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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 品質······························································································································· 3
4.1 外観 ···························································································································· 3
4.2 性能 ···························································································································· 3
5 試験方法························································································································· 4
5.1 試験条件 ······················································································································ 4
5.2 試料の切り出し(採取)方法 ··························································································· 4
5.3 遊離ホルムアルデヒド試験 ······························································································ 4
5.4 洗濯堅ろう度試験 ·········································································································· 4
5.5 汗堅ろう度試験 ············································································································· 4
5.6 閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)················································································ 4
6 検査方法························································································································· 5
7 表示······························································································································· 5
8 取扱説明書 ······················································································································ 6
附属書A(規定)閉塞法皮膚貼付試験の判定基準 ······································································· 7
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本毛髪工業協同組合(JHA)及び一般財団
法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
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医療用ウィッグ及び附属品−一般仕様
Medical care wig and accessory-General specifications
序文
この規格は,医療用ウィッグ及び附属品の安全性,品質などに関する明確な基準(ガイドライン)がな
いため,この基準を作成し,品質の向上及び情報の提供を行うことを目的としている。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,主として抗がん剤投与若しくは放射線治療の副作用,先天性脱毛症又は重症の円形脱毛症
によって頭髪が脱毛した頭部をカバーすることを目的に使用する医療用ウィッグ及び附属品(インナーキ
ャップ及び両面テープ)の一般仕様について規定する。
注記 この規格で規定する医療用ウィッグ及び附属品は,脱毛症の改善を目的とするものでなく,患
者の整容を改善し,生活の質(Quality of Life)を高めることで治療を補助するものである。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS L 0844 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 1041 樹脂加工織物及び編物の試験方法
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
毛材
人毛及び/又は人工毛を毛植え用に加工したもの。
3.2
毛植え
キャップに毛材を固定する作業。
3.3
キャップ
全体がネット部だけ,又はスキンベース部及びネット部によって構成するもの(図1及び図2参照)。
2
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3.3.1
ネット部
ネット縫製によってキャップを構成する部分。
3.3.2
スキンベース部
分け目に付ける人工肌の部分。
図1−医療用ウィッグの構造
(毛植えを含む)の例
図2−医療用ウィッグのキャップ
(スキンベース部を含む場合)の例
3.4
附属品
医療用ウィッグとは別に構成するもので,用途,使用状況などによって必要となる場合に医療用ウィッ
グと組み合わせて使用するもの。附属品には,インナーキャップ及び両面テープがある。
3.4.1
インナーキャップ
医療用ウィッグと敏感な頭皮が直接触れることを防止するために使用する医療用ウィッグの下に被る柔
らかいネットで縫製されたキャップ。インナーキャップは,医療用ウィッグとは別に構成されているもの,
又はキャップの内側に縫い付けられているものがある(図3参照)。
3.4.2
両面テープ
キャップを頭皮に固定するために使用する両面が粘着するようになっているテープ(図4参照)。
図3−インナーキャップの例
図4−両面テープの例
スキンベース部
ネット部
剝離紙
両面テープ
3
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4
品質
4.1
外観
医療用ウィッグの外観は,次による。
a) 医療用ウィッグは,頭,顔,手などに傷害を与えるような,突起物,先鋭部などがあってはならない。
b) 医療用ウィッグは,滑らかで外観を損なうような,きず,汚れ,破損などがあってはならない。
c) 毛材は,製品の品質を損なう,しみ,むら,変形などがあってはならない。
d) キャップは,緩み,剝がれ,変形などがあってはならない。
e) スキンベース部に異物付着,波うちなどがあってはならない。
4.2
性能
医療用ウィッグの各部分及び附属品の性能は,次による。
a) 毛材 毛材は,人毛及び/又は人工毛とし,毛材の性能は,5.3によって試験したとき,表1の規定に
適合しなければならない。
表1−毛材の性能
評価項目
性能値
試験箇条
遊離ホルムアルデヒド試験の溶出量
20 µg/g以下
5.3
b) ネット部 ネット部の性能は,5.3〜5.6によってそれぞれ試験したとき,表2の規定に適合しなけれ
ばならない。
表2−ネット部の性能
評価項目
性能値
試験箇条
遊離ホルムアルデヒド試験の溶出量
20 µg/g以下
5.3
洗濯堅ろう度試験の変退色及び汚染
変退色4級以上,汚染3級以上
5.4
汗堅ろう度試験の変退色及び汚染
変退色4級以上,汚染3級以上
5.5
閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)の皮膚刺激指数
5.0以下a)
5.6
注a) 刺激反応は,日本皮膚科学会が作成した接触皮膚炎診療ガイドラインに記載されている判定基準
(附属書A参照)に従って,日本皮膚科学会に認定された皮膚科専門医が判定する。
c) スキンベース部 スキンベース部が必要な場合の性能は,5.6によって試験したとき,表3の規定に適
合しなければならない。
表3−スキンベース部の性能
評価項目
性能値
試験箇条
閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)の皮膚刺激指数
5.0以下
5.6
d) インナーキャップ(附属品) インナーキャップ(附属品)がある場合の性能は,5.3〜5.6によってそ
れぞれ試験したとき,表4の規定に適合しなければならない。
表4−インナーキャップ(附属品)の性能
評価項目
性能値
試験箇条
遊離ホルムアルデヒド試験の溶出量
20 µg/g以下
5.3
洗濯堅ろう度試験の変退色及び汚染
変退色4級以上,汚染3級以上
5.4
汗堅ろう度試験の変退色及び汚染
変退色4級以上,汚染3級以上
5.5
閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)の皮膚刺激指数
5.0以下
5.6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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e) 両面テープ(附属品) 両面テープ(附属品)がある場合の性能は,5.3及び5.6によってそれぞれ試
験したとき,表5の規定に適合しなければならない。
表5−両面テープ(附属品)の性能
評価項目
性能値
試験箇条
遊離ホルムアルデヒド試験の溶出量
20 µg/g以下
5.3
閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)の皮膚刺激指数
5.0以下
5.6
5
試験方法
5.1
試験条件
試験条件は,特に規定がない場合は,JIS Z 8703に規定する常温及び常湿とする。
5.2
試料の切り出し(採取)方法
試料の切り出し(採取)方法は,次による。
a) 医療用ウィッグ及び附属品の各部分から切り取ったものを試料とする。
b) 毛植えによってネット部単体での試験が困難な場合は,できる限り毛材をカットし試料とする。
c) 部分ウィッグなど各部材の使用量が少なく,規定の質量又は面積に満たない場合は,複数の同一製品
から採取する。
d) 複数の同一製品からの採取が困難な場合は,部材から採取する。
なお,その場合には部材から採取した試料を用いたことを記録し,問合せ時に対応できるようにす
る。
5.3
遊離ホルムアルデヒド試験
遊離ホルムアルデヒド試験の溶出量は,JIS L 1041の8.1(JIS法)のB法(1 g法)の規定による。
5.4
洗濯堅ろう度試験
洗濯堅ろう度試験の変退色及び汚染は,JIS L 0844のA法のA-2号の規定による。
5.5
汗堅ろう度試験
汗堅ろう度試験の変退色及び汚染は,JIS L 0848の規定による。
5.6
閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)
閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)の皮膚刺激指数は,次による。
a) 医療用ウィッグの各部分及び附属品から切り取った試料を,上背側部(正中線の部分は除く。)に閉塞
貼付する。
なお,上腕部内側又は前腕部内側を用いることもできる。
b) 陰性対照には,一般に溶媒対照又は生理食塩水を使用する。また,試験対象は20例以上とする。
c) 貼付48時間後に貼付[パッチばん(絆)]を除去する。
d) 試料を除去した後,試料に対する反応の評点を次によって求める。
1) 試料を除去した直後に,被験者全員の試料の反応を観察し,表A.1によって評価し,更に評点の和
を求める。
2) 試料の除去直後の反応で,評点が0.5以上の評価をされた被験者が存在した場合には,その被験者
について,試料を除去した状態のまま,更に24時間経過した後の反応を観察し,表A.1によって評
価し,24時間後の評点の和を求める。
e) 皮膚刺激指数を,次によって求める。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) d)の1)で被験者全員の反応の評点が0.0の場合には,皮膚刺激指数を0.0とする(表A.1参照)。
2) d)の2)に該当する場合,1)及び2)で求めた評点の和から,次の式によって試料の除去直後及び更に
24時間経過後の皮膚刺激指数を求め,いずれか高い方の値を皮膚刺激指数とする(表A.1参照)。
なお,次の計算結果は,四捨五入法によって,小数点以下1桁に丸める。
100
×
=N
T
SI
ここに,
SI: 皮膚刺激指数
T: 全被験者の評点の和
N: 全被験者数
【計算例】
計算例を,次に示す。
− 全被験者数20人で閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)を行い,48時間後に貼付を除去した結
果,二人に“軽度の紅斑”が認められたため,表A.1の判定基準によって0.5と判定した。
被験者の評点の和は,0.5+0.5で1.0となる。したがって,皮膚刺激指数は,次のとおり求めら
れる。
0.5
100
20
0.1
=
×
=
SI
− 次に,反応が認められた二人に対して,試料を除去した状態で24時間経過後観察した結果,反応
は認められなかった。表A.1の判定基準によって0.0と判定した。
皮膚刺激指数は,次のとおり求められる。
0.0
100
20
0.0
=
×
=
SI
− 以上の結果,皮膚刺激指数は高い方を採用し5.0となる。
6
検査方法
医療用ウィッグの検査は,箇条5及び目視によって試験したとき,箇条4及び箇条7に適合したものを
合格とする。検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区別し,検査の項目は,それぞれ次のとおりとする。
なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。
a) 形式検査項目
1) 外観検査
2) 性能
b) 受渡検査項目
1) 外観検査
2) 表示
注1) 製品の品質が,設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。
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表示
この規格の全ての要求事項に適合した医療用ウィッグ及び附属品には,本体又は包装の見やすい場所に,
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) 規格番号
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造番号又はその略号
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取扱説明書
取扱説明書には,次の事項を含めなければならない。
なお,使用者が容易に判読できるような大きな文字(8ポイント以上)で記載し,特にg) は枠で囲うな
どほかの文字より大きくし,かつ,目立つ彩色を用いるなど,更に認知しやすくするのがよい。
a) 取扱説明書を必読し,その後は保管する。
b) 主な用途
c) 手入れ方法
d) 手入れ時の留意事項
e) 取扱上の注意事項
f)
アフターサービスに関する連絡先
g) 製造業者名又は販売業者名の名称,連絡先
h) その他の必要とする事項
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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附属書A
(規定)
閉塞法皮膚貼付試験の判定基準
閉塞法皮膚貼付試験(パッチテスト)の基準は,表A.1による。
表A.1−皮膚貼付試験の判定基準
判定の表示
評点
反応
−
0.0
反応なし
±
0.5
軽度の紅斑
+
1.0
紅斑
++
2.0
紅斑+浮腫,丘しん(疹)
+++
3.0
紅斑+浮腫+丘しん(疹)+小水ほう(疱)
++++
4.0
大水ほう(疱)
注記 表A.1は,日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインの基準によった。