T 6121:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 1
4 品質······························································································································· 2
4.1 生体適合性 ··················································································································· 2
4.2 外観 ···························································································································· 2
4.3 化学成分 ······················································································································ 2
4.4 機械的性質 ··················································································································· 2
4.5 密度 ···························································································································· 3
4.6 耐食性 ························································································································· 3
4.7 耐変色性 ······················································································································ 3
4.8 液相点及び固相点 ·········································································································· 3
4.9 熱膨張係数 ··················································································································· 3
4.10 剝離・クラック発生強さ ································································································ 3
5 試験方法························································································································· 3
5.1 外観 ···························································································································· 3
5.2 化学成分 ······················································································································ 3
5.3 機械的性質 ··················································································································· 3
5.4 密度 ···························································································································· 3
5.5 耐食性 ························································································································· 3
5.6 耐変色性 ······················································································································ 4
5.7 液相点及び固相点 ·········································································································· 4
5.8 熱膨張係数 ··················································································································· 4
5.9 剝離・クラック発生強さ ································································································· 4
6 表示及び添付文書 ············································································································· 4
6.1 表示 ···························································································································· 4
6.2 添付文書 ······················································································································ 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
T 6121:2013
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本歯科材料工業
協同組合(JDMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格であ
る。
これによって,JIS T 6121:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
T 6121:2013
歯科メタルセラミック修復用非貴金属材料
Base metal materials for dental metal-ceramic restorations
序文
この規格は,2006年に第1版として発行されたISO 22674を基とし,適用範囲及び規定項目の中から,
歯科メタルセラミック修復用非貴金属材料に該当する部分を選択し,規定項目の追加,化学成分の要求事
項の変更など技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,歯科メタルセラミック修復に用いる歯科メタルセラミック修復用非貴金属材料(以下,金
属材料という。)について規定する。
注記1 この規格での非貴金属材料とは,化学成分として金若しくは白金族元素が35 %未満,又は金
及び白金族元素の合計が35 %未満の金属材料をいう。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 22674:2006,Dentistry−Metallic materials for fixed and removable restorations and appliances
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
なお,平成28年2月29日までJIS T 6121:2005は適用することができる。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS T 0993-1 医療機器の生物学的評価−第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
JIS T 6001 歯科用医療機器の生体適合性の評価
JIS T 6004 歯科用金属材料の試験方法
JIS T 6120 歯科メタルセラミック修復物の試験方法
3
種類
種類は,表1とする。
注記 タイプの番号は,ISO 22674に一致している。
2
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表1−種類
種類
主な用途例
タイプ2
単一歯固定性修復物
例 クラウン
タイプ3
複数歯固定性修復物
例 ブリッジ
タイプ4
高負荷のかかる小断面積装置
例 ロングスパンブリッジ,連結部が小断面のブリッジ,
インプラント上部構造
タイプ5
高剛性及び高強度が要求される装置
例 連結部が小断面のロングスパンブリッジ
4
品質
4.1
生体適合性
生体適合性については,JIS T 0993-1及びJIS T 6001によって生物学的安全性を評価する。
4.2
外観
外観は,5.1によって試験したとき,均質であって金属光沢をもち,表面は,異種物質が付着していては
ならない。
4.3
化学成分
4.3.1
一般
化学成分は,5.2によって試験したとき,6.1 c)及び6.2 b)による表示及び記載の値に対し表2の許容差と
する。ただし,金属材料に含まれるニッケルが0.1 %を超える場合には,6.1 f)及び6.2 l)による表示及び記
載の値を超えてはならない。
表2−化学成分
成分分量
%
許容差
%
1を超え 20以下
±1
20を超える
±2
4.3.2
有害元素
この規格でいう有害元素は,カドミウム及びベリリウムとする。金属材料に含まれるカドミウム及びベ
リリウムは,それぞれ0.02 %以下でなければならない。
4.4
機械的性質
機械的性質は,5.3によって試験したとき,次による。
a) 耐力は,表3に適合し,かつ,平均値は,6.2 c)による記載値の±10 %以内でなければならない。
b) 伸びは,表3に適合し,かつ,平均値は,6.2 d)による記載値の70 %を超えていなければならない。
c) ヤング率は,表3に適合し,かつ,平均値は,6.2 e)による記載値の±10 %以内でなければならない。
3
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表3−特性
種類
耐力
MPa
伸び
%
ヤング率
GPa
タイプ2
180以上
10以上
−
タイプ3
270以上
5以上
−
タイプ4
360以上
2以上
−
タイプ5
500以上
2以上
150以上
4.5
密度
密度は,5.4によって試験したとき,6.1 e)及び6.2 f)による表示及び記載の値の±5 %以内でなければな
らない。
4.6
耐食性
耐食性は,5.5によって試験したとき,金属材料から溶出するイオンの全量が,7日間当たり200 μg/cm2
を超えてはならない。
4.7
耐変色性
耐変色性は,包装又は添付文書に耐変色性であると記載する場合に適用し,5.6によって試験したとき,
変色しないか,又は変色してもブラシなどで軽くこすることによって,変色物を容易に取り除くことがで
きる僅かな変色でなければならない。
4.8
液相点及び固相点
液相点及び固相点は,5.7によって試験したとき,次による。
a) 固相点が1 200 ℃以下の場合には,6.1 d)及び6.2 h)による表示及び記載の値の±20 ℃以内でなけれ
ばならない。
b) 固相点が1 200 ℃を超える場合には,6.1 d)及び6.2 h)による表示及び記載の値の±50 ℃以内でなけ
ればならない。
4.9
熱膨張係数
熱膨張係数は,5.8によって試験したとき,6.2 i)による記載値の±0.5×10−6 K−1以内でなければならな
い。
4.10 剝離・クラック発生強さ
剝離・クラック発生強さは,5.9によって試験したとき,25 MPa以上でなければならない。
5
試験方法
5.1
外観
試験方法は,JIS T 6004の6.1(外観試験)による。
5.2
化学成分
試験方法は,JIS T 6004の6.2(定量試験)による。
5.3
機械的性質
試験方法は,JIS T 6004の6.3(機械的性質)による。
5.4
密度
試験方法は,JIS T 6004の6.4(密度試験)による。
5.5
耐食性
試験方法は,JIS T 6004の6.5(腐食試験)による。
4
T 6121:2013
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5.6
耐変色性
試験方法は,JIS T 6004の6.6(変色試験)による。
5.7
液相点及び固相点
試験方法は,JIS T 6004の6.7(液相点及び固相点又は融点試験)による。
5.8
熱膨張係数
試験方法は,JIS T 6004の6.8(熱膨張試験)による。
5.9
剝離・クラック発生強さ
試験方法は,JIS T 6120の6.3.1(はく離・クラック発生強さ試験)による。
6
表示及び添付文書
6.1
表示
金属材料の包装には,次の事項を表示しなければならない。
a) 製品名
b) 種類
c) 成分分量(%)
d) 液相点及び固相点
e) 密度
f)
ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
g) 質量
h) 製造販売業者名及びその所在地
i)
製造番号又は製造記号
j)
他の法定表示事項
6.2
添付文書
金属材料には,次の事項を記載した添付文書を添付しなければならない。
a) 種類
b) 成分分量(%)
c) 耐力
d) 伸び
e) ヤング率(タイプ5の場合)
f)
密度
g) 耐変色性(耐変色性を標榜する場合)
h) 液相点及び固相点
i)
熱膨張係数
j)
焼付及びろう付方法
k) 推奨する陶材
l)
ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
m) 使用上の注意事項
n) 他の法定記載事項
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS T 6121: 2013 歯科メタルセラミック修復用非貴金属材料
ISO 22674:2006 Dentistry−Metallic materials for fixed and removable restorations
and appliances
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
この規格は,歯科メタ
ルセラミック修復に用
いる歯科メタルセラミ
ック修復用非貴金属材
料(以下,金属材料と
いう。)について規定す
る。
1
この国際規格は,セラミッ
ク修復又はセラミックなし
での使用が推奨される金属
材料,又は両方の用途に推
奨される金属材料を含め
て,歯科用装置及び修復物
に適した金属材料を分類
し,規定する。
変更
この金属材料の要求事項だけ規
定し,試験方法は,JIS T 6004
に規定した。
試験方法を別規格にして,簡略化
を図った。
2 引用規
格
−
−
3
用語及び定義
削除
ISO規格の用語及び定義を削除
した。
必要な項目は,JIS T 6004に規定
した。
3 種類
4
分類
変更
タイプ0及びタイプ1を削除し
た。
この金属材料の適用範囲に限定
して記載した。
4 品質
4.1 生体適合性
5
5.3
要求事項
生体適合性
変更
ISO規格は,序文を参照である
が,JISは規定した。
他のJISに整合させた。
4.2 外観
−
−
追加
外観を追加した。
他のJISに整合させた。
4.3.1 一般
4.3.1 一般
5.1.1
5.1.2
報告される組成
許容差
変更
追加
法定表示事項に変更した。
6.1 c)を追加した。
薬事法による。
他のJISに整合させた。
4
T
6
1
2
1
:
2
0
1
3
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(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4.4 機械的性質
5.4
機械的性質
変更
試験方法は,削除した。
表3のタイプ0及びタイプ1を
削除した。
試験方法は,JIS T 6004に規定し
た。
種類に合わせた。
4.8 液相点及び固相点
5.8
JISに同じ
追加
6.1 d)を追加した。
他のJISに整合させた。
5.10
情報・説明書・表示
削除
ISO規格の規定を削除した。
他のJISに整合させた。
4.10 剝離・クラック発
生強さ
−
−
追加
JISの規定を追加した。
旧JISの品質項目であるため追加
した。
5 試験方
法
6
サンプリング
削除
ISO規格の規定を削除した。
サンプリングは,JIS T 6004 に
規定した。
7
試料の作製
削除
ISO規格の規定を削除した。
試料の作製は,JIS T 6004に規定
した。
8
試験方法
変更
ISO規格の規定を変更した。
項目だけ記載し,試験方法の内容
は,JIS T 6004に規定した。
5.9 剝離・クラック発
生強さ
−
−
追加
JISの規定を追加した。
JISに品質項目として追加したた
め。
試験方法については,JIS T 6120
に規定している。
6 表示及
び添付文
書
6.1 表示
c) 成分分量(%)
d) 液相点及び固相点
e) 密度
j) 他の法定表示事項
10
10.1
10.2
−
−
−
−
表示及びラベリング
表示
包装上のラベリング
−
−
−
−
削除
追加
追加
追加
追加
インゴット又は半加工品への識
別表示を削除した。
成分分量を追加した。
液相点及び固相点を追加した。
密度を追加した。
他の法定表示事項を追加した。
表示事項は,薬事法で規定されて
いる。
他のJISに整合させた。
他のJISに整合させた。
他のJISに整合させた。
法定要求事項である。
4
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1
2
1
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2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6.2 添付文書
n) 他の法定記載事項
9
9.1
−
9.2
情報及び取扱説明書
情報
j) 鋳造温度
k) 最高焼成温度
m) 保管条件
−
処理に関する指示
変更
変更
変更
追加
変更
ISO規格の規定を変更した。
ISO規格の規定を変更した。
ISO規格の規定を変更した。
他の法定記載事項を追加した。
ISO規格の規定を変更した。
添付文書の記載事項である。
添付文書の記載事項である。
添付文書の記載事項である。
添付文書の記載事項である。
添付文書の“操作方法又は使用方
法”などで記載される。
−
−
附属書A
削除
ISO規格の附属書を削除した。 JIS T 6004に規定した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22674:2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
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