T 0304:2002
(1)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業
大臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本
工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願
公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS T 0304には,次に示す附属書がある。
附属書(規定) 誘導結合プラズマ質量分析 (ICP-MS) 法による金属濃度の測定方法
T 0304:2002
(2)
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ················································································ 1
2. 引用規格 ················································································ 1
3. 定義 ···················································································· 1
4. 試験容器及び試験試料 ···································································· 1
4.1 試験容器 ··············································································· 2
4.2 試験容器の洗浄及び滅菌 ································································· 2
4.3 試験試料 ··············································································· 2
4.4 試験試料の洗浄 ········································································· 2
4.5 試験試料の滅菌 ········································································· 2
5. 試験溶液 ················································································ 2
5.1 擬似体液及び加速試験溶液 ······························································· 2
5.2 試験溶液の滅菌 ········································································· 3
6. 試験方法 ················································································ 3
6.1 試験の準備 ············································································· 3
6.2 溶出条件 ··············································································· 3
6.3 試験溶液の濃度測定 ····································································· 3
7. 結果の表示 ·············································································· 4
附属書(規定) 誘導結合プラズマ質量分析 (ICP-MS) 法による金属濃度の測定方法 ··············· 5
解 説 ···················································································· 12
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日本工業規格 JIS
T 0304:2002
金属系生体材料の溶出試験方法
Testing method for metal release from metallic biomaterials
1. 適用範囲 この規格は,体内環境を模擬した溶液(擬似体液)中での金属系生体材料の溶出試験方法
について,試験片レベルでの材料選択において必要となる溶出試験方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0101 工業用水試験方法
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0553 超純水中の金属元素試験方法
JIS K 8007 高純度試薬試験方法通則
JIS K 8101 エタノール (99.5)(試薬)
JIS K 8470 L-システイン塩酸塩一水和物(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8726 乳酸(試薬)
JIS K 9901 高純度試薬−硝酸
JIS K 9902 高純度試薬−塩酸
JIS T 0301 金属系インプラント材料の細胞適合性評価方法
JIS T 0302 金属系生体材料のアノード分極試験による耐食性の評価方法
JIS T 0303 人工関節用材料のピンオンディスク法による摩耗試験方法
JIS T 6102 歯科用ニッケルクロム合金板
JIS T 6115 歯科鋳造用コバルトクロム合金
JIS Z 8802 pH測定方法
ISO 10993-12 Biological evaluation of medical devices−Part 12:Sample preparation and reference materials
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 0301及びJIS T 0302による。
4. 試験容器及び試験試料
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4.1
試験容器 気密可能な容器(例えば,耐熱性及び耐薬品性のあるポリプロピレン製容器など)で,
滅菌できるものを用いる。ただし,分析対象元素を組成及び不純物として含有する容器又は金属を吸着し
やすい容器の使用は避ける。
4.2
試験容器の洗浄及び滅菌 硝酸 (3+97)(JIS K 8541に規定する硝酸3 mLにJIS T 0301に規定する
超純水97 mLの割合で混合し調製する。)によって洗浄した後,超純水を用いて十分に洗浄する。洗浄後,
JIS T 0301に準じ,121 ℃で15分間以上の高圧蒸気滅菌又はこれと同等以上の滅菌性能をもつ滅菌法(ガ
ス滅菌,γ線滅菌,乾熱滅菌など)によって滅菌を行う。
備考 試験容器を滅菌する場合には,容器内壁への金属の汚染には,十分に注意する必要がある。ま
た,分析に使用できるように十分に洗浄され,滅菌済の容器である場合には,省略してもよい。
4.3
試験試料
a) 板状及び棒状試験片 分析の際の定量下限及び試験容器の形状を考慮し,最適な大きさの板状及び棒
状の試験片とする。一つの試験容器に対して1個の試験片を入れることを基本とする。ただし,試験
できる場合には,複数個でも可能とする。試験片の表面仕上げは,平滑な面(例えば,JIS T 0301に
準じ,1 000番以上の耐水研磨及び鏡面研磨など)とする。
参考 試験片が小さすぎると溶出量の検出感度が低下するため,試料全体の表面積の合計が,6 cm2
以上であることが望ましい。
b) 粉末試料 JIS T 0303に準じて生成した摩耗粉など使用目的に応じて粉末試料を用いることもでき
る。ただし,粉末試料を用いる場合には,粒子の形状,平均粒子径,粒子径分布などを測定すること
が望ましい。
参考 粒子の形状,粒子径及び粒子径分布の測定方法は,JIS R 1629,日本薬局方マニュアル第3版
(株式会社南山堂出版)又はJIS T 0301 解説4.4.2に示されている。
c) 表面がポーラスな試料など上記と異なる場合には,結果にその旨を付記する。
4.4
試験試料の洗浄 試験片は,JIS K 8101に規定するエタノール中で5分間以上の超音波洗浄などに
よって十分に洗浄し,JIS T 0301に規定する超純水で洗浄した後,乾燥する。
4.5
試験試料の滅菌 JIS T 0301に準じ,121 ℃で15分間以上の高圧蒸気滅菌又は同等以上の性能をも
つ滅菌方法(ガス滅菌,γ線滅菌,乾熱滅菌など)で滅菌する。また,必要に応じて粉末試料を用いる場
合には,上述以外にJIS K 8101に規定するエタノールによって調製したエタノール水溶液 (70 vol%) など
を用いて行ってもよい。
備考 滅菌時の試料表面への金属などの汚染又は試料表面の変化には,十分に注意する必要がある。
また,滅菌に耐える容器,シートなどを使用し滅菌状態を維持できるようにする。
5. 試験溶液
5.1
擬似体液及び加速試験溶液 試験溶液は,使用環境を考慮し体内環境を模擬した溶液とする。試験
溶液を調製して使用する場合には,特級以上の試薬をJIS T 0301に規定する超純水で調製して用いる。ま
た,JIS Z 8802に規定する方法で,試験溶液のpHを測定する。
例 生理食塩液,緩衝生理的塩類溶液[pH=7.4±0.2,PBS (−),PBS (+) など],細胞培養液,血清
水溶液(20〜30 vol%など),人工唾液及びこれらに類似する溶液。
さらに,加速試験用溶液の一例として次の溶液がある。
乳酸[(1+99)など](JIS K 8726に規定する乳酸を用いて調製する。),塩酸[(0.5+999.5)など]
(JIS K 9902に規定する塩酸を用いて調製する。),アミノ酸水溶液(L-システイン水溶液など)
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[JIS K 8470に規定するL-システイン塩酸塩一水和物を用いて,17.564 g/L (0.1 mol/L) に調製す
る。]
5.2
試験溶液の滅菌 試験溶液は,JIS T 0301に準じ,ろ過(例えば,孔径0.22 μmのメンブレンフィル
タ)滅菌又は121 ℃で15分間以上の高圧蒸気滅菌を行う。
備考 塩酸,血清を含んだ細胞培養液などは高圧蒸気滅菌を行わない。
6. 試験方法
6.1
試験の準備
a) 板状及び棒状試料 JIS T 0301に準じ,クリーンベンチ内で試験容器に滅菌した試験片及び滅菌した
試験溶液を入れ密栓する。この場合に試験片ができるだけ試験容器底面へ密着せず,試験片が試験溶
液に完全に浸せきし,重ならないようにする。
b) 試験溶液の液量 試験溶液の液量は,分析の定量下限を考慮して,溶出試験及び分析に最適な量(例
えば,表面積6 cm2の試験片で30〜50 mL)とする。また,試験溶液を入れた後の試験容器内の残り
の空間に関しては,雑菌の混入を少なくするため可能な限り少なくする。ただし,高圧蒸気滅菌の条
件で試験する場合には,高圧蒸気滅菌に最適な空間とする。
参考 JIS T 6102及びJIS T 6115では,試料の全表面積が約7 cm2で,試験溶液の量が,50 mLと規定
されている。
c) 粉末試料,その他の試料 粉末試料,その他の試料を用いる場合にも同様に滅菌したものを使用環境
及び分析に最適な量となるように滅菌した試験容器に入れ密栓する。粉末の量に関しては,例えば,
JIS T 0301に準じ,粉末 (g)/試験溶液量 (mL) の値が,0.05〜0.1 g/mLとする。
備考 5 %CO2インキュベータ内で細胞培養液を用いる場合には,密栓しない。
6.2
溶出条件
a) 試験は,静置条件を基本とし,必要に応じて振とうしてもよい。
b) 試験溶液の温度は,37±1 ℃とする。
c) 試験容器は,3個以上とする。ただし,試験結果のばらつきが大きい場合には,再試験する。
d) 試験期間は,7日間以上とする。加速試験用溶液を用いる場合又は高圧蒸気滅菌の条件下で行う場合
には,最適な条件に短縮してもよい。試験期間中の不純物及び雑菌の混入には,十分に注意する必要
がある。
e) JIS K 0211に準じ,試験試料を入れない試験溶液だけで同様に試験(空試験)する。ただし,空試験
のばらつきが大きい場合には,再試験する。
f)
臨床などで実際に使用されている材料(参照材料)と溶出量とを比較する場合には,同じ条件で試験
する。
g) JIS Z 8802に規定する方法で溶出試験終了後の試験溶液のpHを測定する。
h) 溶出条件が上記と異なる場合には,結果にその旨を付記する。
備考 加速した試験条件で行う場合など,必要に応じてJIS T 0301に準じ,高圧蒸気滅菌(例えば,
ISO 10993-12に準じ121±2 ℃,1±0.2時間)の条件下でもよい。ただし,この場合には,密
栓しない。
6.3
試験溶液の濃度測定
a) 試験終了後に試験片を取り出す。必要に応じて試験試料を含んだ試験容器を超音波洗浄器を使用して,
試験試料表面に付着した腐食生成物を離脱させる。また,水酸化物などの沈殿物を生じた溶液又は試
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験容器への付着がある溶液では,試験試料を取り除いた後,酸性溶液を加えるなどの最適な前処理に
よって溶解する。ただし,粉末試料を用いた場合には,遠心分離,ろ過などによって粉末試料を除去
する。
b) 分析に必要な量を採取し,空試験溶液中及び試験溶液中の金属濃度を測定する。金属濃度の分析は,
測定する金属元素の濃度範囲に応じて,JIS K 0116に規定する発光分光分析通則,JIS K 0121に規定
する原子吸光分析通則又は類似する方法で行う。誘導結合プラズマ質量分析 (ICP-MS) 法による金属
濃度の分析方法を附属書に示す。
7. 結果の表示 結果の表示は,次による。
a) 溶出量の算出 次の式によって試験溶液の分析値から金属の溶出量を算出し,試料の表面積(1 cm2)
当たりの溶出量の平均値と標準偏差を表示する。必要に応じて参照材料の溶出量と比較する。
i
i
i
(
)/
W
LICIBS
=
−
ここに, Wi:i元素の単位面積当たりの溶出量 (g/cm2)
ICi:溶出試験後の溶液中のi元素の濃度 (g/mL)
IBi:空試験溶液中のi元素の濃度の平均値 (g/mL)
L:溶出試験溶液の全量 (mL)
S:試験片全体の表面積 (cm2)
また,SI国際単位系に準じて算出してもよい。
なお,可能な限り試験片全体の表面積の算出方法を結果に付記する。ただし,粉末試料,多孔質試
料など表面積が算出できない場合には,同一条件下で金属の溶出量及び標準偏差を算出し比較する。
b) 次の試験条件については,結果に付記する。
1) 試験試料又は参照材料の化学組成及び試験試料の製造条件(鋳造,鍛造,熱処理及び加工条件など)
2) 試験片の大きさ,形状,可能であれば表面積及び表面積の算出方法,表面仕上げ条件,洗浄条件な
ど。粉末試料を用いた場合には,粉末の量,粒子の形状(光学顕微鏡写真,走査電子顕微鏡写真な
ど),測定した場合には,平均粒子径,粒子径分布など。
3) 試験容器の材質,形状及び大きさ
4) 試験溶液の種類,化学組成及び量
5) 試験温度,試験条件(振とうの有無,加速条件など),試験期間,試験前及び試験後の試験溶液の
pH
6) 滅菌方法及び滅菌条件
7) 1個の試験容器当たりの試験片の個数,試験容器の個数及び空試験容器の個数
8) 試験溶液の分析方法,定量下限及び空試験溶液の金属濃度並びに標準偏差
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附属書(規定) 誘導結合プラズマ質量分析
(ICP-MS) 法による金属濃度の測定方法
1. 適用範囲 この附属書は,誘導結合プラズマ質量分析 (Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry:
ICP-MS) 法によって,擬似体液中の金属濃度を測定する方法について規定する。
2. 装置の構成及び要旨 誘導結合プラズマ質量分析 (ICP-MS) 装置の構成の一例を,附属書図1に示す。
オートサンプラによって導入された試料が,ネブライザで霧状にされた後,キャリヤガスによってプラズ
マに導入される。導入された測定溶液はプラズマで加熱分解され,測定元素がイオン化される。イオン化
された元素は,イオンレンズ光学系で収束された後,質量分離部へ導かれ,質量/電荷数 (m/z) に応じて
分離され検出器に入る。データ処理部で,質量スペクトルの表示,検量線の作成,測定対象元素の濃度換
算などのデータ処理が行われる。
参考 誘導結合プラズマ質量分析 (ICP-MS) 法の特徴は,同位体が利用でき高感度で多元素同時分析
が可能だが,アルゴンなどによる分子イオン,マトリックスなどの影響を検討する必要がある。
3. 金属濃度の測定方法の一例
3.1
分析溶液の調製
a) すべての容器類を硝酸 (1+19)(JIS K 8541に規定する硝酸1 mLにJIS T 0301に規定する超純水19 mL
の割合で混合し調製する。)及び超純水で十分に洗浄する。
b) 測定溶液を硝酸 (1+99)(JIS K 9901に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調製する。)で最適な測定
濃度範囲 (0.5〜1000 ng/mL) になるように希釈し,内標準物質,例えば,コバルト,インジウムなど
を適切な感度(カウント数)が得られる濃度 (1〜10 ng/mL) になるように加え,さらに,硝酸 (1+99)
を加えて一定の液量とする。
c) 検量線用標準液は,測定濃度範囲で5点以上が望ましい。また,検量線用標準液中の内標準物質の濃
度は,測定溶液の濃度と一致させる。
3.2
ICP-MSによる濃度測定
a) 誘導結合プラズマ質量分析装置は,プラズマを点火し30分間以上保持しプラズマを安定させた後,最
適な感度に調整する。
b) オートサンプラを併用した場合の測定条件を一例として附属書表1に示す。また,鉄濃度を測定する
ため,シールドトーチを使用する場合の測定条件を一例として附属書表2に示す。測定中の洗浄液は,
JIS T 0301に規定する超純水及び硝酸 (3+97)(JIS K 9901に規定する高純度試薬−硝酸を用いて調製
する。)を使用する。
c) 測定質量数は,擬似体液の影響ができるだけ小さくなるように選択する。推奨される測定質量数の一
例を附属書表3に参考として示す。ただし,附属書表3には,一例を示したが溶液の種類によって最
適な測定質量数が変化する場合もある。
細胞培養液中の金属濃度の測定例がJIS T 0301の附属書4(参考)に示されている。さらに,分析
容器の影響,酸の影響,培養液の影響などがJIS T 0301 解説5.に参考として示されている。
備考 誘導結合プラズマ質量分析 (ICP-MS) 法の一般的な取扱い,測定上の注意点などについては,
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JIS K 0553,JIS K 0101,JIS K 8007に規定されている。
参考 鉄濃度の測定では,シールドトーチなどを用い,アルゴンに起因する分子イオンの生成を少な
くすることによって測定することも可能となる。誘導結合プラズマ質量分析 (ICP-MS) とフレ
ームレス原子吸光分析による鉄濃度の定量値の比較を附属書図2に示す。
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附
属
書
図
1
誘
導結
合
プ
ラズ
マ
質量
分
析
(I
C
P
-M
S
)
装置
の
構
成
の一
例
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附属書表 1 オートサンプラを併用した場合のICP-MSの
測定条件の一例
プラズマ関連
周波数
27.1 MHz
RFパワー
1.2 kW
RFマッチング
<2 W
プラズマガス流量 (Ar)
15 L (dm3)/min
補助ガス流量 (Ar)
1 L/min
キャリヤガス流量 (Ar)
1.1〜1.15 L/min
サンプリング位置
5〜5.5 mm
オートサンプラ関連
洗浄液
超純水,3%HNO3
ペリポンプ洗浄速度
0.5 s−1 (rps)
2×10−3 L/min
洗浄時間
180 s
測定溶液の置換速度
0.5 s−1 (rps)
置換時間
60 s
ペリポンプ安定時間
120 s
測定中のペリポンプ速度
0.1 s−1 (rps)
4×10−4 L/min
データ取込
ピークジャンピングモード
1質量数当たりの測定ポイント数
3
繰返し数
6回
質量数積分時間
1 s
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附属書表 2 シールドトーチを使用した場合の測定条件の一例
プラズマ関連
周波数
27.1 MHz
RFパワー
720〜850 W
RFマッチング
2.15 W
プラズマガス流量 (Ar)
15 L (dm3)/min
補助ガス流量 (Ar)
1 L/min
キャリヤガス流量 (Ar)
0.9〜1.2 L/min
ブレンドガス流量 (Ar)
0.5〜0.8 L/min
サンプリング位置
15 mm
オートサンプラ関連
洗浄液
超純水,3%HNO3
ペリポンプ洗浄速度
0.1s−1 (rps)
4×10−4 L/min
洗浄時間
180 s
測定溶液の置換速度
0.1s−1 (rps)
置換時間
120 s
ペリポンプ安定時間
120 s
測定中のペリポンプ速度
0.1 s−1 (rps)
4×10−4 L/min
データ取込
ピークジャンピングモード
1質量数当たりの測定ポイント数
3
繰返し数
6回
質量数積分時間
1 s
備考 チューニングには,59Coを使用し,特にRFパワー,キャリ
アガス流量,ブレンドガス流量などを最適な感度が得られる
ように調整する。
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附属書表 3 ICP-MSを用いた場合の推奨質量数及び定量下限の一例
単位 μg/L
元素
質量数(安定同位体の存在比 %)
定量下限
(計算値)
Al
27(100)
0.03
Ti
46(8),47(7.3),48(73.8),49(5.5),50(5.4)
0.03
V
50(0.25),51(99.75)
0.04
Cr
50(4.345),52(83.79),53(9.501),54(2.365)
0.10
Mn
55(100)
0.02
Fe
54(5.8),56(91.72),57(2.2),58(0.28)
0.50
Co
59(100)
0.02
Ni
58(68.08),60(26.22),61(1.14),62(3.634),64(0.926)
0.04
Cu
63(69.17),65(30.83)
0.10
Zn
64(48.6),66(27.9),67(4.1),68(18.8),70(0.6)
0.08
Se
74(0.89),76(9.36),77(7.63),78(23.78),80(49.61),
82(8.73)
1.00
Zr
90(51.45),91(11.22),92(17.15),94(17.38),96(2.8)
0.025
Nb
93(100)
0.006
Mo
92(14.84),94(9.25),95(15.92),96(16.68),97(9.55),
98(24.13),100(9.63)
0.01
Pd
102(1.02),104(11.14),105(22.23),106(27.33),
108(26.46),110(11.72)
0.02
Ag
107(51.84),109(48.16)
0.02
In
113(4.3),115(95.7)
0.004
Sn
112(0.97),114(0.65),115(0.34),116(14.53),
117(7.68),118(24.23),119(8.59),120(32.59),
122(4.63),124(5.79)
0.09
Ta
180(0.012),181(99.99)
0.006
W
180(0.13),182(26.3),183(14.3),184(30.67),
186(28.6)
0.02
Au
197(100)
0.015
Hg
196(0.15),198(9.97),199(16.87),200(23.1),
201(13.18),202(29.86),204(6.87)
0.06
Pb
204(1.4),206(24.1),207(22.1),208(52.4)
0.03
Bi
209(100)
0.01
備考 下線( )及び点線の下線( )を付けた質量数は,擬似体液中
(細胞培養液,乳酸水溶液など)で測定する場合の推奨値を示す。
定量下限は,下線( )を付けた質量数を用いて次の式によって
算出した。
B
1
B
(μg/L)=10
=5/(
)
S
X X
定量下限
・
−
kk
ここに,SBは,1%硝酸水溶液(ブランク)のカウント数の標準偏
差,X1は,5 μg/Lでのカウント平均値,XBは,1%硝酸水溶液の
カウント平均値を示す。
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T 0304:2002
著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書図 2 誘導結合プラズマ質量分析 (ICP-MS) とフレームレス原子
吸光分析によるFe濃度の定量値の比較
関連規格 JIS R 1629 ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法
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T 0304:2002
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日本工業標準調査会標準部会 医療用具技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
菊 地 眞
防衛医科大学校医用電子工学講座
(委員)
相 川 直 樹
慶應義塾大学医学部
青 山 理恵子
社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
石 谷 薫
日本歯科器械工業協同組合
井 上 政 昭
日本医療機器関係団体協議会
大 村 昭 人
帝京大学医学部附属溝口病院
小 倉 英 夫
日本歯科大学新潟歯学部
片 倉 健 男
日本医療器材工業会
亀 水 忠 茂
日本歯科材料工業協同組合
添 田 直 人
財団法人医療機器センター
田 中 良 明
日本大学医学部
土 屋 利 江
国立医薬品食品衛生研究所
堤 定 美
京都大学再生医科学研究所
豊 島 聰
医薬品医療機器審査センター
西 田 輝 夫
山口大学医学部
根 本 幾
東京電機大学情報環境学部
萩 原 敏 彦
社団法人電子情報技術産業協会
平 野 昌 弘
社団法人日本ファインセラミックス協会
堀 江 孝 至
日本大学医学部
村 上 文 男
社団法人日本画像医療システム工業会