T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
201.1 適用範囲,目的及び関連規格 ························································································ 1
201.2 引用規格 ··················································································································· 3
201.3 用語及び定義 ············································································································· 4
201.4 一般要求事項 ············································································································ 12
201.5 ME機器の試験に対する一般要求事項 ············································································ 13
201.6 ME機器及びMEシステムの分類 ·················································································· 13
201.7 ME機器の標識,表示及び文書 ····················································································· 13
201.8 ME機器の電気的ハザードに関する保護 ········································································· 19
201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 ················································· 21
201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 ································································· 26
201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 ···································································· 27
201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 ························································ 27
201.13 ME機器の危険状態及び故障状態 ················································································ 28
201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) ·································································· 28
201.15 ME機器の構造 ········································································································ 28
201.16 MEシステム ··········································································································· 28
201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性 ······································································· 28
201.101 X-IGRTの基準データ ······························································································ 29
201.102 X-IGRTの撮影 ······································································································· 33
201.103 IGRT解析及び補正 ································································································· 39
203 診断用X線装置における放射線防護 ················································································ 42
206 ユーザビリティ ············································································································ 44
附属書 ······························································································································· 46
附属書B(参考)試験の順序 ································································································· 46
附属書I(参考)MEシステム概要 ·························································································· 46
附属書AA(参考)個別ガイダンス及び根拠 ············································································· 47
附属書BB(参考)CTDIfree airの測定 ························································································ 49
参考文献 ···························································································································· 50
定義した用語の索引 ············································································································· 51
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本画像医療システム工業会
(JIRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業
規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
T 60601-2-68:2019
(IEC 60601-2-68:2014)
医用電気機器−
第2-68部:電子加速装置,軽イオンビーム治療装置
及び放射性核種治療装置と組み合わせる
X線に基づく画像誘導放射線治療装置の
基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項
Medical electrical equipment-Part 2-68:
Particular requirements for the basic safety and essential performance of
X-ray-based image-guided radiotherapy equipment for use with electron
accelerators, light ion beam therapy equipment and radionuclide beam
therapy equipment
序文
この個別規格は,2014年に第1版として発行されたIEC 60601-2-68を基に,技術的内容及び構成を変更
することなく作成した日本工業規格である。
なお,この個別規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
附属書AAにおいて,この規格の特定の細分箇条についての根拠を示している。
201.1 適用範囲,目的及び関連規格
次を除き,通則1) の箇条1を適用する。
注1) JIS T 0601-1 医用電気機器−第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項
201.1.1 適用範囲
置換
この規格は,外部ビーム照射装置(EBE)と組み合わせるX線に基づく画像誘導放射線治療装置の基礎
安全及び基本性能について規定する。
この個別規格は,外部ビーム照射装置と既知の位置関係で画像誘導放射線治療(IGRT)に使用する,
キロボルト(kV)及びメガボルト(MV)のX線撮影装置の安全性を担保する。この規格は,外部ビーム
照射装置に直接又は非直接的に装着されるが,外部ビーム照射装置と同じ放射線遮蔽エリアにあり,外部
ビーム照射装置と組み合わせてだけ使用されるX線撮影装置の通信及びその関連を含む。この個別規格は,
リアルタイムX-IGRT,オンラインX-IGRT及びオフラインX-IGRTのための装置を取り扱う。また,こ
の個別規格は,X-IGRT外部ビーム照射装置システムを過度に信頼するリスクを低減する手順を含む。例
えば,製造業者は,システムが示す補正を行うための相互対話が可能なインタフェースを供給する。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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ある箇条又は細分箇条を,X-IGRT外部ビーム照射装置システムだけを対象に適用することを明確に意
図する場合は,題名及び箇条又は細分箇条にはそのように規定されている。そうでない場合は,箇条又は
細分箇条は,X-IGRT装置にだけ適用する。
この個別規格は,形式試験及び現地試験を含んでおり,それぞれ次のように意図されるX-IGRT外部ビ
ーム照射装置システムの製造及び設置のある段階に適用する。
− 正常な使用において,特定の医療又は特定の医療目的のために,例えば,固定放射線治療又は運動放
射線治療に必要な技術をもつ操作者が,適切に許可された者又は有資格者の監督下で操作する。
− 取扱説明書で推奨した内容に従って保守されている。
− 有資格者による定期的な品質保証の履行及び校正確認を受けている。
注記1 この個別規格では,設置は全て責任部門の建物への設置をいう。
注記2 この個別規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60601-2-68:2014,Medical electrical equipment−Part 2-68: Particular requirements for the basic
safety and essential performance of X-ray-based image-guided radiotherapy equipment for use with
electron accelerators, light ion beam therapy equipment and radionuclide beam therapy equipment
(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
201.1.2 目的
置換
この個別規格の目的は,X-IGRT装置及びX-IGRT外部ビーム照射装置システムの基礎安全並びに基本
性能に関する個別の要求事項を確立することである。
201.1.3 副通則
追加
この個別規格には,通則の箇条2及びこの個別規格の201.2に規定した副通則を引用する。
JIS T 0601-1-3及びIEC 60601-1-6は,箇条203及び箇条206で修正して適用する。
JIS T 60601-1-8,IEC 60601-1-9 2),IEC 60601-1-10 3) 及びIEC 60601-1-11は,適用しない。
注2) IEC 60601-1-9,Medical electrical equipment−Part 1-9: General requirements for basic safety and
essential performance−Collateral Standard: Requirements for environmentally conscious design
3) IEC 60601-1-10,Medical electrical equipment−part 1-10: General requirements for basic safety and
essential performance−Collateral Standard: Requirements for the development of physiologic
closed-loop controllers
この個別規格の発効日以後に制定された副通則は,この規格の改正版に対してだけに適用する。
201.1.4 個別規格
置換
JIS T 0601規格群の個別規格については,個別のME機器への適用を考慮して,通則及び副通則に含ま
れる要求事項を修正,置換又は削除してもよい。また,他の基礎安全及び基本性能に関する要求事項を追
加してもよい。
個別規格における要求事項は,通則よりも優先する。
この個別規格では,JIS T 0601-1を通則という。副通則は,それらの規格番号によって参照する。
この個別規格の箇条及び細分箇条の番号は,通則の番号に接頭語“201”を付与した形で表す(例えば,
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
この個別規格の201.1は,通則の箇条1の内容を扱う。)。また,副通則の場合には,接頭語“20X”を付与
する。ここでXは,副通則の規格番号の最後の数字である(例えば,この個別規格の202.4は副通則IEC
60601-1-2の箇条4を示し,203.4は副通則JIS T 0601-1-3の箇条4の規定内容を扱うなど)。通則及び副通
則の条文の変更は,次の用語を用いて規定する。
“置換”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に全て置き換えるこ
とを意味する。
“追加”は,通則又は適用する副通則の要求事項に,この個別規格の規定を追加することを意味する。
“修正”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に修正することを意
味する。
通則に追加する細分箇条,図又は表には,201.101から始まる番号を付ける。しかし,通則の定義は,3.1
〜3.147の細分箇条番号を与えられているため,この個別規格で追加する定義は201.3.201から始まる細分
箇条番号を付ける。追加した附属書は,附属書AA,附属書BBなどと記載し,追加項目はaa),bb) など
と記載する。
各副通則に追加する細分箇条,図又は表には,“20X”から始まる番号を付ける。ここで,“X”は副通則
の番号である。例えば,202はIEC 60601-1-2,203はJIS T 0601-1-3を示す。
“この規格”という用語は,通則,適用する副通則及びこの個別規格を包含する。
この個別規格の中に対応する箇条又は細分箇条がない場合には,関連する可能性が低くても,通則又は
適用する副通則の箇条若しくは細分箇条を置換,追加又は修正せずに適用する。関連する可能性のある規
定であっても,通則又は適用する副通則の一部を適用しない場合には,この個別規格でそれを適用しない
ことを記載する。
201.2 引用規格
次の事項を除いて,通則の箇条2を適用する。
修正
JIS T 0601-1-3:2012 医用電気機器−第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項−副通
則:診断用X線装置における放射線防護
注記 対応国際規格:IEC 60601-1-3:2008,Medical electrical equipment−Part 1-3: General requirements
for basic safety and essential performance−Collateral Standard: Radiation protection in diagnostic
X-ray equipment
IEC 60601-1-6:2010,Medical electrical equipment−Part 1-6: General requirements for basic safety and
essential performance−Collateral Standard: Usability及びAmendment 1:2013
追加
JIS T 0601-1:2017 医用電気機器−第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60601-1:2005,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for
basic safety and essential performance及びAmendment 1: 2012
JIS T 62083:2017 医用電気機器−放射線治療計画システムの安全要求事項
注記 対応国際規格:IEC 62083:2009,Medical electrical equipment−Requirements for the safety of
radiotherapy treatment planning systems
JIS T 62563-1:2013 医用電気機器−医用画像表示システム−第1部:評価方法
注記 対応国際規格:IEC 62563-1:2009,Medical electrical equipment−Medical image display systems
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
−Part 1: Evaluation methods
JIS Z 4005:2012 医用放射線機器−定義した用語
注記 対応国際規格:IEC/TR 60788:2004,Medical electrical equipment−Glossary of defined terms
JIS Z 4705:2015 医用電気機器−第2-1部:1 MeV〜50 MeVの電子加速装置の基礎安全及び基本性能
に関する個別要求事項
注記1
対応国際規格:IEC 60601-2-1:2009,Medical electrical equipment−Part 2-1: Particular
requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1
MeV to 50 MeV
注記2
JIS Z 4705:2015は,IEC 60601-2-1:2009/Amendment 1:2014を含んでいる。
JIS Z 4751-2-44:2018 医用電気機器−第2-44部:X線CT装置の基礎安全及び基本性能に関する個別
要求事項
注記1
対応国際規格:IEC 60601-2-44:2012,Medical electrical equipment−Part 2-44: Particular
requirements for the basic safety and essential performance of X-ray equipment for computed
tomography
注記2
JIS Z 4751-2-44:2018は,IEC 60601-2-44:2016対応版である。
JIS Z 4752-3-5:2008 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第3-5部:受入試験−
医用X線CT装置
注記 対応国際規格:IEC 61223-3-5:2004,Evaluation and routine testing in medical imaging departments
−Part 3-5: Acceptance tests−Imaging performance of computed tomography X-ray equipment
ISO 12052:2017,Health informatics−Digital imaging and communication in medicine (DICOM) including
workflow and data management
IEC 60976:2007,Medical electrical equipment−Medical electron accelerators−Functional performance
characteristics
IEC 61217:2011,Radiotherapy equipment−Coordinates,movements and scales
IEC 62274:2005,Medical electrical equipment−Safety of radiotherapy record and verify systems
注記1 対応国際規格に記載されているIEC 61262-7:1995は,引用しないため削除している。
注記2 対応国際規格に記載されているIEC 60731:2011は,引用しないため削除している。
注記3 対応国際規格に記載されているIEC 62366:2007は,引用しないため削除している。
注記4 対応国際規格に記載されているIEC 60601-2-4:2010は,引用しないため削除している。
注記5 対応国際規格に記載されているIEC 62396-1:2012は,引用しないため削除している。
注記6 参考情報は,参考文献一覧に示す。
201.3 用語及び定義
この規格で使用する用語及び定義は,通則,JIS Z 4705:2015及びJIS Z 4005:2012によるほか,次によ
る。
注記 定義した用語の索引を,末尾に示す。
追加
201.3.201
CT線量指数100,CTDI100(COMPUTED TOMOGRAPHY DOSE INDEX 100,CTDI100)
スライス面に対して垂直な線(y)に沿った単一アキシャルスキャンの線量プロファイルを−50 mm〜+
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
50 mmの範囲で積分した値を,X線源の単一スキャンで生成されるスライスの数Nと公称スライス厚Tと
の積で除したもの。
N×Tが40 mm 以下の場合
CTDI100 =∫
×
mm
50
mm
50
)
(
+
−
T
N
y
D
dy
N×Tが40 mmを超える場合(コリメーションを除く全てのCT作動条件がこれらの計測中は同一)
CTDI100 =
f
Re
air,
free
air,
free
mm
50
mm
50
f
Re
Ref
)
(
)
(
CTDI
CTDI
dy
T
N
y
D
T
N×
∫
×
+
−
ここに,
D(y): スライス面に対して垂直な線に沿った線量プロファ
イル。線量は,空気に対する吸収線量として表し,
メタクリル樹脂(以下,PMMAという。)製の線量
計測用ファントム中で測定する(201.102.5.2参照)。
(N×T)Ref: 公称のスライス数Nと公称スライス厚Tとの積が20
mm又は利用できる20 mmを超えない最大値
DRef(y): スライス面に対して垂直な線に沿った線量プロファ
イル。線量は,空気に対する吸収線量として表し,
PMMA製の線量計測ファントム中で公称のスライ
ス数Nと公称スライス厚Tとの積が上記 (N×T)Ref
の場合について測定する(201.102.5.2参照)。
CTDI free air, N×T: 公称値N×TについてのCTDI free air(201.3.202参照)
CTDI free air, Ref: (N×T)RefについてのCTDI free air(201.3.202参照)
N: X線源の単一スキャンで生成されるスライスの数
T: 公称スライス厚
注記1 線量は,空気に対する吸収線量で表すが,実用上はPMMA製の線量計測用ファントム内の
空気に対する吸収線量であり,空気カーマの測定によってよく近似する。
注記2 上記定義は,線量プロファイルの中心がy=0であると仮定している。
注記3 単一のアキシャルスキャンは,通常,X線源の360°回転による。CBCTについて,部分的
な回転は単一スキャンと考える。
注記4 スライスが重なる場合,すなわち,“y方向焦点移動制御(フライングフォーカルスポット)”
又は,CBCTモードで多重スキャンを行うCTでは,前式の積分の分母は,y軸に沿って重
なるスライスの全公称厚さに置き換える必要がある。例えば,重複の割合が50 %の場合,分
母は,0.5×N×Tに置き換える。
注記5 通常は,y軸は回転軸である(y軸は,DICOM座標系でのz軸である。)
注記6 CTDI100は,大部分の散乱放射線を含むように計算する。
注記7 更なる参考のために,JIS Z 4751-2-44:2018の附属書CCを参照。
注記8 メガボルトCBCTについては,適切な校正済みペンシル型電離箱を使用することを仮定して
いる。
(JIS Z 4751-2-44:2018の201.3.203を変更。注記3〜注記5を拡張及び注記6〜注記8を追加。)
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.3.202
CT線量指数空気自由空間,CTDIfree air(COMPUTED TOMOGRAPHY DOSE INDEX FREE-IN-AIR,CTDIfree
air)
スライス面に対して垂直な線(y)に沿った単一アキシャルスキャンの線量プロファイルを積分した値を,
X線源の単一スキャンで生成されるスライスの数Nと公称スライス厚Tとの積で除したもの。
CTDIfree air =
dy
T
N
y
D
L
L∫
×
2
/
2
/
)
(
+
−
ここに,
D(y): スライス面に対して垂直な線に沿った線量プロファイル。線
量は,空気に対する吸収線量として表し,ファントム及び患
者支持器のない空気中で測定する(201.102.5.2参照)。
N: X線源の単一スキャンで生成されるスライスの数
T: 公称スライス厚
L: 少なくとも (N×T)+40 mm,かつ,100 mm以上の長さ
注記1 上記定義は,線量プロファイルの中心がy=0であると仮定している。y軸は,DICOM座標
系でのz軸である。
注記2 スライスが重なる場合,すなわち,“y方向焦点移動制御(フライングフォーカルスポット)”
又は,CBCTモードで多重スキャンを行うCTでは,前式の積分の分母は,y軸に沿って重
なるスライスの全公称厚さに置き換える必要がある。例えば,重複の割合が50 %の場合,分
母は,0.5×N×Tに置き換える。
注記3 通常は,放射線検出器は,長さL又はそれ以上の長さとする。附属書BBに測定法の一例を
示す。
注記4 CBCTについては,撮影は,スライスに基づくものではなく,N×Tは,公称のコリメーショ
ンを行って,スライス面に垂直に走査する長さである。
注記5 メガボルトCBCTについては,適切な校正済みペンシル型電離箱又は通常の電離箱及びビル
ドアップキャップを使用することを仮定している。
(JIS Z 4751-2-44:2018の201.3.215を変更。注記1及び注記2を拡張並びに注記3〜注記5を追加。)
201.3.203
コーンビームCT,CBCT(CONE BEAM COMPUTED TOMOGRAPHY,CBCT)
円すい(錐)状のX線を使用するCT。
201.3.204
コントラスト対ノイズ比,CNR(CONTRAST TO NOISE RATIO,CNR)
デジタル画像に含まれる様々なコントラスト試料と画像内の固有ノイズとを識別する能力を記述する物
理的な量であり,コントラスト試料と背景画像の平均画素値との差を,背景画像の画素値の標準偏差で除
したもの。
注記 CNR=
0
B
A
σ
S
S−
ここに, SA及びSB: 関心領域内で構造物A及びBからの信号強度。製造業者は,A及びB
を定義する構造を規定する。
σ0: 画像のノイズの標準偏差
(JIS Z 4752-3-2:2011の定義の3.8を変更。注記を追加。)
7
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.3.205
長さ線量積,DLP(DOSE-LENGTH PRODUCT,DLP)
CTDIvolとスキャンの全長との積で表した指標。
a) アキシャルスキャンの場合
DLP=CTDIvol×Δd×n
ここに, Δd: 連続するスキャン間のy軸に沿った患者支持器の移動量
n: 全スキャン数
b) ヘリカルスキャンの場合
DLP=CTDIvol×L
ここに,
L: 全負荷中の患者支持器の移動量。適用可能な場合には,動的な
コリメーションで調整される。
注記1 Lは,計画したスキャン長さよりも長い場合がある。
注記2 CTDIvolが時間変化する場合,時間によって重み付けした平均値を使用する。
注記3 Lの長さの算出では,スライス面に垂直な軸に沿った空気中のアイソセンタでの全スキャン
線量プロファイルの半値全幅(FWHM)を使用することも可能である。動的なコリメーショ
ンが行われない場合,この値は,全負荷中の患者支持器の移動量に近似的に等しい。
c) 患者支持器を移動させないスキャンの場合
DLP=CTDIvol×N×T
ここに,
N: X線源の単一スキャンで生成されるスライスの数
T: 公称スライス厚
注記4 CBCTについては,通常,c)が適用され,そこでは,N×Tは公称のコリメーションを行って
スライス面に垂直に走査する長さである。
注記5 通常は,y軸が回転軸である。y軸は,DICOMの座標系でz軸に相当する。
d) ヘリカルスキャン及び隙間がないアキシャルスキャンを行い,患者支持器が2か所を行き来する場合
(シャトルモード)
DLP=CTDIvol×[(N×T)+R]
ここに,
N: X線源の単一スキャンで生成されるスライスの数
T: 公称スライス厚
R: 二つの位置の間の距離
(JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.214を変更し,注記3〜注記5を追加。)
201.3.206
線量プロファイル(DOSE PROFILE)
直線に沿った位置の関数としての線量表示。
(JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.205参照)
201.3.207
外部ビーム照射装置,EBE(EXTERNAL BEAM EQUIPMENT,EBE)
電子加速装置,軽イオンビーム治療装置又は放射性核種ビーム治療装置を用いて体外から照射する放射
8
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
線装置。
201.3.208
画像誘導放射線治療装置,IGRT装置(IGRT EQUIPMENT)
画像誘導放射線治療の機能を与えるME機器。
201.3.209
画像誘導放射線治療,IGRT(IMAGE-GUIDED RADIO THERAPY,IGRT)
患者体内の標的体積に対する放射線治療ビームの位置を治療時の標的体積及び周囲の体内構造の撮影
によって決定し,標的体積に対するビームの相対的な位置に対し,必要な位置補正を可能にする放射線治
療プロセス。
(IEC 60976:2007の3.8参照)
注記 TARGET VOLUMEの訳語としてJIS Z 4005:2012の11146では,標的容積と定義されているが
この規格では放射線治療の多数のユーザが使用する“標的体積”と定義した。
201.3.210
画像再構成(IMAGE RECONSTRUCTION)
得た情報を解析のために使用することができる画像データに変換する処理プロセス。
注記 再構成画像データセットの分析は,参照データに対する画像レジストレーションの目的に適用
できる。
201.3.211
画像レジストレーション(IMAGE REGISTRATION)
一つの画像データセット上の点を他の画像データセットに対応付ける又は照合する方法。
注記 画像レジストレーションは,剛体又は非剛体に適用される。
201.3.212
撮影時間(IMAGING SESSION)
患者が患者位置決め装置に保持されている間で患者の画像が取得される連続時間。
注記 患者が患者位置決め装置から離れた場合には,撮影時間は終わる。
201.3.213
キロボルトX-IGRT装置(KILOVOLTAGE X-IGRT EQUIPMENT)
キロボルト(kV)のX線を使用するX-IGRT装置。
201.3.214
メガボルトX-IGRT装置(MEGAVOLTAGE X-IGRT EQUIPMENT)
メガボルト(MV)のX線を使用するX-IGRT装置。
201.3.215
変調伝達関数,MTF(MODULATION TRANSFER FUNCTION,MTF)
空間周波数u及びvの関数として表された一般的な複素OTFの絶対値。
注記 MTFは,様々な方法,例えば,点像強度分布関数(point spread function, PSF),線像強度分布
関数(line spread function,LSF)又は端部像強度分布関数(edge spread function,ESF)から求
めることができる。
(IEC 62220-1:2003の3.9を変更。注記を追加及び記号を変更。)
201.3.216
正常な使用(NORMAL USE)
9
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
取扱説明書に従って,操作者が行う日常の点検及び調整を含む操作並びに待機。
注記1 正常な使用と意図する使用とを混同しないほうがよい。両方とも製造業者による意図する使
用の概念を含んでいるが,特に,意図する使用は,医療目的に焦点を合わせている一方,正
常な使用は,医療目的だけでなく保守,サービス,輸送なども含んでいる。
注記2 正常な使用は,全て操作者が行うもので,準備,校正及びその他の試験のための“物理”モ
ードを含んでいる。
201.3.217
オフラインIGRT(OFFLINE IGRT)
その後の治療ビーム照射に適用する患者のセットアップ及び/又は治療計画の調整を目的とするIGRT。
201.3.218
オンラインIGRT(ONLINE IGRT)
操作者の介入が必要で,治療照射の直前若しくは途中の患者のセットアップ又は治療計画の調整を目的
とするIGRT。
注記 患者は患者位置決め装置に保持され,撮影中,治療中又は撮影と治療との間,動かない。
201.3.219
光学伝達関数,OTF(OPTICAL TRANSFER FUNCTION)
撮影系における物理的点広がり関数の二次元のフーリエ変換。
注記1 ISO 9334:2012参照
注記2 光伝達関数が意味をもつためには,画像システムがその線形範囲で動作し,同一平面領域を
考慮することが必須である。
(JIS Z 4005:2012の定義10752参照)
201.3.220
プロトコル要素(PROTOCOL ELEMENT)
スキャンに必要な,個別のCBCT作動条件の一式。
注記1 異なるスキャン方式の例として,ヘリカルスキャン,アキシャルスキャン,連続したアキシ
ャルスキャン,患者支持器の移動がないスキャン及び折返しスキャンがある。
注記2 それぞれの関連するユーザインタフェース及び関連書類との整合性を取るため,様々な
X-IGRT装置が“プロトコル要素”と異なる用語を使用する場合がある。例えば,“スキャン”,
“スキャングループ”,“スキャンシリーズ”,“プリセット”,“CBCTモード”などは,実際
には“プロトコル要素”を意味する。
注記3 “プロトコル要素”は通常IGRTタスク,解剖学的領域,及び/又は年齢若しくは体格に関
連している。
(JIS Z 4751-2-44:2018の201.3.216を修正。元の定義での“CT”を“CBCT”に置換並びに注記2及び注
記3を変更。)
201.3.221
X線撮影法(RADIOGRAPHY)
注記 定義語である“X線撮影法”は,本体では使用されていない。
201.3.222
X線透視法(RADIOSCOPY)
注記 定義語である“X線透視法”は,本体では使用されていない。
10
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.3.223
リアルタイムIGRT(REAL TIME IGRT)
治療照射中に撮影し,その情報に基づいて操作者が介入することなく治療照射中に治療パラメータを自
動調整するIGRT。
201.3.224
基準画像(REFERENCE IMAGE)
患者を位置決めする,又は治療計画を調整するために,その後の画像が比較される治療計画に関係する
画像。
注記1 基準画像は,分割照射の初回に電子ポータルイメージング装置から得ることもできる。
注記2 基準画像は複数の場合がある。
注記3 基準画像の例は,治療時の二次元画像との比較に用いられるために治療計画システムで作成
されるデジタル再構成画像(DRR),又はCBCTを使用する位置決めでの照合に使用される
治療計画用CT画像である。
201.3.225
感度プロファイル(SENSITIVITY PROFILE)
スライス面に垂直な線に沿った位置の関数としての,CT装置の相対的応答。
(JIS Z 4751-2-44:2018の201.3.207参照)
201.3.226
空間分解能(SPATIAL RESOLUTION)
高コントラスト分解能としても知られ,MTFによって記述される分解能。
201.3.227
画像表示システムの空間分解能(SPATIAL RESOLUTION OF AN IMAGE DISPLAY SYSTEM)
画像内の関心対象の空間的特徴を識別するための画像表示システムの能力を調べる手段。
注記 医用画像を表示した場合に関心対象の空間的な細部まで保持されていることを保証するために
は,適切な空間解像度特性をもつように設計されているシステムが必要である。不十分な解像
度の画像表示デバイスで画像データを表示した場合,放射線画像診断の精度が損なわれる。
(JIS T 62563-1:2013の3.1.20を変更。用語に“画像表示システムの”を追加)
201.3.228
ユーザビリティ(USABILITY)
有効性,効率,操作者の学習のしやすさ及び操作者の満足度を確立する操作者インタフェースの特性。
(JIS T 0601-1:2017の3.136参照)
201.3.229
ボリュームCTDIw,CTDIvol(VOLUME CTDIw,CTDIvol)
a) アキシャルスキャンの場合
w
vol
CTDI
Δd
T
N
CTDI
×
=
ここに,
N: X線源の単一スキャンで生成されるスライスの数
T: 公称スライス厚
Δd: 連続するスキャン間のy軸方向の患者支持器の移動量
11
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 選択されたCT作動条件において,臨床に使用されるスキャン距離に関係なく,ボリューム
CTDIw(CTDIvol)は,y軸に沿って積分した100 mmの範囲を基準とした線量指標である。
アキシャルスキャンにおいては,CTDIvolは,ファントムの中央部における断面領域×Δdに
等しい体積における断面の平均線量である。
注記2 アキシャルスキャンにおいて患者支持器の総移動量がN×Tよりも短い場合,定義された
CTDIvolでは,断面領域×Δdに等しい体積のファントムの中央部における断面の平均線量を
過大評価する。
注記3 通常y軸は回転軸であるが,ここでのy軸はDICOM座標系のz軸に対応する。
b) ヘリカルスキャンの場合
ピッチ係数
CT
w
vol
CTDI
CTDI
=
注記4 Δdが照射中に変化する場合は,CTピッチ係数は時間の関数となる。
注記5 選択されたCT作動条件において,臨床に使用されるスキャン距離に関係なく,ボリューム
CTDIw(CTDIvol)は,y軸に沿って積分した100 mmの範囲を基準とした線量指標である。
ヘリカルスキャンにおいては,CTDIvolは,100 mmのスキャン長の中心部における平均線量
に対応する。
注記6 回転数の少ないヘリカルスキャンにおいて回転数と患者支持器の移動量との積がN×Tより
非常に小さい場合,定義されたCTDIvolでは,100 mmのスキャン長の中心部における平均線
量を過大評価する。
注記7 通常y軸は回転軸であるが,ここでのy軸はDICOM座標系のz軸に対応する。
c) 患者支持器の移動がないスキャンの場合
w
vol
CTDI
n
CTDI
×
=
ここに,
n: 回転数
注記8 c)は,例えばIVR(インターベンショナルラジオロジの手技,interventional procedure)中の
ように,患者支持器を手動で移動する場合を含んでいる。
注記9 患者支持器の移動がないスキャンで,かつ,患者支持器を手動で移動する場合,この定義で
は,隣接するスライスから混入することが推定される散乱線を含むため,線量を過大評価す
る。
注記10 患者支持器の移動のないスキャンにおいて,CTDIvolは,隣接するアキシャルスキャンの長さ
を100 mmとして,それをn回繰り返した場合の断面×N×Tと同じ体積となるファントム中
央断面に生じる線量に対応する。
注記11 CBCTにおいては,通常c)だけが適用される。
注記12 通常y軸は回転軸であるが,ここでのy軸はDICOM座標系のz軸に対応する。
注記13 CBCTの場合,nは通常1であり,回転が部分的な場合,nは1とみなされる。
d) ヘリカルスキャン及び隙間がないアキシャルスキャンで,前後方向にかかわらず二つの位置を患者支
持器が行き来する場合(シャトルモード)
w
vol
)
(
CTDI
R
T
N
T
N
n
CTDI
+
×
×
=
12
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに,
N: X線源の単一アキシャルスキャンで生成されるスライ
スの数
T: 公称スライス厚
n: 全スキャンシリーズの全回転数に等しい。
R: 二つの位置の距離
CTDIw: 重み付けCTDI100
注記14 JIS Z 4751-2-44:2018の図201.102を参照。
注記15 CTDIwは様々なCT作動条件を反映した時間重み付けCTDIwとして評価される。
(JIS Z 4751-2-44:2018の201.3.212を変更。注記1〜注記3及び注記7〜注記10を変更,注記11〜注記13
追加)
201.3.230
重み付けCTDI100,CTDIw(WEIGHTED CTDI100,CTDIw)
重み付けCTDI100(CTDIw)を次の式で定義する。
(周辺)
(中心)
100
100
w
3
2
3
1
CTDI
CTDI
CTDI
+
=
ここに, CTDI100(中心): 線量測定用ファントムの中心で測定したCTDI100の値。
CTDI100(周辺): 201.102.5.2.2.1のa) 2)及びa) 3)に従って,線量測定用
ファントムの周辺部で測定したCTDI100の4か所の値
の平均値。
(JIS Z 4751-2-44:2018の201.3.211を修正。この規格では上記定義を適用。)
201.3.231
X-IGRT外部ビーム照射装置システム(X-IGRT EBE SYSTEM)
X-IGRT装置及び外部ビーム照射装置を含むシステム。
201.3.232
X-IGRT装置(X-IGRT EQUIPMENT)
X線を用いIGRT機能を提供するME機器。
201.3.233
X-IGRT撮影構成要素(X-IGRT IMAGING COMPONENT)
撮影機能を実行するX-IGRT装置の一部。
201.3.234
X-IGRTレイテンシー(X-IGRT LATENCY)
画像取得開始時からX-IGRT装置による外部ビーム照射装置への信号出力までの時間。
注記1 外部ビーム照射装置は信号を受信してから動作を補正するまでの遅延時間を示すことが望ま
しい。
注記2 X-IGRTレイテンシーはハードウェアの遅延及びソフトウェアの遅延を含んでいる。
注記3 ユーザが提供する多くの関連した要因があるため,ネットワーク転送回数は設備ごとに異な
る。そのため,X-IGRTレイテンシー時間の一部としてネットワーク転送の遅延を考えない。
201.4 一般要求事項
通則の箇条4を適用する。
13
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.5 ME機器の試験に対する一般要求事項
次を除き,通則の箇条5を適用する。
201.5.1 形式試験
追加
201.5.1.101 試験等級
形式試験の三つの試験等級,及び現地試験の二つの試験等級における手順は,この個別規格に規定する。
これらの要求事項は,次による。
− 形式試験 等級A:指定した放射線安全に関連するME機器設計の分析。結果は,要求を満たすため
の作動原理又は構造上の手段に関して,技術解説書に記載しなければならない。
− 形式試験・現地試験 等級B:ME機器の外観調査,機能試験又は測定。試験は,この個別規格に規
定する手順に従い,ME機器の回路又は構造に手を加えずに得られる作動状態(故障状態を含む。)に
限って行わなければならない。
− 形式試験・現地試験 等級C:ME機器の性能試験又は測定。試験は,この個別規格に規定する原則
に従わなければならない。現地試験手順は,技術解説書に含めなければならない。この試験手順に,
ME機器の回路又は構造に手を加える必要のある作動状態を含める場合には,試験は,製造業者又は
代理業者が実施するか,又はその直接的監督下で実施しなければならない。
201.5.4 その他の条件
置換
製造業者は,試験のためのいかなる追加要求も,附属文書に記載しなければならない。
201.5.9 装着部及び接触可能部分の決定
201.5.9.2.1 テストフィンガ
追加
据付けの際に標準のテストフィンガでの試験では接触できず,工具の使用によってだけ接触可能となる
部分は,接触可能部分とは扱わない。そのような状況がある場合には,附属文書に記載しなければならな
い。
201.6 ME機器及びMEシステムの分類
通則の箇条6を適用する。
201.7 ME機器の標識,表示及び文書
次を除き,通則の箇条7を適用する。
201.7.1.1 標識,表示及び文書のユーザビリティ
追加
正常な使用では取り外すことができ,かつ,この規格への適合に関連するX-IGRT装置の組立部品及び
構成品は,次を満たさなければならない。
− 容易に識別でき,その旨を附属文書に記載する。
− 交換可能な装置は,正常な使用及び交換目的のための両方において,操作者が個別に識別可能である。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.7.2 ME機器又はME機器の部分の外側の表示
201.7.2.4 附属品
追加
公称基準距離における幾何学的放射線照射野の寸法を,手作業で交換可能で調整不要な全ての照射野限
定器の外側に,明瞭に読みやすく表示をしなければならない。
公称基準距離における幾何学的放射線照射野の寸法を,調整不要な全ての照射野限定器について,附属
文書に明瞭に記載しなければならない。
調整可能な装置については,公称基準面における幾何学的放射線照射野の範囲を,附属文書に記載しな
ければならない。
手作業で交換可能な放射線フィルタ及び照射野限定器の各々には,識別情報を明瞭に表示しなければな
らない。
X-IGRT装置に取り付けたときに衝突のリスクがある全ての附属品は,その端点から公称基準距離まで
の距離を明瞭に表示しなければならない。
(試験)
適合性は検査によって確認する。
201.7.2.15 冷却条件
追加
X-IGRT装置又はサブユニットが安全に作動するために冷却が必要なことを,適宜最大放熱を含めて,
附属文書に記載しなければならない。
201.7.3 ME機器又はME機器の部分の内側の表示
追加
201.7.3.101 X-IGRT装置のX線源
X-IGRT装置のX線源のカバーを取り外した場合,通則の表D.2の安全標識10の“取扱説明書に従う
こと”が明確に分かるように表示しなければならない。
201.7.4 制御及び計器の表示
追加
201.7.4.101 X-IGRT装置の動く部分のための目盛及び表示
a) 機械的目盛,数値出力又は数値指標がIEC 61217に定義した軸に沿う箇所では,IEC 61217に定義し
た軸を,利用可能なIEC 61217に定義した各軸動作に使用しなければならない。
注記1 これは,IEC 61217に定義しない動作に対する値には適用しない。
b) X-IGRT装置の基準点に関して患者位置を調整する手段を備えなければならない(例えば,光照射野,
レーザなど)。
注記2 外部ビーム照射装置と同じ基準点をもつX-IGRT装置については,患者位置を調整する手
段は外部ビーム照射装置と同一でよい。
c) X-IGRT装置の放射線源又は放射線検出器から基準点までの距離が調整可能なX-IGRT装置について
は,放射線源又は放射線検出器から基準点までの距離を決定する手段(例えば,目盛,数値表記,レ
ーザ)を備えなければならない。
d) 基準点までの固定した線源及び固定した放射線検出器をもつX-IGRT装置については,放射線源及び
放射線検出器から基準点までの距離をX-IGRT装置の附属文書に記載しなければならない。
e) 製造業者のハザード分析がその必要性を示す機械的目盛,数値読出し又は状態表示を全て,操作者に
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
提示しなければならない。
注記3 キロボルト放射線源に対する距離は焦点から測定する。
注記4 アイソセントリック機器の場合,基準点はその機器のアイソセンタである。
全ての利用可能な動きに対する表示記号,増加する方向及びゼロの位置は,IEC 61217に適合しなけれ
ばならないか(図201.101参照),又は機器がIEC 61217に適合しない場合には附属文書にIEC 61217座標
系への座標変換を記載しなければならない。
操作者が設定できる値に対し,その値が適用される装置と同じ単位及び座標系を,X-IGRT装置は操作
者に提供できなければならない。
(試験)
適合性は検査によって確認する。
201.7.8 表示光及び制御
201.7.8.1 表示光の色
置換
X-IGRT装置上の標識(光又は表示)を治療制御盤(TCP)上で,又は外部ビーム照射装置に関連する
パネル上で使用する場合には,その色は次による。
放射線ビーム“照射”
黄
準備完了状態
緑
意図に反する作動状態を停止するのに必要な緊急の操作
赤
準備状態
その他の色
X-IGRT外部ビーム照射装置システムがずれを自動的に補正できないとき,リアルタイムIGRTにおい
ては,操作者が行わなければならない緊急動作を表すものとして赤を使用しなければならない。
治療室内又は他の場所において,これらの状態は緊急の動作,又は警告を必要とする場合がある。その
ため,JIS T 0601-1:2017の表2で与えられるものと異なる色を,このような状況で使用してもよい。
(試験)
適合性は検査によって確認する。
201.7.9 附属文書
追加
201.9〜201.11,201.14及び201.101〜201.103の現地試験適合性に対応する技術解説書で要求されるデー
タを表201.101に示す。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表201.101−技術解説書で要求されるデータ
適合する
細分箇条
形式試験 等級
Aに関する記載
形式試験 等級
Bの詳細及び結
果
形式試験 等級
Cの詳細及び結
果
現地試験 等級
Bについて規定
した試験方法及
び試験条件
現地試験 等級
Cについて規定
した試験方法及
び試験条件
201.9.2.4.101
†
201.9.2.104
a) d)
b) c) e) f) g)
201.10.1.2.101.11
†
201.10.1.2.105
a)
b)
b)
201.14.101
†
†
201.101.1
†
201.101.2
†
201.101.3
†
201.101.4
†
201.101.5
†
†
201.101.6
†
†
201.101.7
d)
a)
a) b) c)
201.101.8
a) b)
b)
201.101.9.1
†
†
201.101.9.2
†
†
201.101.9.3
†
201.102.1.1
†
201.102.1.2
†
201.102.2
†
201.102.3
†
†
†
201.102.4
†
201.102.5.1
a) b)
201.102.5.2.2.1
†
201.102.5.2.2.2
†
201.102.5.2.2.3
†
201.102.5.2.2.4
†
201.102.5.2.2.5
†
†
201.102.5.2.2.6
†
201.102.5.2.2.7
†
201.103.1
a) b) c)
201.103.2
a) b) c)
201.103.3.1
†
†
†
201.103.3.2
†
†
†
201.103.3.3
†
†
†
注記 †は他に個別の細分箇条がない要求事項を示す。
この個別規格に関し,附属文書,取扱説明書及び技術解説書に情報を記載する必要のある箇条及び細分
箇条を表201.102に示す。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表201.102−附属文書,取扱説明書及び技術解説書に情報を記載する必要のある
この個別規格における箇条及び細分箇条
参照番号
附属文書
取扱説明書
技術解説書
1
201.2
2
201.5.1.101
3
201.5.4
4
201.5.9.2.1
5
201.7.1.1
6
201.7.2.4
7
201.7.2.15
8
201.7.4.101
9
201.7.9.2.2
10
201.7.9.2.2.101
11
201.7.9.2.5
201.7.9.2.5
12
201.7.9.2.15
13
201.8.11.1
14
201.9.2.4.101
15
201.9.2.101
201.9.2.101
16
201.9.2.102
17
201.9.2.103
18
201.9.2.104
19
201.9.8.101
20
201.9.101
21
201.10.1.2.105
201.10.1.2.105
22
201.14.101
23
201.17.101
24
201.101.1
201.101.1
25
201.101.5
26
201.101.6
27
201.101.7
28
201.101.8
29
201.101.9.1
30
201.101.9.2
31
201.102.2
32
201.102.4
201.102.4
33
201.102.5.1
201.102.5.1
34
201.102.5.2.2.1
35
201.102.5.2.2.2
36
201.102.5.2.2.3
37
201.102.5.2.2.4
38
201.102.5.2.2.5
39
201.102.5.2.2.6
40
201.103.1
201.103.1
41
201.103.2
201.103.2
42
201.103.3.1
201.103.3.1
43
201.103.3.2
201.103.3.2
44
201.103.3.3
201.103.3.3
45
203.4.1
46
203.6.3.2
47
203.8.4
48
203.10.2
203.10.2
注記 “参照番号”は文書の適合性確認の際に利用すると便利である。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.7.9.2.2 警告及び安全上の注意
追加
X-IGRT外部ビーム照射装置システムで使用するために,X-IGRT外部ビーム照射装置システム製造業
者によって供給又は承認されたX-IGRT装置を,附属文書に記載しなければならない。
外部ビーム照射装置システム製造業者によって記載されていない,いかなるX-IGRT装置も,責任部門
によって,正しいシステム操作及び安全を評価しなければならないことを附属文書にて警告しなければな
らない。
201.7.9.2.2.101 能動型医療機器との放射線相互作用
附属文書に,画像用及び治療用放射線と,能動型埋込み式医療機器及び装着式能動型医療機器との潜在
的な有害な相互作用に関する注意書きを含めなければならない。さらに,ユーザがより多くの情報を得る
ために製造業者にコンタクトし,同時に,当該機器が照射後,正しく操作できることを確認するのがよい
旨の注意書きを含めなければならない。
201.7.9.2.5 ME機器の説明
追加
リアルタイムIGRTの場合,その機能を行うためのX-IGRT装置のX-IGRTレイテンシー時間を,附属
文書に示さなければならない。X-IGRTレイテンシー時間を決定するのに使用される状態を,附属文書に
示さなければならない。画像間の時間を操作者が決定しない場合,画像間の時間を示さなければならない。
X-IGRTレイテンシーを予測モデル又はその他の方法で補償する場合,その補償の方法を,附属文書に
記載しなければならない。
補償の方法が,また,X-IGRTレイテンシーに加えて推測される外部ビーム照射装置の遅延を含む場合
には,その方法を,附属文書に含めなければならない。
製造業者は,X-IGRT装置の機能を附属文書に記載しなければならない。
キロボルトX線管を使用しているX-IGRT装置の場合,JIS T 0601-1-3:2012の6.4.3の要求に従いX線
管負荷条件に関連する電気出力データを,取扱説明書に記載しなければならない。
高電圧装置の一部が,X線管装置(例えば,一体形X線発生装置)とともに組み込まれたX-IGRT装置
の場合,その記載する値は,完成品を参照しなければならない。
キロボルトX線管の場合,次の組合せ及びデータを取扱説明書に記載しなければならない。
a) 設定X線管電圧で動作しているとき,高電圧装置から得られる最も大きいX線管電流に対応する公称
X線管電圧
b) 設定X線管電流で動作しているとき,高電圧装置から得られる最も高いX線管電圧に対応する最も大
きいX線管電流
c) 最も大きい出力電力に対応するX線管電圧とX線管電流との組合せ
d) X線管電圧120 kV,又はこの値が選択できない場合には,120 kVに最も近いX線管電圧で,最大臨
床負荷時間又は4秒のうちのいずれか短い方に対応する負荷時間に対して,高電圧装置が供給できる,
最も大きい一定の出力電力としてキロワット(kW)で与えられる公称[最大]電力
公称[最大]電力を,X線管電圧とX線管電流との組合せ及びキロボルトX-IGRT装置を使用する負荷
時間とを併せて,示さなければならない。
201.7.9.2.15 環境保護
追加
注記 ここでいう責任部門の放射線防護責任者とは,一般的に,放射能をもつ可能性のある物質の鑑
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定及び廃棄を責任をもって行う人をいう。
責任部門の放射線防護責任者を支援するために,X線撮影ビームの配置は,技術解説書に定義しなけれ
ばならない。
201.8 ME機器の電気的ハザードに関する保護
次の事項を除いて,通則の箇条8を適用する。
201.8.4 電圧,電流又はエネルギーの制限
201.8.4.2 接触可能部分及び装着部
d)への追加
設置によって,テストロッド及びピンでの該当する開放部への挿入試験が妨げられる場所では,通則の
8.4.2 d)の要求事項は適用しない。設置によって試験が妨げられる場所では,代わりにハザード分析をしな
ければならない。
追加
201.8.4.101 公称X線管電圧に対する高電圧の制限
CT装置は,患者撮影での正常な使用において,X線管装置の公称X線管電圧よりも高い電圧を供給し
ないよう設計しなければならない。
(試験)
適合性は,製造業者の構成品のデータの検査,ME機器の検査及び必要に応じて機能試験によって確認
する。
201.8.4.102 着脱可能な高電圧ケーブルの接続
X線管装置に接続されている着脱可能な高電圧ケーブルは,それらを取り外すためには工具の使用が必
要であるか,又はそれらの保護カバーを取り外すように設計しなければならない。
(試験)
適合性は検査によって確認する。
201.8.4.103 電源部の許容できないほど高い電圧
電源部又は他のあらゆる低電圧回路に許容できないほどの高い電圧が発生することを防止する次の手段
を講じなければならない。
− 高電圧回路と低電圧回路との間に保護接地端子に接続された保護層(winding layer)又は導電性のス
クリーンを備える。
− 外部の装置を接続する端子と外部の回路が外れた場合に過大に電圧が上昇する可能性がある端子との
間に電圧制限器を備える。
(試験)
適合性は,設計データ及び構造の検査によって確認する。
201.8.7 漏れ電流及び患者測定電流
201.8.7.1 一般要求事項
b)への追加
− X-IGRT装置が準備状態で給電され,動力による同時の動きの最悪の組合せの状態
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201.8.7.3 許容値
e)
追加
永久設置形CT装置は,波形及び周波数にかかわらず,正常状態及び単一故障状態での接地漏れ電流は,
周波数に依存しない測定用器具で測定し20 mAを超えてはならない。
(試験)
適合性は検査及び試験によって確認する。
201.8.8.3 耐電圧
高電圧回路の形式試験への修正
キロボルトのX-IGRT撮影構成要素の高電圧回路の試験は,試験電圧の最高値の50 %以下から始め,10
秒間にわたって最大値へ上昇させ,X線撮影及びCT断層撮影については3分間,X線透視撮影において
は15分間維持する。
高電圧回路の試験条件への追加
高電圧回路の試験は,キロボルトX線管装置の接続なしに,X-IGRT装置の公称キロボルトX線管電圧
の1.2倍の試験電圧で行わなければならない。X-IGRT撮影構成要素がキロボルトX線管装置を接続して
だけ試験でき,かつ,キロボルトX線管がX-IGRT撮影構成要素を公称キロボルトX線管電圧の1.2倍の
試験電圧で試験を行うことを許可しない場合には,試験電圧は,公称キロボルトX線管電圧の1.2倍より
下げてもよいが,1.1倍以上であることが必要である。
X線透視撮影での公称キロボルトX線管電圧が,X線撮影の80 %を超えないX-IGRT撮影構成要素に
おいては,高電圧回路の試験電圧は,X線撮影の値が参照され,試験はそのモードでだけ行われなければ
ならない。
耐電圧試験中,変圧器の過熱の危険がある場合には,より高い電源周波数での試験を行ってもよい。
耐電圧試験中,高電圧回路の試験電圧はできる限り100 %近くに保たなければならず,要求電圧の100 %
〜105 %の範囲を外れてはならない。
耐電圧試験中,高電圧回路中の僅かなコロナ放電は,試験電圧を試験条件の基準とした電圧の110 %に
下げたとき,それらが止まる場合には,無視してもよい。
リスク評価によって架台又は患者支持器が装着部又は装着部として扱われる部分であり,かつ,患者に
近づきやすい導電性の架台又は患者支持器部分が,プラスチック製の囲いで十分カバーされていない場合,
患者保護の手段(mopp)で保護する。この場合,X線管の回転陽極の動作に使用される固定子及び固定子
回路の耐電圧試験のための試験電圧は,固定子供給電圧がその定常動作値まで低下した後に存在する電圧
を参照する。
別な方法では,架台は操作者保護の手段(moop),並びに通則の表6及び表13〜表16によって保護す
るか又はJIS C 6950-1の絶縁協調要件を適用する。
追加
aa) X線管装置が組み込まれている高電圧装置又は部分組立品は,X線管を適切に負荷した状態で試験す
る。
bb) そのような高電圧装置がX線管電流の個別の調整手段をもたない場合には,耐電圧試験の持続は,X
線管電圧が上昇したときに許容されるX線管負荷を超えない程度に低減させる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
cc) 高電圧回路が試験電圧の測定の接続ができない場合,試験電圧をできる限り要求電圧の100 %近くに
保ち,要求電圧の100 %〜105 %の範囲を外れない値であることを保証するために,適当な措置を講じ
ることが望ましい。
注記 これらの要求は,JIS Z 4751-2-54:2012の201.8.8.3からの要件である。
201.8.11 電源部,部品及び配置
201.8.11.1 電源(商用)からの切離し
b)の置換
切離しの手段を,必要が認められるあらゆる箇所でME機器内部又は外部に組み込まなければならない。
ただし,バキュームポンプ,室内灯,ある種の安全インタロックなどの,安全上の理由で接続したままで
なければならない回路を除く。設置によって,切離しの手段が全体的又は部分的に成立する場合には,要
求事項を技術解説書に含めなければならない。
201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護
次の事項を除いて,通則の箇条9を適用する。
201.9.2 動く部分に関わる機械的ハザード
201.9.2.1 一般
追加
注記1 用語“自動的にセットアップする”又は“自動的なセットアップ”は,患者の治療又は撮影
を開始するために必要な位置に,ME機器のある部分が自動的に動くことを示すために使用
する。これは,事前にプログラムされた動きが,操作者によって始まるときも含まれる。
注記2 用語“事前にプログラムされた動き”とは,患者の治療中又は撮影中にME機器のある部分
が事前に計画されたプログラムに従って,操作者が介入せずに,作動する場合に使用する。
この治療を“事前プログラム治療”という。
201.9.2.2.5 連続的な操作
通則の9.2.2.5 b)は,適用しない。
201.9.2.4 緊急停止装置
追加
201.9.2.4.101 モータでの動きの緊急停止
患者支持器システムについて,これらの要求は,質量が積まれない場合及び製造業者によって明示され,
また,JIS T 0601-1:2017の図A.19で示される患者支持器システムの最大負荷の分布質量が積まれた場合に
適用しなければならない。
201.9.2.101で与えられる制限内で,全ての動きを止めるために,容易に識別でき,かつ,接近できる手
段をハードワイヤ回路で備えるか又は同等の安全スイッチ機能をもたなければならない。これらの手段は,
患者支持器及び治療制御盤の近く又はその上になければならない。治療制御盤の近く又はその上に設けら
れた手段は,照射中断もしなければならない。これらの接続を切り離す時間は,リスクマネジメントで十
分な安全性があることを説明しない限り,100 msを超えてはならない。これらの手段が責任部門によって
現場で組み込まれる場合には,その要求事項及び現地試験手順は,附属文書の中に指定しなければならな
い。結果は,現地試験報告書に記録することが望ましい。
プログラマブル電子サブシステムが関係している場合には,機器,患者又は操作者への受容できないリ
スクから解放されていることをリスクマネジメントで保証していることを示さなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
形式試験 等級B:適合性は,附属文書,並びに適切な測定器を用いて停止距離及び接続を切り離す時
間の検査及び測定によって確認する。反応時間の個人差の影響を除くために,スイッチの接点が開いた又
は閉じた瞬間に測定を始めなければならない。
細分箇条の追加
201.9.2.101 架台,放射線ヘッド及び患者支持器
a) 一般
1) 放射線ヘッド又は他の部分が,正常な使用時に,患者との衝突を含み,衝突する危険を低減するよ
う設計された手段を備えている場合には,各手段の作動及び限界を取扱説明書に明記しなければな
らない。
2) 放射線ヘッド又は(附属品を含む)他の部分が,正常な使用時に衝突するリスクを低減するよう設
計された手段を備えていない場合には,衝突の危険を附属文書に明記しなければならない。
3) 例えば,可動部又は電源の故障のような,ME機器のための動力による動きの中断又は故障の場合
に,動いている部分は,次のb) 3) 及びc) 3) に規定する限度内で停止しなければならない。
4) 自動セットアップ及び画像収集開始前の事前にプログラムされた動きの確認については,移動距離
が機器,患者又は操作者に受容できないリスクをもたらすことがないことを,リスクマネジメント
で示せない限り,回転移動については2°以下及び直線移動については5 mm以下でなければなら
ない。
5) 動きを止めるのに要求される角度又は距離が,201.9.2.101のb)及びc)に記載されている値を超える
場合には,いかなる衝突も回避するために,追加手段を講じなければならない。さらに,附属文書
に警告を喚起するための声明を含めなければならない。
6) 正常な使用中,動力による動きの故障が,患者に危険を及ぼす結果になる可能性が存在するとき,
患者を解放する手段を講じなければならない。これらの手段は取扱説明書に記載しなければならな
い。
b) 回転運動
1) 各々の動きに利用可能な最小速度は,1°/s以下でなければならない。
2) 事前にプログラムされ,製造業者によるリスク分析で受容可能なリスクと特定しない限り,速度は
7°/s以下でなければならない。ただし,照射野限定システムには適用しない。
3) 移動距離が機器,患者又は操作者に受容できないリスクをもたらすことがないことを,リスクマネ
ジメントで示せない限り,回転速度が1°/s以下の場合,動きを停止させる操作の瞬間の可動部の
位置と最終位置との角度は0.5°以下でなければならない。回転速度が1°/sを超える場合,当該角
度は3°以下でなければならない。
c) 直線運動
1) 照射野限定器に利用可能な最小速度は,IEC 61217の図13Cで指定した放射線照射野辺縁の20〜23,
及び図201.101で指定した患者支持器の9〜11の移動に対して,10 mm/s以下でなければならない。
ただし,照射野限定システムには適用しない。
2) 事前にプログラムされ,製造業者によるリスク分析で受容可能なリスクと特定しない限り,いかな
る速度も100 mm/s以下でなければならない。ただし,照射野限定システムには適用しない。
3) 移動距離が機器,患者又は操作者に受容できないリスクをもたらすことがないことを,リスクマネ
ジメントで示せない限り,移動速度が25 mm/sを超える場合,動きを停止させる操作の瞬間の可動
部の位置と最終位置との距離は10 mm以下でなければならない。移動速度が25 mm/s以下の場合,
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
当該距離は3 mm以下でなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 取扱説明書及び提供される設備の検査
b) 次によって,停止距離を測定
1) 動力による動きへの電源(商用)遮断
2) ME機器への電源(商用)遮断
反応時間の個人差の影響を除くために,スイッチの接点が開いた又は閉じた瞬間に測定を始めな
ければならない。停止距離を決定する場合,測定は5回繰り返し,それぞれの測定において動いて
いる部分は,許容距離内で停止しなければならない。
c) 検査及び測定
201.9.2.102 治療室内でのME機器の各部の動きの操作
a) ME機器の,患者を負傷させるおそれのある部分の電動駆動部の操作は,操作者が二つのスイッチを
同時に自分で操作しない限り,可能にしてはならない。このスイッチはいずれも,手を離すと動きを
中断するようになっていなければならない。一方のスイッチが全ての動きに共通であってもよい。
注記 照射野限定器の直線運動又は回転運動の位置合せは,患者を負傷させる原因にはなりにくい。
ただし,安全装置・接触安全機構が組み込まれていなかったり,その他に危険状態を及ぼし
たりすると考えられる附属品,例えば,ある形式の電子線アプリケータのような附属品が付
いている場合には,負傷させる原因となり得る。
b) 自動的にセットアップすることを意図したME機器の場合,操作者が自動セットアップスイッチと,
全ての動きに共通なスイッチとを同時に自分で操作しない限り,この状態に関連した動きの開始又は
維持を可能にしてはならない。移動量及び最大速度が患者の傷害を避けるために十分に制限されてい
ることを,リスクマネジメントで示せる場合は,この限りではない。
c) a) 及びb) に必要なスイッチは,患者支持器のすぐ近くで操作可能でなければならない。これによっ
て,注意深い観察をもって操作者は患者の負傷を回避できる。a) 及びb) に必要なスイッチの少なく
とも一つは,リスクマネジメントで示すように,ハードワイヤのスイッチ又は同等な安全スイッチ機
能をもたなければならない。
d) 取扱説明書には,次の助言を含めなければならない。
制御盤で始めた動きを遠隔制御するとき及び治療の処方に事前にプログラムされた動きを含むとき
は,操作者は患者の最終位置決めをした上で,治療室から出る前に意図又は計画した全ての動きの確
認を行うことが望ましい。
(試験)
適合性は,検査によって確認する。
201.9.2.103 治療室外からのME機器の各部の動きの操作
a) 自動セットアップに関連した動きの開始又は維持は,操作者が自動セットアップスイッチ及び全ての
動きに共通なスイッチを同時に自分で操作しない限り,可能になってはならない。各スイッチは,手
を離したとき,動きを停止しなければならない。移動量及び最大速度は,患者の傷害を避けるために
十分に制限されていることを,リスクマネジメントで示せる場合は,この限りでない。スイッチの少
なくとも一つは,ハードワイヤのスイッチを使用しなければならない,又は同等な安全スイッチ機能
をもたなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) ME機器のある部分が自動的にセットアップされた後及び/又は事前にプログラムされた後で,事前
プログラム治療が完了する前に作動パラメータを調整することは,照射終了しない限り,操作者にと
って可能になってはならない。外部ビーム照射装置システムに関連して計画された位置に標的体積を
再調整させるために,その動きが患者支持器の動きに限定される場合,照射終了の代わりとして照射
中断にしてもよい。
注記 事前プログラムは,患者位置に応じて計画されたME機器の動きを含む。例えば,患者治療
中の呼吸による動きの追跡,標的体積の動きなど。
c) 事前にプログラムされないME機器の場合には,照射中に作動パラメータを調整することは,照射終
了しない限り可能になってはならない。ただし,外部ビーム照射装置システムに関連して計画された
位置に標的体積を再調整させるために,その動きが患者支持器の動きに限定される場合,照射終了の
代わりとして照射中断にしてもよい。
d) 事前にプログラムされないME機器の場合には,移動量及び最大速度が,患者の傷害を避けるために
十分に制限されていることを,リスクマネジメントで示せない限り,操作者が二つのスイッチを同時
に自分で操作するときだけ照射の前又は照射終了の後で,作動パラメータを調整することを可能にし
なければならない。各スイッチは,手を離したとき,動きを停止しなければならない。一つのスイッ
チは,ハードワイヤのスイッチ,又は同等な安全スイッチ機能をもち,全ての動きに共通でなければ
ならない。ただし,外部ビーム照射装置システムに関連して計画された位置に標的体積を再調整させ
るために,その動きが患者支持器の動きに限定される場合,照射終了の代わりとして照射中断にして
もよい。
e) 取扱説明書には,次の奨励事項を明記しなければならない。
操作者は,照射前及び照射中に患者を障害物の妨げなしに見通せることが望ましい旨の記載。
f)
照射中断又は照射終了があった場合には,全てのME機器の動いている部分は,201.9.2.101に規定す
る限度内で停止しなければならない。
(試験)
適合性は,a)〜e) は,検査によって確認する。f) は,201.9.2.101によって確認する。
201.9.2.104 施設外からのME機器の動く部分の操作
X-IGRT装置は,機器の診断評価の目的で,制御システムに電気的にアクセス(例えば,インターネッ
トを介して)できる能力をもってもよい。そのような評価は,機器の操作能力を必要とする場合がある。
例えば,治療制御盤は,そのような目的で遠隔サイトから制御されてもよい。その場合,機能及び制御が
施設外から遠隔でアクセスされる。
a) 遠隔操作者が制御可能となる手段は,治療制御盤で提供しなければならない。
b) 機器は,接続を確立していかなる機能又は動きも遠隔で制御される前に治療制御盤での実行を要求し
なければならない。
c) 治療制御盤は,遠隔接続が確立した場合は常に,それを表示しなければならない。
d) いかなる動きも,201.9.2.101に従わなければならない。
さらに,それは,遠隔アクセスで次のいずれかを不可能にしなければならない。
e) 201.9.2.102及び201.9.2.103の要求事項を妨害するか又は無効にする。
f)
遠隔操作者に,いかなる人でも怪我させるような結果となるインタロック解除を許す。
g) 遠隔操作者に,いかなる放射線源でも照射することを許す。
(適合性試験)
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 形式試験 等級A : 附属文書の調査
b) 現地試験 等級B : 治療制御盤での最初の実行なしに,遠隔サイトからX-IGRT外部ビーム照射装
置システムへ接続するように試み,制御が確立できないことを確認する。
c) 現地試験 等級B : 遠隔制御下で,遠隔制御を示す表示を実際に示す。
d) 形式試験 等級A : 附属文書の調査
e)〜g) 現地試験 等級B : 遠隔診断機能を実際に示す。
201.9.7 圧力容器及び空気圧又は水圧(油圧)を受ける部分
追加
201.9.7.101 圧力の変化
動きのために動力を供給するシステムの圧力変化によって危険状態が発生する可能性がある場合,全て
の動きはいかなる速度からでも201.9.2.101に規定した範囲内で停止しなければならない。
(試験)
適合性は,故障状態のシミュレーション,保護装置の操作及び停止距離の測定によって確認する。
201.9.8 支持機構に関わる機械的なハザード
細分箇条の追加
201.9.8.101 附属品の装着
a) 製造業者の供給する附属品(特に撮影用ビームに変更を加える附属品)を装着できる手段を備えてい
る場合には,そのような手段は,正常な使用の全ての条件下で,それらの附属品を安全に保持するよ
うに設計しなければならない。
(試験)
適合性は,検査,並びに設計データ及び適用されている安全率の検討によって確認する。
b) 附属文書は,供給する附属品の保守上の要求事項を含み,使用の条件及び限界の定義を含まなければ
ならない。附属文書は,責任部門が製作又は使用可能としたその他の附属品の設計制限に関する指針
を含むことが望ましい。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
細分箇条の追加
201.9.101 固定具と患者支持器との相対的な動き
a) 固定具を供給するIGRT装置の製造業者は,リスク分析を行い,どの要因が固定具(例えば,ヘッド
フレーム)と患者支持器との相対的な動きをもたらし得るのかを,決定しなければならない。この分
析は,少なくとも次を考慮しなければならない。
− 固定具の強度及び固定具が患者を支える際のたわみの程度
− 固定具を患者支持器に装着している固定部が,緩む又は外れる可能性
(試験)
適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
b) 附属文書は,IGRT装置の製造業者が供給した固定具の保守上の要求事項を含み,使用の限界の定義
を含まなければならない。
附属文書は,IGRT外部ビーム照射装置システムの製造業者が記載していない全ての固定具又は患
者支持器について,責任部門がその適正なシステム作動及び安全性を評価しなければならないことを,
警告しなければならない。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護
メガボルトX-IGRT装置及びキロボルトX-IGRT装置について,JIS Z 4705:2015に記載された事項及び
次のように修正した事項を除いて,通則の箇条10を適用する。
注記 ME機器に関して定義された例外は,メガボルトX-IGRT装置及びキロボルトX-IGRT装置に
対しても適用する。
201.10.1.2.101.11 開始条件
置換
注記 JIS Z 4705:2015の201.14.101 f)では,プログラマブル電子サブシステムが制御に関与している
場合には,キーによる制御の代わりに,指定しておいたパスワードの使用を認めている。
作動上の制約(例えば,画像容量の使用可能残量)がある場合,X-IGRT装置は,選択されたX-IGRT
タスクが達成できるかどうかを,操作者に表示しなければならない。
メガボルトX-IGRT装置の場合,パスワード又は専用の機械的キー[JIS Z 4705:2015の201.10.1.2.101.10
a) 1)参照]による責任部門の許可後,準備完了状態が表示されたときに操作者が制御盤を操作することに
よってだけ,正常な使用における撮影照射の開始が可能となるようにしなければならない。
キロボルトX-IGRT装置の場合,次の事項を満たさなければならない。
− 正常な使用において,準備完了状態が撮影制御盤に表示されたときにだけ,操作者が撮影照射を
開始することができるようにしなければならない。
− リアルタイムIGRTに関して,X-IGRT装置は,熱容量の使用可能残量が治療完了に不十分と予
想される場合は,それを外部ビーム照射装置又は操作者に通知する手段を備えなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:撮影制御盤からだけ開始できる,正常な使用における照射に関する記載。
細分箇条の追加
201.10.1.2.105 過度のX線に対する安全対策
a) X-IGRTの画像面積(2次元の場合)及び画像体積(3次元の場合)は,技術解説書で定義しなければ
ならない。
X-IGRT装置の適正な動作が外部ビーム照射装置の適正な動作に依存する場合,外部ビーム照射装
置がX-IGRT装置の照射を終了させる手段を備えなければならない。
注記 入力信号は,誤った動作信号をもたらさないと想定されている。
附属文書には,提供したX-IGRTのプロトコルに対する典型的な撮影線量を記載しなければならな
い。X-IGRTのプロトコルを提供しない場合,撮影線量の臨床例を例示することが望ましい。
製造業者の附属文書には,指定したプロトコルに対して何が最適な配置及び許容誤差であるかを,
指定しなければならない。
b) キロボルトX-IGRT装置は,次の事項を満たさなければならない。
1) X-IGRT装置の故障の際,放射線源のパワーを落とす,又はX線ビームを遮断することによって,
自動的に負荷(X線)を終了させる手段を備えなければならない。この終了は,故障の1秒以内で
なければならない。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2) 連続的な画像取得又はX線装置の制御下にある一連の連続的画像取得のうち,0.5秒を超える場合
の途中の,任意のタイミングで操作者が負荷を終了させることを可能とするような手段を備えなけ
ればならない。
3) 上記1)及び2)の状況下で負荷が終了した場合,終了に関する視覚的表示を操作者に提供しなければ
ならない。次回のスキャンの開始前には,手動による作動条件のリセット操作が必要でなければな
らない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:X-IGRTの画像面積(2次元の場合)及び画像体積(3次元の場合)に関する記載。
提供したX-IGRTのプロトコルに対する典型的な撮影線量に関する記載及び指定したプロトコルに対
する最適な配置及び許容誤差に関する記載。
b) 形式試験 等級C−試験原則:負荷を終了させる手段の機能の確認。
c) 現地試験 等級B−試験手順:負荷の終了後の視覚的表示を確認し,次の画像取得の開始前に手動に
よるリセットが必要であることを確認する。
201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護
次の事項を除いて,通則の箇条11を適用する。
201.11.1 ME機器の過度の温度
201.11.1.1 正常な使用時の最高温度
追加
油に接触する部品に対する最高許容温度の制限は,全体が油に浸っている部品に対しては適用しない。
201.11.1.4 ガード
追加
X線源装置のガードをもたない接触可能表面が高温となり得る場合,正常な使用に関連した全ての目的
について,そのような表面に接触することを不可能とする手段を備えなければならない。
全ての意図しない接触を避けるための対策も取らなければならない。その場合,取扱説明書には,正常
な使用で予想される接触可能表面の温度に関する情報を記載しなければならない(通則の表23を参照)。
注記 JIS Z 4751-2-28:2013及びJIS Z 4751-2-54:2012から採用した。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:取扱説明書を調査する。
b) 形式試験 等級C:手段に関して機能試験を行う。
201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護
通則の箇条12は,適用しない。
注記1 通則の12.1(制御及び計器の精度)は,201.9及び201.10に含まれているので,適用しない。
注記2 通則の12.2(ユーザビリティ)は,箇条206に含まれているので,適用しない。
注記3 通則の12.3(アラームシステム)は,安全性制御にインタロックを採用しているので,適用
しない。
注記4 通則の12.4(危険な出力に対する保護)は,201.10に含まれているので,適用しない。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.13 ME機器の危険状態及び故障状態
通則の箇条13を適用する。
201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS)
次を除いて,通則の箇条14を適用する。
細分箇条の追加
201.14.101 プログラマブル電子サブシステム
a) ソフトウェア及びファームウェア制御プログラムは,製造業者の許可のないアクセス及び改造に対し
て保護しなければならない。
注記 許可なしでソフトウェア又はファームウェアにアクセスした場合,危険状態を生じ,ME機
器がこの規格(通則,副通則を含む。)の要求事項に適合しなくなり,製造業者が保証請求に
対して異議を申し立てるのに十分な理由となる。
b) モニタ装置,測定装置又は制御装置の一部となるプログラマブル電子サブシステムの安全機能が維持
できなくなった場合には,照射を停止するか又は照射を終了し,かつ,動きを止めなければならない。
c) 照射開始は,マニュアル制御だけに限らなければならない。それ以降は,前もってプログラムした照
射及び動きをプログラマブル電子サブシステムで制御してもよい。
d) コンピュータ上の情報ファイル又は他の入力手段によるデータに基づいてME機器の一部を設定した
り前もって位置決めをしたりするように設計されたプログラマブル電子サブシステムの制御下の装置
には,ME機器のパラメータの実際の設定と入力データのパラメータとを比較する手段を備えなけれ
ばならない。取扱説明書に記載の指示事項及びデータに従って責任部門が設定した指定の事前定義限
界を超える差が生じた場合には,照射を停止しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:プログラマブル電子サブシステムを使用した安全な作動,及び関連したJIS T 2304
の要求事項の適用に対する考え方及びその実現に関する記載。
b) 現地試験 等級C−試験原則:製造業者が指定したとおりに正しく機能することを確認する。
201.15 ME機器の構造
通則の箇条15を適用する。
201.16 MEシステム
通則の箇条16は適用しない。
201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性
次を除いて,通則の箇条17を適用する。
細分箇条の追加
201.17.101 追加要求
通則の箇条17の要求事項及び試験,並びに次の201.17.102及び201.17.103の追加事項を画像機器及び
それらを統合した情報技術機器に適用しなければならない。
測定に供する場所は,外部ビーム照射装置の設置に一般に使用される標準的な場所でなければならない。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
責任部門の場所又は製造業者の場所のいずれでもよい。別の測定場所を容認した場合,その理由を附属文
書の中に含めなければならない。
適合要求は,永久設置形ME機器に適用しなければならない。
201.17.102 無線周波数エミッション
無線周波数エミッションの測定は,ME機器を設置した構造物による電磁妨害の減衰をME機器固有の
ものとみなして,その構造物の外壁から規定の距離において実施する。
(試験)
適合性は,IEC 60601-1-2:2001に従った測定を行うことによって確認する。ME機器が設置された場所
を含む建物の外壁から30 mの距離で測定する。
201.17.103 放射無線周波数電磁界に対するイミュニティ
無線周波数電磁界に対するイミュニティについては,電離放射線から防護するための構造によって生じ
た減衰をME機器の固有減弱によるものとみなす。
(試験)
適合性は,IEC 60601-1-2:2001に従った試験によって確認する。試験アンテナは,電離放射線から防護
する構造の外側から3 m離れて設置しなければならない。
箇条の追加
201.101 X-IGRTの基準データ
201.101.1 治療計画の画像及びデータへの要求
技術解説書には,基準画像としてX-IGRT装置によって使用される画像のタイプを定義しなければなら
ない。基準画像が必要とするパラメータは,附属文書に記載しなければならない。
注記 例として,DICOM適合性宣言書がある。
X-IGRT装置が他のME機器で生成された基準画像の使用を許容する場合,製造業者は附属文書の中に
基準画像が必要とするパラメータについて記載しなければならない。
X-IGRT外部ビーム照射装置システムが周辺機器システムからデータの取り込みを許容する場合,附属
文書でX-IGRT外部ビーム照射装置システムが必要とする全てのデータを特定しなければならない。それ
は少なくとも,治療計画の幾何学的基準を含まなければならない。
注記 アイソセントリックガントリに基づくシステムの場合のように,X-IGRT装置が外部ビーム照
射装置と同一の幾何学的基準を共用する場合,そのことを附属文書に記載することは,幾何学
的基準要求への適合とみなす。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:基準画像として使用される画像のタイプに関する記載,潜在的な危険状態について
の警告に関する記載及びX-IGRT装置が必要とする放射線治療計画システムデータに関する記載。
201.101.2 距離並びに直線寸法及び角度
X-IGRT外部ビーム照射装置システムにおける距離測定及び直線寸法は,センチメートル(cm)又はミ
リメートル(mm)で表示しなければならない。ただし,両者は混用してはならない。角度は度(°)で
表示しなければならない。要求,表示,又は印刷された距離測定,直線寸法及び角度の全ての値には,単
位を含めなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現地試験 等級B−試験手順:表示及び出力情報を検査する。
201.101.3 放射線量
a) X-IGRT外部ビーム照射装置システムにおいて放射線量が報告されるときは,整合がとれた単位によ
って報告及び表示されなければならない。
放射線量の単位は,SI単位系に従うことが望ましい。接頭語“センチ”を使用してもよい。例えば,
放射線量の単位は,センチグレイ(cGy)又はミリグレイ(mGy)のいずれかを使用してもよい。た
だし,両者の混用はしない方がよい。
b) 要求,表示又は印刷される全ての放射線量の値は,単位を伴わなければならない。
注記 モニタユニットは,放射線量の単位とみなさない。ただし,換算係数を用いて,それは線量と
関連付けられる。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
現地試験 等級B−試験手順:表示又は印刷された放射線量が単位を伴っていることを確認する。
201.101.4 日付及び時刻の書式
日付を表示又は印刷する場合,操作者によって解釈が変わるものであってはならない。年の表示は,4
桁でなければならない。
注記1 許容される例:“03 Apr 2005”,“2005/04/03 (yyyy/mm/dd)”,“2005年4月3日”
注記2 許容されない例:“03/04/05”,“03 Apr 05”
時刻が要求,表示,又は印刷される場合,24時間制で表すか又は適切な“a.m.”(午前)及び“p.m.”(午
後)を伴わなければならない。
注記3 慣例によって,正午は12:00 p.m.,真夜中は12:00 a.m.とする。
時刻の計測は,単位[hours(時),minutes(分),seconds(秒)]を伴わなければならない。
時間を入力又は印刷する場合,時,分,秒のそれぞれについて,単位を表示しなければならない。数字
との混同を防ぐために,ラテン語のアルファベットの1文字の時間単位(例えば,h,m,s)を使用して
はならない。
注記4 許容される例:2.05 min,1 hour 33 minutes,1:43:15 (hr:min:sec),“2.05分間”,“1時間33
分間”。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
現地試験 等級B−試験手順:表示及び出力情報を検査する。
201.101.5 データ範囲
操作者が入力した,又は機器若しくはネットワークから取得されたデータ要素は,あらかじめ定めてお
いた範囲と比較しなければならない。もしデータが範囲外である場合,操作者が照射開始に先立って警告
メッセージを無効にしない限り,操作できないようにしなければならない。操作者が入力するこれらのデ
ータ要素の範囲は,取扱説明書に記載するか,又は,範囲を超えたときに表示されるエラーメッセージの
一部として提供されなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:操作者が入力したデータ要素に適用する範囲に関する記載。
b) 現地試験 等級B−試験手順:定められた範囲の外にあるデータ要素を入力することを試みる。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.101.6 X-IGRT装置から外部ビーム照射装置へ送信するデータの制限の適合
X-IGRT装置から外部ビーム照射装置へ送信するパラメータを制御するために,使用者が最大制限値を
設定できるようにする手段を備えなければならない。ただし,それがリスクの増加となることがリスクア
セスメントによって示される場合は,その限りでない。
最大制限値を超えた場合,治療照射を禁止し,操作者にその旨を通知しなければならない。
この制限値の許容範囲は,附属文書に記載しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:X-IGRT装置から外部ビーム照射装置へ送信するパラメータを制御するための最
大制限値に関する記載。
b) 現地試験 等級B−試験手順:最大制限値を超えた状態で,照射開始を試みる。
201.101.7 データの一貫性の照合及び治療パラメータの選択
a) 取り込んだデータセット又は入力されたデータは,IGRTのために受容する前に,整合がとれ,正確
かつ完全であることについて,X-IGRT装置が確認しなければならない。
b) 取り込んだデータセット又は入力されたデータに,不整合性があるか,不正確性があるか,又は不完
全性がある場合,次の事項を満たさない限りは,IGRTの開始を許容してはならない。
1) 確認された欠陥を操作者に明示的に表示する。
2) 確認された欠陥を操作者が変更又は受容することが可能である。
c) X-IGRT撮影構成要素が異常終了した場合,画像データを記録しなければならない。
注記1 異常終了した場合,異常でない条件下では通常利用可能な画像データの全てを記録するこ
とはできない場合がある。
異常終了の後に再開する場合,IGRTを完了するために必要なデータセットを,IGRTのために受
容する前に,整合がとれ,正確かつ完全であることについて,X-IGRT装置が確認しなければならな
い。
d) 製造業者は,X-IGRT装置が必要とするデータセットを附属文書に記載しなければならない。
注記2 データセットは,正しい治療実施のために必要な放射線治療計画システム情報(例えば,
CT画像,マシンモデルなど)の正しい組合せから成る。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級B−試験手順:次のデータセットについて取り込みを試み,治療開始を試みる。
1) 不整合があるデータセット
2) 不正確であるデータセット
3) 不完全であるデータセット
b) 現地試験 等級B−試験手順:欠陥を含むデータセットの取り込みを試み,治療開始を試みる。現場
では欠陥を含むデータセットが作成できないような設計の場合には,この試験は形式試験としなけれ
ばならない。
c) 現地試験 等級B−試験手順:指定した方法によって,撮影終了を起こし,照射終了を起こす。記録
されたデータセットを検査する。
d) 現地試験 等級B−試験手順:記録したデータセットの取り込みを試みる。
e) 形式試験 等級A:X-IGRT装置が必要とするデータセットに関する記載。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.101.8 データ転送の正確さ
a) X-IGRT外部ビーム照射装置システムからその他の装置へ転送するデータ,又はその逆方向に転送す
るデータは,データ送信に誤りがないことを確認する通信プロトコルを使用しなければならない。製
造業者は,技術解説書にそのプロトコルを指定しなければならない。
注記 例えば,通信プロトコルDICOM 3。
b) X-IGRT外部ビーム照射装置システムとの間及び/又は製造業者による形式試験済みの統合された放
射線治療計画システムとの間の閉じられた通信の場合を除き,データを他の装置へ,又はその他の装
置から転送する場合,次を満たさなければならない。
− 転送されるデータの書式(例えば,全てのデータ要素の識別,データタイプ,データ範囲など)を,
技術解説書に記載しなければならない。
− データ出力には,データ作成の日付,関連した患者識別子,X-IGRT外部ビーム照射装置システム
及び治療計画を含めなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:通信プロトコル仕様に関する記載。
b) 形式試験 等級A:全てのデータ要素の識別,データタイプ及びデータ範囲を含む転送データの書式
に関する記載。
c) 現地試験 等級B−試験手順:装置からデータを転送し,出力情報を確認する。
201.101.9 提供された幾何学配置の正しさに関する信頼度
201.101.9.1 画像システムと治療システムとの参照フレームの相関
IGRT装置の画像幾何学的配置及び治療幾何学的配置と外部ビーム照射装置との関係は,図として附属
文書に記載しなければならない。
画像システムと治療参照フレームとの間の設計上の偏差は,IEC 61217の座標系で附属文書の中で定義
しなければならない。
X-IGRT装置は,外部ビーム照射装置と座標系が合致する場合には,責任部門が選ぶことができる代替
的な座標の体系をもってもよい。
座標系がIEC 61217と一致しない場合,製造業者は,その座標系からIEC 61217座標系への変換法を附
属文書に記載しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:X-IGRT外部ビーム照射装置システムの画像幾何学的配置と治療幾何学的配置と
の関係に関する記載。
b) 現地試験 等級C−試験原則:画像幾何学的配置と治療幾何学的配置との相関が製造業者の仕様を満
たすことを示す試験を目的とする。
201.101.9.2 基準と治療患者の向きとの相関
基準画像を表示する場合は,基準画像における患者の向きも表示しなければならない。
外部出力するとき,X-IGRT画像は,X-IGRT画像の座標及び患者の向きを含まなければならない。
スケールを表示する場合,スケールの表示方法を取扱説明書に記載しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 形式試験 等級A:スケールの表示方法に関する記載。
b) 現地試験 等級B−試験手順:表示及び出力情報を確認する。
201.101.9.3 幾何学的関係
X-IGRT装置と外部ビーム照射装置との幾何学的関係は,精度及びその精度を確立する方法も含めて,
附属文書に明記しなければならない。
注記 考慮するのがよい記載項目の例を次に示す。
これらの関係が時間とともにいかなるように変化するかの限界を示してもよい。
− 長期間:例えば,機械的ドリフト。
− 短期間:例えば,分割照射中(回転など)。
− ユーザアクティビティに付随するもの。例えば,固定具附属品,取外し・展開するハード
ウェア。
− マシンの幾何学的配置に付随するもの。
− IGRT手法に付随するもの。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:X-IGRT装置と外部ビーム照射装置との幾何学的関係に関する精度,測定方法,及
び定期的な再評価の重要性の記載。
201.102 X-IGRTの撮影
201.102.1 データの保存
201.102.1.1 画像の識別
画像の取得が開始された場合,次のものを保存しなければならない。
− 画像取得の日付及び時間
− 線量を決定する十分なデータ
− 操作者の識別
− 患者の識別
− 収集時のX-IGRT装置のハードウェアのモデル及びレビジョン
− 収集時に用いたX-IGRT装置のソフトウェアのバージョン
注記 収集した画像との関連付けが可能な上記の情報が保存されている限り,その情報が全て
X-IGRT装置に存在する必要はない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
現地試験 等級B−試験手順:画像取得を実行し,保存されたデータを確認する。
201.102.1.2 画像承認情報
画像が保存されるとき,画像の識別は明確に関連していなければならない。画像の承認が必要な場合,
次の情報を追加保存しなければならない。
− 承認された日付及び時間
− 承認権限の識別
注記 収集した画像との関連付けが可能な上記の情報が保存されている限り,その情報が全て
X-IGRT装置に存在する必要はない。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
現地試験 等級B−試験手順:保存されたデータを確認する。
201.102.2 X-IGRT開始前の操作
操作者が患者の治療に関する情報を取り込む場合,その治療を識別するために次の情報を操作者に表示
しなければならない。
少なくとも次を含まなければならない。
− 患者の識別
− 治療計画の識別
− 治療計画で定義された総照射回数の中の何回目か。
− 患者の向き
操作者による承認は,X-IGRT外部ビーム照射装置システムによって記録されるか,そのような機能が
提供されない場合,製造業者は取扱説明書に責任部門が他のシステムによって確実に記録する勧告を記載
しなければならない。この情報には,操作者の識別を含めなければならない。
注記 データセットに含まれる全ての情報を表示する必要はないが,データセット内の情報の中で患
者の治療の特定に必要な情報は表示する必要がある。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
現地試験 等級B−試験手順:目視確認する。
201.102.3 異常終了
IGRTが異常終了した場合,X-IGRT装置は,IGRTへの影響に応じて警告又はエラーを使用者に表示し
なければならない。
ワークフローが有効で,エラーが発生する可能性がある場合は警告を表示しなければならない。
ワークフローが無効で,使用できない場合はエラーを表示しなければならない。
X-IGRT装置が異常終了した場合,画像データを記録しなければならない。
異常終了後に再開する場合,IGRTを受容する前にIGRTを完了するために必要なデータセットが整合
がとれ,正確かつ完全であることについて,X-IGRT 外部ビーム照射装置システムが確認しなければなら
ない。
読み込まれたデータセットに不整合性があるか,不正確性があるか,又は不完全性がある場合,次の事
項を満たさない限りはIGRTの開始を許容してはならない。
a) 特定された欠損を操作者に明示的に表示する。
b) 特定された欠損を操作者が変更する又は受容することが可能である。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:潜在的な危険状態についての警告に関する記載。
b) 現地試験 等級C−試験原則:計画外のIGRTの終了を引き起こすインタロックの作動による表示機
能を確認する。
c) 現地試験 等級B:整合がとれ,正確であり,かつ,完全であるかの試験に通らないデータセットを
取り込み,IGRTが開始できないことを確認する。現場では欠陥を含むデータセットが作成できない
ような設計の場合には,この試験は形式試験にしなければならない。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.102.4 画質
画質及びX-IGRT撮影構成要素の測定方法は,技術解説書に記載しなければならない。X-IGRT撮影構
成要素の正常な使用における画質の測定に使用する方法を,直接記載するか又は発行された参照物を参照
しなければならない。
IGRT画像用の画像表示装置の品質は附属文書に記載しなければならない。少なくとも,画像表示シス
テムのコントラスト及び空間分解能を記載しなければならない。
画像表示装置の品質がJIS T 62563-1:2013の規定を満たさない場合,製造業者は必要な画像表示品質の
根拠を示すためにハザード分析を使用しなければならない。
注記 JISで規定されている画像表示装置の品質は,診断用途(例えば,JIS T 62563-1:2013)につい
てである。IGRTでの使い方ではそのような高い要求を求められるとは限らないので,X-IGRT
装置で使用するために必要な要求を指定することは製造業者に任されている。
画質は次の項目で定義しなければならない。
− コントラスト対ノイズ比
− 空間分解能(MTF又はカットオフ周波数で,例えば,1 cm当たりのラインペア)
− 臨床視野全体の均一性
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:画質及びX-IGRT撮影構成要素の測定方法に関する記載。
201.102.5 撮影線量
201.102.5.1 表示及び附属文書
a) 事前に定義されたプロトコルで予想される典型的な撮影線量を附属文書に記載しなければならない。
実際の撮影線量が撮影前に分かっている場合には,撮影前に操作者に対して表示しなければならない。
予想される撮影線量の単位は,使用されるプロトコルの仕様に基づかなければならない。
b) 製造業者が提供する技術解説書は,撮影モダリティ特有の基準を参照して,撮影線量を測定するため
に使用する方法を定義しなければならない。
注記 線量モニタリングのための空間線量計は必要としない。
CT撮影装置での扇状ビーム撮影に対して,JIS Z 4751-2-44:2018に定義された方法でCTDI測定を実施
できる。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:事前に決められているプロトコルで予想される典型的な撮影線量に関する記載。
b) 形式試験 等級A:撮影線量を測定するための使用方法の記載。
201.102.5.2 CBCT
201.102.5.2.1 線量測定用ファントム
線量測定用ファントムは,全頭部用プロトコル要素で直径160 mm及び全体幹部用プロトコル要素で直
径320 mmのPMMAで密度が1.19±0.01 g/cm3の円柱上の構造でなければならない。ファントムの長さは,
少なくとも140 mmとする。ファントムは,測定のために使用する放射線検出器の有効容積の長さよりも
長くなければならない。ファントムは放射線検出器を入れるのに適切な大きさの孔を備えなければならな
い。これらの孔は,ファントムの対称軸と並行とし,かつ,孔の中心は,ファントムの中心及び90°の間
隔を置いたファントムの表面下10 mmの位置になければならない。測定中,使用しない孔は,ファントム
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と同じ材質の隙間ができない挿入部品を用いて埋めなければならない。
正常な使用において,ME機器の放射線の線量表示に使用する方法を,直接記載するか又は発行された
参照物を参照しなければならない。
注記 ファントムの定義は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.108に基づいている。
201.102.5.2.2 線量の記載
201.102.5.2.2.1 CTDI100
線量情報は,CBCT用の線量測定用ファントムを使用して収集しなければならない。臨床への適応(例
えば,頭部,体幹部)に対して,それぞれ個別の線量情報を附属文書に記載しなければならない。全ての
線量測定は,付加した減弱物質がない状態で,線量測定用ファントムを患者支持器に設置して行わなけれ
ばならない。臨床への適用に適切な線量測定用ファントムは,スキャン領域の中心で,かつ,X-IGRT装
置の回転軸上に配置しなければならない。
次の事項は,それぞれの臨床への適用情報として附属文書に記載しなければならない。
a) 201.102.5.2.1で定義する線量測定用ファントムにおける,次の位置でのCTDI100及び対応するCBCT
作動モード。CBCT作動モードは,製造業者によって推奨されている代表条件でなければならない。
1) ファントムを貫く回転軸に沿って[CTDI100(中心)]。
2) 回転軸に平行な線に沿い,ファントムの表面から10 mm 内側で,かつ,CTDI100が最大になるよう
にファントムを調整した位置。
3) 回転軸に平行な線に沿い,a) 2)における位置から回転軸を中心として,90°,180°及び270°の位
置でファントムの表面から10 mm内側の位置。製造業者は上記a) 2)で指定したCTDI100が最大とな
る位置を,線量測定ファントムが設置できるように,架台又はX-IGRT装置の容易に確認可能な部
分に,表示しなければならない。
4) CTDI100(周辺)は,上記の201.102.5.2.2.1のa) 2)及びa) 3)に従い,ファントムの周辺で測定した四つ
のCTDI100の平均値である。
b) CTDI100(中心)値を変化させる選択可能な各CBCT作動モードに対する線量測定用ファントムの
中心位置でのCTDI100。このCTDI100(中心)は,上記a)の線量測定用ファントムの中心位置における
CTDI100の値を1として,正規化した数値で示さなければならない。一つのCBCT作動モードを変更
する場合,これに依存しないほかのCBCT作動モード全ては,上記a)に記載する代表値に保持してお
かなければならない。これらのデータは,製造業者が適切とみなす各CBCT作動モードの範囲を含ま
なければならない。一つのCBCT作動モードが,三つ以上選択可能な場合には,そのCBCT作動モ
ードにおいて少なくとも,最小,最大及び中間の値に対して正規化したCTDI100を示さなければなら
ない。
c) 通常CBCTで使用される部分回転を用いるスキャンでは,全てのCTDI100測定の場合と同じ軌道を使
用しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:CTDI100,関係するCBCT作動モード及び製造業者の試験結果に関する記載。
注記 201.102.5.2.2.1は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.109.1を採用している。
201.102.5.2.2.2 CTDIfree air
CTDIfree air及び対応するCBCT作動モードは,附属文書に記載しなければならない。CTDIfree airは,線量
測定用ファントム及び患者支持器なしで,X-IGRT装置のアイソセンタのスライス面に直交した線に沿っ
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て測定しなければならない。
メガボルトCBCTでは,適切なビルドアップを使用しなければならない。
通常CBCTで使用される部分回転を用いるスキャンでは,CTDI100測定の場合と同じ軌道を使用しなけ
ればならない。
記載した値(CTDIfree air)からの最大偏差を記載しなければならない。偏差は,これらの上限値(最大偏
差)を超えてはならない。
附属文書に次のデータを記載しなければならない。
− 全てのCBCT作動モードで,代表的な条件での,通常の公称ビームコリメーションでのCTDIfree air
− 全てのCBCT作動モードで,代表的な条件での,通常の設定でのCTDIfree air(表201.103を参照)。
− 付加する平らな又はその他の形状をもつフィルタに対する代表的な作動条件でのCTDIfree air
− メガボルトビームの測定でビルドアップキャップが必要な場合は,附属文書に記載しなければならな
い。
注記1 公称ビームコリメーションは,CBCTモードの事前登録された公称照射野サイズと同等であ
る。通常,CBCTスキャンのスライス面に直交する線に沿ったスキャン長さと同じである。
注記2 全てのスキャン幅に対して,測定は一度だけでよい。
注記3 CTDI(CTDI100又はCTDIfree air)を測定する別の方法は,線量プロファイルの測定及び所定
の範囲でのプロファイルの積分に基づく。線量プロファイルは,IEC 61674を満たす(例え
ば,小さな線量計)放射線検出器で測定することができる。
注記4 表201.103にキロボルトに対するCTDIfree airのテストパターンの例を示す。
表201.103−キロボルトのCTDIfree airに対する試験パターン例
公称ビームコリメーションの設定
コリメーショ
ン1
コリメーショ
ン2
コリメーショ
ン3
コリメーショ
ン4(代表値)
コリメーショ
ン5
管電圧(kV)
の設定
管電圧(kV)1
測定
管電圧(kV)2
(代表値)
測定
測定
測定
測定
測定
管電圧(kV)3
測定
注記5 201.102.5.2.2.2は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.109.2から採用している。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:CTDIfree air,対応するCBCT作動モード及び製造業者の試験結果に関する記載。
201.102.5.2.2.3 線量プロファイルの記載
スライス面に垂直な軸に沿い,次の位置で測定したアイソセンタに位置する線量プロファイルは,選択
可能なN×Tの数値ごとに附属文書に図示しなければならない。
− 空気中での1回のアキシャルスキャン
− 頭部及び体幹部線量測定用のファントムの中心位置
異なった数値のN×Tが三つよりも多く用意されている場合は,少なくとも,最小,最大及び中間の数
値の情報を提供しなければならない。
スライス面に垂直な軸に沿って1列の検出器をもつ,X-IGRT装置では,線量プロファイルは
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201.102.5.2.2.4で要求する感度プロファイルと同じ図上に,同じ尺度で図示しなければならない。スライ
ス面に垂直な軸に沿って複数列の検出器をもつX-IGRT装置では,中心を同じ位置にした線量プロファイ
ルをN×Tの幅で二つに区切られた縦軸で図示しなければならない。
y軸に沿って線量プロファイルを少なくとも10分の1値幅を図示しなければならない。
CBCTのN×Tは,公称ビームコリメーションである。
注記 201.102.5.2.2.3は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.110から採用している。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:線量プロファイルに関する記載。
201.102.5.2.2.4 感度プロファイルの記載
次の事項に関係する感度プロファイルは附属文書に記載しなければならない。
a) 設定できる公称スライス厚ごとに一つの感度プロファイルを図示しなければならない。三つ以上の公
称スライス厚がある場合は,少なくとも最小,最大及び中間の値の感度プロファイルを図示しなけれ
ばならない。
b) スライス面に垂直な軸に沿って1列の検出器をもつ,X-IGRT装置では,スライス厚の設定に関連す
る,頭部線量測定用ファントム及び体幹部線量測定用ファントムの感度プロファイルを,
201.102.5.2.2.3で要求する線量プロファイルと同じ図上に,同じ中心位置で,同じ尺度で図示しなけれ
ばならない。
注記 201.102.5.2.2.4は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.111から採用している。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:感度プロファイルに関する記載。
201.102.5.2.2.5 CTDIvol及びDLPの表示及び記録
選択されたプロトコル要素を反映し,一連のスキャンの開始前に,制御盤上にCTDIvolはミリグレイ
(mGy)又はセンチグレイ(cGy)及びDLPはミリグレイセンチ(mGy・cm)又はセンチグレイセンチ(cGy・
cm)の単位で表示しなければならない。さらに,CTDIvolの値の基となるファントムの直径を表示しなけ
ればならない。
選択された単位は,201.101.3に従う他の放射線量単位に適合しなければならない。
附属文書には32 cmのファントムに基づくCTDIvolから16 cmファントムに基づくCTDIvolへの変換を含
まなければならない。この変換は全てのCBCTの作動条件に関連する組合せに対して,提供しなければな
らない。プロトコル要素が頭部又は体幹部のいずれのプロトコル要素であるかを指定する方法のガイダン
スを附属文書に含まなければならない。
CBCT作動条件が一連のスキャン中に変化する場合は,照射前に,対応する予測値を表示しなければな
らない。それぞれの値は一連のスキャンで予測される時間加重平均として示さなければならない。
患者支持器の移動が事前にプログラムされたスキャンに対しては,表示が201.3.229 c) によってCTDIvol
が計算されている場合,nは事前にプログラムした回転数の最大値である。回転数を事前にプログラムし
ない場合は,1秒当たりのCTDIvolをミリグレイ毎秒(mGy/s)でスキャンの間,表示しなければならない。
一連のスキャン(例えば,複数スキャンを統合したCBCTモードの場合)後,一連のスキャンにわたり,
時間加重平均として計算された,CTDIvol及びDLPの実平均値を,制御盤上に表示しなければならない。
ファントムの種類に伴う,CTDIvol及びDLPの実平均値は,ISO 12052のDICOM CT放射線線量構造化
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レポート(SR)の様式に従って記録しなければならない。
表示し記録するCTDIvol及びDLPの正確さを,附属文書に記載しなければならない。
製造業者によって表示し記録するCTDIvol及びDLPは,その機種の代表的な値であり,個別のX-IGRT
装置において測定した値でなくてもよい。
附属文書には,201.3.205 b)で定義したLを調整するための方法を含まなければならない。
注記 201.102.5.2.2.5は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.112から採用している。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:CTDIvol及びDLPに関する記載
b) 形式試験 等級B−試験手順:表示及び出力情報を調査する。
201.102.5.2.2.6 スライス厚精度
スライス厚の精度に関して,201.102.5.2で要求される情報を提供するために使用される全てのCBCT作
動モードについて附属文書に記載しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A:スライス厚精度に関する記載。
201.102.5.2.2.7 変更されたキロボルトCBCTの作動条件の照射後の表示
キロボルトCBCTの場合,管電流が変化するように選択された一連のスキャン後に,一連のスキャンに
わたり,時間加重平均された管電流を表示しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級B−試験手順:表示及び出力情報を調査する。
201.103 IGRT解析及び補正
201.103.1 アルゴリズムの記載
a) 画像再構成及び画像レジストレーションに使用される全てのアルゴリズムは技術解説書に記載しなけ
ればならない。これには,アルゴリズムによるもの,計算の基礎をなすアルゴリズムの等級,及び数
式で使用される全ての変数に適用される限界についての説明を含まなければならない。
b) アルゴリズムの選択肢が提供されている場合,取扱説明書で異なるアルゴリズムの相対的な長所及び
短所を議論しなければならない。
c) 技術解説書には,アーチファクトに関する記載を含めなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:画像再構成及び画像レジストレーションのアルゴリズムに関する記載。
b) 形式試験 等級A:別のアルゴリズムの長所及び短所に関する記載。
c) 形式試験 等級A:アーチファクトに関する記載。
201.103.2 アルゴリズムの精度
a) 画像再構成及び画像レジストレーションに使用される各アルゴリズムについて,技術的説明は,少な
くとも一組の所定の条件について,表示された患者の動きに対するアルゴリズムの精度を記述しなけ
ればならない。事前に定義された条件は,正常な使用のための条件を模擬するように選択しなければ
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ならない。事前に定義されている条件が,公表された報告にあるもの又は標準的なものの場合には,
それらを使用することが望ましい。
注記 アルゴリズムの限界だけでなく,入力形式に関連する分解能にも限界がある。この要求事項
は,これらの分解能の限界に起因する計算値の最終的な不確かさに関するものである。
b) 技術的説明には,責任部門が事前定義された条件を再現するために必要な全ての記述及びデータ,又
はこれらの条件が公に利用可能である場合には適切な参考文献を含めなければならない。提供された
入力データによって予測される結果が満たすことを示すために,責任部門による簡便な試験を可能に
する試験手順も記載しなければならない。
c) 取扱説明書には,目的のための正確性及び適性の視覚的調査の必要性並びに照合の限界に関して操作
者への注意書きを記載しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:事前に定義された少なくとも一つの条件での測定データに関連するアルゴリズム
精度の記載。
b) 形式試験 等級A:責任部門が事前定義された条件を再現するために必要な記述及びデータの記載。
c) 形式試験 等級A:正確さ及び適性の視覚的検査の必要性並びに照合の限界の記載。
201.103.3 画像誘導による調整及び補正
201.103.3.1 オフラインIGRT
次の項目が,X-IGRT外部ビーム照射装置システムに利用可能であり,X-IGRT装置によって記録され
るか,又は外部システムに伝送されなければならない。
a) 画像レジストレーションによって計算された補正値
b) 画像レジストレーションを行った操作者
c) 患者の位置又は治療に対してIGRTが計算した調整値
注記1 IGRTが計算した調整値は,外部ビーム照射装置に適用された補正値とは異なる場合があ
る。
d) X-IGRT装置上で調整値が承認された場合は,承認を行った操作者及び承認された調整値
記録又は伝送能力のいずれもが提供されない場合,製造業者は取扱説明書に責任部門が他のシステムに
よって確実に記録する勧告を記載しなければならない。
注記2 他のシステムの例には,X-IGRT外部ビーム照射装置システムと通信を行う記録照合システ
ムがある。
IGRT補正値は全てSI単位とし,IEC 61217座標系で表示しなければならない。
注記3 これは,記録される値及び使用者に表示される値に適用される。標準通信プロトコル(すな
わち,DICOM)の一部である場合に限り,転送中に使用する別単位系は許容される。
X-IGRT装置は,受信側の外部ビーム照射装置の座標系と一致する場合は,責任部門が選択可能なその
他の座標系をもってもよい。
外部ビーム照射装置に送られる補正値は,製造業者が定め附属文書にあらかじめ規定,記載した範囲に
対して許容内にあることを確認しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:あらかじめ定められた範囲に関する記載。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 形式試験 等級B−試験手順:IGRTワークフローを実施し,記録されたデータ及び外部システムと
の通信を確認する。
c) 現地試験 等級B−試験手順:IGRTワークフローを実施し,記録されたデータ及び外部システムと
の通信を確認する。
201.103.3.2 オンラインIGRT
次の項目が,X-IGRT装置で利用可能であり,X-IGRT外部ビーム照射装置システムによって記録され
るか,又はX-IGRT装置によって外部システムへの出力データとして提供されなければならない。
a) 画像解析によって計算された調整値
b) 患者の位置又は治療に対してIGRTが計算した調整値
c) 外部ビーム照射装置又は他の外部システムに送られたIGRT補正値,及びそれが発生した日時
注記1 外部ビーム照射装置に送られたIGRT補正値は外部ビーム照射装置に適用された補正値とは
異なる場合がある。
d) IGRTが計算した補正を実施,又は実際の補正を無効にした操作者
X-IGRT外部ビーム照射装置システムが上記の項目を外部システムへの出力データとして提供する場合,
製造業者は取扱説明書に責任部門が他のシステムによって確実に記録する勧告を記載しなければならな
い。
注記2 他のシステムの例には,X-IGRT外部ビーム照射装置システムと通信を行う記録照合システ
ムがある。
IGRT補正値は全てSI単位とし,IEC 61217座標系で表示しなければならない。
注記3 これは,記録される値,及び使用者に表示される値に適用される。標準通信プロトコル(す
なわち,DICOM)の一部である場合に限り,転送中に使用する別単位系は許容される。
X-IGRT装置は,受信側の外部ビーム照射装置の座標系と一致する場合は,責任部門が選択可能な他の
座標系をもってもよい。
外部ビーム照射装置に送られる補正値は,製造業者が定め附属文書中にあらかじめ規定,記載した範囲
に対して許容内にあることをX-IGRT装置を用いて確認しなければならない。
補正値が外部ビーム照射装置に送られる前のいかなる時点においても,X-IGRT外部ビーム照射装置シ
ステムからの計算された補正値を操作者が無効にする手段を提供しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:あらかじめ定められた範囲に関する記載。
b) 形式試験 等級B−試験手順:IGRTワークフローを実施し,記録されたデータ及び外部システムと
の通信を確認する。
c) 現地試験 等級B−試験手順:IGRTワークフローを実施し,記録されたデータ及び外部システムと
の通信を確認する。
201.103.3.3 リアルタイムIGRT
外部ビーム照射装置に送られる補正値は,製造業者が定め附属文書にあらかじめ記載した範囲に対して
許容内にあることを確認しなければならない。
X-IGRT装置は,外部ビーム照射装置による治療照射を禁止,中断又は終了するためのインタロック信
号を送信する機能をもたなければならない。
X-IGRT装置は,システム故障,許容範囲外のデータ値又はインタロックを示す外部ビーム照射装置か
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
らのインタロック信号を受信したとき,撮影のためのX線照射を自動的に終了する機能をもたなければな
らない。
取得した画像は,毎秒24フレームよりも速い速度で画像が取得されない場合には,IGRT補正のための
新たな画像が取得される時点まで,照射中全体を通して,比較に使用するための基準画像又は基準データ
とともに操作者に表示しなければならない。毎秒24フレームよりも速い速度で取得した画像については,
表示フレームレートは毎秒24であっても構わない。
治療照射中のいかなる時点においても,操作者がX-IGRT装置から外部ビーム照射装置に中断及び終了
信号を送信する手段を提供しなければならない。
次の項目が利用可能であり,IGRT補正値が外部ビーム照射装置に送られるたびに,IGRT装置によっ
て記録されるか,又はIGRT装置によって外部システムへの出力データとして提供されなければならない。
a) リアルタイムIGRTを開始した操作者
b) 画像解析によって計算した調整値及び関連画像
c) 患者の位置又は治療に対してIGRTが計算した調整値
d) 外部ビーム照射装置に送られたIGRT補正値
注記1 外部ビーム照射装置に送られるIGRT補正値は外部ビーム照射装置が適用する補正値とは異
なる場合がある。
e) 手動調整又は補正の無効を実施した操作者
f)
位置補正の適用時刻
IGRT装置が上記の項目を外部システムへの出力データとして提供する場合,製造業者は取扱説明書に
責任部門が他のシステムによって確実に記録する勧告を記載しなければならない。
注記2 他のシステムの例には,IGRT装置と通信を行う記録照合システムがある。
IGRT補正値は全てSI単位とし,IEC 61217座標系で表示しなければならない。
標準通信プロトコル(すなわち,DICOM)の一部である場合に限り,転送中に使用する別単位系は許容
される。
X-IGRT装置は,受信側の外部ビーム照射装置の座標系と一致する場合は,責任部門が選択可能なその
他の座標系をもってもよい。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A:あらかじめ定められた範囲に関する記載。
b) 形式試験 等級B−試験手順:IGRTワークフローを実施し,記録されたデータ及び外部システムと
の通信を確認する。
c) 現地試験 等級B−試験手順:IGRTワークフローを実施し,記録されたデータ及び外部システムと
の通信を確認する。
203
診断用X線装置における放射線防護
次を除き,JIS T 0601-1-3:2012をキロボルトX-IGRT装置に適用する。
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203.4 一般要求事項
203.4.1 適合宣言
置換
X-IGRT装置又はサブユニットがこの規格の要求事項に適合していることを宣言する場合は,次のよう
にその宣言を附属文書に記載しなければならない。
X-IGRT装置...++) JIS T 60601-2-68:2019
++) 形式番号
(試験)
適合性は,附属文書の調査によって確認する。
203.6 放射線管理
203.6.2 照射の開始及び終了
203.6.2.1 正常な照射の開始及び終了
置換
撮影時間の最初の負荷は,操作者が行う制御によって開始しなければならない。操作者は,いつでも負
荷を終了できなければならない。
X線管の負荷を開始する全ての制御は,X線装置の意図する使用と互換性をもつ手段を用いて起きる意
図しない作動から保護しなければならない。
(試験)
適合性は,検査及び適切な機能試験によって確認する。
203.6.3 放射線の線量及び線質
置換
203.6.3.1 放射線の線量及び線質の調整
患者への放射線の線量は,X線装置の意図する使用に沿うように制限できなければならない。線質は,
X線装置の意図する使用に沿うように,適した範囲に調整できなければならない。
(試験)
適合性は,検査及び機能試験によって確認する。
203.6.3.2 放射線出力の再現性
附属文書には,放射線出力の再現性を記載しなければならない。
(試験)
適合性は,附属文書の調査によって確認する。
203.6.4 操作状態の表示
203.6.4.1 選択されたX線源装置の表示
置換
X線装置に複数のX線源装置及び/又はX線映像系があって選択できる場合は,X線源装置の負荷の前
に,その選択されたX線源装置及び/又はX線映像系について制御盤上に表示しなければならない。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
44
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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203.8 X線ビームの広がりの制限及びX線照射野と受像面との関係
203.8.4 焦点外X線の制限
置換
焦点外X線によるX線受像器及び患者線量への寄与は,許容可能なレベルに抑えなければならない。焦
点外X線の許容されるレベルは,リスクマネジメントによって決定し,附属文書に記載しなければならな
い。
注記 焦点外X線を減少させる最も重要な手段の一つは,放射線ビームを焦点に近い位置で制限する
ことである。
203.10 患者とX線受像器との間でのX線ビームの減弱
203.10.2 附属文書への記載
置換
附属文書には,患者とX線受像器との間に挿入される物品でX線装置の一部を構成する部品の減弱当量
の最大値を記載しなければならない。
附属品,又は当該若しくはその他のX-IGRT装置の一部ではない物品(例えば,患者支持器)と組み合
わせて使用することを指定したX-IGRT装置では,それらの物品がX線ビーム内にある場合,悪影響を及
ぼす可能性があることを取扱説明書に記載しなければならない。
(試験)
適合性は,附属文書の調査によって確認する。
203.11 剰余放射線に対する防護
副通則の箇条11は適用しない。
203.13 迷放射線に対する防護
副通則の箇条13は適用しない。
206
ユーザビリティ
次を除き,IEC 60601-1-6:2010及びAmendment 1:2013を適用する。
追加
注記 現存するME機器及び開発がIEC 60601-1-6:2010の詳細な要求を適用することができない段階
を超えたME機器・ME機器部品にIEC 60601-1-6:2010を遡って適用することはできないが,
利用可能な設計及びプロセス制御に関するデータを試験することは,有効な検証となり得る。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
直線変位
回転変位
9 患者支持器の上下動
6 患者支持器のエキソセントリック回転動(ヨー回転動)
10 患者支持器の左右動
12 患者支持器のロール回転動
11 患者支持器の前後動
13 患者支持器のピッチ回転動
注記 連続性を保つために,番号を付したラベル6,9,10,11はJIS Z 4705:2015の図201.108で使用したものと
対応し,ラベル12,13はJIS T 0601-2-64の図201.101に対応している。
図201.101−患者支持器の動き
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書
次を除き,通則の附属書を適用する。
附属書B
(参考)
試験の順序
次を除き,通則の附属書Bを適用する。
B.1
一般
追加
製造業者は,この附属書に記載された順序と異なる場合は,試験の順序を記載することが望ましい。
附属書I
(参考)
MEシステム概要
通則の附属書Iは,適用しない。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書AA
(参考)
個別ガイダンス及び根拠
この附属書は,この個別規格の特定の細分箇条についての根拠である。細分箇条番号は,この個別規格
の本文中の番号に一致させている。
201.101.6 X-IGRT装置から外部ビーム照射装置へ送信するデータの制限の適合
放射線治療装置は,治療の進歩に伴い,治療パラメータを変化させる能力を次第にもつようになってき
た。例えば,寝台速度,照射野サイズ,線量率などは治療中に変更される可能性がある。治療中の患者の
動きを追跡し,その動きを補正するために治療中に治療パラメータを変更させる患者モニタリングシステ
ムの導入によって,これらのモニタリングシステムが意図したとおりに作動しない場合の患者へのリスク
の増加を考慮することが望ましい。特に,治療中に変更されるパラメータについては,リアルタイムでの
二次レベルの境界確認を設定する必要性を考慮することが望ましい。
次の2種類の位置誤差は説明するに値する。
a) 移動部位の計画位置と実際の位置との通常のずれ 一つの例が,患者の治療中に動かすことができる
患者の位置決め装置である。いかなるリアルタイム位置制御システムとも同様に,位置決め装置の計
画位置と実際の位置との間には常に有限なずれが生じる。典型的なリアルタイム位置決めソフトウェ
アでは,許容可能な誤差範囲を設定し,寝台の位置が事前に定めた誤差限界を超えた場合,治療を終
了する。
b) 予期しない状況又は位置制御アルゴリズムの誤りによって生じる位置誤差 患者の動きを補正する
ために,患者の位置をモニタし,治療パラメータ(例えば,照射野幅)を変更する能力をもつX線ベ
ースの画像システムを考える。非常に小さな照射野が望まれる場合にもかかわらず,この画像システ
ムが予期しない入力(例えば,画像アーティファクト)を受け取り,この入力に基づき,最大限の大
きさにまで照射野を拡大することが望ましいと誤って判断したと仮定する。この状況は照射野限定器
の上流に置かれた累積型の線量モニタリングシステムでは必ずしも見つけられるとは限らないため,
重大な線量エラーを引き起こす。この可能性を防ぐために,治療時点である種の境界チェック(又は
“健全性チェック”)を行い,明らかに誤ったパラメータ設定が行えないようにする必要がある。この
例の場合,X-IGRT外部ビーム照射装置システムは,事前に定めた許容可能な変更幅に対して値を確
認し,照射を中断し,照射を再開する前に照射継続が安全かどうかを操作者に確認するのがよい。
結論として,治療中に治療パラメータをリアルタイムで変更するための複雑なソフトウェアアルゴリズ
ムへの依存度が増大したため,これらのパラメータ値の確認及び制約が必要となった。これらの制約は計
画時に決定し,治療直前に治療システムに転送することが可能である。それによって,治療システムは,
ソフトウェアが事前に定めた安全範囲外の治療パラメータを設定しようと試みるのをモニタし,安全範囲
を超えた場合に治療を中止することができる。リアルタイム制御システムで用いられる従来の一次的な位
置誤差範囲のチェックに加えて,この種の二次的な健全性チェックを行うことが望ましい。
201.103.3 画像誘導による調整及び補正
X-IGRTの作動モードは,オフラインX-IGRT,オンラインX-IGRT及びリアルタイムX-IGRTの3種
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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類に分類される。三つの空間次元及び時間をもつX-IGRT(4D X-IGRT)に適用可能な箇条は作動モード(オ
フラインX-IGRT,オンラインX-IGRT及びリアルタイムX-IGRT)に含まれている。
モードによって分類した4D X-IGRTの例を次に示す。
例1 オフラインX-IGRT
治療中の患者の4D CT画像を取得する。オフラインで画像解析を行い,4D CTセットから標的体積位置
を決定する。この4D情報を用いて,標的体積が動く範囲を決定し,平均位置を計算する。数セッション
でこれを完了する。それ以降のセッションでは,動く範囲を取り込むように設定を調整することができる。
例2 オンラインX-IGRT
治療直前に患者の4D CT画像を取得する。この4D情報を用いて,標的体積が動く範囲を決定し,その
平均位置を求める。平均位置が計画された治療位置に確実にあるように,治療開始前に患者位置の調整を
行う。
例3 オンラインX-IGRT
治療直前に患者の画像及び呼吸情報を取得する。解析を行い,4D画像及び呼吸情報を相互に関連付ける。
この情報を用いて,標的体積が動く範囲を決定する。治療中も呼吸モニタリングを継続し,標的体積の位
置を計算する。標的体積位置の変化を連続的に補正するための信号を外部ビーム照射装置に送る。
これはオンラインX-IGRTであり,IGRTは治療前モデルだけを実行し,リアルタイム的な側面は治療
中に決められた相関モデルによって処理される。
例4 リアルタイムX-IGRT
治療中に,異なる角度の複数のキロボルトX線源を使用することによって画像を連続的に取得する。画
像を連続的に解析し,標的体積の3D位置を決定する。治療照射の間,標的体積位置又は相関モデルの変
化を補正するための信号を外部ビーム照射装置に送る。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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附属書BB
(参考)
CTDIfree airの測定
CTDIの空気中での測定は,IGRT装置上のCBCTスキャンのX線ビーム特性を理解する上で有用であ
る。散乱物質が存在しないため,これらの測定によって,コリメータから放出されるX線ビーム出力の特
性が明らかとなり,X線管の線量測定効果,固有ろ過,中心放射線のろ過,照射野外ビーム及び半影の影
響を定量化することができる。CTDIfree airを測定するためには,X線照射野の全範囲にわたって,線量プ
ロファイルをy軸に沿って積分する必要がある。y軸範囲全体を確実に捕捉するためには,積分長(L)は
公称ビーム制限幅よりも40 mm以上長いことが望ましい。
CTDIfree airを測定する一つの方法は,IGRT装置の回転軸に沿って置かれ,積分長全体をカバーするため
に患者支持器を用いてアイソセンタを通って平行移動(ステップ的に)する放射線検出器(例えば,電離
箱)を用いることである。
注記1 別の方法として,線量プロファイルはヘリカルスキャンプロトコルを用いて,アイソセンタ
を通って一定速度で平行移動するIEC 61674に適合した放射線検出器(例えば,点線量計)
で測定することができる。
a) メートル定規,プラスチック棒などの長く,ほとんど減衰のない支持体に電離箱を取り付ける。
b) 電離箱に取り付けた支持体を,十分に重いスタンド又は他の手段を用いて患者支持器に取り付け,電
離箱を含む装置が患者支持器とともに動くようにする。測定中に患者支持器が一次ビームに影響しな
いよう,電離箱の有効長が患者支持器の終端を超えて,積分長の半分(L/2)を上回る距離まで確実に
延長できるようにする。
c) 電離箱の中心がIGRT装置のアイソセンタに置かれ,電離箱がIGRT装置のy軸上にあることを確認
する。患者支持器の位置を0に設定する。
d) 患者支持器を用いて,負のy軸方向にX mmだけ電離箱を動かす。
2
W
L
X
−
=
ここに,
L: 積分長(mm)
W: 電離箱の長さ(mm)
e) 適切なパラメータでアキシャルスキャンを行い,照射線量を記録する。
f)
正のy軸方向に,寝台を電離箱の長さ分だけ移動させる。
g) 積分長全体がカバーされるまで,ステップe)〜f)を繰り返して合計Y回の照射を行う。
W
L
Y=
ここに,
L: 積分長(mm)
W: 電離箱の長さ(mm)
h) Y個の異なる照射線量を合計し,所定のIGRT装置設定に対するCTDIfree airを計算する。
注記2 CTDIfree airのより精度の高い推定値は,電離箱の長さよりもずっと小さいステップ幅を用い
ることによって,又は電離箱全体をビームに沿って一定速度で平行移動することによって得
られる。
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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参考文献
[1] JIS Z 4120:2008 診断用X線管装置−焦点特性
注記 対応国際規格:IEC 60336:2005,Medical electrical equipment−X-ray tube assemblies for medical
diagnosis−Characteristics for focal spots
[2] IEC 60364-7-710:2002,Electrical installations of buildings−Part 7-710: Requirements for special installations
or locations−Medical locations
[3] JIS Z 4121:2009 X線管装置の固有ろ過の測定
注記 対応国際規格:IEC 60522:1999,Determination of the permanent filtration of X-ray tube assemblies
[4] IEC/TR 60977,Medical electrical equipment−Medical electron accelerators−Guidelines for functional
performance characteristics
[5] IEC 62220-1:2003,Medical electrical equipment−Characteristics of digital X-ray imaging devices−Part 1:
Determination of the detective quantum efficiency
[6] ISO 9334:2012,Optics and photonics−Optical transfer function−Definitions and mathematical relationships
[7] ICRP Publication 33:1982,Protection against ionizing radiation from external sources used in medicine
[8] ICRP Publication 60:1991,1990 Recommendations of the international commission on radiological protection
[9] ICRU Report 35:1984,Radiation dosimetry: electron beams with energies between 1 and 50 MeV
[10] ICRU Report 39:1985,Determination of dose equivalents resulting from external radiation sources
[11] ICRU Report 51:1993,Quantities and units in radiation protection dosimetry
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T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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定義した用語の索引
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
アイソセンタ
ISOCENTRE
JIS Z 4005:2012,10558
アイソセントリック
ISOCENTRIC
JIS Z 4005:2012,10559
アラームシステム
ALARM SYSTEM
JIS T 0601-1:2017,3.143
一体形X線発生装置
X-RAY TUBE HEAD
JIS Z 4005:2012,11300
意図する使用
INTENDED USE
JIS Z 4005:2012,10519
イミュニティ
IMMUNITY
JIS T 0601-1-2:2012,2.214
医用電気機器,ME機器
MEDICAL ELECTRICAL EQUIPMENT,
ME EQUIPMENT
JIS T 0601-1:2017,3.63
医用電気システム,MEシステ
ム
MEDICAL ELECTRICAL SYSTEM, ME
SYSTEM
JIS T 0601-1:2017,3.64
インタロック
INTERLOCK
JIS Z 4005:2012,10523
運動放射線治療
MOVING BEAM RADIOTHERAPY
JIS Z 4705:2015,201.3.211
永久設置形
PERMANENTLY INSTALLED
JIS T 0601-1:2017,3.84
エミッション
EMISSION
JIS T 0601-1-2:2012,2.206
X線映像系
X-RAY IMAGING ARRANGEMENT
JIS T 0601-1-3:2015,3.80
X線管
X-RAY TUBE
JIS T 0601-1-3:2015,3.83
X線管装置
X-RAY TUBE ASSEMBLY
JIS T 0601-1-3:2015,3.84
X線管電圧
X-RAY TUBE VOLTAGE
JIS T 0601-1-3:2015,3.88
(X線)管電流
X-RAY TUBE CURRENT
JIS T 0601-1-3:2015,3.85
X線管負荷
X-RAY TUBE LOAD
JIS T 0601-1-3:2015,3.87
X線管負荷条件
LOADING FACTOR
JIS T 0601-1-3:2015,3.35
X線源装置
X-RAY SOURCE ASSEMBLY
JIS T 0601-1-3:2015,3.62
X線撮影法
RADIOGRAPHY
201.3.221 (JIS T 0601-1-3:2015,
3.64)
X線受像器
X-RAY IMAGE RECEPTOR
JIS T 0601-1-3:2015,3.81
X線装置
X-RAY EQUIPMENT
JIS T 0601-1-3:2015,3.78
X線透視法
RADIOSCOPY
201.3.222 (JIS T 0601-1-3:2015,
3.69)
X線パターンa)
X-RAY PATTERN
JIS T 0601-1-3:2015,3.82
X線ビーム
X-RAY BEAM
JIS T 0601-1-3:2015,3.55
X-IGRT外部ビーム照射装置シ
ステム
X-IGRT EBE SYSTEM
201.3.231
X-IGRT 撮影構成要素
X-IGRT IMAGING COMPONENT
201.3.233
X-IGRT装置
X-IGRT EQUIPMENT
201.3.232
X-IGRT レイテンシー
X-IGRT LATENCY
201.3.234
52
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
オフラインIGRT
OFFLINE IGRT
201.3.217
重み付けCTDI100
WEIGHTED CTDI100
201.3.230
オンラインIGRT
ONLINE IGRT
201.3.218
外部ビーム照射装置,EBE
EXTERNAL BEAM EQUIPMENT, EBE
201.3.207
画像誘導放射線治療装置,IGRT
装置
IGRT EQUIPMENT
201.3.208
画像表示装置
IMAGE DISPLAY DEVICE
JIS Z 4752-3-5:2008,3.10
画像誘導放射線治療,IGRT
IMAGE-GUIDED RADIOTHERAPY,
IGRT
201.3.209
画像再構成
IMAGE RECONSTRUCTION
201.3.210
画像表示システムの空間分解能
SPATIAL RESOLUTION OF AN IMAGE
DISPLAY SYSTEM
201.3.227
画像レジストレーション
IMAGE REGISTRATION
201.3.211
患者
PATIENT
JIS T 0601-1:2017,3.76
患者測定電流
PATIENT AUXILIARY CURRENT
JIS T 0601-1:2017,3.77
患者支持器
PATIENT SUPPORT
JIS Z 4005:2012,10786
感度プロファイル
SENSITIVITY PROFILE
201.3.225
幾何学的放射線照射野
GEOMETRICAL RADIATION FIELD
JIS Z 4705:2015,201.3.207
危険状態
HAZARDOUS SITUATION
JIS T 0601-1:2017,3.40
基準画像
REFERENCE IMAGE
201.3.224
吸収線量
ABSORBED DOSE
JIS Z 4005:2012,10003
記録照合システム
RECORD AND VERIFY SYSTEM
IEC 62274:2005,3.1
キロボルトX-IGRT装置
KILOVOLTAGE X-IGRT EQUIPMENT
201.3.213
空間分解能
SPATIAL RESOLUTION
201.3.226
空気カーマ
AIR KERMA
JIS T 0601-1-3:2015,3.4
形式試験
TYPE TEST
JIS T 0601-1:2017,3.135
減弱当量
ATTENUATION EQUIVALENT
JIS T 0601-1-3:2015,3.8
現地試験
SITE TEST
JIS Z 4705:2015,201.3.221
光学伝達関数,OTF
OPTICAL TRANSFER FUNCTION
201.3.219
工具
TOOL
JIS T 0601-1:2017,3.127
高コントラスト分解能
HIGH CONTRAST RESOLUTION
JIS Z 4005:2012,10468
公称[最大]電力
NOMINAL ELECTRIC POWER
JIS Z 4005:2012,10704
公称スライス厚
NOMINAL TOMOGRAPHIC SECTION
THICKNESS
JIS Z 4751-2-44:2012,201.3.206
固定放射線治療
STATIONARY RADIOTHERAPY
JIS Z 4005:2012,11118
高電圧装置
HIGH-VOLTAGE GENERATOR
JIS Z 4005:2012,10746
53
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
コーンビームCT,CBCT
CONE BEAM COMPUTED
TOMOGRAPHY, CBCT
201.3.203
コントラスト
CONTRAST
JIS T 62563-1:2013,3.1.6
コントラスト対ノイズ比,CNR CONTRAST TO NOISE RATIO, CNR
201.3.204
作動モード
MODE OF OPERATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.40を変更
撮影時間
IMAGING SESSION
201.3.212
指定の,指定した
SPECIFIED
JIS Z 4005:2012,11096
使用者a)
USER
JIS Z 4005:2012,11247
CT作動条件
CT CONDITIONS OF OPERATIONS
JIS Z 4751-2-44:2012,201.3.202
CT線量指数100,CTDI100
COMPUTED TOMOGRAPHY DOSE
INDEX 100, CTDI100
201.3.201
CT線量指数空気自由空間,
CTDIfree air
COMPUTED TOMOGRAPHY DOSE
INDEX FREE-IN-AIR, CTDIfree air
201.3.202
CT装置
CT SCANNER
JIS Z 4751-2-44:2012,201.3.201
CT ピッチ係数
CT PITCH FACTOR
JIS Z 4751-2-44:2012,201.3.204
CBCT作動条件b)
CBCT CONDITIONS OF OPERATIONS
JIS Z 4751-2-44:2012,201.3.202を
変更
照射
IRRADIATION
JIS Z 4005:2012,10549
照射終了,照射を終了する
TERMINATION OF IRRADIATION, TO
TERMINATE IRRADIATION
JIS Z 4705:2015,201.3.225
照射中断,照射を中断する
INTERRUPTION OF IRRADIATION, TO
INTERRUPT IRRADIATION
JIS Z 4705:2015,201.3.210
照射野限定器
BEAM LIMITING DEVICE
JIS T 0601-1-3:2015,3.11
焦点外X線
EXTRA-FOCAL RADIATION
JIS T 0601-1-3:2012,3.22
準備完了状態
READY STATE
JIS Z 4005:2012,10964
準備状態
PREPARATORY STATE
JIS Z 4005:2012,10832
情報技術機器,ITE
INFORMATION TECHNOLOGY
EQUIPMENT, ITE
JIS T 0601-1-2:2012,2.217
スライス
TOMOGRAPHIC SECTION
JIS Z 4005:2012,11173
スライス面
TOMOGRAPHIC PLANE
JIS Z 4005:2012,11172
正常な使用
NORMAL USE
201.3.216
製造業者
MANUFACTURER
JIS T 0601-1:2017,3.55
責任部門
RESPONSIBLE ORGANIZATION
JIS T 0601-1:2017,3.101
接触可能表面
ACCESSIBLE SURFACE
JIS Z 4005:2012,10014
接触可能部分
ACCESSIBLE PART
JIS T 0601-1:2017,3.2
線質
RADIATION QUALITY
JIS T 0601-1-3:2015,3.60
線量プロファイル
DOSE PROFILE
201.3.206
装着部
APPLIED PART
JIS Z 4005:2012,10067
操作者
OPERATOR
JIS T 0601-1:2017,3.73
54
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
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定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
待機
STAND-BY
JIS Z 4005:2012,11112
ターゲットa)
TARGET
JIS Z 4005:2012,11144
治療計画
TREATMENT PLAN
JIS Z 4005:2012,11209
治療制御盤
TREATMENT CONTRON PANEL, TCP
JIS Z 4005:2012,11205
電源部
MAINS PART
JIS T 0601-1:2017,3.49
電源(商用)
SUPPLY MAINS
JIS T 0601-1:2017,3.120
電子加速装置
ELECTRON ACCELERATOR
JIS Z 4005:2012,10772
電子線アプリケータ
ELECTRON BEAM APPLICATOR
JIS Z 4005:2012,10336
電子ポータルイメージング装置
ELECTRONIC PORTAL IMAGING
DEVICE
JIS Z 4705:2015,201.3.205
電磁両立性
ELECTROMAGNETIC
COMPATIBILITY, EMC
JIS T 0601-1-2:2012,2.204
電磁妨害
ELECTROMAGNETIC DISTURBANCE
JIS T 0601-1-2:2012,2.205
電離放射線
IONIZING RADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.29
取扱説明書
INSTRUCTIONS FOR USE
JIS Z 4005:2012,10513
長さ線量積,DLP
DOSE-LENGTH PRODUCT,DLP
201.3.205
ハードワイヤ
HARD-WIRED
JIS Z 4705:2015,201.3.208
ハザード
HAZARD
JIS T 0601-1:2017,3.39
パスワード
PASSWORD
JIS Z 4705:2012,201.3.214
表示
DISPLAY
JIS Z 4005:2012,10278
標的体積c)
TARGET VOLUME
JIS Z 4005:2012,11146
負荷
LOADING
JIS T 0601-1-3:2015,3.34
負荷時間
LOADING TIME
JIS T 0601-1-3:2015,3.37
ファントム
PHANTOM
JIS Z 4005:2012,10804
フィルタ
FILTER
JIS T 0601-1-3:2015,3.23
附属品
ACCESSORY
JIS T 0601-1:2017,3.3
附属文書
ACCOMPANYING DOCUMENTS
JIS T 0601-1:2017,3.4
プロトコル要素
PROTOCOL ELEMENT
201.3.220
プログラマブル電子サブシステ
ム
PROGRAMMABLE ELECTRONIC
SUBSYSTEM, PESS
JIS T 0601-1:2017,3.91
変調伝達関数,MTF
MODULATION TRANSFER FUNCTION,
MTF
201.3.215
放射線
RADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.53
放射性核種ビーム治療装置
RADIONUCLIDE BEAM THERAPY
EQUIPMENT
JIS Z 4005:2012,10939
放射線検出器
RADIATION DETECTOR
JIS T 0601-1-3:2015,3.57
放射線源
RADIATION SOURCE
JIS Z 4005:2012,10914
55
T 60601-2-68:2019 (IEC 60601-2-68:2014)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
放射線照射野
RADIATION FIELD
JIS Z 4005:2012,10903
放射線治療
RADIOTHERAPY
JIS Z 4005:2012,10946
放射線治療計画システム,RTPS RADIOTHERAPY TREATMENT
PLANNING SYSTEM, RTPS
JIS T 62083:2017,3.1.6
放射線ビーム
RADIATION BEAM
JIS Z 4005:2012,10895
放射線ヘッド
RADIATION HEAD
JIS Z 4005:2012,10904
ボリュームCTDIw,CTDIvol
VOLUME CTDIw, CTDIvol
201.3.229
メガボルトX-IGRT装置
MEGAVOLATGE X-IGRT EQUIPMENT
201.3.214
漏れ電流
LEAKAGE CURRENT
JIS T 0601-1:2017,3.47
ユーザビリティ
USABILITY
201.3.228,JIS T 0601-1:2017,3.136
リアルタイムIGRT
REAL-TIME IGRT
201.3.223
リスク
RISK
JIS T 0601-1:2017,3.102
リスクマネジメント
RISK MANAGEMENT
JIS T 0601-1:2017,3.107
リスクマネジメントファイル
RISK MANAGEMENT FILE
JIS T 0601-1:2017,3.108
注a) 定義語としては,本体では使用されていない。
b) JIS Z 4751-2-44の201.3.201のCTをCBCTに置換している。
c) TARGET VOLUMEの訳語としてJIS Z 4005:2012の11146では,標的容積と定義されているがこの規格では
“標的体積”と定義した。