T 6003:2005
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本歯科材料工業協同組合(JDMA)/財団法
人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 7491:2000,Dental materials−
Determination of colour stabilityを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS T 6003には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
T 6003:2005
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 試験方法 ························································································································ 1
3.1 機器 ···························································································································· 1
3.2 手順 ···························································································································· 2
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 4
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日本工業規格 JIS
T 6003:2005
歯科材料の色調安定性試験方法
Dental materials−Determination of colour stability
序文 この規格は,2000年に第2版として発行されたISO 7491:2000,Dental materials−Determination of
colour stabilityを元に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作
成した日本工業規格であるが,色調安定性試験について,対応国際規格に規定されている方法とは異なる
方法も選択可能とした。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,歯科材料の色調安定性試験方法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 7491:2000,Dental materials−Determination of colour stability (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS Z 8902 キセノン標準白色光源
ISO 4892-2 Plastics−Methods of exposure to laboratory light sources−Part 2:Xenon-arc sources
3. 試験方法
3.1
機器 機器は,次による。
a) 照射光源 色温度が5 000〜10 000 Kで,試料における照度が150 000 lxのキセノン中圧ランプ。ISO
4892-2によって測定したとき,照度の平均値からの偏差は,試料全面において常に±10 %以内でなけ
ればならない。キセノンランプと同等な性能であれば他の照射光源も適する。キセノンランプ及び紫
外線フィルタは,劣化によって照射強度が変化するので,通常1 500時間使用したら交換することが
望ましい。照度は,照度計で測定し調節することが望ましい。
b) 紫外線フィルタ ほうけい酸ガラス製で,透過率が300 nmより短波長では1 %より低く,370 nmよ
り長波長では90 %より高いもの。
c) テストチャンバ 次の構成からなるテストチャンバ。
1) 循環水槽 JIS K 0557のA2に適合する水が37±5 ℃に保たれ,試料上端の深さ10±5 mmに浸せ
きできる循環水槽。試料は,チャンバの底に平行に保持されていなければならない。
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2) 試料ホルダ 不透明材料製(好ましくは,金属製)で,直径50 mmまでの円板状試験片を保持でき
るもの(図1参照)。
単位 mm
1 押さえ板
2 基板
3 ねじ
4 スペーサ 寸法d,試料の厚さに応じて調節する。
備考 このホルダは,数個の試料用に製作してもよい。
図 1 円板状試験片用のホルダ
3.2
手順 手順は,次による。
a) 試験片の準備 試験片の寸法,作製方法,調製方法及び対照試験片の作製方法は,この規格を引用す
る個別の歯科材料規格による。
b) 照射試験 照射試験は,次の1)又は2)による。
1) 図1に示したホルダで試験片の半分をつかむか,又はすずはく(箔)若しくはアルミニウムはくで
試験片の半分を覆う。人工歯については,歯の長軸に平行に,すずはく又はアルミニウムはくで唇
側面又はきょう(頬)側面の半分を覆う。試験片を水槽中に置き,紫外線フィルタを適切に挿入し
たキセノンランプで24±1時間照射する。試験片に陰がかからないように注意する。
2) 試験片の半分を金属はくで覆い,直射日光に延べ10時間さらす。金属はくを外して暗所に5時間保
った後,露光した部分と露光しなかった部分とを色調比較する。人工歯については,6〜8歯を一組
とした同色,かつ,同形の人工歯二組をとり,各組とも右半分又は左半分を座板からはがして直射
日光に延べ10時間さらし,他の半分を座板についたまま包装箱に保存する。直射日光にさらしたも
のを再び元の座板に植付け,色調比較する。
c) 色調比較 正常な色覚をもつ3人の検査者が,各試験片の露光された半分と露光されていない半分,
及び非照射試験片との色の差を目視検査によって比較する。検査者が正常な色覚をもつことを,医師
又は他の適切に訓練された人が立証しなければならない。検査者は,視力矯正用の無着色レンズを装
着してもよい。目視による測定は,北の空の明るい散乱光を使用するか,又はJIS Z 8902に規定する
キセノン標準白色光源を用いて著しい色反射のない場所で行う。照度は,1 000 〜2 000 lxとする。
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円板状試験片については,試験片よりも大きな反射率30±5 %のつや消しの灰色の背景の上に,試
験片の大きさに合わせた反射率約90 %のつや消しの白い背景(白色ボンド紙が適する。)を置き,そ
の上に試験片を置く。
人工歯については,反射率が30±5 %のつや消しの灰色の背景を用いる。
3人の検査者が,200〜300 mmの距離で2秒以内,試験片を観察する。3人の検査者が個別に色調
を比較し,その結果を記録する。検査者の間で不一致が生じた場合には,多数意見を判定結果とする。
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附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS T 6003:2005 歯科材料の色調安定性試験方法
ISO 7491:2000 歯科材料―色安定性の測定
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.適用範
囲
歯科材料の色調安定性試
験方法について規定。
ISO 7491
1
光及び水に暴露した
後の,歯科材料の色調
安定性の試験方法を
規定。
IDT
−
−
2.引用規
格
ISO 4892-2
2
ISO 4892-2
IDT
−
−
JIS K 0557
JIS Z 8902
ISO 3696
CIE Publication 15.2
MOD/変更 JISからの引用事項
は,ISO規格の引用事
項と同等である。
3.試験方
法
3.1 機器
a)照射光源
b)紫外線フィルタ
c)テストチャンバ
1)循環水槽
2)試料ホルダ
3.1
3.1.1
3.1.2
3.1.3
3.1.3.1
3.1.3.2
JISに同じ。
IDT
−
−
3.2手順
a)試験片の準備
b)照射試験
c)色調比較
3.2
3.2.1
3.2.2
3.2.3
JISに同じ。
照射試験
JISに同じ。
IDT
MOD/選択
IDT
JISは,ISO規格の方
法又は我が国独自の
方法で試験。
ISO規格による照射試験は,太陽光の
変動が著しい地域を想定し規格化され
たものである。我が国のように太陽光
が比較的安定している地域に適した試
験方法も選択可能とした。
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JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
― MOD/選択……… 国際規格の規定内容と別の選択肢がある。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
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