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T 3214:2011  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 構成······························································································································· 2 

5 要求事項 ························································································································· 2 

5.1 一般 ···························································································································· 2 

5.2 表面の仕上状態 ············································································································· 3 

5.3 寸法 ···························································································································· 3 

5.4 強度 ···························································································································· 5 

5.5 排尿用ファネルの安全性 ································································································· 5 

5.6 バルーンの安全性 ·········································································································· 5 

5.7 排尿用及び洗浄用ルーメンの詰まり ··················································································· 5 

5.8 生物学的安全性 ············································································································· 5 

5.9 無菌性の保証 ················································································································ 5 

5.10 腐食試験 ····················································································································· 5 

6 表示事項 ························································································································· 5 

附属書A(規定)カテーテル強度試験 ······················································································ 6 

附属書B(規定)排尿用ファネルの安全性試験 ··········································································· 9 

附属書C(規定)バルーンの安全性試験 ·················································································· 11 

附属書D(規定)バルーンの耐久性試験 ·················································································· 13 

附属書E(規定)腐食抵抗性に関する試験 ················································································ 15 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本医療器材工業

会(JMED)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 3214:2005は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 3214:2011 

ぼうこう(膀胱)留置用カテーテル 

Urethral catheters 

序文 

この規格は,2005年に制定されたJIS T 3214の見直しにおいて,使用者の利便性のため用語,文書構成

などの内容を変更して改正した日本工業規格である。 

適用範囲 

この規格は,尿道経由のぼうこう(膀胱)留置用カテーテル(以下,カテーテルという。)で,導尿,圧

迫止血及び/又はぼうこう(膀胱)洗浄用などに使用するカテーテル(バルーン付き又はなし。)について

規定する。また,未滅菌品にも,この規格を適用する。 

ただし,ろう(瘻)孔から留置するじんろう(腎瘻)カテーテル及びぼうこうろう(膀胱瘻)カテーテ

ルは,この規格の適用外とする。 

なお,平成26年7月28日までJIS T 3214:2005は適用することができる。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の西暦年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS T 0993-1:2005 医療機器の生物学的評価−第1部:評価及び試験 

JIS T 4202:1953 標準計測板 

ISO 594-1:1986,Conical fittings with a 6 % (Luer) taper for syringes, needles and certain other medical 

equipment−Part 1: General requirements 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

ぼうこう(膀胱)留置用カテーテル 

導尿,圧迫止血及び/又はぼうこう(膀胱)洗浄用などを目的とし,尿道を経由してぼうこう(膀胱)

に留置するチューブ状の器具。 

3.2 

バルーン容量又は注入量 

バルーンを適切に膨張させるためにバルーンルーメン及びバルーンに注入する液体の量。 

3.3 

シャフト 

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カテーテルの先端部,バルーン,ファネル及び/又はバルブを除いた部分。 

3.4 

外径 

JIS T 4202又はこれに準じた計測用具を用いて,バルーンのファネル側の端から2.5 cmの位置で測った

ときのシャフト外径。ただし,シャフトの断面がだ円形の場合は,長径を外径とする。 

3.5 

バルーン膨張用滅菌水入り注射筒 

バルーンを拡張するための滅菌水をあらかじめ注射筒に充塡したもの。 

構成 

一般の構成品は,ぼうこう(膀胱)留置用カテーテルには,スタイレット,温度センサ,バルーン膨張

用滅菌水入り注射筒,潤滑剤,消毒剤で,更に手袋,綿球,ガーゼ,せっし(鑷子),尿バッグ,検査尿採

取用スピッツ,ラッピングシーツ,トレイ,保存容器,保護キャップなどの衛生材料,衛生用品及び附属

器具類を附属してもよい。 

要求事項 

5.1 

一般 

試験は,全て最終製品又は試験に適したサンプルを用いて行う。一般的なバルーン付きカテーテルの構

造及び各部の名称を,図1に示す。ただし,図1は,バルーン付きカテーテルの構造及び各部の名称の例

である。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 
 
 
 A :先端部 
 B :側孔 
 C :バルーン 
 D :シャフト 
 E :排尿用ファネル 
 F :バルブ 
 G :バルーンファネル 
 H :分岐部 
 

I :バルーンルーメン 

J :排尿用ルーメン 

 K :洗浄用ルーメン 
 L :バルーン孔 
 M :洗浄孔 
 N :洗浄用ファネル 
 P :スタイレット 

a) 2こう(腔)式(2-way)の例 

b) 3こう(腔)式(3-way)の例 

図1−バルーン付きカテーテルの構造及び各部の名称例 

5.2 

表面の仕上状態 

使用可能な状態に完成しているカテーテルを目視で検査したとき,シャフト,先端部,バルーン及び側

孔部分に異物の付着があってはならない。 

5.3 

寸法 

5.3.1 

寸法の表示 

カテーテルの寸法は,公称外径で表すものとし,0.1 mm単位に丸めたmm単位で表すものとする。 

なお,許容差は,+0.66 mm〜−0.33 mmとする。寸法の表示は,表1に示す外径寸法ごとにmmで示す

ほか,フレンチ(シャリエール)又は英式ゲージを併記してもよい。 

注記 フレンチ(シャリエール)は,F(Ch)などで表記するのがよい。また,英式ゲージは,EGな

どで表記するのがよい。 

例1 外径が2 mmの場合 

2.0 mm,6 F(Ch)又は2 EG 

例2 外径が2 2/3 mmの場合 

2.7 mm,8 F(Ch) 

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表1−寸法の表示記号及び番号 

公称外径 

寸法の表示記号及び番号 

mm 

mm 

F(Ch) 

EG 

2.0 

2 1/3 

2.3 

2 1/2 

2.5 

2 2/3 

2.7 

3.0 

3 1/3 

3.3 

10 

3 1/2 

3.5 

3 2/3 

3.7 

4.0 

12 

4 1/3 

4.3 

4 1/2 

4.5 

4 2/3 

4.7 

14 

5.0 

5 1/3 

5.3 

16 

5 1/2 

5.5 

5 2/3 

5.7 

6.0 

18 

10 

6 1/3 

6.3 

6 1/2 

6.5 

11 

6 2/3 

6.7 

20 

7.0 

12 

7 1/3 

7.3 

22 

7 1/2 

7.5 

13 

7 2/3 

7.7 

8.0 

24 

14 

8 1/3 

8.3 

8 1/2 

8.5 

15 

8 2/3 

8.7 

26 

9.0 

16 

9 1/3 

9.3 

28 

9 1/2 

9.5 

17 

9 2/3 

9.7 

10 

10.0 

30 

18 

5.3.2 

バルーン容量又は注入量の表示 

バルーン容量は,バルーンの容量を示す。バルーン注入量は,バルーンを適切に膨張させるために注入

する容量を示す。表示単位は,mL単位で示す。 

5.3.3 

長さ 

全長(L)及びシャフト長さ(S)は,表2に示す値以上でなければならない。 

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表2−長さ 

単位 mm 

カテーテルの種類 

L(最小) 

S(最小) 

小児用,バルーンなし 

120 

該当せず 

小児用,バルーン付き 

220 

150 

女性用,バルーンなし 

120 

該当せず 

女性用,バルーン付き 

220 

130 

男性用,バルーンなし 

250 

該当せず 

男性用,バルーン付き 

350 

220 

5.4 

強度 

附属書Aによって試験したとき,排尿用ファネルがシャフトから外れてはならない。さらに,シャフト

が損傷してはならない。 

5.5 

排尿用ファネルの安全性 

附属書Bによって試験したとき,排尿用ファネルから試験用コネクタが外れてはならない。 

5.6 

バルーンの安全性 

附属書Cによって試験したとき,バルーンの液漏れの発生及び側孔の閉塞が起こってはならない。 

なお,非膨張時のバルーンの末端とシャフトとの接合部は滑らかでなければならない。また,バルーン

は膨張時(常温で規定の容量まで水を注入したときに),ほぼ対称(バルーンのシャフト中央部までの距離

の最大比が4未満)に膨張しなければならない。 

また,附属書Dによって試験したとき,バルーン内の水の回収率は規定値よりも大きくなければならな

い。 

5.7 

排尿用及び洗浄用ルーメンの詰まり 

カテーテルを人工尿に14日間浸せきした後,排尿用ルーメン及び洗浄用ルーメンに水を流したとき,詰

まりが認められず,水は問題なく流れなければならない。 

なお,洗浄用ルーメンをもつカテーテルの場合は,洗浄用ルーメンについても確認する。 

5.8 

生物学的安全性 

JIS T 0993-1に規定する生物学的安全性の評価を行う。 

5.9 

無菌性の保証 

“滅菌済み”の旨を表示するものは,滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無

菌性の担保を行う。 

注記 滅菌バリデーション基準には,厚生労働省が定めた滅菌バリデーション基準がある。 

5.10 腐食試験(構成品として,体液又は薬液に接触する金属部品を含む場合にだけ適用) 

附属書Eによって試験したとき,金属部分に腐食があってはならない。 

表示事項 

製品には,次の事項を表示する。ただし,バルーンなしのカテーテルの場合は,適用しない。 

a) カテーテルの寸法[外径寸法ごとにmmで示すほか,F(Ch)又はEGを併記してもよい。] 

b) バルーン容量又は注入量(mL) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

カテーテル強度試験 

A.1 概要 

バルーン付きカテーテルは,長期間に供される場合がある。そこで,実際の使用条件を模擬する目的で,

試験前にカテーテルを人工尿中に14日間浸せきする。ただし,バルーンなしのカテーテルの場合は,この

調整は,不要である。試験は,カテーテルの先端部を固定又は把持する。その後,引張荷重を負荷させ,

荷重を除去した後の損傷の有無を調べる。 

A.2 試薬 

試薬は,次による。 

A.2.1 人工尿 pH値約6.6,成分は,次による。 

尿素 

25.0 g 

塩化ナトリウム 

9.0 g 

無水りん酸水素二ナトリウム 

2.5 g 

塩化アンモニウム 

3.0 g 

りん酸二水素カリウム 

2.5 g 

クレアチニン 

2.0 g 

亜硫酸ナトリウム(水和物) 

3.0 g 

蒸留水 

1.0 L 

A.3 試験装置 

A.3.1 カテーテルをつり下げる装置 側孔に通すピンを装備したもの(図A.1参照)。ピンの直径は,側

孔部の直径の50〜75 %とする。ただし,側孔がないカテーテル及びシリコーン製カテーテルについては,

試験が適切に実施できるように,カテーテルを把持できる装置を用いる(図A.2参照)。 

A.3.2 排尿用ファネルにおもりを取り付けるための装置及びそのおもり おもり及びその取付装置の合

計質量は,カテーテルの外径が3.3 mmよりも大きい場合は1 kgとし,3.3 mm以下の場合は0.75 kgとす

る。 

A.3.3 水槽 水温を37±2 ℃に保持できるもの。 

A.3.4 ストップウォッチ 

A.4 試験手順 

新しい人工尿(A.2.1参照)を入れた水槽(A.3.3参照)にカテーテルを浸す。人工尿の温度は37±2 ℃

に保持しておく。バルーン及びシャフトは,完全に浸せきさせておく。14日間浸せきした後,カテーテル

を人工尿から取り出し,水で洗って乾かす。カテーテルは,室温下にて操作する。カテーテルを適切な装

置(A.3.1参照)で固定し,おもり(A.3.2参照)を手で支え,排尿用ファネルにおもりを取り付ける。ゆ

っくりとおもりを降ろして,カテーテルからぶら下げる。この状態を1分間保持した後,おもりを取り外

し,排尿用ファネルの接合状態及びシャフトの損傷の有無を目視で観察する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.5 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 試験に供したカテーテルの名称,形式,製造番号(又は製造記号)など。 

b) 試験後の排尿用ファネルの接合状態及びシャフトの損傷の有無。 

D:カテーテルルーメンの直径の50 %〜75 % 

a) サポートフレーム及びピン 

 
 

Pの長さは,カテーテル先端部をつり下げるために十分

な,及びカテーテルをつり下げたとき,側孔の縁がサポー
トフレームにかみ合わないものとする。 

b) カテーテルの孔を通して挿入されたピン 

1 バルーンファネル 

2 排尿用ファネル 

3 バルブ 

4 試験荷重方向 

図A.1−カテーテル強度試験装置の例(側孔をつり下げる場合) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1 バルーンファネル 

2 排尿用ファネル 

3 バルブ 

4 試験荷重方向 

5 カテーテルをつり下げるためのつかみ具 

図A.2−カテーテル強度試験装置の例(先端部を把持する場合) 

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附属書B 

(規定) 

排尿用ファネルの安全性試験 

B.1 概要 

カテーテルの排尿用ファネルに試験用コネクタを取り付け,軸方向に引っ張り,接続部の強度を確認す

る。 

B.2 試験装置 

試験装置は,次による。 

B.2.1 試験用コネクタ 図B.1 a) に示す標準コネクタ又はこれに準じた試験に適するコネクタを用いる。 

B.2.2 つかみ具又はそれに代わる器具 カテーテルをつり下げる目的に適切なものを使用する。 

B.2.3 試験用コネクタにおもりを取り付けるための装置及びそのおもり 試験用コネクタ,おもり及びそ

の取付装置の合計質量は,カテーテルの外径が3.3 mmよりも大きい場合は1 kgとし,3.3 mm以下の場合

は0.75 kgとする。 

B.2.4 ストップウォッチ 

B.3 試験手順 

試験時の温度は,室温とする。排尿用ファネル及び試験用コネクタ(B.2.1参照)は清浄で,かつ,乾燥

していなければならない。試験用コネクタを排尿用ファネルに取り付ける。確実に装着される位置まで差

し込むか,又は10 mm以上差し込む(コネクタに表示されているマークよりも奥まで差し込む。)。 

排尿用ファネルとシャフトとの接続部付近でカテーテルをつかみ具(B.2.2参照)で挟み,つり下げる(図

B.1参照)。おもり(B.2.3参照)を手で支え,試験用コネクタにおもりを取り付ける。ゆっくりとおもり

を降ろして,コネクタからぶら下げる。この状態を1分間保持しながら観察する。試験用コネクタが排尿

用ファネルから外れたかどうかを,試験報告書に記録する。 

B.4 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 試験に供したカテーテルの名称,形式,製造番号(又は製造記号)など。 

b) 試験結果:試験用コネクタが排尿用ファネルから外れたかどうか。 

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単位 mm 

1 マーク(全周) 

3 カテーテルをつり下げるためのつかみ具 

2 公称テーパ値20 %(1:5) 

4 洗浄ファネル 

5 ファネル 

6 バルーンファネル 

7 バルブ 

8 試験用コネクタ 

9 試験荷重方向 

a) 試験用コネクタ 

b) 試験装置 

図B.1−排尿用ファネル安全性試験装置及び試験用コネクタ 

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附属書C 
(規定) 

バルーンの安全性試験 

C.1 概要 

製造販売業者が推奨するバルーン容量又は注入量の蒸留水でバルーンを膨らませ,カテーテルを人工尿

中に14日間浸せきする。浸せき後,バルーンを固定し,バルーンによる側孔の閉塞の有無及びバルーンか

らの液漏れの有無を目視検査する。 

C.2 試薬 

試薬は,次による。 

C.2.1 蒸留水 

C.2.2 人工尿 A.2.1に規定したもの。 

C.3 試験装置 

C.3.1 カテーテルをつり下げる装置 次の構造をもつ堅い板状のもの。 

a) 板にカテーテルの公称外径よりも1 mm大きい径の穴をあける。その穴は,板の上面側で皿穴とする。 

b) 皿穴の角度は,90°とする。 

c) 穴及び皿穴の内部には,鋭利な角があってはならない。 

なお,カテーテルをセットしやすくするために,板は穴の中央で左右に分割できる構造でもよい。 

C.3.2 水槽 水温を37±2 ℃に保持できるもの。 

C.3.3 排尿用ファネル又はシャフトにおもりを取り付けるための装置及びそのおもり おもり及びその

取付装置の合計質量は,表C.1のとおりとする。 

表C.1−試験荷重 

カテーテルの寸法 

質量 

mm 

F(Ch)a) 

kg 

2.7以下 

8以下 

0.3 

3.3 

10 

0.45 

4.0 

12 

0.6 

4.7 

14 

0.7 

5.3〜10.0 

16〜30 

1.0 

注a) F(Ch)は,参考である。 

C.3.4 ストップウォッチ 

C.4 試験手順 

バルーンに蒸留水を注水し,製造販売業者が推奨するバルーン容量又は注入量(表示量)まで膨らます。

新しい人工尿(C.2.2参照)を入れた水槽(C.3.2参照)にカテーテルを浸す。人工尿の温度は37±2 ℃に

保持しておく。カテーテルの先端部及びバルーンは,完全に浸せきさせておく。14日間浸せき後,カテー

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

テルを人工尿から取り出し,水で洗って乾かす。カテーテルは,室温下で操作する。カテーテルの先端部

を上にして,支持装置(C.3.1参照)の穴にシャフトを通し,バルーンが皿穴に収まるようにセットする。 

なお,支持装置が一体構造(穴の中央で左右に分割できない構造)の場合,又はカテーテルをセットす

るのが難しい場合は,バルーンを一旦しぼめてからセットした後,再びバルーンを膨らませてもよい。 

カテーテルに適したおもり(C.3.3参照)を選ぶ(表C.1参照)。 

おもりを手で支え,シャフト又は排尿用ファネルにおもりを取り付ける。ゆっくりとおもりを降ろして,

カテーテルからぶら下げる。この状態を1分間保持した後,おもりをぶら下げたまま,次の目視検査を行

う。 

a) バルーンによる側孔の閉塞の有無 

b) バルーンからの液漏れの有無 

C.5 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 試験に供したカテーテルの名称,形式,製造番号(又は製造記号)など 

b) 試験結果:バルーンによる側孔の閉塞の有無 

c) 試験結果:バルーンからの液漏れの有無 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書D 
(規定) 

バルーンの耐久性試験 

D.1 概要 

蒸留水でバルーンを膨らませ,カテーテルを人工尿中に14日間浸せきする。その後,バルーン内の水を

注射筒を使用して自然排出又は吸引排出させ,その排水状態を確認する。 

D.2 試薬 

試薬は,次による。 

D.2.1 蒸留水 

D.2.2 人工尿 A.2.1に規定したもの。 

D.3 試験装置 

D.3.1 つかみ具又はそれに代わる器具 カテーテルをつり下げる目的で使用する。 

D.3.2 オス型6 %(ルアーテーパ)注射筒 ISO 594-1に適合する注射筒で,ピストン部分を取り外した

もの。又はこれと同等のもの。 

D.3.3 水槽 水温を37±2 ℃に保持できるもの。 

D.3.4 メスシリンダー 許容誤差±1 %でバルーンの大きさに合ったもの。 

D.4 試験手順 

バルーンに表D.1に規定する量の蒸留水(D.2.1参照)を注入し,バルーンを膨らませる。新しい人工尿

(D.2.2参照)を入れた水槽(D.3.3参照)に,カテーテルを浸せきする。人工尿の温度は,37±2 ℃に保

持しておく。カテーテルは,完全に浸せきさせておく。14日間浸せき後,カテーテルを人工尿から取り出

し,水で洗って乾かした後,試験装置(D.3.1参照)を用いて固定する。バルブに注射筒(D.3.2参照)を

かん合し,バルーン内の蒸留水を自然排出又は徐々に吸引排出したときの水の回収率を計算し,最低回収

率(表D.2参照)以上であることを確認する。 

表D.1−試験容積 

カテーテルの寸法 

試験容積 

mm 

F(Ch)a) 

2.0〜 3.3 

 6〜10 

バルーン容量又は注入量に同じ 

4.0〜 4.7 

12〜14 

バルーン容量又は注入量×1.2 

5.3〜10.0 

16〜30 

バルーン容量又は注入量×1.5 

注a) F(Ch)は,参考である。 

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14 

T 3214:2011  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.2−バルーン注入水の回収率 

バルーン容量又は注入量 

mL 

最低回収率 

シリコーン 

シリコーン以外 

1.5以下 

30 

55 

3.0 

50 

55 

5.0 

55 

55 

10.0 

75 

75 

20.0 

80 

80 

30.0以上 

80 

80 

D.5 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 試験に供したカテーテルの名称,形式,製造番号(又は製造記号),サイズ及びバルーン容量又は注入

量など。 

b) 試験結果:バルーン内の蒸留水の排出状態[回収水量/注入量に対する比率(%)]。 

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T 3214:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書E 

(規定) 

腐食抵抗性に関する試験 

E.1 概要 

あらかじめカテーテルを塩化ナトリウム溶液中に浸せきした後,沸騰した水の中に浸せきして,金属部

品に腐食の形成の有無を確認する。 

E.2 試験溶液 

試験溶液は,次による。 

E.2.1 塩化ナトリウム溶液 新たに調製した蒸留水に分析用試薬グレードの塩化ナトリウム0.9 %(w/v)

を含んだ食塩水。 

E.2.2 水 蒸留水又は脱イオン水。 

E.3 試験器具 

試験器具は,ほうけい酸製ガラスビーカーを使用する。 

E.4 試験手順 

ガラスビーカー(E.3参照)に入れた食塩水(E.2.1参照)中に,カテーテルを室温下で5時間浸せきし

た後,試料を取り出し,沸騰した水(E.2.2参照)の中に30分間浸せきする。試料を水に入れたまま室温

まで冷やして,48時間放置する。試料を取り出して室温下で乾燥させた後,試料の金属部品に腐食の形成

の有無を目視で検査する。 

なお,試料を使用するときに外せるようになっている部品が二つ以上あるときは,分解して試験する。

また,金属部品上に不透明な皮膜がある場合,剝離したり切り開いたりしてはならない。 

E.5 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) カテーテルの種類 

b) 腐食の有無