T 5402 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生大臣が改正した日本工
業規格である。これによってJIS T 5402 : 1979は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に整合した日本工業規格の作成及び日本
工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 7492 : 1997, Dental explorersを基礎と
して用いた。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
T 5402 : 2000
歯科用エキスプローラ
Dental explorers
序文 この規格は,1997年に第2版として発行されたISO 7492, Dental explorersを基に作成した日本工業
規格であり,寸法許容差の一部と耐食性及び耐熱性試験の一部(6.4耐食性及び耐熱性試験の蒸気温度の規
定)を除いて,対応国際規格と整合させ改正した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,歯科で使うエキスプローラ(以下,エキスプローラという。)について規定す
る。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 7492 : 1997 Dental explorers
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうち,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最
新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4309 ステンレス鋼線
JIS G 4318 冷間仕上ステンレス鋼棒
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
ISO 13402 : 1995 Surgical and dental hand instruments−Determination of resistance against
autoclaving, corrosion and thermal exposure
3. 形状,種類,寸法及び角度 エキスプローラは,作業部と柄部とから構成され,形状については,図
1,種類,寸法及び角度については,図2及び表1による。
なお,全長は178mm以下でなければならない。
2
T 5402 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 形状(一例)
図2 種類,寸法及び角度
表1 種類,寸法及び角度
種類・番号
寸法 (mm)
角度(度)
b3
±0.5
h1
±0.5
h2
±0.5
r1
α
±5
β
±5
A (010)
A011
−
4.2
3.8
4
85
−
A012
4.2
3.8
4
90
B (020)
B021又は#23
−
2.5
7.5
6
85
−
B022
1.5
9.0
6
90
C (030)
C031
−
10
3
2
85
−
C032
8.2
4.1
2.5
86
3
T 5402 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
種類・番号
寸法 (mm)
角度(度)
b3
±0.5
h1
±0.5
h2
±0.5
r1
α
±5
β
±5
C033
9
3
2
80
D (040)
D041
−
9
3
2
60
−
D042
7.2
3.2
2.5
62
E (050)
E051
−
6
−
−
67
−
E052
4.5
80
F (060)
F061
−
11.5
−
−
67
−
F062
12
80
G (070)
G071又は#18
2
5*
4*
2
125*
38
H (080)
H081又は#25
−
11
−
11
45
−
H082又は#9
6
11
35
H083又は#3
4
11
25
注*
種類・番号G071又は#18については,h1,h2の許容差を±1.0,αの許容差を±10°とする。
a) 寸法のはかり方 寸法については,表2によって測定する。
表2 測定部位
寸法
測定点
b3
ブレードの長さ
ブレードの中心線に対して平行に,ブレードの最先端から
ブレードとシャンクの境界までの距離。
h1
ブレードの高さ
ブレードの先端から図3の中心線までの距離。
h2
シャンクの高さ
シャンクの第一曲げ点の最外側から図3の中心線までの距
離。
r1
ブレード半径
ブレード内側の曲率半径
α
ブレードの角度
ブレードの中心線と器具の中心線とがなす角度。
β
オフセット角
平面図に対して90度の方向から器具を見た状態で,シャ
ンクの中心線と作業端(第一曲げ点でタンジェント角をな
したところ)の中心線に平行な線との角度(図2G参照)。
図3 寸法測定点
4. 品質
4.1
外観 エキスプローラは,さび,きず,変色及び変形がなく,3.に規定する形状でなければならない。
また,作業部は,鏡面仕上げ,つや消し仕上げのいずれかに仕上げられており,柄部は,清掃しやすい表
面形状でなければならない。
4.2
マルテンサイト系ステンレス鋼製作業部のビッカース硬さ 作業部のビッカース硬さは,6.2によっ
て試験したとき,500〜650HVlでなければならない。
4
T 5402 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.3
オーステナイト系ステンレス鋼製作業部の引張強さ 作業部の引張強さは,6.3によって試験したと
き,1 700 MPa以上でなければならない。
4.4
耐食性及び耐熱性 エキスプローラは,6.4によって試験したとき,さび及び変色がなく,その外観
が変化してはならない。また,試験後の作業部の硬さは,4.2に規定する範囲内であるか,又は引張強さが
4.3に規定する値以上でなければならない。
4.5
作業部と柄部との結合強さ 作業部と柄部とは,6.5によって試験したとき,緩んではならない。た
だし,この試験は,6.4の試験の後に行う。
5. 材料 作業部の材料は,JIS G 4303,JIS G 4309及びJIS G 4318に規定するマルテンサイト系又はオ
ーステナイト系ステンレス鋼を用いるか,若しくはこれらと同等以上の製品の品質が確保できる同系統の
材料とする。
6. 試験
6.1
試験項目 エキスプローラの試験項目は,次による。
a) ビッカース硬さ試験
b) 引張強さ試験
c) 耐食性及び耐熱性試験
d) 結合強さ試験
6.2
ビッカース硬さ試験 作業部を,JIS Z 2244に規定する試験方法によって測定する。
6.3
引張強さ試験 作業部を,JIS Z 2241に規定する試験方法によって測定する。
6.4
耐食性及び耐熱性試験 耐食性及び耐熱性試験は,次によるほか,ISO 13402の規定によって行って
もよい。
a) 沸騰水中に,エキスプローラを現品のまま浸して,30分間煮沸する。その後加熱を停止して,そのま
まの状態で1時間放置した後,エキスプローラを取り出して空気中で室温になるまで放置する。この
操作を5回反復する。次に,倍率が5倍以上の拡大鏡で,さび及び変色がないかどうか調べる。
b) 高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を用いて,蒸気温度132±2℃・蒸気圧0.2MPaに設定し,30分間
高圧蒸気滅菌を行う。エキスプローラを高圧蒸気滅菌器から取り出し,空気中で室温になるまで放置
する。この操作を5回反復する。次に,倍率が5倍以上の拡大鏡で,さび及び変色がないかどうかを
調べる。
6.5
結合強さ試験 結合強さは,次の試験を行い,エキスプローラの作業部と柄部とが緩んでいないか
どうかを調べる。
a) 作業部を柄部から引き抜く方向に,600Nの荷重を5秒間加える。
b) 作業部と柄部とを45N・cmのトルクで5秒間ねじる。
7. 表示 エキスプローラの柄部には,種類・番号を表示し,直接の容器には,次の事項を表示しなけれ
ばならない。
なお,併せてISO規格の種類・番号を表示することが望ましい。
a) 法定表示事項
1) 製造業者名及び所在地
2) 医療用具製造又は輸入許可番号
b) 規格に基づく製品の名称及び種類
5
T 5402 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 製造番号又は製造記号
8. 取扱説明書 エキスプローラの最小単位の包装には,次の事項を記載した取扱説明書が添付又は印刷
されていなければならない。
a) 消毒又は滅菌方法
b) 使用上の注意事項
関連規格 JIS T 5416 歯科用根管スプレッダ
JIS T 5417 歯科用根管プラガ
JIS T 5418 歯周ポケットプローブ
6
T 5402 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本歯科器械工業協同組合・器械規格委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
堀 部 俊 郎
ピヤス合資会社
山 口 善 男
長田電機工業株式会社
伊 藤 与士郎
株式会社デンテック
中 村 信 一
中村デンタル株式会社
金 子 泰 夫
ピヤス合資会社
藤 原 久 男
株式会社モリタ製作所
長谷川 健 嗣
株式会社吉田製作所
石 谷 薫
株式会社ワイディエム
(事務局)
佐 藤 博 雄
日本歯科器械工業協同組合
社団法人日本歯科医師会・器材部会・器械規格委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
小 倉 英 夫
日本歯科大学新潟歯学部
杉 山 勉
社団法人日本歯科医師会
小野瀬 英 雄
日本大学歯学部
川 和 忠 治
昭和大学歯学部
鶴 木 隆
東京歯科大学
宮 入 裕 夫
東京医科歯科大学医用器材研究所
山 口 善 男
長田電機工業株式会社
藤 原 久 男
株式会社モリタ製作所
長谷川 健 嗣
株式会社吉田製作所
なお,社団法人日本歯科医師会・器械規格委員会には,上記委員のほか,原案作成者,又
は,関係者の立場で次の各氏が参加している。
梅 田 昭 夫
社団法人日本歯科医師会
三 宅 公 雄
社団法人日本歯科医師会
神 成 粛 一
社団法人日本歯科医師会
野 口 八九重
社団法人日本歯科医師会
長谷川 二 郎
社団法人日本歯科医師会
庵 原 靖 之
社団法人日本歯科医師会
勝 木 紘 一
日本歯科材料器械研究協議会
堀 部 俊 郎
日本歯科器械工業協同組合
伊 藤 与士郎
日本歯科器械工業協同組合
中 村 信 一
日本歯科器械工業協同組合
金 子 泰 夫
日本歯科器械工業協同組合
石 谷 薫
日本歯科器械工業協同組合
輿 石 嘉 弘
社団法人日本歯科医師会事務局