T 6119:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 試験の種類 ······················································································································ 1
4 サンプリング ··················································································································· 2
5 試験······························································································································· 2
5.1 外観試験 ······················································································································ 2
5.2 液相点試験及び固相点試験 ······························································································ 2
5.3 はく離試験 ··················································································································· 2
5.4 腐食試験 ······················································································································ 3
5.5 変色試験 ······················································································································ 4
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 5
T 6119:2009
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本歯科材料工業
協同組合(JDMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す
べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS T 6119:1998は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
T 6119:2009
歯科用ろう材の試験方法
Dental brazing materials-Test method
序文
この規格は,2006年に第2版として発行されたISO 9333を基に,試験方法だけを抜粋し,技術的内容
を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,歯科用ろう材(以下,ろう材という。)の試験方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 9333:2006,Dentistry−Brazing materials (MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示
す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS R 6253 耐水研磨紙
JIS T 6002:2005 歯科用金属材料の腐食試験方法
注記 対応国際規格:ISO 10271:2001,Dental metallic materials−Corrosion test methods(MOD)
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
3
試験の種類
試験の種類は,次による。
a) 外観試験
b) 液相点試験及び固相点試験
c) はく離試験
d) 腐食試験
e) 変色試験
2
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4
サンプリング
試験に用いる金属材料は,試験片の作製に十分な量を同一ロットから採取しなければならない。
5
試験
5.1
外観試験
表面の光沢及び異種物質の有無を目視によって調べる。
5.2
液相点試験及び固相点試験
ろう材をるつぼ内で溶融し,温度計を用いて放冷時における温度の変化を測定し,これによって冷却曲
線を描き,液相点及び固相点を求める。又はこれと同等以上の精度で測定できる示差熱分析装置などの装
置を用いて,液相点及び固相点を求める。ただし,試験には未使用のろう材を用いる。
5.3
はく離試験
5.3.1
重ね合せろう付方法
重ね合せろう付方法は,次による。
a) 試験片 板状試験片は図1,線状試験片は図2による。
なお,線状試験片の直径(D)は,鋳造用合金の場合には,2±0.1 mm,加工用合金の場合には,0.9
±0.05 mmとする。
b) ろう付 試験片の作製は,両端部分を埋没材などで固定し,ろう材0.05〜0.10 g及び製造販売業者が
指定するフラックスを用い,ブローパイプなどを用いてろう付し,放冷後,埋没材などを取り除く。
c) 試験方法 はく離試験は,JIS Z 2241に規定する方法によってろう付部がはく離するか,又は試験片
が切れるまで行う。
単位 mm
図1−板状試験片
単位 mm
図2−加工用線状試験片
3
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5.3.2
突き合せろう付方法
突き合せろう付方法は,次による。
a) 試験片 試験片は,図3又は図4によるものとし,中央から切断する。
なお,図3のつかみ部は,直線でもよい。
b) ろう付 試験片の間げき寸法は,製造販売業者の指定による。指定がない場合には,0.2±0.1 mmと
する。ろう付試験片の作製は,両端部分を埋没材などで固定し,ろう材0.05〜0.10 g及び製造販売業
者が指定するフラックスを用い,ブローパイプなどを用いてろう付し,放冷後,埋没材などを取り除
く。
c) 試験方法 はく離試験は,JIS Z 2241に規定する方法によってろう付部がはく離するか,又は試験片
が切れるまで行う。
単位 mm
図3−線状試験片
単位 mm
図4−つかみ部円柱状試験片
5.4
腐食試験
5.4.1
試験片
試験片は,次によって5枚作製する。
a) 試験片は,約10 mm×10 mm×1 mmに鋳造した板を用いる。
b) この板を半分(約5 mm×10 mm×1 mm)に切断する。
c) 切断試験片2枚を,ろう付に用いる。二種の異なる金属材料をろう付に用いる場合には,各切断試験
片の一つずつを用いる。
4
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d) 切断試験片の間に0.2±0.1 mmの間げきを設け,製造販売業者が指定する方法によってろう付する。
e) ろう付した後,試験片の全表面を0.1 mm以上削除し,JIS R 6253に規定するP1 200の耐水研磨紙を
用い,湿式研磨で仕上げる。同組成の試験片の作製に限って,同じ耐水研磨紙を用いることができる。
試験片の形状及び寸法は,図5による。
単位 mm
図5−腐食試験片及び変色試験片
5.4.2
試験方法
試験方法は,JIS T 6002:2005の4.1(静的浸せき試験)に規定する試験溶液及び試験方法による。静的
浸せき試験には,試験片4枚を用いる。試験後,浸せきした試験片及び未浸せき試験片のろう付部を倍率
10倍の顕微鏡で観察する。
5.5
変色試験
5.5.1
試験片
試験片は,5.4.1による。
5.5.2
試験方法
試験方法は,JIS T 6002:2005の4.4[変色試験(静的浸せき)]に規定する試験溶液及び試験方法による。
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS T 6119:2009 歯科用ろう材の試験方法
ISO 9333:2006,Dentistry−Brazing materials
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 歯科用ろう材の試験方法
を規定。
1
金属修復物用ろう付材料
の要求事項及び試験方法
を規定。
変更
ISO規格の品質要求事項
を削除。
品質要求事項は,ろう材の個別JISに規
定している。
−
3
用語及び定義
削除
ISO規格の規格及び定義
を削除。
これらの用語を本文中に用いていないた
め削除した。
−
4
要求事項
削除
ISO規格の品質要求事項
を削除。
品質要求事項は,ろう材の個別JISに規
定するため,削除した。
−
6
試料の作製
削除
ISO規格の試料の作製を
削除。
試験片については,箇条5に規定したの
で,技術的差異はない。
3 試験の種
類
−
−
追加
試験の種類を追加。
他のJISと構成を統一するため,箇条3
に該当する内容を記載した。
4 サンプリ
ング
5
サンプリング
一致
5 試験
5.1 外観試験
7
7.1 目視試験
変更
製品の外観試験に変更。
ISO規格での目視試験は,試験片,取扱
説明書などの検査であり,JISの外観試験
とは相違がある。この規格では,他のJIS
と整合させた。
−
7.2 化学組成
削除
ISO規格の化学組成を削
除。
品質要求事項は,ろう材の個別JISに規
定するため,削除した。
5.2 液相点試験及び固相
点試験
7.5 溶融範囲
一致
5.3 はく離試験
7.4 引張試験
選択
重ね合せろう付方法を追
加。
我が国では,重ね合せろう付方法も行っ
ているため,選択できるようにした。
4
T
6
11
9
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 試験
(続き)
5.4 腐食試験
7.3 腐食試験
一致
5.5 変色試験
−
追加
変色試験を追加。
この試験を引用しているJISがあるため。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 9333:2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択 ················ 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
4
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2
0
0
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。