T 3257:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 構成及び各部の名称 ·········································································································· 2
5 物理的要求事項 ················································································································ 2
5.1 材料 ···························································································································· 2
5.2 外観及び清浄度 ············································································································· 3
5.3 せん(穿)刺針の針先又は刃面 ························································································ 3
5.4 自動ランセットの設計 ···································································································· 3
5.5 引抜強さ ······················································································································ 3
6 無菌性の保証 ··················································································································· 3
7 生物学的安全性 ················································································································ 3
8 包装······························································································································· 3
8.1 自己収納形ランセット ···································································································· 3
8.2 一次包装 ······················································································································ 4
8.3 二次包装 ······················································································································ 4
9 表示······························································································································· 4
9.1 二次包装 ······················································································································ 4
9.2 図記号の使用 ················································································································ 4
T 3257:2013
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本医療器材工業
会(JMED)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。こ
れによって,JIS T 3257:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
T 3257:2013
単回使用自動ランセット
Single use automatic lancets
序文
この規格は,2007年に制定され今日に至っている。今回,使用者の利便性のため用語,文書構成などの
内容を変更して改正した日本工業規格である。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,血液検体を採取するために用いる小形で鋭利な先のとが(尖)った滅菌済みのランセット
で,そのまま直ちに使用でき,かつ,単回使用の自動式のランセット(以下,自動ランセットという。)に
ついて規定する。ただし,手動式のランセットは除く。
なお,平成28年8月31日までJIS T 3257:2007は適用することができる。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS G 4305:2012 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4309:2013 ステンレス鋼線
JIS T 0307:2004 医療機器−医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
JIS T 0993-1: 2012 医療機器の生物学的評価−第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及
び試験
ISO 9626:1991,Stainless steel needle tubing for the manufacture of medical devices 及びAmendment 1:2001
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
自動ランセット
指先,耳たぶなどにせん(穿)刺し,その毛細血管から採血した後,分析用に少量の血液を押し出し血
液検体とする作業を効率よく行う器具。自動ランセットは,主として専用のせん(穿)刺器具に装着し,
せん(穿)刺器具を操作することでランセットに装塡したせん(穿)刺用針又はランセット自体が飛び出
し皮膚をせん(穿)刺する機構をもつ。また,自動ランセットは針基又は保護容器のいずれかがせん(穿)
刺器具に装着できる設計となっている。
3.2
せん(穿)刺用針
2
T 3257:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
皮膚をせん(穿)刺する部品。ステンレス鋼線又はステンレス鋼管を鋭利にカットしたもの。
3.3
針基
せん(穿)刺用針の針先の反対側を保護容器部内又はせん(穿)刺器具に固定する部品。
3.4
保護容器
せん(穿)刺用針をせん(穿)刺器具に取り付けるための構造をもち,せん(穿)刺用針のさや(鞘)
の役割を併せもつもので,使用するまでせん(穿)刺用針を保護する容器。キャップと組み合わせること
でせん(穿)刺用針のせん(穿)刺部分の無菌性を保持するものもある(3.6参照)。
3.5
保護キャップ
せん(穿)刺するとき保護容器若しくは針基から取り外す,又は切り取る構造になっていて,ランセッ
トを使用するまでせん(穿)刺用針を保護するキャップ。
3.6
自己収納形ランセット
保護容器又は針基と保護キャップで,せん(穿)刺用針のせん(穿)刺部分の無菌性を保持することを
意図して設計した自動ランセット。
3.7
一次包装
自己収納形ランセット以外の自動ランセットを直接に覆う包装で,自動ランセットの無菌性を保持する
ためのもの。さらに,これを二次包装する場合には,いわゆる“内袋”に該当する。
3.8
二次包装
一次包装又は自己収納形ランセットを直接に覆う包装。通常,一次包装した自動ランセット又は自己収
納形ランセットを複数(例えば,100本)入れた包装。
4
構成及び各部の名称
自動ランセットは主に,保護キャップ,せん(穿)刺用針,及び針基からなり,必要に応じて保護容器
を附属する。
せん(穿)刺用針又はランセットの針先は,斜めにカットしたもの,ペンシルポイント形又はきり(錐)
状とする。一般的な針先の例を図1に示す。
図1−ランセットの針先形状例
5
物理的要求事項
5.1
材料
せん(穿)刺用針の材料は,JIS G 4309:2013に規定するステンレス鋼,JIS G 4305:2012に規定するSUS304,
SUS304L,若しくはSUS321又はISO 9626:1991の材料の項に適合するステンレス鋼とする。
3
T 3257:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
潤滑剤としてシリコーン油を用いる場合には,シリコーン油は,シリコーン油基準又はこれと同等以上
の基準に適合するものとする。潤滑油の量は,せん(穿)刺用針の表面に液滴を認める量であってはなら
ない。
注記 シリコーン油基準には,厚生労働省が定めたシリコーン油基準がある。
5.2
外観及び清浄度
せん(穿)刺用針の針基から針先又は刃面までの表面の外観及び清浄度は,目視検査したとき,次のと
おりでなければならない。
a) きずがなく,仕上げ面が滑らかで,表面に微粒子又は異物の付着があってはならない。
b) 有害な酸化物,切り粉などの微粒子又は異物の付着があってはならない。
5.3
せん(穿)刺針の針先又は刃面
せん(穿)刺針の針先又は刃面は,鋭利に研磨してあり,目視で分かるようなばり,ささくれなどがあ
ってはならない。
5.4
自動ランセットの設計
せん(穿)刺用針は,針基から針先までの長さ又は保護容器から飛び出す針の有効寸法(皮膚に入る最
大寸法)が4.5 mm以下となる構造又は機構とする。
5.5
引抜強さ
せん(穿)刺用針と針基との接合(接着)強度は,針基との接合(接着)部分におけるせん(穿)刺用
針の最小外径に応じ,せん(穿)刺用針の中心軸方向に表1の引抜荷重を加えたとき,せん(穿)刺用針
は針基から引き抜けてはならない。
表1−引抜荷重
せん(穿)刺用針の外径
mm
引抜荷重
N
0.2以上 0.5未満
8
0.5以上 0.8未満
15
0.8以上
20
6
無菌性の保証
無菌性を保証する場合は,滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無菌性の担保
を行う。
注記 滅菌バリデーション基準には,厚生労働省が定めた滅菌バリデーション基準がある。
7
生物学的安全性
JIS T 0993-1:2012に規定する生物学的安全性の評価を行う。
8
包装
8.1
自己収納形ランセット
自己収納形ランセットは,保護容器又は針基と保護キャップで微生物の侵入を防止することができ,通
常の取扱い,輸送及び保管中に内容の部品を適切に保護できるものでなければならない。自己収納形ラン
セットは,一度開封したら開封したことが明確に分かるものでなければならない。
4
T 3257:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.2
一次包装
一次包装は,使用前に容易に破れるおそれがなく,微生物の侵入を防止することができ,通常の取扱い,
輸送及び保管中に,製品を適切に保護できるものでなければならない。また,一度開封したら,包装は簡
単に再シールできず,開封したことが明確に分かるものでなければならない。
8.3
二次包装
二次包装は,通常の取扱い,輸送及び保管中に製品を保護できる強度をもたなければならない。
9
表示
9.1
二次包装
二次包装には,次の事項を表示する。ただし,二次包装を用いないで,一次包装を最小販売単位の包装
として用いる場合には,次の事項を一次包装に表示する。
なお,製造番号又は製造記号が滅菌年月を表している場合は,改めて滅菌年月の表示をする必要はない。
また,滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよい。
a) 製造販売業者の氏名又は名称,及び住所
b) 販売名
c) 数量(入り数)
d) “滅菌済み”の旨
e) “再使用禁止”の旨(“ディスポーザブル”の表現は使用しない。)
f)
製造番号又は製造記号
g) 滅菌年月
h) 他の法定表示事項
9.2
図記号の使用
9.1は,JIS T 0307:2004に規定する適切な図記号を使用することによってこれに替えてもよい。
注記 JIS T 0307:2004に規定する主な図記号の例を,表2に示す。
表2−JIS T 0307に規定する図記号の例