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T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

JIS T 0111は,共通タイトル“義肢−義足の構造強度試験”を付けて,次の8部構成である。 

第1部 試験負荷原理 

第2部 試験試料 

第3部 主要構造強度試験方法 

第4部 主要構造強度試験の試験負荷パラメータ 

第5部 その他の構造強度試験方法 

第6部 その他の構造強度試験の試験負荷パラメータ 

第7部 試験依頼書 

第8部 試験報告書 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 0111-5 : 1997 

(ISO 10328-5 : 1996) 

義肢−義足の構造強度試験 

第5部 その他の構造強度 

試験方法 

Prosthetics−Structural testing of lower-limb prostheses− 

Part 5 : Supplementary structural tests 

序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 10328-5, Prosthetics−Structural testing of 

lower-limb prostheses−Part 5 : Supplementary structural testsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,一つの例外を除いて,単一の試験荷重によって複合負荷を得る単純化した静

的及び繰返し負荷試験について規定する。試験試料に生じる複合負荷は,歩行の立脚相中に生じる二つの

ピーク負荷にそれぞれ関連づけられるものである。 

この規格は下たい(腿)義足,ひざ(膝)離断義足,大たい(腿)義足に適用する。 

備考 この試験方法は,完全組立品,部分組立品又は部品の試験に適用する。 

JIS T 0111のこの第5部*では,JIS T 0111-3及びJIS T 0001-4で規定した試験以外の試験方法とその条件

を規定する。それぞれの試験は,以下の各節で規定される。試験の項目と適用範囲を次に示す。 

項目 

適用範囲 

ねじり試験 

すべての部品 

足部・足継手部の試験 

足部・足継手部又は足継手取付ジグを含むすべて
の足部 

ひざ(膝)最大屈曲止めの試験 

義足で最大屈曲止めを生じさせるためのすべての
ひざ(膝)継手と関連部品 

ひざ(膝)ロック機構の試験 伸展位でひざ(膝)をロックさせるすべての機構 

注* 

JIS T 0111の各規格で第1部,第2部,…,第8部とある場合は,それぞれJIS T 0111-1,JIS T 

0111-2,…,JIS T 0111-8を示す。 

2. 引用規格 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS T 0101 : 1997 福祉関連機器用語[義肢・装具部門] 

備考 ISO 8549-1 : 1989, Prosthetics and orthotics−Vocabulary−Part 1 : General terms for external limb 

prostheses and external orthosesからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS T 0111-1 : 1997 義肢−義足の構造強度試験 第1部 試験負荷原理 

備考 ISO 10328-1 : 1996, Prosthetics−Structural testing of lower-limb prostheses−Part 1 : Test 

T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

configurationsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS T 0111-2: 1997 義肢−義足の構造強度試験 第2部 試験試料 

備考 ISO 10328-2 : 1996, Prosthetics−Structural testing of lower-limb prostheses−Part 2 : Test samples

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS T 0111-3 : 1997 義肢−義足の構造強度試験 第3部 主要構造強度試験方法 

備考 ISO 10328-3 : 1996, Prosthetics−Structural testing of lower-limb prostheses−Part 3 : Principal 

structural testsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS T 0111-4 : 1997 義肢−義足の構造強度試験 第4部 主要構造強度試験の試験負荷パラメータ 

備考 ISO 10328-4 : 1996, Prosthetics−Structural testing of lower-limb prostheses−Part 4 : Loading 

parameters of principal structural testsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等であ

る。 

JIS T 0111-6 : 1997 義肢−義足の構造強度試験 第6部 その他の構造強度試験の試験負荷パラメー

タ 

備考 ISO 10328-6 : 1996, Prosthetics−Structural testing of lower-limb prostheses−Part 6 : Loading 

parameters of supplementary structural testsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等

である。 

JIS T 0111-7 : 1997 義肢−義足の構造強度試験 第7部 試験依頼書 

備考 ISO 10328-7 : 1996, Prosthetics−Structural testing of lower-limb prostheses−Part 7 : Test 

submission documentからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS T 0111-8 : 1997 義肢−義足の構造強度試験 第8部 試験報告書 

備考 ISO 10328-8 : 1996, Prosthetics−Structural testing of lower-limb prostheses−Part 8 : Test reportか

らの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

3. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 0101による。 

4. ねじり試験 

4.1 

試験の目的 この試験では,JIS T 0111-3とJIS T 0111-4で規定した主要構造強度試験の負荷条件で

生じるねじりモーメント(トルク)よりも大きなねじり負荷を義足にかける。義足のねじり強度とすべり

に対する固定状態の安全性を確認するために静的なねじり試験を行う。 

4.2 

一般的要求事項 JIS T 0111-5の4.はソケットから足部・足継手部までの義足の全部品に適用する。 

4.3 

静的許容試験 

4.3.1 

試験試料を製造業者・依頼者の組立説明書によって取り付ける。このとき,特に各部品を締結して

いるボルトの締め付けに注意すること。 

4.3.2 

ひざ(膝)継手を十分伸展させ,仮想ひざ(膝)継手中心及び仮想足継手中心(JIS T 0111-2の7.

参照)をu軸上に,すべての調節可能な部品は中間位にして,試験試料を取り付ける。試験試料を検査し

た結果,上記の設定ができない場合には,製造業者・依頼者のアライメントの指示書に示される中間位に

設定する。 

4.3.3 

試験試料の一方の端を固定し,他端にねじりモーメントMuを作用させ,JIS T 0111-6の表6で規

定するu軸回りの予備ねじりモーメントMusetをかける。予備ねじりモーメントは30秒を超えない時間負

荷し,除荷する。 

T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3.4 

JIS T 0111-6の表6に規定する初期ねじりモーメントMustabを生じるねじりモーメントMuをu軸回

りにかけ,4.3.5の印を付け終わるまで維持する。 

4.3.5 

部品の結合部の相対的な初期角度位置にすべて印をつける。 

4.3.6 

ねじりモーメントMuを4Nm/sを超えない荷重速度で,JIS T 0111-6の表6に規定する最大ねじり

モーメントMumaxになるまでu軸回りになめらかに増加する。最大ねじりモーメントを30秒間維持し,初

期ねじりモーメントMustabまで減少する。 

4.3.7 

試験試料の一番上と下の部品について,最終的な相対角度位置について測定し記録する。最終的な

計測は15分以内に完了させること。 

4.3.8 

除荷後に試験試料の両端の相対角度のずれが3°を超えず,義足又は足部が完全に機能していると

きは,試験試料はJIS T 0111-5の4.とJIS T 0111-6の表6の条件を満足するものとする。 

4.3.9 

試験(4.3.3から4.3.8)を反対方向について繰り返す。 

4.3.10 2本目の試験試料について試験を完全に実施し,JIS T 0111-5の4.とJIS T 0111-6の表6のこの条件

を満足し,破壊しないことを確認する。 

4.3.11 以下の記録をとること。 

a) 試験時に試験条件にあわせて試験試料を組み立てるために必要とした継手のボルトの締め付けトルク。 

b) 試験に要した時間及び相対角度変位の測定に要した時間。 

c) 相対角度変位の値。 

5. 足部・足継手部の試験 

5.1 

試験の目的 JIS T 0111-2の4.1,4.2,4.3,JIS T 0111-1の試験負荷原理やJIS T 0111-3の主要構造

強度試験方法,JIS T 0111-4の試験負荷レベル等を用いて,足部・足継手部は試験試料の組立品の一部又

は単一の部品として試験をすることが可能であるが,JIS T 0111-5の5.では,足部・足継手部に対して前

足部とかかと(踵)部に交互に負荷をかける特別な静的構造強度試験と繰返し構造強度試験について規定

する。 

これらの試験は義足の足部・足継手部の試験及びこれらと義足の他の部分との結合部品に関するもので

ある。これらの試験に関する報告は足部・足継手部とその結合部品に限定して適用する。 

5.2 

試料の選択と準備 足部・足継手部はJIS T 0111-2の5.2により選択する。製造業者・依頼者が,足

部・足継手部と,アライメント調整装置,パイロン取付ジグ,カバー等の足部以外のものとを組み立てて,

義足の部分組立品として提出すること。 

5.3 

アライメント 座標系内の足部・足継手部のアライメントは,JIS T 0111-1とJIS T 0111-2の7.1,

7.2により設定する。 

足部の中心線は図1とJIS T 0111-6の表7に示すようにθf0=7°外旋させる。 

試験荷重F1とF2は,かかと(踵)部と前足部に,足部に対して相対的な所定の角度で固定し,せん断

力を作用させないように工夫した荷重用プレートにより伝達すること(図1参照)。 

図1に示す荷重線と荷重用プレートの角度は,以下のとおりとする(JIS T 0111-6の表7参照)。 

θuf1=θfu1=15° 

θuf2=θfu2=20° 

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T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 試験装置に取り付けた足部の位置(JIS T 0111-2の7.1と7.2も参照) 

5.4 

試験方法 試験荷重はJIS T 0111-6の表3と表8による。 

5.4.1 

静的許容試験 

5.4.1.1 

試験試料を準備し,5.3と試験依頼書 (JIS T 0111-7) によってアライメントを設定する。 

5.4.1.2 

試験試料を図1に示すように試験装置に取り付ける。 

5.4.1.3 

試験荷重F1を増加し,JIS T 0111-6の表8に規定する許容荷重F=F1spまでなめらかに100N/sか

ら250N/sの荷重速度でかける。 

5.4.1.4 

許容試験荷重F1spを規定の値に30秒間維持する。 

5.4.1.5 

試験荷重Fを値0まで減少し,荷重の方向をθuf2に変更する。 

5.4.1.6 

試験荷重F2を増加し,JIS T 0111-6の表8に規定する許容試験荷重F=F2spまでなめらかに100N/s

から250N/sの荷重速度で作用させる。 

5.4.1.7 

許容試験荷重F2spを規定の値に30秒間維持する。 

5.4.1.8 

試験荷重Fを値0まで減少し,試験試料がJIS T 0111-5の5.とJIS T 0111-6の表7,表8を満足

していることを確認する。破損の基準は,以下のとおりとする。 

a) 許容荷重を作用させることができないとき。 

b) 試験試料が破壊したとき。 

c) 義足としての機能を失ったとき。 

5.4.1.9 

2本目の試験試料について完全に試験を実施し,JIS T 0111-5の5.とJIS T 0111-6の表7,表8の

この条件を満足し,破壊しないことを確認する。 

5.4.1.10 試験試料が破壊した場合は,荷重や破壊状態を試験報告書に記録する(JIS T 0111-8参照)。 

5.4.2 

静的破壊試験 

注 静的許容試験で破壊しなかった試験試料をこの試験で使用してもよい。 

5.4.2.1 

試験試料を準備し,5.3と試験依頼書 (JIS T 0111-7) によってアライメントを設定する。 

5.4.2.2 

最初の試験試料を図1に示すように試験装置に取り付ける。 

T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4.2.3 

試験荷重F1を試験試料が破壊するか又は5.4.2.4で規定するぜい(脆)性破壊の最大試験荷重F1su

まで,100N/sから250N/sの初期荷重速度でなめらかに増加させる。試験中に生じた最大の荷重F1を記録

する。 

5.4.2.4 

試験試料をJIS T 0111-5の5.とJIS T 0111-6の表7,表8によってθuf1方向に荷重をかける場合,

この規格を満足するための静的破壊試験荷重は破壊のモードにより異なる(JIS T 0111-3の3.1と3.2参照)。 

ぜい(脆)性破壊の最大試験荷重F1suに耐えるか,又は延性破壊の最大試験荷重F1suを超えたところで

延性破壊が起こったときは,試験試料はJIS T 0111-5の5.とJIS T 0111-6の4.の表7,表8の規定を満足し

たものとする。 

F1suの値はJIS T 0111-6の表8に示す。 

注 製造業者・依頼者が要請した場合又は試験依頼書の中で要請した場合には,5.4.2.4のぜい(脆)

性破壊の規定荷重に耐えた試験試料について,破壊が起こるまで静的破壊試験を継続する。 

5.4.2.5 

2本目の試験試料を図1に示すように試験装置に取り付ける。JIS T 0111-5の5.4.2.2から5.4.2.4

で規定する試験で破損した足部・足継手部を使用してはならない。 

注 もし足部・足継手部が一方向の荷重について試験規定を満足しているときは,他の方向について

の試験に使用してもよい。 

5.4.2.6 

試験荷重F2を試験試料が破壊するか又は5.4.2.7のぜい(脆)性破壊の最大試験荷重F2suまで,

100N/sから250N/sの初期荷重速度でなめらかに増加させる。試験中に生じた最大の荷重F2を記録する。 

5.4.2.7 

試験試料をJIS T 0111-5の5.とJIS T 0111-6の表7,表8の規定によってθuf2方向に荷重をかける

場合,この規格を満足するための試験荷重は破壊のモードにより異なる(JIS T 0111-3の3.1と3.2参照)。 

ぜい(脆)性破壊の最大試験荷重F2suに耐えるか,又は延性破壊の最大試験荷重F2suを超えたところで

延性破壊が起こったときは,試験試料はJIS T 0111-5の5.とJIS T 0111-6の表7と表8の規定を満足した

ものとする。 

F2suの値は,JIS T 0111-6の表8に示す。 

注 製造業者・依頼者が要請した場合又は試験依頼書の中で要請した場合には,5.4.2.7のぜい(脆)

性破壊についての規定荷重に耐えた試験試料について,破壊が起こるまで静的破壊試験を継続す

る。 

5.4.2.8 

2本目の試験試料について完全に試験を実施し,JIS T 0111-5の5.とJIS T 0111-6の表7と表8の

条件を満足し,破壊しないことを確認する。 

5.4.2.9 

もし破壊が生じたときは,試料を観察して破壊のモードを調べ,試験報告書に記録する(JIS T 

0111-8参照)。 

5.4.3 

繰返し負荷試験 

5.4.3.1 

試験試料を準備し,5.3と試験依頼書 (JIS T 0111-7) によってアライメントを設定する。 

5.4.3.2 

図1に示すように試験装置に試験試料を取り付ける。 

5.4.3.3 

試験依頼書 (JIS T 0111-7) によって0.5Hzから3Hzの周波数で繰返し試験荷重F1c=F1max−Fmin

をかかと(踵)部に,F2c=F2max−Fminを前足部に交互に作用させる。もしこの範囲内の周波数での試験が

できないときは,製造業者・依頼者と試験機関は協議の上,異なった周波数を決めてもよい。このときは

JIS T 0111-3の7.1.1から7.1.5を参考とする。 

5.4.3.4 

試験荷重F1cとF2cの波形を検査する。もし波形がJIS T 0111-3の7.1.2によっていなければ試験

を中止する。 

T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4.3.5 

破壊が生じるか又はかかと(踵)部と前足部で各200万回の繰り返しが終了するまで試験を継続

する。 

5.4.3.6 

製造者・依頼者が要請した場合は,破損せずに繰返し負荷試験を完了したすべての試験試料は,

倍率4倍以上のレンズを用いて割れの存在や状態を検査し試験報告書に記録する。 

5.4.3.7 

繰返し試験を完了したすべての試験試料は,θuf1の方向への最終的な静的荷重F1fin=F1spとθuf2の

方向への最終的な静的荷重F2fin=F2spを100N/sから250N/sの荷重速度で作用させる(F1spとF2spはJIS T 

0111-6の表8を参照)。それぞれの方向にこの荷重をかけ,破壊せずに30秒間維持できること。 

5.4.3.8 

2本目の試験試料について完全に試験を実施し,JIS T 0111-5の5.とJIS T 0111-6の表7,表8の

条件を満足し,破壊しないことを確認する。 

5.4.3.9 

もし破壊が生じたときは,その状態について,試験報告書に記録する(JIS T 0111-8参照)。 

6. ひざ(膝)最大屈曲止めの試験 

6.1 

試験の目的 切断者がひざ(膝)立ちをしたり,ひざ(膝)を深く曲げる姿勢をして義足のひざ(膝)

を最大屈曲位にすると,義足には高い負荷がかかる。通常の使用条件下での安全性を確認するために構造

強度試験を必要とする。 

6.2 

一般的要求事項 

6.2.1 

JIS T 0111-5の6.に示す要件は,完全組立品として組み立てたときに,屈曲止めの機能があるすべ

てのひざ(膝)継手と関連部品に適用する。 

6.2.2 

試験試料は完全組立品として組み立てたときに,ひざ(膝)最大屈曲止めの機能をもつひざ(膝)

継手と関連部品で構成する。これ以外の部品は,他の部品で置き換えてもよい。 

6.2.3 

ひざ(膝)継手を各種の部品と組み合わせて使用する可能性があるときは,試験試料を組み合わせ

て最大屈曲をさせた場合に,屈曲止めの位置がその試験試料の回転中心に最も近い条件を代表するように

設定する。 

6.2.4 

試験試料の構成は通常の義足における最大屈曲止めを正確に再現すること。このために,ソケット

や下腿−足部部品を必要とする場合もある。 

6.2.5 

試験試料のアライメントは最も厳しい条件に設定する。 

6.2.6 

必要に応じて試験試料の義足のひざ(膝)の上部と下部に延長部品を取り付けて,大腿部と下腿部

の全体又は一部を再現し,(ただし,5.2.4を参照)u軸と仮想ひざ(膝)継手中心線に直角に合わせること。

延長部品により,仮想ひざ(膝)継手中心からの仮想レバーアームの寸法を400mmとする(図2参照)。 

6.3 

静的試験 

6.3.1 

延長部品の両端の間に100N/sから250N/sの荷重速度で試験荷重Fをかけ,試験試料に破壊が起こ

るか,又は規定の荷重に耐えるのを確認するまで続ける。 

6.3.2 

静的許容試験荷重FspをJIS T 0111-6の表9に示す。 

6.3.3 

2本目の試験試料についても完全に試験を行い,いずれもがJIS T 0111-5の6.とJIS T 0111-6の表9

の試験条件を満足しなければならない。 

6.3.4 

試験試料が破壊した場合には,試験報告書に破壊したときの荷重と破壊状態を記録する (JIS T 

0111-8)。 

7. ひざ(膝)ロック機構の試験 

T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.1 

試験の目的 固定式ひざ(膝)継手では,歩行の立脚時に屈曲荷重がかかることによって,ひざ(膝)

ロック機構が破壊する可能性をもち,危険な状態が生じる。正常な使用状態での適切な安全基準を明らか

にするために,強度試験を必要とする。 

7.2 

一般的要求事項 

7.2.1 

JIS T 0111-5の7.は,ひざ(膝)ロック機構をもつすべての義足ひざ(膝)継手に適用する。 

7.2.2 

ひざ(膝)ロック機構の位置が可変である場合,又は試験試料のアライメント調整に伴ってひざ(膝)

ロック機構がひざ(膝)回転軸に対して移動する場合には,試験試料のひざ(膝)ロック機構が仮想ひざ

(膝)継手中心に最も近づくように,試験試料を取り付ける(JIS T 0111-2の7.4を参照)。 

7.3 

静的許容試験 

7.3.1 

試験試料はJIS T 0111-2と試験依頼書 (JIS T 0111-7) によって準備・位置決めし,JIS T 0111-6の

表10の寸法によって組み立てる。 

7.3.2 

試験試料を試験装置に取り付ける。 

7.3.3 

予備試験荷重Fの値Fset=0.8×Fcを試験試料にかける。ここに,FcはJIS T 0111-6の表11で規定

する繰返し試験荷重とする。予備試験荷重Fsetを30秒を超えない時間維持し,除荷する。 

7.3.4 

初期試験荷重Fの値Fstab=50Nをかけ,7.3.5の調節と計測が終了するまで維持する。 

7.3.5 

JIS T 0111-6の表10によって,足継手とひざ(膝)継手のオフセットが正しくなるように(fAとfK

やoAとoKが適切となるように),上部と下部の負荷をかけるためのレバーアームを調節する。 

初期のLBTの値を計測し,L6として記録する。 

7.3.6 

試験荷重Fを,JIS T 0111-6の表11で規定する許容試験荷重Fspまで,荷重速度100N/sから250N/s

でなめらかにかける。 

許容試験荷重Fspを30秒間規定値に維持する。 

7.3.7 

試験荷重FをFstab=50Nまで減少する。 

7.3.8 

試験荷重Fstab=50Nを,LBTの計測が完了するまで維持する。15分以内に計測を完了する。 

最終のLBTの値を計測し,L7として記録する。 

7.3.9 

上部と下部の負荷作用点の間の永久変形D4を計算し,その値を次のように記録する。 

D4=L6−L7 

7.3.10 JIS T 0111-5の7.とJIS T 0111-6の表10,表11を満足するか否かを調べる。満足しないとみなす基

準は以下のとおりとする。 

a) 試験試料の屈曲角度が増加したり,破損して許容試験荷重が作用しなかった場合。 

b) 永久変形D4が2mmを超えた場合。 

c) 荷重を除いた後に,試験試料が安全に機能しなかった場合。 

7.3.11 2本目の試験試料にも完全な試験を行い,JIS T 0111-5の7.とJIS T 0111-6の表10,表11を満足す

るか否かを調べる。 

7.3.12 規格を満足しない試験試料については,試験報告書にその荷重と破壊の状態を記録する(JIS T 

0111-8を参照)。 

7.4 

静的破壊試験 

注 静的許容試験を終了し破壊しなかった試験試料を,この試験に使用してもよい。 

7.4.1 

試験試料はJIS T 0111-2と試験依頼書 (JIS T 0111-7) によって準備・位置決めし,JIS T 0111-6の

表10の寸法によって組み立てる。 

7.4.2 

試験試料を試験装置に取り付ける。 

T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.4.3 

予備試験荷重Fの値Fset=0.8×Fcを試験試料にかける。ここに,FcはJIS T 0111-6の表11で規定

する繰返し試験荷重とする。予備試験荷重Fsetを30秒を超えない時間維持し,除荷する。 

7.4.4 

初期試験荷重Fの値Fstab=50Nをかけ,7.4.5の調節が終了するまで維持する。 

7.4.5 

JIS T 0111-6の表10によって,足継手とひざ(膝)継手のオフセット(fAとfK又はoAとoKが適切

となるように)が正しくなるように上部と下部の負荷をかけるためのレバーアームを調節する。 

7.4.6 

試験荷重Fを,100N/sから250N/sの初期荷重速度でなめらかにかける。 

7.4.7 

破壊が起こるか又は試験荷重FがJIS T 0111-6の表11で規定する最大試験荷重Fsuを超えるまで続

ける。この試験中に達した最大の荷重Fsuを記録する。 

7.4.8 

もし,軟らかい部品の変形のために,規定する最大試験荷重Fsuを超える荷重がかけられない場合

には,軟らかい部品を硬い部品に換えて再試験を行う。このような変更はすべて試験報告書(JIS T 0111-8

参照)に記録する。 

注 製造業者・依頼者が明確に要請した場合又は試験依頼書の中で要請した場合には,7.4.7に規定す

るぜい(脆)性破壊に関する試験荷重に耐えた後も,破壊が実際に起こるまで静的破壊試験を継

続する。 

7.4.9 

2本目の試験試料についても完全な試験を行い,いずれもがJIS T 0111-5の7.とJIS T 0111-6の表

10,表11に関して破壊の起こらないことを確認する。 

7.4.10 試験試料に破壊が生じた場合には,破壊のモードを知るために試験試料を目視で検査し,その結果

を試験報告書に記録する(JIS T 0111-8参照)。 

7.5 

繰返し負荷試験 

7.5.1 

準備と試験の手順 

7.5.1.1 

試験試料をJIS T 0111-2と試験依頼書 (JIS T 0111-7) によって準備し,アライメントを設定する。

試験負荷レベルによりJIS T 0111-6の表10の寸法によって取り付ける。 

7.5.1.2 

試験開始前と試験中に行った,軟らかい部品の変更や交換についてすべて記録する(JIS T 0111-2

参照)。 

7.5.1.3 

試験試料を試験装置に取り付ける。 

7.5.1.4 

予備試験荷重Fの値Fset=0.8×Fcを試験試料にかける。ここに,FcはJIS T 0111-6の表11で規定

する繰返し試験荷重とする。予備試験荷重Fsetを30秒を超えない時間維持し,除荷する。 

7.5.1.5 

試験荷重Fの値をFmin=50Nに減少し,7.5.1.6の調節が終了するまで維持する。 

7.5.1.6 

JIS T 0111-6の表10によって,足継手とひざ(膝)継手のオフセットが正しくなるように(fAと

fK又はoAとoKが適切となるように),上部と下部の負荷をかけるためのレバーアームを調節する。 

7.5.1.7 

JIS T 0111-6の表11で規定する繰返し試験荷重の最大値Fmaxをかけ,LBTの計測が終了するまで

維持する。 

LBTを計測し記録する。 

7.5.1.8 

試験荷重FをFmin=50Nまで減少する。 

7.5.1.9 

JIS T 0111-6の表11で規定する繰返し試験荷重Fcを,試験依頼書で規定する周波数で,JIS T 

0111-3の7.1.1から7.1.6の規定によってかける。 

7.5.1.10 試験荷重Fcの波形を検査する。波形がJIS T 0111-3の7.1.2に従わないような場合には,試験を

中止する。 

7.5.1.11 次のような場合には,LBTを計測し記録する。 

a) 過剰な変位が生じて試験装置が停止したとき。 

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T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 製造業者・依頼者が保守取扱説明書で指定する部品交換の回数に,繰返し負荷の回数が到達したとき。 

c) 規定の回数が終了したとき。 

7.5.1.12 繰返し試験は破壊が起こるか又は1×106回に達するまで行う。 

7.5.1.13 製造業者・依頼者が要請した場合,破壊することなくこの繰返し試験を完了した試験試料につい

て,倍率4倍以上のレンズを用いて割れの存在や状態を検査し試験報告書に記録する。 

7.5.1.14 繰返し試験を完了したすべての試験試料に対し,JIS T 0111-6の表11で規定する最終の静的試験

荷重Ffin=Fspになるまで,100N/sから250N/sの荷重速度でなめらかにかける。この荷重で破壊せずに30

秒間維持できること。 

7.5.1.15 より高い周波数で試験を行うために,軟らかい部品を硬い部品に交換して試験を行い,硬い部品

に隣接する部品に破壊が起こった場合には,その部品に対する試験としては適当でなかったものと判断す

る。このときは,軟らかい部品に交換して,1Hzで試験を繰り返す。このようなすべての交換と破壊を試

験報告書に記録する。 

7.5.2 

繰返し負荷試験での破壊の基準 繰返し負荷試験として7.5.1.13を終了後,試験試料のうちの1本

でも安全に機能しない場合には,次の基準を適用する。 

7.5.2.1 

3Hz未満の周波数の試験において,試験試料のうちの1本でも規定する最低の耐久性規格を満足

しない場合には,その部品はJIS T 0111-5の7.とJIS T 0111-6の表10,表11の条件を満足しないものとす

る。 

7.5.2.2 

3Hz以上の周波数での試験で破壊が起こった場合には,残りの試験試料に新たに1本を加え,3Hz

未満の周波数で試験を行う。その後に試験試料に破壊が起こった場合には,その部品はJIS T 0111-5の7.

とJIS T 0111-6の表10,表11の条件を満足しないものとする。 

7.5.2.3 

2本目の試験試料についても完全な試験を行い,いずれもがJIS T 0111-5の7.とJIS T 0111-6の表

10,表11に関して破壊が起こっていないことを確認する。 

図2 ひざ(膝)最大屈曲止めの試験における仮想レバーアーム 

10 

T 0111-5 : 1997 (ISO 10328-5 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS T 0111義足構造強度試験方法通則 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

中 川 昭 夫 

兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所 

相 川 孝 訓 

国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 

秋 山 昌 英 

株式会社小原工業 

田 澤 泰 弘 

社団法人日本義肢協会 

久 保   茂 

東京都補装具研究所 

高 橋 一 史 

株式会社啓愛義肢材料販売所 

西 岡 研 一 

株式会社今仙技術研究所 

別 当 有 光 

株式会社高崎義肢 

森 本 正 治 

労災リハビリテーション工学センター 

後 藤 芳 一 

通商産業省機械情報産業局 

冨 岡   悟 

厚生省社会・援護局 

朝 倉 健太郎 

東京大学工学部付属総合試験場 

藤 井 隆 宏 

通商産業省工業技術院標準部 

因   幸二郎 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

宮 地 壽 男 

社団法人日本リハビリテーション医学会