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T 3261:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 構成及び各部の名称 ·········································································································· 3 

5 カテーテルイントロデューサの要求事項 ··············································································· 4 

5.1 一般 ···························································································································· 4 

5.2 表面 ···························································································································· 4 

5.3 腐食抵抗性 ··················································································································· 4 

5.4 シースイントロデューサの要求事項··················································································· 4 

5.5 ダイレータの要求事項 ···································································································· 5 

6 生物学的安全性 ················································································································ 5 

7 無菌性の保証 ··················································································································· 5 

8 包装······························································································································· 5 

8.1 一次包装 ······················································································································ 5 

8.2 二次包装 ······················································································································ 5 

9 表示······························································································································· 5 

9.1 一次包装 ······················································································································ 5 

9.2 二次包装 ······················································································································ 6 

9.3 図記号の使用 ················································································································ 6 

附属書A(参考)材料及び設計に関するガイダンス ···································································· 7 

附属書B(規定)腐食抵抗性に関する試験方法 ··········································································· 8 

附属書C(規定)シースイントロデューサ及びダイレータの最大引張強度の測定方法 ························ 9 

附属書D(規定)加圧条件下でのシースイントロデューサの液漏れ試験方法 ··································· 11 

附属書E(規定)シースイントロデューサ止血弁からの液漏れ試験方法 ········································· 13 

参考文献 ···························································································································· 14 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 15 

T 3261:2017  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具

して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正

した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 3261:2012は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本工業規格          JIS 

T 3261:2017 

滅菌済みカテーテルイントロデューサ 

Sterile single-use catheter introducers 

序文 

この規格は,2014年に第2版として発行されたISO 11070を基とし,国内事情に合わせるため,一部の

技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,カテーテルなどを身体へ経皮的又は経口的に挿入,配置するときに用いる単回使用の血管

用又は非血管用カテーテルイントロデューサについて規定する。ただし,ヘパリン,ウロキナーゼなどの

生物由来原料をコーティングして抗血栓性を発現させるシースイントロデューサは除く。 

注記1 構成品に関する材料及び設計に関するガイダンスを,附属書Aに示す。 

注記2 2020年10月31日までJIS T 3261:2012を適用することができる。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 11070:2014,Sterile single-use intravascular introducers, dilators and guidewires(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS T 0307 医療機器−医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号 

JIS T 0993-1 医療機器の生物学的評価−第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験 

注記 対応国際規格:ISO 10993-1,Biological evaluation of medical devices−Part 1: Evaluation and 

testing within a risk management process 

ISO 594-1:1986,Conical fittings with 6 % (Luer) taper for syringes, needles and certain other medical 

equipment−Part 1: General requirements 

ISO 594-2:1998,Conical fittings with 6 % (Luer) taper for syringes, needles and certain other medical 

equipment−Part 2: Lock fittings 

ISO 80369-7,Small-bore connectors for liquids and gases in healthcare applications−Part 7: Connectors for 

intravascular or hypodermic applications 

T 3261:2017  

ISO 7886-1,Sterile hypodermic syringes for single use−Part 1: Syringes for manual use 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

カテーテルイントロデューサ 

身体への挿入を容易にするために,カテーテルとともに用いられるように設計された器具。シースイン

トロデューサ(3.2)とダイレータ(3.3)とを組み合わせたものである。 

3.2 

シースイントロデューサ(sheath introducer) 

一般的にはダイレータに被せ,ダイレータを除去した後にガイドワイヤ又はカテーテルを身体に挿入で

きる柔軟性のあるチューブ。止血弁が付いているもの,サイドアームが付いているもの,シースが分割で

きるピールオフタイプのもの,カテーテル挿入口を2個以上もつもの及びマーカをもつものがある。 

3.3 

ダイレータ(dilator) 

シースイントロデューサと組み合わせて使用するように設計されたもの。開口部を拡張し,身体に挿入

する器具。 

3.4 

患者側端(patient end) 

患者に挿入する側の器具の先端。 

3.5 

有効長(effective length) 

身体に挿入できる器具の長さ。 

3.6 

ハブ(hub) 

カテーテルイントロデューサと一体をなす,又はカテーテルイントロデューサの手元端で固定する,カ

テーテルイントロデューサの手元端にある接続端。 

3.7 

チップ(tip) 

器具の患者側先端。 

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構成及び各部の名称 

カテーテルイントロデューサの構成及び各部の名称の例を,図1に示す。 

a) 止血弁及びサイドアーム付きカテーテルイントロデューサ 

b) ピールオフ型カテーテルイントロデューサ 

c) 止血弁及びサイドアーム付き血管用シースイントロデューサ 

d) ピールオフ型シースイントロデューサ 

e) ダイレータ 

チップ 

シース 

シース本体及び止血弁 

ルアーフィッティング付きストップコック 

サイドアーム 

サイドアーム結合部 

ハブ 

取手部 

図1−カテーテルイントロデューサの構成及び各部の名称例 

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カテーテルイントロデューサの要求事項 

5.1 

一般 

カテーテルイントロデューサは,バリデーションされた方法で滅菌し,滅菌後の状態において5.2〜5.5

及び箇条6の規定に適合しなければならない。 

5.2 

表面 

目視又は2.5倍に拡大して試験したとき,カテーテルイントロデューサの外表面にきずなどの異常があ

ってはならない。また,患者側端を含む各器具の有効長箇所の外表面は,製造工程での欠陥がなく,かつ,

使用中に身体に対する損傷を最小限にするものでなければならない。 

カテーテルイントロデューサに潤滑剤処理が施されている場合には,目視などで試験したとき,外表面

にその液滴があってはならない。 

5.3 

腐食抵抗性 

カテーテルイントロデューサに金属材料を使用し,かつ,その部位が間接的又は直接的に薬液又は血液

に接触する場合は,附属書Bによって試験したとき,金属部分に腐食の兆候があった場合,用途及びリス

クアセスメントについて腐食の程度を評価して,製品の性能・安全性に影響がないことを確認しなければ

ならない。 

5.4 

シースイントロデューサの要求事項 

5.4.1 

シースイントロデューサの耐圧性 

血管造影に使用することを意図するシースイントロデューサは,附属書Dによって最小300 kPaで試験

したとき,水滴の落下などの漏れがあってはならない。 

5.4.2 

止血弁の耐圧性 

止血弁付きシースイントロデューサは,附属書Eによって試験したとき,止血弁からの漏れがあっては

ならない。 

5.4.3 

ハブ 

ハブをもつ場合,ハブは,ISO 594-2:1998又はISO 80369-7に適合するめす6 %ルアーロックテーパかん

(嵌)合ができるものでなければならない。 

5.4.4 

最大引張強度 

附属書Cによって試験したとき,シース及びシースとシース本体との接合部の最大引張強度の下限値は,

表1による。 

表1−シースイントロデューサの最大引張強度 

最小外径 

mm 

最大引張強度の下限値 

0.550以上 

0.750未満 

 3 

0.750以上 

1.150未満 

 5 

1.150以上 

1.850未満 

10 

1.850以上 

15 

5.4.5 

エックス線不透過性 

シースイントロデューサを透視下で使用する場合には,エックス線不透過性でなければならない。適合

性は適切な方法で評価を行わなければならない。 

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5.5 

ダイレータの要求事項 

5.5.1 

ハブ 

ダイレータにはハブが付いていなければならない。 

5.5.2 

かん(嵌)合 

ハブがめす6 %ルアーテーパかん(嵌)合である場合には,かん(嵌)合はISO 594-1:1986又はISO 80369-7

に適合しなければならない。 

5.5.3 

ダイレータ及びハブとダイレータとの接合部の強度 

附属書Cによって試験したとき,ダイレータ及びハブとダイレータとの接合部の最大引張強度は,表1

のとおりでなければならない。 

生物学的安全性 

JIS T 0993-1に規定する生物学的安全性の評価を行わなければならない。 

無菌性の保証 

無菌性の保証は,滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無菌性の担保を行わな

ければならない。 

注記 滅菌バリデーション基準には,厚生労働省が定めた滅菌バリデーション基準がある。 

包装 

8.1 

一次包装 

一次包装は,微生物の侵入を防止することができ,かつ,通常の取扱い,輸送及び保管中に,内容製品

を適切に保護できるものでなければならない。また,一次包装は,一度開封したならば,簡単に再シール

できず,開封したことが明確に分からなければならない。 

8.2 

二次包装 

二次包装は,通常の取扱い,輸送及び保管中に内容製品を保護できる強度をもたなければならない。 

表示 

9.1 

一次包装 

一次包装には,次を表示する。 

a) カテーテルイントロデューサのサイズ及び情報:外径(mm),内径(mm)及び有効長(mm又はcm)。

ただし,外径及び内径をミリメートル(mm)で示すほか,フレンチ(シャリエール)又はゲージを

参考で併記してもよい。また,内径の代わりに適合カテーテルの外径を示してもよい。 

注記1 エックス線不透過性に関する情報も含めることが望ましい。 

注記2 フレンチ(シャリエール)は,F(Ch)などで表記するのがよい。1 mmが3F(Ch)に相

当し,1/3 mm刻みで表記する。ゲージは,Gなどで表記するのがよい。 

b) 製造番号又は製造記号 

c) 使用期限 

d) “滅菌済み”の旨 

e) “再使用禁止”の旨(“ディスポーザブル”の表現は,使用しない。) 

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9.2 

二次包装 

二次包装には次を表示する。ただし,二次包装を用いないで,一次包装を最小販売単位の包装として用

いる場合は,次を一次包装に表示する。 

なお,製造番号又は製造記号が滅菌年月を表示している場合は,改めて滅菌年月の表示は必要としない。

また,滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよい。 

a) 製造販売業者の氏名又は名称,及び住所 

b) 販売名 

c) 医療機器の認証番号又は承認番号 

d) カテーテルイントロデューサのサイズ及び情報:外径(mm),内径(mm)及び有効長(mm又はcm)。

ただし,外径及び内径をミリメートル(mm)で示すほか,フレンチ(シャリエール)又はゲージを

参考で併記してもよい。また,内径の代わりに適合カテーテルの外径を示してもよい。 

注記1 エックス線不透過性に関する情報も含めることが望ましい。 

注記2 フレンチ(シャリエール)は,F(Ch)などで表記するのがよい。1 mmが3F(Ch)に相

当し,1/3 mm刻みで表記する。ゲージは,Gなどで表記するのがよい。 

e) 製造番号又は製造記号 

f) 

“滅菌済み”の旨 

g) “再使用禁止”の旨(“ディスポーザブル”の表現は,使用しない。) 

h) 数量(入り数) 

i) 

滅菌年月 

9.3 

図記号の使用 

9.1及び9.2の要件は,JIS T 0307に規定する適切な図記号を使用することによってこれに替えてもよい。 

注記 JIS T 0307に規定する主な図記号の例を,表2に示す。 

表2−JIS T 0307に規定する主な図記号の例 

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附属書A 

(参考) 

材料及び設計に関するガイダンス 

A.1 シースイントロデューサ 

シースイントロデューサは,次による。 

− シースイントロデューサのチップは,身体に挿入したとき,シースのめくれを最小限とするよう設計

することが望ましい。 

− シースイントロデューサのチップは,ダイレータに密着し,通常使用においてクラックがないことが

望ましい。 

− シースイントロデューサのラジアル方向の剛性によって,ダイレータを除去してもイントロデューサ

は開存したままがよい。 

− シースイントロデューサは,刺入ができる程度の十分な柔軟性があるが,通常使用条件下でキンクし

ないことが望ましい。 

A.2 ダイレータ 

ダイレータは,ある程度柔軟性をもつことが必要であるが,経皮的に挿入する開口部を拡張するために

は,十分な堅ろう(牢)性も必要である。チップは,身体組織に挿入するとき,めくれを最小限とするよ

う設計することが望ましい。 

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附属書B 

(規定) 

腐食抵抗性に関する試験方法 

B.1 

概要 

試料を生理食塩水に,次いで沸騰する蒸留水又は脱イオン水中に浸せき(漬)する。その後,目視で腐

食の有無を確認する。 

B.2 

試験溶液 

B.2.1 生理食塩水 分析用試薬グレードの塩化ナトリウムを,新たに精製した蒸留水又は脱イオン水に溶

解させた溶液[c(NaCl)=0.15 mol/L] 

B.2.2 蒸留水又は脱イオン水 

B.3 

器具 

B.3.1 ほうけい酸ガラス製ビーカー 

B.4 

手順 

B.4.1 ほうけい酸ガラス製ビーカー(B.3.1)に入れた生理食塩水(B.2.1)中に,試料を室温22±5 ℃で

5時間浸せき(漬)する。 

B.4.2 試料を取り出し,沸騰する蒸留水又は脱イオン水(B.2.2)中に30分間浸せき(漬)する。 

B.4.3 水と試料とを37±2 ℃まで冷却後,この温度で48時間放置する。 

B.4.4 試料を取り出し,室温で乾燥させる。 

B.4.5 使用時に分離することを意図した二つ以上の構成部品から成る試料は,分解する。金属部分のコー

ティングについては,剝ぎ取ってはならない。腐食の状況を目視で確認する。 

適切なリスクを元にした臨床上の理由によって,別の期間及び温度を使った追加試験を実施することが

できる。 

B.5 

試験報告書 

試験報告書には,次の情報を記載する。 

a) カテーテルイントロデューサの識別 

b) 腐食の発生の有無 

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附属書C 
(規定) 

シースイントロデューサ及びダイレータの最大引張強度の測定方法 

C.1 概要 

シースイントロデューサ及びダイレータ(以下,各器具という。)の試料は,チューブ部分及びハブとチ

ューブとの接合部が試験できるよう選択する。 

C.2 装置 

C.2.1 引張試験機 15 N以上の引張力を加えることができるもの。 

C.3 手順 

C.3.1 試料を選択する。該当する場合,試料にはハブを含める。 

C.3.2 37±2 ℃の水中に臨床上適切な時間,試料を浸せき(漬)調整する。その後,直ちに試験を行う。 

C.3.3 引張試験機に試料をセットする。ハブがある場合には,ハブの変形を避けるため適切な器具を使用

する。 

C.3.4 試料のゲージ長,すなわち,引張試験機のつかみ具間の距離又は該当する場合には,ハブと試料の

他方の端を保持するつかみ具との間の距離を測定する。 

C.3.5 試料が二つ以上に破断するか,又は表1の規定値まで,ゲージ長1 mm当たり20 mm/minの単位ひ

ずみ速度で引張力を加える(表C.1参照)。 

破断したときの引張力,又は規定値以上の引張力をニュートンで表し,この値を最大引張強度として記

録する。 

C.3.6 異なる外径の部分をもつチューブ単体によって構成される器具を試験する場合は,試料は最小外径

を含めなければならない。 

C.3.7 サイドアームを1本又は複数もつ器具を試験する場合は,次による。 

a) 各サイドアームについてC.3.2〜C.3.5を繰り返す。 

b) サイドアームと身体への挿入を意図した部分との隣接部分の接合部を含めた試験片でC.3.2〜C.3.5を

繰り返す。 

c) 各接合部についてb)を繰り返す。 

C.3.8 各試料について2回以上の試験を行ってはならない。 

表C.1−ゲージ長1 mm当たり20 mm/minの単位ひずみ速度を生じる引張速度の例 

ゲージ長 

mm 

引張速度 

mm/min 

10 

200 

20 

400 

25 

500 

10 

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C.4 試験報告書 

試験報告書には,次の情報を記載する。 

a) 各器具の識別 

b) 各試料の最大引張強度(単位:N) 

c) 破断した箇所 

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附属書D 
(規定) 

加圧条件下でのシースイントロデューサの液漏れ試験方法 

D.1 概要 

リーク防止コネクタを介してシースイントロデューサを注射筒に接続する。シースイントロデューサに

水圧を加え,試料の漏れを試験する。 

D.2 試験溶液 

D.2.1 蒸留水又は脱イオン水 

D.3 器具 

D.3.1 リーク防止コネクタ シースイントロデューサの先端と注射筒(D.3.2)とに接続でき,少なくと

も300 kPaの圧力が測定できる圧力計を取り付けることができ,内部の容量が小さなもの。 

D.3.2 適切なサイズの注射筒 ISO 7886-1に規定する押し子及び先端口の漏れ試験に合格したもの又は

同等の装置。 

D.3.3 つかみ具など(試料を塞ぐ手段として用いる。)。 

D.4 手順 

D.4.1 リーク防止コネクタ(D.3.1)を用い,シースイントロデューサ(図D.1参照)の先端を注射筒(D.3.2)

に取り付ける(図D.1参照)。 

D.4.2 室温22±2 ℃の蒸留水又は脱イオン水(D.2.1)で注射筒を満たし,空気を除去する。注射筒内の

水容量を,公称目盛付き容量に調整する。器具の排出口は,一体性の止血弁,サイドアームを含め(存在

する場合),全て閉鎖する(D.3.3)。 

注記 器具は活栓を通じて圧力をかけ,遠位端を閉塞してもよい。 

D.4.3 注射筒とシースイントロデューサとの接続が水平となるように位置決めを行う。押し子と外筒との

相互作用によって最小300 kPaの圧力が発生するように注射筒に軸方向の力を加える。この圧力を30秒間

維持する。試料からの液漏れ(1滴以上の水滴落下)の有無を調べ,その結果を記録する。 

D.5 試験報告書 

試験報告書には,次の情報を記載する。 

a) シースイントロデューサの識別 

b) 漏れ発生の有無 

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注射筒 

圧力計 

リーク防止コネクタ 

止血弁 

シースイントロデューサ 

サイドアーム 

活栓 

栓 

図D.1−シースイントロデューサの液漏れ試験装置 

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附属書E 

(規定) 

シースイントロデューサ止血弁からの液漏れ試験方法 

E.1 

概要 

リーク防止コネクタを用いてシースイントロデューサを注射筒に接続する。シースイントロデューサに

水圧を加え,試料からの漏れを試験する。 

E.2 

試験溶液及び器具 

D.2及びD.3に規定する試験溶液及び器具を用いる。 

E.3 

手順 

D.4に規定する方法によるほか,次による。 

a) D.4.2に従うが,止血弁の出口は閉鎖しない。圧縮バルブについては,適切なカテーテルを挿入し,そ

の取扱説明書に従ってバルブを操作する。 

b) D.4.3に従い,圧力を最低38 kPaとし,止血弁又は圧縮バルブ出口からの液漏れの有無を調べる。 

E.4 

試験報告書 

試験報告書には,次の情報を記載する。 

a) シースイントロデューサの識別 

b) 止血弁出口からの漏れ発生の有無 

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参考文献 

[1] ISO 7864:2016,Sterile hypodermic needles for single use−Requirements and test methods 

[2] ISO 9626:2016,Stainless steel needle tubing for the manufacture of medical devices−Requirements and test 

methods 

[3] ISO 10555-1:2013,Intravascular catheters−Sterile and single-use catheters−Part 1: General requirements 

[4] ISO 10555-3:2013,Intravascular catheters−Sterile and single-use catheters−Part 3: Central venous catheters 

[5] ISO 10555-4:2013,Intravascular catheters−Sterile and single-use catheters−Part 4: Balloon dilatation 

catheters 

[6] ISO 10555-5:2013,Intravascular catheters−Sterile and single-use catheters−Part 5: Over-needle peripheral 

catheters 

[7] ISO 11135:2014,Sterilization of health-care products−Ethylene oxide−Requirements for the development, 

validation and routine control of a sterilization process for medical devices 

[8] ISO 11137-1:2006,Sterilization of health care products−Radiation−Part 1: Requirements for development, 

validation and routine control of a sterilization process for medical devices, Amd 1:2013 

[9] ISO 11137-2:2013,Sterilization of health care products−Radiation−Part 2: Establishing the sterilization dose 

[10] ISO 11137-3:2006,Sterilization of health care products−Radiation−Part 3: Guidance on dosimetric aspects 

[11] ISO 15223-1:2016,Medical devices−Symbols to be used with medical device labels, labelling and information 

to be supplied−Part 1: General requirements 

[12] ISO 17665-1:2006,Sterilization of health care products−Moist heat−Part 1: Requirements for the 

development, validation and routine control of a sterilization process for medical devices 

background image

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 3261:2017 滅菌済みカテーテルイントロデューサ 

ISO 11070:2014,Sterile single-use intravascular introducers, dilators and guidewires 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 カテーテルイント

ロデューサについ
て規定。 

血管用カテーテルと
使用する,1回使用を
目的としたイントロ
デューサニードル,イ
ントロデューサカテ
ーテル,シースイント
ロデューサ,ガイドワ
イヤ及びダイレータ
の要求事項について
規定。 

変更 

ISO 11070の適用範囲は血管用だ
が,範囲を非血管用まで拡大した。
また,カテーテルイントロデューサ
に限定した。 

非血管用カテーテルイントロデュ
ーサは,対応する国際規格がない
ため,適用範囲が血管用であるが,
ISO規格を基礎として用いた。 
国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

3 用語及び
定義 

3.1 カテーテルイ
ントロデューサ 

3.9 

JISとほぼ同じ 

変更 

適用範囲を非血管用にまで拡大し
た。 

1 適用範囲と同じ。 

3.2 シースイント
ロデューサ 

3.13 

JISとほぼ同じ 

変更 

国内での流通を考慮して追加した。 規格使用者の利便性を考慮し,追

加。技術的差異はない。 

3.3 ダイレータ 

3.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

適用範囲を非血管用にまで拡大し
た。 

1 適用範囲と同じ。 

3.4 患者側端 

3.4 

一致 

− 

3.5 有効長 

3.5 

JISとほぼ同じ 

変更 

適用範囲を非血管用にまで拡大し
た。 

1 適用範囲と同じ。 

3.6 ハブ 

3.7 

JISとほぼ同じ 

変更 

カテーテルイントロデューサに限
定した。 

1 適用範囲と同じ。 

3.7 チップ 

3.14 

一致 

− 

3

T

 3

2

6

1

2

0

1

7

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(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 構成及び
各部の名称 

− 

追加 

箇条4を追加し,図1で各部の名称
を規定した。JISの図1のa),c)及
びe)がISO規格と同じ。 

規格使用者の利便性を考慮し,追
加。実質的な差異はない。 

5 カテーテ
ルイントロ
デューサの
要求事項 

5.1 一般 

4.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

カテーテルイントロデューサに限
定した。 

1 適用範囲と同じ。 

5.2 表面 

4.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

適用範囲を非血管用にまで拡大し
た。カテーテルイントロデューサに
限定した。 

1 適用範囲と同じ。 

5.3 腐食抵抗性 

4.4 

JISとほぼ同じ 

変更 

カテーテルイントロデューサに限
定した。 

1 適用範囲と同じ。 

5.4 シースイント
ロデューサの要求
事項 
5.4.1 シースイン
トロデューサの耐
圧性 

7.1 
7.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

シースイントロデューサに限定し
た。 

1 適用範囲と同じ。 

5.4.2 止血弁の耐
圧性 

7.4 

一致 

− 

5.4.3 ハブ 

7.5 

一致 

− 

5.4.4 最大引張強
度 

7.6 

一致 

− 

5.4.5 エックス線
不透過性 

4.5 

JISとほぼ同じ 

変更 

シースイントロデューサに限定し
た。 

1 適用範囲と同じ。 

5.5 ダイレータの
要求事項 
5.5.1 ハブ 

9.1 
9.3 
9.3.1 

一致 

− 

5.5.2 かん(嵌)
合 

9.3.2 

一致 

− 

3

T

 3

2

6

1

2

0

1

7

background image

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5 カテーテ
ルイントロ
デューサの
要求事項
(続き) 

5.5.3 ダイレータ
及びハブとダイレ
ータとの接合部の
強度 

9.3.3 

一致 

− 

6 生物学的
安全性 

4.2 

一致 

− 

7 無菌性の
保証 

4.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO規格と同等の基準であり,我が
国で実績のある基準を記載した。 

滅菌バリデーション基準について
明記。実質的な差異はない。 

8 包装 

8.1一次包装 
8.2二次包装 

− 

− 

追加 

一次包装及び二次包装に区分した。 国内事情のため,特に国際提案な

どはしない。 

9 表示 

9.1一次包装 
9.2二次包装 

4.6 
7.2 
7.7 
9.2 
9.4 

製造販売業者が提供
する情報 

変更 

一次包装及び二次包装に区分した。 表示に関する規定をこの項に集約

した。国内事情のため,特に国際
提案などはしない。 

9.3図記号の使用 

− 

− 

追加 

図記号の使用についての規定を追
加した。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

− 

− 

イントロデューサニ
ードルの付加要求事
項 

削除 

この規格の適用範囲外のため。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

− 

− 

イントロデューサカ
テーテルの付加要求
事項 

削除 

この規格の適用範囲外のため。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

− 

− 

ガイドワイヤの付加
要求事項 

削除 

この規格の適用範囲外のため。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

− 

− 

10 

規定する器具の組合
せを含むキットにつ
いての付加要求事項 

削除 

この規格の適用範囲外のため。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

3

T

 3

2

6

1

2

0

1

7

background image

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書A 
(参考) 

材料及び設計に関
するガイダンス 

附属書A 
(参考) 

JISとほぼ同じ 

変更 

シースイントロデューサに限定し
た。 

1 適用範囲と同じ。 

附属書B 
(規定) 

腐食抵抗性に関す
る試験方法 

附属書B 
(規定) 

一致 

− 

附属書C 
(規定) 

シースイントロデ
ューサ及びダイレ
ータの最大引張強
度の測定方法 

附属書C 
(規定) 

JISとほぼ同じ 

追加 
 
 
変更 

試料が二つ以上に破断する確認方
法に加え,試料が規定値を満たすこ
とを確認する方法を追加した。 
シースイントロデューサ及びダイ
レータに限定した。 

規格使用者の利便性を考慮し,追
加。技術的差異はない。 
 
1 適用範囲と同じ。 

附属書D 
(規定) 

加圧条件下でのシ
ースイントロデュ
ーサの液漏れ試験
方法 

附属書D 
(規定) 

一致 

− 

附属書E 
(規定) 

シースイントロデ
ューサ止血弁から
の液漏れ試験方法 

附属書E 
(規定) 
 

一致 

− 

− 

− 

附属書F 
(規定) 

− 

削除 

この規格の適用範囲外のため。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

− 

− 

附属書G 
(規定) 

− 

削除 

この規格の適用範囲外のため。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

− 

− 

附属書H 
(規定) 

− 

削除 

この規格の適用範囲外のため。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

− 

− 

附属書I 
(規定) 

− 

削除 

この規格の適用範囲外のため。 

国内事情のため,特に国際提案な
どはしない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11070:2014,MOD 

3

T

 3

2

6

1

2

0

1

7

background image

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

3

T

 3

2

6

1

2

0

1

7