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T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

201.1 適用範囲,目的及び関連規格 ························································································ 1 

201.2 引用規格 ··················································································································· 2 

201.3 用語及び定義 ············································································································· 2 

201.4 一般要求事項 ············································································································· 3 

201.5 ME機器の試験に対する一般要求事項 ············································································· 3 

201.6 ME機器及びMEシステムの分類 ··················································································· 4 

201.7 ME機器の標識,表示及び文書 ······················································································ 4 

201.8 ME機器の電気的ハザードに関する保護 ·········································································· 6 

201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 ·················································· 6 

201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 ·································································· 6 

201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 ····································································· 7 

201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 ························································· 7 

201.13 危険状態及び故障状態 ································································································ 8 

201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) ··································································· 8 

201.15 ME機器の構造 ········································································································· 8 

201.16 MEシステム ············································································································ 9 

201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性 ········································································ 9 

202 電磁両立性−要求事項及び試験 ························································································ 9 

附属書 ································································································································ 9 

附属書C(参考)ME機器及びMEシステムの表示及びラベリングに対する要求事項の指針 ·············· 10 

附属書AA(参考)個別の細分箇条に対する指針及び根拠 ··························································· 11 

この個別規格で用いられている定義した用語の索引 ··································································· 14 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電子

情報技術産業協会(JEITA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 0601-2-6:2005は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 0601-2-6:2015 

(IEC 60601-2-6:2012) 

医用電気機器−第2-6部:マイクロ波治療器の基礎

安全及び基本性能に関する個別要求事項 

Medical electrical equipment-Part 2-6: Particular requirements for the basic 

safety and essential performance of microwave therapy equipment 

序文 

この規格は,2012年に第2版として発行されたIEC 60601-2-6を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

この規格は,通則規格であるJIS T 0601-1:2014(以下,通則という。)及び関連する副通則規格(以下,

副通則という。)と併読する規格である。 

この規格でアスタリスク(*)印の付いた箇所について,その規定根拠を附属書AAに記載する。また,

本文中の太字で示した用語は,通則,関連する副通則及び201.3で定義している用語である。本文中の“置

換え”,“追加”及び“修正”の意味は,201.1.4を参照する。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

201.1 

適用範囲,目的及び関連規格 

次を除き,通則の箇条1を適用する。 

201.1.1 

*適用範囲 

置換え 

この規格は,医家向けのマイクロ波治療器の基礎安全及び基本性能に関する要求事項について規定する。 

注記1 平成30年3月31日までJIS T 0601-2-6:2005を適用することができる。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60601-2-6:2012,Medical electrical equipment−Part 2-6: Particular requirements for the basic 

safety and essential performance of microwave therapy equipment(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

201.1.2 

目的 

置換え 

この個別規格の目的は,201.3.204に定義したマイクロ波治療器に関する個別の基礎安全及び基本性能に

ついての要求事項を確立することである。 

201.1.3 

副通則 

追加 

この個別規格は,通則の箇条2に記載の適用可能な副通則を引用している。 

IEC 60601-1-2は,箇条202で修正して適用する。JIS T 0601-1-3は,適用しない。 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

201.1.4 

個別規格 

置換え 

JIS T 0601規格群において,個別規格は,対象のME機器に適するように通則及び副通則に含まれる要

求事項を修正,置換え又は削除してもよく,他の基礎安全及び基本性能を追加してもよい。 

個別規格の要求事項は,通則よりも優先する。 

副通則は,規格番号を引用する。 

この個別規格の箇条及び細分箇条の番号は,通則の番号に接頭語“201”を付与する(例えば,この個別

規格の201.1は通則の箇条1の内容を扱う。)。また,副通則の場合には,接頭語“20x”を付与する。ここ

で“x”は,副通則の規格番号の最後の数字である(例えば,この個別規格の202.4は,IEC 60601-1-2の

箇条4の内容を,203.4は,JIS T 0601-1-3の箇条4の内容を扱う。)。通則及び副通則の規定の変更は,次

の用語を用いて示す。 

“置換え”は,通則又は適用可能な副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に全て置き換え

ることを意味する。 

“追加”は,通則又は適用する副通則の該当する要求事項に,この個別規格の規定を追加することを意

味する。 

“修正”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に修正することを意

味する。 

通則に追加する細分箇条,図又は表は,201.101から始まる番号を付ける。ただし,通則は3.1〜3.139

の細分箇条で定義している。この個別規格では,201.3.201から始まる細分箇条番号で定義する。 

追加する附属書は,附属書AA,附属書BBなどと記載し,追加する細別は,aa),bb) などと記載する。 

各副通則に追加する細分箇条,図又は表は,“20x”から始まる番号を付ける。ここで“x”は副通則の番

号である。例えば,202はIEC 60601-1-2を示し,203はJIS T 0601-1-3を示す。 

“この規格”という用語は,“通則,適用する副通則及びこの個別規格を参照する。”いずれの場合にも

使用する。 

この個別規格に対応する箇条又は細分箇条がない場合,関連していない場合であっても,通則又は適用

可能な副通則の箇条若しくは細分箇条を変更せずに適用する。関連する可能性があっても,通則又は適用

可能な副通則のどの部分にも適用しないようになっている場合には,この個別規格にそれを適用しないこ

とを記載している。 

201.2 

引用規格 

次を除き,通則の箇条2を適用する。 

追加 

JIS T 0601-1:2014 医用電気機器−第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60601-1:2005,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for 

basic safety and essential performance及びAmendment 1:2012(MOD) 

201.3 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,通則によるほか,次による。 

追加 

201.3.201 

background image

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

アプリケータ(APPLICATOR) 

患者にマイクロ波のエネルギーを局部的に照射するためのマイクロ波照射器。 

注記1 例えば,ダイポール,反射器付きのダイポール,改良形ダイポール,ダイポールアレイ,開

口導波管及び誘電体を用いた放射器。 

201.3.202 

*接触形アプリケータ(CONTACT APPLICATOR) 

患者に接触することを意図したアプリケータ(装着部)。 

201.3.203 

整合負荷(MATCHED LOAD) 

マイクロ波治療器に接続したとき,最大出力を取り出すことができる複合負荷。 

201.3.204 

マイクロ波治療器(MICROWAVE THERAPY EQUIPMENT) 

周波数範囲が300 MHz以上で,30 GHz以下の電磁場を伝ぱ(播)することによって患者を治療するた

めのME機器。 

201.3.205 

*非接触形アプリケータ(NON-CONTACT APPLICATOR) 

患者に接触しないことを意図したアプリケータ。 

201.3.206 

ファントム(PHANTOM) 

放射したマイクロ波エネルギーを受け,かつ,試験のために患者を模擬することを意図した装置。 

201.3.207 

*定格出力(RATED OUTPUT POWER) 

整合負荷に供給することができる最大の高周波電力の値。 

201.3.208 

*不要放射(UNWANTED RADIATION) 

治療目的で患者に入射するもの以外のマイクロ波放射。 

201.4 

一般要求事項 

次を除き,通則の箇条4を適用する。 

201.4.3 

基本性能 

追加 

201.4.3.101 

*追加の基本性能の要求事項 

追加の基本性能の要求事項は,表201.101に挙げた箇条である。 

表201.101−追加の基本性能の要求事項 

要求事項 

箇条 

治療に関連した正しくない数値の表示があってはならない。 

201.12.1 

201.5 

ME機器の試験に対する一般要求事項 

通則の箇条5を適用する。 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

  

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201.6 

ME機器及びMEシステムの分類 

通則の箇条6を適用する。 

201.7 

ME機器の標識,表示及び文書 

次の変更を加えて,通則の箇条7を適用する。 

201.7.2 

ME機器又はME機器の部分の外側の表示 

追加 

201.7.2.101 

出力 

マイクロ波治療器は,次の情報を表示する。 

− 定格出力 W 

− 整合負荷 Ω 

− 作動周波数MHz又はGHz 

− IEC 60878の図記号5140(非電離放射線) 

(試験) 

適合性は,目視によって確認する。 

201.7.3 

*ME機器又はME機器の部分の内側の表示 

追加 

201.7.3.101 

IEC 60878の図記号5140(非電離放射線)は,開閉カバーのいずれかを取り外したときに,ME機器が

201.10.3.102に適合できなくなる可能性がある場合,その内部の開閉カバーに適用する。 

(試験) 

適合性は,図記号が表示されていない場合には,その内側の開閉カバーを取り外し,さらに,外部開閉

カバーにもこの記号を表示していない場合には,それも取り外して,201.10.3.102の試験によって確認す

る。 

201.7.3.102 

部品の調整及び交換によってME機器がIEC 60601-1-2及び箇条202に適合できなくなる可能性がある

場合,部品上又はその近傍若しくはその部品に近づくためのパネルの上に通則の表D.2の番号2(一般的

な警告標識)及び番号10(取扱説明書に従ってください)を,表示する。 

(試験) 

適合性は,目視によって確認する。 

201.7.4.2 

*制御器 

追加 

出力制御器は,マイクロ波出力エネルギーを表す目盛及び/又は表示器を備える。 

この位置において出力されるマイクロ波エネルギーが10 mW未満である場合を除き,例えば“0 W”,“0 

mW”などの,数字“0”は,使用してはならない。マイクロ波に関する出力目盛又は表示器がワット(W)

を表す場合は,それは,その単位を表示する。 

(試験) 

適合性は,目視によって確認する。 

201.7.9.2 

取扱説明書 

追加 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

201.7.9.2.101 

取扱説明書へ追加 

取扱説明書には,次の情報を含める。 

a) マイクロ波治療器は,可燃性麻酔剤が使われる環境下では使用しないのがよいという警告 

b) 治療部位に期待される効果の説明(例えば,広範囲に穏やかに加熱,局所的に穏やかに加熱,組織破

壊のための局所的な強い加熱など) 

c) アプリケータによって意図した影響を及ぼす領域の説明 

d) 局部治療において,身体の他の部分への照射を最小限にするための適切なアプリケータの位置決め方

法 

e) 治療時にアプリケータの位置を決めるときは,出力を切る旨の助言 

f) 

患者に近接する導電性物体又は導電性素材がハザードである旨の助言 

− 金属製装身具又は金属素材を含む衣服を着用している人(例えば,金属ボタン,クリップ,金糸)

には,マイクロ波を照射しないことが望ましい。 

− 体内に金属を埋め込んだ[例えば,骨髄内くぎ(釘)]患者の体の部分は,特別な医学的知見が得ら

れない限り,治療しないことが望ましい。 

− 補聴器は,取り外すことが望ましい。 

− 植込み型電子機器又は電極を装着している患者は,治療しないことが望ましく,かつ,マイクロ波

の操作域にいれないことが望ましい。 

g) アプリケータの手荒な取扱いは,指向特性に影響を及ぼす可能性があるため,アプリケータの取扱い

時には注意する旨の警告 

h) 人体各部の治療に推奨されるアプリケータの形状,寸法及びアプリケータの最大許容電力についての

情報 

i) 

非接触形アプリケータの使用について 

− 治療部位の熱感知覚が鈍い患者には,非接触形アプリケータを用いたマイクロ波治療を行わないこ

とが望ましい旨の助言 

− 治療に対し直ちに異常を伝えられない患者には,非接触形アプリケータを用いたマイクロ波治療を

行わないことが望ましい旨の助言 

− 非接触形アプリケータを直接,目,こう(睾)丸に向けないことが望ましい旨の助言 

− 患者は,マイクロ波保護眼鏡で保護することが望ましい旨の勧告 

− 治療を受けない人は,治療中の非接触形アプリケータから1.5 m以内にいないことが望ましい旨の

警告文 

− 操作者への危険性の説明 

201.7.9.3 

技術解説 

201.7.9.3.1 

一般 

第一段落に追加 

− マイクロ波治療器の出力の試験方法 

− マイクロ波治療器の出力制御について 

− 出力(制御)設定値に対する整合負荷に供給される出力電力との関係を示した図表 

− 201.7.3.101及び/又は201.7.3.102に記載されている警告図記号が表示されているときに遵守すべき注

意事項 

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201.8 

ME機器の電気的ハザードに関する保護 

次を除き,通則の箇条8を適用する。 

201.8.7.1 

*一般要求事項 

追加[b) に次の文を追加する。] 

− 漏れ電流及び患者測定電流に影響を与えない方法でマイクロ波出力を停止する。 

201.9 

ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 

通則の箇条9を適用する。 

201.10 

不要又は過度の放射のハザードに関する保護 

次を除き,通則の箇条10を適用する。 

201.10.1 X線放射 

通則のこの細分箇条は,適用しない。 

201.10.2 アルファ線,ベータ線,ガンマ線,中性子線及びその他の粒子線 

通則のこの細分箇条は,適用しない。 

201.10.3 マイクロ波放射線 

追加 

201.10.3.101 *不要放射 

非接触形アプリケータ前面1 m及び背面25 cmの距離における不要放射は,次に示す試験を行った場合,

10 mW/cm2を超えてはならない。 

(試験) 

適合性は,次の試験によって確認する。 

マイクロ波治療器の設定値は,接続した非接触形アプリケータで出力可能な最大値とする。製造業者が

推奨するアプリケータからの最大距離に適切なファントムを置き,不要ふく(輻)射の電力密度を測定す

る。製造業者によって適切なファントムが指定されない場合は,直径20 cm長さ50 cmの低損失材(例え

ば,メタクリル樹脂)で作った円柱形容器に0.9 %の食塩水で満たしてファントムとする。 

201.10.3.102 *マイクロ波の漏れ 

マイクロ波治療器の外装,ケーブル,又は導波管,及びケーブル又は導波管のコネクタからのマイクロ

波の漏れは,次の試験をしたときに10 mW/cm2を超えてはならない。 

(試験) 

適合性は,次の試験によって確認する。 

マイクロ波治療器に整合負荷を接続し,定格出力で作動させる。 

校正された電磁界プローブを使用して,マイクロ波治療器の外装表面,ケーブル,導波管,コネクタな

どの表面に沿った様々な点におけるマイクロ波の電力密度を測定する。 

注記 附属書AAに再現性のある測定実施をするための指針が含まれている。 

201.10.3.103 マイクロ波電力の制限 

単一の出力チャネルをもつか,又は一度に一つのチャネルだけを作動させることができる複数の出力チ

ャネルをもつ,マイクロ波治療器の定格出力は,250 Wを超えてはならない。 

同時に作動させることができる複数の出力チャネルをもつマイクロ波治療器の定格出力は,チャネル当

たり125 Wを超えてはならない。 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(試験) 

適合性は,201.7.2.101で規定された表示事項を目視によって確認する。 

201.11 

過度の温度及び他のハザードに関する保護 

次を除き,通則の箇条11を適用する。 

201.11.1.2.1 

患者に熱を与えることを意図する装着部 

追加 

接触形アプリケータは,意図した臨床効果の一要素として,患者に温熱を供給することを目的とする装

着部である。温度の開示は,要求しない。 

201.11.4 

*可燃性麻酔剤が使われる環境での使用を意図するME機器及びMEシステム 

置換え 

マイクロ波治療器は,AP類又はAPG類のME機器ではない。したがって,可燃性麻酔剤の環境下で使

用してはならない。 

201.12 

制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 

次を除き,通則の箇条12を適用する。 

201.12.1 

制御及び計器の精度 

追加 

搭載する出力表示器は,絶対値又は相対値の単位とする。 

絶対値表示については,測定した出力電力が表示値の±20 %を超えてはならない。 

(試験) 

適合性は,次の出力測定によって確認する。 

アプリケータを整合負荷と取り換えて,最大出力を測定する。 

201.12.4 

危険な出力に対する保護 

201.12.4.2 安全性に関連するパラメータの表示 

追加 

201.12.4.2.101 *出力表示器 

マイクロ波エネルギーを出力している間には,マイクロ波治療器は,可聴信号音を出力する。 

可聴信号音の音圧レベルは,非接触形アプリケータを接続した場合には,ME機器の前面から1 mの距

離において,30 dB(A特性)以上とし,他のアプリケータを接続した場合には,40 dB(A特性)以上と

する。 

(試験) 

適合性は,音圧レベルの測定及び機能試験によって確認する。 

追加 

201.12.4.101 *出力低減手段 

非接触形アプリケータを用いるマイクロ波治療器は,各レンジ及び各モードで最大出力の5 %以下又は

10 Wのいずれか低い方に出力を低減させる手段を備える。 

(試験) 

適合性は,201.12.1に規定された出力の測定によって確認する。 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

201.12.4.102 *出力の放射 

非接触形アプリケータを用いたマイクロ波治療器は,出力調整器を最小位置に設定した後でなければ,

出力できないように設計する。 

この要求事項は,電源を遮断し復旧した後も含める。 

(試験) 

適合性は,目視及び機能性の試験によって確認する。 

201.12.4.103 *可変式タイマ 

非接触形アプリケータを用いるマイクロ波治療器は,設定作動時間終了後,出力を遮断する可変式タイ

マを備える。 

タイマの範囲は30分以内とし,誤差は,±1分以内とする。 

(試験) 

適合性は,調査,機能性の試験及び作動時間の測定によって確認する。 

201.12.4.104 出力の遮断 

マイクロ波治療器は,自動制御装置又はタイマの状態にかかわらず,いつでも手動でマイクロ波出力を

遮断する手段を備える。 

(試験) 

適合性は,機能性の試験によって確認する。 

201.12.4.105 最大出力 

取扱説明書に指定した予熱時間直後の測定において,最大出力は,定格出力の+20 %を超えてはならな

い。 

(試験) 

適合性は,アプリケータを整合負荷に取り換え,出力を最大に設定し,その出力を測定することによっ

て確認する。 

201.13 

危険状態及び故障状態 

通則の箇条13を適用する。 

201.14 

プログラマブル電気医用システム(PEMS) 

通則の箇条14を適用する。 

201.15 

ME機器の構造 

次を除き,通則の箇条15を適用する。 

201.15.4 

ME機器の部品及び組立一般 

追加 

201.15.4.101 *外装及びカバー 

開閉カバー及び外装を取り外すと,201.10.3.102の要求事項に適合できなくなるME機器は,工具を用

いなければ取り外せない構造とする。 

(試験) 

適合性は,目視によって確認する。 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

201.16 

MEシステム 

通則の箇条16を適用する。 

201.17 

ME機器及びMEシステムの電磁両立性 

通則の箇条17を適用する。 

202 電磁両立性−要求事項及び試験 

次を除き,IEC 60601-1-2:2007を適用する。 

202.4 

一般的要求事項 

追加 

202.4.101 一般的な試験の準備 

(試験) 

マイクロ波治療器の適合性試験は,製造業者が指定した適切なファントムに放射している間か,又はア

プリケータを整合負荷に取り換えて行う。 

附属書 

次を除き,通則の附属書を適用する。 

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10 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

ME機器及びMEシステムの表示及びラベリングに対する要求事項の指針 

201.C.1 ME機器,MEシステム又はそれらの部分の外側の表示 

マイクロ波治療器の外側の表示に対する追加要求事項を表201.C.101に示す。 

表201.C.101−マイクロ波治療器又はそれらの部分の外側の表示 

表示の説明 

細分箇条 

定格出力 

201.7.2.101 

整合負荷 

201.7.2.101 

作動周波数 

201.7.2.101 

非電離放射線図記号 

201.7.2.101 

201.C.2 ME機器,MEシステム又はそれらの部分の内側の表示 

マイクロ波治療器の内側の表示に対する追加要求事項を表201.C.102に示す。 

表201.C.102−マイクロ波治療器又はそれらの部分の内側の表示 

表示の説明 

細分箇条 

非電離放射線図記号 

201.7.3.101 

通則の附属書Dにある,表D.2の図記号2及び図記号10 

201.7.3.102 

11 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書AA 

(参考) 

個別の細分箇条に対する指針及び根拠 

AA.1 一般指針 

この附属書は,この個別規格の重要な要求事項に対して簡潔な解説を与えるものであり,この個別規格

を使う人で,かつ,この個別規格作成に参加しなかった人を対象としている。 

主な要求事項の根拠を理解することは,規格の正しい適用の基礎となる。さらに,この要求事項に対す

る理由は,医療及び技術的進歩によって規格の改正が必要になった場合に,それを容易にすることができ

る。 

AA.2 個別の箇条及び細分箇条に対する根拠 

次は,この個別規格に規定した個別の箇条及び細分箇条に対する根拠である。この附属書の箇条及び細

分箇条の番号は,本文の箇条番号に対応している。 

注記 次の箇条又は細分箇条番号に付した“†”印(ダガーマーク)は,対応する要求事項に対する

根拠であることを示し,かつ,要求事項の文章でないことを容易に識別できるようにしたもの

である。 

201.1.1† 適用範囲 

初版以降に開発された医療機器におけるマイクロ波エネルギーの追加の用途を含めるため,適用範囲を

拡張した。 

この規格は,初めは(血液の)循環を改善する方法として穏やかに組織を温めるために使われたマイク

ロ波装置を包括するために記載した。 

マイクロ波エネルギーの新用途は,細胞死を起こす温度に意図的に組織を熱するために使われる機器を

含んでいる。 

201.3.202† 接触形アプリケータ 

これらは,患者に意図的に触れるか,又は患者の体内に挿入して使うアプリケータである。 

接触形アプリケータの意図は,特定のエリアの細胞に,組織死を起こす十分な温度に加温することを目

的としたマイクロ波放射である。治療への臨床論拠は,組織の縮小又は病変組織の治療を含む(しかし,

制限はされない)ことができる。治療のタイプに依存して,患者は麻酔をかけられたり,かけられなかっ

たりする。この定義は,明確に非接触形アプリケータと区別するために置かれた。 

201.3.205† 非接触形アプリケータ 

非接触形アプリケータは,治療中に患者に接触することを意図していないアプリケータである。このア

プリケータは,穏やかに患者の組織を加温するために使用する。 

一般に,加温が不快感又は苦痛を引き起こすとき,患者は,治療中意識があり,訴えることができる。 

201.3.207† 定格出力 

出力測定器及び測定技術の選定は,定格出力が連続出力かパルス出力かによって異なる。 

201.3.208† 不要放射 

不要放射とは,治療に効果があるといえないマイクロ波エネルギーである。 

12 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この定義は,治療範囲にない組織を保護するために,このエネルギーを測定する要求事項及び試験を定

める。 

これは,患者と同様に操作者の組織も含まれる。 

201.4.3.101† 追加の基本性能の要求事項 

装置が出力を表す数値を表示する場合,その数値を正確に表示することは基本性能である。 

201.7.3† ME機器又はME機器の部分の内側の表示 

表示の目的は,不要放射からサービス要員を保護し,保守又は修理中に電磁障害抑制が低下する可能性

を通知することである。 

201.7.4.2† 制御器 

負荷に供給された電力は,負荷抵抗に依存するので,相対的な単位で目盛をつけることが適切である。 

“0”を表示している時,操作者は,この制御位置は,ゼロ出力であると考える。 

201.8.7.1† 一般要求事項 

微小な低周波の漏れ電流は,高周波電流がある場合には,容易に測定できないため,試験中には,高周

波発振を止めておく。 

201.10.3.101† 不要放射 

この細分箇条は,不要放射を制限し,非接触形アプリケータ周囲の“安全区域”を定めるための要求事

項である。 

正常な使用では,操作者はマイクロ波放射に連続的にさらされることはない。 

患者及び非接触形アプリケータの位置決め中は,出力を切っておく。 

また,取扱説明書において治療中に非接触形アプリケータから1.5 m以上離れるよう操作者に警告する

ことが必要である。 

201.10.3.102† マイクロ波の漏れ 

この要求は,外装,ケーブル,又は導波管コネクタに関連した不要放射を制限している。 

測定を再現性のあるものにするため,次のようにするとよい。 

− 被測定ME機器に存在する基本波及び高調波エネルギーを決定する。 

− 次に記載された条件の測定に適切なメータ/センサを選択する。 

− メータ表示をmW/cm2に設定し,ディスプレイを現在の電界表示(平均しない)モードに設定する。 

− 調査する表面の38 mm以内にセンサの電気的中心を保って連続的にゆっくりとスイープする。 

5 mW/cm2以上の位置を記録する。 

− メータのデータをクリアし,最大値保持に設定して前述で記録された位置を一つずつ調査する。 

プローブの全ての軸が,テスト対象の場所でさら(曝)されるように,プローブの表面を回転させる。 

各部分の読取り最大値を記録する。 

− 全ての読取り最大値が制限値以下であることを確かめる。 

使用するRFセンサは,次に示す又はそれ以上の仕様を備えた電界センサであることが望ましい。 

− センサの最大寸法:直径70 mm 

− センサ及びメータの周波数応答は,測定する最低周波数から最も高い高調波までを含む±1 dB(注:

プローブが必要な全周波数範囲をカバーするように指定されていない場合,重要な全ての周波数でキ

ャリブレーションを行うことができ,プローブの応答は,その指定された周波数範囲内で6 dB超えて

低下しないものを使用しなければならないと規定している。) 

13 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− センサ及びメータの等方性反応は,センサが校正されたレンジの中で±2 dB以下でなければならない

と規定している。 

− センサ及びME機器間の最大距離:センサの直径中心からME機器の表面まで38 mm。 

201.11.4† 可燃性麻酔剤が使われる環境での使用を意図するME機器及びMEシステム 

マイクロ波エネルギーは,可燃(引火)性ガスを速く引火点に到達させるため,マイクロ波治療器は,

可燃(引火)性の麻酔剤と同時に使用してはならないと規定している。 

201.12.4.2.101† 出力表示器 

予期せずに出力されるマイクロ波エネルギーは,操作者にとってハザードである。 

201.12.4.101† 出力低減手段 

非接触形アプリケータを利用しているマイクロ波治療器には,患者を低出力で治療する能力が必要であ

る。 

201.12.4.102† 出力の放射 

この要求事項は,患者が過度の出力レベルで不注意に治療されることを防いでいる。 

201.12.4.103† 可変式タイマ 

非接触形アプリケータを用いたマイクロ波治療器は,連続的監督なしで使われる可能性がある。したが

って,出力スイッチを切るためのタイマは,必須である。 

201.15.4.101† 外装及びカバー 

不要放射を遮蔽するための重要な部品は,工具なしで取り外せない構造が望ましい。 

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14 

T 0601-2-6:2015 (IEC 60601-2-6:2012) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この個別規格で用いられている定義した用語の索引 

定義した用語 

細分箇条 

あ 

アプリケータ(APPLICATOR) 

201.3.201 

い 

医用電気機器,ME機器(MEDICAL ELECTRICAL EQUIPMENT) 
医用電気システム,MEシステム(MEDICAL ELECTRICAL SYSTEM) 

JIS T 0601-1:2012,3.63 
JIS T 0601-1:2012,3.64 

え 

AP類(CATEGORY AP) 
APG類(CATEGORY APG) 

JIS T 0601-1:2012,3.11 
JIS T 0601-1:2012,3.12 

か 

開閉カバー(ACCESS COVER) 
外装(ENCLOSURE) 
患者(PATIENT) 
患者測定電流(PATIENT AUXILIARY CURRENT) 

JIS T 0601-1:2012,3.1 
JIS T 0601-1:2012,3.26 
JIS T 0601-1:2012,3.76 
JIS T 0601-1:2012,3.77 

き 

基礎安全(BASIC SAFETY) 
基本性能(ESSENTIAL PERFORMANCE) 

JIS T 0601-1:2012,3.10 
JIS T 0601-1:2012,3.27 

こ 

工具(TOOL) 

JIS T 0601-1:2012,3.127 

さ 

サービス要員(SERVICE PERSONNEL) 

JIS T 0601-1:2012,3.113 

せ 

正常な使用 
接触形アプリケータ(CONTACT APPLICATOR) 
製造業者(MANUFACTURER) 
整合負荷(MATCHED LOAD) 

JIS T 0601-1:2012,3.71 
201.3.202 
JIS T 0601-1:2012,3.55 
201.3.203 

そ 

操作者(OPERATOR) 
装着部(APPLIED PART) 

JIS T 0601-1:2012,3.73 
JIS T 0601-1:2012,3.8 

て 

定格出力(RATED OUTPUT POWER) 
電源(商用)(SUPPLY MAINS) 

201.3.207 
JIS T 0601-1:2012,3.120 

は 

ハザード(HAZARD) 

JIS T 0601-1:2012,3.39 

ひ 

非接触形アプリケータ(NON-CONTACT APPLICATOR) 

201.3.205 

ふ 

ファントム(PHANTOM) 
不要放射(UNWANTED RADIATION) 

201.3.206 
201.3.208 

ま 

マイクロ波治療器(MICROWAVE THERAPY EQUIPMENT) 

201.3.204 

も 

漏れ電流(LEAKAGE CURRENT) 

JIS T 0601-1:2012,3.47