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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 3201-1979 

ガラス注射筒 

Glass Syringes 

1. 適用範囲 この規格は,ガラスを主材料とする医療用の注射筒(以下,注射筒という。)について規定

する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであ

って,参考として併記したものである。 

2. 種類 

2.1 

筒先の材質,形状による種類 筒先の材質,形状による種類は,次のとおりとする。 

(1) 共ガラス製(1)のもの。 

(2) メタルチップ(2)のもの。 

(3) ロック形(3)のもの。 

注(1) 筒先が外筒と同材料のガラス製のものをいう。 

(2) 筒先が金属製で,その形状が共ガラス製のものと同じものをいう。 

(3) 筒先が金属製で,注射針の針もとのつばを誘導する切りみぞ構造を備えた筒先のものをいう。 

2.2 

筒先の取付位置による種類 筒先の取付位置による種類は,次のとおりとする。 

(1) 中口(4)のもの。 

(2) 横口(5)のもの。 

注(4) 筒先と外筒の中心線が一致しているものをいう。 

(5) 筒先が図1に示すような位置に取付けてあるものをいう。 

図1 横口 

2.3 

目盛等の表示方法による種類 目盛等の表示方法による種類は,次のとおりとする。 

(1) 印刷によるもの。 

(2) 腐食によるもの。 

2.4 

用途,容量及び外筒の長さによる種類 表1に示すとおりとする。 

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T 3201-1979  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 用途,容量及び外筒の長さによる種類 

種類 

長さ(6) 

mm 

目盛 

目盛数 

目盛文字ml 

許容差 

 2ml 
 3ml 
 5ml 

 10m1 
 20m1 
 30m1 
 50m1 
100m1 

 55 

 20 

 1, 

 2   

±5% 

 65 

 30 

 1, 

 2,  3 

 75 

 25 

 1, 

 2,  3, 

 4, 

  5 

 95 

 25 

 2, 

 4,  6, 

 8, 

 10 

100 

 20 

 5, 

10, 15, 

20 

120 

 30 

10, 

20, 30, 

130 

 50 

10, 

20, 30, 

40, 

 50 

160 

 50 

20, 

40, 60, 

80, 

100 

微量用 

1ml 

 85 

100 

20, 

40, 60, 

80, 

  1 

±2% 

微量用 

T1ml (7) 

 85 

 20 

1/2 

微量用 

2ml 

 90 

 40 

1/2, 

1, 

11/2, 

歯科用 

2ml 

 75 

 20 

1, 

±5% 

注(6) 長さは標準を示し,筒先の長さを含まない。 

(7) T1mlはツベルクリン用のものとする。 

備考 輸出品の場合に限り,種類,外筒の長さ,目盛数及び目盛文字について特に注文者から

指定があった場合は,この規格に準じてかえることができる。 

3. 性能 

3.1 

目盛 6.4の試験方法によって試験を行ったとき,表1の規定に適合しなければならない。 

3.2 

気密 6.5の試験方法によって試験を行ったとき,はめ合い部から水滴が落ちてはならない。 

3.3 

アルカリ溶出度 6.6の試験方法によって試験を行ったとき,溶液が桃色になってはならない。 

3.4 

金属製筒先の密着 6.7の試験方法によって試験を行ったとき,筒先が外筒からとれてはならない。 

3.5 

熱衝撃 6.8の試験方法によって試験を行ったとき,湿度の変化による割れ及び金属製筒先のものに

ついては筒先の脱落又は緩みを生じてはならない。 

3.6 

耐圧強度 6.9の試験方法によって試験を行ったとき,圧の変化による割れを生じてはならない。 

4. 外観及び構造 注射筒は,外筒及び吸子からなり,その外観及び構造は,次のとおりとする。 

(1) ガラスの部分には著しいすじ,あわ,きずその他の欠点があってはならない。 

(2) 外筒には少なくとも表1の目盛及び目盛文字が表示してなければならない。また,互換性のものにつ

いては互換性を示す記号,非互換性のものにあっては合番号が,いずれも外筒及び吸子に表示してな

ければならない。 

(3) 目盛,目盛文字,合番号その他の表示は,容易に消えることなく明りょうでなければならない。 

(4) 筒先が金属製のものにあっては,筒先の仕上面は滑らかであり,その素材が黄銅のものについては,

ニッケルめっき又はクロムめっきを施してなければならない。 

(5) 筒先に注射針をはめ合わせたとき,注射針の針管は,中口のものにあっては外筒の中心線に一致し,

横口のものにあっては外筒の中心線と平行又は中心線よりにやや傾斜していなければならない。 

(6) 外筒のつばは両つばであり,平板上に安定に置かれるものでなければならない。 

5. 寸法 

5.1 

筒先の長さ 筒先の長さは,表2による。 

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表2 筒先の長さ 

種類 

筒先の長さmm 

 1〜 20ml 

11±2 

30〜100ml 

14±2 

5.2 

テーパ仕上加工部分の長さ 共ガラス製のものについては筒先の砂目の長さメタルチップのものに

ついては先端テーパ仕上加工部分の長さは,6.5mm以上でなければならない。 

なお,先端に0.4mm以下の丸味をつけてもよい。 

5.3 

つばもとと吸子末端との距離 歯科用に当たっては外筒に吸子を押しこんだときのつばもとと吸子

末端との距離は25±3mmでなければならない。 

5.4 

筒先のゲージ寸法 6.3(2)の試験方法によって試験を行ったとき,筒先のテーパとゲージのテーパが

合致し,かつ,筒先の先端はゲージの限度内になければならない。 

6. 試験 

6.1 

試験項目 注射筒の試験項目は,次のとおりとする。 

(1) 外観及び構造検査 

(2) 寸法検査 

(3) 目盛試験 

(4) 気密試験 

(5) アルカリ試験 

(6) 金属製筒先の引抜試験 

(7) 熱衝撃試験 

(8) 耐圧試験 

6.2 

外観及び構造検査 4.の事項について目視により行う。 

6.3 

寸法検査 

(1) 5.1の筒先の長さ,5.2のテーパ仕上加工部分の長さ及び5.3のつばもとと吸子末端との距離を検査す

る。 

(2) 共ガラス製のもの及びメタルチップのものにあっては,図2,ロック形のものにあっては図3に示す

検査ゲージを用い,軽い圧力で筒先に入れ,筒先のテーパとゲージのテーパが合致するかどうかを調

べる。次に合致したものについて,筒先の先端がゲージの限度内にあるかどうか調べる。 

図2 検査ゲージ 

図3 検査ゲージ 

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6.4 

目盛試験 注射筒の最大目盛まで水を吸い入れた後,零目盛まで水を押出して,その量をはかり,

最大目盛量に対する誤差を求める。 

6.5 

気密試験 十分水をふきとった注射筒にその最大目盛及び最大目盛の4分の1の位置まで水を吸い

入れ,水平の状態において外筒及び吸子を固定し,筒口から表3に掲げる圧力を10秒間加え,外筒と吸子

のはめ合い部から水滴が落ちるかどうかを調べる。ただし,この方法によることができないときは,外筒

を固定して水が筒口から出ないようにした後,吸子に対して圧力を加えることにより行うものとする。 

表3 

種類 

気密試験における圧力 

kgf/cm2 {MPa} 

アルカリ試験における液量 

ml 

 2ml 
 3ml 
 5ml 
 10ml 
 20ml 
 30ml 
 50ml 
100ml 

       3.0 {0.29 } 

      2.5 {0.245} 
      2.5 {0.245} 
      2.0 {0.196} 
      1.8 {0.177} 
      1.5 {0.147} 
      1.5 {0.147} 
      1.2 {0.118} 

 100 
 200 
 200 
 300 
 400 
 600 
 600 
1000 

微量用 
微量用 
微量用 

1ml 

T1ml 

2ml 

      4.0 {0.39} 
      4.0 {0.39} 
      3.0 {0.28} 

 200 
 200 
 250 

歯科用 

2ml 

      4.0 {0.39} 

 200 

6.6 

アルカリ試験 蒸留水を入れて1時間煮沸してもその蒸留水が中性である容器に外筒と吸子を入れ,

その外筒と吸子を完全に覆うに必要な量の蒸留水を加え,30分間煮沸し,ほぼ室温になるまで放冷した後,

表2に掲げる液量まで増量し,これに日本薬局方で規定した1パーセントのフェノールフタレイン試液を

1〜3滴滴下し,室温において溶液が桃色になるかどうかを調べる。ただし,筒先が金属製のものにあって

は,筒先及び接着剤をとり除いて試験するものとする。 

6.7 

金属製筒先の引抜試験 注射筒を固定し,金属製筒先に注射筒から引き抜く方向に8 kgf {78N} の荷

重を5分間加え,筒先が外筒からとれるかどうかを調べる。 

なお,この試験の結果,筒先の固着が緩くなった場合は筒先が注射筒からとれたものと判定する。 

6.8 

熱衝撃試験 外筒と吸子を分離して3分間煮沸した後,直ちに10〜15℃の水中に入れ,3分問放置

する試験を連続5回繰り返して行い,温度の変化による割れ及び金属製筒先のものにあっては筒先の脱落

又は緩みを生ずるかどうかを調べる。 

6.9 

耐圧試験 外筒に吸子を組み込んだ状態において,オートクレープ中に入れ,121.5℃,1.05kgf/cm2 

{0.103 MPa} の蒸気圧を15分間加えた後取り出し,圧の変化による割れを生ずるかどうかを調べる。 

7. 製品の呼び方 呼び方は名称及び種類による。 

例: ガラス注射筒,共ガラス製,中口,一般医療用2ml 

8. 表示 注射筒の外筒には製造業者の商標を,包装には次の事項を表示しなければならない。 

(1) 名称 英文であってもよい。 

(2) 種類 (目盛等の表示方法による種類を除く。)ただし,次のものは種類の表示をしなくてもよい。ま

た種類の表示は英文であってもよい。 

T 3201-1979  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(a) 筒先の材質,形状による種類のうち,共ガラス製のもの。 

(b) 筒先の取付位置による種類のうち,5ml以下の中口のもの。 

(c) 用途による種類のうち,一般医療用のもの, 

(3) 製造業者名及び所在地