2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
T 5301-1993
歯科用ラバーダムクランプ
Dental rubber dam clamps
1. 適用範囲 この規格は,歯科のラバーダム防湿に使うラバーダムクランプ(以下,クランプという。)
について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4313 ばね用ステンレス鋼帯
JIS H 8617 ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき
JIS Z 9002 計数規準型一回抜取検査(不良個数の場合)(抜取検査その2)
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参
考として併記したものである。
2. 種類 クランプの種類は,前歯上がく(顎)用,前歯下がく用,小きゅう(臼)歯上がく用,小きゅ
う歯下がく用,大きゅう歯上がく用及び大きゅう歯下がく用の6種類とする。
3. 品質
3.1
構造 クランプは,ラバーダムシートを使用してラバーダム防湿を行う際に,歯に適合しラバーダ
ムシートの挙上脱離が防止され,術部の視野が明りょうになる構造とする。
また,クランプかんし(鉗子)用の穴は,直径2.0mm以上の大きさとする。
3.2
形状 クランプの形状の一例を,図1に示す。
図1 形状
2
T 5301-1993
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3.3
外観 クランプは,色合い及び光沢が良好であって,きず,さび及びまくれがなく,仕上げが良好
なものでなければならない。
3.4
把持力 クランプは,5.2によって試験したとき,15N {1.53kgf} 〜80N {8.16kgf} の把持力でなけれ
ばならない。
3.5
耐熱性及び耐食性 クランプは,5.3によって試験したとき,外観にさび及び変色を発生してはなら
ない。
4. 材料 クランプの材料は,JIS G 4305又はJIS G 4313に規定する材料を用いるものとする。めっきを
施す場合は,JIS H 8617に規定するめっきを施すものとする。
5. 試験
5.1
試験項目 クランプの試験項目は,次のとおりとする。
(1) 把持力試験
(2) 耐熱性及び耐食性試験
備考 これらの検査は,JIS Z 9002によって行う。
5.2
把持力試験 クランプの把持力試験は,JIS G 4303に規定するSUS 303を用い,表1に示す直径に
仕上げた質量80gの丸鋼の装着部に,クランプを図2に示すように装着し,クランプかんし用の穴を図2
のA方向(水平方向)に広げ,丸鋼が脱落したときの力を測定する。この力を把持力とする。
表1 クランプの種類による丸鋼の装着部の直径
種類
直径 (d)
前歯下がく用
6.0
前歯上がく用
6.5
小きゅう歯下がく用
8.0
小きゅう歯上がく用
9.5
大きゅう歯下がく用
10.5
大きゅう歯上がく用
11.0
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T 5301-1993
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図2 把持力試験法
5.3
耐熱性及び耐食性試験 耐熱性及び耐食性試験は,次のとおりとする。
(1) 蒸留水を用いて加熱し,沸騰させる。次に,その中にクランプを浸し,30分間煮沸する。時間が経過
したら加熱を停止し,そのままの状態で1時間放置する。その後,クランプを取り出し,空気中で室
温になるまで放置する。この操作を5回反復した後,クランプの外観を目視によって調べる。
(2) 高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を用いて,蒸気温度132℃・蒸気圧0.2MPa {2kgf/cm2} に設定し,
30分間高圧蒸気滅菌を行う。クランプを高圧蒸気滅菌器から取り出し,空気中で室温になるまで放置
する。この操作を5回反復した後,クランプの外観を目視によって調べる。
(3) 製造業者の指定する方法で消毒を行う。この操作を5回反復した後,クランプの外観を目視によって
調べる。
6. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格の名称及び種類による。
例 歯科用ラバーダムクランプ 前歯上がく用
7. 表示 クランプには,直接の容器に次の事項を表示しなければならない。
(1) 法定表示事項
(2) 規格の名称及び種類
(3) 清掃及び消毒方法
関連規格 JIS B 0601 表面粗さの定義と表示
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T 5301-1993
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医療安全用具部会 歯科器械専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
大 橋 正 敬
日本大学
小野瀬 英 雄
日本大学
川 和 忠 治
昭和大学
平 澤 忠
鶴見大学
吉 田 隆 一
日本歯科大学
淺 井 康 宏
東京歯科大学
稲 葉 裕 俊
工業技術院標準部
澤 宏 紀
厚生省薬務局
梅 田 昭 夫
日本歯科医師会
太 田 喜一郎
日本歯科医師会
鴨 井 久 一
日本歯科医師会
鶴 木 隆
日本歯科医師会
中 島 博 和
日本歯科医師会
土 生 博 義
日本歯科医師会
石 谷 薫
株式会社ワイデム・ヤマウラ
菅 谷 昭 正
株式会社吉田製作所
中 村 信 一
中村デンタル株式会社
堀 部 俊 郎
ピヤス合資会社
伊 藤 与士郎
株式会社デンテック
大 谷 哲 三
日本歯科器械工業協同組合
(事務局)
柾 谷 栄 吾
工業技術院標準部電気規格課
金 地 隆 志
工業技術院標準部電気規格課