T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 2
2 引用規格························································································································· 2
3 用語,定義,記号及び略語 ································································································· 2
3.1 用語及び定義 ················································································································ 2
3.2 記号 ···························································································································· 5
3.3 略語 ···························································································································· 5
4 概要······························································································································· 6
5 必要条件························································································································· 6
6 試験器具及びテストパターン ······························································································ 7
6.1 輝度計 ························································································································· 7
6.2 照度計 ························································································································· 7
6.3 色度計 ························································································································· 7
6.4 テストパターン ············································································································· 7
7 評価方法························································································································· 9
7.1 概要 ···························································································································· 9
7.2 評価方法一覧 ················································································································ 9
7.3 目視評価方法 ··············································································································· 10
7.4 定量評価方法 ··············································································································· 17
附属書A(参考)試験報告書例 ······························································································ 23
附属書B(参考)輝度の測定方法 ··························································································· 41
附属書C(参考)テストパターンの説明 ·················································································· 44
附属書JA(参考)品質管理のための具体例 ·············································································· 52
参考文献 ···························································································································· 55
定義した用語の索引 ············································································································· 57
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
画像医療システム工業会(JIRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日
本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業
大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS T 62563-1:2013は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
T 62563-1:2019
(IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
医用電気機器−医用画像表示システム−
第1部:評価方法
Medical electrical equipment-Medical image display systems-
Part 1: Evaluation methods
序文
この規格は,2009年に第1版として発行されたIEC 62563-1及びAmendment 1(2016)を基に,技術的
内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補(amendment)については,
編集し,一体とした。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
この規格は,医用電気機器及び医用画像診断システムに使用する画像表示システムの性能試験の評価方
法を提供する。据付時(納入時)及び導入後,施設で2種類の試験が実施可能である。受入試験は,新し
い画像表示システムの据付後又は既設の画像表示システムに大きな変更があった後に実施する。画像表示
システムは,時間とともに劣化していくので,目的とする用途に必要な性能を維持していることを確認す
るために,使用者が定期的に不変性試験を実施する。
この規格は,種々の方法を記載しているが,どの試験を受入試験及び/又は不変性試験に用いなければ
ならないかを規定するものではない。
モダリティごと又は国内の学会等の規格及び指針1) の策定時に,評価方法についてはこの規格を参照と
して,受入試験及び不変性試験のための制限値及び頻度が新たに規定されることが,この規格の意図であ
る。附属書Aでは,参考として報告書例を記載している。また,附属書JAでは,参考として品質管理の
具体例を記載している。
この規格の本文中の太字は,箇条3で定義した用語である。この規格で定義した用語を,太字で表記し
ていない場合,定義は適用せず,意味は文脈に沿って解釈する。
注1) モダリティなどの規格及び指針の具体例を次に示す。
a) 一般社団法人日本画像医療システム工業会
JESRA X−0093*B-2017医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン
b) NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構
デジタルマンモグラフィ品質管理マニュアル
c) 公益社団法人日本医学放射線学会及び公益社団法人日本放射線技術学会
マンモグラフィガイドライン 第3版増補版
d) 公益社団法人日本医学放射線学会
デジタル画像の取り扱いに関するガイドライン3.0版(平成27年)
2
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
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1
適用範囲
この規格は,医用画像表示システムの性能試験の評価方法について規定する。
この規格は,目視評価又は基本的な試験器具を使用して測定できる実用的な試験による評価について規
定する。医用画像表示システムについて,より高度な又はより多くの量的な測定を行うことは可能である
が,この規格には含めない。
この規格は,医用画像表示システムに適用する。そのシステムとは,画像情報をカラー及びモノクロ画
像表示システムに表示できるものである。この規格は,診断目的(医用画像の解釈を臨床診断に用いる。),
又は参照目的(医学的解釈を与える以外に医用画像を医学的な目的で見る。)に使用する,画質について特
別な要求をもつ医用画像表示システムについて適用する。この規格は,ヘッドマウント形画像表示システ
ム,並びに位置の確認及びシステムの操作に使用する画像表示システムには,適用しない。携帯用の画像
表示システムに適用するためには,この規格に記載された手順に対して,追加又は修正版が必要となる場
合がある。
受入試験及び不変性試験の要求事項,並びに不変性試験の頻度を定めることは,この規格の適用外であ
る。
注記1 この規格は動画に関する規定は含めず,静止画だけの性能評価規定である。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 62563-1:2009,Medical electrical equipment−Medical image display systems−Part 1:
Evaluation methods及びAmendment 1:2016(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS Z 4005:2012 医用放射線機器−定義した用語
注記 対応国際規格:IEC/TR 60788:2004,Medical electrical equipment−Glossary of defined terms
JIS Z 8781-1:2012 測色−第1部:CIE測色標準観測者の等色関数
注記 対応国際規格:ISO 11664-1:2007,Colorimetry−Part 1: CIE standard colorimetric observers
CIE S 010/E:2004,Photometry−The CIE system of physical photometry
3
用語,定義,記号及び略語
3.1
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 4005によるほか,次による。
3.1.1
精度(accuracy)
基準値と試験結果との一致の度合い(JIS Z 8103参照)。
注記 JIS Z 8402-1では,“精確さ”という。
3.1.2
ブライトネス(brightness)
人間の視覚組織による輝度の感じ方又は明るさ。
3
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
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3.1.3
陰極線管,CRT(cathode ray tube,CRT)
受像管。電気信号が規定する画像を,電子ビームが蛍光体に衝突することによって可視化する画像表示
システムの構成品。
3.1.4
基準臨床画像(clinical reference image)
画像表示システムの使用目的に応じた代表的な特定医用画像。
注記 附属書Cに記載している解剖学上のパターンが,基準臨床画像の例である。
3.1.5
クロックアーチファクト(clock artefact)
内部ドットクロック周波数と入力アナログ信号のクロック周波数とが異なる場合に,画素が固定されて
いる画像表示デバイス(例えば,LCD)に見られるひずんだ形の縦方向の筋状又はしま(縞)状のアーチ
ファクト。
3.1.6
コントラスト(contrast)
任意に選択された2か所の画像領域の輝度の差“L1−L2”を両者の平均値で除した値。
コントラスト=(L1−L2)/[(L1+L2)/2]
3.1.7
デジタルドライビングレベル,DDL(digital driving level,DDL)
輝度を発生させる画像表示システムへの入力として与えられるデジタル値。
3.1.8
ディスプレイコントローラ(display controller)
コンピュータハードウェアと画像表示デバイスとの間のアナログ又はデジタルインタフェースを提供
する画像表示システム内の電子部品。
3.1.9
フラットパネルディスプレイ(flat panel display)
薄形平面画像表示デバイス。
例 液晶ディスプレイ(LCD),プラズマディスプレイ(PDP),電界放出ディスプレイ(FED),表面
伝導形電子放出素子ディスプレイ(SED),カーボンナノチューブディスプレイ(CNT),有機EL
ディスプレイ(OLED)
3.1.10
フリッカ(flicker)
人が知覚できる意図していない時間的な輝度変化又はちらつき。
3.1.11
グレースケール標準表示関数,GSDF(greyscale standard display function,GSDF)
バーテン(Barten)モデルに基づいて数学的に定義された,入力デジタルドライビングレベル(DDL)
から輝度値への写像(DICOM PS 3.14:2017 参考文献[2]参照)。
3.1.12
照度(illuminance)
単位面積当たりに入射する光束量[単位:ルクス(lx),lx=lm/m2]。
4
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
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3.1.13
画像表示デバイス,モニタ(image display device,monitor)
アナログ又はデジタルインタフェースを通じて提供される画像を表示するために使用する特定のハード
ウェア又は機器。
3.1.14
画像表示システム(image display system)
画像表示デバイス,ディスプレイコントローラ,並びにコンピュータのハードウェア及びソフトウェア
によって構成される画像表示が可能なワークステーション。
3.1.15
輝度(luminance)
1平方メートル(m2)当たりに照射される光量[単位:カンデラ毎平方メートル(cd/m2)]。
注記 この定義は,DIN 5031-3:1982-03[18]に由来する。また,国際電気技術用語集(The International
Electrotechnical Vocabulary,IEV)での定義と同じである。
3.1.16
位相アーチファクト(phase artefact)
内部ドットクロックの位相と入力アナログ信号のドットクロックの位相とが異なる場合に発生する,固
定画素方式の画像表示デバイス(例えば,LCD)のスクリーン上に見られる,文字,ラインなどのエッジ
がぼやけるアーチファクト。
3.1.17
精密さ(precision)
定められた条件下で得られる独立的な測定結果の間の一致の程度(JIS Z 8103参照)。
注記 JIS Z 8402-1では,“精度”という。
3.1.18
注記 定義した用語が,対応国際規格のAmendment 1:2016によって本文中で使用しなくなったため削
除する。
3.1.19
解像度アドレサビリティ比,RAR(resolution addressability ratio,RAR)
アドレス指定可能な領域のサイズに対する,輝度プロファイルのピークの50 %で測定した画素サイズ
(半値幅)の割合。
3.1.20
空間解像度(spatial resolution)
画像内の関心対象を空間的特徴で識別するための画像表示システムの能力を調べる評価基準。
注記 医用画像を表示した場合に関心対象の空間的な細部まで保持されていることを保証するために
は,適切な空間解像度特性をもつように設計されているシステムが必要である。不十分な解像
度の画像表示デバイスで画像データを表示した場合は,放射線画像診断の精度が損なわれる。
3.1.21
試験画像,テストパターン(test image,test pattern)
画像表示システムの性能を試験又は検証するための画像。
3.1.22
ベイリンググレア(veiling glare)
5
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内部散乱過程にて発生する,画像表示デバイス上で測定可能な輝度の増加。
注記 輝度増加分は,周りの画像の明るい部分に依存して影響を受ける。
3.1.23
ウィンドウ設定(window setting)
デジタル画像内に存在する画素値の一部を表示すること。
注記 ウィンドウ設定は,ウィンドウ幅及びウィンドウレベル(センタ)によって決定し,コントラ
スト強調に用いる。
3.2
記号
この規格で使用する物理的パラメータの記号を,表1に示す。
表1で参照できる全ての測定値は,画像表示デバイスの中央部で測定する。輝度は,この規格に規定し
た方法によって,ほかの位置で測定する場合があるので注意する必要がある。
表1−物理的パラメータの定義の一覧
記号
式
定義及び説明
Lamb
画像表示デバイスがオフの場合に,画像表示デバイス表面上で環境光に
よって発生する輝度
Lmin
DDL=0時の画像表示デバイスの画面中央部の輝度。測定に使用するテ
ストパターンには,特有のベイリンググレアを含む。測定は,環境光を
完全にオフした状態(暗室)で行う。
Lmax
DDL=最大時の画像表示デバイスの画面中央部の輝度。測定に使用する
テストパターンには,特有のベイリンググレアを含む。測定は,環境光
を完全にオフした状態(暗室)で行う。
L'min
Lmin+Lamb
DDL=0時に人間の目が画面中央部で知覚する輝度。ベイリンググレア
及びLambを含む。
L'max
Lmax+Lamb
DDL=最大時の画像表示デバイスの画面中央部の輝度。ベイリンググレ
ア及びLambを含む。
Rd
拡散反射係数(製造業者が特定する方法で測定した値。CIE標準の光源
A及び輝度計の直径よりも20 %〜30 %大きい開口サイズを使用する方法
が理想的である。)
r'
L'max/L'min
ベイリンググレア及びLambを含んだ画像表示デバイスの輝度比
E
照度
a
Lamb/L'min
安全係数
−
−
注記 対応国際規格ではaRが追加されているが,規格中にて使用されて
いないため削除した。
Δu'v'
[(u1'−u2')2+(v1'−v2')2]1/2
u'-v'色空間の偏差
3.3
略語
この規格で使用する略語を,次に示す。
CRT
陰極線管(cathode ray tube)
CT
コンピュータ断層撮影(computed tomography)
DDL
デジタルドライビングレベル(digital driving level)
DICOM 医療におけるデジタル画像及び通信(digital imaging and communication in medicine)
LCD
液晶ディスプレイ(liquid crystal display)
MR
磁気共鳴(magnetic resonance)
6
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4
概要
画像表示システムにおいて,あらゆる構成要素は,画像表示システムの画質を制限したり,低下させた
りする可能性がある。したがって,品質監視のために適切な測定方法を採用することが必要である。画像
表示システムが正しく調整及び保守される場合は,これらの装置は,終始一貫して同質の画像を表示でき
る。
試験の目的にかな(適)った精度をもつ試験器具(輝度計,試験画像など)を使用する。試験の前に,
全ての試験器具は,製造業者の仕様に従って,その機能を点検しなければならない。
製造業者のデータ(例えば,動作電圧,湿度などに対する要求事項)が画像表示システムの正しい設定
及び設置のために必要である。製造業者のデータは,画像表示システムの技術資料と同こん(梱)しなけ
ればならない。
この規格に規定した試験方法は,画像表示システムを試験するために使用する全ての評価方法の編さん
(纂)物である。これらの試験項目又は試験方法のサブセットを,画像表示システムの用途に応じて選択
して,いかなる順に適用してもよい。
移動形画像表示システムについては,特定の場所を画像表示システムが実際に使用される場所と仮定し
て試験を行わなければならない。また,試験場所の環境光が適切な明るさに調整できるよう,注意を払う
ことが望ましい。
5
必要条件
画像表示システムの試験の前に,次の事項を考慮しなければならない。
a) 画像表示システムの試験は,ソフトウェア,ハードウェア及び画像操作の設定を含むシステム全体を
含まなければならない。
b) 試験を行う全ての画像表示システムについて,コンピュータ,画像表示デバイス,ビデオカード及び
表示ソフトウェアを含む全ての要素及びソフトウェアバージョンが,トレース可能でなければならな
い。
c) 試験画像及び臨床画像は,画像表示システム上に,同一方法で表示しなければならない。
d) 試験を始める前に,画像表示デバイスの画面を取扱説明書に従って清掃しなければならない。
e) 画像表示システムの公称設定値は,以前の値から何も変更されていないことを保証しなければならな
い。
f)
部屋の照明,窓,ビューイングデバイスなどが,画像表示デバイス上に妨害になる反射を起こしては
ならない。反射防止の方法は,ISO 9241-302,ISO 9241-303,ISO 9241-305及びISO 9241-307に規定
されている。
g) 部屋の環境光は,通常の使用条件に保たなければならない。
h) 試験の開始前に,画像表示システムは安定した性能を保証するため,製造業者の推奨に従って設置及
び始動をしなければならない。また,画像表示デバイスは,安定した性能を確保するため,試験の前
に,製造業者が推奨する時間(例えば,30分間),通電しなければならない。画像表示システムは,
望ましい表示関数に設定するのがよい。グレースケール標準表示関数(GSDF)が推奨され,幾つか
の試験においては,これは必要不可欠な条件である。
7
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
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6
試験器具及びテストパターン
6.1
輝度計
輝度計は,次を満たさなければならない。輝度計の測定範囲は,少なくとも画像表示システムの輝度範
囲を,精密さ5 %以内(繰返し性),精度10 %以内で測定できるもので,一次標準試験所にトレース可能
な校正が行われているものでなければならない。計器の製造業者は,明確な校正手順を提供しなければな
らない。開口角は,5°を超えてはならない。相対分光感度は,ブライトネスCIE標準比視感度(明所視)
に一致しなければならない(CIE S 010/E:2004参照)。分光感度のずれによる影響は,この段落で記載して
いるように,全体で,±10 %の精度でなければならない。
密着形輝度計の場合,あらかじめ指定した角度及び測定距離によって,測定範囲の大きさが決定される。
測定の間,測定対象エリアは,指定された測定領域よりも十分大きい領域(又はパッチ)によって表示し
なければならない。
輝度計は,画像表示システムに組み込んでもよいし,独立のデバイスでもよい。
6.2
照度計
画像表示システムの試験に用いられる照度計は,1 lx〜1 000 lxの測定範囲で,精度10 %以内及び精密さ
5 %以内(繰返し性)が要求されることがある。照度計の校正は,一次標準試験所に対してトレース可能
で,明確な校正プログラムをもたなければならない。また,ランバート光源に対し,均一な応答をもたな
ければならない。
附属書Bに記載している方法B,方法C及び方法Dにおいて,照度計は,スクリーンの中央部で外向き
に配置するのが理想的である。同様の測定値が得られる限り,スクリーンの脇に配置することも許容でき
る。
6.3
色度計
色度計は,画像表示システムの試験に必要になることがある。この計器は,画像表示システムの輝度範
囲において,CIEの色度座標(JIS Z 8781-1:2012参照)をu',v'色空間で±0.004の精度(x,y色空間で±
0.007の精度)で評価できなければならない。色度計の校正は,一次標準試験所にトレース可能で,明確
な校正プログラムをもたなければならない。
6.4
テストパターン
表示試験に使用するテストパターンは,表2による。
表2−表示試験に使用するテストパターン
TG18-QC
全般的画質評価用
(CRT用及びLCD用)
OIQ
全般的画質評価用
(LCD用)
TG18-MP
グレースケール分解能評
価用
TG18-LN8-01
輝度評価用
8
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表2−表示試験に使用するテストパターン(続き)
TG18-LN8-18
輝度評価用
TG18-UN10
輝度均一性評価用
TG18-UN80
輝度均一性評価用
TG18-CT
輝度応答評価用
ANG
視野角特性評価用
GD
幾何学ひずみ(歪)評価用
TG18-UNL80
輝度均一性評価用
TG18-GVN
ベイリンググレア評価用
TG18-GV
ベイリンググレア評価用
TG18-CH
胸部X線画像見本
TG18-KN
四肢X線画像見本
TG18-MM1
乳房X線画像見本
TG18-MM2
乳房X線画像見本
BN01
輝度評価用(LCD用)
BN18
輝度評価用(LCD用)
これらのテストパターンのサブセット又はその構成要素は,試験するモダリティの意図した用途に応じ
て,複合テストパターンを形成するために使用してもよい(追加情報は,附属書Cを参照)。
9
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7
評価方法
7.1
概要
この箇条では,医用画像表示システムを試験するために用いることができる幾つもの評価方法(試験)
を規定する。これらの評価方法の数及び順序は,必須ではなく,特定のモダリティの規格用に,制限値及
び評価基準を独自に設けて,これらの試験のサブセットを,いかなる順序でも参照することができる。
7.2
評価方法一覧
表3は,この規格で規定している評価方法の一覧を示している。全ての試験が,特定の画像表示システ
ムに要求されている又は適切であるとは限らない。これらの一覧から,特定の画像表示システムにとって
重要な試験項目又は試験方法についてのサブセットを選択することができる。これらの試験は,いかなる
適切な順序でも実施することができる。
表3−医用画像表示システムを試験するために使用できる評価方法の一覧
評価方法
試験器具,テストパターン
目
視
評
価
方
法
全般的画質評価
− 全般的な性能を確認する。
TG18-QCテストパターン
グレースケール分解能評価
− 8ビット及び10ビットのマーカを基に,十分なグレ
ースケール分解能があるかどうかを確認する。
TG18-MPテストパターン
輝度応答評価
(全般的画質評価の中の該当評価よりも完全な評価方法)
TG18-CTテストパターン
輝度均一性評価
− 不均一な箇所を探す。
TG18-UN80テストパターン
色度評価
− 色の均一性を確認する。
TG18-UN80テストパターン
画素欠陥評価
− 暗い画素の欠陥(TG18-UN80)及び明るい画素の欠陥
(TG18-UN10)を探す。
TG18-UN10テストパターン,TG18-UN80テスト
パターン
ベイリンググレア評価(CRTだけ)
− 二つのテストパターンの低コントラストオブジェク
トの見え方を比較する。
TG18-GVNテストパターン,TG18-GVテストパタ
ーン,覆い
幾何学的画像評価
− 形状,位相・クロック補正及びクリッピングを確認す
る。
GDテストパターン,定規(CRTの場合だけ)
視野角特性評価
− 視野角応答を確認する。
ANGテストパターン
臨床画像評価
臨床試験画像(例として,TG18-CH,TG18-KN,
TG18-MM1及びTG18-MM2を参照)
定
量
評
価
方
法
基本的輝度評価
輝度計,照度計
環境光を含まない基本的輝度評価
輝度計
輝度応答評価
GSDFは,この試験の前提条件である。
輝度計,照度計
マルチディスプレイの輝度評価
輝度計
色度評価
色度計
マルチディスプレイの色度評価
色度計
輝度均一性評価
輝度計
視野角特性評価
(製造業者によって提供)
グレースケール色度評価
色度計
10
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.3
目視評価方法
7.3.1
概要
全ての目視試験は,特に規定がなければ,通常の視距離から行わなければならない。
7.3.2
全般的画質評価
TG18-QC試験画像の諸要素を,画像表示システムの全般的な性能を評価するために,図1に示すように
用いてもよい。
CRTについては,空間解像度も評価しなければならない。このテストパターンの中央部及び四隅のCx
パターンを評価し,参照点数と比較して採点する(附属書Cを参照)。
LCDの全般的な性能評価には,代わりに,OIQ(全般的画質)試験画像を,図2で示すように用いても
よい。
11
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
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図1−TG18-QCテストパターンを用いた全般的画質評価
中央及び四隅の高コント
ラストのラインペアパタ
ーンの見え方を確認する。
(低コントラストパター
ンの使用は任意)
5 %及び95 %のパッチの
見え方を評価する。
三つの領域の低コントラ
スト文字“QUALITY
CONTROL”の見え方を評
価する。
黒から白,及び白から黒へ
の遷移部分を評価する。
グレースケールの連続的
な見え方を評価する。
16の輝度パッチ全ての見
え方を評価する。
パターンの縁及び
線の見え方(まっす
ぐであるか)並びに
パターンが画像表
示デバイスの有効
領域の中央に位置
しているかを評価
する。
3
T
6
2
5
6
3
-1
:
2
0
1
9
(I
E
C
6
2
5
6
3
-1
:
2
0
0
9
,
A
m
d
.1
:
2
0
1
6
)
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12
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図2−OIQテストパターンを用いた全般的画質評価
中央及び四隅の高コント
ラストのラインペアパタ
ーンの見え方を確認する。
(低コントラストパター
ンの使用は任意)
5 %及び95 %のパッチの
見え方を評価する。
三つの領域の低コントラ
スト文字“QUALITY
CONTROL”の見え方を評
価する。
黒から白,及び白から黒へ
の遷移部分を評価する。
16の輝度パッチ全ての見
え方を評価する。
パターンの縁及び線の
見え方(まっすぐである
か)並びにパターンが画
像表示デバイスの有効
領域の中央に位置して
いるかを評価する。
グレースケールの連続的
な見え方を評価する。
3
T
6
2
5
6
3
-1
:
2
0
1
9
(I
E
C
6
2
5
6
3
-1
:
2
0
0
9
,
A
m
d
.1
:
2
0
1
6
)
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この試験中は,このテストパターンの全般的な見え方も評価する。細部の描出に十分な空間解像度があ
るかどうか,並びにフリッカ,クロストーク,ノイズ及びビデオアーチファクトが生じているかどうかを
確認する。これらの項目の各々を評価するために,特別に設計したテストパターンを用いてもよい。
全般的画質評価には,SMPTEテストパターンも同様の基準で使用することができる。
注記 動画表示特性は,医用ディスプレイの全般的な表示性能特性にとって重要とはまだ考えられて
いないが,特定の医療分野にとって重要となる場合がある。医用ディスプレイの動的な表示性
能を試験するために適用可能な手順については,他の関連文書を参考にしてもよい[15]。
7.3.3
グレースケール分解能評価
画像表示デバイスのグレースケール分解能は,TG18-MPテストパターンを用いて,図3に示しているよ
うに評価しなければならない。この試験を行う場合,パターンを200 %程度に拡大したほうがよい。
図3−8ビット及び10ビットのマーカが見えるTG18-MPテストパターンの拡大図
7.3.4
輝度応答評価
画像表示デバイスの輝度応答は,全般的画質評価(7.3.2)の一環としてTG18-QCテストパターンを用
いて評価することができる。ただし,より完全な目視の輝度応答評価には,図4に示しているように
これらの矢印は,8ビ
ットの変化を示すマ
ーカ(長い方)を指し
ている。
これらの矢印は,8ビ
ットよりもグレース
ケール分解能が高い
10ビットマーカを指
している。
水平方向の輪郭線の有無及びそれらの相対的な
位置に注意して,縦方向の傾斜を調べる。その
ような線がある場合は,縦方向の帯の端に記さ
れた8ビットの変化(長いマーカ)との相対的
な位置関係に注意する。
8ビットの変化を示すマーカの間隔よりもコン
トラストステップの間隔が広ければ,コントラ
スト分解能は8ビットよりも小さい。グレース
ケールの変化が8ビットの変化を示すマーカと
正確に一致しない場合は,グレースケールの最
大値,又は最小値が失われた可能性がある。
14
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TG18-CTテストパターンを使用することができる。
図4−TG18-CTテストパターンの拡大図
7.3.5
輝度均一性評価
TG18-UN80テストパターンを用いて,表示面の中央部から周辺にかけて著しい不均一性がないか評価す
る。一般的に,CRTは,対称的な不均一性を示し,LCDの不均一性は,非対称である。人間の視覚システ
ムは,通常,極めて低い空間周波数に対する感度がよくないため,表示面全体に広がった緩やかな不均一
性は,その変化が非常に目立っていなければ問題ではない。より小さな規模の,1 cm程度の大きさの不均
一性のほうがより重要であり,均一なテストパターンを見た場合に見えないほうがよい。更に小さな規模
の不均一性は,ノイズとして分類する(7.3.2を参照)。
7.3.6
色度評価
色度の目視評価は,TG18-UN80テストパターンを用いて行う。画面全体にわたって,表示されたパター
ンの色の均一性を確認する。この試験は,特定の画像システムに関連付けられた複数台の同じタイプの画
像表示デバイスに対しても実施することができる。同一システムの複数の画像表示デバイス(マルチディ
スプレイ)の間で知覚可能な色の差異がないことを確認しなければならない。
7.3.7
画素欠陥評価
画素欠陥は,TG18-UN10テストパターン及びTG18-UN80テストパターンを表示して評価する。欠陥の
16の領域各々の中央
の二つの低コントラ
ストの半月の見え方
を評価する。
16の領域各々の各隅
の低コントラストの
パッチの見え方を評
価する。
15
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数を数えなければならない。欠陥のタイプを,次のタイプ定義に従って,拡大鏡を用いて特定しなければ
ならない。
− タイプA欠陥 常時高輝度状態の副画素(モノクロ画素の指定可能な部分又はカラー画素の各原色部
分)。TG18-UN10を表示して明るい副画素を数える。
− タイプB欠陥 常時低輝度状態の副画素。TG18-UN80を表示して暗い副画素を数える。
− タイプC欠陥 タイプA,タイプB以外の異常な状態の副画素。TG18-UN10及びTG18-UN80を表示
して数える(例 常時中間輝度状態の副画素,点滅している副画素)。
− クラスタ(集団) 5×5画素のブロック内に二つ以上存在する,欠陥のある副画素。
上記タイプ又は類似のタイプは,引っかききず及びほこり(埃),並びにCRTのようなアナログ画像表
示システムの点状欠陥のような他の点状アーチファクトにも適用できる。
7.3.8
ベイリンググレア評価
この試験は,CRT及び厚みのある保護パネルの付いたフラットパネルディスプレイにだけ適用する。ベ
イリンググレアの目視評価は,TG18-GVテストパターン及びTG18-GVNテストパターンを用いて行うこ
とができる。
観察者は,明るい部分を覆ったTG18-GVパターンとTG18-GVNパターンとを順に見て,双方の低コン
トラストの円の見え方の差異を確認しなければならない(図5参照)。
覆いは,黒で透過性がなく,光を吸収し,反射のない材料でできていなければならない(例 黒い紙)。
図5−TG18-GVテストパターン(左)及び黒い覆いで覆われているときの
同テストパターンの中央部分の拡大図(右)
7.3.9
幾何学的画像評価
TG18-QCテストパターンを,全般的画質評価(7.3.2)の一環として,幾何学的画像評価に使用する。た
だし,この評価をより完全に行うには,幾何学ひずみ(歪)テストパターン(GDパターン)を使用する
(図6参照)。
TV18-GVテストパターンを
表示する。白い領域の直径は
約20 cm(±20 %)。
テストパターンの黒い円に合う開口
部をもった黒い覆いをテストパター
ンの上に(明るい領域を完全に覆うよ
うに)置いて,低コントラストの円の
見え方を評価する。
16
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図6−GDパターンを用いた幾何学的評価
7.3.10
視野角特性評価
この特性評価は,次の方法を用いて目視で行ってもよい。
図7 b) 2) のテストパターンは,目視評価の研究でも使用されており,3×3の並びに等間隔に配置した九
つの円で構成する。その詳細は,附属書Cを参照。
注2) 対応国際規格では“Figure 7a”と記載しているが,図7 a) は,単体のターゲットを表している。
上記の文はパターン全体を説明しているため,図7 b) に訂正している。
この特性は,次の二つの手順で評価することができる。
− 位置固定観察(オプション1)の場合 通常の視距離において,中央の円の中心と両眼の中間点とが
一致するようにパターンを見なければならない。まず,画面中央に位置する円の中に見えるスライス
間の境界線又は遷移線の数を数える。それから,同じ検査を他の八つの場所(中央上,左上,右上,
左中央,右中央,左下,中央下及び右下)に位置する円に対して行う。報告する点数(S)は,中央
の円で見えた線の数に対する,法線方向から外れた場所に位置するターゲットで見えた線の数(中央
に位置していない全ての円の線の数の平均値)の比率を求めて算出する。両方の数値は,常に0〜10
の間にある。
− 移動観察(オプション2)の場合 パターンの中央のターゲットだけを法線方向から見た後,法線方
向から見えた線の数と似通った(又は同じ)数の線が見える,法線から外れた方向(例えば,水平方
向又は垂直方向)の最大角度を決定しなければならない。
位相アーチファクト/クロックアー
チファクト(LCD内部の信号処理に
よってしばしば引き起こされる。)の
見え方を当パターンの縁にて評価す
る。必要な場合は,要求ある画素間
隔で画素を数えたり確認したりでき
る。
四つの円の各々で測定した縦横の寸
法の比率を評価する。CRTでは実際
に定規で測らなければならない。
LCDでは,目視で行ってもよい。
テストパターン全体の見え方を評価
し,パターンの4辺にクリッピング
(画像の辺縁が欠けて表示されない
こと)がないか注意する。
17
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同一又は類似のテストパターンを用いて,試験者が典型的な使用条件に合うように見る角度を調整する
ための修正された方法を上記の方法の代わりに用いてもよいが,その場合は,その方法が堅固で,かつ,
見る角度に応じた輝度及びコントラストの予想できる変化又は典型的な変化に対する感度が十分である
と科学的に実証された場合に限る。
a)
b)
c)
d)
a) 単体のターゲット
b) ANGテストパターンの全体図
c) オプション1用の観察手順 観察位置は固定
d) オプション2用の観察手順 移動しての観察
図7−視野角応答の目視評価
7.3.11
臨床画像評価
基準臨床画像又は附属書Cに記載しているような解剖学的画像を,この試験のために用いてもよい。臨
床的な有効性という観点から,それらの画像の見え方を評価しなければならない。
7.4
定量評価方法
7.4.1
基本的な輝度評価
画像表示デバイスの輝度比r'(=L'max/L'min)を評価しなければならない。L'min,L'max及びLambを,附属
書Bに記載している方法のいずれかを用いて測定する。目標とする最小輝度比に対して,対応するL'min
の最大値を,次の式で求める。
r'
L'max
安全係数3)“a”については,次の式で評価する。
18
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min
amb
L'
L
a=
ここに,
Lamb: 照度E×Rdで0<a<1
注3) 安全係数とは,L'min(=Lmin+Lamb)に占めるLambの比率。モニタの輝度(L)よりも不安定な
Lambの比を低く抑え,Lambの変動が低輝度部のコントラストを損なう度合いを管理するための指
標。
環境照度の調整は,環境と画像表示デバイスとの輝度比の範囲とに依存した二つの方法のうちのいずれ
かで達成できる。例えば,安全係数が0.4以下ということは,Lminは,少なくともLambの1.5倍以上である。
しかし,望ましい輝度比に対してこの規定の運用が難しい場合は(例えば,ある種のモダリティ用ディス
プレイなど。),想定する環境の照度の範囲を考慮して,画像表示デバイスが望ましい表示関数[例えば,
グレースケール標準表示関数(GSDF)]でキャリブレーションされている場合,安全係数は“1”に近い
値でもよい。
次のLminとLambとの関係式を用いる。
−
=
1
1
amb
min
a
L
L
この試験のオプションとして,Lmaxは,目標値に対して次の式で評価することができる。
(
)
target
target
max
max
L
L
L
L
−
=
∆
この式のLtargetは,最大デジタルドライビングレベル(DDL)における目標輝度値のことであり,画像
表示デバイスの製造販売業者の初期設定値又はキャリブレーション時に使用した値がこれに相当する。ま
た,Lmaxは,モダリティ規格又は国家規格で規定される最低要求値を基準として,評価及び比較すること
ができる。
7.4.2
環境光を含めない場合の基本的な輝度評価
この評価方法は,画像表示システムの基本的な輝度応答を,環境光の条件を考慮しないで確立する場合
にだけ用いることが望ましい。
画像表示システムを環境光の条件を考慮してGSDFでキャリブレーションする場合,この方法は用いな
いほうがよい。
画像表示デバイスの輝度比r(=Lmax/Lmin)を評価しなければならない。
Lmin及びLmaxは,附属書Bに記載している方法のいずれかを用いて測定する。
この試験のオプションとして,Lmaxは,目標値に対して,次の式で評価することができる。
(
)
target
target
max
max
L
L
L
L
−
=
∆
この式のLtargetは,最大デジタルドライビングレベル(DDL)における目標輝度値のことであり,画像
表示デバイスの製造販売業者の初期設定値又はキャリブレーション時に使用した値がこれに相当する。ま
た,Lmaxは,モダリティ規格又は国家規格で規定される最低要求値を基準として,評価及び比較すること
ができる。
7.4.3
輝度応答評価
グレースケール標準表示関数(GSDF)は,この試験を行うための前提条件である。校正された輝度計
及びTG18-LNテストパターンを用いて,附属書Bに記載する測定方法で,18のデジタルドライビングレ
19
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ベル(DDL)又はそれらに対応したP値4) 全てについて,試験領域の輝度値L(P)を測定しなければな
らない。
注4) P値とは,知覚的線形グレースケール空間において定義される装置から独立した値。DICOMプ
レゼンテーションLUTの出力はP値である。すなわち,全てのDICOM定義されたグレースケ
ール変換が適用された後の画素値。P値は,標準表示システムへの入力である。
画像表示システムは,GSDFでキャリブレーションしなければならない。何らかの実施上の理由によっ
てLambの値を規定できない場合は,キャリブレーションするときに使用したLamb(又はE×Rd)を輝度応
答評価に用いなければならない。
画像表示システムの,環境光の条件に依存しない輝度応答の評価を目的とする場合も,Lambをゼロに設
定することで,この方法は依然として有効である。ただし,グレースケール標準表示関数(GSDF)につ
いて参考文献[2]には,“グレースケール標準表示関数は,拡散反射した環境照度の影響を明示的に含む。”
と明記されている。
測定値は,GSDFと相関を取って評価しなければならない。まず,測定値を人間の視覚特性に基づいた
弁別いき(閾)[Just Noticeable Difference(JND),J値]に変換しなければならない(J値対輝度)。測定値
L'min及びL'maxに対するJ値として,Jmin及びJmaxを特定しなければならない。次に,それらの間のJ値を,
Jmin〜Jmaxの範囲(ΔJ=Jmax−Jmin)に等間隔に配置し,実際のP値に対して次の式を用いて線形的に関連付
けなければならない。
P
P
J
J
∆
∆
+
=
j
i
min
i
ここに,
P: システムへのデジタル入力値
ΔP: Pmin〜Pmaxのデジタル入力値の範囲(∆P=Pmax−Pmin)
i: この試験で用いる18の試験画像のインデックス
次に,輝度応答の傾斜を用いてコントラスト応答を算出する。測定値に基づいた傾斜δi(測定コントラ
スト)及びグレースケール標準表示関数(GSDF)の値に基づいた傾斜δid[グレースケール標準表示関数
(GSDF)の目標コントラスト]を,次のように算出する。
(
)
(
)(
)
1
i
i
1
i
i
1
i
i
i
2
−
−
−
−
×
+
−
=
J
J
L'
L'
L'
L'
δ
(
)
(
)(
)
1
i
i
1
id
d
i
d
1
i
d
i
d
i
2
−
−
−
−
×
+
−
=
J
J
L'
L'
L'
L'
δ
ここに,
L'i: インデックスiにおける輝度の測定値
L'id: L'iに対応するグレースケール標準表示関数(GSDF)に
基づいた目標輝度値
δi及びδidは,0.5×(Ji+Ji−1)(輝度の測定値から特定できるJ値の平均)に対してプロットする。
δiの値は,δidに対して定められた一定の基準偏差を超えてはならない。図8は,目標輝度応答に関連付
けて,18の表示段階の測定輝度をプロットした例であり,この場合の目標輝度は,グレースケール標準表
示関数(GSDF)である。図9は,図8に示した輝度値のデータに対応したコントラスト応答例である。
20
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図8−グレースケール標準表示関数(GSDF)に基づいた標準輝度応答関数に対して
プロットした輝度の測定値例
図9−DICOM3.14[2]の標準輝度応答の理想的なコントラスト応答及びそれからの一定の許容誤差(図では
15 %)に対してプロットしている,18段階のグレーの測定値から算出されたコントラスト応答例
0.100
0.010
0.001
0
200
400
600
JND指数 (JND index Dicom 3.14)
Measured values
15 % limit
Barten model
d
L
/L
f
o
r
a
J
N
D
測定値
15 %限界
バーテンモデル
1
JN
D
当
た
り
の
d
L
/L
TG18-LN12-1
TG18-LN12-9
TG18-LN12-18
1 000
100
10
1
0
200
400
600
JND指数 (JND index Dicom 3.14)
1,5 cd/m2
280 cd/m2
Barten model
Measured values
輝
度
(
c
d
/m
2
)
測定値
バーテンモデル
21
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7.4.4
マルチディスプレイの輝度評価
複数の画像表示デバイスが同じ画像表示システムに接続されている場合は,それら全ての白輝度を基本
的な輝度評価(7.4.1)によって測定し,比較しなければならない。比較は,L'max又はLmaxで行う。この測
定には,附属書Bの全ての測定方法(A,B,C及びD)を使用することができる。輝度の最大偏差は,最
小値に対する最大値と最小値との差のパーセント値として,次のように計算する。
100×(Lhighest−Llowest) / Llowest
7.4.5
色度均一性評価
画像表示デバイスにTG18-UNL80テストパターンを表示する。色度計を用いて,表示面の中央及び四隅
の色度座標(u',v')を測定し,u'-v'色空間における全ての(u',v')点間の距離を次の計算式を用いて算出
し,それらの中の最大値をΔu'v'とする。
Δu'v'=[(u1'−u2')2+(v1'−v2')2]1/2
ディスプレイ表示面内の全ての2か所の組合せの中から最大となる距離を算出する。色度計がx,y座標
値で出力する場合,次の変換式を用いてu',v'を求めることができる。
u'=4x / (−2x+12y+3)
v'=9y / (−2x+12y+3)
7.4.6
マルチディスプレイ間の色度評価
同じ画像表示システムに同じタイプの画像表示デバイスが接続されている場合は,各画像表示デバイス
の中央の(u',v')色度を比較しなければならない。この場合の各画像表示デバイスの中央の測定値として,
個々の画像表示デバイスの色度評価(7.4.5)で測定した値を代用することもできる。u'-v'色空間における
全ての中央測定値間の距離を次の計算式を用いて算出し,それらの中の最大値をΔu'v'とする。
Δu'v'=[(u1'−u2')2+(v1'−v2')2]1/2
三つ以上の画像表示デバイスがある場合,最も大きな∆u'v'値を用いなければならない。
オプションとして(他規格との整合性を保つために),7.4.5に記載している個々の画像表示デバイスに
おける色度座標(u',v')の5点測定の平均値を,中央での測定値の代わりに用いることができる。u'-v'色
空間における全ての平均色度間の距離を上記の計算式を用いて算出し,それらの中の最大値をΔu'v'とする。
7.4.7
輝度均一性評価
TG18-UNL80テストパターン及び附属書Bの方法A又は方法Bを用いて,画像表示デバイスの表示面5
か所(中央及び四隅)の輝度を測定する。輝度の最大偏差は,最大値と最小値との平均値に対する両者の
差分の比率をパーセント値として,次のように計算する。
200×(Lhighest−Llowest) / (Lhighest+Llowest)
7.4.8
視野角評価
画像表示デバイスの定量的な視野角評価は,参考文献[15]で提案されている[観視円すい(viewing cone)
いき(閾)値法]に従って,製造業者が行ってもよい。
使用者は,受入試験時にこの情報を製造業者から提供してもらってもよい。この試験を形式試験として
行い,試験結果を画像表示デバイスの特定機種の代表値として提供する。
注記1 視野角応答の定量評価は,次の手順で行うことができる。
a) 法線方向から画像表示デバイスの中央部の輝度及び色度を測定できるように輝度計を配
置する。
b) 観察方向の非法線方向へと徐々に角度を広げていく場合に,画面の法線と輝度計とがな
す角度が正確に調整されていることを保証するために,円形回転台又はモータ駆動位置
22
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
決めシステムのような測角位置決め装置を使用する(傾斜角は最大5°刻み,方位角は
最大10°刻みで変える。)。
注記2 視野角は,コントラスト比の軸上方向からの劣化をパーセント値として評価することが望ま
しい[10]。
7.4.9
グレースケール色度評価
TG18-LNテストパターン(TG-18-LNx-i,i = 01,02,…,18)を用いて,色度計で輝度及び色度座標(u',
v')を測定する。測定は,環境光を含めずに行う。記録された輝度値のうち,5 cd/m2以上の測定値だけを
対象とし,全白(すなわち,TG18-LNx-18)の測定値を基準としたu'-v'色空間上の距離を次の計算式を用
いて算出する。
Δu'iv'i=[(ui'−u18')2+(vi'−v18')2]1/2
対象外とする測定点(輝度値が5 cd/m2未満)の数は,キャリブレーションされた表示関数によって異な
る。このためグレースケール色度の結果報告には,画像表示デバイスの表示関数を測定した輝度も同時に
記載することが望ましい。
計算結果の中から最大となるグレースケール色度を求め,判定する。この細分箇条に記載しているグレ
ースケール色度評価は,カラー及びモノクロ画像表示デバイスに適用できる。
23
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
試験報告書例
この附属書は,次の試験報告書例を提供する。
表A.1−診断用ディスプレイの受入試験報告書例
表A.2−診断用ディスプレイの不変性試験報告書例
表A.3−参照用モノクロディスプレイの受入試験報告書例
表A.4−参照用モノクロディスプレイの不変性試験報告書例
表A.5−参照用カラーディスプレイの受入試験報告書例
表A.6−参照用カラーディスプレイの不変性試験報告書例
24
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−診断用ディスプレイの受入試験報告書例
概要
試験実施日:2010年1月23日
試験実施者:日本太郎
施設:国立(甲)病院,東京都千代田区丸の内
場所:放射線科,第4読影室,ワークステーションRad44
ディスプレイ:LCD,3MP縦形,S/N
適用:診断用,マルチモダリティ(RX,CT,MR)用ワークステーション
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
総合試験結果
OK
視覚評価
全般的画質評価
− 全般的な性能を確認する。
TG18-QC
テストパターン
全ての見え方がよく,かつ,欠陥が
あってはならない。
OK
問題なし。
グレースケール分解能評価
− 8ビット及び10ビットのマーカを基
に,十分なグレースケール分解能があ
るかどうかを確認する。
TG18-MP
テストパターン
分解能は,8ビット又は10ビット
マーカに合致している。
OK
8ビットに合致している。
輝度応答評価
(全般的画質評価の中の輝度応答評価よ
りも完全な評価方法)
TG18-CT
テストパターン
全ての正方形及び半月が見える。
OK
見える。
輝度均一性評価
− 不均一な箇所を探す。
TG18-UN80
テストパターン
輝度の視覚的に不均一な箇所が見
えてはならない。
OK
見えない。
色度評価
− 色の均一性を確認する。
TG18-UN80
テストパターン
色の視覚的に不均一な箇所が見え
てはならない。
OK
見えない。
画素欠陥評価
− 暗い画素の欠陥(TG18-UN80)及び明
るい画素の欠陥(TG18-UN10)を探す。
TG18-UN10及び
TG18-UN80
テストパターン
タイプA:1以下
タイプB:1以下
タイプC:2以下
クラスタ(集団):なし
OK
検出された欠陥:
タイプA:0
タイプB:1
タイプC:1
クラスタ(集団):なし
視野角特性評価
− 視野角応答を確認する。
ANG
テストパターン
点数:0.9以上
OK
中央部の境界線の数:10
左上部の境界線の数:8
中央上部の境界線の数:10
右上部の境界線の数:9
右中央部境界線の数:10
右下部境界線の数:9
中央下部境界線の数:10
左下部境界線の数:8
左中央部境界線の数:10
点数:9.25/10(=0.925)
25
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−診断用ディスプレイの受入試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
臨床画像評価
臨床テストパターン
TG18-CH,TG-18-KN
臨床試験画像の見え方がよい。
OK
問題なし。
定量評価
基本的輝度評価
輝度計
Lmax偏差<500 cd/m2の±5 %
r'>250
a<0.4
Lmax>170 cd/m2
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'max=504.97 cd/m2
L'min=1.28 cd/m2
Lamb=0.5 cd/m2
Lmax=504.47 cd/m2
r'=395 a)
a=0.39
輝度応答評価
輝度計
最大偏差<15 %
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'(LN01)=1.58 cd/m2
L'(LN02)=3.16 cd/m2
L'(LN03)=5.48 cd/m2
L'(LN04)=8.7 cd/m2
L'(LN05)=12.9 cd/m2
L'(LN06)=18.8 cd/m2
L'(LN07)=26.4 cd/m2
L'(LN08)=36.4 cd/m2
L'(LN09)=48.9 cd/m2
L'(LN10)=65.5 cd/m2
L'(LN11)=86.2 cd/m2
L'(LN12)=112.7 cd/m2
L'(LN13)=144.8 cd/m2
L'(LN14)=186.7 cd/m2
L'(LN15)=240.2 cd/m2
L'(LN16)=309.8 cd/m2
L'(LN17)=395.5 cd/m2
L'(LN18)=504.9 cd/m2
最大偏差=5.19 % b)
マルチディスプレイの輝度評価
輝度計
偏差<10 %
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'max=504.97 cd/m2
L'max=493.65 cd/m2
偏差=2.29 % c)
26
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−診断用ディスプレイの受入試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
色度評価
色度計
最大偏差<0.02
OK
方法B(B.2.2)で測定
上部左 u'=0.202 5
v'=0.469 9
上部右 u'=0.205 1
v'=0.468 8
中央
u'=0.202 4
v'=0.468 0
下部右 u'=0.205 2
v'=0.469 5
下部左 u'=0.200 9
v'=0.470 6
最大偏差=0.004 6
マルチディスプレイの色度評価
色度計
偏差<0.02
OK
方法B(B.2.2)で測定
中央
u'=0.202 4
v'=0.468 0
他のディスプレイ:
中央
u'=0.204 6
v'=0.469 9
偏差=0.002 9
輝度均一性評価
輝度計
最大偏差<30 %
OK
方法B(B.2.2)で測定
上部左 L=191.5 cd/m2
上部右 L=176.4 cd/m2
中央
L=197.2 cd/m2
下部右 L=202.5 cd/m2
下部左 L=195.8 cd/m2
最大偏差=13.8 %
27
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−診断用ディスプレイの受入試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
グレースケール色度評価d)
色度計
最大偏差<0.01
OK
対象外の測定点(L<5 cd/m2)
LN01: L=0.64 cd/m2 u'=0.193 6
v'=0.427 6
LN02: L=2.03 cd/m2 u'=0.200 3
v'=0.449 1
LN03: L=4.17 cd/m2 u'=0.203 9
v'=0.464 9
対象とする測定点
LN04: u'=0.204 6
v'=0.469 5
LN05: u'=0.204 8
v'=0.471 5
LN06: u'=0.204 9
v'=0.472 7
LN07: u'=0.205 0
v'=0.473 5
LN08: u'=0.205 1
v'=0.474 0
LN09: u'=0.205 1
v'=0.474 3
LN10: u'=0.205 1
v'=0.474 4
LN11: u'=0.205 3
v'=0.474 3
LN12: u'=0.205 1
v'=0.474 1
LN13: u'=0.205 2
v'=0.473 8
LN14: u'=0.205 3
v'=0.473 3
LN15: u'=0.205 0
v'=0.472 4
LN16: u'=0.204 9
v'=0.471 5
LN17: u'=0.204 9
v'=0.470 8
LN18: u'=0.205 0
v'=0.470 8
最大偏差=0.003 6
注a) 対応国際規格では“394”となっているが,計算間違いなので“395”に訂正した。
b) 対応国際規格では“5.10 %”となっているが,計算間違いなので“5.19 %”に訂正した。
c) 対応国際規格では“2.27 %”となっているが,計算間違いなので“2.29 %”に訂正した。
d) このデバイスは,GSDFでキャリブレーションされている。
28
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.2−診断用ディスプレイの不変性試験報告書例
概要
試験実施日:2010年4月23日(四半期ごとの試験)
試験実施者:日本太郎
施設:国立(甲)病院,東京都千代田区丸の内
場所:放射線科,第4読影室,ワークステーションRad44
ディスプレイ:LCD,3MP縦形,S/N
適用:診断用,マルチモダリティ(RX,CT,MR)用ワークステーション
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
総合試験結果
OK
視覚評価
全般的画質評価
− 全般的な性能を確認する。
TG18-QC
テストパターン
全ての見え方がよく,かつ,欠陥が
あってはならない。
OK
問題なし。
輝度均一性評価
− 不均一な箇所を探す。
TG18-UN80
テストパターン
視覚的に不均一な箇所が見えては
ならない。
OK
見えない。
臨床画像評価
臨床テストパターン
TG18-CH,TG-18-KN
臨床試験画像の見え方がよい。
OK
問題なし。
29
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.2−診断用ディスプレイの不変性試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
定量評価
基本的輝度評価
輝度計,
照度計
r'>250
a<0.4
OK
方法C(B.2.3)で測定
Lmax=520.9 cd/m2
Lmin=0.64 cd/m2
E=24 lx
Rd=0.017
Lamb=0.408 cd/m2
r'=497
a=0.389
輝度応答評価
輝度計,
照度計
最大偏差<15 %
OK
方法C(B.2.3)で測定
L(LN01)=0.64 cd/m2
L(LN02)=2.03 cd/m2
L(LN03)=4.17 cd/m2
L(LN04)=7.11 cd/m2
L(LN05)=11.12 cd/m2
L(LN06)=16.75 cd/m2
L(LN07)=24.07 cd/m2
L(LN08)=33.67 cd/m2
L(LN09)=46.24 cd/m2
L(LN10)=63.12 cd/m2
L(LN11)=83.94 cd/m2
L(LN12)=110.6 cd/m2
L(LN13)=144.9 cd/m2
L(LN14)=190.1 cd/m2
L(LN15)=246.3 cd/m2
L(LN16)=317.8 cd/m2
L(LN17)=406.4 cd/m2
L(LN18)=520.9 cd/m2
最大偏差=8.14 % a)
30
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.2−診断用ディスプレイの不変性試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
グレースケール色度評価b)
色度計
最大偏差<0.01
OK
対象外の測定点(L<5 cd/m2)
LN01: L=0.64 cd/m2 u'=0.193 6
v'=0.427 6
LN02: L=2.03 cd/m2 u'=0.200 3
v'=0.449 1
LN03: L=4.17 cd/m2 u'=0.203 9
v'=0.464 9
対象とする測定点
LN04: u'=0.204 6
v'=0.469 5
LN05: u'=0.204 8
v'=0.471 5
LN06: u'=0.204 9
v'=0.472 7
LN07: u'=0.205 0
v'=0.473 5
LN08: u'=0.205 1
v'=0.474 0
LN09: u'=0.205 1
v'=0.474 3
LN10: u'=0.205 1
v'=0.474 4
LN11: u'=0.205 3
v'=0.474 3
LN12: u'=0.205 1
v'=0.474 1
LN13: u'=0.205 2
v'=0.473 8
LN14: u'=0.205 3
v'=0.473 3
LN15: u'=0.205 0
v'=0.472 4
LN16: u'=0.204 9
v'=0.471 5
LN17: u'=0.204 9
v'=0.470 8
LN18: u'=0.205 0
v'=0.470 8
最大偏差=0.003 6
注a) 対応国際規格では“8.10 %”となっているが,計算間違いなので“8.14 %”に訂正した。
b) このデバイスは,GSDFでキャリブレーションされている。
31
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.3−参照用モノクロディスプレイの受入試験報告書例
概要
試験実施日:2010年2月14日
試験実施者:日本太郎
施設:国立(甲)病院,東京都千代田区丸の内
場所:東病棟405号室,ワークステーションWS̲405̲1
ディスプレイ:LCD,2MP縦形,S/N
適用:参照用マルチモダリティ(CT,MR)用ワークステーション
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
総合試験結果
OK
視覚評価
全般的画質評価
− 全般的な性能を確認する。
TG18-QC
テストパターン
全ての見え方がよく,かつ,欠陥が
あってはならない。
OK
問題なし。
グレースケール分解能評価
− 8ビット及び10ビットのマーカを基
に,十分なグレースケール分解能があ
るかどうかを確認する。
TG18-MP
テストパターン
分解能は,8ビット又は10ビット
マーカに合致している。
OK
8ビットマーカに合致している。
輝度応答評価
(全般的画質評価の中の輝度応答評価よ
りも完全な評価方法)
TG18-CT
テストパターン
全ての正方形及び半月が見える。
OK
見える。
輝度均一性評価
− 不均一な箇所を探す。
TG18-UN80
テストパターン
輝度の視覚的に不均一な箇所が見
えてはならない。
OK
見えない。
色度評価
− 色の均一性を確認する。
TG18-UN80
テストパターン
色の視覚的に不均一な箇所が見え
てはならない。
OK
見えない。
視野角特性評価
− 視野角特性を確認する。
ANGテストパターン
点数:0.75以上
OK
中央部の境界線の数:10
左上部の境界線の数:8
中央上部の境界線の数:9
右上部の境界線の数:8
右中央部境界線の数:10
右下部境界線の数:8
中央下部境界線の数:10
左下部境界線の数:9
左中央部境界線の数:8
点数:8.75/10(=0.875)
臨床画像評価
臨床テストパターン
TG18-CH,
TG-18-KN
臨床試験画像の見え方がよい。
OK
問題なし。
32
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.3−参照用モノクロディスプレイの受入試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
定量評価
基本的輝度評価
輝度計
製造業者X
装置Y
S/N98832
Lmax偏差<400 cd/m2の±10 %
r'>100
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'max=418.2 cd/m2
L'min=2.01 cd/m2
Lamb=1.5 cd/m2
r'=208
a=0.746
輝度応答評価
輝度計
製造業者X
装置Y
S/N98832
最大偏差<30 %
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'(LN01)=2.012 cd/m2
L'(LN02)=3.324 cd/m2
L'(LN03)=5.236 cd/m2
L'(LN04)=7.488 cd/m2
L'(LN05)=10.396 cd/m2
L'(LN06)=14.9 cd/m2
L'(LN07)=20.756 cd/m2
L'(LN08)=28.436 cd/m2
L'(LN09)=38.492 cd/m2
L'(LN10)=51.996 cd/m2
L'(LN11)=68.652 cd/m2
L'(LN12)=89.98 cd/m2
L'(LN13)=117.42 cd/m2
L'(LN14)=153.58 cd/m2
L'(LN15)=198.54 cd/m2
L'(LN16)=255.74 cd/m2
L'(LN17)=326.62 cd/m2
L'(LN18)=418.22 cd/m2
最大偏差=14.72 %
マルチディスプレイの輝度評価
輝度計
製造業者X
装置Y
S/N98832
偏差<10 %
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'max=418.2 cd/m2
L'max=389 cd/m2
偏差=7.5 % a)
輝度均一性評価
輝度計
製造業者X
装置Y
S/N98832
最大偏差<30 %
方法B(B.2.2)で測定
上部左 L=144 cd/m2
上部右 L=159.1 cd/m2
中央
L=149.8 cd/m2
下部右 L=168.2 cd/m2
下部左 L=153.7 cd/m2
最大偏差=15.5 %
OK
注a) 対応国際規格では“7.2 %”となっているが,計算間違いなので“7.5 %”に訂正した。
33
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.4−参照用モノクロディスプレイの不変性試験報告書例
概要
試験実施日:2010年8月23日(半期ごとの試験)
試験実施者:日本太郎
施設:国立(甲)病院,東京都千代田区丸の内
場所:東病棟405号室,ワークステーションWS̲405̲1
ディスプレイ:2MP縦形,S/N
適用:参照用マルチモダリティ(CT,MR)用ワークステーション
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
総合試験結果
OK
視覚評価
全般的画質評価
− 全般的な性能を確認する。
TG18-QC
テストパターン
全ての見え方がよく,かつ,欠陥が
あってはならない。
OK
問題なし。
輝度均一性評価
− 不均一な箇所を探す。
TG18-UN80
テストパターン
輝度の視覚的に不均一な箇所が見
えてはならない。
OK
見えない。
臨床画像評価
臨床
テストパターン
TG18-CH,TG-18-KN
臨床試験画像の見え方がよい。
OK
問題なし。
34
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.4−参照用モノクロディスプレイの不変性試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
定量評価
基本的輝度評価
輝度計,
照度計
r'>100
OK
方法C(B.2.3)で測定
Lmax=430.6 cd/m2
Lmin=0.6 cd/m2
E=53 lx
Rd=0.025
Lamb=1.325 cd/m2
r'=224
a=0.688
輝度応答評価
輝度計,
照度計
最大偏差<30 %
OK
方法C a)(B.2.3)で測定
L(LN01)=0.6 cd/m2
L(LN02)=1.9 cd/m2
L(LN03)=4 cd/m2
L(LN04)=7 cd/m2
L(LN05)=11 cd/m2
L(LN06)=16.1 cd/m2
L(LN07)=23 cd/m2
L(LN08)=31.9 cd/m2
L(LN09)=42.8 cd/m2
L(LN10)=57.4 cd/m2
L(LN11)=75.6 cd/m2
L(LN12)=97.7 cd/m2
L(LN13)=127 cd/m2
L(LN14)=163.1 cd/m2
L(LN15)=209.7 cd/m2
L(LN16)=266.6 cd/m2
L(LN17)=340.1 cd/m2
L(LN18)=430.6 cd/m2
最大偏差=11.6 %
注a) 対応国際規格では“method B”となっている。基本的な輝度評価を方法Cで行っているので,それに合わせ
て“方法C”に訂正した。
35
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.5−参照用カラーディスプレイの受入試験報告書例
概要
試験実施日:2010年3月21日
試験実施者:日本太郎
施設:国立(甲)病院,東京都千代田区丸の内
場所:東病棟1109号室,ワークステーションWS̲1109̲4
ディスプレイ:LCD,2MP横形,S/N
適用:参照用ワークステーション
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
総合試験結果
OK
視覚評価
全般的画質評価
− 全般的な性能を確認する。
TG18-QC
テストパターン
全ての見え方がよく,かつ,欠陥が
あってはならない。
OK
問題なし。
グレースケール分解能評価
− 8ビット及び10ビットのマーカを基
に,十分なグレースケール分解能があ
るかどうかを確認する。
TG18-MP
テストパターン
分解能は,8ビット又は10ビット
マーカに合致している。
OK
8ビットマーカに合致している。
輝度応答評価
(全般的画質評価の中の輝度応答評価よ
りも完全な評価方法)
TG18-CT
テストパターン
全ての正方形及び半月が見える。
OK
見える。
輝度均一性評価
− 不均一な箇所を探す。
TG18-UN80
テストパターン
輝度の視覚的に不均一な箇所が見
えてはならない。
OK
見えない。
色度評価
− 色の均一性を確認する。
TG18-UN80
テストパターン
色の視覚的に不均一な箇所が見え
てはならない。
OK
見えない。
臨床画像評価
臨床
テストパターン
TG18-CH,TG-18-KN
臨床試験画像の見え方がよい。
OK
問題なし。
36
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.5−参照用カラーディスプレイの受入試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
定量評価
基本的輝度評価
輝度計
Lmax偏差<300 cd/m2の±10 %
r'>100
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'max=285 cd/m2
L'min=1.95 cd/m2
Lamb=1.2 cd/m2
Lmax=283.8 cd/m2
r'=146
a=0.615
輝度応答評価
輝度計
最大偏差<30 %
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'(LN01)=1.95 cd/m2
L'(LN02)=3.15 cd/m2
L'(LN03)=4.8 cd/m2
L'(LN04)=7.1 cd/m2
L'(LN05)=9.85 cd/m2
L'(LN06)=14.05 cd/m2
L'(LN07)=18.68 cd/m2
L'(LN08)=24.66 cd/m2
L'(LN09)=31.99 cd/m2
L'(LN10)=40.87 cd/m2
L'(LN11)=51.4 cd/m2
L'(LN12)=65 cd/m2
L'(LN13)=83.8 cd/m2
L'(LN14)=108.3 cd/m2
L'(LN15)=139 cd/m2
L'(LN16)=177.9 cd/m2
L'(LN17)=224 cd/m2
L'(LN18)=285 cd/m2
最大偏差=13.62 %
マルチディスプレイの輝度評価
輝度計
偏差<10 %
OK
方法A(B.2.1)で測定
L'max=285 cd/m2
L'max=306 cd/m2
偏差=7.4 % a)
輝度均一性評価
輝度計
最大偏差<30 %
OK
方法B(B.2.2)で測定
上部左 L=95.3 cd/m2
上部右 L=90.8 cd/m2
中央
L=110.6 cd/m2
下部右 L=101.1 cd/m2
下部左 L=112 cd/m2
最大偏差=20.9 %
37
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.5−参照用カラーディスプレイの受入試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
グレースケール色度評価b)
色度計
最大偏差<0.01
OK
対象外の測定点(L<5 cd/m2)
LN01: L=0.7 cd/m2
u'=0.192 7
v'=0.458 3
LN02: L=1.92 cd/m2 u'=0.193 5
v'=0.461 5
LN03: L=3.48 cd/m2 u'=0.193 5
v'=0.464 0
対象とする測定点
LN04: u'=0.192 7
v'=0.462 0
LN05: u'=0.193 5
v'=0.464 1
LN06: u'=0.192 7
v'=0.464 7
LN07: u'=0.193 0
v'=0.464 8
LN08: u'=0.193 0
v'=0.464 9
LN09: u'=0.192 8
v'=0.465 0
LN10: u'=0.193 3
v'=0.465 1
LN11: u'=0.193 1
v'=0.465 5
LN12: u'=0.193 1
v'=0.465 5
LN13: u'=0.193 1
v'=0.465 3
LN14: u'=0.193 3
v'=0.465 5
LN15: u'=0.193 4
v'=0.465 4
LN16: u'=0.193 4
v'=0.465 4
LN17: u'=0.193 5
v'=0.465 7
LN18: u'=0.193 9
v'=0.466 1
最大偏差=0.004 3
注a) 対応国際規格では“7.1 %”となっているが,計算間違いなので“7.4 %”に訂正した。
b) このデバイスは,GSDFでキャリブレーションされている。
38
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.6−参照用カラーディスプレイの不変性試験報告書例
概要
試験実施日:2010年6月23日(四半期ごとの試験)
試験実施者:日本太郎
施設:国立(甲)病院,東京都千代田区丸の内
場所:東病棟1109号室,ワークステーションWS̲1109̲4
ディスプレイ:LCD,2MP横形,S/N
適用:参照用ワークステーション
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
総合試験結果
OK
視覚評価
全般的画質評価
− 全般的な性能を確認する。
TG18-QC
テストパターン
全ての見え方がよく,かつ,欠陥が
あってはならない。
OK
問題なし。
輝度均一性評価
− 不均一な箇所を探す。
TG18-UN80
テストパターン
視覚的に不均一な箇所が見えては
ならない。
OK
見えない。
臨床画像評価
臨床テストパターン
TG18-CH,TG-18-KN
臨床試験画像の見え方がよい。
OK
問題なし。
39
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.6−参照用カラーディスプレイの不変性試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
測定評価
基本輝度評価
輝度計,
照度計
r'>100
OK
方法B(B.2.2)で測定
Lmax=280.3 cd/m2
Lmin=0.7 cd/m2
E=45 lx
Rd=0.029
Lamb=1.305 cd/m2
r'=140
a=0.651
輝度応答評価
輝度計,
照度計
最大偏差<30 %
OK
方法B(B.2.2)で測定
L(LN01)=0.7 cd/m2
L(LN02)=1.92 cd/m2
L(LN03)=3.48 cd/m2
L(LN04)=5.56 cd/m2
L(LN05)=8.06 cd/m2
L(LN06)=11.85 cd/m2
L(LN07)=16.55 cd/m2
L(LN08)=22.84 cd/m2
L(LN09)=29.65 cd/m2
L(LN10)=37.2 cd/m2
L(LN11)=49.1 cd/m2
L(LN12)=63.7 cd/m2
L(LN13)=82.5 cd/m2
L(LN14)=107 cd/m2
L(LN15)=137.7 cd/m2
L(LN16)=176.6 cd/m2
L(LN17)=225.5 cd/m2
L(LN18)=280.3 cd/m2
最大偏差=14.76 %
40
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.6−参照用カラーディスプレイの不変性試験報告書例(続き)
評価方法
試験器具,道具
判定基準
判定
試験結果
グレースケール色度評価a)
色度計
最大偏差<0.01
OK
対象外の測定点(L<5 cd/m2)
LN01: L=0.7 cd/m2
u'=0.192 7
v'=0.458 3
LN02: L=1.92 cd/m2 u'=0.193 5
v'=0.461 5
LN03: L=3.48 cd/m2 u'=0.193 5
v'=0.464 0
有効測定点
LN04: u'=0.192 7
v'=0.462 0
LN05: u'=0.193 5
v'=0.464 1
LN06: u'=0.192 7
v'=0.464 7
LN07: u'=0.193 0
v'=0.464 8
LN08: u'=0.193 0
v'=0.464 9
LN09: u'=0.192 8
v'=0.465 0
LN10: u'=0.193 3
v'=0.465 1
LN11: u'=0.193 1
v'=0.465 5
LN12: u'=0.193 1
v'=0.465 5
LN13: u'=0.193 1
v'=0.465 3
LN14: u'=0.193 3
v'=0.465 5
LN15: u'=0.193 4
v'=0.465 4
LN16: u'=0.193 4
v'=0.465 4
LN17: u'=0.193 5
v'=0.465 7
LN18: u'=0.193 9
v'=0.466 1
最大偏差=0.004 3
注a) このデバイスは,GSDFでキャリブレーションされている。
41
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
輝度の測定方法
B.1
概要
この附属書は,画像表示システムの輝度応答の測定に用いる方法について記載する。全ての方法におい
ては箇条6の仕様に対応した試験器具を使用する。特に規定がない場合,測定は,表示面の中央で行うこ
とが望ましい。しかし,そうした輝度測定は,時間がかかり,したがって,費用もかかる。現在の技術で
は,内蔵形輝度計を使用することによって,輝度測定の自動化が可能である。
B.2
測定方法
B.2.1 方法A:望遠方式
1
環境光
2
望遠形輝度計
3
ディスプレイ
図B.1−方法A:望遠方式
測定は,図B.1に示したように,望遠形輝度計で行う。望遠形輝度計は,環境輝度を含んだ輝度を測定
できることが望ましい。それらは,望遠形ビューファインダをもつ輝度計を含む。望遠式測定において,
設定した測定角及び測定距離が,測定領域の大きさを決める。この領域の大きさが,最小又は最大輝度(Lmin
及びLmax)に対応するく(矩)形部分よりも明らかに小さい場合だけ,輝度の測定結果は正確である。輝
度計がレンズを備えている場合,表示面への焦点調整が輝度測定に必要である。低輝度測定時におけるフ
レア(迷光)の影響を最小にするため,測定は,輝度計からフレア(迷光)を遮るための(黒い光吸収コ
ーティングを施した)コーン又は隔壁を通して行うことが望ましい。
LCDでは,コーン又は隔壁を使用する代わりに,測定器具による誤差の発生を少なくするため,試験画
像としてBN01〜BN18パターンを用いてもよい。CRTのようなグレアが目立つディスプレイに対しては,
これらの試験画像の使用を推奨しない。
42
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B.2.2 方法B:照度計併用密着形輝度計
1
環境光
2
ディスプレイ
3
照度計
4
密着形輝度計
図B.2−方法B:照度計併用密着形輝度計
密着形輝度計は,環境光を考慮に入れることなく輝度(L)を測定できる(図B.2)。したがって,L'を算
出するために,併せて照度Eを測定することが望ましい。密着形輝度計は,箇条6の輝度計の仕様に対応
することが望ましい。方法Bでは,照度計を,画像表示デバイス表面の中央部に外向きに配置することが
理想的である。測定の結果から,L'の値を計算するとき,照度E及び画像表示デバイスの拡散反射係数Rd
を用いることが望ましい(L'=L+E×Rd)。
B.2.3 方法C:照度計併用前面内蔵形輝度計
1
環境光
2
ディスプレイ
3
前面内蔵形輝度計
4
照度計
図B.3−方法C:照度計併用前面内蔵形輝度計
図B.3に示すように,測定(L)は,内蔵された前面センサで行うことができる。この方法は,使用者が
観察している,パネルの前面で,表示された異なる階調の輝度値を測定することができることに,注目し
4
3
43
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
なければならない。L'=L+E×RdでL'を算出するために照度計も組み合わせることが望ましい。
内蔵形輝度計が表示面の端に配置されている場合,その測定結果は,表示面の最も使用される領域(前
面中央領域)の輝度と相関をもつことが望ましい。これは,通常,内蔵センサの出荷前校正によって実現
できる。
B.2.4 方法D:照度計併用背面内蔵形輝度計
1
環境光
2
ディスプレイ
3
背面内蔵形輝度計
4
照度計
図B.4−方法D:照度計併用背面内蔵形輝度計
図B.4に示すように,測定は,内蔵した背面センサで行うことができる。この測定方法は,画像表示デ
バイスの光源の測定を可能とする。Lmaxを得るには,前面の輝度を測定して,内蔵センサを校正すること
が望ましい。背面内蔵形輝度計は,画像表示デバイスの最大白輝度の測定にだけ使用することが望ましい。
L'を算出するために照度計を併用することが望ましい。
B.3
測定方法に関する注釈
方法B及び方法Cで使用する密着形輝度計は,Lの値を計り,箇条6に規定している仕様に対応するこ
とが望ましい。これらの測定は,環境光を含まないことが望ましい。環境光の影響は,例えば,毎回の測
定結果から相当する値を減じること又は輝度計を遮光することで除去することができる。また,ディスプ
レイの電源を切ったときの測定値が非常に小さければ(例えば,0.05 cd/m2以下),環境光の影響はないも
のとすることができる。
四つの方法それぞれには,長所及び短所がある。例えば,方法Aは,環境及び測定条件が同じとき,唯
一,再現可能な結果を得ることができる。方法Cは,画像表示デバイスの輝度均一性の変化に影響される
ことが知られている。内蔵センサの配置された部分の輝度が,表示面中央の輝度とは異なった具合に変化
するならば,測定結果は,その部分だけの輝度応答を表すものであり,補正されない限り,必ずしもパネ
ルの輝度を反映するものではない。一方,方法A及びBは,自動で実施できず,人手の介在が不可欠であ
る。方法Dは,自動化しやすいが,バックライトの放射しか測定できず,画像表示デバイスのグレースケ
ール応答を測定できないという短所をもっている。
4
3
44
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
テストパターンの説明
試験画像は,次のものからなる。
a) デジタル的に作られた技術的テストパターン。技術的試験画像は,画像表示システムの試験において,
標準的な入力信号を表現している。
b) 対象とする臨床分野における代表的な臨床試験画像。臨床試験画像は,基準臨床画像とも呼ばれる。
表2に例を示す。表C.4は,これらの例の評価基準を要約したものである。
箇条7の試験手順において特に規定がない限り,ほとんどのパターンで原画像の画素とディスプレイの
画素とが一対一の関係にあることが不可欠である。ウィンドウ設定=4 080,レベル設定=2 040での使用
が望ましいTG18-LNテストパターンを除き,DICOM又は16ビットTIFFフォーマットのパターンは,0
〜4 095の範囲をカバーするようなウィンドウ設定・レベル設定(WW=4 096,WL=2 048)で表示するこ
とが望ましい。8ビットパターンにおいては表示範囲は0〜255(WW=256,WL=128)であることが望ま
しい。
各々のテストパターン・構成要素の画素単位での寸法,位置及び画素値を表C.1に示す。画素単位での
寸法及び位置は,1 024×1 024のマトリクスサイズ用であり,角括弧内の値は,2 048×2 048のマトリクス
サイズ用である。
1 024×1 024又は2 048×2 048以外のマトリクスサイズについては,様々な寸法及びマトリクスサイズ
の画面上で同じように見えるように,テストパターン及び/又は構成要素を拡大・縮小することが望まし
い。それらのテストパターン及び構成要素は,拡大・縮小の必須の度合いに基づいて次の三つのグループ
に分類される。
− 拡大・縮小してはならない Cxパターン及びラインペアパターンの拡大・縮小(例 7×7から10×
10へ,“1 on,1 off”から“2 on,2 off”へ)は禁止する。
− 拡大・縮小することが望ましい 角括弧内に2 048×2 048のマトリクスサイズ用の画素単位での寸法
が示されているパターン及び構成要素は拡大・縮小することを推奨する。
− 拡大・縮小しなければならない LNパターンの測定領域,UNLパターンの測定領域,GVパターン
の白い円,GVNパターン及びANGパターンのターゲットとなる円の拡大・縮小は,“全領域の10 %”,
“20 cm”又は“22 mm”というような要求事項に適合しなければならない。
ターゲットとするマトリクスサイズが1 536×2 048のように正方形でなかった場合,短辺のピクセル数
に基づいて拡大・縮小率を算出することが望ましい(1 536/1 024=1.5)。1 536×2 048のマトリクスサイズ
用のTG18-QCパターンの説明例を,表C.5及び図C.1にも示している。それらは単なる例で,各々のパ
ターンの背景及び上記3番目の分類(拡大・縮小しなければならない)を除けば,元の1 024×1 024用パ
ターンをそのまま用いることができる。
ターゲットとするマトリクスサイズが正方形でない場合,隅の構成要素の位置には,特に注意を払わな
ければならない。ULNパターンの四隅の測定領域,QCパターンの四隅にある46×46 [92×92] のCxパタ
ーン及び46×46 [92×92] のラインペアパターンは,ターゲットとする長方形の四隅に配置しなければな
らない。
45
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 画像表示デバイスの上部及び下部の領域(例えば,約6 mm〜7 mm)が保護されていて試験で
きない場合(例えば,イメージングアプリケーション及び/又はツールバー),妥協案として残
りのマトリクスサイズを使用することが望ましい。
表C.1−多目的テストパターンの説明
テストパターン/特徴
ピクセル寸法及び配置
1k [2k] サイズ
ピクセル値
8ビット [12ビット]
TG18-QC
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
128 [2 048]
クロスハッチ
間隔:102×102 [204×204]
幅:1 [1],3 [3] 中央領域の周り
191 [3 071]
輝度パッチ:
− 等間隔の16段階
102×102 [204×204],中央の領域に時計回り
に輝度が増加するように配置(表C.2参照)
8, 24, …, 248
[128, 384, …, 3 968]
− 低コントラストコー
ナ
10×10 [20×20],16の同様のパッチのそれぞ
れの隅
+4 [64]:左上,右下
−4 [64]:左下,右上
− 最小/最大レベル
102×102 [204×204],中央領域の下側
0 [0]及び255 [4 095]
− 最小/最大レベルの
コントラスト
51×51 [102×102],最小及び最大パッチの中
央
前景/背景:
最小:13/0 [205/0]
最大:242/255 [3 890/4 095]
ラインペア(水平及び垂
直の格子)
46×46 [92×92],(1 on, 1 off)及び(2 on, 2
off),中央及び四隅
高コントラスト:0, 255 [0, 4 095]
低コントラスト:128, 130 [2 048, 2 088]
Cxパターン
− 確認パターンセット
46×46 [92×92],パターンの中央及び四隅
背景:0 [0]
Cx:255, 191, 128, 64 [4 095, 3 071, 2 048,
1 024]
− 基準指標セット
12段階のぼやけ
95×95 [190×190],時計回りにぼやけが増加
し,−2, −1, 0, 1, …, 9と番号をふる。
(表C.2及び表C.3参照)
最大コントラスト入力:コーム(Kohm)
及びその他の人によって決められたぼ
やけ基準 (2001) [16]
輝度ランプ
512×64 [1 024×128],パターンの右側及び左
側に垂直方向に配置。一定のピクセル値のラ
イン数:
8 bitでは2 [4]
12 bitでは1 [1]
1k:0, 1, …, 255 [0, 8, …, 4 088]
2k:0, 1, …, 255 [0, 4, …, 4 092]
白/黒ウィンドウ:
− 外側ウィンドウ
− 内側ウィンドウ
815×25 [1 629×50],中央上側
407×25 [813×50],中央上側
13/242 [205/3 890]
クロストークバー
576×86 [1 152×172],パターンの最上部沿い
バーの長さ:256, 128, …, 1 [512, 256, …, 1]
バーの高さ:3 [6]
中央の垂直のバー:6×86 [12×172]
最大コントラスト:0/255 [0/4 095]
上部−6 [−96],下部+6 [+96]
低コントラスト文字:
“QUALITY CONTROL”
ボールド体大文字
23 [46]ピクセルの高さ,
中央部の下方にある同様な背景領域
背景:0, 128, 255 [0, 2 048, 4 095]
文字:背景に対し最初の文字は+1 [16],
次の文字は+2 [32]など
境界線
幅:3 [3],挿入箇所:10 [20]
191 [3 071]
OIQ
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
128 [2 048]
クロスハッチ
間隔:102×102 [204×204]
幅:1 [1],3 [3] 中央領域の周り
191 [3 071]
46
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.1−多目的テストパターンの説明(続き)
テストパターン/特徴
ピクセル寸法及び配置
1k [2k] サイズ
ピクセル値
8ビット [12ビット]
輝度パッチ:
− 等間隔の16段階
102×102 [204×204],中央の領域に時計回り
に輝度が増加するように配置(表C.2参照)
8, 24, …, 248
[128, 384, …, 3 968]
− 低コントラストコー
ナ
10×10 [20×20],16の同様のパッチのそれぞ
れの隅
+4 [64]:左上,右下
−4 [64]:左下,右上
− 最小/最大レベル
102×102 [204×204],中央領域の下側
0 [0] 及び255 [4 095]
− 最小/最大レベルの
コントラスト
51×51 [102×102],最小及び最大パッチの中
央
前景/背景:
最小:13/0 [205/0]
最大:242/255 [3 890/4 095]
ラインペア(水平及び垂
直の格子)
46×46 [92×92],(1 on, 1 off)及び(2 on, 2
off),中央及び四隅
高コントラスト:0, 255 [0, 4 095]
低コントラスト:128, 130 [2 048, 2 088]
輝度ランプ
512×64 [1 024×128],パターンの右側及び左
側に垂直方向に配置。一定のピクセル値のラ
イン数:
8 bitでは2 [4]
12 bitでは1 [1]
1k:0, 1, …, 255 [0, 8, …, 4 088]
2k:0, 1, …, 255 [0, 4, …, 4 092]
白/黒ウィンドウ
− 外側ウィンドウ
− 内側ウィンドウ
815×25 [1 629×50],中央上側
407×25 [813×50],中央上側
13/242 [205/3 890]
クロストークバー
576×86 [1 152×172],パターンの最上部沿い
バーの長さ:256, 128, …, 1 [512, 256, …, 1]
バーの高さ:3 [6]
中央の垂直のバー:6×86 [12×172]
最大コントラスト:0/255 [0/4 095]
上部−6 [−96],下部+6 [+96]
低コントラスト文字:
“QUALITY CONTROL”
ボールド体大文字
23 [46] ピクセルの高さ,
中央部下の下方にある同様な背景領域
背景:0, 128, 255 [0, 2 048, 4 095]
文字:背景に対し最初の文字は+1 [16],
次の文字は+2 [32] など
境界線
幅:3 [3],挿入箇所:10 [20]
191 [3 071]
TG18-MP
背景
1 024×1 024
16 [256]
垂直ランプ
768×48の輝度ランプが16個
各ランプ:各ピクセル値当たり48 [3]本
の水平ライン
境界線
770×770,ランプ領域の境界のピクセル幅
ピクセル値:32 [512]
マーカ
各種ビットの区間を示す1×3及び1×5のマ
ーカ
8ビットごとに四つの1×3のマーカ
[10ビットごとに1×3のマーカ及び8
ビットごとに1×5のマーカ]
ピクセル値:隣接した線のピクセル値
+16 [256](左半分)及び−16 [256](右
半分)
TG18-CT
背景
1 024×1 024
128 [2 048]
輝度パッチ
− 等間隔の16段階
102×102,間隔は51,4×4のマトリクスで,
対角にジグザグに増加し,パターンの中央に
配置
8, 24, …, 248
[128, 384, …, 3 968]
− 低コントラストコー
ナ
10×10,各輝度パッチの四隅
+4 [64]:左上,右下
−4 [64]:左下,右上
47
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.1−多目的テストパターンの説明(続き)
テストパターン/特徴
ピクセル寸法及び配置
1k [2k] サイズ
ピクセル値
8ビット [12ビット]
− 中央の低コントラス
トの円盤(半月)
直径:34
±2 [32]
右半分は+,左半分は−
TG18-LN{8,12}-nn
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
153 [2 457]
ピーク輝度の20 %
輝度測定領域:
nn=01〜18
324×324 [648×648](画面全体の10 %),背
景の中央
0, 15, …, 255
[0, 240, …, 4 080]
TG18-UN{10,80}
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
26 [410] 又は204 [3 276]
TG18-UNL{10,80}
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
26 [410] 又は204 [3 276]
測定領域の境界線
324×324 [648×648](画面全体の10 %)
1ピクセル幅,パターンの中央及び隅
128 [2 048]
TG18-GV
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
0 [0]
白の輪
内円の半径:1 cm(±20 %),外円の半径:
20 cm(±20 %),中央に配置
255 [4 095]
低コントラストの円盤
五つの円盤を白い輪の内円の中に等間隔に配
置
2, 4, 6, 8, 10 [32, 64, 96, 128, 160]
TG18-GVN
TG18-GVと同じだが,白
い輪なし。
GD
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
128 [2 048]
線
四つの象限に224ピクセルの半径をもった四
つの円
円の中心とパターンの隅とを結んだ六つの対
角線
円の中心を結んだ4軸線
パターンの境界に垂直に接するラインペアが
パターンの4辺にあり,10ピクセル幅で2ピ
クセルon/2ピクセルoffのラインペアパター
ン
円周64 [1 024]
64 [1 024]
64 [1 024]
0 [0] 及び255 [4 095]
ANG
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
10 [160]
ターゲット
境界から10 mm〜20 mmの間に3×3の配列
で等間隔に配置された九つの円
時計の文字盤の数字配置と相関をもち,5時
又は11時で変化のない線(又は境界)をもっ
た12のスライスを各々の円に含んでいる。
四つのスライスは背景のグレーレベルに等し
く,八つのスライスは違ったグレーレベル
徐々に変化する。
ターゲットのピクセルの拡張は,画面上で約
22 mm(±10 %)の物理的なサイズであるこ
とが望ましい。
12時から始まり,スライスのグレーレベ
ルは,時計回りに+4 [+64],+3 [+48],
+2 [+32],+1 [+16],0 [0],0 [0],−4
[−64],−3 [−48],−2 [−32],−1 [−
16],0 [0] と変化し,0は背景のレベル
に準じる。
48
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.1−多目的テストパターンの説明(続き)
テストパターン/特徴
ピクセル寸法及び配置
1k [2k] サイズ
ピクセル値
8ビット [12ビット]
TG18-CH
胸部後前X線試験画像(表2参照)
2 048×2 048
12ビットの範囲:8〜3 944
TG18-KN
膝関節X線試験画像(表2参照)
2 048×2 048
12ビットの範囲:8〜3 902
TG18-MM1
乳房X線試験画像1(表2参照)
2 048×2 048
12ビットの範囲:8〜4 095
TG18-MM2
乳房X線試験画像2(表2参照)
2 048×2 048
12ビットの範囲:8〜4 095
BNnn
背景
1 024×1 024 [2 048×2 048]
0 [0]
輝度測定領域:
nn=01〜18
324×324 [648×648](画面全体の10 %),背
景の中央に配置
0, 15, …, 255
[0, 240, …, 4 080]
表C.2−TG18-QCパターン:8ビット(12ビット)のピクセル値の輝度レベル及びCxの格付け
レベル6
88 [1 408]
レベル7
104 [1 664]
レベル8
120 [1 920]
レベル9
136 [2 176]
レベル10
152 [2 432]
レベル11
168 [2 688]
レベル5
72 [1 152]
Cx 2
Cx 3
Cx 4
Cx 5
レベル12
184 [2 944]
レベル4
56 [896]
Cx 1
Cx 6
レベル13
200 [3 200]
レベル3
40 [40]
Cx 0
Cx 7
レベル14
216 [3 456]
レベル2
24 [384]
Cx −1
Cx −2
Cx 9
Cx 8
レベル15
232 [3 712]
レベル1
8 [128]
0 %/5 %
0/13 [0/205]
100 %/95 %
255/242
[4 095/3 890]
レベル16
248 [3 968]
表C.3−TG18-QCテストパターンで利用するCx参照セットのぼやけ特性
参照番号
ピクセルのぼやけ標準偏差
相当する解像度アドレサビリティ比(RAR)
−2
0.35 σ1,0.875 σ2 *
NA
−1
0.3 σ1,0.99 σ2 *
NA
0
0
1(パーフェクト)
1
0.339
0.80
2
0.383
0.90
3
0.432
1.02
4
0.488
1.15
5
0.551
1.30
6
0.622
1.47
7
0.703
1.65
8
0.794
1.87
9
0.896
2.11
プロファイル=0.85 N(σ1)+0.15 N(σ2 Nはガウス分布)
49
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.4−基準臨床画像の例における評価基準
画像例
評価基準
TG18-CH
診断目的に合った装置,調節が行われている検査
全体的なコントラスト
全体的な鮮鋭度
胸部の対称性の再現[鎖骨の内側端の間にあるきょく(棘)状突起の中心位置によっ
て示される。]
肩甲骨の内側縁部
横隔膜の上の胸部全体の再現性
肺の血管パターン(特に,末しょう血管)の鮮明な視覚的再現性
気管及び近位気管支の鮮明な再現性
心臓及び大動脈辺縁の鮮明な再現性
横隔膜の鮮明な再現性
心臓後部の肺及び縦隔の視認性
横隔膜下の特徴の視認性
心臓の影部を通る脊椎の視認性
肺全体(心臓後部領域を含む。)の詳細部分の視認性
肺周辺部への線形及び網状な詳細部分の視認性
TG18-KN
診断目的に合った装置,調節が行われている検査
全体的なコントラスト
全体的な鮮鋭度
小柱詳細の再現性
骨組織及び軟組織の再現性
TG18-MM1及び
TG18-MM2
診断目的に合った装置,調節が行われている検査
全体及び明るさ
全体的な鮮鋭度
クーパーじん帯の鮮明な表示
クリップの構造及びクリップの頂点のギャップの存在(TG18-MM1だけ)
僅かな微小石灰化の外観及び視認性(TG18-MM1だけ)
乳房の辺縁の構造の視認性(TG18-MM1だけ)
50
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.5−1 536×2 048のマトリクスサイズのTG18-QCパターンの説明例
テストパターン/特徴
ピクセル寸法及び配置
1 536×2 048サイズ
ピクセル値
8ビット[12ビット]
背景
1 536×2 048
128 [2 048]
クロスハッチ
間隔:154×154
幅:1,3中央領域の周り
191 [3 071]
輝度パッチ
− 等間隔の16段階
154×154,中央の領域に時計回りに輝度が
増加するように配置(表C.2参照)
8, 24, …, 248
[128, 384, …, 3 968]
− 低コントラストコー
ナ
15×15,16の同様のパッチのそれぞれの隅 +4 [64]:左上,右下
−4 [64]:左下,右上
− 最小/最大レベル
154×154,中央領域の下側
0 [0] 及び255 [4 095]
− 最小/最大レベルの
コントラスト
77×77,最小及び最大パッチの中央
最小:0/13 [0/205]
最大:242/255 [3 890/4 095]
ラインペア(水平と垂直
との格子)
69×69,(1 on, 1 off)及び(2 on, 2 off),中
央及び四隅
高コントラスト:0, 255 [0, 4 095]
低コントラスト:128, 130 [2 048, 2 088]
Cxパターン
− 確認パターンセット
69×69,パターンの中央及び四隅
背景:0 [0]
Cx:255, 191, 128, 64 [4 095, 3 071, 2 048,
1 024]
− 基準指標セット
12段階のぼやけ
143×143,時計回りにぼやけが増加し,−
2,−1,0,1,…,9と番号をふる(表C.2
及び表C.3参照)。
最大コントラスト入力:コーム(Kohm)
及びその他の人によって決められたぼや
け基準(2001)
輝度ランプ
768×96,パターンの右側及び左側に垂直
方向に配置。一定のピクセル値のライン
数:
8 bitでは3
12 bitでは1
1k:0, 1, …, 255 [0, 8, …, 4 088]
2k:0, 1, …, 255 [0, 4, …, 4 092]
白/黒ウィンドウ
− 外側ウィンドウ
− 内側ウィンドウ
1 223×38,中央上側
611×25,中央上側
13/242 [205/3 890]
クロストークバー
864×130,パターンの最上部沿い
バーの長さ:384, 192, …, 1
バーの高さ:5
中央の垂直のバー:10×130
最大コントラスト:0/255 [0/4 095]
上部−6 [−96],下部+6 [+96]
低コントラスト文字
“QUALITY CONTROL”
ボールド体大文字
23ピクセルの高さ,
中央部の下方にある同様な背景領域
背景:0, 128, 255 [0, 2 048, 4 095]
文字:背景に対し最初の文字は+1 [16],
次の文字は+2 [32] など
境界線
幅:3,挿入箇所:15
191 [3 071]
51
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図C.1−1 536×2 048のマトリクスサイズのTG18-QCパターン例
52
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
品質管理のための具体例
JA.1 概要
この規格では,医用電気機器及び医用画像診断システムに使用する画像表示システムの性能を試験する
評価方法を提供し,モダリティなどの規格又は指針の策定時に,評価方法については,この規格を参照し
て,受入試験及び不変性試験のための制限値及び頻度を規定されることを意図している。もちろん,特定
の評価方法を受入試験及び/又は不変性試験に使用することを強制するものではない。つまり,品質管理
の規格の策定には,適切な評価方法を選択し,更にその判定基準及び試験頻度を決めなければならない。
この附属書は,品質管理の規格又は指針の策定の参考として,より具体な例を示すために設けたもので
ある。国内で運用実績がある一般社団法人日本画像医療システム工業会が作成した“JESRA X−0093*B-2017,
医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン”からの試験項目,判定基準などを引用し,この
規格の評価方法との対応を示す。
JA.2 JESRA X−0093*B-2017の適用範囲(JESRA X−0093*B-2017本文から引用)
“JESRA X−0093*B-2017の適用範囲は,医用モノクロ画像を表示するカラー及びモノクロ医用モニタで
ある。カラー画像について規定は設けていないが,カラーモニタでモノクロ画像を表示する場合には
JESRA X−0093*B-2017が適用となる。また,JESRA X−0093*B-2017を用いて医用モニタを管理する場合は,
階調特性がDICOM PS 3.14で規定しているGSDFである必要がある(以下,略)。”
53
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JA.3 JESRA X−0093*B-2017の受入試験
受入試験の確認項目及び判定基準については,表JA.1参照。
表JA.1−受入試験の確認項目及び判定基準
JIS T 62563-1
JESRA X−0093*B-2017
評価方法記載の細分箇条
判定
方法
分類
テストパターン
測定器
判定基準
グレード1A
グレード1B
グレード2
7.3.2
全般的画質評価
目視 全体評価
JIRA TG18-QC
16段階のパッチの輝度差が明瞭に判別でき
ること。5 % 95 %パッチが見えること。
7.3.11
臨床画像評価
判定用臨床画像又
は基準臨床画像
判定用臨床画像,又は基準臨床画像の判定箇
所が問題なく見えること。
7.3.2
全般的画質評価
グレースケ
ール
JIRA TG18-QC
滑らかな単調連続表示であること。
7.3.2
全般的画質評価
アーチファ
クト
JIRA TG18-UN80
アーチファクトが確認できないこと。
JIRA TG18-QC
7.4.7
輝度均一性評価
測定 輝度均一性 JIRA TG18-UNL80
輝度計
≦30(%)
7.4.3
輝度応答評価
コントラス
ト応答
JIRA TG18-LN又
はJIRA BN輝度計
≦±10(%) ≦±15(%) ≦±30(%)
7.4.2
環境光を含めない場合の
基本的な輝度評価
最大輝度
≧350(cd/m2) ≧170(cd/m2) ≧100(cd/m2)
7.4.4
マルチディスプレイの輝
度評価
マルチ医用モニタ間≦10(%)
7.4.2
環境光を含めない場合の
基本的な輝度評価
輝度比
≧250
≧100
7.4.5
色度均一性評価
色度
JIRA TG18-UNL80
色度計
画面内≦0.01
−
7.4.6
マルチディスプレイ間の
色度評価(5点平均使用)
マルチ医用モニタ間
≦0.01
JA.4 JESRA X−0093*B-2017の不変性試験(使用日ごと)
使用日ごとの全体評価試験の確認項目及び判定基準については,表JA.2参照。
表JA.2−使用日ごとの全体評価試験の確認項目及び判定基準
JIS T 62563-1
JESRA X−0093*B-2017
評価方法記載の細分箇条
判定
方法
分類
テストパターン
測定器
判定基準
グレード1A
グレード1B
グレード2
7.3.2
全般的画質評価
目視 全体評価
JIRA TG18-QC
16段階のパッチの輝度差が明瞭に判別でき
ること。5 % 95 %パッチが見えること。
7.3.11
臨床画像評価
判定用臨床画像又
は基準臨床画像
判定用臨床画像,又は基準臨床画像の判定箇
所が問題なく見えること。
54
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JA.5 JESRA X−0093*B-2017の不変性変性試験(定期的な試験)
定期的な不変性試験の確認項目及び判定基準については,表JA.3参照。
表JA.3−定期的な不変性試験の確認項目及び判定基準
JIS T 62563-1
JESRA X−0093*B-2017
評価方法記載の細分箇条
判定
方法
分類
テストパターン
測定器
判定基準
グレード1A
グレード1B
グレード2
7.3.2
全般的画質評価
目視 全体評価
JIRA TG18-QC
16段階のパッチの輝度差が明瞭に判別でき
ること。5 % 95 %パッチが見えること。
7.3.11
臨床画像評価
判定用臨床画像又
は基準臨床画像
判定用臨床画像,又は基準臨床画像の判定箇
所が問題なく見えること。
7.3.2
全般的画質評価
グレースケ
ール
JIRA TG18-QC
滑らかな単調連続表示であること。
7.3.2
全般的画質評価
アーチファ
クト
JIRA TG18-UN80
アーチファクトが確認できないこと。
JIRA TG18-QC
7.3.5
輝度均一性評価
輝度均一性 JIRA TG18-UN80
著しい非一様性がないこと。
7.4.3
輝度応答評価
測定 コントラス
ト応答
JIRA TG18-LN又
はJIRA BN輝度計
≦±10(%) ≦±15(%) ≦±30(%)
7.4.2
環境光を含めない場合の
基本的な輝度評価
最大輝度
≧350(cd/m2) ≧170(cd/m2) ≧100(cd/m2)
7.4.2
環境光を含めない場合の
基本的な輝度評価
輝度変化率≦±10(%)
7.4.4
マルチディスプレイの輝
度評価
マルチ医用モニタ間≦10(%)
7.4.2
環境光を含めない場合の
基本的な輝度評価
輝度比
≧250
≧100
55
T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
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[2] DICOM Part 14 (PS 3.14-2007),Greyscale Standard Display Function
[3] ISO 9241-3:1992,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part 3:
Visual display requirements(廃止)
[4] ISO 9241-3:1992/Amd 1:2000,Amendment to [3](廃止)
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(see http://www.aapm.org/pubs/reports/OR̲03.pdf,
http://www.aapm.org/pubs/reports/OR̲03̲Supplemental)
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義
注記 原国際規格では,ISO 5725-1:1994,Accuracy (trueness and precision) of measurement methods
and results−Part 1: General principles and definitionsを記載している。
[18] DIN 5031-3:1982-03,Strahlungsphysik im optischen Bereich und Lichttechnik: Größen, Formelzeichen und
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Einheiten der Lichttechnik
[19] IEC 61223-2-5:1994,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-5: Constancy
tests−Image display devices(廃止)
[20] ISO 9241-303,Ergonomics of human-system interaction−Part 303: Requirements for electronic visual
displays
[21] ISO 9241-305,Ergonomics of human-system interaction−Part 305: Optical laboratory test methods for
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[22] ISO 9241-307,Ergonomics of human-system interaction−Part 307: Analysis and compliance test methods for
electronic visual displays
[23] JESRA X−0093*B-2017 医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン
[24] JIS Z 8103 計測用語
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T 62563-1:2019 (IEC 62563-1:2009,Amd.1:2016)
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定義した用語の索引
注記 この規格に使用される定義は,http://std.iec.ch/glossaryで見ることができる。
五十
音順
この規格での定義用語
定義している規格番号又は
この規格の細分箇条番号
い
位相アーチファクト(phase artefact)
3.1.16
医用電気機器,ME機器(medical electrical equipment,ME equipment)
JIS T 0601-1:2017,3.63
陰極線管,CRT(cathode ray tube,picture tube,CRT)
3.1.3
う
ウィンドウ設定(window setting)
3.1.23
か
解像度アドレサビリティ比,RAR(resolution addressability ratio,RAR)
3.1.19
画像表示システム(image display system)
3.1.14
画像表示デバイス/モニタ(image display device/monitor)
3.1.13
き
基準臨床画像(clinical reference image)
3.1.4
輝度(luminance)
3.1.15
く
空間解像度(spatial resolution)
3.1.20
グレースケール標準表示関数,GSDF(greyscale standard display function,
GSDF)
3.1.11
クロックアーチファクト(clock artefact)
3.1.5
こ
コントラスト(contrast)
3.1.6
し
試験画像/テストパターン(test image/test pattern)
3.1.21
照度(illuminance)
3.1.12
せ
精度(accuracy)
3.1.1
精密さ(precision)
3.1.17
て
ディスプレイコントローラ(display controller)
3.1.8
デジタルドライビングレベル,DDL(digital driving level,DDL)
3.1.7
ふ
ブライトネス(brightness)
3.1.2
フラットパネルディスプレイ(flat panel display)
3.1.9
フリッカ(flicker)
3.1.10
へ
ベイリンググレア(veiling glare)
3.1.22