T 5504-3:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義並びに記号 ···································································································· 1
3.1 用語及び定義 ················································································································ 1
3.2 記号 ···························································································································· 2
4 種類······························································································································· 2
5 品質······························································································································· 3
5.1 材料 ···························································································································· 3
5.2 寸法 ···························································································································· 3
5.3 軸の円筒度 ··················································································································· 5
5.4 表面粗さ ······················································································································ 5
5.5 ビッカース硬さ ············································································································· 5
5.6 表示 ···························································································································· 5
6 試験方法························································································································· 5
6.1 軸径 ···························································································································· 5
6.2 その他の寸法 ················································································································ 6
6.3 軸の円筒度 ··················································································································· 6
6.4 表面粗さ ······················································································································ 6
6.5 ビッカース硬さ ············································································································· 6
7 品質管理························································································································· 6
7.1 軸部形式 ······················································································································ 6
7.2 欠点 ···························································································································· 6
附属書A(参考)合格品質水準 ······························································································· 7
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8
T 5504-3:2015
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本歯科材料工業協同組合(JDMA)及び一
般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS T 5504の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS T 5504-1 第1部:金属製
JIS T 5504-2 第2部:プラスチック製
JIS T 5504-3 第3部:セラミック製
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
T 5504-3:2015
歯科用回転器具−軸−第3部:セラミック製
Dental rotary instruments-Shanks-Part 3: Shanks made of ceramics
序文
この規格は,2013年に第1版として発行されたISO 1797-3を基とし,我が国の実態を反映させるため
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,歯科用回転器具のセラミック製の軸(以下,軸という。)について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 1797-3:2013,Dentistry−Shanks for rotary instruments−Part 3: Shanks made of ceramics(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0633 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−表面性状評価の方式及び手順
注記 対応国際規格:ISO 4288,Geometrical Product Specifications(GPS)−Surface texture: Profile
method−Rules and procedures for the assessment of surface texture(IDT)
JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性
注記 対応国際規格:ISO 3274,Geometrical Product Specifications(GPS)−Surface texture: Profile
method−Nominal characteristics of contact(stylus)instruments(IDT)
JIS T 5502 歯科用回転器具−試験方法
注記 対応国際規格:ISO 8325,Dentistry−Test methods for rotary instruments(MOD)
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
注記 対応国際規格:ISO 6507-1,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1: Test method(MOD)
3
用語及び定義並びに記号
3.1
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2
T 5504-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.1.1
軸(shank)
歯科用回転器具の一部分で,ストレートハンドピース,ギアードアングルハンドピース,技工用ハンド
ピース,エアタービンハンドピースなどのチャックに装着するもの。
3.2
記号
図1〜図8に示す記号は,次による。
d1 :軸の直径(以下,軸径という。)
d2 :溝の直径
s
:軸の周縁から平たん部までの長さ
l1
:装着部の長さ
l2
:平たん面の長さ
l3
:溝までの長さ
l4
:溝の幅
l5
:円すい(錐)形端部又は円形端部の長さ
δ
:軸の円筒度
4
種類
軸は,直径及び形状によって,次の軸部形式(タイプ)に分類する。
− 軸部形式(タイプ)1:直径2.35 mmで,溝及び平たん部をもつもの[アングルハンドピース用(CA
用)]
− 軸部形式(タイプ)2:直径2.35 mmで,円柱状のもの[ストレートハンドピース用(HP用)]
− 軸部形式(タイプ)3:直径1.6 mmで,端部が円すい形又は円形の円柱状のもの[フリクショングリ
ップ用(FG用)]
− 軸部形式(タイプ)4:直径3 mmで,円柱状のもの[ストレートハンドピース用(HP用)]
図1−軸部形式1
3
T 5504-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図2−軸部形式2及び軸部形式4
図3−軸部形式3
5
品質
5.1
材料
軸の材料は,セラミック材料でなければならない。ただし,材料の種類及びその処理方法は,製造販売
業者の任意による。
5.2
寸法
寸法及び許容差は,6.1及び6.2によって試験したとき,図4〜図7及び表1による。寸法はミリメート
ル(mm)で,表面粗さはマイクロメートル(μm)で示す。
軸部形式1,軸部形式2及び軸部形式4の軸末端の形状は,平たん,円すい形又は半球形とする。軸部
形式3の軸末端の場合は,円すい形又は半球形とする。
軸末端の形状の選択は,製造販売業者の任意とする。
単位 mm
図4−軸部形式1の寸法
4
T 5504-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
図5−軸部形式2の寸法
単位 mm
図6−軸部形式3の寸法
単位 mm
図7−軸部形式4の寸法
5
T 5504-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−軸の装着部の長さ
単位 mm
軸の種類
軸径
装着部の長さl1 最小値
ミニチュア,
ショート
スタンダード,
ロング
エキストラロング
軸部形式1a)
2.35
−
11
12
軸部形式2
2.35
15
30
30
軸部形式3
1.6
9
11
12
軸部形式4
3
−
30
30
注a) 軸部形式1の軸が(例えば,表示又は作業部によって)太くなり始める箇所は,
l1=13.5 mmを超えた部分でなければならない。
5.3
軸の円筒度
軸の円筒度(δ)(図8参照)は,6.3によって試験したとき,軸径の許容差内でなければならない。
1 d1の最大径
2 d1の最小径
図8−軸の円筒度
軸の円筒度に対する要求事項は,軸の装着部(l1)に適用する。ただし,軸末端部は除く。
5.4
表面粗さ
表面粗さ(Ra)は,6.4によって試験したとき,図4〜図7に示すように,次による。
a) 軸部形式1,軸部形式2及び軸部形式4:≦1 µm
b) 軸部形式3:≦0.5 µm
5.5
ビッカース硬さ
ビッカース硬さは,6.5によって試験したとき,1 400 HV0.5以上でなければならない。
5.6
表示
表示する場合には,装着部(l1)以外に表示することが望ましい。
装着部(l1)の範囲内に表示する場合,表示部の外径は,軸径の最大値を超えてはならない。
表示は,製造販売業者が指定する消毒,洗浄,滅菌などの処理に耐えなければならない。
6
試験方法
6.1
軸径
軸径(d1)は,0.001 mmの精度をもつ測定器具を用いて,JIS T 5502によって測定する。測定器具は,
6
T 5504-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
定期的に校正したものを用いる。
軸径(d1)は,装着部(l1)全体にわたり測定する。
6.2
その他の寸法
その他の寸法測定は,0.001 mmの精度をもつ測定器具を用いて,JIS T 5502によって測定する。測定器
具は,定期的に校正したものを用いる。
6.3
軸の円筒度
試験方法は,製造販売業者が指定する方法による。
6.4
表面粗さ
JIS B 0633及びJIS B 0651によって試験する。
6.5
ビッカース硬さ
ビッカース硬さは,JIS Z 2244によって試験する。
7
品質管理
7.1
軸部形式
品質管理のために,軸を箇条4によって分類する。
7.2
欠点
7.2.1
重欠点
重欠点は,表2に示す。重欠点とは,回転器具の操作を妨げるものである。
7.2.2
軽欠点
軽欠点は,表2に示されていない寸法で,規定値を外れたものである。その他,軽欠点には,回転器具
の品質を低下させる規定値を外れたもの全てが含まれる。
合格品質水準(AQL)は,附属書Aを参考にする。
表2−重欠点
単位 mm
軸の種類
d1
d2
l3
l4
s
軸部形式1
>2.35
>1.45
<1.80
<0.85
>1.80
軸部形式2
>2.35
−
−
−
−
軸部形式3
>1.60
<1.59
−
−
−
−
軸部形式4
>3
−
−
−
−
7
T 5504-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
合格品質水準
合格品質水準(AQL)は,100個当たりの欠点数で表示し,軸の種類別に表A.1に示す値以下であるこ
とが望ましい。
表A.1−合格品質水準
軸の種類
AQL
重欠点
軽欠点
軸部形式1
1
2.5
軸部形式2
1
2.5
軸部形式3
1
2.0
軸部形式4
1
2.5
参考文献 JIS Z 9015-1:2006 計数値検査に対する抜取検査手順−第1部:ロットごとの検査に対する
AQL指標型抜取検査方式
注記 対応国際規格:ISO 2859-1,Sampling procedures for inspection by attributes−Part 1:
Sampling schemes indexed by acceptance quality limit(AQL)for lot-by-lot inspection(IDT)
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS T 5504-3:2015 歯科用回転器具−軸−第3部:セラミック製
ISO 1797-3:2013,Dentistry−Shanks for rotary instruments−Part 3: Shanks made of
ceramics
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義並びに
記号
3.1 用語及び定義
3.1
用語及び定義にISO
1942を引用
削除
ISO 1942の引用を削除した。
ISO 1942を参照したが,定義する用
語がなかった。
3.2 軸径
3.2
−
追加
“軸径”を追加した。
文中に“軸径”を用いているため。
4 種類
軸部形式など
4
−
追加
JISの規定に整合させた。
軸部形式については,以下同様。
JIS T 5504-1に整合させ,一般的に
用いている軸部形式,対応する器具
名及び略称を用い,分かりやすくし
た。
5 品質
5.1 材料
製造販売業者
5.1
製造業者
変更
製造販売業者に変更した。
以下同様
薬事法による。
5.2 6.1及び6.2に
よって試験したと
き(mm),(μm)
5.2
−
追加
試験方法を明記した。
(mm)及び(μm)を追加した。
分かりやすくした。
5.6 表示
軸径の最大値
5.6
有効径
変更
“軸径の最大値”に変更した。 有効径の解釈を誤解のないよう明
確にした。
6 試験方法 6.1 (d1)
6.1
−
追加
“(d1)”を追加した。
分かりやすくした。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 1797-3:2013,MOD
2
T
5
5
0
4
-3
:
2
0
1
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
T
5
5
0
4
-3
:
2
0
1
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。