T 0601-2-206:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
201.1 適用範囲,目的及び関連規格 ························································································ 1
201.2 引用規格 ··················································································································· 2
201.3 用語及び定義 ············································································································· 2
201.4 一般要求事項 ············································································································· 3
201.5 ME機器の試験に対する一般要求事項 ············································································· 3
201.6 ME機器及びMEシステムの分類 ··················································································· 4
201.7 ME機器の標識,表示及び文書 ······················································································ 4
201.8 ME機器の電気的ハザードに関する保護 ·········································································· 4
201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 ·················································· 4
201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 ·································································· 4
201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 ····································································· 4
201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 ························································· 5
201.13 ME機器の危険状態及び故障状態 ················································································· 6
201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) ··································································· 6
201.15 ME機器の構造 ········································································································· 6
201.16 MEシステム ············································································································ 6
201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性 ········································································ 6
202 電磁両立性−要求事項及び試験 ························································································ 6
附属書 ································································································································ 7
この個別規格で用いられている定義した用語の索引 ···································································· 7
T 0601-2-206:2015
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本理学療法機器
工業会(JIPT)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS T 0601-2-206:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
T 0601-2-206:2015
医用電気機器−第2-206部:乾式ホットパック装置
の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項
Medical electrical equipment-Part 2-206: Particular requirements for the
basic safety and essential performance of dry hot pack therapy equipment
序文
この規格は,通則規格であるJIS T 0601-1:2014(以下,通則という。)及び関連する副通則規格(以下,
副通則という。)と併読する規格である。また,本文中の太字で示した用語は,通則,関連する副通則及び
201.3で定義している用語である。本文中の“置換え”,“追加”及び“修正”の意味は,201.1.4を参照す
る。
201.1
適用範囲,目的及び関連規格
次の変更を加えて,通則の箇条1を適用する。
201.1.1
適用範囲
追加
この規格は,201.3.201で定義した,物理療法で用いる医家向けの乾式ホットパック装置の基礎安全及び
基本性能に関する要求事項について規定する。
この規格は,次のME機器又は機器には適用しない。
− 家庭用乾式ホットパック装置
− 予熱した循環水をパッドに供給して人体を加温するME機器(ウォーターパッド加温装置システム)
− 予熱した空気をパッドに供給して人体を加温するME機器(エアパッド加温装置システム)
− 磁気・振動・温熱を発生するパックによって,人体を加温するME機器(磁気加振式温熱治療器)
注記 平成30年9月30日までJIS T 0601-2-206:2005を適用することができる。
201.1.2
目的
置換え
この規格の目的は,201.3.201で定義した,医家向けの乾式ホットパック装置の基礎安全及び基本性能に
関する要求事項を規定することである。
201.1.3
副通則
追加
この個別規格は,通則の箇条2及びこの規格の201.2に記載した該当する副通則を引用している。
JIS T 0601-1-2:2012は,この個別規格の箇条202で修正して適用する。JIS T 0601-1-3は適用しない。
その他の規格化されたJIS T 0601規格群の副通則は,該当する場合,適用する。
201.1.4
個別規格
置換え
2
T 0601-2-206:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS T 0601規格群において,個別規格は,対象のME機器に適するように通則及び副通則に含まれる要
求事項を修正,置換え又は削除してもよく,他の基礎安全及び基本性能を追加してもよい。
個別規格の要求事項は,通則よりも優先する。
副通則は,規格番号で引用する。
この個別規格の箇条及び細分箇条の番号は,通則の番号に接頭語“201”を付与する(例えば,この個別
規格の201.1は,通則の箇条1の内容を扱う。)。また,副通則の場合には,接頭語“20x”を付与する。こ
こで“x”は,副通則の規格番号の最後の数字である(例えば,この個別規格の202は,JIS T 0601-1-2:2012
の内容を扱う。)。
通則及び副通則の規定の変更は,次の用語を用いて示す。
“置換え”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に全て置き換える
ことを意味する。
“追加”は,通則又は適用する副通則の該当する要求事項に,この個別規格の規定を追加することを意
味する。
“修正”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に修正することを意
味する。
通則に追加する細分箇条,図又は表は,201.101から始まる番号を付ける。ただし,通則は3.1〜3.147
の細分箇条番号で定義している。この個別規格では201.3.201から始まる細分箇条番号で定義する。
追加する附属書は,附属書AA,附属書BBなどと記載し,追加する細別はaa),bb) などと記載する。
各副通則に追加する細分箇条,図又は表は,“20x”から始まる番号を付ける。ここで“x”は副通則の番
号である。例えば,202はJIS T 0601-1-2,203はJIS T 0601-1-3を示す。
“この規格”という用語は,“通則,適用する副通則及びこの個別規格を参照する。”いずれの場合にも
使用する。
この個別規格に対応する箇条又は細分箇条がない場合は,通則又は適用可能な副通則の箇条若しくは細
分箇条を,関連していない場合があっても,変更せずに適用する。通則又は適用可能な副通則のどの部分
においても,関連する可能性があっても,適用しないことを意図している場合には,この個別規格にそれ
を適用しない旨を記載している。
201.2
引用規格
次の変更を加えて,通則の箇条2を適用する。
置換え(IEC 60601-1-2を,次に置き換える。)
JIS T 0601-1-2:2012 医用電気機器−第1-2部:安全に関する一般的要求事項−電磁両立性−要求事項
及び試験
201.3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,通則の箇条3によるほか,次による。
追加
201.3.201
乾式ホットパック装置(DRY HOT PACK THERAPY EQUIPMENT)
発熱体を内蔵したパックに電力を供給して加温し,患部に装着して治療するME機器。このME機器は,
患部を加温するパック及びパックへ電力を供給する制御ユニットで構成する。
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T 0601-2-206:2015
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このME機器には,パック表面を患部へ密接しやすくするため,微弱な振動をパック表面に発生させる
機能をもつME機器がある。
201.3.202
発熱体(HEATING ELEMENT)
電熱線又は熱発生物質を絶縁物で被覆したもの。
201.3.203
制御ユニット(CONTROL UNIT)
パックへの電力供給並びに治療温度を調節及び制御するための器体。
201.3.204
パック(PACK)
内部に発熱体をもち,外郭を布又は合成樹脂などで被覆した装着部。
201.3.205
定格温度(RATED TEMPERATURE)
定格電源電圧におけるパックの最高表面温度。度(℃)で表す。
201.3.206
治療温度(TREATMENT TEMPERATURE)
パックの表面温度。度(℃)で表す。
201.3.207
振動加速度(VIBRATION ACCELERATION)
パックの振動加速度。メートル毎秒毎秒(m/s2)で表す。
201.4
一般要求事項
次の変更を加えて,通則の箇条4を適用する。
201.4.1
ME機器又はMEシステムへの適用のための条件
追加
201.4.1.101
ME機器又はMEシステムへの適用のための追加条件
複合機器及び組合せを指定したME機器の場合は,それぞれの要求事項を規定する個別規格に適合しな
ければならない。
201.4.3
基本性能
追加
201.4.3.101
追加の基本性能の要求事項
追加の基本性能の要求事項は,表201.101による。
表201.101−追加の基本性能の要求事項
要求事項
箇条
治療に関連した不正確な制御及び数値の表示がない。
201.12.1
過度な治療温度が生じない。
201.12.4
201.5
ME機器の試験に対する一般要求事項
通則の箇条5を適用する。
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T 0601-2-206:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
201.6
ME機器及びMEシステムの分類
通則の箇条6を適用する。
201.7
ME機器の標識,表示及び文書
次の変更を加えて,通則の箇条7を適用する。
201.7.9
附属文書
201.7.9.2
取扱説明書
追加
201.7.9.2.101
取扱説明書における追加情報
取扱説明書に,次を追加する。
a) 次の警告
− 超短波治療器,マイクロ波治療器,電気メスなどの強力な電磁波を放出する装置,強力な磁力線を
放出する装置,又はX線を放出する装置との近接した操作(例えば,1 m程度の距離)は,乾式ホ
ットパック装置の制御を不安定にする。
− 重度の局所循環障害をもつ患者の当該部位への適用は,専門医の医学的知見を必要とする。
− 温覚が鈍い患者の当該治療部位には適用してはならない。
− 植込み形電子装置(例えば,ペースメーカ)を装着した患者に,治療部位への適用について使用前
に専門医の医学的知見が得られない場合には,適用してはならない。
− 長時間の同一部位への適用は,低温やけどの原因となる。
b) パックの取扱いに対する次の助言
− パックが交換可能な乾式ホットパック装置,又は複数の異なる形状のパックをもつ乾式ホットパッ
ク装置については,治療の各形態に対し,使用するパックのサイズ及びその用い方についての助言
− パックを強く折り曲げたり,パックを身体の下に敷いたり,又はパックの上に物を置いたりすると,
パックの特性に悪影響をもたらす旨の助言
201.8
ME機器の電気的ハザードに関する保護
通則の箇条8を適用する。
201.9
ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護
通則の箇条9を適用する。
201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護
通則の箇条10を適用する。
201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護
次の変更を加えて,通則の箇条11を適用する。
201.11.1 ME機器の過度の温度
201.11.1.2 装着部の温度
201.11.1.2.1
患者に熱を与えることを意図する装着部
追加
5
T 0601-2-206:2015
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乾式ホットパック装置のパックは,患者に温熱を供給することを目的とする装着部である。
パックの表面温度の制限値に関する要求事項については,201.12.4.101による。
201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護
次の変更を加えて,通則の箇条12を適用する。
201.12.1 制御及び計器の精度
追加
201.12.1.101 制御及び計器の表示
温度表示器をもつ場合は,治療温度の単位は絶対値又は相対値の単位とする。
絶対値表示の場合には,測定した治療温度値に対する表示値の誤差は,各レンジで最高治療温度値の±
10 %とする。
相対値表示の場合には,実治療温度を想起させる数値で表示してはならない(例えば,同じ桁数の数値)。
また,相対値表示においては,その表示に対応する治療温度値(以下,治療温度対応値という。)を乾式
ホットパック装置の取扱説明書に記載しなければならない。
測定した治療温度値に対する治療温度対応値の誤差は,各レンジで最高治療温度対応値の±10 %とする。
なお,温度表示器をもたない場合でも,201.12.1.102に適合しなければならない。
(試験)
適合性は,調査及び201.12.1.102の温度試験によって確認する。
201.12.1.102 温度制御の正確さ
治療温度の最高値は,測定誤差±5 %で測定した場合に,定格温度の±10 %とする。
(試験)
適合性は,次の試験によって確認する。
一辺が65 mmの正方形であって,厚さが0.5 mmの銅板の中央部に熱電温度計の感温部を取り付け,そ
の銅板をパックの発熱体に最も多く密接するように当てる。次にパック全面を厚さ約5 cmの耐熱性ポリウ
レタンフォーム(ポリエステル系)で覆い,制御ユニットの温度調節を最高温度に設定して通電し,熱電
温度計の指示値が一定になる温度を測定する。
201.12.4 危険な出力に対する保護
追加
201.12.4.101 温度の制限
乾式ホットパック装置の定格温度は,75 ℃以下とする。
基準周囲温度は,25 ℃とする。
(試験)
適合性は,201.12.1.102の温度試験によって確認する。
201.12.4.102 タイマ
乾式ホットパック装置には,タイマ作動後(治療終了後)及びタイマ設定前(治療開始前)に,後の治
療準備としてあらかじめパックへ電力を供給する予熱機能を備えることが望ましい。
タイマの最大設定時間は30分間以内とし,誤差は各設定時間において最大設定時間の±5 %とする。
(試験)
適合性は,作動時間の測定によって確認する。
6
T 0601-2-206:2015
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201.12.4.103 振動
パックに振動機能をもつ乾式ホットパック装置のパック表面における振動加速度は,9.8 m/s2以下とする。
(試験)
適合性は,振動加速度の測定によって確認する。
振動加速度は,振動測定器によって測定する。
例 振動の測定に関して,一定の再現性をもつ方法の例を,次に示す。
− 厚さが約1 mmであって,上面の面積が約220 cm2(約17 cm×約13 cm)の鉄板の中央部に
振動測定器に接続した加速度ピックアップを取り付ける。
− その鉄板をパックの人体装着面中央部に約10 mmのスポンジゴムを介して設置する。
− 振動が最大になるよう乾式ホットパック装置を作動させ,振動測定器の最大指示値を確認す
る。
201.13 ME機器の危険状態及び故障状態
通則の箇条13を適用する。
201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS)
通則の箇条14を適用する。
201.15 ME機器の構造
次の変更を加えて,通則の箇条15を適用する。
201.15.4 ME機器の部品及び組立一般
201.15.4.1 コネクタの構造
追加
aa) 乾式ホットパック装置の制御ユニットには,パックへ電力を供給できる接続端子を2個以上装備して
もよい。
201.16 MEシステム
通則の箇条16を適用する。
201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性
通則の箇条17を適用する。
202
電磁両立性−要求事項及び試験
JIS T 0601-1-2:2012を適用する。
7
T 0601-2-206:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書
通則の附属書を適用する。
この個別規格で用いられている定義した用語の索引
定義した用語
細分箇条
い
医用電気機器,ME機器(MEDICAL ELECTRICAL EQUIPMENT)
JIS T 0601-1:2014,3.63
か
患者(PATIENT)
乾式ホットパック装置(DRY HOT PACK THERAPY EQUIPMENT)
JIS T 0601-1:2014,3.76
201.3.201
き
基礎安全(BASIC SAFETY)
基本性能(ESSENTIAL PERFORMANCE)
JIS T 0601-1:2014,3.10
JIS T 0601-1:2014,3.27
し
振動加速度(VIBRATION ACCELERATION)
201.3.207
せ
制御ユニット(CONTROL UNIT)
201.3.203
そ
装着部(APPLIED PART)
JIS T 0601-1:2014,3.8
ち
治療温度(TREATMENT TEMPERATURE)
201.3.206
て
定格(RATED)
定格温度(RATED TEMPERATURE)
電源電圧(MAINS VOLTAGE)
JIS T 0601-1:2014,3.97
201.3.205
JIS T 0601-1:2014,3.54
は
発熱体(HEATING ELEMENT)
パック(PACK)
201.3.202
201.3.204