T 3211-9:2019
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 材料······························································································································· 2
5 物理的要求事項 ················································································································ 2
5.1 透明性 ························································································································· 2
5.2 微粒子汚染 ··················································································································· 2
5.3 引張強さ ······················································································································ 2
5.4 気密性 ························································································································· 2
5.5 めす(雌)及び/又はおす(雄)かん(嵌)合部の付いた接続部品 ········································· 2
5.6 附属品 ························································································································· 3
5.7 フィルタ ······················································································································ 3
5.8 ストレージボリューム(この規格では不採用とした。) ························································· 3
5.9 静脈針 ························································································································· 3
5.10 保護キャップ ··············································································································· 3
6 化学的要求事項 ················································································································ 3
7 生物学的安全性 ················································································································ 3
7.1 無菌性 ························································································································· 3
7.2 発熱性 ························································································································· 3
7.3 溶血性 ························································································································· 3
8 包装······························································································································· 3
9 表示······························································································································· 3
9.1 一般 ···························································································································· 3
9.2 一次包装 ······················································································································ 3
9.3 二次包装 ······················································································································ 4
附属書A(規定)物理的試験 ·································································································· 5
附属書B(規定)化学的試験 ·································································································· 6
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会
(MTJAPAN)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定す
べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS T 3211の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS T 3211-4 第4部:自然落下式単回使用滅菌済み輸液セット
JIS T 3211-5 第5部:単回使用滅菌済み定量筒輸液セット
JIS T 3211-8 第8部:ポンプ用単回使用滅菌済み輸液セット
JIS T 3211-9 第9部:単回使用滅菌済みチューブ
JIS T 3211-10 第10部:単回使用滅菌済み輸液チューブの附属品
JIS T 3211-11 第11部:単回使用滅菌済み輸液フィルタ
JIS T 3211-12 第12部:単回使用滅菌済み逆止弁
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日本工業規格 JIS
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滅菌済み輸液セット−
第9部:単回使用滅菌済みチューブ
Sterile infusion administration set-Part 9: Sterile fluid lines for single use
序文
この規格は,2015年に第2版として発行されたISO 8536-9を基とし,我が国の実情に合わせるため,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,単回使用滅菌済みのチューブ(以下,チューブという。)について規定する。
この規格には,次の機器を包含する。
a) シリンジポンプチューブ(SPL)
b) 接続チューブ(CL)
c) 静脈(輸液)針付きチューブ(LIC)
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 8536-9:2015,Infusion equipment for medical use−Part 9: Fluid lines for single use with pressure
infusion equipment(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS T 3209 滅菌済み注射針
注記 対応国際規格:ISO 7864,Sterile hypodermic needles for single use(MOD)
JIS T 3211-4 滅菌済み輸液セット−第4部:自然落下式単回使用滅菌済み輸液セット
注記 対応国際規格:ISO 8536-4,Infusion equipment for medical use−Part 4: Infusion sets for single use,
gravity feed(MOD)
JIS T 3211-10 滅菌済み輸液セット−第10部:単回使用滅菌済み輸液チューブの附属品
注記 対応国際規格:ISO 8536-10,Infusion equipment for medical use−Part 10: Accessories for fluid
lines for single use with pressure infusion equipment(MOD)
2
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JIS T 3211-11 滅菌済み輸液セット−第11部:単回使用滅菌済み輸液フィルタ
注記 対応国際規格:ISO 8536-11,Infusion equipment for medical use−Part 11: Infusion filters for single
use with pressure infusion equipment(MOD)
ISO 15223-1,Medical devices−Symbols to be used with medical device labels, labelling and information to be
supplied−Part 1: General requirements
ISO 80369-7:2016,Small-bore connectors for liquids and gases in healthcare applications−Part 7: Connectors
for intravascular or hypodermic applications
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 3211-4によるほか,次による。
3.1
接続チューブ
導管を延長する目的で使う管状部材。輸液セットなどに,かん(嵌)合又はその他の方法で接続する。
3.2
シリンジポンプチューブ
シリンジポンプで使う管状部材。
3.3
静脈(輸液)針付きチューブ
チューブに薬剤を投与する針が接続されたもの。
4
材料
チューブの材料は,箇条5〜箇条7の規定に適合しなければならない。
5
物理的要求事項
5.1
透明性
チューブは,透明でなければならない。A.1に規定する試験を行ったときに,空気と水との境界が検出
できなければならない。
5.2
微粒子汚染
チューブは,微粒子汚染を最小限に抑えた環境下で製造しなければならない。内部表面は,平滑で清浄
でなければならない。A.2に規定する試験を行ったときに,微粒子の数は,汚染指標を超えてはならない。
5.3
引張強さ
チューブの全ての部品は,A.3に規定する試験を行ったときに,最低15 Nの引張力を15秒間かけたと
き耐えなければならない。
5.4
気密性
最初に,試験の全システムを試験温度にする。チューブは,空気,微生物及び液体が浸透してはならな
い。A.4に規定する試験を行ったときに,空気又は水が漏れてはならない。
5.5
めす(雌)及び/又はおす(雄)かん(嵌)合部の付いた接続部品
最初に,試験の全システムを試験温度にする。接続部品は,ISO 80369-7に適合しためす(雌)かん(嵌)
合部の付いた接続部及び/又はおす(雄)かん(嵌)合部の付いた接続部を提供しなければならない。
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5.6
附属品
チューブの附属品は,輸液フィルタを除き,JIS T 3211-10の要求に適合しなければならない。
5.7
フィルタ
輸液フィルタは,JIS T 3211-11の要求に適合しなければならない。
5.8
ストレージボリューム(この規格では不採用とした。)
5.9
静脈針
静脈針は,A.5に規定する試験を行ったときに,JIS T 3209に適合しなければならない。
5.10
保護キャップ
JIS T 3211-4に適合しなければならない。
6
化学的要求事項
JIS T 3211-4に適合しなければならない。試験方法は,附属書Bによる。
7
生物学的安全性
7.1
無菌性
JIS T 3211-4に適合しなければならない。
7.2
発熱性
JIS T 3211-4に適合しなければならない。
7.3
溶血性
JIS T 3211-4に適合しなければならない。
8
包装
JIS T 3211-4に適合しなければならない。
9
表示
9.1
一般
表示には,9.2及び9.3に規定している要求事項を含まなければならない。図記号を使用する場合は,ISO
15223-1による。
注記 影響ある物質の存在は,その物質の略語“XXX”を変更し,ISO 7000の図記号2725を使用し
て示すことができる。影響ある物質がないことを,個々の記号に斜線を入れることで示すこと
ができる。
9.2
一次包装
一次包装には,少なくとも次の情報を表示しなければならない。
a) 製造販売業者の氏名又は名称及び住所
b) 包装内の内容物の説明。例えば,単回使用針チューブ
c) 適切な文言,又はISO 15223-1に規定する図記号を用いた“滅菌済み”の表示
d) “LOT”の文字を前置きしたロット(バッチ)の表記,又はISO 15223-1に規定する図記号を用いた
ロット(バッチ)の表記
e) 適切な用語,又はISO 15223-1に規定する図記号を用いた使用期限の年月
f)
チューブであることの表示。同等の文言,又はISO 15223-1に規定する図記号を用いての表示でもよ
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い。
g) 使用上の注意。添付文書でもよい。
上記情報の判読可能な文字及び/又は記号を記載するために使用できる場所が小さい場合は,d) 及び
e) だけでもよい。この場合,この細分箇条で要求する情報は,二次包装に表示しなければならない。
9.3
二次包装
二次包装には,少なくとも次の情報を表示しなければならない。
a) 製造販売業者の氏名又は名称及び住所
b) 包装内の内容物の説明。例えば,単回使用針チューブ
c) 適切な文言,又はISO 15223-1に規定する図記号を用いた“滅菌済み”の表示
d) 適切な用語,又はISO 15223-1に規定する図記号を用いた使用期限の年月
e) 入り数
f)
保管条件
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附属書A
(規定)
物理的試験
A.1 透明性試験
チューブを蒸留水で満たす。目視で水と空気との境界を判別できるか観察する。
A.2 微粒子汚染試験
洗浄液は,試験検体の内容積の50倍以上でなければならない。試験は,JIS T 3211-4のA.1に規定する
方法で行わなければならない。
A.3 引張強さ試験
チューブの長手方向に,引張力15 Nを15秒間かける。接合部及び部品が,試験の力に耐えるかを観察
する。
A.4 気密性試験
A.4.1 試験開始時には,全ての試験システムの温度を試験温度と同じにしなければならない。
A.4.2 チューブをISO 80369-7に適合したおす(雄)及び/又はめす(雌)かん(嵌)合部を用いて空気
供給装置に接続する。さらに,他の開口部全てを閉じる。チューブに対し,50 kPaの内部過圧を15秒間加
える。40 ℃±1 ℃の水中内で,チューブの,いかなる漏れもないことを観察する。
A.4.3 蒸留水でチューブを満たす。チューブに対し,200 kPaの圧力を15分間加える。40 ℃±1 ℃で,チ
ューブにいかなる漏れもないことを観察する。
A.5 静脈(輸液)針試験
JIS T 3209に従い実施しなければならない。
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附属書B
(規定)
化学的試験
B.1
試験液の調製
450 cmのチューブ及び他の部品の表面積の100 cm2相当を用いる(例えば,接続部品部分)。滅菌し,使
用の準備ができたチューブの薬液と接する部品を分解する。その後,材質に従いそれらの部品を整理する。
全ての内部及び外部表面が浸せきする大きさに部品を裁断する。250 mLの口広の三角フラスコへ入れ,
最新版の日本薬局方で規定する蒸留水を200 mL加える。さらに,フラスコに蓋をして,37 ℃±1 ℃で24
時間放置する。
他の三角フラスコへ最新版の日本薬局方で規定する蒸留水200 mLを入れ,フラスコに蓋をして,37 ℃
±1 ℃で24時間放置する。この液は,JIS T 3211-4のB.2の試験の対照溶液として使用する。
B.2
試験手順
試験は,JIS T 3211-4の箇条7の規定に従って行わなければならない。ただし,試験液は,B.1に規定す
る試験液を使用する。
参考文献
[1] JIS T 3211-8 滅菌済み輸液セット−第8部:ポンプ用単回使用滅菌済み輸液セット
注記 原国際規格では,ISO 8536-8,Infusion equipment for medical use−Part 8: Infusion sets for single
use with pressure infusion apparatusを記載している。
[2] EN 15986,Symbol for use in the labelling of medical devices−Requirements for labelling of medical devices
containing phthalates
[3] European Pharmacopoeia
[4] United States Pharmacopeia
[5] 日本薬局方
[6] ISO 7000,Graphical symbols for use on equipment−Registered symbols
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS T 3211-9:2019 滅菌済み輸液セット−第9部:単回使用滅菌済みチューブ
ISO 8536-9:2015,Infusion equipment for medical use−Part 9: Fluid lines for single use
with pressure infusion equipment
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 単回使用滅菌済みのチ
ューブについて規定
1
最大200 kPa{2 bar}の
輸液機器に使用する単
回使用滅菌済みのチュ
ーブについて規定
削除
“最大200 kPa{2 bar}”を削除し,
この規格では,自然落下式にも使用
するようにした。
国内流通品を考慮した修正
−
1
一部の国では,ISO
8536-9よりも法規が優
先される。
削除
この規格では,削除した。
各国の対応についての記載のた
め,削除した。
2 引用規格
3 用語及び
定義
チューブ関連の用語及
び定義を追加,及びJIS
T 3211-4による。
3
ストレージボリューム
の3用語を定義
変更
ストレージボリュームは,この規格
では不採用としたため規定せず。
本文中で使用する用語を追加した。
ストレージボリュームの試験方法
が単一的であり,より複雑な導管
への対応が規定されていないた
め,不採用とした。次回改正時に
諸規格の動向などを考慮して採用
について検討する。
5 物理的要
求事項
5.5 めす(雌)及び/又
はおす(雄)かん(嵌)
合部の付いた接続部品
ISO 80369-7を規定
5.5
ISO 594-2を規定
変更
この規格では,ISO 80369-7へ変更
した。
最新のISO 80369-7だけを適用す
るように変更した。
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(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 物理的要
求事項
(続き)
−
5.8
ストレージボリューム
について規定
削除
この規格では,ストレージボリュー
ムを不採用とした。
ストレージボリュームの試験方法
が単一的であり,より複雑な導管
への対応が規定されていないた
め,不採用とした。次回改正時に
諸規格の動向などを考慮して採用
について検討する。
7 生物学的
安全性
7.1 無菌性,
7.3 溶血性
JIS T 3211-4に適合しな
ければならない。
7.1
7.3
無菌性は,参考文献[2]
〜[5]の無菌プロセス
による。
溶血性は,ISO 10993-4
による。
変更
この規格では,JIS T 3211-4への適
合とした。
JIS T 3211規格群として整合を図
る。技術的差異はない。
9 表示
9.2 a)
9.3 a)
製造販売業者の氏名又
は名称及び住所
9
9.2
9.3
製造業者の名前及び住
所
変更
この規格では,医薬品医療機器等法
に従った記載とした。
技術的差異はない。
−
9.2 c)
発熱性及びエンドトキ
シンがないことの表示
削除
この規格では,削除した。
医薬品医療機器等法上も要求がな
いことから削除した。
−
9.2 i)
ストレージボリューム
の表示
削除
この規格では,削除した。
ストレージボリュームの規定を削
除したため,表示も削除した。
−
9.2 j)
9.3 d)
Pの表示
削除
この規格では,削除した。
PaediatricのPとの間違いの可能性
を考慮し,削除した。
9.3 e)
入り数
−
−
追加
この規格では,二次包装の表示とし
て“入り数”を追加した。
JIS T 3211-4と整合を図るため追
加した。
−
−
10
廃棄に関する規定
削除
廃棄物処理法で規定されているこ
とから,この規格では,不採用とし
た。
技術的差異はない。
附属書A
(規定)
A.4 気密性試験
A.4.2
ISO 80369-7を規定
A.4.2
ISO 594-2を規定
変更
この規格では,ISO 80369-7へ変更
した。
最新のISO 80369-7だけを適用す
るように変更した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 8536-9:2015,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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