T 3216:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 構成及び各部の名称 ·········································································································· 2
5 要求事項························································································································· 3
5.1 外観及び清浄度 ············································································································· 3
5.2 留置用カテーテル ·········································································································· 3
5.3 拡張用バルーンカテーテル ······························································································ 4
5.4 腐食抵抗性 ··················································································································· 4
5.5 構成品 ························································································································· 4
6 生物学的安全性 ················································································································ 4
7 無菌性の保証 ··················································································································· 4
8 包装······························································································································· 5
8.1 一次包装 ······················································································································ 5
8.2 二次包装 ······················································································································ 5
9 表示······························································································································· 5
9.1 一次包装 ······················································································································ 5
9.2 二次包装 ······················································································································ 5
9.3 図記号の使用 ················································································································ 5
附属書A(規定)コネクタの安全性の試験方法 ·········································································· 7
附属書B(規定)引張強さに対する試験方法·············································································· 8
附属書C(規定)バルーンの耐久性試験方法 ············································································ 10
附属書D(規定)腐食抵抗性に関する試験方法 ········································································· 12
T 3216:2012
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本医療器材工業
会(JMED)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS T 3216:2011は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
T 3216:2012
腎ろう(瘻)又はぼうこうろう(膀胱瘻)
カテーテル
Tubes and catheters for nephrostomy and cystostomy
序文
この規格は,2005年に制定され,その後1回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2011年に
行われたが,その後の規格の追加に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,経皮的に腎ろう(瘻)又はぼうこうろう(膀胱瘻)を造設して,腎,尿管又はぼうこう(膀
胱)に留置し,導尿,造影又は薬液注入に使用するカテーテル(以下,カテーテルという。)について規定
する。
なお,平成27年6月30日までJIS T 3216:2011は適用することができる。また,平成26年7月28日ま
でJIS T 3216:2005は適用することができる。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の西暦年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS T 0307:2004 医療機器−医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
JIS T 0993-1:2012 医療機器の生物学的評価−第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及
び試験
JIS T 2107:2011 単回使用手術用メス
JIS T 3214:2011 ぼうこう(膀胱)留置用カテーテル
JIS T 3215:2011 体内留置排液用チューブ及びカテーテル
JIS T 3242:2011 非血管用ガイドワイヤ
JIS T 3260:2007 カテーテル拡張器
JIS T 3262:2007 イントロデューサ針
ISO 594-1:1986,Conical fittings with a 6 % (Luer) taper for syringes, needles and certain other medical
equipment−Part 1: General requirements
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2
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3.1
シャフト
体内に挿入されるカテーテルの主幹部。
3.2
ハブ(コネクタ)
カテーテルと他の機器との接続部。
3.3
ファネル
カテーテルの漏斗状のめす(雌)形接続部。
3.4
先端部
術者から見て,患者に挿入するカテーテルの先端又はその部分。
3.5
バルーン
カテーテルのシャフトに備えた風船様の部分。留置用及び拡張用がある。
3.6
側孔
カテーテルの側面に開けた孔。
4
構成及び各部の名称
一般的なカテーテルの構成及び各部の名称は,図1による。また,バルーン付きのカテーテルには,留
置用及び拡張用がある。
なお,図1は,カテーテルの構成及び各部の名称の例である。
a) 留置用カテーテル
図1−カテーテルの構成及び各部の名称例
3
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b) 拡張用バルーンカテーテル
1
シャフト
2
ハブ
3
ファネル
4
バルーン
5
側孔
6
マーカ
注記 構成品として,スカルペル,せん(穿)刺針,スタイレット又はオブチュレータなどの形状保持具,
ダイレータ(シース),ガイドワイヤ,接続チューブ,活栓,固定具などが附属する場合がある。
図1−カテーテルの構成及び各部の名称例(続き)
5
要求事項
5.1
外観及び清浄度
カテーテル及び構成品は,目視で検査したとき,きず,ばり又は異物の付着があってはならない。
5.2
留置用カテーテル
留置用カテーテルは,次による。
a) 接続部の引張強さ 附属書Aによって試験し,接続部の強度は,表1の値以上とする。ただし,ファ
ネル形状の接続部の強度は,JIS T 3214の5.5(排尿用ファネルの安全性)とする。
表1−接続部の強度
外径
mm
最小引張強度
N
2 >
5
2〜4
5
> 4
15
注記 この表の数値は,JIS T 3215の表1を引用。
b) カテーテル及び接合部の引張強さ 附属書Bによって試験し,カテーテル及び接合部の破断強度は,
表2の値以上とする。ただし,バルーンをもつ留置用カテーテルの破断強度は,JIS T 3214の5.4(強
度)とする。
表2−カテーテル及び接続部の破断強度
外径
mm
最小破断強度
N
2 >
5
2〜4
10
> 4
20
注記 この表の数値は,JIS T 3215の表2を引用。
4
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c) 留置用バルーンの安全性 非膨張時のバルーンの末端は,シャフト部分に滑らかにつながるような形
状でなければならない。
なお,バルーンは膨張時(常温で規定の容量まで水を注入したとき)に,ほぼ対称(バルーンのシ
ャフト中央部までの距離の最大比が4未満)に膨張しなければならない。また,附属書Cによって試
験したとき,バルーン内の水は,ほとんど抜けなければならない。
d) 排尿用ルーメンの詰まり 留置用カテーテルを人工尿に14日間浸せき(漬)した後,排尿用ルーメン
に水を流すとき,詰まりは認められず水は問題なく流れなければならない。
なお,洗浄用ルーメンをもつ留置用カテーテルの場合は,洗浄用ルーメンについても確認しなけれ
ばならない。
5.3
拡張用バルーンカテーテル
造設に用いられる拡張用バルーンカテーテルは,次による。
a) 引張強さ 拡張用カテーテルの任意の2か所を3.9 Nで引っ張ったとき,破断及び亀裂を生じてはな
らない。
b) 接合部の引張強さ 拡張用カテーテル及びハブを把持し,4.9 Nの力で引っ張ったとき,破断及び亀裂
を生じてはならない。
c) 耐圧性 加圧器又は注射筒をハブに接続し,バルーンを製造販売業者が指定する圧又は量の空気又は
水を注入して拡張したとき,バルーンの破裂,漏れなどの異常があってはならない。
なお,製造販売業者が指定する圧又は量は,添付文書に記載する。
5.4
腐食抵抗性
カテーテルの体内に留置する部分に金属を使用する場合には,附属書Dによって試験し,試料に腐食が
あってはならない。
5.5
構成品
構成品が下記に該当する場合は,次による。
a) スカルペル スカルペルは,JIS T 2107の箇条5(品質),箇条6(外観),箇条7(材料)及び箇条8
(ハンドル)に適合しなければならない。
b) せん(穿)刺針 せん(穿)刺針は,JIS T 3262の5.4[せん(穿)刺針の要求事項]及び5.5[外と
う(套)管の要求事項]に適合しなければならない。
c) ガイドワイヤ ガイドワイヤは,JIS T 3242の5.1(引張強さ)に適合しなければならない。
d) ダイレータ ダイレータは,JIS T 3260の5.4(ハブ)及び5.5(ガイドワイヤの通過性)に適合しな
ければならない。
6
生物学的安全性
JIS T 0993-1に規定する生物学的安全性の評価を行う。
7
無菌性の保証
“滅菌済み”の旨を表示するものは,滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無
菌性の担保を行う。
注記 滅菌バリデーション基準には,厚生労働省が定めた滅菌バリデーション基準がある。
5
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8
包装
8.1
一次包装
一次包装は,微生物の侵入を防止することができ,通常の取扱い,輸送及び保管中に,内容製品を適切
に保護できるものでなければならない。一次包装は,一度開封したら,簡単に再シールできず,開封され
たことが明確に分からなければならない。
8.2
二次包装
二次包装は,通常の取扱い,輸送及び保管中に,内容製品を保護できる強度をもつものとする。
9
表示
9.1
一次包装
一次包装には,次の事項を表示する。
a) カテーテルの外径(mm)及び長さ(mm又はcm)。ただし,外径をミリメートル(mm)で示すほか,
フレンチ(シャリエール)を参考で併記してもよい。
注記 フレンチ(シャリエール)は,F(Ch)などで表記するのがよい。
b) mLで示したバルーン容量又は注入量
c) 滅菌済みである場合は,“滅菌済み”の旨
d) 製造番号又は製造記号
9.2
二次包装
二次包装には,次の事項を表示する。ただし,二次包装を用いず,一次包装を最小販売単位の包装とし
て用いる場合は,次の事項を一次包装に表示する。
なお,製造番号又は製造記号が滅菌年月を表示している場合は,改めて滅菌年月の表示は必要としない。
また,滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよい。
a) 製造販売業者の氏名又は名称,及び住所
b) 医療機器の認証番号
c) 販売名
d) カテーテルの外径(mm)及び長さ(mm又はcm)。ただし,外径をミリメートル(mm)で示すほか,
フレンチ(シャリエール)を参考で併記してもよい。
注記 フレンチ(シャリエール)は,F(Ch)などで表記するのがよい。
e) 数量(入り数)
f)
滅菌済みである場合は,“滅菌済み”の旨
g) “再使用禁止”の旨(“ディスポーザブル”の表現は使用しない。)
h) “天然ゴム”を使用しているものは,その旨
i)
製造番号又は製造記号
j)
滅菌年月
9.3
図記号の使用
9.1及び9.2は,JIS T 0307に規定する適切な図記号を使用することによってこれに替えてもよい。
注記 JIS T 0307に規定する主な図記号の例を,表3に示す。
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表3−JIS T 0307に規定する主な図記号の例
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附属書A
(規定)
コネクタの安全性の試験方法
A.1 概要
コネクタに引張力を加え,接続部の分離について調べる。
A.2 試験器具
15 N以上の引張力を負荷できる引張試験機とする。
A.3 試験手順
試験手順は,次による。
a) 製造販売業者の指示書に従ってコネクタを組み立てる。組み立てたコネクタを引張試験機に取り付け
る(必要に応じ,適切な取付具を使用してコネクタが変形しないようにする。)。
b) 製品規格に規定する力で引っ張り,接続部が分離するかどうかを試験する。
A.4 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) カテーテルの識別
b) 破断点の引張力又は印加した指定引張力,及び各試料の外径
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附属書B
(規定)
引張強さに対する試験方法
B.1
概要
カテーテルの試料を選択し,管状部分,ハブ又はコネクタとチューブとの接合部及びチューブどうしの
接合部の試験を行う。
B.2
試験器具
20 N以上の引張力を負荷できる引張試験機とする。
B.3
試験手順
試験手順は,次による。
a) 体内に挿入されるカテーテルの部分を,相対湿度100 %の環境中又は水中に,温度37±2 ℃で2時間
放置する。カテーテルの残りの部分は,室温の環境に2時間置く。この後,直ちに試験する。
b) カテーテルを試料とし,試験する。ハブ又はコネクタがある場合は,試料にそれも含め,チューブと
先端部との間のような接合部がある場合もその接合部を含める。長さが3 mm未満の末端部は,試料
から除外する。
c) 試料を引張試験機に固定する。ハブ又はコネクタがある場合には,適切な取付具を使用してハブ又は
コネクタが変形しないようにする。
d) 試料のゲージ長を測定する。この場合,引張試験機のつかみ具間の長さ,ハブ又はコネクタと,その
逆側の試料末端を把持しているつかみ具との間の長さのいずれかを選んで測定する。
e) 試料が二つ以上の断片に分離してしまうまで,又は指定された強さになるまで,ゲージ長1 mm当た
り20 mm/minの単位ひずみ速度で引張力を加える(表B.1参照)。
加えた力をニュートン(N)で記録する。
表B.1−ゲージ長1 mm当たり20 mm/minの単位ひずみ速度を生じる引張速度例
ゲージ長
mm
引張速度
mm/min
10
200
20
400
25
500
f)
試験するカテーテルが異なる外径部位をもつ単一管状部材で構成されている場合は,異なる外径の試
料それぞれに対してb)〜e) を繰り返す。
g) サイドポートが一つ以上あるカテーテルを試験する場合は,次による。
1) サイドポートに対し,b)〜e) を繰り返す。
2) サイドポートとそれに隣接した体内に挿入される部分との接合部を含む試料に対し,b)〜e) を繰り
返す。
3) 各接合部に対し,2) を行う。
h) 各試料に対し,2回以上の試験を行ってはならない。
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B.4
試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) カテーテルの識別
b) 破断点の引張力又は印加した指定引張力,及び各試料の外径
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附属書C
(規定)
バルーンの耐久性試験方法
C.1 概要
蒸留水で膨らましたカテーテルのバルーンを人工尿中に14日間浸せき(漬)後の,バルーン内の水の排
水状態について確認する。
C.2 試薬
試薬は,次による。
C.2.1 蒸留水
C.2.2 人工尿 人工尿のpH値は約6.6及び成分は次による。
尿素
25.0 g
塩化ナトリウム
9.0 g
無水りん酸二水素ナトリウム
2.5 g
塩化アンモニウム
3.0 g
りん酸二水素カリウム
2.5 g
クレアチニン
2.0 g
亜硫酸ナトリウム(水和物)
3.0 g
蒸留水
1.0 L
C.3 試験装置
C.3.1 クランプ又はそれに代わる器具 カテーテルをつり下げる目的で使用する。
C.3.2 おす(雄)6 %(ルアーテーパ)注射筒 ISO 594-1に適合する注射筒(ピストン部分を取り外し
たもの)等。
C.3.3 水槽 水温を37±2 ℃に保持できるもの。
C.3.4 メスシリンダー 誤差±1 %,バルーンの大きさに合ったもの。
C.4 試験手順
試験手順は,次による。
バルーンに蒸留水(C.2.1参照)を注入し,製造業者が推奨するバルーン容量又は注入量(表示量)まで
膨らます。新しい人工尿(C.2.2参照)を入れた水槽(C.3.3参照)にカテーテルを浸せき(漬)する。人
工尿の温度は,37±2 ℃に保持しておく。カテーテルは完全に浸せき(漬)しておく。14日間浸せき(漬)
後,カテーテルを人工尿から取り出し,水道水で洗って乾かした後,試験装置(C.3.1参照)を用いて固定
する。バルブに注射筒(C.3.2参照)を接続し,バルーン内の蒸留水を自然排出又は徐々に吸引排出させる
とき,蒸留水はほとんど抜ける。参考として排出した蒸留水の量を測定しておく。
C.5 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
11
T 3216:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 試験に供したカテーテルの名称,形式,製造番号(又は製造記号)など,サイズ及びバルーン容量又
は注入量。
b) 試験結果。参考としてバルーン内の蒸留水の排出状態[回収水量/注入量に対する比率(%)]。
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附属書D
(規定)
腐食抵抗性に関する試験方法
D.1 概要
カテーテルを塩化ナトリウム溶液中及び沸騰した水の中に浸せき(漬)した後の金属部品への腐食の形
跡について調べる。
D.2 試薬
試薬は,次による。
D.2.1 塩化ナトリウム溶液 新たに調製した蒸留水に分析用試薬グレードの塩化ナトリウム0.9 %(w/v)
を含んだ食塩水。
D.2.2 水 蒸留水又は脱イオン水。
D.3 試験器具
試験器具は,ほうけい酸ガラス製ビーカーとする。
D.4 試験手順
試験手順は,次による。
ガラス製ビーカー(D.3参照)に入れた塩化ナトリウム溶液(D.2.1参照)中に,カテーテルを室温で5
時間浸せき(漬)する。試験試料を取り出し,沸騰した水(D.2.2参照)中に30分間浸せき(漬)する。
試験試料を水ごと室温まで冷却し,同温のまま48時間放置する。試験試料を取り出し,室温で乾燥させる。
使用のときに外せるようになっている部品が二つ以上ある試料は分解する。
なお,金属部品上の不透明な皮膜は,剝がしたり切り開いたりしてはならない。
試料の金属部品に腐食の形跡があるかどうかを目視によって検査する。
D.5 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) カテーテルの識別
b) 腐食の有無