T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
201.1 適用範囲,目的及び関連規格 ························································································ 1
201.2 引用規格 ··················································································································· 3
201.3 用語及び定義 ············································································································· 4
201.4 一般要求事項 ············································································································· 5
201.5 ME機器の試験に対する一般要求事項 ············································································· 5
201.6 ME機器及びMEシステムの分類··················································································· 5
201.7 ME機器の標識,表示及び文書 ······················································································ 6
201.8 ME機器の電気的ハザードに関する保護 ·········································································· 8
201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 ·················································· 9
201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 ·································································· 9
201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 ····································································· 9
201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 ························································· 9
201.13 危険状態及び故障状態 ································································································ 9
201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) ··································································· 9
201.15 ME機器の構造 ········································································································· 9
201.16 MEシステム ··········································································································· 10
201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性 ······································································· 10
202 電磁妨害−要求事項及び試験 ·························································································· 10
202.101 基本性能のイミュニティ試験 ···················································································· 10
203 診断用X線装置における放射線防護 ················································································ 10
203.4 一般要求事項 ············································································································ 10
203.5 X線装置の標識,表示及び文書 ···················································································· 11
203.6 放射線管理 ··············································································································· 11
203.7 線質 ························································································································ 16
203.8 X線ビームの広がりの制限及びX線照射野と受像面との関係 ············································· 16
203.9 焦点皮膚間距離 ········································································································· 16
203.10 患者とX線受像器との間でのX線ビームの減弱 ····························································· 17
203.11 *剰余放射線に対する防護··························································································· 17
203.12 漏れ放射線に対する防護 ···························································································· 17
203.13 迷放射線に対する防護 ······························································································· 18
附属書 ······························································································································· 19
附属書C(参考)ME機器及びMEシステムの表示及びラベリングに対する要求事項の指針·············· 20
附属書AA(参考)個別指針及び根拠 ······················································································ 21
附属書BB(参考)この規格における定義語に関する歯科口内法用X線装置の部品の識別 ················· 27
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017) 目次
(2)
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ページ
参考文献 ···························································································································· 29
定義した用語の索引 ············································································································· 33
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
(3)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
画像医療システム工業会(JIRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日
本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業
大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS T 60601-2-65:2014は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,この規格の改正公示日から3年間までJIS T 60601-2-65:2014を適用することができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
T 60601-2-65:2019
(IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
医用電気機器−第2-65部:歯科口内法用X線装置の
基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項
Medical electrical equipment-
Part 2-65: Particular requirements for the basic safety and
essential performance of dental intra-oral X-ray equipment
序文
この個別規格は,2012年に第1版として発行されたIEC 60601-2-65及びAmendment 1:2017を基に,技
術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補(amendment)については,編
集し,一体とした。
この個別規格では,本文中の太字は,この個別規格,JIS T 0601-1,JIS T 0601-1-3及びJIS Z 4005で定
義した用語である。上記の規格で定義した用語が,太字で表記されていない場合,定義は適用せず意味は
文脈に沿って解釈する。
この個別規格は,JIS T 0601-1,JIS T 0601-1-2及びJIS T 0601-1-3と併読するものである。
“追加”,“置換”及び“修正”の意味は,201.1.4に定義する。
さらに,附属書AAに論理的根拠を示している箇条,細別箇条及び定義については,項目名の先頭にア
スタリスク(*)を付した。
なお,この個別規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
201.1
適用範囲,目的及び関連規格
次を除き,通則1) の箇条1を適用する。
注1) JIS T 0601-1 医用電気機器−第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項
201.1.1
適用範囲
置換
この規格は,歯科口内法用X線装置及びその主な構成部品(以下,ME機器ともいう。)の基礎安全及
び基本性能について規定する。
この規格の適用範囲は,X線管装置が高電圧発生装置を内蔵するX線装置に限られる。
この規格の適用範囲には,歯科口外法用X線装置を含まない。
注記1 歯科口内法用X線装置のX線発生装置は,モノブロック形装置を包含しているため,この個
別規格では,X線管装置とモノブロック形装置とは同じ概念である(附属書BB参照)。
注記2 主な構成部品とは,例えば,モノブロック形装置,電子式X線受像器などである。
注記3 イメージングプレート2) 及びその読取装置(ハードウェア及びソフトウェア)は,患者環境
2
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
内に電気的な装着部をもたず,ME機器ではないため,この個別規格の適用範囲には含まれ
ない。
注2) 輝尽性蛍光体を使用するフィルムに類似したX線受像器(Photostimulated phosphor
plate)
JIS T 60601-2-63,JIS Z 4751-2-43,JIS Z 4751-2-44,JIS Z 4751-2-45又はJIS Z 4751-2-54の適用範囲の
ME機器及びMEシステムは,この個別規格の適用範囲から除外する。放射線治療シミュレータ及び骨密
度測定装置も除外する。さらに,歯科透視法用のME機器も除外する。
特定の適用範囲において,この個別規格の箇条は,JIS Z 4751-2-7及びIEC 60601-2-32の箇条を置き換
えている。
注記4 これまでにJIS Z 4751-2-7及びIEC 60601-2-32で規定されていたX線発生装置及び関連機器
への要求事項は,JIS T 0601-1又はこの個別規格に含まれた。このため,歯科口内法用X線
装置については,JIS Z 4751-2-7はJIS T 0601-1の個別規格ではない。
この個別規格は,組み込まれたX線管装置に対する全ての要求事項を含む。したがって,JIS Z 4751-2-28
は,この個別規格の適用範囲のME機器には適用しない。
注記5 この個別規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60601-2-65:2012,Medical electrical equipment−Part 2-65: Particular requirements for the basic
safety and essential performance of dental intra-oral X-ray equipment及びAmendment 1: 2017
(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
201.1.2
目的
置換
この個別規格の目的は,歯科口内法X線撮影のための医用電気機器(ME機器)に対する個別の基礎安
全及び基本性能に関する要求事項を確立することである。
201.1.3
副通則
追加
この個別規格では,通則の箇条2及びこの個別規格の201.2に規定した副通則を引用する。
JIS T 0601-1-2及びJIS T 0601-1-3はそれぞれ箇条202及び箇条203で修正して適用するが,JIS T
60601-1-8,IEC 60601-1-10,IEC 60601-1-11及びIEC 60601-1-12は適用しない。それ以外のJIS T 0601規
格群の副通則のうち,この個別規格に関連する副通則が制定された時点で,それも適用する。
注記 歯科口内法用X線装置の操作者は,JIS T 60601-1-8の概念よりはむしろ,この個別規格で要求
する音響信号に慣れているため,JIS T 60601-1-8は適用しない。
201.1.4
個別規格
置換
JIS T 0601規格群及びJIS T 60601規格群の個別規格については,個別のME機器への適用を考慮して,
通則又は副通則に含まれる要求事項を修正,置換又は削除してもよい。また,基礎安全及び基本性能への
要求事項を追加してもよい。
個別規格の要求事項は,通則よりも優先する。
簡潔にするため,この個別規格では,JIS T 0601-1を通則という。副通則は,それらの規格番号によっ
て参照する。
3
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
この個別規格の箇条及び細分箇条の番号は,通則の番号に接頭語“201”を付与した形で表される(例え
ば,この個別規格の201.1は,通則の箇条1の内容を扱う。)。また,副通則の場合には,接頭語“20X”を
付与する。ここでXは,副通則の規格番号の最後の数字である(例えば,この個別規格の202.4が副通則
JIS T 0601-1-2の箇条4の内容を扱い,203.4は副通則JIS T 0601-1-3の箇条4の内容を扱うなど。)。通則
及び副通則の条文の変更は,次の用語を用いて規定する。
“置換”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に全て置き換えてい
ることを意味する。
“追加”は,通則又は適用する副通則の要求事項に,この個別規格の規定を追加していることを意味す
る。
“修正”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に修正していること
を意味する。
通則に追加する細分箇条,図又は表には,201.101から始まる番号を付ける。しかし,通則の定義は3.1
〜3.147の細分箇条番号となっているため,この個別規格の追加の定義は201.3.201の細分箇条番号から始
まる。追加した附属書は,附属書AA,附属書BBなどと記載し,追加項目はaa),bb)などと記載する。
各副通則に追加する細分箇条,図又は表には,“20X”から始まる番号を付ける。ここでXは,副通則の
規格番号の最後の数字である(例えば,202はJIS T 0601-1-2,203はJIS T 0601-1-3を示す。)。
“この規格”という用語は,通則,適用する副通則及びこの個別規格を包含する。
この個別規格の中に対応する箇条又は細分箇条がない場合には,関連する可能性が低くても,通則又は
適用する副通則の箇条若しくは細分箇条を置換,追加又は修正せずに適用する。関連する規定であっても,
通則又は適用する副通則の一部を適用しない場合には,この個別規格でそれを適用しないことを記載する。
201.2
引用規格
次に掲げる規格は,この個別規格に引用されることによって,この個別規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追
補を含む。)は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
注記 参考資料は,参考文献一覧に示す。
次を除き,通則の箇条2を適用する。
置換
JIS T 0601-1-3:2015 医用電気機器−第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項−副通
則:診断用X線装置における放射線防護
注記 対応国際規格:IEC 60601-1-3:2008,Medical electrical equipment−Part 1-3: General requirements
for basic safety and essential performance−Collateral Standard: Radiation protection in diagnostic
X-ray equipment及びAmendment 1:2013
追加
JIS T 0601-1:2017 医用電気機器−第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60601-1:2005,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for
basic safety and essential performance及びAmendment 1:2012
JIS Z 4005:2012 医用放射線機器−定義した用語
注記 対応国際規格:IEC/TR 60788:2004,Medical electrical equipment−Glossary of defined terms
JIS Z 4120 診断用X線管装置−焦点特性
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 対応国際規格:IEC 60336,Medical electrical equipment−X-ray tube assemblies for medical
diagnosis−Characteristics of focal spots
201.3
用語及び定義
修正
この規格で用いる主な用語及び定義は,通則,適用する副通則及びJIS Z 4005によるほか,次による。
注記 定義した用語の索引を,末尾に示す。
追加
201.3.201
歯科[用](DENTAL)
歯列を含む患者の歯顎顔面の解剖構造に関連する用語。
201.3.202
面積線量[積](DOSE AREA PRODUCT)
X線ビーム断面積とその断面にわたる平均空気カーマとの積。単位は,グレイ平方メートル(Gy・m2)。
201.3.203
電子式X線受像器(ELECTRONIC X-RAY IMAGE RECEPTOR)
電子回路を用いたX線受像器。
201.3.204
出射[面視]野寸法(EXIT FIELD SIZE)
指示用コーンの遠心端における放射線照射野寸法。照射野限定器で決定される。
注記 指示用コーンは,最小の焦点皮膚間距離を確保する。指示用コーンと照射野限定器とが一体に
なった装置もある。
201.3.205
口外法[用](EXTRA-ORAL)
X線受像器を口くう(腔)外に位置付ける歯科X線撮影法に関連する用語。
201.3.206
インタロック(INTERLOCK)
事前に設定した条件が満たされない限り,ME機器の操作開始又は操作の継続を阻止するための手段。
201.3.207
口内法[用](INTRA-ORAL)
X線受像器の全体又は一部を口くう(腔)内に位置付ける歯科X線撮影法に関連する用語。
201.3.208
1ピーク形X線高電圧装置(ONE-PEAK HIGH VOLTAGE GENERATOR)
整流していない交流出力電圧又は各電源周期で1ピークの整流出力電圧を供給する単相電源作動のX線
高電圧装置。
201.3.209
2ピーク形X線高電圧装置(TWO-PEAK HIGH VOLTAGE GENERATOR)
各電源周期で2ピークの整流出力電圧を供給する,単相電源作動のX線高電圧装置。
5
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.3.210
モノブロック形装置(X-RAY MONOBLOCK ASSEMBLY)
高電圧発生装置を内蔵したX線管装置。
注記 モノブロック形装置は,照射野限定器を含まない。
201.4
一般要求事項
次を除き,通則の箇条4を適用する。
201.4.3
基本性能
追加
201.4.3.101
追加する潜在的な基本性能の要求事項
表201.101に,製造業者がリスクマネジメントプロセスで考慮を必要とする潜在的な基本性能の一覧を
示す。
注記 203.6.4.3.102(X線管負荷条件の正確さ)は,203.6.4.3.102.2(管電圧の正確さ)及び203.6.4.3.102.3
(管電流の正確さ)を適用する際の限度を指定する。この限度は,基本性能の一覧についても
有効である。
表201.101−潜在的な基本性能の要求事項の一覧
要求事項
細分箇条
X線管負荷条件の正確さ 203.6.4.3.102
放射線出力の再現性
203.6.3.2
201.4.10.2 ME機器及びMEシステムのための電源(商用)
追加
電源の見掛けの抵抗が附属文書に定められた値以下の場合は,電源(商用)の内部インピーダンスは,
ME機器の作動に対して十分に低いとみなせる。
製造業者が附属文書に明記した電源の見掛けの抵抗以上の値をもつ電源(商用)で,指定した公称最大
電力を示すことができる場合は,その電源(商用)は,このME機器の適合性評価に使用できるものとみ
なす。
(試験)
適合性は,附属文書の調査及び機能試験によって確認する。
201.5
ME機器の試験に対する一般要求事項
通則の箇条5を適用する。
201.6
ME機器及びMEシステムの分類
通則の箇条6を適用する。
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.7
ME機器の標識,表示及び文書
次を除き,通則の箇条7を適用する。
201.7.2
ME機器又はME機器の部分の外側の表示
201.7.2.7
電源(商用)からの入力
追加
次のa)〜e)を表示しなければならない。
なお,永久設置形のME機器の場合は,附属文書にd)及びe)だけを記載すればよい。
a) ボルト(V)単位の定格電源電圧:通則の7.2.1及び7.2.6を参照
b) 相数:通則の7.2.1及び7.2.6を参照
c) 単位をヘルツ(Hz)とした周波数:通則の7.2.1及び7.2.6を参照
d) 単位をオーム(Ω)とした電源の見掛けの抵抗の最大許容値
e) 電源(商用)に必要な過電流開放器の特性
注記 これらの要求事項は,JIS Z 4751-2-7:2008の6.1 j) を適用している。
追加
201.7.2.101
照射野限定器
正常な使用において,着脱が可能な照射野限定器は,次の表示を備えなければならない。
− 通則の7.2.2の要求事項による表示
− 製造番号又は個々の識別表示
− 数字又は図による出射野寸法。出射野寸法が図示されている場合には,その意味を取扱説明書に記載
しなければならない。
− 付加ろ過が0.2 mmアルミニウム当量以上の場合には,その値
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
201.7.8.1
表示光の色
追加
X線関連の状態表示は,通則の7.8を適用しない。代わりに203.6.4.2及び203.6.4.101を適用する。
201.7.9
附属文書
201.7.9.1
一般
追加
注記 附属文書の記載について,通則の要求事項に追加するこの個別規格の要求事項を表201.C.102
に一覧で示す。
附属文書には,ME機器について責任部門が実行する品質管理手順を記載しなければならない。これに
は,試験の合格基準及び推奨される試験の最低頻度が明記されていなければならない。
また,電子式X線受像器を含むME機器は,附属文書に次を含まなければならない。
− 意図する使用に従った,診断目的のための画像表示手段の性能
注記 例えば,表示モニタに要求される最小限の画素数及び階調数
− 意図する使用に必要な受像器面上での空気カーマの範囲の公称値
− 上記の空気カーマを得るために推奨されるX線条件及び焦点皮膚間距離
(試験)
適合性は,附属文書の調査によって確認する。
7
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
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201.7.9.2
取扱説明書
201.7.9.2.1
一般
追加
201.7.9.2.1.101 X線条件
ME機器の取扱説明書には,X線条件について,次の事項を記載しなければならない。次の組合せ及び
データも記載しなければならない。
a) 管電圧設定値
b) 管電流設定値
c) 照射時間設定値又は設定範囲
d) b)と異なる場合,各々の管電圧設定における最大管電流
e) c)と異なる場合,各々の管電圧及び管電流設定における最長及び最短照射時間
(試験)
適合性は,取扱説明書の調査によって確認する。
201.7.9.2.1.102 照射野限定器
照射野限定器によって得られる出射野寸法を,取扱説明書及び技術解説に記載しなければならない。
(試験)
適合性は,取扱説明書の調査によって確認する。
201.7.9.3
技術解説
追加
201.7.9.3.101
X線源装置
口内法用のX線源装置の技術解説には,通則の7.2で規定する表示情報に加えて,次の事項を明記しな
ければならない。
a) X線源装置のターゲット角及び焦点特性の基準となる基準軸
b) a)の基準軸に対するターゲット角
c) 焦点の位置
d) a)の基準軸に対して,JIS Z 4120に従って決定した公称焦点値
e) 照射野限定器による出射野寸法
(試験)
適合性は,技術解説の調査によって確認する。
追加
201.7.9.101
電源(商用)
歯科口内法用X線発生装置の定格電源入力の情報には,次を含めなければならない。
− 電源の見掛けの抵抗の最大許容値,又は使用施設における電源の適切な仕様
− 電源(商用)に必要な過電流開放器の特性
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
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201.8
ME機器の電気的ハザードに関する保護
次を除き,通則の箇条8を適用する。
201.8.5
分離
201.8.5.1
保護手段(MOP)
追加
201.8.5.1.101
歯科口内法用X線発生装置の電圧,電流又はエネルギーについての追加制限
電源部又は他のあらゆる低電圧回路に,許容できない高電圧が発生することを防止する手段を講じなけ
ればならない。
注記 例えば,次のいずれかの手段がある。
− 高電圧回路と低電圧回路との間に,保護接地端子に接続した巻線層又は導電性のシールド
を備える。
− 外部の装置を接続する端子間で,回路の開放によって過大な電圧が発生する可能性がある
場合には,その端子間に電圧制限器を備える。
(試験)
適合性は,設計データ及び構造の調査によって確認する。
注記 これらの要求事項については,JIS Z 4751-2-7:2008の箇条15 bb)を適用している。
201.8.7
漏れ電流及び患者測定電流
201.8.7.3
*許容値
修正
c)は,次のように修正する。
永久設置形を除くX線発生装置では,単一故障状態における接触電流は,2 mA以下とする。
注記 通則の要求からのこの緩和は,患者漏れ電流には適用しない。
e)は,次のように修正する。
永久設置形のX線発生装置では,正常状態及び単一故障状態における接地漏れ電流の許容値は,20 mA
以下とする。
201.8.8.3
*耐電圧
追加
通則の8.8.3の代わりに,モノブロック形装置の高電圧回路は,次のように試験する。
高電圧回路の試験は,モノブロック形装置の最大公称管電圧の1.1〜1.15倍の間の試験電圧で行わなけ
ればならない。もし,高電圧回路への接続が不可能な場合,電圧計測は,間接的に行ってもよい。
モノブロック形装置の高電圧回路は,附属文書に記された正常な使用時に許容される最大照射時間の2
倍の時間で試験する。この試験は,最低2分間の間隔を空けて3度繰り返す。
1ピーク形X線高電圧装置では,無負荷状態の半周期の管電圧が負荷状態の半周期よりも高い場合には,
高電圧回路の試験電圧として,無負荷の半周期の電圧を採用しなければならない。
耐電圧試験中に,試験対象の変圧器に過熱の危険がある場合には,より高い電源周波数を用いて試験し
てもよい。
9
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.9
ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護
次を除き,通則の箇条9を適用する。
201.9.8.4
機械的保護装置を備えた機構
追加
201.9.8
支持機構に関わる機械的ハザード
201.9.8.4.101
機械的保護装置
ロープ,チェーン又はベルトと平行に並ぶ同等の強度をもつ別のロープ,チェーン又はベルトは,正常
な使用時に負荷がかからなければ機械的保護装置とみなしてもよい。
機械的保護装置として使用するロープ,チェーン又はベルトは,必要に応じて検査できなければならな
い。また,附属文書には,検査についての適切な指示を記載しなければならない。
(試験)
適合性は,機能試験及び附属文書の調査によって確認する。
201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護
通則の箇条10を適用する。
注記 副通則JIS T 0601-1-3は通則で引用され,この個別規格の箇条203でも扱う。
201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護
次を除き,通則の箇条11を適用する。
追加
201.11.101 *モノブロック形装置の過度の温度に関する保護
温度の制限は,モノブロック形装置の保護容器の内側には適用しない。
操作者が意図する使用において触れたり,患者が接触する可能性のあるモノブロック形装置の塗装され
た金属表面の温度は,通則の表23の値より高くてもよいが,65 ℃以下とする。
注記 通則の表23の金属表面の最大許容温度は接触する可能性のある時間が1秒以上10秒未満の場
合には56 ℃であるが,附属書AAの201.11.101の理由で65 ℃に緩和している。
201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護
通則の箇条12を適用する。
注記 通則の12.4.5.1に従って,線量に関連する事項は203.6.4.3に規定している。
201.13 危険状態及び故障状態
通則の箇条13を適用する。
201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS)
通則の箇条14を適用する。
201.15 ME機器の構造
通則の箇条15を適用する。
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.16 MEシステム
通則の箇条16を適用する。
201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性
通則の箇条17を適用する。
202
電磁妨害−要求事項及び試験
次を除き,JIS T 0601-1-2を適用する。
追加
202.101
基本性能のイミュニティ試験
製造業者は,表201.101に挙げる追加の潜在的な基本性能の要求事項に対し,リスクマネジメントプロ
セスを通じて実用的な水準まで試験要求事項を最小化してもよい。
試験項目を選択するときに,製造業者はEMC環境に対する感受性,EMC状態の可能性及び厳しさ,並
びに受容できないリスクを引き起こす発生確率と重大さとの組合せについてリスクマネジメントプロセ
スを通じて考慮する必要がある。
ME機器のイミュニティの評価に用いる計測機器の精度は,試験のための電磁気的条件の影響を受けて
はならない。
測定機器は,ME機器のイミュニティに影響を与えてはならない。
非接続式の測定だけを行う。
イミュニティ試験を実施するME機器は,試験のために改造してはならない。
(試験)
適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
203
診断用X線装置における放射線防護
次を除き,JIS T 0601-1-3を適用する。
203.4
一般要求事項
203.4.1
適合宣言
置換
ME機器又はサブアセンブリが,この規格に適合することを表明する場合には,次の様式を用いなけれ
ばならない。
歯科口内法用X線撮影装置++)JIS T 60601-2-65:2019
++)形式名称
追加
203.4.101
定義した用語の限定条件
203.4.101.1
*照射時間
照射時間は,空気カーマ率がピーク値の50 %に最初に到達した時点から最後に同じ値を下回った時点ま
での時間として測定する。
注記 JIS T 0601-1-3の定義3.32も参照。
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
203.5
X線装置の標識,表示及び文書
203.5.2.4.5
確定的影響
追加
注記 現在までのところ,歯科口内法用X線装置の正常な使用で確定的影響(組織反応)が発生した
という報告はない。
203.6
放射線管理
203.6.2
照射の開始及び終了
203.6.2.1
正常な照射の開始及び終了
追加
照射の開始及び照射中の制御を解除することなく,その次の照射を開始できてはならない。
(試験)
適合性は,調査及び適切な機能試験によって確認する。
203.6.2.1.101
外部のインタロックの接続
移動形及び手持形ME機器を除くME機器には,次のいずれか又は両方の機能をもつ外部電気インタロ
ックへの接続手段を備えることが望ましい。
− X線照射を開始できない。
− X線照射を停止できる。
外部電気機器からの信号の状態が制御盤に表示されない場合には,その状態を示す視覚的な表示器を設
置することが望ましい旨の責任部門向けの情報を,附属文書に記載しなければならない。
注記 外部電気機器接続手段の使用例は,照射開始の条件として防護遮蔽体の存在を保証することで
ある。幾つかの国では,この例が要求されている。
(試験)
適合性は,調査及び適切な機能試験によって確認する。
203.6.2.2
照射が正常に終了しなかった場合の安全機構
追加
正常な終了が放射線(X線)測定に基づく場合は,次による。
− 安全機構は,照射が正常に終了できない場合に,照射を自動的に強制終了させる方法を含める。
− 1回の照射イベントにつき,管電圧,管電流及び照射時間の積が3.2 kJ,又は管電流時間積が32 mAs
以下とする。
(試験)
適合性は,調査及び適切な機能試験によって確認する。
203.6.3
*放射線の線量及び線質
203.6.3.1
放射線の線量及び線質の調整
置換
患者への放射線(X線)の線量は,X線装置の意図する使用に沿うように制限できなければならない。
これは次の方法で達成させなければならない。
a) X線管負荷条件を自動選択するシステムは,設定可能なX線管負荷条件の適切な組合せを提供する。
b) 管電流,照射時間又は管電流時間積の設定値の増分は,それぞれJIS T 0601-1-3の附属書BのRʼ10
系列に従った増分以下とする。
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 JIS T 0601-1-3の附属書BのRʼ10又はRʼ20系列に従った目盛増分を使用することが望まし
い。
c) 各管電圧において,管電流時間積の最小値に対する最大値の可変幅は1:16以上とする。
d) 1ピーク形X線高電圧装置及び2ピーク形X線高電圧装置では,電源(商用)の周期によって,0.08
秒以下の照射時間に全ての等比数列を含めることが難しいため,不足している数列の値及び異なる間
隔について識別できるようにし,取扱説明書で説明する。
e) 異なる操作モードをもつME機器では,X線受像器の様々な感度を補償するために,
− 管電流時間積の調整可能範囲は,少なくとも1:4とする。
− 管電流時間積の隣り合う設定値の比率は,1.6以下とする。
(試験)
適合性は,調査及び適切な機能試験によって確認する。
追加
203.6.3.1.101
空気カーマの直線性
設定可能な管電流時間積の全範囲で空気カーマの測定値は,次に示すように,管電流時間積の設定値と
0.2以上の正確さで比例関係を示さなければならない。
(試験)
適合性は,次の試験手順によって確認する。
直線性試験は,設定可能な最低及び最高管電圧で行う。
各管電圧の設定において,複数の管電流時間積のペアを次のようにして決定する。
− 最初のペアのうち,管電流時間積の小さい方の値は設定可能な最小値とする。
− 各ペアの管電流時間積の比率は,2以下で,可能な限り2に近づける。
− 各ペアの管電流時間積の大きい方の値は,次のペアの小さい方の値として使用する。
− 最後のペアの大きい方の値は,設定可能な管電流時間積の最大値とし,小さい方の値は,最大値の1/2
以上で可能な限り1/2に近い値とする。
1ピーク形X線高電圧装置については,試験は0.08秒以上の照射時間に限る。
試験のための一連の測定は連続して行う。測定の間隔は,デューティサイクルを守る。
選択した二つの管電流時間積について,それぞれ最低でも3回ずつ空気カーマを測定する。
3回(又はそれ以上)の空気カーマの測定値の平均値をそれぞれ計算する。
次の式に従って最高管電圧及び最低管電圧での直線性を確認する。
空気カーマの測定値の平均を管電流時間積の設定値で除した二つの商の差が,これらの商の平均値の0.2
倍以下でなければならない。
2
0.2
2
2
1
1
2
2
1
1
Q
K
Q
K
Q
K
Q
K
+
−
≦
ここに,
1
K,
2
K: 空気カーマの測定値の平均値
Q1,Q2: 管電流時間積の設定値
203.6.3.2
放射線出力の再現性
追加
203.6.3.2.101
空気カーマの変動係数
意図する使用の範囲において,空気カーマの測定値の変動係数は,X線管負荷条件のあらゆる組合せに
13
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
おいて,0.05以下とする。
(試験)
適合性は,次の試験手順によって確認する。
少なくとも,次の組合せを含むX線管負荷条件で再現性試験を行う。
− 最高管電圧及びその管電圧における最小管電流
− 最低管電圧及びその管電圧における最大管電流
− 最大電力となる管電圧と管電流との組合せ
− 最小電力となる管電圧と管電流との組合せ
試験のための一連の測定は連続して行わなければならない。二つの連続した測定の時間間隔は,ME機
器のデューティサイクルに従わなければならない。
測定に際しては,附属文書中で指定された成人患者の上顎大臼歯部用の照射時間を選択することが望ま
しい。
各X線管負荷条件の組合せについて,少なくとも5回ずつ照射して空気カーマを測定し,変動係数を計
算する。
∑
=
−
−
=
=
n
i
i
n
K
K
K
K
s
c
1
2
1
)
(
1
ここに,
Ki: 空気カーマの測定値
n: 測定回数
s: 母標準偏差の推定値
c: 変動係数
n
K
K
K
K
n
+
+
+
=
....
2
1
: 測定値の平均値
203.6.3.2.102
*自動露出制御
自動露出制御手段を備えたME機器については,意図する使用に応じて,当該自動露出制御によって調
整されるX線管負荷条件の範囲における放射線出力(X線出力)の再現性を,リスクマネジメントプロセ
スによって決定しなければならない。
(試験)
適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
203.6.3.2.103
内部電源のME機器
内部電源をもつME機器は,内部電源の使用可能な充電範囲においては,203.6.3.2による放射線出力(X
線出力)の再現性の要求に適合しなければならない。
(試験)
適合性は,機能試験によって確認する。
203.6.4
操作状態の表示
203.6.4.2
X線管負荷状態の表示
追加
X線管負荷状態は,制御盤面に黄色で表示しなければならない。
注記 X線管負荷状態の間に発せられる音響信号の終了は,照射の終了を示している。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
203.6.4.3
X線管負荷条件及び操作モードの表示
追加
203.6.4.3.101
X線管負荷条件表示の基本要件
表示する単位は,次による。
− 管電圧 kV
− 管電流 mA
− 照射時間 s 及び/又は ms
− 管電流時間積 mAs
一つ以上の固定したX線管負荷条件の組合せで作動するME機器に対しては,制御盤面の表示は各組合
せを代表する一つのX線管負荷条件の値(例えば,管電圧値)だけに限定してもよい。
この場合には,各組合せにおける他のX線管負荷条件値を取扱説明書に記載しなければならない。
さらに,これらのX線管負荷条件の組合せは,制御盤面又はその近傍の目立つ場所に,適切な形式で一
覧表示しなければならない。
事前設定できる半固定のX線管負荷条件の決められた組合せで作動するME機器に対しては,制御盤面
の表示は,各組合せを識別できればよい。
この場合には,次の事項ができるようにする。
− 半固定のX線管負荷条件の各組合せの値を据付時に事前設定し,その値を取扱説明書に記録する。
− 適切な形式で一覧表示する値を,制御盤面又はその近傍の目立つ場所に掲示する。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
注記 操作モードと[被写体に応じた]プログラム制御とは,同義語である(JIS Z 4005参照)。
203.6.4.3.102
X線管負荷条件の正確さ
203.6.4.3.102.1 X線管負荷条件の正確さに対する一般条件
高電圧発生装置において,この細分箇条の要求事項は,同じX線管負荷条件の測定値と比較した指示値,
調整値又は事前設定値の全てのX線管負荷条件の値の正確さにも適用する。
(試験)
適合性は,調査及び試験によって確認する。
203.6.4.3.102.2 管電圧の正確さ
全てのX線管負荷条件の組合せにおいて,管電圧値の誤差は,±10 %とする。
(試験)
適合性は,次の試験によって確認する。
a) 管電圧の最低指示値,その管電圧で利用できる最大管電流及び約0.1秒の照射時間で測定する。
b) 管電圧の最高指示値,その管電圧で利用できる最小管電流及び約0.1秒の照射時間で測定する。
c) 管電圧の最高指示値,その管電圧で利用できる最大管電流及び約0.5秒の照射時間で測定する。
(0.5秒の設定がない場合は,設定できる最長照射時間。)
管電圧は立上がり時から5 ms,又は管電流が最終値(管電流ピーク値)の75 %を超えた時の,いずれ
か遅い方で測定しなければならない。
203.6.4.3.102.3 管電流の正確さ
全てのX線管負荷条件の組合せにおいて,管電流値の誤差は,±20 %とする。
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(試験)
適合性は,次の試験によって確認する。
− 管電流の最大指示値,その管電流で利用できる最低管電圧及び約0.1秒の照射時間で測定する。
− 管電流の最小指示値,その管電流で利用できる最高管電圧及び約0.1秒の照射時間で測定する。
− 管電流の最大指示値,その管電流で利用できる最高管電圧及び約0.5秒の照射時間で測定する。
(0.5秒の設定がない場合は,設定できる最長照射時間。)
203.6.4.3.102.4 照射時間の正確さ
全てのX線管負荷条件の組合せにおいて,照射時間値の誤差は,±5 %又は±20 msのいずれか大きい
方とする。
1ピーク形X線高電圧装置の0.1秒未満の照射時間には,この要求を適用しない。
注記 附属書AAを参照。
(試験)
適合性は,次の試験によって確認する。
− 管電圧の最低指示値,その管電圧で利用できる最大管電流,最短及び最長照射時間で測定する。
− 管電圧の最高指示値,その管電圧で利用できる最小管電流,最短及び最長照射時間で測定する。
203.6.4.5
線量測定値の表示
置換
ME機器は,選択したX線管負荷条件の全ての組合せに対して,指定した焦点からの距離における空気
カーマの推定値を附属文書に記載するか又は表示しなければならない。
空気カーマの推定値からの測定値の総合的な差(偏差)は,附属文書に記載しなければならない。また,
その差(偏差)は,50 %以下とする。
また,附属文書には,空気カーマの推定値及び出射野寸法に基づいた面積線量の計算方法を記載しなけ
ればならない。
(試験)
適合性は,調査及び機能試験によって確認する。
追加
203.6.4.101
準備完了状態
照射スイッチを押す操作だけでX線管への負荷を開始する状態にあるときには,その状態を操作者が視
認できるような表示機能を備えなけなければならない。
この状態を単一機能の表示器によって示す場合には,緑の光を用いなければならない。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
203.6.5
*自動制御機能
JIS T 0601-1-3の6.5は適用しない。
203.6.6
*散乱放射線の減少
JIS T 0601-1-3の6.6は適用しない。
203.6.7
画像性能
203.6.7.4
放射線検出器又はX線受像器
追加
画像性能の評価指標に対する電子式X線受像器の影響因子を明記しなければならない。この影響因子は,
16
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
X線の効果的な使用を保証することが望ましい。
(試験)
適合性は,リスクマネジメントファイル及び附属文書の調査によって確認する。
203.7
線質
203.7.1
*X線装置の半価層及び総ろ過
追加
公称最高管電圧が70 kV以下で作動するME機器については,JIS T 0601-1-3の表3にある半価層への
要求の代わりに,総ろ過1.5 mmアルミニウム当量以上としてもよい。
追加
203.7.101
*管電圧の制限
管電圧の設定値は,60 kV以上でなければならない。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
203.8
X線ビームの広がりの制限及びX線照射野と受像面との関係
203.8.5
X線照射野と受像面との関係
203.8.5.4
患者の位置決め及び照射領域の制限
置換
X線発生装置は,照射野限定器を備えなければならない。照射野限定器の出射野寸法は,直径6 cm以
下とする。
照射野限定システムは,出射野寸法を直径6 cmの円の内側で長方形に制限する手段を備えることが望
ましい。
電子式X線受像器を備えるME機器においては,照射野限定器は,出射野寸法を電子式X線受像器の
有効受像面から対角線において1 cmを超えてはみ出さない長方形に制限する手段を備えなければならな
い。
出射野が長方形の場合には,X線ビーム軸を中心として出射野を回転できなければならない。
注記 X線照射野は,口くう内に配置されたX線受像器と位置を合わせる必要があるため,照射野限
定器は,X線受像器の位置決めシステムで示される有効受像面に合うように回転できることが
望ましい。
X線照射野の境界とは,X線照射領域を四つの象限に分け,各象限のほぼ中心での空気カーマ率の平均
値を求め,空気カーマ率が平均値の25 %になる点の軌跡をいう。
(試験)
適合性は,上記の条件に従った調査及び機能試験並びに取扱説明書の調査によって確認する。
203.9
焦点皮膚間距離
置換
ME機器は,焦点皮膚間距離を20 cm以上確保しなければならない。
(試験)
適合性は,調査及び測定によって確認する。
17
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
203.10 患者とX線受像器との間でのX線ビームの減弱
副通則の箇条10は適用しない。
203.11 *剰余放射線に対する防護
置換
取扱説明書には,操作者に対して,剰余放射線(剰余X線)の存在を記載しなければならない。また,
不要な被ばく(曝)を防ぐための手引を提供しなければならない。
(試験)
適合性は,取扱説明書の調査によって確認する。
203.12 漏れ放射線に対する防護
203.12.2 X線源装置及びX線映像系の取付
置換
口内法用X線受像器は,正常な使用においてX線管負荷中に手持形であってもよい。
歯科口内法用X線源装置は,附属文書において次の情報が提供されていれば,正常な使用下のX線管
負荷時に,手持形であってもよい。
− 操作者に対する,漏れ放射線(漏れX線)及び迷放射線(迷X線)の値
− X線管負荷中のX線源装置の動きによる画像の劣化を避けるための手引
− 指定された占居有意区域の絵図及び寸法
− 製造業者によって指定された,操作者に対する漏れ放射線(漏れX線)及び迷放射線(迷X線)の測
定方法,並びに動きによる画像の劣化
(試験)
適合性は,附属文書の調査によって確認する。
注記 放射線防護に関しては,より安全な基準を規定する法令などが優先される。
203.12.4 X線管負荷状態での漏れ放射線
置換
X線管負荷状態でのX線源装置からの漏れ放射線(漏れX線)の空気カーマは,基準負荷条件に対応
する負荷状態での公称最高管電圧で操作するとき,焦点から1 mの距離において,一辺が20 cm以下の面
積100 cm2の任意の面内の平均値が,1時間当たり0.25 mGy以下とする。
注記 手持形ME機器の操作者への漏れ放射線(漏れX線)に対する防護は,製造業者のリスクマネ
ジメントプロセスの対象である。
(試験)
適合性は,次の試験手順によって確認する。
a) 放射口を十分に塞ぎ,漏れ放射線(漏れX線)の測定が放射口を通過する放射線(X線)によって影
響されないようにする。カバーを使用する場合は,できるだけ放射口に密着させ,効果的に塞ぐ必要
最小限の範囲にしなければならない。
b) 試験を行う負荷条件は,次による。
1) 試験するX線源装置の公称最高管電圧を使用する。
2) 適切な管電流時間積で行う。
3) 試験中に指定の定格以下の負荷を使用する。
18
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 必要な場合,試験する装置の正常な使用のために,指定した構成及び設定によって漏れ放射線(漏れ
X線)がどのように影響されるか測定して決定する。試験は,最も厳しいとみなす構成及び設定を選
んで行う。
d) 適切なX線管負荷条件を適用して,焦点から1 m離れた球表面全体において,多数の点で測定を行い,
空気カーマの最大値を決定する。
e) 実際に使用したX線管負荷条件での測定値を,副通則の12.3によって附属文書に記載した基準負荷
状態に対応する,一時間当たりの空気カーマ値に正規化する。
f)
当細分箇条に規定した面積内での平均化を考慮して,測定値に必要な補正をする。
g) 試験で得た測定値が,要求する限界値以下であれば,適合とする。
203.12.5 X線管負荷状態にないときの漏れ放射線
JIS T 0601-1-3の12.5は適用しない。
203.13 迷放射線に対する防護
203.13.2 防護区域からのX線装置の制御
置換
ME機器には,据付後,照射スイッチの操作を防護区域から行うことを選択できる手段を備えなければ
ならない。
上記に関連する指示を,附属文書に記載しなければならない。
附属文書には,操作者と患者とが聴覚的及び視覚的な方法で連絡し合える手段を備える必要があること
について,責任部門の注意を喚起する記載を含まなければならない。
この要求事項は,手持形ME機器(手持形X線装置)には適用しない。
(試験)
適合性は,ME機器の調査及び附属文書の調査によって確認する。
203.13.3 距離による防護
追加
迷放射線(迷X線)に対する防護は,防護区域からの操作以外に,操作者が焦点から2 m以上離れ,か
つ,X線ビームの進路外で照射を制御できるようにすることで達成できる。
この要求事項は,手持形ME機器には適用しない。
(試験)
適合性は,ME機器の調査及び附属文書の調査によって確認する。
注記 放射線防護に関しては,より安全な基準を規定する法令などが優先される。
追加
203.13.101 手持形ME機器の迷放射線に対する防護
注記 手持形ME機器の操作者の迷放射線(迷X線)に対する防護は,製造業者のリスクマネジメン
トプロセスの対象である。
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書
次を除き,通則の附属書を適用する。
20
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
ME機器及びMEシステムの表示及びラベリングに対する要求事項の指針
次を除き,通則の附属書Cを適用する。
201.C.1 ME機器,MEシステム又はそれらの部分の外側の表示
追加
ME機器の外側の表示についての追加要求事項は,表201.C.101の細分箇条で示す。
表201.C.101−ME機器又はその部分の外側の表示
表示に関する記載
細分箇条
ME機器上の表示
201.7.2.101
201.C.5 附属文書及び取扱説明書
追加
附属文書(取扱説明書及び技術解説を含む。)の記載についての追加要求事項は,表201.C.102に列記し
た細分箇条で示す。
表201.C.102−附属文書の要求事項を規定した細分箇条
細分箇条の名称
細分箇条
ME機器及びMEシステムのための
電源(商用)
201.4.10.2
附属文書
201.7.9
機械的保護装置
201.9.8.4.101
外部のインタロックの接続
203.6.2.1.101
放射線の線量及び線質の調整
203.6.3.1
空気カーマの変動係数
203.6.3.2.101
線量測定値の表示
203.6.4.5
距離による防護
203.13.3
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
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附属書AA
(参考)
個別指針及び根拠
この個別規格の特定の箇条及び細分箇条についての根拠を次に示す。細分箇条番号は,この個別規格の
本文中の細分箇条番号である。
注記 この附属書AAの箇条又は細分箇条番号に付した“†”印は,対応する要求事項に対する解説で
あることを示し,かつ,要求事項でないことを容易に識別できるようにしたものである。
201.8.7.3† 許容値
ME機器の負荷に必要な電源のサージ対策としてEMIフィルタを使用することは,通則で要求される漏
れ電流への対応を困難にするため,これらの要求事項ではJIS Z 4751-2-7:2008の19.3をそのまま適用した。
201.8.8.3† 耐電圧
高電圧回路の耐電圧試験に対する一般的な要求は,JIS Z 4751-2-7:2008で規定され,試験電圧は公称管
電圧の1.2倍とされている。
しかし,この個別規格では,“高電圧発生装置の試験がX線管を接続したときだけ可能で,しかもX線
管が公称管電圧の1.2倍の電圧を許容しない場合には,試験電圧を下げなければならないが,管電圧の1.1
倍以上でなければならない。”とし,特定の条件下では,試験電圧を公称管電圧の1.1倍まで下げてもよい
と規定した。
このことは,モノブロック形装置として設計する歯科口内法用X線装置では常に当てはまる。
このため,この個別規格では適用範囲が制限されていることを考慮し,耐電圧試験に対する要求は適用
可能な条件だけに限定し,単純化した。
モノブロック形装置では,短い過渡的なスパイク電圧を除いて,公称管電圧を大きく超える管電圧が発
生し,それが持続することがほとんどない点を考慮する必要がある。
201.11.101† モノブロック形装置の過度の温度に関する保護
歯科用モノブロック形装置の内部部品は密封され,空気から遮断されている。絶縁物が過熱した場合に
は,X線高電圧装置を停止させ,負荷を阻止するので更なる発熱は生じない。
JIS T 0601-1:2017の表23は,塗装された金属表面を規定していない。さらに,操作者によるモノブロッ
ク形装置の撮影中の取扱い時間は,ほんの数秒である。
203.4.101.1† 照射時間
放射線(X線)学の幾つかの基本則を示す。
放射線線量率(X線線量率),すなわち,単位時間当たりに発生した(又は物質に吸収された)放射線(X
線)の量(空気カーマ率)は,その瞬間の管電流と直接的かつ直線的に比例する。
管電流が一定の場合,放射線量(X線量),すなわち,照射イベント当たりに発生した(又は物質に吸
収された)放射線(X線)の総量(空気カーマ)は,直接的かつ直線的に照射時間に比例する。
結果として,放射線量(空気カーマ)は,平均管電流と照射時間との積,すなわち,管電流時間積(mAs
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で表示)に直接的かつ直線的に比例する。
このため,照射時間の厳密な定義(すなわち,定義語の適用条件)は,仮に理想的な照射状態になくて
も,放射線(X線)の量[放射線量(X線量)]との正比例関係を可能な限り正確に維持することが必要で
ある。
理想的な照射状態は,照射の開始及び終了,すなわち,立上がり時間及び立下がり時間が瞬時の場合に
実現される。このような状態では,照射時間の定義は明白で,改めて定義する必要はない。照射時間と放
射線量(X線量)との直線的な比例関係も明らかである。しかし,実際には管電流及び空気カーマ率には,
有限の立上がり時間及び立下がり時間が存在する。直流(DC)コンバータを使用するX線発生装置の多
くは,この立上がり及び立下がり時間が直線的な傾斜を示す。このような状況では,照射時間の開始及び
終了を空気カーマ率が定常状態かつ最大値の50 %になった時点と定義することで,定義上の照射開始前に
生じる空気カーマの余剰分と照射開始後から定常値状態かつ最大値に達するまでの不足分とが同等にな
るため,結果として,照射時間と空気カーマとの総量の正比例関係が維持される(図AA.1参照)。
図AA.1−直流X線発生装置における照射中の空気カーマ
1ピーク形及び2ピーク形X線高電圧装置では,放射線(X線)はパルス状に発生し,パルスのピーク
値に対する包絡線は立上がり時点から直線的な傾きを示さないため,状況はより複雑になる。立下がり時
間については,照射の終了が電力供給の停止,すなわち,管電圧及び管電流を同時に切断することで達成
されるため,立上がり時間に比べて通常無視できる程度に短い。立上がり部でのパルスのピーク値に対す
る包絡線は通常,定常状態かつ最大値のほぼ50 %の時点を変曲点とするS字状曲線となる。
したがって,この場合においても,包絡線上で空気カーマ率が定常状態かつ最大値の50 %になる時点で
照射時間を定義することによって,定義上の照射開始前に生じる空気カーマの余剰分と照射開始後から定
常状態かつ最大値に達するまでの不足分とがほぼ等しくなるため,結果として,照射時間と空気カーマの
総量との正比例関係は近似的に維持されることになる。
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203.6.3† 放射線の線量及び線質
1ピーク形X線高電圧装置を備えた歯科口内法用X線装置
歯科口内法用X線装置は,通常モノブロック形装置を使用しており,密封されたX線管容器の中にX
線管,高電圧変圧器などのX線の発生に必要な全ての高電圧回路を封入している。この設計は,患者及び
操作者への人間工学的な適応並びに歯科医院の概して狭い環境での操作(手動での位置付け及び照準)の
必要性から,X線源装置を可能な限り小さく,かつ,軽くするために必要である。
一方,典型的な医科用の一般X線装置では,X線管だけがX線管容器に封入され,電力は高電圧ケーブ
ル(及びコネクタ)経由で別の高電圧電源から供給される。これによって,X線管の陽極への高電圧供給
(管電圧いわゆる“kV”の制御)とフィラメントへの電圧供給(管電流いわゆる“mA”の制御)とを分
離することが可能になる。
歯科口内法用X線装置の多くの機種は1ピーク形X線高電圧装置を使用している。この設計は,性能
の面で若干の制限があるが,安価で小形の製品の製作を可能にしている。1ピーク形X線高電圧装置では,
X線管に印加する高電圧(管電圧)は,一つの高電圧発生装置(ここでは主に変圧器)で電源電圧(すな
わち,100 V,115 V,又は230 V)を直接昇圧して得ている。このような変圧器は,単一の一次コイルと
複数の二次コイルとをもち,X線管の陽極及びフィラメントに電力を供給している。
注記1 陽極及びフィラメントに個別に電力を供給するために二つの独立した変圧器を使用すること
は可能であるが,商用に製造された歯科口内法用X線装置の1ピーク形X線高電圧装置のほ
とんどは,高電圧変圧器にフィラメント用の巻線を追加した形の変圧器を使用している。フ
ィラメント回路専用の変圧器を使用すると追加の高電圧絶縁が必要になり,大きさ及び重さ
の増加を招くことになるため,この種の装置の設計目的に反してしまう。
単一の高電圧発生装置をもつ(フィラメント回路専用の変圧器をもたない)1ピーク形装置では,陽極
及びフィラメントへの電力供給が同時になるため,両者を独立して制御することはできない。すなわち,
設定可能な管電圧及び管電流の公称値は一つになる。
管電圧が印加される(陰極に対して陽極が正電圧になる。)と,X線管は直ちに(管電圧に応じたエネル
ギースペクトルを示す)X線を放出できる状態となる。しかしながら,フィラメント回路に電力を供給し
ても,X線管内の電子の流れ及びその結果としての(管電流に比例した線量率での)X線の発生は,すぐ
には起こらない。フィラメント温度が熱電子の放出が生じる温度まで徐々に上昇し,その後,フィラメン
トが熱的安定状態に到達して,電子の流れ及びX線の発生が安定する。それまでに数百ミリ秒を要する。
したがって,1ピーク形X線高電圧装置を使用する歯科口内法用X線装置においては,負荷時間と照射時
間とに大きな差を生じる。
図AA.2及び図AA.3は,(高電圧変圧器だけをもつ)1ピーク形X線高電圧装置での管電圧及び管電流
の波形を示している。X線の発生量は管電流に比例するため,結果的に空気カーマ率の変化もこの波形に
一致する。
パルス間の時間は,電源周波数の逆数となる。すなわち,50 Hzの場合は20 ms,60 Hzの場合は約16.7 ms
となる。
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mA: 管電流
kV: 管電圧
LT: 負荷時間
IT: 照射時間
PHT:予熱時間
P:
電源の1パルスの時間(50 Hzの場合は20 ms,60 Hzの場合は16.7 ms)
ΔV: 初期の無負荷時の値から最終(定常)負荷時の値までの管電圧ピーク値の低下
FC: 定常状態に達した最終的な管電流の値
HC: 定常状態にある管電流の50 %の値
図AA.2−長照射時間における1ピーク形X線発生装置の管電流及び管電圧波形
図AA.2において,負荷時間は,電源周期及びフィラメント加熱上昇時間に比較して長い。負荷時間(モ
ノブロック形装置に電力が供給されている時間)と照射時間(空気カーマ率がその最大値かつ定常値に対
して定義したある割合を超えている時間,別の表現をすると,X線の実質的な照射が行われている時間)
との間に,フィラメントの加熱及び熱電子の放出開始の遅れによって,大きな差が生じることも読み取れ
る。逆に,管電圧がゼロに低下すると,管電流及びX線の発生が継続不能となるので,照射終了時には瞬
時に停止する。
照射時間は,フィラメントの加熱時間(予熱時間)に強く影響される。フィラメント加熱時間は,製造
業者によるX線装置の型式試験の中で決定される。
フィラメント加熱時間を正確に予測することは難しい。実際,熱電子放出曲線又は管電流曲線の傾斜が
急であるため,電源電圧の微小な変動が管電流に大きな影響を与える。したがって,照射時間の測定は電
源電圧を定格値で安定化させたときに実施する必要がある。しかしながら,負荷時間を高精度に制御し,
電源電圧を安定化させたとしても,フィラメントの加熱時間の変動によって,照射時間は大きく変わる可
能性がある。
注記2 照射時間の開始時をしきい(閾)値50 %で定義すると,照射開始前に放射された余分な空気
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T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
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カーマが開始後の不足分を補完するため,比較的緩やかなパルスピーク値の上昇は,空気カ
ーマと照射時間との比例関係に大きな影響を与えない。
図AA.3−短照射時間における1ピーク形X線発生装置の空気カーマ率(管電流)波形
図AA.3において,照射時間は電源周期の数倍に過ぎず,十分長くはない。この場合,種々の問題を考
慮する必要がある。
照射は,一定間隔の離散的なパルスで行われるため,照射時間の実質的な値も離散的になる。すなわち,
電源の1周期(50 Hz又は60 Hzの場合,20 ms又は16.7 ms)より精度の高い照射時間(及び負荷時間)
を定義することは意味を成さない。結果的に,Rʼ10系列は離散的なパルスが80 ms以上連続する場合に準
用できる。
図のような場合,照射時間は8パルスで,50 Hzでは160 ms,60 Hzでは133 msになるが,Rʼ10系列で
最も近いのは125 msである。
注記3 (通常行われているゼロクロスの代わりに)パルスの途中での停止又は開始は理論的には可
能であるが,技術的に大きな課題がある上に,放射線(X線)学の基本である照射時間と空
気カーマ(照射X線量)との比例関係を損なうことになる。
例えば,電源電圧の変化,その他の要因などによって予熱時間が僅かに変動しても,1(又はそれ以上
の)パルス分の変化が起こり,これは定義に従って測定した照射時間に大きな割合の変化をもたらす。
上記の考察の結果,モノブロック形装置であって,かつ,1ピーク形高電圧発生装置をもつX線装置に
おいては:
− 照射時間は,電源周期の整数倍として定義できる。Rʼ10又はRʼ20系列の導入はその最適な近似とな
る。
− 照射時間の測定は,短時間設定時には僅かな電源電圧の変化が大きな割合の変化をもたらすため,主
電源電圧が安定した状態で実施する必要がある。
注記4 上記の考察は,基本的に2ピーク形高電圧発生装置にも適用できる。しかし,この設計方式
は,歯科口内法用X線装置に有用とは考えられず,実際の製品にも採用されていないため,
ここでは考慮しない。
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照射時間に対する電源電圧補償機構
1ピーク形高電圧発生装置を使用する歯科口内法用X線装置の多くは,電源電圧の変動による空気カー
マへ影響,すなわち,選択された照射時間と放射線量(X線量)との直線性への影響を軽減するために,
特別な機能を制御器に設けている。この機能は,与えられた公称照射条件において空気カーマが一定とな
るように,電源電圧の変動に合わせて負荷時間を変えるものである。このような負荷時間の制御は,管電
圧及び照射時間(後者は,予熱時間の変動に起因する。)の双方の(公称値に対する)変動を補償する目
的で行われる。
照射時間の任意の公称値について,実際の負荷時間と実際の電源電圧との関係は,形式試験に基づいて
製造業者が事前に決定する。
この種の装置において,X線照射条件(kV,mA,s)の正確さ及び直線性の測定は,電源電圧が公称値
で高度に安定した状態で実施するか,又は照射時間の測定値を製造業者が明示している照射時間に対する
電源電圧補償関係に基づいて補正する必要がある。
203.6.3.2.102† 自動露出制御
この細分箇条は,自動露出制御を備えたME機器だけに適用する。次の203.6.5を参照。
203.6.5† 自動制御機能
フィルムを使用する歯科口内法用X線撮影では,自動露出制御を利用することはできない。
電子式X線受像器が用いられている場合には,歯科口内法用X線装置に被写体の後ろの実際の線量を
測定するためのセンサを備えることができる。
歯科口内法用X線装置では,照射条件の変動及びそれに伴う誤照射のリスクは低い。したがって,自動
制御機能の装備は強制ではない。
203.6.6† 散乱放射線の減少
口くうの構造から,散乱放射線(散乱X線)の低減手段を導入することは難しい。
203.7.1† X線装置の半価層及び総ろ過
歯科口内法用X線装置には,一定の管電圧で,ある管電流時間積に基づいて望ましい画像コントラスト
を得るために,世界中で常識となっている一般的な照射方法がある。この方法は,JIS T 0601-1-3:2005の
ろ過条件に基づいて確立されたものである。
現行のろ過条件を維持することは,歯科界において確立されている手技を変更することがないため,患
者被ばく線量及び画質の点で有益である。
203.7.101† 管電圧の制限
歯科放射線撮影(歯科X線撮影)においては,骨が存在するため,X線には一定の透過力が必要となる。
203.11† 剰余放射線に対する防護
歯科放射線撮影用フィルム(歯科X線撮影用フィルム)には剰余放射線(剰余X線)を低減する手段
が講じられている。しかし,照射野内のX線受像面以外の領域については,口くう内に低減手段を挿入で
きないため,対処できない。
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附属書BB
(参考)
この規格における定義語に関する歯科口内法用X線装置の部品の識別
図BB.1は,JIS T 0601-1-3の定義語及びこの個別規格で追加及び変更した定義語の関係を階層構造で示
したものである。
図BB.2は,代表的な歯科口内法用X線装置について,部品の相互関係を表す図を定義語とともに示し
たものである。
注記 提示した定義語の関係は,定義語全てを含んでいるわけではなく,逆にこの規格で正式に定義
していない部品が含まれる(それらは結果的に図BB.1及び図BB.2には示されていない。)。例
えば,X線発生装置は,制御器及びX線源装置だけではなく,機械的な支持部品も含んでいる
場合がある(通常は含んでいる。)が,それらは正式な定義語ではない。
図BB.1−歯科口内法用X線装置の構造
歯科口内法用
X線装置
関連機器
(例 電子式X線
受像器)
アクセサリー
X線発生装置
制御盤
X線源装置
(一体形)
照射野限定器
X線管装置
(モノブロック形装置)
高電圧発生装置
X線管
管容器
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A 関連機器(例 電子式X線受像器)
B X線発生装置
C 制御盤
D X線源装置
E
指示用コーン(照射野限定器を含む。)
F
モノブロック形装置
図BB.2−歯科口内法用X線装置の部品
電源から
処理用電子機器へ
(例 コンピュータ)
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30
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(9), pp. 751-757
[17] WELANDER, U., MCDAVID, W.D., SANDERINK, G.C.H., TRONJE, G., MÖRNER, A.- C., DOVE, S.B.
Resolution as defined by line spread and modulation transfer functions for four digital intraoral radiographic
systems. Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology, (1994), 78 (1), pp. 109-115
[18] YOSHIURA, K., STAMATAKIS, H.C., WELANDER, U., Mcdavid, W.D., SHI, X.-Q., BAN, S., KAWAZU, T.,
TATSUMI, M., KANDA, S. Physical evaluation of a system for direct digital intra-oral radiography based on a
charge-coupled device. Dentomaxillofacial Radiology, (1999), 28 (5), pp. 277-283
[19] WELANDER, U., Mcdavid, W.D., MÖRNER, A.-C., TRONJE, G., TOKUOKA, O., FUCHIHATA, H.,
NELVIG, P., DOVE, S.B. Absolute measures of image quality for the Sens-A-Ray direct digital intraoral
radiography system. Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology, Oral Radiology and Endodontics, (1995),
80 (3), pp. 345-350
[20] WELANDER, U., NELVIG, P., TRONJE, G., Mcdavid, W.D., DOVE, S.B., MORNER -, A.C., CEDERLUND,
T. Basic technical properties of a system for direct acquisition of digital intraoral radiographs. Oral Surgery
Oral Medicine and Oral Pathology, (1993), 75 (4), pp. 506-516
[21] LI, G., YOSHIURA, K., SHI, X.-Q., WELANDER, U., MCDAVID, W.D. Physical properties of a system for
direct acquisition of digital intraoral radiographs. Oral Radiology, (2003), 19 (1), pp. 22-27
[22] HAYAKAWA, Y., FARMAN, A.G., SCARFE, W.C., KUROYANAGI, K., RUMACK, P.M., SCHICK, D.B.
Optimum exposure ranges for computed dental radiography. Dentomaxillofacial Radiology, (1996), 25 (2), pp.
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[23] MOLTENI, R. Direct digital dental x-ray imaging with Visualix/VIXA. Oral Surgery Oral Medicine and Oral
Pathology, (1993), 76 (2), pp. 235-243
[24] MOLTENI, R. An improved mode to display images from a digital X-ray sensor. Dentomaxillofacial Radiology,
(1995), 24 (2), pp. 96-97
[25] WELANDER, U., YOSHIURA, K., LI, G., SÄLLSTRÖM, P., MCDAVID, W.D. Correction for attenuation and
visual response in digital radiography. Dentomaxillofacial Radiology, (2002), 31 (2), pp. 117-125
[26] DOVE, S.B., Mcdavid, W.D., MAKINGS, S., Mcnally, M., WILCOX, C.D. Image compression for direct
digital intraoral radiography. Dentomaxillofacial Radiology, (1995), 24 (2), pp. 99-100
[27] WELANDER, U., SANDERINK, G.C.H., Mcdavid, W.D., TRONJE, G., MÖRNER, A.-C. Some essential
characteristics of new systems for direct digital intra-oral radiography. Dentomaxillofacial Radiology, (1995),
24 (2), p. 89
[28] FARMAN, A.G., FARMAN, T.T. RVG-ui: a sensor to rival direct-exposure intra-oral xray film. International
journal of computerized dentistry, (1999), 2 (3), pp. 183-196
[29] KITAGAWA, H., SCHEETZ, J.P., FARMAN, A.G. Comparison of complementary metal oxide semiconductor
and charge-coupled device intraoral X-ray detectors using subjective image quality. Dentomaxillofacial
Radiology, (2003), 32 (6), pp. 408-411
[30] SANDERINK, G.C.H., HUISKENS, R., VAN DER STELT, P.F., WELANDER, U.S., STHEEMAN, S.E. Image
quality of direct digital intraoral x-ray sensors in assessing root canal length. The RadioVisioGraphy,
Visualix/VIXA, Sens-A-Ray, and Flash Dent systems compared with Ektaspeed films. Oral Surgery, Oral
Medicine, Oral Pathology, (1994), 78 (1), pp. 125-132
[31] MCDAVID, W.D., WELANDER, U., PILLAI, B.K., MORRIS, C.R. The Intrex-a constantpotential x-ray unit
31
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
for periapical dental radiography. Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology, (1982), 53 (4), pp. 433-436
[32] JACOBSON, A., KELLY, M., FARMAN, A. Problems with measurement of X-ray exposure time on pulsed
dental X-ray units. Dentomaxillofacial Radiology, (1990), 2 (19), p. 87
[33] ICRP PUBLICATION 103−The 2007 Recommendations of the International Commission on Radiological
Protection. J. Valentin (editor), The International Commission on Radiological Protection
[34] ULUSU T., BODUR H., ODABAS M.E., In vitro comparison of digital and conventional bitewing radiographs
for the detection of approximal caries in primariy teeth exposed and viewed by a new wireless handheld unit.
Dentomaxillofacial Radiology, (2010), 39 (2): pp. 91-94
[35] JIS Z 4751-2-7:2008 診断用X線高電圧装置−安全
注記 対応国際規格:IEC 60601-2-7:1998,Medical electrical equipment−Part 2-7: Particular
requirements for the safety of high-voltage generators of diagnostic X-ray generators
[36] JIS Z 4751-2-28 医用電気機器−第2-28部:診断用X線管装置の基礎安全及び基本性能に関する個別
要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60601-2-28,Medical electrical equipment−Part 2-28: Particular requirements
for the basic safety and essential performance of X-ray tube assemblies for medical diagnosis
[37] IEC 60601-2-32:1994,Medical electrical equipment−Part 2: Particular requirements for the safety of
associated equipment of X-ray equipment
[38] JIS Z 4751-2-43 IVR用X線装置−基礎安全及び基本性能
注記 対応国際規格:IEC 60601-2-43,Medical electrical equipment−Part 2-43: Particular requirements
for the basic safety and essential performance of X-ray equipment for interventional procedures
[39] JIS Z 4751-2-44 医用電気機器−第2-44部:X線CT装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求
事項
注記 対応国際規格:IEC 60601-2-44,Medical electrical equipment−Part 2-44: Particular requirements
for the basic safety and essential performance of X-ray equipment for computed tomography
[40] JIS Z 4751-2-45 医用電気機器−第2-45部:乳房用X線装置及び乳房撮影定位装置の基礎安全及び基
本性能に関する個別要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60601-2-45,Medical electrical equipment−Part 2-45: Particular requirements
for basic safety and essential performance of mammographic X-ray equipment and mammomagraphic
stereotactic devices
[41] JIS Z 4751-2-54 医用電気機器−第2-54部:撮影・透視用X線装置の基礎安全及び基本性能に関する
個別要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60601-2-54,Medical electrical equipment−Part 2-54: Particular requirements
for the basic safety and essential performance of X-ray equipment for radiography and radioscopy
[42] JIS T 60601-2-63 医用電気機器−第2-63部:歯科口外法用X線装置の基礎安全及び基本性能に関す
る個別要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60601-2-63,Medical electrical equipment−Part 2-63: Particular requirements
for the basic safety and essential performance of dental extra-oral X-ray equipment
[43] JIS T 60601-1-8 医用電気機器−第1-8部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項−副通則:
医用電気機器及び医用電気システムのアラームシステムに関する一般要求事項,試験方法及び適用指
針
32
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 対応国際規格:IEC 60601-1-8,Medical electrical equipment−Part 1-8: General requirements for
basic safety and essential performance−Collateral Standard: General requirements, tests and
guidance for alarm systems in medical electrical equipment and medical electrical systems
[44] IEC 60601-1-10,Medical electrical equipment−Part 1-10: General requirements for basic safety and essential
performance−Collateral Standard: Requirements for the development of physiologic closed-loop controllers
[45] IEC 60601-1-11,Medical electrical equipment−Part 1-11: General requirements for basic safety and essential
performance−Collateral standard: Requirements for medical electrical equipment and medical electrical
systems used in the home healthcare environment
[46] IEC 60601-1-12, Medical electrical equipment−Part 1-12: General requirements for basic safety and essential
performance−Collateral Standard: Requirements for medical electrical equipment and medical electrical
systems used in the emergency medical services environment
33
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定義した用語の索引
注記 この個別規格では,JIS Z 4005で“放射線(RADIATION)”を用いて定義した用語の幾つかを,
副通則及び対応国際規格に合わせて“X線(X-RAY)”として定義している。このため,出典・
定義した箇所にJIS Z 4005を引用している場合は,“放射線(RADIATION)”を“X線(X-RAY)
に置き換えて読む必要がある。
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
1ピーク形X線高電圧装置
ONE-PEAK HIGH VOLTAGE GENERATOR
201.3.208
移動形
MOBILE
JIS T 0601-1:2017,3.65
意図する使用
INTENDED USE
JIS T 0601-1:2017,3.44
医用電気機器(ME機器)
MEDICAL
ELECTRICAL
EQUIPMENT
(ME
EQUIPMENT)
JIS T 0601-1:2017,3.63
医用電気システム(MEシステム) MEDICAL ELECTRICAL SYSTEM (ME SYSTEM)
JIS T 0601-1:2017,3.64
インタロック
INTERLOCK
201.3.206
永久設置形
PERMANENTLY INSTALLED
JIS T 0601-1:2017,3.84
X線(放射線)
X-RADIATION (RADIATION)
JIS T 0601-1-3:2015,3.53
X線映像系
X-RAY IMAGING ARRANGEMENT
JIS T 0601-1-3:2015,3.80
X線管
X-RAY TUBE
JIS T 0601-1-3:2015,3.83
X線管装置
X-RAY TUBE ASSEMBLY
JIS T 0601-1-3:2015,3.84
[X線]管電圧
X-RAY TUBE VOLTAGE
JIS T 0601-1-3:2015,3.88
[X線]管電流
X-RAY TUBE CURRENT
JIS T 0601-1-3:2015,3.85
X線[管負荷]条件
LOADING FACTOR
JIS T 0601-1-3:2015,3.35
[X線管]負荷状態
LOADING STATE
JIS T 0601-1-3:2015,3.36
[X線]管容器
X-RAY TUBE HOUSING
JIS T 0601-1-3:2015,3.86
X線源装置
X-RAY SOURCE ASSEMBLY
JIS T 0601-1-3:2015,3.62
[X線]高電圧装置
HIGH-VOLTAGE GENERATOR
JIS Z 4005:2012,10472-1
[X線]撮影[法]
RADIOGRAPHY
JIS T 0601-1-3:2015,3.64
X線受像器
X-RAY IMAGE RECEPTOR
JIS T 0601-1-3:2015,3.81
X線照射野
X-RAY FIELD
JIS T 0601-1-3:2015,3.58
X線装置
X-RAY EQUIPMENT
JIS T 0601-1-3:2015,3.78
X線発生装置
X-RAY GENERATOR
JIS T 0601-1-3:2015,3.79
X線ビーム
X-RAY BEAM
JIS T 0601-1-3:2015,3.55
X線ビーム軸
X-RAY BEAM AXIS
JIS Z 4005:2012,10896
過電流開放器
OVER-CURRENT RELEASE
JIS T 0601-1:2017,3.74
患者
PATIENT
JIS T 0601-1:2017,3.76
患者環境
PATIENT ENVIRONMENT
JIS T 0601-1:2017,3.79
患者測定電流
PATIENT AUXILIARY CURRENT
JIS T 0601-1:2017,3.77
管電流時間積
CURRENT TIME PRODUCT
JIS T 0601-1-3:2015,3.16
関連機器
ASSOCIATED EQUIPMENT
JIS Z 4005:2012,10082
機械的ハザード
MECHANICAL HAZARD
JIS T 0601-1:2017,3.61
機械的保護装置
MECHANICAL PROTECTIVE DEVICE
JIS T 0601-1:2017,3.62
危険状態
HAZARDOUS SITUATION
JIS T 0601-1:2017,3.40
基準軸
REFERENCE AXIS
JIS Z 4005:2012,10972
基礎安全
BASIC SAFETY
JIS T 0601-1:2017,3.10
基本性能
ESSENTIAL PERFORMANCE
JIS T 0601-1:2017,3.27
空気カーマ
AIR KERMA
JIS T 0601-1-3:2015,3.4
空気カーマ率
AIR KERMA RATE
JIS T 0601-1-3:2015,3.5
形式名称
MODEL OR TYPE REFERENCE
JIS T 0601-1:2017,3.66
34
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
減弱
ATTENUATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.7
口外法[用]
EXTRA-ORAL
201.3.205
公称(値)
NOMINAL(value)
JIS T 0601-1:2017,3.69
公称[最大]電力
NOMINAL ELECTRIC POWER
JIS Z 4005:2012,10704
公称最高管電圧
NOMINAL X-RAY TUBE VOLTAGE
JIS T 0601-1-3:2015,3.42
公称焦点値
NOMINAL FOCAL SPOT VALUE
JIS Z 4005:2012,10709
高電圧
HIGH VOLTAGE
JIS T 0601-1:2017,3.41
高電圧発生装置
HIGH-VOLTAGE TRANSFORMER ASSEMBLY
JIS Z 4005:2012,10473
口内法[用]
INTRA-ORAL
201.3.207
散乱放射線
SCATTERED RADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.73
歯科[用]
DENTAL
201.3.201
指示値
INDICATED VALUE
JIS Z 4005:2012,10489
自動制御機能
AUTOMATIC CONTROL SYSTEM
JIS T 0601-1-3:2015,3.9
自動露出制御
AUTOMATIC EXPOSURE CONTROL
JIS T 0601-1-3:2015,3.10
出射[面視]野寸法
EXIT FIELD SIZE
201.3.204
受像面
IMAGE RECEPTION AREA
JIS T 0601-1-3:2015,3.28
準備完了状態
READY STATE
JIS Z 4005:2012,10964
焦点
FOCAL SPOT
JIS Z 4005:2012,10411
焦点外X線
EXTRA-FOCAL RADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.22
焦点皮膚間距離
FOCAL SPOT TO SKIN DISTANCE
JIS T 0601-1-3:2015,3.26
照射
IRRADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.30
照射時間
IRRADIATION TIME
JIS T 0601-1-3:2015,3.32
照射スイッチ
IRRADIATION SWITCH
JIS T 0601-1-3:2015,3.31
照射野限定器
BEAM LIMITING DEVICE
JIS T 0601-1-3:2015,3.11
剰余放射線
RESIDUAL RADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.72
制御盤
CONTROL PANEL
JIS T 0601-1-3:2015,3.14
正常状態
NORMAL CONDITION
JIS T 0601-1:2017,3.70
正常な使用
NORMAL USE
JIS T 0601-1:2017,3.71
製造業者
MANUFACTURER
JIS T 0601-1:2017,3.55
責任部門
RESPONSIBLE ORGANIZATION
JIS T 0601-1:2017,3.101
接触電流
TOUCH CURRENT
JIS T 0601-1:2017,3.129
接地漏れ電流
EARTH LEAKAGE CURRENT
JIS T 0601-1:2017,3.25
線質
RADIATION QUALITY
JIS T 0601-1-3:2015,3.60
操作者
OPERATOR
JIS T 0601-1:2017,3.73
操作モード
MODE OF OPERATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.40
装着部
APPLIED PART
JIS Z 4005:2012,10077
総ろ過
TOTAL FILTRATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.77
測定値
MEASURED VALUE
JIS T 0601-1-3:2015,3.38
ターゲット角
TARGET ANGLE
JIS Z 4005:2012,11145
単一故障状態
SINGLE FAULT CONDITION
JIS T 0601-1:2017,3.116
定格(値)
RATED (value)
JIS T 0601-1:2017,3.97
定電圧形X線高電圧装置
CONSTANT
POTENTIAL
HIGH-VOLTAGE
GENERATOR
JIS Z 4005:2012,10187
手順[手技]
PROCEDURE
JIS T 0601-1:2017,3.88
手持形
HAND-HELD
JIS T 0601-1:2017,3.37
デューティサイクル
DUTY CYCLE
JIS T 0601-1:2017,3.24
電源(商用)
SUPPLY MAINS
JIS T 0601-1:2017,3.120
電源[の見掛けの]抵抗
APPARENT RESISTANCE OF SUPPLY MAINS
JIS Z 4005:2012,10058
電源電圧
MAINS VOLTAGE
JIS T 0601-1:2017,3.54
電源部
MAINS PART
JIS T 0601-1:2017,3.49
電子式X線受像器
ELECTRONIC X-RAY IMAGE RECEPTOR
201.3.203
35
T 60601-2-65:2019 (IEC 60601-2-65:2012,Amd.1:2017)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定義した用語(日本語)
定義した用語(英語)
出典・定義した箇所
内部電源
INTERNALLY POWERED
JIS T 0601-1:2017,3.46
2ピーク形X線高電圧装置
TWO-PEAK HIGH VOLTAGE GENERATOR
201.3.209
ハザード
HAZARD
JIS T 0601-1:2017,3.39
半価層
HALF-VALUE LAYER
JIS T 0601-1-3:2015,3.27
[被写体に応じた]プログラム制
御
OBJECT PROGRAMMED CONTROL
JIS Z 4005:2012,10738
負荷
LOADING
JIS T 0601-1-3:2015,3.34
負荷時間
LOADING TIME
JIS T 0601-1-3:2015,3.37
付加ろ過
ADDITIONAL FILTRATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.3
附属文書
ACCOMPANYING DOCUMENT
JIS T 0601-1:2017,3.4
プロセス
PROCESS
JIS T 0601-1:2017,3.89
放射口
RADIATION APERTURE
JIS T 0601-1-3:2015,3.54
放射線
RADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.53
放射線検出器
RADIATION DETECTOR
JIS T 0601-1-3:2015,3.57
放射線出力
RADIATION OUTPUT
JIS Z 4005:2012,10906
放射線ビーム
RADIATION BEAM
JIS Z 4005:2012,10895
放射線防護
RADIATION PROTECTION
JIS T 0601-1-3:2015,3.59
防護区域
PROTECTED AREA
JIS T 0601-1-3:2015,3.48
防護遮蔽体
PROTECTIVE SHIELDING
JIS T 0601-1-3:2015,3.51
保護手段
MEANS OF PROTECTION(MOP)
JIS T 0601-1:2017,3.60
保護接地端子
PROTECTIVE EARTH TERMINAL
JIS T 0601-1:2017,3.95
迷放射線
STRAY RADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.75
面積線量[積]
DOSE AREA PRODUCT
201.3.202
モノブロック形装置
X-RAY MONOBLOCK ASSEMBLY
201.3.210
漏れ電流
LEAKAGE CURRENT
JIS T 0601-1:2017,3.47
漏れ放射線
LEAKAGE RADIATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.33
有効受像面
EFFECTIVE IMAGE RECEPTION AREA
JIS T 0601-1-3:2015,3.20
リスク
RISK
JIS T 0601-1:2017,3.102
リスクマネジメント
RISK MANAGEMENT
JIS T 0601-1:2017,3.107
リスクマネジメントファイル
RISK MANAGEMENT FILE
JIS T 0601-1:2017,3.108
ろ過
FILTRATION
JIS T 0601-1-3:2015,3.24