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T 0601-2-39:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

201.1 適用範囲,目的及び関連規格 ························································································ 1 

201.2 引用規格 ··················································································································· 3 

201.3 用語及び定義 ············································································································· 3 

201.4 一般要求事項 ············································································································· 3 

201.5 PD機器の試験に対する一般要求事項 ·············································································· 4 

201.6 ME機器及びMEシステムの分類 ··················································································· 4 

201.7 PD機器の標識,表示及び文書 ······················································································· 4 

201.8 PD機器の電気的ハザードに関する保護 ··········································································· 6 

201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 ·················································· 6 

201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 ·································································· 6 

201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 ····································································· 6 

201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 ························································· 6 

201.13 危険状態及び故障状態 ································································································ 8 

201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) ··································································· 8 

201.15 ME機器の構造 ········································································································· 8 

201.16 MEシステム ············································································································ 8 

201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性 ········································································ 8 

202 電磁両立性−要求事項及び試験 ························································································ 9 

203 診断用X線機器の放射線防護の一般要求事項 ····································································· 9 

206 ユーザビリティ ············································································································· 9 

208 * 医用電気機器及び医用電気システムにおけるアラームシステムの一般要求事項,試験及び指針 · 9 

附属書 ······························································································································· 10 

附属書G(規定)可燃性麻酔剤の点火の危険に対する保護 ·························································· 10 

附属書AA(参考)個別指針及び根拠 ······················································································ 11 

この個別規格で使用された用語の索引 ····················································································· 12 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 13 

T 0601-2-39:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本医療器材工業

会(JMED)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工

業規格である。 

これによって,JIS T 0601-2-39:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 0601-2-39:2013 

医用電気機器−第2-39部:自動腹膜かん(灌)流用

装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 

Medical electrical equipment-Part 2-39: Particular requirements for basic 

safety and essential performance of peritoneal dialysis equipment 

序文 

この規格は,2007年に第2版として発行されたIEC 60601-2-39を基に,我が国の事情などを考慮し,技

術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

この規格でアスタリスク(*)印がある箇所は,根拠についての説明を附属書AAに記載している。 

注記1 この個別規格は,JIS T 0601-1:2012及びIEC 60601-1-2:2007と併読するものである。 

注記2 “置換え”,“追加”,“修正”の意味は,201.1.4に定義する。 

201.1 適用範囲,目的及び関連規格 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1の箇条1を適用する。 

201.1.1 適用範囲 

置換え 

この規格は,201.3.208に定義した腹膜かん(灌)流用ME機器(以下,PD機器という。)の基礎安全及

び基本性能に関する要求事項に適用する。これは,医療スタッフによって使用される又は医師の指導下に

患者が操作するPD機器について適用する。医療施設で使用されるか又は家庭で使用されるかは問わない。 

ある箇条又は細分箇条が,ME機器だけ又はMEシステムだけに適用することを意図している場合は,

その箇条又は細分箇条のタイトル及び内容にその旨記載する。そうでない場合には,その箇条又は細分箇

条は,ME機器及びMEシステムの両方に関連あるものとして適用する。 

この規格の適用範囲でME機器及びMEシステムの意図する生理的機能における本質的なハザードにつ

いては,JIS T 0601-1の7.2.13及び8.4.1以外は,この規格中の特定の要求事項の中では取り扱わない。 

注記1 JIS T 0601-1の4.2も参照。 

この規格は,病気,怪我若しくは障害の代償機能又は苦痛緩和のために使用されるPD機器にも適用す

ることができる。 

この規格は,透析液及び透析液回路には適用しない。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60601-2-39:2007,Medical electrical equipment−Part 2-39: Particular requirements for basic 

safety and essential performance of peritoneal dialysis equipment(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ことを示す。 

201.1.2 目的 

置換え 

この規格の目的は,201.3.208に定義したPD機器の基礎安全及び基本性能に関する要求事項を規定する

ことである。 

201.1.3 副通則 

追加 

この規格は,JIS T 0601-1の箇条2及びこの個別規格の箇条2に掲載されているこれらの適用可能な副

通則を引用する。 

JIS T 0601-1-3及びJIS T 60601-1-8の要求事項は,この規格には適用しない。 

201.1.4 個別規格 

置換え 

JIS T 0601及びIEC 60601の規格群では,個別規格はJIS T 0601-1の要求事項を適宜,個別のME機器

への適用を,熟考した上で,JIS T 0601-1の要求事項を変更,置換え又は削除してもよい。また,その他

の基礎安全及び基本性能要件を付加してもよい。 

個別規格の要求事項は,JIS T 0601-1の要求事項よりも優先する。 

副通則は,文書番号で引用している。 

この個別規格の箇条及び細分箇条の番号は,接頭番号“201”を付した上でJIS T 0601-1に対応している

(例えば,この個別規格の201.1は,JIS T 0601-1の箇条1の内容であることを示している。)か,又は接

頭番号“20x”を付した上で適用可能な副通則の該当番号に対応している。ここでxとは,副通則の文書番

号の末尾の番号である[例えば,この規格の202.4はJIS T 0601-1-2(IEC 60601-1-2)の箇条4の内容を示

し,203.4の場合はJIS T 0601-1-3の箇条4の内容を示しているなどである。]。JIS T 0601-1への要求事項

の変更は,次の用語を使用し,具体的に記載する。 

“置換え”は,JIS T 0601-1又は適用可能な副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格によって完全

に置き換えることを意味する。 

“追加”は,JIS T 0601-1又は適用可能な副通則の要求事項に,この個別規格の要求事項を追加するこ

とを意味する。 

“修正”は,JIS T 0601-1又は適用可能な副通則の箇条又は細分箇条をこの個別規格の要求事項のとお

り,修正することを意味する。 

JIS T 0601-1に追加した細分箇条又は図は,201.101番から番号を付け,追加の附属書は,AA,BBなど

及び項目はaa),bb) などの文字で表記する。 

副通則に追加した細分箇条又は図は,20xから付番する。ここで“x”はその副通則の番号であり,例え

ば202の場合はJIS T 0601-1-2(IEC 60601-1-2),203の場合はJIS T 0601-1-3を意味する等である。 

以下,“この規格”と表記したときは,JIS T 0601-1及びあらゆる副通則及びこの個別規格を網羅して使

用する。 

この個別規格に対応する箇条又は細分箇条がない場合は,JIS T 0601-1又は適用可能な副通則の箇条又

は細分箇条を,関連がない可能性があったとしても,変更せず適用する。JIS T 0601-1のある部分に,関

係がある可能性があっても,適用しないことを意図している場合には,この個別規格の中でその旨記載す

る。 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

201.2 引用規格 

JIS T 0601-1の箇条2を適用する。 

201.3 用語及び定義 

この個別規格で使用する主な用語及び定義は,JIS T 0601-1:2012によるほか,次による。 

注記 この個別規格で使用された用語の索引参照。 

追加 

201.3.201 

APD ME機器(APD ME EQUIPMENT) 

自動腹膜かん(灌)流(APD)を行うためのME機器。 

201.3.202 

自動腹膜かん(灌)流[AUTOMATED PERITONEAL DIALYSIS (APD)] 

自動腹膜かん(灌)流で透析を行う方法。 

201.3.203 

透析液(DIALYSING SOLUTION) 

PD機器に使用する,適切な薬局方の医薬品各条に記載されている局方薬などを配合し,調製された配

合医薬品(溶液)。 

注記 適切な薬局方には,日本薬局方などがある。 

201.3.204 

透析液回路(DIALYSING SOLUTION CIRCUIT) 

PD機器を使用して,透析液を注液及び排液するため患者の腹くう(腔)内につながる専用器具。 

注記 透析液を含んだ透析液回路の患者へとつながる部分は装着部である。 

201.3.205 

注液(INFLOW) 

透析液が腹くう(腔)内に満たされるまでの過程。 

201.3.206 

排液(OUTFLOW) 

透析液が腹くう(腔)内から空になるまでの過程。 

201.3.207 

腹膜透析(PERITONEAL DIALYSIS) 

透析液を患者の腹くう(腔)内に注液してから排液するまでの過程。 

201.3.208 

腹膜かん(灌)流用ME機器(PD機器)[PERITONEAL DIALYSIS ME EQUIPMENT (PD EQUIPMENT)] 

自動腹膜かん(灌)流用ME機器(APD ME機器)を含む,腹膜透析を行うためのME機器。 

201.3.209 

保護システム(PROTECTIVE SYSTEM) 

発生し得る危険状態から患者を保護するために,特別に設計された自動システム又は構造上の特徴。 

201.4 一般要求事項 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1の箇条4を適用する。 

T 0601-2-39:2013  

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201.4.3 基本性能 

追加 

201.4.3.101 追加基本性能要求事項 

追加 

次を,基本性能とする。 

− 注液量精度 

− 排液量精度 

− 透析液温度精度 

− 注排液量の均衡及び精度 

注記 同一サイクルでの注液量と排液量との差についての規定。 

201.4.7 ME機器の単一故障状態 

追加 

201.4.7.101 PD機器の単一故障状態 

保護システムの単一故障状態の例:一つの保護システムの故障(201.12.4.101,201.12.4.103,201.12.4.104

参照) 

201.5 PD機器の試験に対する一般要求事項 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1の箇条5を適用する。 

201.5.4 その他の条件 

追加 

aa) 試験の結果が,透析液の最初の温度の影響を受ける可能性がある場合,試験開始時の透析液の温度は,

4 ℃未満又は製造業者が指定した最低温度とする。 

bb) 保管温度及び輸送条件が輸送直後の通常使用に影響を与える可能性がある場合は,リスクマネジメン

トプロセスで対処しなければならない。 

201.6 ME機器及びMEシステムの分類 

JIS T 0601-1の箇条6を適用する。 

201.7 PD機器の標識,表示及び文書 

次の変更を加え,JIS T 0601-1の箇条7を適用する。 

201.7.9 附属文書 

201.7.9.1 一般 

追加 

附属文書には,次を含める。 

− 排液ラインからの逆サイフォン現象を防止するための防御措置を取ることの記載。例えば,排液ライ

ンの逆サイフォン現象を防止するために排液と透析液回路との間にエアギャップがあることの重要性

を指摘した記載。 

注記 排液ラインは,通常患者が接続するので,患者に逆サイフォン現象の防止の必要性を警告す

るのは,製造業者の責務である。 

201.7.9.2 取扱説明書 

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追加 

201.7.9.2.101 

取扱説明書には,次を含める。 

a) 必要な殺菌又は消毒を実行するための方法の説明。 

b) 消毒又は殺菌の有効性を確認した試験手順が,要請に応じて利用可能である旨の記載。 

c) 患者への接続及び取外しに関連する危険状態に対して操作者の注意を喚起する記載。 

d) 保護システムからの警報に対して求められる操作者の行動についての説明。 

e) PD機器との併用のために推奨する透析液回路のリスト。 

f) 

ME機器の安全な操作に影響を及ぼす可能性のある電磁放射に関連する,起こる可能性がある危険状

態についての説明。この説明には,そのような電磁放射を生じる可能性のある典型的なME機器の例

及び家庭での環境において起こる可能性のある条件の考慮を含めるのがよい。 

g) クラスIのME機器を使用する場合には,保護接地接続が重要である旨。 

h) 等電位化導線を使用する場合の適用事項。 

i) 

透析液回路の不適切な据付及び接続によって起こる可能性のある危険状態に対して操作者の注意を喚

起するための説明。 

j) 

透析液の選択が不適切であることに関連する起こる可能性のある危険状態に対して使用者及び操作者

の注意を喚起するための説明。 

k) 製品仕様に定義される正常な使用状態からはずれた場合のPD機器の動作についての説明。 

(試験) 

適合性は,調査によって確認する。 

201.7.9.3 技術解説 

追加 

201.7.9.3.101 

技術解説には,次を含める。 

a) このPD機器の据付又は使用に至るときに守ることが望ましい特定の措置又は条件。実施する試験の

種類及び回数についての手引きを含む。 

b) 201.12.4.101で規定した保護システムの種類及び精度。 

c) 201.12.4.101 b) で規定した警報音発生までの遅延時間。 

d) 警報機の消音時間。 

e) 音量調整が可能な警報機の音圧レベルの範囲。 

f) 

患者の腹くう(腔)内への注液及び/又は腹くう(腔)からの排液を補助するポンプによって生じる

最大の陽圧若しくは陰圧のいずれか又は両方。 

g) 製造業者が,どこでどのようにして最大圧力が得られたかを特定する記載。 

h) 201.12.4.103で規定した保護システムに採用されている方法及び感度。 

i) 

201.12.4.104で規定した保護システムに採用されている方法及び感度。 

(試験) 

適合性は,調査によって確認する。 

T 0601-2-39:2013  

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201.8 PD機器の電気的ハザードに関する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1の箇条8を適用する。 

201.8.7 漏れ電流及び患者測定電流 

201.8.7.4 測定 

201.8.7.4.7 患者漏れ電流の測定 

修正 

h) の項を削除する。 

追加 

aa) 測定点は,透析液回路と腹膜カテーテルとの接続部分とする。測定する間,透析液は透析液回路内に

流す。製造業者の指示に従い,使用目的のためPD機器を完全に据え付ける。 

201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 

JIS T 0601-1の箇条9を適用する。 

201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 

JIS T 0601-1の箇条10を適用する。 

201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1の箇条11を適用する。 

201.11.6 あふれ,こぼれ,漏れ,湿気,液体の浸入,清掃,消毒,滅菌及びME機器とともに使用する

物質との適合性 

201.11.6.1 一般 

追加 

11.6.2〜11.6.4の全ての規定を透析液を用いて適用する。 

201.11.6.3 ME機器及びMEシステムへのこぼれ 

置換え 

PD機器は,正常な使用の位置で液だめ又は透析液回路セットからの液のこぼれが生じた場合に危険状

態が生じない構造とする。 

(試験) 

適合性は,調査によって確認する。 

正常な使用の位置に設定されたPD機器を用いて,透析液3 Lを機器の上面に注ぐ。当該溶液を15秒間

にわたって持続的に注ぐ。 

この試験の直後,PD機器に入ったはずの透析液が危険状態を生じる部位をぬらしてないことを調査で

確認する。疑わしい場合には,JIS T 0601-1の8.8.3(耐電圧)に適合し,意図したとおりに機能しなけれ

ばならない。 

201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1の箇条12を適用する。 

201.12.4 危険な出力に対する保護 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

追加 

201.12.4.101 透析液の温度 

a) PD機器が透析液を加温する手段をもつ場合は,温度コントロールシステムから独立して,装着部の

患者側の端で透析液の温度が41 ℃を超えるのを防止する保護システムを備えなければならない。こ

の測定は,ほかの位置で行ってもよいが,患者に注入する地点で41 ℃以下であることを証明しなけ

ればならない。 

注記 患者接続部での温度を測定するのは実際的ではない。 

b) 保護システムの動作は,次の安全条件を実施するものでなければならない。 

− 患者への透析液の流れを止める 

− 警報音及び信号の起動 

注記 製造業者が示しているように,警報音は遅れることがある。 

(試験) 

適合性は,装着部の患者側の端の透析液の温度を測定することによって確認する。 

この試験は,透析液の加温に最も影響を及ぼす条件下で実施する。 

201.12.4.102 圧力 

PD機器が患者の腹くう(腔)内への注液を補助するように設計されたポンプをもつ場合,そのポンプ

において,製造業者が示した最大値を超える陽圧の発生が防止されていなければならない。 

PD機器が患者の腹くう(腔)内からの排液を補助するように設計されたポンプをもつ場合,そのポン

プにおいて,製造業者が示した最大値を超える陰圧の発生が防止されていなければならない。 

注記 過度の圧力は,腹膜を損傷する場合がある。 

(試験) 

適合性は,附属文書の調査及び機能試験によって確認する。 

201.12.4.103 気泡混入 

a) PD機器が患者の腹くう(腔)内に透析液を送り込むのを補助するように設計されたポンプをもつ場

合,PD機器は,受容できないリスクを引き起こす可能性がある量の空気を患者の腹くう(腔)内に

送り込むことを阻止する保護システムを備えなければならない。 

注記 透析液中の個々の気泡の容量の小さな空気は,腹膜透析においては危険状態とはみなされて

いない。 

b) 保護システムの動作は,空気が装着部に入るのを止めるか,又は次の安全条件を実行するものでなけ

ればならない。 

− ポンプの停止 

− 警報音及び信号の起動 

(試験) 

適合性は,附属文書の調査及び機能試験によって確認する。 

201.12.4.104 透析液の過剰注入 

a) PD機器は,過剰な液体が腹くう(腔)内に送られること及び危険状態の発生を予防する保護システ

ムを備えていなければならない。 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 保護システムの動作は,次の安全条件を実行するものでなければならない。 

− 患者への透析液の流れを止める 

− 警報音及び信号の起動 

(試験) 

適合性は,附属文書の調査及び機能試験によって確認する。 

201.12.4.105 保護システム 

この規格で定められている保護システムのあらゆる不具合を,治療開始前に操作者に明らかにしておか

なければならない。 

(試験) 

適合性は,附属文書の調査及び機能試験によって確認する。 

201.13 危険状態及び故障状態 

JIS T 0601-1の箇条13を適用する。 

201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) 

JIS T 0601-1の箇条14を適用する。 

201.15 ME機器の構造 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1の箇条15を適用する。 

追加 

201.15.4.101 透析液回路の説明 

透析液回路が正しく据え付けられないことで患者に危険状態が起こる可能性がある場合は,PD機器に

透析液回路を正しく取り付けることを確実にするための方策を講じなければならない。 

(試験) 

適合性は,調査によって確認する。 

201.15.4.102 排液 

排液は,治療中いつでも行えなければならない。 

注記 手順の中で時折,例えば,患者が接続される前のセットアップ,プライミングなど,ある手順

が完了するまで短時間排液を制限することも必要となる可能性がある。 

(試験) 

適合性は,機能試験によって確認する。 

201.16 MEシステム 

JIS T 0601-1の箇条16を適用する。 

201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS T 0601-1の箇条17を適用する。 

202 電磁両立性−要求事項及び試験 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1-2:2012を適用する。 

なお,IEC 60601-1-2:2007を適用してもよい。 

202.2.219 生命維持機器又はシステム 

追加 

注記 PD機器は,透析治療を早く終えたとしても患者に深刻な傷害又は死を引き起こす可能性は低い

ため,JIS T 0601-1-2:2012に定義する生命維持機器又はシステムとはみなされていない。 

203 診断用X線機器の放射線防護の一般要求事項 

JIS T 0601-1-3:2012は適用しない。 

206 ユーザビリティ 

IEC 60601-1-6:2006を適用する。 

208 * 医用電気機器及び医用電気システムにおけるアラームシステムの一般要求事項,試験及び指針 

JIS T 60601-1-8:2012は適用しない。 

10 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1の附属書を適用する。 

附属書G 
(規定) 

可燃性麻酔剤の点火の危険に対する保護 

JIS T 0601-1の附属書Gは,適用しない。 

11 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書AA 

(参考) 

個別指針及び根拠 

この附属書は,この個別規格の特定の箇条に対する根拠である。この附属書の箇条番号は,本文の箇条

番号と一致する。 

208 医用電気機器及び医用電気システムにおけるアラームシステムの一般要求事項,試験及び指針 

PD機器は,ほとんどの場合家庭環境で使用される。集中治療環境で使用されることは非常にまれであ

るため,JIS T 60601-1-8に規定されているように,家庭治療で使用するアラームシステムとするには異な

る観点でのアラームが必要である。 

12 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この個別規格で使用された用語の索引 

附属文書(ACCOMPANYING DOCUMENT) ································································· JIS T 0601-1:2012, 3.4 

APD ME機器(APD ME EQUIPMENT) ···························································································· 3.201 

装着部(APPLIED PART)························································································· JIS T 0601-1:2012, 3.8 

自動腹膜かん(灌)流[AUTOMATED PERITONEAL DIALYSIS (APD)] ··················································· 3.202 

基礎安全(BASIC SAFETY) ··················································································· JIS T 0601-1:2012, 3.10 

クラスI(CLASS I)······························································································ JIS T 0601-1:2012, 3.13 

透析液(DIALYSING SOLUTION) ·································································································· 3.203 

透析液回路(DIALYSING SOLUTION CIRCUIT) ················································································ 3.204 

基本性能(ESSENTIAL PERFORMANCE) ·································································· JIS T 0601-1:2012, 3.27 

ハザード(HAZARD) ··························································································· JIS T 0601-1:2012, 3.39 

危険状態(HAZARDOUS SITUATION) ······································································ JIS T 0601-1:2012, 3.40 

注液(INFLOW) ························································································································· 3.205 

漏れ電流(LEAKAGE CURRENT) ··········································································· JIS T 0601-1:2012, 3.47 

医用電気機器(ME機器)[MEDICAL ELECTRICAL EQUIPMENT (ME EQUIPMENT)]. ········ JIS T 0601-1:2012, 3.63 

医用電気システム(MEシステム)[MEDICAL ELECTRICAL SYSTEM (ME SYSTEM)] ········ JIS T 0601-1:2012, 3.64 

正常状態(NORMAL CONDITION) ·········································································· JIS T 0601-1:2012, 3.70 

正常な使用(NORMAL USE) ·················································································· JIS T 0601-1:2012, 3.71 

操作者(OPERATOR) ··························································································· JIS T 0601-1:2012, 3.73 

排液(OUTFLOW) ······················································································································ 3.206 

患者(PATIENT)·································································································· JIS T 0601-1:2012, 3.76 

患者測定電流(PATIENT AUXILIARY CURRENT) ······················································· JIS T 0601-1:2012, 3.77 

患者漏れ電流(PATIENT LEAKAGE CURRENT) ························································· JIS T 0601-1:2012, 3.80 

腹膜透析(PERITONEAL DIALYSIS) ······························································································· 3.207 

腹膜かん(灌)流用 ME機器(PD機器)[PERITONEAL DIALYSIS ME EQUIPMENT (PD EQUIPMENT)] ······· 3.208 

等電位化導線(POTENTIAL EQUALIZATION CONDUCTOR) ········································· JIS T 0601-1:2012, 3.86 

プログラマブル電気医用システム(PEMS)[PROGRAMMABLE ELECTRICAL MEDICAL SYSTEM (PEMS)] 

                       ························································· JIS T 0601-1:2012, 3.90 

保護システム(PROTECTIVE SYSTEM) ··························································································· 3.209 

単一故障状態(SINGLE FAULT CONDITION) ···························································· JIS T 0601-1:2012, 3.116 

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13 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 0601-2-39:2013 医用電気機器−第2-39部:自動腹膜かん(灌)流用装置の基礎
安全及び基本性能に関する個別要求事項 

IEC 60601-2-39:2007 Medical electrical equipment−Part 2-39: Particular 
requirements for basic safety and essential performance of peritoneal dialysis 
equipment 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

201.2 
引用規格 

JIS T 0601-1の箇条
2を適用する。 

201.2 

JISとほぼ同じ 

削除 

IEC規格から次の規定を削除
した。 
次の変更を加えてIEC 
60601-1の2.を適用する。 
追加 
IEC 60601-1-9:2007 
IEC 60601-1-10:2007 

我が国の事情による。我が国で
の運用が明確になった場合に次
回改正時に適用を検討する。 

201.3 
用語及び
定義 

201.3.203 
注記 適切な薬局方
には,日本薬局方な
どがある。 

201.3.203 

ISO規格になし 

追加 

我が国の薬局方を示した。 

我が国の事情による。 

201.3.205 

201.3.205 

削除 

注記の削除 

注記に記載の“fill”も“inflow”
も邦訳した場合,同じ訳語にな
るため注記を削除した。 
注記に記載の“drain”も“outflow”
も邦訳した場合,同じ訳語にな
るため注記を削除した。 

201.3.206 

201.3.206 

削除 

注記の削除 

4

T

 0

6

0

1

-2

-3

9

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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14 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

201.4 
一般要求
事項 

201.4.3.101 
追加 
次を,基本性能とす
る。 
− 注液量精度 
− 排液量精度 
− 透析液温度精度 
− 注排液量の均衡
及び精度 
注記 
同一サイクルでの
注液量と排液量と
の差についての規
定 

201.4.3.101 

JISとほぼ同じ 

変更 

− 患者への透析液のフロー 
− 患者からの透析液のフロー 
− 透析液の温度 
− 容量の均衡(注液/排液の
量)の堅持及び精度 

対応国際規格の記載項目のう
ち,上の3項目は機能であり性
能に該当しないため,この規格
では,我が国の自動腹膜灌流用
装置承認基準(薬食発第0325040
号の別添)物理的要求事項を踏
まえ,性能としてより適切な記
載方法にした。 
注排液量の均衡及び精度に関し
ては,理解を助けるため注記を
追加した。 

201.4.7.101 PD機器
の単一故障状態 

201.4.7.101 

JISとほぼ同じ 

変更 

内容が単一故障状態について
しか述べていないため,タイ
トルの「PD機器の正常状態」
を削除し,文言を整備した。 

技術的差異はない。 

201.7 
PD機器の
標識,表
示及び文
書 

201.7.9.1 

201.7.9.1 

JISとほぼ同じ 

削除 

注記の中で患者に関する記述
を削除した。 

技術的差異はない。 

201.7.9.2.101 

201.7.9.2.101 JISとほぼ同じ 

変更 

IEC規格の“ハザード”をJIS
では“危険状態”に置き換え
た。 

技術的な差異はない。 

201.11 
過度の温
度及び他
のハザー
ドに関す
る保護 

201.11.6.3 

201.11.6.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

IEC規格の“ハザード”をJIS
では“危険状態”に置き換え
た。 

技術的な差異はない。 

4

T

 0

6

0

1

-2

-3

9

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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15 

T 0601-2-39:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

201.12 
制御及び
計器の精
度並びに
危険な出
力に対す
る保護 

201.12.4.103 

201.12.4.103 

JISとほぼ同じ 

変更 

IEC規格の“危険を起こし得
る”をJISでは“受容できな
いリスク”に置き換えた。 
IEC規格の“ハザード”をJIS
では“危険状態”に置き換え
た。 
(JIS T 0601-1との整合) 

技術的な差異はない。 

201.15 
ME機器
の構造 

201.15.4.101 

201.15.4.101 

JISとほぼ同じ 

変更 

IEC規格の“ハザード”をJIS
では“危険状態”に置き換え
た。 
(JIS T 0601-1との整合) 

技術的な差異はない。 

202 電磁
両立性−
要求事項
及び試験 

202 

202 

JISとほぼ同じ 

変更 

適用規格をJISとしたが,最
新版のIEC 60601-1-2:2007も
適用可能とした。 

我が国の事情による。 

− 

− 

209 

削除 

我が国の事情による。我が国で
の運用が明確になった場合に次
回改正時に適用を検討する。 

− 

− 

210 

削除 

同上 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60601-2-39:2007,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

4

T

 0

6

0

1

-2

-3

9

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。