T 6118:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 1
4 品質······························································································································· 2
4.1 生体適合性 ··················································································································· 2
4.2 外観 ···························································································································· 2
4.3 化学成分 ······················································································································ 2
4.4 機械的性質 ··················································································································· 2
4.5 密度 ···························································································································· 2
4.6 耐食性 ························································································································· 3
4.7 耐変色性 ······················································································································ 3
4.8 液相点及び固相点 ·········································································································· 3
4.9 熱膨張係数 ··················································································································· 3
4.10 剝離・クラック発生強さ ································································································ 3
5 試験方法························································································································· 3
5.1 外観 ···························································································································· 3
5.2 化学成分 ······················································································································ 3
5.3 機械的性質 ··················································································································· 3
5.4 密度 ···························································································································· 3
5.5 耐食性 ························································································································· 3
5.6 耐変色性 ······················································································································ 3
5.7 液相点及び固相点 ·········································································································· 3
5.8 熱膨張係数 ··················································································································· 3
5.9 剝離・クラック発生強さ ································································································· 3
6 表示及び添付文書 ············································································································· 4
6.1 表示 ···························································································································· 4
6.2 添付文書 ······················································································································ 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
T 6118:2012
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本歯科材料工業
協同組合(JDMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格であ
る。
これによって,JIS T 6118: 2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
T 6118:2012
歯科メタルセラミック修復用貴金属材料
Noble metal materials for dental metal-ceramic restorations
序文
この規格は,2006年に第1版として発行されたISO 22674を基として,適用範囲及び規定項目の中か
ら,歯科メタルセラミック修復用貴金属材料に該当する部分を選択し,規定項目の追加,化学成分の要求
事項の変更など技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,歯科メタルセラミック修復に用いる歯科メタルセラミック修復用貴金属材料(以下,貴金
属材料という。)について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 22674:2006,Dentistry−Metallic materials for fixed and removable restorations and appliances
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
なお,平成27年6月30日までJIS T 6118:2005は適用することができる。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS T 0993-1 医療機器の生物学的評価−第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
JIS T 6001 歯科用医療機器の生体適合性の評価
JIS T 6004 歯科用金属材料の試験方法
注記 対応国際規格:ISO 22674,Dentistry−Metallic materials for fixed and removable restorations and
appliances(MOD)
JIS T 6120 歯科メタルセラミック修復物の試験方法
注記 対応国際規格:ISO 9693,Metal-ceramic dental restorative systems(MOD)
3
種類
種類は,表1とする。
注記 タイプの番号は,ISO 22674に一致している。
2
T 6118:2012
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表1−種類
種類
主な用途例
タイプ2
単一歯固定性修復物
例 クラウン
タイプ3
複数歯固定性修復物
例 ブリッジ
タイプ4
高負荷のかかる小断面積装置
例 ロングスパンブリッジ,連結部が小断面のブリッジ,インプラント
上部構造
4
品質
4.1
生体適合性
生体適合性については,JIS T 0993-1及びJIS T 6001によって生物学的安全性を評価する。
4.2
外観
外観は,5.1によって試験したとき,均質であって金属光沢をもち,表面は,異種物質が付着していては
ならない。
4.3
化学成分
4.3.1
一般
主な化学成分は,5.2によって試験したとき,金若しくは白金族元素を35 %以上,又は金及び白金族元
素の合計が35 %以上でなければならない。また,貴金属材料に含まれるニッケルが0.1 %を超える場合に
は,6.1 f)及び6.2 k)による表示及び記載の値を超えてはならない。
なお,貴金属材料に適切な白金族元素は,白金,パラジウム,イリジウム,ルテニウム及びロジウムと
する。
4.3.2
有害元素
この規格でいう有害元素は,カドミウム及びベリリウムとする。貴金属材料に含まれるカドミウム及び
ベリリウムは,それぞれ0.02 %以下でなければならない。
4.4
機械的性質
機械的性質は,5.3によって試験したとき,次による。
a) 耐力は,表2に適合し,かつ,平均値は,6.2 c)による記載値の±10 %以内でなければならない。
b) 伸びは,表2に適合し,かつ,平均値は,6.2 d)による記載値の70 %を超えていなければならない。
表2−特性
タイプ
耐力
MPa
伸び
%
タイプ2
180以上
10以上
タイプ3
270以上
5以上
タイプ4
360以上
2以上
4.5
密度
密度は,5.4によって試験したとき,6.1 e)及び6.2 e)による表示及び記載の値の±5 %以内でなければな
らない。
3
T 6118:2012
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4.6
耐食性
耐食性は,5.5によって試験したとき,貴金属材料から溶出するイオンの全量が,7日間当たり200 μg/cm2
を超えてはならない。
4.7
耐変色性
耐変色性は,包装又は添付文書に耐変色性であると記載する場合に適用し,5.6によって試験したとき,
変色しないか,又は変色してもブラシなどで軽くこすることによって,変色物を容易に取り除くことがで
きる僅かな変色でなければならない。
4.8
液相点及び固相点
液相点及び固相点は,5.7によって試験したとき,次による。
a) 固相点が1 200 ℃以下の場合には,6.1 d)及び6.2 g)による表示及び記載の値の±20 ℃以内でなければ
ならない。
b) 固相点が1 200 ℃を超える場合には,6.1 d)及び6.2 g)による表示及び記載の値の±50 ℃以内でなけれ
ばならない。
4.9
熱膨張係数
熱膨張係数は,5.8によって試験したとき,6.2 h)による記載値の±0.5×10−6 K−1以内でなければならな
い。
4.10 剝離・クラック発生強さ
剝離・クラック発生強さは,5.9によって試験したとき,25 MPa以上でなければならない。
5
試験方法
5.1
外観
外観は,JIS T 6004の6.1(外観試験)による。
5.2
化学成分
化学成分は,JIS T 6004の6.2(定量試験)による。
5.3
機械的性質
機械的性質は,JIS T 6004の6.3(機械的性質)による。
5.4
密度
密度は,JIS T 6004の6.4(密度試験)による。
5.5
耐食性
耐食性は,JIS T 6004の6.5(腐食試験)による。
5.6
耐変色性
耐変色性は,JIS T 6004の6.6(変色試験)による。
5.7
液相点及び固相点
液相点及び固相点は,JIS T 6004の6.7(液相点及び固相点又は融点試験)による。
5.8
熱膨張係数
熱膨張係数は,JIS T 6004の6.8(熱膨張試験)による。
5.9
剝離・クラック発生強さ
剝離・クラック発生強さは,JIS T 6120の6.3.1(はく離・クラック発生強さ試験)による。
4
T 6118:2012
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6
表示及び添付文書
6.1
表示
貴金属材料の包装には,次の事項を記載しなければならない。
a) 製品名
b) 種類
c) 成分分量(%)
d) 液相点及び固相点
e) 密度
f)
ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
g) 質量
h) 製造販売業者名及びその所在地
i)
製造番号又は製造記号
j)
他の法定表示事項
6.2
添付文書
貴金属材料には,次の事項を記載した添付文書を添付しなければならない。
a) 種類
b) 成分分量(%)
c) 耐力
d) 伸び
e) 密度
f)
耐変色性[耐変色性を標ぼう(榜)する場合]
g) 液相点及び固相点
h) 熱膨張係数
i)
焼付及びろう付方法
j)
推奨する陶材
k) ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
l)
使用上の注意事項
m) 他の法定記載事項
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS T 6118:2012 歯科メタルセラミック修復用貴金属材料
ISO 22674:2006 Dentistry−Metallic materials for fixed and removable restorations and
appliances
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1適用範
囲
歯科メタルセラミ
ック修復に用いる
歯科メタルセラミ
ック修復用貴金属
材料について規定
する。
1
セラミック修復又はセラ
ミックなしでの使用が推
奨される金属材料,又は
両方の用途に推奨される
金属材料を含めて,歯科
用装置及び修復物に適し
た金属材料を分類し,規
定する。
変更
この貴金属材料の要求事項だ
け規定し,試験方法は,JIS T
6004に規定した。
試験方法を別規格にして,簡略化を図
った。
2引用規
格
−
−
3
用語及び定義
削除
ISO規格の用語及び定義を削
除した。
必要な項目は,JIS T 6004に規定した。
3 種類
4
分類
変更
タイプ0,タイプ1及びタイプ
5を削除した。
この貴金属材料の適用範囲に限定し
て記載した。
3
T
6
11
8
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 品質
4.1 生体適合性
4.2 外観
4.3 化学成分
4.4 機械的性質
−
4.10 剝離・クラッ
ク発生強さ
5
−
5.1
5.4
5.10
−
要求事項
序文
−
化学成分
機械的性質
情報・説明・表示
−
変更
追加
変更
変更
削除
追加
JIS T 0993-1及びJIS T 6001
による評価を規定した。
外観を追加した。
規定値を設定した。
試験方法は削除した。
表1のタイプ0,タイプ1,タ
イプ5及びヤング率を削除し
た。
ISO規格の規定を削除した。
剝離・クラック発生強さを追
加した。
ISO規格は,序文に記載している。
旧JIS及び他のJISに整合させた。
一般的名称の定義に整合させて,成分
規定値を設定した。
試験方法は,JIS T 6004に規定した。
種類に合わせた。
他のJISに整合させた。
旧JISの品質項目であるため追加し
た。
−
−
6
サンプリング
削除
ISO規格の規定を削除した。
サンプリングは,JIS T 6004に規定し
た。
−
−
7
試料の作製
削除
ISO規格の規定を削除した。
試料の作製は,JIS T 6004に規定した。
5試験方
法
5.9 剝離・クラック
発生強さ
8
−
試験方法
−
変更
追加
ISO規格の規定を変更した。
剝離・クラック発生強さを追
加した。
項目だけ記載し,試験方法の内容は,
JIS T 6004に規定した。
剝離・クラック発生強さの試験方法に
ついては,JIS T 6120を引用した。
6表示及
び添付文
書
6.1 表示
c) 成分分量(%)
d) 液相点及び固
相点
e) 密度
j) 他の法定表示事
項
10
10.1
10.2
−
−
−
−
表示及びラベリング
表示
包装上のラベリング
−
−
−
−
削除
追加
追加
追加
追加
インゴット又は半加工品への
識別表示を削除した。
成分分量を追加した。
液相点及び固相点を追加し
た。
密度を追加した。
他の法定表示事項を追加し
た。
表示事項は,薬事法で規定されてい
る。
他のJISに整合させた。
他のJISに整合させた。
他のJISに整合させた。
法定要求事項である。
3
T
6
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8
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6.2 添付文書
l) 使用上の注意事
項
m) 他の法定記載
事項
9
9.1
9.2
−
情報及び取扱説明書
情報
e) ヤング率
処理に関する指示
−
変更
削除
変更
追加
鋳造温度,最高焼成温度,保
管条件を変更した。
ISO規格の規定を削除した。
ISO規格の規定を変更した。
他の法定記載事項を追加し
た。
添付文書“操作方法又は使用方法”な
どに記載する。
この貴金属材料の範囲に限定したの
で該当しない。
添付文書の“操作方法又は使用方法”
及び“使用上の注意事項”に記載する。
添付文書の記載事項である。
−
−
附属書A
削除
ISO規格の附属書を削除した。 JIS T 6004に規定した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22674:2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
3
T
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