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T 0402:2016  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 用語及び定義 ··················································································································· 1 

3 原理······························································································································· 2 

4 装置,その他 ··················································································································· 2 

4.1 試薬・その他の物質・材料 ······························································································ 2 

4.2 装置 ···························································································································· 2 

4.3 模擬血管 ······················································································································ 2 

4.4 試験検体 ······················································································································ 2 

4.5 試験検体の調整及び保管 ································································································· 2 

5 試験の手順 ······················································································································ 3 

6 試験回数························································································································· 3 

7 試験結果の表し方 ············································································································· 3 

8 試験結果の報告 ················································································································ 3 

附属書A(参考)模擬血管[5]〜[7] ······························································································· 4 

附属書B(参考)模擬血管の屈曲角度[5]〜[7] ················································································ 5 

参考文献 ····························································································································· 6 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会

(MTJAPAN)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。 

学校法人早稲田大学 東京都新宿区戸塚町1丁目104 

− 特許第4822521号 2011年9月16日 血管動作シミュレータ 

− 特許第4822335号 2011年9月16日 血管動作シミュレータ 

− 特許第4968821号 2012年4月13日 血管動作シミュレータ 

− 特許第4968822号 2012年4月13日 血管動作シミュレータ 

− 特許第5051234号 2012年8月3日 医療機器の耐久試験装置及び耐久試験方法 

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。 

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。 

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。厚生労働大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。 

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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冠動脈ステントの耐久性試験方法 

Durability testing methods for coronary artery stent 

適用範囲 

この規格は,永久留置型の冠動脈ステントの耐久性試験方法について規定する。ただし,デリバリーシ

ステムは除く。 

注記 この規格は,想定される生理学的条件下における長期耐久性を規定するものであり,全てのサ

イズ及び形状の冠動脈ステントについて評価できない場合は,疲労破断の可能性が最も高いサ

イズ及び形状を評価の対象として選択し,評価対象でないその他のサイズ及び形状に対する許

容耐久性を合理的に説明できなければならない。 

冠動脈ステントの耐久性評価では,次の項目を評価する。 

− 目的とする埋め込み部位に応じたインビボ(in vivo)を模擬した繰返し屈曲負荷 

− オーバーラップした状態での評価(使用目的に応じて,評価の必要性を判断) 

− 冠動脈ステントの破断,摩耗,永久ひずみ,コーティングの完全性の喪失(剝離,クラッ

クなど) 

カバード冠動脈ステントは,この規格の適用範囲であり,カバード冠動脈ステントを対

象とした試験では冠動脈ステント部分だけを対象とし,カバー部分の評価については考慮

していないことに注意する。また,吸収性冠動脈ステントの耐久性試験として適用するこ

とは制限されないが,この規格においては吸収性冠動脈ステントの特性を考慮していない

ことに注意する。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

2.1 

冠動脈ステント(coronary artery stent) 

心臓の冠動脈の内くう(腔)を確保するために使用するインプラントで,主に金属製の網状で円筒形の

弾性(ばね状)構造体をもち,カテーテルなどを用いて患者の冠動脈に留置して治療するもの。冠動脈ス

テントには,金属冠動脈ステント,薬剤溶出冠動脈ステント,カバード冠動脈ステント,吸収性冠動脈ス

テントなどの種類がある。冠動脈ステントの拡張方式としては,バルーン拡張型及び自己拡張型がある。 

2.2 

模擬血管(mock artery) 

血管を人工的に模擬したモデル。 

2.3 

破断(fracture) 

T 0402:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

留置した冠動脈ステントが切れる現象。 

2.4 

永久留置型(permanent implantable type) 

永続的に生体内に留置することを意図したタイプ。 

2.5 

最終製品(final products) 

滅菌を含む全ての製造工程を経た出荷可能な製品。 

原理 

検体留置前の状態で125°に曲がった模擬血管に繰り返し屈曲負荷を125°(最大屈曲角度)から105°

(最小屈曲角度)与えることによって,模擬血管内に留置した冠動脈ステントの耐久性を評価する。模擬

血管例を附属書Aに,模擬血管の屈曲角度を附属書Bに示す。 

装置,その他 

4.1 

試薬・その他の物質・材料 

試薬は,りん酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline:PBS)とする。 

4.2 

装置 

試験装置は,制御可能な駆動装置,温度制御装置,測定器などで構成し,心臓の動きに伴う血管の動き

を模擬した繰返し屈曲負荷を,冠動脈ステントを留置した模擬血管部に負荷できる機能を備えているもの

とする。 

4.3 

模擬血管 

模擬血管は,冠動脈血管の力学的特性を考慮して,選択する必要がある。材料は,例えば,シリコーン

製チューブを使用することができる。力学的特性としては,スティフネスパラメータ(stiffness parameter)

(β)がヒトの冠動脈の値である30±3になるようなものを用いることができる。模擬血管の内径は,冠動

脈ステントの拡張径を考慮して選択する。 

スティフネスパラメータ(β)は,式(1)で求める。 

=

1

/

ln

S

0

S

D

D

P

P

β

 ··································································· (1) 

ここに, 

P: 内圧(60〜140 mmHg) 

PS: 基準内圧(100 mmHg) 

D0: 外径(mm) 

DS: P=PSのときの外径(mm) 

4.4 

試験検体 

最終製品を試験検体として用いる。最終製品を用いない場合は,試験結果に影響しないことを合理的に

説明しなければならない。 

4.5 

試験検体の調整及び保管 

模擬血管をりん酸緩衝生理食塩水で満たし,試験検体は,冠動脈ステント拡張器を用いて推奨拡張圧に

て模擬血管内に留置し,模擬血管中に空気が混入している場合にはできるだけ除去する。試験検体を保管

する場合は,室温で保管する。 

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試験の手順 

試験の手順は,次による。 

a) りん酸緩衝生理食塩水を模擬血管内に満たし,試験温度は,37±2 ℃とする。 

b) 通常の方法で,模擬血管内に試験検体を留置する。模擬血管中に空気が混入している場合にはできる

だけ除去する。可能な場合は,同時に複数の試験検体を模擬血管内に設置して試験を行ってもよい。

その場合,オーバーラップした状態での評価を目的としないのであれば,試験検体同士が干渉しない

ように注意する。留置の際のバルーン拡張圧は,推奨拡張圧で模擬血管に圧着させる。 

c) 臨床使用中での変位と同等の変化量に相当する変位で繰り返し屈曲負荷を与え,検体の仕様で定める

回数まで試験する。 

心臓の拡張・収縮に伴う冠動脈の屈曲角度平均値125°の屈曲変形から,105°の屈曲変形になるよ

うに10年使用相当分の回数(拍動の頻度を1回/秒とした場合,約4億回)まで負荷することで耐久

性試験を実施する。例えば,模擬血管平均圧力は100±10 mmHgとする。模擬血管例を附属書Aに,

模擬血管の屈曲角度を附属書Bに示す。 

d) 所定回数の試験終了後,冠動脈ステントの破断,摩耗,永久ひず(歪)みなどを目的に適した倍率の

光学顕微鏡,走査型電子顕微鏡などを用いて観察し記録する。 

また,コート層をもつ場合は,コーティングの完全性の喪失(剝離,クラックなど)などを観察し

記録する。 

e) 試験検体を模擬血管から取り外すときは,破損及び変形しないよう注意する。 

f) 

試験条件がa) 〜e) と異なる場合は,結果にその旨を記載する。 

試験回数 

全ての試験において,6検体以上の試験検体に対して実施することが望ましい。必要に応じて対照群を

設定する。 

試験結果の表し方 

耐久性試験後に,冠動脈ステントの破断及び損傷の有無,顕著な変形,摩耗並びに腐食の有無を顕微鏡

などを用いて評価する。 

試験結果の報告 

耐久性の試験結果には,次の事項を報告する。 

a) 試験装置の構成,検体の外観,冠動脈ステントの材質,並びに試験検体寸法及び模擬血管の種類・寸

法 

b) 滅菌などの前処理,屈曲角度,曲率半径,角度振幅,試験周波数,試験温度など 

c) 試験検体数及び試験期間,並びに試験後の試験検体については,破断及び損傷の有無,顕著な変形,

摩耗並びに腐食の有無 

d) 製造業者名,試験年月日,試験場所及び試験者名 

e) その他,必要な事項 

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附属書A 

(参考) 

模擬血管[5]〜[7] 

A.1 模擬血管例を図A.1に示す。 

図A.1−模擬血管例(屈曲角度125°,曲率半径20 mm) 

屈曲角度 

曲率半径 

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附属書B 

(参考) 

模擬血管の屈曲角度[5]〜[7] 

B.1 

模擬血管の屈曲角度を図B.1に示す。 

試験開始前に,模擬血管の最小屈曲時,最大屈曲時に屈曲角度を確認する。屈曲中央部の屈曲中心から

血管モデルの中心を通る冠動脈ステント長に応じた長さを両端(端点A,B)に引く[図B.1 a) 参照]。二

つの線の端点から1 mm屈曲中心側に点を取り,曲線の両端と1 mm屈曲中心側の点とを結んだ直線を引

き,直線の交点における角度を屈曲角度とする[図B.1 b) 参照]。 

この試験では,屈曲角度:θを最小屈曲角度:105°,最大屈曲角度:125°となるように制御する(図

B.2参照)。 

3 mm 

屈曲中心 

端点A 

端点B 

θ 

3 mm  

a) 屈曲中心から両端への端点A,B 

b) 屈曲角度:θ 

図B.1−屈曲角度の設定 

105˚

125˚

a) 最小屈曲角度 

b) 最大屈曲角度 

図B.2−最小及び最大の屈曲角度 

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参考文献 

[1] 薬食審査発第0904001号 平成15年9月4日:冠動脈ステントの承認申請に係る取扱いについて 

[2] ISO 25539-2:2012,Cardiovascular implants−Endovascular devices−Part 2: Vascular stents 

[3] Guidance for Industry and FDA Staff. -Non-Clinical Engineering Tests and Recommended Labeling for 

Intravascular Stents and Associated Delivery Systems. Document issued on: April 18, 2010 

[4] Guidance for Industry and Food and Drug Administration Staff -Select Updates for Non-Clinical Engineering 

Tests and Recommended Labeling for Intravascular Stents and Associated Delivery Systems. Document issued 

on: August 18, 2015 

[5] K.Iwasaki, Y.Hama, T.Yamamoto, Y.Yagishita, Y.Noguchi, S.Tsubouchi, K.Nakashita, H.Kasanuki, M.Umezu, 

Fracture potentials of five drug-eluting-stent platforms in proximal right coronary artery replica under in-vivo 

simulated cyclically-bended environment, American College of Cardiology 2010, J Am Coll Cardiol, 55(10), 

A135, Georgia, Mar. 2010 

[6] 岩﨑ら,血管拡張ステントの加速耐久試験に関する研究,豊田研究報告 2011,64,117-120 

[7] 岩﨑ら,冠動脈ステントの疲労破壊:破損耐久性の可視化,可視化情報学会誌 2013,33 (131),139-144