サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

T 6005:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 2 

4 一般原則························································································································· 2 

4.1 最終製品による試験 ······································································································· 2 

4.2 複数の構成品からなる歯科用骨内インプラント ··································································· 3 

4.3 ワーストケースでの試験 ································································································· 3 

5 試験方法························································································································· 3 

5.1 試験機 ························································································································· 3 

5.2 荷重の配置 ··················································································································· 3 

5.3 試験片ホルダ及び荷重の負荷 ··························································································· 6 

5.4 試験環境 ······················································································································ 7 

5.5 荷重繰返し速度及び波形 ································································································· 7 

5.6 手順 ···························································································································· 7 

5.7 ステアケース法 ············································································································· 8 

6 試験報告書······················································································································ 8 

附属書A(参考)荷重−繰返し数線図 ····················································································· 10 

附属書B(参考)ワーストケース条件決定のための手引 ····························································· 11 

参考文献 ···························································································································· 15 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 16 

T 6005:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本歯科材料

工業協同組合(JDMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格

を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本産業規格

である。これによって,JIS T 6005:2013は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,この規格の改正公示日から3年間までJIS T 6005:2013を適用することができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

T 6005:2020 

歯科用骨内インプラントの動的疲労試験方法 

Dynamic fatigue test method for endosseous dental implants 

序文 

この規格は,2016年に第3版として発行されたISO 14801を基として,国内の実情を反映するために技

術的内容を変更して作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,既製の補てつ(綴)装置構成要素を組み合わせた,粘膜を貫通する単一ポストの歯科用骨

内インプラントの疲労試験方法について規定する。この試験方法は,種々のデザイン又は寸法の歯科用骨

内インプラントを比較する場合に有用である。この試験方法は,骨内インプラント及び補てつ装置構成要

素の材料の疲労特性に関するものではない。 

この規格は,骨への植込み部の長さが8 mm未満の歯科用インプラント及び磁性アタッチメントには,

適用しない。 

この試験方法は,ワーストケース(製造業者又は製造販売業者が指定する使用方法のうち,リスクが最

も高い組合せ)の条件下で,歯科用骨内インプラントへの機能的負荷を模擬するものではあるが,この規

格は,歯科用骨内インプラント又は歯科補てつ装置の生体内での性能,特に一つの補てつ装置に複数の歯

科用骨内インプラントが使われている場合の生体内での性能を予測することには適用できない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 14801:2016,Dentistry−Implants−Dynamic loading test for endosseous dental implants(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7721 引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法 

注記 対応国際規格:ISO 7500-1,Metallic materials−Calibration and verification of static uniaxial 

testing machines−Part 1: Tension/compression testing machines−Calibration and verification of the 

force-measuring system 

ISO 1099,Metallic materials−Fatigue testing−Axial force-controlled method 

ISO 1942,Dentistry−Vocabulary 

T 6005:2020  

ISO 16443,Dentistry−Vocabulary for dental implants systems and related procedure 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,ISO 1942及びISO 16443によるほか,次による。 

3.1 

歯科用骨内インプラント(endosseous dental implant) 

骨に部分的又は全体的に植え込む歯科用インプラント。 

3.2 

歯科用骨内インプラント体(endosseous dental implant body) 

骨内及び軟組織内にある歯科用骨内インプラントの単一部品又は部分。 

3.3 

補てつ装置構成要素(prosthetic components) 

二つ以上の部品からなる歯科用骨内インプラントに使用するインプラント構成部品。 

注記 この規格では,アバットメント,アバットメントスクリュなどが補てつ装置構成要素に該当す

る。 

3.4 

歯科用骨内インプラントシステム(endosseous dental implant system) 

歯科用骨内インプラントの植込み並びにインプラントに支持される歯科補てつ装置の作製及び装着のた

めに,臨床及び技工操作に必要な既製の構成品,専用装置及び附属器具を一つにまとめたもの。 

注記1 歯科用骨内インプラントは,インプラント上部構造の固定源となるほかに,矯正装置の固定

源として使用する場合もある。 

注記2 歯科用骨内インプラントには,二つ以上の部品からなるものもある。 

注記3 インプラント上部構造という用語には,クラウン,固定性補てつ装置及び可撤性補てつ装置

を含むが,アバットメントは含まない。 

3.5 

歯科用骨内インプラント構成体(endosseous dental implant assembly) 

歯科用骨内インプラント体に補てつ装置構成要素を装着した構成体。 

3.6 

破損 

試験片の降伏若しくは永久変形,歯科用骨内インプラント構成体の緩み又は構成品の破壊。 

3.7 

荷重−繰返し数線図(load-cycle diagram) 

加えた最大荷重の各値に対して,各試験片が破損するまでに耐えた繰返し数を示すことによって,歯科

用骨内インプラントの疲労特性を集約した図。 

注記 附属書Aを参照。 

一般原則 

4.1 

最終製品による試験 

最終製品を代表する試験片(すなわち,市販の製品と同じ製造工程及び滅菌を経たもの)について,試

験を実施する。製造業者又は製造販売業者が,手術に先立って臨床医による滅菌を意図している歯科用骨

T 6005:2020  

内インプラントでは,製造業者又は製造販売業者の取扱説明書などの指定に従って,試験前に滅菌を行う。

しかし,指定の滅菌方法が,試験片の全ての材料の性質に有意な影響を及ぼさないという証拠がある場合

には,試験前に滅菌を行う必要はない。 

4.2 

複数の構成品からなる歯科用骨内インプラント 

複数の構成品からなる歯科用骨内インプラントでは,その使用方法に従って,組み立てた状態で試験を

行う。製造業者又は製造販売業者が,歯科用骨内インプラントの構成品を,他の製造業者又は製造販売業

者の構成品とともに使用するように推奨している場合には,推奨するその他の製造業者又は製造販売業者

の指示に従って構成品を組み立てた状態で試験を実施する。複数の構成品からなる機器を,ねじによって

組み立てる場合には,製造業者又は製造販売業者の指定に従って構成品を使用し,歯科用骨内インプラン

トシステム(以下,システムという。)の専用器具(スクリュードライバ,トルクレンチ)を用いて,又は

専用器具がない場合には,製造業者又は製造販売業者の指定するトルク±5 %を与える器具を用いて,指

定トルクでねじを締結する。締結は,製造業者又は製造販売業者が指定する順序で行う。 

4.3 

ワーストケースでの試験 

システムの構成品が種々の寸法及び/又は形状からなる場合には,製造業者又は製造販売業者が指定す

る使用方法のうち,ワーストケースの条件で試験を実施する。ワーストケースとして選択したことを正当

化する根拠を試験報告書に記載する。 

ワーストケースの選択法に関する手引を附属書Bに示す。 

試験方法 

5.1 

試験機 

試験機は,次による。 

a) 最大荷重の±5 %を超えない誤差で,規定荷重を負荷できるもの(JIS B 7721による。)。 

b) 規定の荷重繰返し速度で,荷重を負荷できるもの。 

c) 最大荷重・最小荷重の値及び荷重繰返し速度値をモニタする計器,並びに試験片の破損を検知する計

器をもつもの。 

d) 試験中に荷重繰返し数を記録できるもの。 

5.2 

荷重の配置 

荷重の配置は,次による。 

a) 次を満たす試験機によって荷重(F)(図1及び図2参照)を負荷する。 

1) 横方向の拘束がない。 

2) モーメントアーム(y)が測定できるか,又は計算できるように,負荷中心(図1及び図2のC点)

が十分に明確である。 

b) 角度付きアバットメントを含まないシステムについては,図1で示す試験配置が,a)の要求事項を満

たす。 

なお,図1とは異なる試験構成を用いる場合には,歯科用骨内インプラントに加わる荷重の相対的

な位置関係が,図1と同一であること,及びその試験構成がa)の要求事項を満たすことを示さなけれ

ばならない。 

c) 角度付きアバットメントを含まないシステムの歯科用骨内インプラントでは,その軸が試験機の荷重

方向に対して30°±2°の角度をなすように歯科用骨内インプラントを固定する(図1参照)。 

background image

T 6005:2020  

単位 mm 

荷重伝達装置:荷重の方向に対して横方向に,自由な運動ができなければならない[5.2 g)参照]。 

公称の骨レベル:[5.3 b)参照] 

アバットメント 

半球荷重部 

歯科用骨内インプラント体 

試験片ホルダ 

負荷装置 

図1−角度付きアバットメントを含まないシステムに対する試験装置の構成図 

d) 角度付きアバットメントを含むシステムについては,図2で示す試験配置が,a)の要求事項を満たす。 

なお,図2とは異なる試験構成を用いる場合には,歯科用骨内インプラントに加わる荷重の相対的

な位置関係が,図2と同一であること,及びその試験構成がa)の要求事項を満たすことを示さなけれ

ばならない。 

e) 角度付きアバットメントを含むシステムの歯科用骨内インプラント体では,歯科用骨内インプラント

体の長軸(図2のD−E)と試験機の荷重方向(図2のA−B)とのなす角度が,歯科用骨内インプラ

ント体の長軸とアバットメントの自由端の中心長軸(図2のG−H)との間の角度(図2のα)よりも,

10°(+2°/−1°)大きくなるように歯科用骨内インプラント体を固定する。これは,10°の角度補正

不足を模擬する。負荷方法は,図1に示す方法と同じである。負荷中心は,アバットメントの自由端

の中心長軸と歯科用骨内インプラント体の長軸に垂直な面との交点(図2のC点)に位置し,歯科用

骨内インプラント体の支持面から11 mm(図2のl)のところにある。 

background image

T 6005:2020  

単位 mm 

荷重伝達装置:荷重の方向に対して横方向に,自由な運動ができなければならない[5.2 g)参照]。 

公称の骨レベル:[5.3 b)参照] 

アバットメント 

半球荷重部 

歯科用骨内インプラント体 

試験片ホルダ 

負荷装置 

図2−角度付きアバットメントを含むシステムに対する試験装置の構成図 

f) 

アバットメントの自由端に取り付けるか,又は被せた力を伝達するための半球の接触面をもつ変形し

にくい半球荷重部を介して,試験機による荷重(F)を負荷する。半球荷重部の降伏応力及び硬さは,

荷重伝達装置よりも高いことが望ましい。角度付きアバットメントを含まないシステムについては,

半球の中心(C)である負荷中心は,歯科用骨内インプラントの中心長軸上になければならない。角

度付きアバットメントを含むシステムについては,アバットメントの自由端の中心長軸上に,負荷中

心がなければならない。 

g) 試験機の荷重方向に垂直な平面をもち,半球荷重部(図1及び図2の4)に接触する荷重伝達装置(図

1及び図2の1)によって,荷重を半球荷重部表面に負荷する。半球荷重部表面に負荷する平面をもつ

荷重伝達装置は,加える曲げモーメントを減少させないように,横方向に拘束があってはならない。

このためには,荷重伝達装置と試験機本体との接続部を,自在軸継手(ユニバーサルジョイント)若

しくは点接触にするか,又は負荷時にアバットメントのたわみ方向に自由な横運動を可能にするベア

リング付きのスラスト盤(thrust plate)にする必要がある。接続部が点接触又は自在軸継手である場合,

この接続部は,半球荷重部表面から少なくとも50 mm以上離れていることが望ましい。 

T 6005:2020  

h) 各試験後に,永久変形が起こっていないことを確かめるために,半球荷重部表面及び荷重伝達装置の

表面を目視で検査する。いずれかの表面に永久変形が認められた場合には,変形した部品を交換して,

再試験を行う。 

i) 

歯科用骨内インプラント体の中心長軸又はアバットメントの中心長軸について回転対称でない歯科用

骨内インプラント体及び/又はアバットメントについては,その意図する使用の範囲内でのワースト

ケースで試験をするように,荷重の配置を選択する。荷重の配置について,その配置の選択を正当化

する根拠を試験報告書に記載する。 

j) 

インプラント及びアバットメントの表面の状態(きず,損傷などの有無)を記載する。試験装置に装

着する際に,表面の損傷を避ける。 

5.3 

試験片ホルダ及び荷重の負荷 

試験片ホルダ及び荷重の負荷は,次による。 

a) 試験片の骨内固定部を,剛性の高い締付け具で固定する。包埋用の材料を使用する場合には,その弾

性率は,3 GPaよりも高くなければならない。締付け具の構造は,5.2に規定する試験配置を満たすも

のでなければならない。試験片が変形しないように,締付け具を設計する。 

b) 製造業者又は製造販売業者の使用説明書が指定する公称の骨レベル(植え込んだ歯科用骨内インプラ

ント体に対する骨縁の位置)から,歯科用骨内インプラント体の先端方向へ3.0 mm±0.5 mmの距離

のところで,試験片を締付け具によって固定する(図1及び図2参照)。製造業者又は製造販売業者の

使用説明書に,公称の骨レベルの記載がない場合には,ワーストケースの状態を適用する。 

注記 多くの歯科用骨内インプラントでは,植え込んだ後に,辺縁の骨レベルが下がった後に安定

状態になることが知られている。この規格では,骨レベルの低下の代表例として3.0 mmを選

択している。 

c) 角度付きアバットメントを含まないシステムについては,半球荷重部の中心(C)から試験片の支持

面までの距離(l)が11.0 mm±0.5 mmとなるように,アバットメントに半球荷重部を取り付ける(図

1参照)。モーメントアーム(y)は,l sin 30°である。標準の試験配置では,モーメントアーム(y)

は0.5 l,すなわち,5.5 mmである。l=11.0 mmにできない歯科用骨内インプラントの場合には,lと

して,異なった値を選んでもよい。lの選択について,その選択を正当化する根拠を試験報告書に記

載する。曲げモーメント(M)を,次の式で定義する。 

M=yF 

ここに, 

M: 曲げモーメント(Nmm) 

y: モーメントアーム(mm) 

F: 荷重(N) 

図1に示す場合の曲げモーメント(M)は, 

M=0.5 lF 

ここに, 

l: 半球荷重部の中心(C)から試験片の支持面までの距離(mm) 

すなわち,l=11.0 mmであり,Fをニュートン(N)単位で表す場合には,次の式となる。 

M=5.5 F(Nmm) 

d) 角度付きアバットメントを含むシステムについては,図2に示すように,歯科用骨内インプラント体

の中心長軸に平行に測定したときに,中心が歯科用骨内インプラント体の支持面からl=11.0 mm±0.5 

mmの距離にあり,かつ,アバットメントの自由端の中心長軸上にあるように,アバットメントの自

由端に半球荷重部を取り付ける。モーメントアーム(y)(図2参照)は,試験片及び試験片ホルダか

background image

T 6005:2020  

ら直接測定するか,又は計算で求めてもよい。試験片の角度公差のために,モーメントアーム(y)の

計算値は,実測値と比較して信頼性に劣る場合がある。l=11.0 mmにできない歯科用骨内インプラン

ト体及びアバットメントの場合には,lとして異なった値を選んでもよい。lの選択について,その選

択を正当化する根拠を試験報告書に記載する。曲げモーメント(M)は,測定又は計算されたyの値

から次の式によって曲げモーメントを求め,単位をニュートンミリメートル(Nmm)で試験報告書に

記載することが望ましい。 

M=y F 

ここに, 

M: 曲げモーメント(Nmm) 

y: モーメントアーム(mm) 

F: 荷重(N) 

5.4 

試験環境 

腐食疲労の報告があるか,若しくは起こることが想定される材料を含むシステム,又は高分子材料製の

構成品を含むシステムについては,生理食塩水中又はその他の生理的溶液中で試験を行う。 

なお,水中での腐食の可能性がない高分子材料製の構成品を含むシステムの場合には,水中で試験を行

ってもよい。液体での試験中は,溶液及び試験片を37 ℃±2 ℃に保つ。これら以外のシステムについて

は,大気中において,20 ℃±10 ℃で試験を行ってもよい。その試験環境について,正当性を示し試験報

告書に記載する。 

5.5 

荷重繰返し速度及び波形 

疲労試験は,軸A−Bに沿った一軸荷重で行い(図1及び図2参照),荷重を,設定した最大荷重値とこ

の値の10 %の値との間で正弦波形で変動させる。荷重繰返し速度は,15 Hz以下で行う。液体中の試験で

は,2 Hz以下の繰返し速度で行う。 

5.6 

手順 

手順は,次による。 

a) ISO 1099に規定する疲労試験に関する一般原則を適用する。 

b) 試験は,一連の荷重で実施し,少なくとも4水準の荷重で行う。開始時の適切な荷重は,同じ試験配

置で行った静的試験で破損を生じた荷重の80 %とし,その後の試験は,より小さな荷重とすることが

望ましい。 

c) 規定繰返し数は,繰返し速度が2 Hz以下の場合には2×106回,2 Hzを超える場合には5×106回とす

る。 

d) 各荷重での試験は,少なくとも2個,望ましくは3個の試験片で行う。 

e) 各試験片が破損するまで,又は規定繰返し回数に達するまで,各荷重を繰り返し負荷する。 

f) 

各荷重及び破損するまでの繰返し数(非破壊の場合は,規定繰返し数)から,荷重−繰返し数線図(附

属書A参照)を作成する。 

g) 荷重−繰返し数線図から,少なくとも3個からなる試験片の全てが,破損せずに規定の繰返し数に到

達した最大荷重(最大耐久荷重)を求める。 

h) 最大耐久荷重に対応する,最大曲げモーメント(M)[5.3 c)又は5.3 d)参照]を求める。 

i) 

影響を受けたインプラント構成品の破損の様式を記載する。また,可能な場合には,破損の過程(例

えば,アバットメントの破壊を引き起こすねじの破壊)を記載する。 

注記 規定繰返し数の決定は任意である。3個の試験片が破壊せずに規定繰返し数に到達した荷重以

下の荷重で試験を行ったとき,試験片が永久に破壊しないということを意味するものではない。 

T 6005:2020  

5.7 

ステアケース法 

5.6の方法に代わる方法として,ステアケース法を用いてもよい。手順は,次による。 

注記 ステアケース法の詳細は,ISO 12107を参照。 

a) 予想される最大耐久荷重を見積る。例えば,同等なシステムの既存データ又は静的強さが動的荷重試

験と同一の試験配置で測定された場合には,静的強さの1/2の値とする。 

b) 階差dを最大耐久荷重の見積り値の10 %とする。 

c) 最大耐久荷重の見積り値で試験を開始する。5.5に従って,試験片が破損するか,又は試験片が破損せ

ずに,繰返し速度が2 Hz以下の場合には2×106回に,2 Hzを超える場合には5×106回に到達するま

で試験を行う。 

d) 試験片が破損した場合には,荷重を階差dだけ減らす。試験片が残存した場合には,荷重を階差dだ

け増やす。 

e) 少なくとも4個の試験片が破損するまで,及び少なくとも4個の試験片が残存するまで,c)及びd)の

手順を繰り返す。 

f) 

最大耐久荷重の算術平均値mを次のように計算する。 

残存した数及び破損した数を数える。残存又は破損のうち,その試験片の数が少ない方を計算に用

いる。 

1) 残存を用いる場合 

n

d

f

m

n

i

i

=

+

=

1

)

5.0

(

2) 破損を用いる場合 

n

d

f

m

n

i

i

=

=

1

)

5.0

(

ここに, 

fi: 試験片の試験時における荷重 

n: 計算に用いた試験片の総数 

g) 次の式を用いて標準偏差σを計算する。 

)1

(

)

(

1

2

=∑

=

n

m

f

σ

n

i

i

h) 最大耐久荷重は,次の式によって与えられる。 

m+σ 

10 %,50 %及び90 %残存確率は,次の式によって計算する。 

F10%=m+1.28 σ 

F50%=m 

F90%=m−1.28 σ 

試験報告書 

試験報告書には,特に次の事項に留意し,試験装置,試験片,試験手順及び結果についてのあらゆる側

面の詳細を記載する。 

T 6005:2020  

a) 歯科用骨内インプラント及びその構成品の特定 

1) 歯科用骨内インプラント体のタイプ(例えば,スクリュ,テーパ,シリンダ) 

2) 歯科用骨内インプラント体の直径及び長さ 

3) アバットメントのタイプ[例えば,ねじ締結式,セメント固定式,テーパかん(嵌)合,円柱状,

円すい(錐)状] 

4) 角度付きアバットメントの角度(α)及びアバットメントの形状及び寸法 

5) 歯科用骨内インプラント体とアバットメントとの間のかん合,及びアバットメントと上部構造など

との間の固定についての記載及び寸法 

6) コーティング材料及びその他の表面処理を含めて,試験に用いた構成品の原材料 

7) 試験に用いた構成品の部品番号及びロット番号 

8) 製造業者又は製造販売業者名 

b) 歯科用骨内インプラントの使用目的 

c) この規格に適合している旨の記載 

d) 種々の寸法及び/又は形状がある歯科用骨内インプラントの場合,試験片選択についての根拠(4.3

参照) 

e) 回転対称でない歯科用骨内インプラントの場合,荷重の配置を選択した根拠[5.2 i)参照] 

f) 

モーメントアーム(y) 

g) モーメントアーム(y)を求めるために用いた全ての幾何学的測定値及び計算値 

h) 固定位置を定めるために用いた公称の骨レベル。製造業者又は製造販売業者の使用説明書に,公称の

骨レベルの記載がない場合,試験のために用いた公称の骨レベルの選択根拠[5.3 b)参照] 

i) 

lが11.0±0.5 mm以外の場合,l値選択の根拠[5.3 c)又は5.3 d)参照] 

j) 

包埋用の材料の弾性率,並びに試験片固定の構造及び材料についての記載 

k) 複数の構成品からなる歯科用骨内インプラントの場合,組立特性(締結用ねじの締結トルクを含む。) 

l) 

半球荷重部の球径及び表面についての記載,並びにその設計の根拠 

m) 荷重繰返し速度 

n) 試験環境:媒体(例えば,生理食塩水中,水中,大気中)及びその温度(5.4参照) 

o) 動的疲労試験の結果 

1) 荷重−繰返し数線図(附属書A参照) 

2) 5×106回(繰返し速度が2 Hz以下の試験では,2×106回)における最大耐久荷重 

3) 各試験片について,次の事項を記載した表 

− 試験荷重 

− 破損までの荷重繰返し数又は規定繰返し数 

− 破損の様式。可能な場合には,破損の過程[5.6 i)参照] 

4) 最大耐久荷重での最大曲げモーメント(M)[5.6 h)参照] 

5) 5.7に従ってステアケース法を用いた場合には,F10%,F50%及びF90%,並びに5.3 c)又は5.3 d)に従っ

て計算した対応するモーメントM10%,M50%及びM90% 

background image

10 

T 6005:2020  

附属書A 

(参考) 

荷重−繰返し数線図 

あらかじめ定まった大きさの圧縮−曲げ荷重を加えて,材料又は機器の疲労試験を行い,破損が生じる

までの荷重繰返し数を記録する。設定した異なる最大荷重で多数の試験片を試験することによって,試験

対象の疲労特性を決定する。結果を集約するために,各試験片が耐えた荷重繰返し数(対数目盛),及びそ

れに対応する設定した最大荷重(均等目盛)を図示して,試験対象について荷重−繰返し数線図を作成す

る。 

図A.1に,荷重−繰返し数線図の例を示す。 

荷重−繰返し数線図から,各試験での規定の繰返し数NFにおいても破損が生じない設定荷重の最大値

を,試験対象の最大耐久荷重として決定する。各十字は,破損した試験片を表す。矢印付きの丸はNFに

到達しても破損せず,試験から外された試験片を表す。LFは,最大耐久荷重であり,NFは,この試験で

は2×106回に,又は繰返し速度が2 Hzを超える場合では,5×106回に定まっている。 

図A.1−2×106回まで実施した試験の荷重−繰返し数線図 

試験環境:生理食塩水 

温度:37 ℃ 

荷重繰返し速度:2 Hz 

規定繰返し数:2×106回 

3x 

LF 

NF 

N

 100 

101 

102 

103 

104 

105 

106 

107 

108

荷重繰返し数(回)

+ 破損した試験片 

○ 残存した試験片 

background image

11 

T 6005:2020  

附属書B 

(参考) 

ワーストケース条件決定のための手引 

B.1 

ワーストケース条件決定のための手引 

ワーストケース条件決定のためのフローチャートを図B.1に示す。 

図B.1のステップ及び決定基準については,B.2で説明する。 

選択A 

選択B 

図B.1−ワーストケース条件決定のためのフローチャート 

ステップ 

10 

11 

12 
























インプラントシステム 

最も細い径のも
のを選ぶ 

はい 

その使用目的ごとに最も細い径
のものを選ぶ 

いいえ 

長さは任意 

はい 

公称骨レベル以下3 mmで最も小
さな断面積をもつ長さを選ぶ 

いいえ 

ワーストケース包埋レベルでの
指標を探す 
(例 径の変化,幾何学的形状の
不連続,スレッドの端部) 

いいえ 

はい 

試験条件下でどのアバットメントに対してモー
メントアームが最大となるかを考察する 

全ての径に 

対し使用目的は同一か 

包埋レベルでの断面は 

異なる長さに対し同じか 

公称骨レベルは 

ただ一つか 

アバットメントは 

角度付きか 

負荷方向は図2の試験配置に従う 

角度付き 

角度なし 

軸対称か 

はい 

角度の付 

いた方向に対して回転防止 

装置の配置だけが異なる亜型のアバ 

ットメントが存在 

するか 

試験を実施する 

一般的な力学的考察,有限要素解析(FEM)などに基
づいてワーストケースとなる方向を検討する。 
角度付きではないアバットメント: 
     最も弱くなる荷重方向を選択する。 
角度付きアバットメント: 
     亜型1又は亜型2のいずれかを選択する。 

いいえ 

はい 

いいえ 

background image

12 

T 6005:2020  

B.2 

フローチャートに関する説明(番号はフローチャートの各ステップに対応する。) 

図B.1は,ワーストケースの選択を支援するためのものである。全ての場合ではないが,同一のインプ

ラントシステムに対して異なった考え方で選択することができる。さらに,ある種のインプラントの試験

に対しては,追加の考察が必要となる場合がある。例えば,あるインプラントシステムにおいて,主とし

てアバットメント若しくはアバットメントスクリュで破損するか,又は接続界面で破損する場合には,こ

れらの接続部品を考慮して,最も弱い組合せを選択するよう特に注意する必要がある(この例の場合では,

次の4.〜7.の考察は余り重要ではない。)。 

1. 歯科用骨内インプラントは,臨床使用するために試験するものである。 

このステップでは,インプラントシステムの選択及び骨植込み部の包埋深さを記載する。インプ

ラントシステムの骨植込み部としては,アバットメントを装着するマルチピースインプラントのイ

ンプラント体であるか,又はワンピースインプラントの骨植込み部であるかのいずれかである。 

2. 全ての直径に対し使用目的は同じか又はある直径に対し制限があるか(例えば,前歯部専用)。 

3A. 制限がない場合には,最も細い直径を選択する。 

注記 特殊な場合(例えば,新しいアバットメントが試験され,アバットメント自体の疲労特性

が評価されるような場合)には,剛性状態の違いから,厚いインプラント体との組合せよ

りも,薄いインプラント体との組合せで,アバットメントに大きな負荷が生じることがあ

る。このことが知られている場合,厚いインプラント体での試験がアバットメントの疲労

特性評価におけるワーストケースであることの妥当性を示す。 

3B. ある直径に対して制限がある場合には,このタイプを異なるインプラント体又はワンピースインプ

ラント(以下,インプラント体などという。)として取り扱い,別々に試験を実施する必要がある。 

4. 予想される包埋平面(公称骨レベル以下3 mm)での断面積が全ての長さに対して等しいか,又は

差異が存在するか(例えば,テーパ形)。 

5A. 断面が等しい場合には,長さは任意である。より長い植込み部をもつインプラント体などを用いる

と強固な包埋が可能である。 

5B. 断面が異なる場合には,予想される包埋平面で最も細い直径のインプラントを選択する。3A.の注

記を考慮する。 

注記 植込み部が非常に短いインプラント体などを強固に包埋することは困難である。この規格

は,植込み部の長さが8 mm未満のインプラントには適用しない。植込み部の長さが8 mm

以上で最も細い直径のインプラントを選択する。 

6. 規定された植込み深さはただ一つか,又は異なる植込み深さが製造業者又は製造販売業者によって

background image

13 

T 6005:2020  

許容されているか。 

注記 包埋平面と負荷中心(角度付きアバットメントを含まないシステムでは半球荷重部の中心

に一致する。)との距離は,常に11 mmである。したがって,より長いインプラントの突

出部分をもつことが,必ずしも厳しい負荷状態になるとは限らない。 

7. 最も応力のかかる領域の一つは,包埋平面の位置での断面である。 

包埋深さを変えることによって,インプラントの“弱い箇所”を包埋位置と一致させることがで

きる。“弱い箇所”の例には,より細い直径(テーパ形インプラントの場合),不連続(内径又は外

径の変化,ねじ山の端部,ねじの端部など)がある。 

8. モーメントアームの決定 

この規格の規定によって,負荷角度,したがって,モーメントアームはアバットメントの角度に

依存し,さらに,インプラント体の中心長軸とアバットメント又はワンピースインプラントのアバ

ットメント相当部分の自由端の中心長軸との交点の位置にも依存する。この交点の位置は,例えば,

歯肉の厚さに対応して使用するアバットメントによっても異なる。モーメントアームは,ワースト

ケースの配置から計算するか,又は測定することが望ましい。 

9-10. 次の決定は,アバットメントが角度付きか否かによる。 

9A. 角度付きではないアバットメント又はワンピースインプラントの場合:インプラント体に対するア

バットメントの接続が軸対称である(回転防止装置がない。)場合には,試験での負荷方向に関して,

インプラント体の軸の方向は任意である。そうでない場合には11.を参照。 

9B. 角度付きアバットメントの場合:負荷方向に関して,インプラントの軸の方向は図2によって定ま

る。 

10. 回転防止装置に対して異なった状態にある角度付きアバットメントがある。すなわち,二つの亜型

1又は2である。次の図に例を示す。 

background image

14 

T 6005:2020  

(出典:CAMLOG Biotechnologies AG) 

11. 9A.において回転防止装置がある場合又は10.(亜型のある角度付きアバットメント)の場合には,

試験での負荷方向は任意ではない。 

角度付きではないアバットメントでは,接続界面に対して最も影響のある負荷方向を選択する。

二つの亜型がある角度付きアバットメントでは,接続部に最も負荷のかかる亜型を選択する。いず

れの場合も,一般的な力学的考察,有限要素法(FEM)解析などに基づいて評価することができる。 

12. 試験を開始する。 

15 

T 6005:2020  

参考文献 

[1] JIS T 6541 歯科用インプラントシステムの技術文書 

注記 対応国際規格:ISO 10451,Dentistry−Contents of technical file for dental implant systems 

[2] JIS T 14971 医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用 

注記 対応国際規格:ISO 14971,Medical devices−Application of risk management to medical devices 

[3] JIS Z 2241 金属材料引張試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 6892-1,Metallic materials−Tensile testing−Part 1:Method of test at room 

temperature 

[4] JIS Z 2273 金属材料の疲れ試験方法通則 

[5] ISO 7206-4,Implants for surgery−Partial and total hip joint prostheses−Part 4:Determination of endurance 

properties and performance of stemmed femoral components 

[6] ISO 12107,Metallic materials−Fatigue testing−Statistical planning and analysis of data 

[7] ASTM E 466-96,Standard Practice for Conducting Force Controlled Constant Amplitude Axial Fatigue Tests 

of Metallic Materials 

[8] ASTM E 468-90,Standard Practice for Presentation of Constant Amplitude Fatigue Test Results for Metallic 

Materials 

[9] United States of America, Food and Drug Administration, Center for Devices and Radiological Health, Class II 

Special Controls Guidance Document:Root-form Endosseous Dental Implants and Endosseous Dental 

Abutments−Guidance for Industry and FDA Staff, 2004-05-12 

background image

16 

T 6005:2020  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 6005:2020 歯科用骨内インプラントの動的疲労試験方法 

ISO 14801:2016,Dentistry−Implants−Dynamic loading test for endosseous dental 
implants 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 ワーストケースの

補足説明 

JISとほぼ同じ 

追加 

補足説明を追加した。 

分かりやすくした。 

3 用語及び
定義 

3.1 歯科用骨内イン
プラント 

− 

− 

追加 

定義を追加した。 

3.4の構成品を明確にするため。 

3.2歯科用骨内イン
プラント体 

3.5 

JISとほぼ同じ 

変更 

定義を変更した。 

より適切な定義に変更した。 

3.4 歯科用骨内イン
プラントシステム 

3.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO 1942:2009に規定されている
定義へ変更した。 

該当する用語の定義がISO 
1942:2009に規定されているため。 

3.5 歯科用骨内イン
プラント構成体 

3.3 

− 

変更 

定義を変更した。 

3.5の構成品を明確にするため。 

3.6 破損 

− 

− 

追加 

定義を追加した。 

ISO規格の5.6.3の記載を本文の文
脈を整備するため,定義した用語を
追加し,分かりやすくした。 

5 試験方法 5.2 荷重の配置 

a) 

5.2.1 

− 

追加 

補足説明を追加した。 

分かりやすくした。 

5.2 荷重の配置 
b) 

− 

− 

追加 

試験構成に関する旧規格の記載
を残した。 

試験構成のよりよい理解のため,及
び試験体に加わる荷重の相対的な
位置関係は,同一であるが,図1と
は異なる試験構成の試験装置が存
在するため。 

5.2 荷重の配置 
d) 

− 

− 

追加 

試験構成に関する旧規格の記載
を残した。 

角度付き接続部品を含むシステム
での指示対象を明確にするため。 

4

T

 6

0

0

5

2

0

2

0

background image

17 

T 6005:2020  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5 試験方法
(続き) 

5.2 荷重の配置 
e) 

5.2.3 

JISとほぼ同じ 

追加 

軸,荷重方向などの図中での記号
を追加した。 
“体”を追加した。 

指示対象を明確にするため。 

5.2 荷重の配置 
f) 

5.2.4 

JISとほぼ同じ 

追加 

補足説明のため,旧規格の記載を
残した。 

分かりやすくした。 

5.2 荷重の配置 
g) 

5.2.5 

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO規格の規定を推奨事項に変
更した。 

この規定を適用できない試験装置
が存在するため。 

5.2 荷重の配置 
j) 

5.2.8 

JISとほぼ同じ 

追加 

“表面の状態”の例を追加した。 分かりやすくした。 

5.3 試験片ホルダ及
び荷重の負荷 
b) 

5.3.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

“この規格では,”を追加した。 指示対象を明確にするため。 

5.3 試験片ホルダ及
び荷重の負荷 
c) d) 

5.3.3 

JISとほぼ同じ 

追加 

式の量記号の説明を追加した。 

分かりやすくした。 

5.4 試験環境 

5.4 

JISとほぼ同じ 

追加 

水中での腐食の可能性がない高
分子材料製の構成品を含むシス
テムの場合に限定して,規定を追
加した。 

FDAガイダンス(参考文献[9])に
は試験環境として,“水中”が推奨
されているが,試験対象となる高分
子材料製の構成品では,吸水性が試
験結果に影響する。このような場合
に,試験装置への負荷が大きい“生
理的溶液中”に代えて“水中”を試
験環境にできるようにするため。 

5.6 手順 
b)〜i) 

5.6.2 
5.6.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

試験手順を,時系列に沿った手順
ごとの箇条書きに変更した。 

ISO規格にある,記載の重複を除
き,手順を明確にするため。 

5.6 b) 

5.6.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

旧規格の試験開始荷重に関する
規定を推奨事項として追加した。 

試験実施の便宜を図るため。 

4

T

 6

0

0

5

2

0

2

0

background image

18 

T 6005:2020  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5 試験方法
(続き) 

− 

5.6.3 

追加の試験片が試験され,最
大耐久荷重よりも小さい荷
重で残存した場合には,それ
らの結果を記録に記載し,通
常と同様に破壊について調
査する。何ら損傷(破壊)が
ない場合には,それらを定量
的な結果として考慮しない。 

削除 

記載を削除した。 

最大耐久荷重が定まった場合,この
荷重よりも小さな荷重で追加の試
験を行うことはないため。 

6 試験報告
書 

h) 
n) 

6.1.8 
6.1.14 

JISとほぼ同じ 

追加 

補足説明を追加した。 

分かりやすくした。 

o) 3) 

6.1.15 

決定的な破損点の記載及び
位置 

変更 

“破損の様式。可能な場合には,
破損の過程”に変更した。 

5.6 i)の規定事項と整合させるため。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14801:2016,MOD 

注記1 

箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

4

T

 6

0

0

5

2

0

2

0