T 6114:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 金合金の種類 ··················································································································· 1
4 品質······························································································································· 1
4.1 生体適合性 ··················································································································· 1
4.2 外観 ···························································································································· 1
4.3 化学成分 ······················································································································ 1
4.4 機械的性質 ··················································································································· 2
4.5 密度 ···························································································································· 2
4.6 耐食性 ························································································································· 2
4.7 変色 ···························································································································· 2
4.8 液相点及び固相点 ·········································································································· 2
5 試験方法························································································································· 2
5.1 プラスメタルの場合 ······································································································· 2
5.2 金合金の場合 ················································································································ 3
6 表示及び添付文書 ············································································································· 3
6.1 表示 ···························································································································· 3
6.2 添付文書 ······················································································································ 4
T 6114:2015
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本歯科材料工業
協同組合(JDMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格であ
る。これによって,JIS T 6114:2011は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
T 6114:2015
歯科鋳造用14カラット金合金用プラスメタル
Plus metals for dental casting 14 K gold alloys
1
適用範囲
この規格は,JIS T 6113で規定する歯科鋳造用14カラット金合金(以下,金合金という。)を作製する
ために用いる,歯科用金地金に添加するプラスメタル(以下,プラスメタルという。)について規定する。
注記 平成30年9月30日までJIS T 6114:2011を適用することができる。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS T 0993-1 医療機器の生物学的評価−第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
JIS T 6001 歯科用医療機器の生体適合性の評価
JIS T 6002 歯科用金属材料の腐食試験方法
JIS T 6004 歯科用金属材料の試験方法
JIS T 6113 歯科鋳造用14カラット金合金
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 8721 色の表示方法−三属性による表示
3
金合金の種類
プラスメタルを添加して作製する金合金の種類は,表1による。
表1−種類
種類
主な用途例
第1種
インレー
第2種
クラスプ
4
品質
4.1
生体適合性
金合金の生体適合性については,JIS T 0993-1及びJIS T 6001によって生物学的安全性を評価する。
4.2
外観
プラスメタルの外観は,5.1.1によって試験したとき,均質であって金属光沢をもち,表面は異種物質が
付着していてはならない。
4.3
化学成分
4.3.1
一般
2
T 6114:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
プラスメタルの化学成分は,5.1.2によって試験したとき,6.1 a) 2) 及び6.2 a) 1) に記載の値に対し,表
2の許容差とする。また,金合金に含まれるニッケルが0.1 %を超える場合には,6.1 b) 2) 及び6.2 b) 8) に
記載の値を超えてはならない。
表2−プラスメタルの化学成分の許容差
単位 %
成分分量
許容差
銀
白金族元素a)
その他の元素
1以上10未満
+0.5
0
+0.5
0
±1
10以上
+2
0
+2
0
±2
注a) オスミウムを除く。
4.3.2
有害元素
有害元素は,カドミウム,ベリリウム及び鉛とする。プラスメタルに含まれるカドミウム,ベリリウム
及び鉛は,5.1.2によって試験したとき,それぞれ0.02 %以下でなければならない。
4.4
機械的性質
金合金の機械的性質は,5.2.2によって試験したとき,表3による。ただし,強さについては,耐力又は
引張強さのいずれでもよい。
表3−金合金の機械的性質
種類
熱処理
強さ MPa
伸び
%
耐力
引張強さ
第1種
軟化
180以上
245以上
10以上
第2種
硬化
360以上
540以上
2以上
4.5
密度
金合金の密度は,5.2.3によって試験したとき,6.2 b) 5) に記載の値の±5 %以内でなければならない。
4.6
耐食性
金合金の耐食性は,5.2.4によって試験したとき,金合金から溶出するイオンの全量が,7日間当たり200
μg/cm2を超えてはならない。
4.7
変色
金合金の変色は,5.2.5によって試験したとき,変色しないか,又は変色することがあっても,試験片の
色相はJIS Z 8721に基づく標準色票の7.5YRで,明度は8以上,かつ,彩度は6以下でなければならない。
4.8
液相点及び固相点
金合金の液相点及び固相点は,5.2.6によって試験したとき,6.2 b) 6) に記載の値の±20 ℃以内でなけ
ればならない。
5
試験方法
5.1
プラスメタルの場合
5.1.1
外観
3
T 6114:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
外観は,JIS T 6004の6.1(外観試験)による。
5.1.2
化学成分
化学成分は,JIS T 6004の6.2(定量試験)による。
5.2
金合金の場合
5.2.1
試験に用いる金合金
試験に用いる金合金は,製造販売業者が指定する方法によって作製する。
5.2.2
機械的性質
5.2.2.1
試験片
試験片は,製造業者が指定する方法によって鋳造及び熱処理を行ったものを6本用い,直径を2±0.1 mm
及び標点距離を20±0.1 mm,若しくは直径を3±0.1 mm及び標点距離を15±0.1 mmとし,試験片の形状
は,JIS T 6004の図2(つかみ部円柱状試験片)のa) 又はb) による。
なお,JIS T 6004の図2のつかみ部は直径2 mmでもよい。
5.2.2.2
試験方法
引張試験は,JIS Z 2241に規定する方法又はクロスヘッドスピード(1.5±0.5 mm/min)で,耐力(0.2 %)
又は引張強さのいずれか,及び伸びについて行う。試験結果は,6本の試験片のうち,4本以上が表3に
適合する場合には,適合する全てのものの平均値で表す。
なお,適合するものが3本以下の場合には,再度試験を行う。その結果,適合するものが3本以下の場
合には,不合格とする。
5.2.3
密度
密度は,JIS T 6004の6.4(密度試験)による。
5.2.4
耐食性
耐食性は,JIS T 6004の6.5(腐食試験)による。
5.2.5
変色
変色は,JIS T 6002の4.4[硫化物による変色試験(静的浸せき)]による。
5.2.6
液相点及び固相点
液相点及び固相点は,JIS T 6004の6.7(液相点及び固相点又は融点試験)による。
6
表示及び添付文書
6.1
表示
プラスメタルの包装には,次の事項を記載しなければならない。
a) プラスメタルに関する事項
1) 製品名
2) 成分分量(%)
3) 質量
4) 製造販売業者名及び所在地
5) 製造番号又は製造記号
6) 他の法定表示事項
b) 金合金とした場合の事項
1) 金合金の種類
例1 歯科鋳造用14カラット金合金 第1種
4
T 6114:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
例2 歯科鋳造用14カラット金合金 第2種
2) ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
3) 他の法定表示事項
6.2
添付文書
プラスメタルには,次の事項を記載した文書を添付しなければならない。
a) プラスメタルに関する事項
1) 成分分量(%)
2) 金合金の作製方法
3) 金合金の作製に関する注意事項
4) 使用上の注意事項
5) 他の法定記載事項
b) 金合金とした場合の事項
1) 金合金の種類
2) 鋳造方法及び熱処理方法
3) 耐力又は引張強さ
4) 伸び
5) 密度
6) 液相点及び固相点
7) 推奨するろう材及びろう付方法
8) ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
9) 使用上の注意事項
10) 他の法定記載事項