試験  

5.4.1 

器具 器具は,次による。 

a) ビカー針装置 次の事項に適合するビカー針装置(図1参照) 

1) 長さ約50 mm,直径1±0.05 mmの円形断面のビカー針 (C)。 

2) 長さ約270 mm,直径約10 mmのロッド (B)。 

3) 追加のおもり (A),ロッド (B) 及びビカー針 (C) の全質量は,300±1 gでなくてはならない。 

4) ミリメートル目盛のスケール (D) 

b) ガラス板 約100×100 mmの汚れのない乾燥した平滑なガラス板 (I) 

c) 硬化時間測定用リング型 内径20 mm,高さ30 mmの円筒形で,耐食性で非吸水性の材質からなり,

汚れのない乾燥したリング型 (G)。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 1 ビカー針装置の例 

5.4.2 

試験方法 試験方法は,次による。 

a) 硬化時間測定用リング型をガラス板の中央に置く。 

b) 粉末100±0.1 gを5.3によって練和し,硬化時間測定用リング型の上面から少し盛り上がるまで練和

物を硬化時間測定用リング型の中に注ぎ込む。 

c) 硬化時間測定用リング型の上端に高さを合わせて,スパチュラで練和物を平らにする。 

d) 図1のビカー針装置を用いて,予想される硬化時間の1分前又は2分前(通常,表面の光沢がなくな

る,すなわち,過剰の水分がなくなる。)から針を,練和物の表面から自重で静かに落下させる。 

e) 硬化時間測定用リング型の壁及び他の針入マークから,少なくとも5 mm離れている新しい部分に,

次の針を試料表面から自重で静かに落下させることができるように,ガラス板ごと型を移動する。 

f) 

針をきれいにふいてから針の先端を練和物の表面に接触させて,止めねじ(図1のE)でロッドを固

定する。 

g) スケールを読み,15±1秒間隔で止めねじをゆるめ,ロッドを解放する。スケールの新しい位置を書

きとめて針入深さを計算する。 

h) 練和時間から針入深さが2 mm以下となるまでの時間を,硬化時間とする。 

5.4.3 

評価 5.4.2による2回の試験が,硬化時間の規定 (4.2) の値に合う場合には,この硬化時間の規

定に適合する。2回の試験がいずれも規格値に合わない場合には,この硬化時間の規定に適合しない。1

回の試験が規格値に合い,1回の試験が規格値に合わない場合には,更に3回の試験を繰り返す。3回の繰

り返し試験がすべて規格値に合う場合には,この硬化時間の規定に適合する。3回の試験のうちいずれか

が規格値に合わない場合には,この硬化時間の規定に適合しない。 

5.5 

線硬化膨張試験 線硬化膨張試験は,5.5.1又は5.5.2のいずれの方法でもよい。 

5.5.1 

線硬化膨張 (1) 試験 線硬化膨張 (1) 試験は,次による。 

a) 器具 器具は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 線硬化膨張測定装置 次の事項に適合する線硬化膨張測定装置 (1)(図2参照) 

単位 mm 

図 2 線硬化膨張測定装置 (1) 

1.1) ダイヤルゲージ(E)は,0.8 N以下の測定力及び0.01 mmの精度で測定可能なJIS B 7503 に規定す

るもの。 

1.2) 槽 (A) は,測定長さが100±0.1 mm で,内側の一辺の長さが30±0.1 mm,底の角度が90°の二

等辺三角形であり,槽 (A) の内側に一辺の長さが25±1 mmの三角形を形成するように,水平線

を刻む。槽の一端を固定エンドピース (F) でふさぎ,他端を200±10 gの質量の可動エンドピー

ス (C) でふさぐ。この可動エンドピースは,可動エンドピース固定ねじ (G) によって固定する。 

2) PTFEシート 厚さ0.1〜0.2 mmのポリテトラフルオロエチレンシート 

3) 離型剤 ワセリン,シリコーンスプレー,シリコーングリスなどの非吸水性の離型剤。 

b) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 槽にPTFEシート (B) を敷く。 

2) 固定エンドピースと可動エンドピースの内側面に離型剤を塗る。 

3) 粉末100 g を5.3によって練和し,練和物を槽内に刻まれた線と同じ高さになるまで,注ぎ込み,

上面をPTFEシートで覆う。 

4) 5.4 で測定した硬化時間の60±1秒前に可動エンドピース固定ねじ (G) を解放し,最初の測定を行

う。 

5) 練和開始から120±1分後にダイヤルゲージの目盛を0.01 mmのけたまで読み取り,元の長さの百

分率として0.01 %のけたまで求め,線硬化膨張の値とする。 

c) 評価 5.5.1b) による2回の試験が,線硬化膨張の規定(表1)の値に合う場合には,この線硬化膨張

の規定に適合する。2回の試験がいずれも規格値に合わない場合には,この線硬化膨張の規定に適合

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

しない。1回の試験が規定値に合い,1回の試験が規格値に合わない場合には,更に3回の試験を繰り

返す。3回の繰り返し試験がすべて規格値に合う場合には,この線硬化膨張の規定に適合する。3回の

試験のうちいずれかが規格値に合わない場合には,この線硬化膨張の規定に適合しない。 

5.5.2 

線硬化膨張 (2) 試験 線硬化膨張 (2) 試験は,次による。 

a) 器具 器具は,次による。 

1) 硬化膨張測定用金属型 次の事項に適合する耐食性の線硬化膨張測定装置 (2)(図3参照) 

単位 mm 

A 移動枠 

B 両側枠 

C ダイヤルゲージ 

D 底板 

E PTFEシート 

図 3 線硬化膨張測定装置 (2) 

1.1) ダイヤルゲージ (C) は,0.1 N以下の測定力で測定可能なJIS B 7503に規定されるもの。 

1.2) 測定用金属型は,図3に示すような長さ (a) 100 mm以上,幅 (b) と高さ (c) とが,長さの1/10

以上の寸法をもつ角柱で,移動枠 (A) 及び両側枠 (B) のはめ込み部は,線硬化膨張に対して抵抗

を生じない程度に接触する構造とする。 

1.3) ダイヤルゲージ (C) は,取付金具によって,底板 (D) に固定しているものとする。 

2) PTFEシート 厚さ0.1〜0.2 mmのポリテトラフルオロエチレンシート。 

b) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 両側枠と底面部にPTFEシート (E) を薄い両面テープなどで張り付け,内張りする。 

2) 粉末200 gを5.3によって練和し,練和物を槽内に刻まれた線と同じ高さになるまで,注ぎ込み,表

面を平らにする。 

3) 5.4で測定した硬化時間の60±1秒前にJIS B 7503に規定されたダイヤルゲージの目盛をゼロ点に

調整し水平に静置する。 

4) 練和開始から,120±1分後にダイヤルゲージの目盛を0.01 mmのけたまで読み取り,元の長さの百

 b (≧a/10) 

 a (≧100) 

 c (≧a/10) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

分率として0.01 %のけたまで求め,線硬化膨張の値とする。 

c) 評価 5.5.2b) による2回の試験が,線硬化膨張の規定(表1)の値に合う場合には,この線硬化膨張

の規定に適合する。2回の試験がいずれも規格値に合わない場合には,この線硬化膨張の規定に適合

しない。1回の試験が規定値に合い,1回の試験が規格値に合わない場合には,更に3回の試験を繰り

返す。3回の繰り返し試験がすべて規格値に合う場合には,この線硬化膨張の規定に適合する。3回の

試験のうちいずれかが規格値に合わない場合には,この線硬化膨張の規定に適合しない。 

5.6 

圧縮強さ試験  

5.6.1 

器具 器具は,次による。 

a) 圧縮強さ用型 高さ40±0.4 mm,内径20±0.2 mmの円筒形で,耐食性及び非吸水性の材質からなり,

汚れのない乾燥した5個の圧縮強さ用型。 

b) ガラス板 圧縮強さ用型の上端と下端を覆える大きさの,汚れのない乾燥したガラス板10枚。 

c) 圧縮強さ試験機 荷重速度が5±2 kN/minで測定できる圧縮強さ試験機。 

備考 クロスヘッド速度が一定の試験機を用いる場合には,この速度は,荷重を最初に加えてから試

料が破断するまでの平均速度が5±2 kN/minであるように調節する。適切なクロスヘッド速度

を求めるために,予備試料による試験を行う。 

d) 離型剤 ワセリン,シリコーンスプレー,シリコーングリスなどの非吸水性の離型剤。 

5.6.2 

試験方法 試験方法は,次による。 

a) 離型剤を塗った圧縮強さ用型を離型剤を塗ったガラス板の中央に置き,5組準備する。 

b) 粉末200±0.1 gを5.3によって練和し,ガラス板上に保持された圧縮強さ用型を傾けて,縁より少し

盛り上がるまで練和物を入れる。このとき,気泡の混入を最小にするため,流し込んでいる間(最長

30秒間),型を穏やかに振動させる。 

c) 練和物の表面から光沢が消える前に,離型剤を塗ったガラス板を型の上面に圧接する。 

d) 練和を開始してから45±1分後に,型から試料を取り出し,温度23±2 ℃及び相対湿度 (50±10) %

の環境に保存する。 

e) 練和開始から60±5分後に,圧縮強さ試験機を用いて,5個の試料を破壊試験し,加えられた最大の

力 (F) を記録する。 

備考 タイプ2及びタイプ3の試料では,試料の圧縮強さがこの規格の要求値を超えるだけでなく,

使っている試験機の許容荷重を超える可能性がある。もしも試験中に,試料が破壊されずに試

験機の許容荷重に達した場合には,そして圧縮強さに対する最低要求値に適合する荷重が加え

られている場合には,試料が破壊されるまで試験を行う必要はない。負荷された最大荷重を用

いてその試料に対する圧縮強さの値を算出することが望ましい。 

5.6.3 

評価 次の式によって圧縮強さを求める。 

S=F/314 

ここに, S: 圧縮強さ (MPa) 
 

F: 最大の力 (N) 

試料5個のうち4個が,圧縮強さの規定(表1)の値に合う場合には,この圧縮強さの規定に適合する。

3個が規格値に合う場合には,もう1回5個で試験を行う。この2回目の試験のうち5個の試料がすべて

規格値に合う場合には,この圧縮強さの規定に適合する。その他の場合には,この圧縮強さの規定に適合

しない。 

5.7 

細線再現性試験  

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T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.7.1 

器具 器具は,次による。 

a) 細線再現性試験用器具 図4に示す細線再現性試験用器具。 

単位 mm,許容差 ±0.1 mm 

(特に指定があるものを除く。) 

細線面の面粗さ (Ra):0.1 μm以下 

他の面 (Ra):0.4 μm以下 

図 4 細線再現性試験用器具 

T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 歯科用シリコーンゴム印象材 歯科用シリコーンゴム印象材(複模型用を含む。)及びその使用説明書。 

c) 金属又はガラスの平板 a) の細線再現性試験用器具の試験部位を覆うのに十分なだけの大きさの汚

れのない乾燥した金属又はガラスの平板。 

d) 1 500 gのおもりを載せる器具 1 500 gのおもりを載せるのに適した器具。 

e) 拡大鏡 倍率が4倍から6倍の拡大鏡 

f) 

光源 低角度で照明できる光源 

5.7.2 

試験方法 試験方法は,次による。 

a) 細線ブロックの印象の作製  

1) テストブロックを揮発性の溶剤できれいにする。印象材がブロックに付着する場合には,分離を助

けるものとして,タルクをブロックに軽く振りかけ,余分な粉末を吹き飛ばす。ただし,潤滑材を

塗ってはならない。 

2) テストブロックa) の上にリング型b) を置く。 

3) 使用説明書によって歯科用シリコーンゴム印象材を練和する。 

4) 練和物を型b) に少し盛り上げて満たし,直ちに平板で型を覆い,1 500±5 gのおもりを5±1秒間

加え,おもりを除いて印象材を硬化させる。 

5) なるべく変形させないようにして,リング型b) とテストブロックa) とを分離する。 

6) 拡大鏡を用いてテストブロックの線が再現された印象面を検査する。 

7) テストブロックの線aが2本の線dの間で全長にわたって明りょうに再現されていることを確かめ

る。 

8) 線が明りょうに再現されていなかった場合,満足できる印象が得られるまで,必要に応じて技法を

変えて線が明りょうに再現されるまで印象の作製を繰り返す。 

b) 石こう模型の作製  

1) 印象を保持しているリング型 b) にスリット型 c) をはめ込む。 

2) 粉末100±0.1 gを5.3によって練和し,型いっぱいに満たせるように,穏やかに振動させながら注

ぐ。 

3) 石こうを満たした型を温度23±2 ℃,及び相対湿度 (50±10) %の環境下で60±1分間保存する。 

4) 印象材から石こう模型を分離し,拡大鏡を用いて低角度照明下で調べ,線の状態を記録する。 

5.7.3 

評価 線の再現が完全であれば,細線再現性の規定に合格する。線が不完全である場合には,更に

2回の試験を繰り返す。2回とも完全な線が再現できた場合には,この細線再現性の規定に合格する。いず

れかの試験で不完全な線が生じた場合には,この細線再現性の規定に合格しない。 

6. 表示 石こうの包装には,次の事項を表示しなければならない。 

a) 製品名 

b) 種類 

c) 質量又は内容量 

d) 香料(添加されている場合) 

e) 使用期限及び保管条件 

f) 

製造業者名及び所在地 

g) 製造番号又は製造記号 

h) その他の法定表示事項 

T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7. 説明書 石こうには,次の事項を記載した説明書を表示又は添付しなければならない。 

a) 推奨する水/粉の比率 

b) 推奨する練和方法,推奨する練和装置,水に粉を入れるのに要する時間,粉を浸せきしておく時間,

手による練和及び/又は機械練和にかける時間を含む。 

c) 硬化時間 

d) 線硬化膨張 

e) その他,特別な取扱方法又は処理方法 

関連規格 JIS B 0601 製品の幾何特性使用 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状

パラメータ 

関連法規 厚生省令第69号 水道法の規定に基づく水質基準 

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10 

T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS T 6605:2005 歯科用硬質石こう(膏) 

ISO 6873:1998 歯科用石こう製品 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差
異の項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線又は点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

1.  
適用 
範囲 

陰型,模型又は歯型の作製及び
義歯埋没用に用いる歯科用硬
質石こう(膏)(以下,石こう
という。)が対象。 

ISO 6873 
 

焼石こう及び硬質石こう全般
を対象。 

MOD/削除 

ISO規格では石こ
う製品全般を対象
としているが,JIS
では焼石こうと硬
質石こうの規格を
別にした。規格体
系が異なる。焼石
こうについては,
JIS T 6604で規定
されている。 

技術的差異はない。 
 

2.  
引用 
規格 

JIS B 7503 
ISO 3696 
 

ISO 3696 

MOD/追加 

線硬化膨張にダイ
ヤルゲージを用い
た。 
 

− 

− 

定義 

MOD/削除 

定義の内容は,JIS
の適用範囲に記載
されている。 
 
 

技術的差異はない。 

 
 
 
 
 

1

0

T

 6

6

0

5

2

0

0

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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11 

T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差
異の項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線又は点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

3.  
種類 

タイプ1 硬質石こう,模型用 
タイプ2 硬質石こう,歯型用 
タイプ3 超硬質石こう,歯型用 

ISO 6873 4 

タイプ1:普通石こう,印象用 
タイプ2:普通石こう,模型用 
タイプ3:硬質石こう,模型用 
タイプ4:硬質石こう,歯型用, 
    高強度,低膨張 
タイプ5:硬質石こう,歯型用, 
    高強度,高膨張 

MOD/削除 

硬質石こうだけの
種類を採用した。 

ISOに削除の提案をすることを検討す
る。 

4.  
品質 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

4.1 外観 
 粉末は均一な品質をもち,目
視で検査したとき,異物や塊を
含んでいてはならない。 
− 
 
 
4.2 硬化時間 
 製造業者指定±20 % 
4.3 線硬化膨張 
 タイプ1:0〜0.20 % 
 タイプ2:0.16〜0.30 % 
 タイプ3:0〜0.15 % 
― 
 
 
4.4 圧縮強さ 
 タイプ1:20.0 MPa以上 
      35.0 MPa未満 
 タイプ2,3:35.0 MPa以上 
4.5 細線再現性 
 テストブロック中の線aが再
現できなければならない。 

5.1 
 
 
 
5.2 
 
 
5.3 
 
5.4 
 
 
 
5.5 
 
 
5.6 
 
 
 
5.7 
 

JISに同じ 
 
 
 
流動性 
 
 
JISに同じ 
 
JISに同じ 
 
 
 
破断性 
 
 
JISに同じ 
 
 
 
JISに同じ 
 

MOD/変更 
 
 
 
MOD/削除 
 
 
MOD/変更 
 
MOD/変更 
 
 
 
MOD/削除 
 
 
MOD/変更 
 
 
 
MOD/変更 

構成の変更 
 
 
 
硬質石こうには印
象用がないので削
除した。 
構成の変更 
 
構成の変更 
 
 
 
硬質石こうには印
象用がないので削
除した。 
構成の変更 

 
 
 

構成の変更 

技術的差異はない。 
 
 
 
次回見直しの際,提案する。 
 
 
技術的差異はない。 
 
技術的差異はない。 
 
 
 
ISOに削除の提案をすることを検討す
る。 
 
技術的差異はない。 
 
 
 
技術的差異はない。 

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T

 6

6

0

5

2

0

0

5

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12 

T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差
異の項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線又は点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

5. 
試験 
方法 

5.1 サンプリング 
5.2 試験条件 
5.3 練和方法 
― 
 
 
― 
 
 
5.4 硬化時間試験 
 
 
 
 
 
 
 

ISO 6873 
 

6.1 
6.2 
6.3 
7.1 
 
 
7.2 
 
 
7.3 

JISに同じ 
JISに同じ 
JISに同じ 
検査 
 
 
流動性 
 
 
上端の内径70 mm,下端の内
径60 mm,高さ40 mmの円す
いリングで400 gの試料を練
和する。 

MOD/変更 
MOD/変更  
MOD/変更 
MOD/削除 
 
 
MOD/削除 
 
 
MOD/変更 

構成の変更 
構成の変更 
構成の変更 
JISでは単独項目
としては取り扱わ
ない。 
硬質石こうには印
象用がないので削
除した。 
リング型の形状・
大きさ,粉末練和
量が違う。 
ISO規格では上端
の内径70 mm,下
端の内径60 mm,
高さ40 mmの円す
いリングを採用し
ているが,このよ
うに大きなリング
を使用する理由が
見当たらない。そ
こで今回は従来ど
おり,内径20 mm,
高さ30 mmのリン
グ型を採用した。
粉末練和量はリン
グの大きさに合わ
せた。 

技術的差異はない。 
技術的差異はない。 
技術的差異はない。 
ISOに削除の提案をすることを検討す
る。 
 
ISOに削除の提案をすることを検討す
る。 
 
今後のISO規格改正時に提案する。 

1

2

T

 6

6

0

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2

0

0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差
異の項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線又は点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

5.5 線硬化膨張試験 
5.5.1 線硬化膨張(1) 試験 
5.5.2 線硬化膨張(2) 試験 
 
― 
 
 
5.6 圧縮強さ試験 
 
 
 
 
 
 
5.7 細線再現性試験 

ISO 6873  

7.4 
 
 
7.5 
 
 
7.6 
 
 
 
 
 
 
7.7 

 
JISに同じ 
 
 
破断性 
 
 
300 gの試料を練和する。 
 
 
 
 
 
 
300 gの試料を練和する。 

 
MOD/変更 
MOD/追加 
 
MOD/削除 
 
 
MOD/変更 
 
 
 
 
 
 
MOD/変更 

 
構成の変更 
従来のJISも追加
した。 
硬質石こうには印
象用がないので削
除した。 
粉末練和量が違
う。 
ISO規格では300 g
の練和量である
が,200 gで十分必
要量を満たすため
である。 
粉末練和量が違
う。 
ISO規格では300 g
の練和量である
が,100 gで十分必
要量を満たすため
である。 

 
技術的差異はない。 
今後のISO規格改正時に提案する。 
 
今後のISO規格改正時に提案する。 
 
 
今後のISO規格改正時に提案する。 
 
 
 
 
 
 
今後のISO規格改正時に提案する。 

 
 
 
 
 
 
 

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T

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0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差
異の項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線又は点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

6. 
表示 

a) 製品名 
b) 種類 
c) 質量又は内容量 
d) 存在する場合,香料 
e) 使用期限及び保管条件 
f) 製造業者名及び所在地 
g) 製造番号又は製造記号 
h) その他の法定表示事項 

ISO 6873 8 

8 表示 
8.1 包装 
8.2 表示 
8.2.1 外装 
a) 製品名 
b) 製造業者の名称と所在地 
c) 材料のタイプとその用途 
d) 白色以外の場合,色 
e) 存在する場合,香料 
f) 質量又は内容量 
g) 使用期限 
h) 保存条件 
i) 湿度が高い場合石こう製品
が劣化するという記述 
j) ロット番号 
8.2.2 個別の小包装 
a) 製品名 
b) 製造業者の名称と所在地 
c) 内容物の正味質量(グラム) 
d) 液の必要量(ミリリットル) 
e) ロット番号 
f) 材料のタイプと用途 

MOD/変更 

その他の法定表示
事項を追加 

国内法に準拠した。ISOに追加の提案
をすることを検討する。 

 
 
 
 
 
 

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0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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T 6605:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国
際規格番
号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差
異の項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線又は点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

7. 
説明 
書 

a) 推奨する水/粉の比率 
b) 推奨する練和方法,推奨す

る練和装置,水に粉を入れ
るのに要する時間,粉を浸
せきしておく時間,手によ
る練和及び/又は機械練和
にかける時間を含む。 

c) 硬化時間 
d) 線硬化膨張 
e) その他,特別な取扱方法又

は処理方法 

ISO 6873 8 

8.3 製造業者が提供すべき情
報 
a) 液にはミリリットル単位,
粉にはグラム単位を用いて推
奨する水/粉の比率 
b) 推奨する練和方法,装置,
装置の設置の仕方,水に粉を入
れるのにかける時間,粉を浸せ
きしておく時間,手による練和
及び/機械練和にかける時間
を含む。 
c) 硬化時間 
d) 硬化膨張 
e) 製造業者が推奨する,特別
な取扱方法,又は処理。 

MOD/変更 

構成の変更 

技術的差異はない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

 
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― IDT……………… 技術的差異がない。 
  ― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  ― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  ― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。 
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 
  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

 
 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。