2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
S 7018-1990
スキー用語
Skis−Terms and definitions
1. 適用範囲 この規格は,アルペンスキー板及びクロスカントリースキー板の主要特性の仕様に必要な
用語について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS S 7025 クロスカントリースキー試験方法
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 6289-1985 Skis−Terms and definitions
2. 分 類 用語は,次のとおり分類する。
(1) スキー板に関する用語
(2) 設計に関する用語
(3) 形状に関する用語と記号
(4) 物理的特性を表す用語
(5) 締め具取付け範囲に関する用語
(6) スキー板の性能に関する用語
3. 番号,用語及び定義 番号,用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考 用語の中で( )を付けて示したものは,その用語が( )内に示した分野で使用することを
示す。
(1) スキー板に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
101000
スキー板
長さに比べて幅が狭く,滑ることを目的とし
た板で,先端は障害物を乗り越えるために反
り返っているもの。主としてスポーツ及びレ
クリェーションの用具として用いられるが,
その他の目的にも使用される。
この規格では,各種スノースキー板を指す。
参考 英語では,スノースキー板という
用語は,アルペン種目及びノルデ
ィック種目に使うすべてのスキー
板に対する一般用語として使用す
ることがある。ドイツ語及びフラ
ンス語には,このような用語は存
在しない。
ski
2
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
102000
アルペンスキー板
重力を利用して斜面を滑降するために用いる
スキー板。方向と速度の制御は,スキー板の
縦方向と横方向の動きを組み合わせることに
よって行う。操縦力を伝えるために,滑走面
のエッジには,一般に,耐摩耗性に優れた硬
い材料が通常使用される。
alpine ski
102010
山岳スキー板
山に登ったり降りたりするために設計された
アルペンスキー板。通常は,登るときにヒー
ルが上がるいわゆるツァリング用締め具を装
着する。一般に,軽量で短く幅が広い。
mountaineering ski
102020
スノーフィールドスライ
ダー
雪原を滑走するために用いるアルペンスキー
板。通常,その長さは靴のサイズの2倍を超
えない。
snowfield slider
102030
滑降競技スキー板
高速で競う滑降競技に用いるアルペンスキー
板。
downhill ski
102040
回転競技スキー板
回転競技に用いるアルペンスキー板。
slalom ski
102050
大回転競技スキー板
大回転競技に用いるアルペンスキー板。
giant slalom ski
102060
フリースタイルスキー板 フリースタイル競技に用いるアルペンスキー
板。
freestyle ski
102070
バレースキー板
バレー及びアクロバット的バレーに用いるフ
リースタイルスキー板。
ballet ski
102080
成人用スキー板
体重45kg以上の成人が使用するアルペンス
キー板。
adult's ski
102090
ジュニア用スキー板
体重30kg以上45kg未満の人が使用するアル
ペンスキー板。
junior's ski
102100
子供用スキー板
体重30kg未満の人が使用するアルペンスキ
ー板。
childlen's ski
103000
クロスカントリースキー
板
平地及び丘陵地を滑走するためのスキー板。 cross-country ski
103010
クロスカントリー競技ス
キー板
クロスカントリー競技に用いるスキー板。
参考 設計上の要点は,軽量であること
及び整備されたシュプールで滑り
やすいこと。
cross-country racing ski
103020
ライトツァリングスキー
板
比較的雪の状態がよい場合に用いるクロスカ
ントリースキー板。
light touring ski
103030
ツァリングスキー板
滑走に用いるクロスカントリースキー板。
touring ski
103040
山スキー板
山地での滑走に用いるクロスカントリースキ
ー板。
mountain ski
103050
ワイルダネススキー板
あらゆる雪質で,トラック外を滑走するため
に用いるクロスカントリースキー板。非常に
短く(通常は約150cm),幅が広い。
ブッシュウォーカーともいう。
wilderness ski,
bush walker
103060
成人用クロスカントリー
スキー板
体重45kg以上の成人が使用するクロスカン
トリースキー板。
cross-country adult's ski
103070
ジュニア用クロスカント
リースキー板
体重30kg以上45kg未満の人が使用するクロ
スカントリースキー板。
参考 ジュニアや比較的背が低く体重が
30〜45kgの成人が使用するスキー
は,短いスキーを除いて,通常は
成人用と同じ構造となっている。
cross-country junior ski
3
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
103080
子供用クロスカントリー
スキー板
体重30kg未満の人が使用するクロスカント
リースキー板。
参考 特別な構造のスキー板以外は,通
常は雪の上を滑るのではなく,歩
くためのスキー板であり,子供や
体重が30kg未満のジュニアによっ
て使用される傾向にある。
cross-country children's ski
(2) 設計に関する用語
(2.1) 機能的要素に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
201010
滑走面
滑走時に雪と接するスキー板の下面(付図1
参照)。
bottom surface,
running surface
201020
上面
滑走面と反対側の面(付図1参照)。
top surface
201030
側面
上面に対して傍らの面(付図1参照)。
参考 側面には,段が付いたものもある。
side surface
201040
滑走面の溝
滑走面に縦方向に付いている凹状のへこみ
(付図1参照)。
bottom groove
201050
滑走面のエッジ
滑走面と側面が交わる箇所。
bottom surface
201060
スキーチップ
スキー板の最先端(付図2参照)。
ski tip
201070
スキーテール
スキー板の最後端(付図2参照)。
ski tail
201080
スキーシャベル
障害物を容易に乗り越えられるように反り返
っているスキー板の前部(付図2参照)。
ski shovel
201090
前部接触線
スキー板を平らな面に押し付けたとき,滑走
面が平らな面と接触する範囲の中の最前部
(付図2参照)。
forward contact line
201100
後部接触線
スキー板を平らな面に押し付けたとき,滑走
面が平らな面と接触する範囲の中の最後部
(付図2参照)。
rear contact line
201110
スキー板の胴体
前部接触線と後部接触線との間の部分(付図
2参照)。
body of ski
201120
テールターンアップ
後部接触線の後部の反り返っている部分(付
図2参照)。
tail turn-up
201130
スキー板の前部
スキーシャベルに向かうスキー板の胴体の前
半部(付図2参照)。
forebody of ski
201140
スキー板の後部
テールターンアップに向かうスキー板の胴体
の後半部(付図2参照)。
afterbody of ski
201150
中立面
スキー板を滑走面に対して垂直方向に曲げた
とき,スキー板の内部の曲げ応力が発生しな
い面。
neutral plane
(2.2) 構造の形態に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
202010
サンドイッチ構造
コア(203030参照)の上下を,コア自体より
も強度及び剛性の高い素材で強化する複合構
造。これらの強化材は,通常はスキー板全体
にわたって使用されている。コアは,部分的
には空洞でもよく,素材は木,ポリウレタン
などを用いる。
sandwich construction
4
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
202020
ボックス構造
荷重負担層(203010参照)が,スキー板の横
断面の外側の部分又は部分的にスキー板の内
部で,ウェブ(203020参照)とフランジを組
み合わせてボックス状になっている複合構
造。コアは,部分的には空洞でもよく,素材
は木,ポリウレタンなどを用いる。
box construction
202030
ウッドスキー板
木のコアをもつスキー板で,スチールエッジ
を除いて,木より強度及び剛性の高い荷重負
担層(203010参照)をもっていないもの。
wood ski
202040
メタルスキー板
サンドイッチ構造又はボックス構造のスキー
板で,荷重負担層がメタル(通常はアルミ合
金)からできているもの。コアは,部分的に
は空洞でもよく,素材は木,ポリウレタンな
どを用いる。
metal ski
202050
グラスファイバースキー
板
サンドイッチ構造又はボックス構造のスキー
板で,荷重負担層(スチールエッジ又はメタ
ルトップエッジを除く。)がガラス繊維強化プ
ラスチックでできているもの。
fiberglass ski
202060
カーボンファイバースキ
ー板
サンドイッチ構造又はボックス構造のスキー
板で,荷重負担層(スチールエッジ又はメタ
ルトップエッジを除く。)がカーボンファイバ
ーやアラミドファイバー,その他のファイバ
ーから成り,通常はグラスファイバーとの組
合せである。コアは,部分的に空洞でもよく,
素材は木やポリウレタンなどを用いる。
荷重負担層にアラミドファイバーを用いた場
合は,アラミドファイバースキー板ともいう。
carbonfiber ski,
aramidfiber ski
202070
ファイバー・メタルスキー
板
繊維強化プラスチックとメタルを組み合わせ
たものでできている荷重負担層をもつスキー
板。コアは,部分的に空洞でもよく,素材は
木,ポリウレタンなどを用いる。
fiber-metal ski
(2.3) スキーエレメントに関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
203010
荷重負担層
上面と滑走面の側の近くに位置する強度及び
剛性の高い材料の層で,スキー板を曲げたと
きに一つの層では引張応力を,もう一つの層
では圧縮応力を受ける。
load-carrying layers
203020
荷重負担ウェブ
通常,スキー板の側面に平行に配置した強度
及び剛性の高い材料の層で,曲げ応力とせん
断応力を負担するボックス構造を形成してい
る。
リブともいう。
load-carrying web,
ribs
203030
コア
荷重負担層と荷重負担ウェブの間にそれぞれ
位置している構造上のエレメント。
core
203040
締め具取付け補強材
締め具用ねじの保持強さを増すための内部エ
レメント。
insert
203050
ボトムエッジ
滑走面の左右の端に付いている構造上のエレ
メント。通常,金属製で滑走面を保護し,制
御力を伝達する。
bottom edge
5
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
203060
滑走面材
滑走面被膜層としての役割を果たす構造上の
エレメント。通常,ワックスの浸透しやすい
摩擦係数の小さいプラスチックを用いる。
ベースともいう。
bottom surface element,
base
203070
上面材
上面に用いる構造上のエレメント。上面の外
観を良くし,構造上のエレメントを保護する。
top surface element
203080
トップエッジ
上面部分において,エッジを形成する構造上
のエレメント。主としてスキー板を保護する
役割を果たす。
top edge
203090
チッププロテクタ
スキーチップ部及びスキーシャベル部の側
面,トップエッジ及びボトムエッジの保護を
目的とする構造上のエレメント。
tip protector
203100
テールプロテクタ
スキーテール部を保護するため,スキーテー
ル付近に位置する構造上のエレメント。
tail protector
203110
キッキングエイド
前進運動に必要な,縦方向の力の発生を助け
る滑走面の特殊表面形状。
kicking aid
203111
ステップワックス塗布範
囲
斜面の状況に応じ,ステップワックスを塗布
する滑走面の部分。
step wax application area
203112
ステップパターン
前進方向には滑らせ,反対方向の動きには抵
抗する(例えば階段状)ように特別に設計さ
れた歩むための形状。
step pattern
203113
モヘア又は毛皮のインサ
ート
モヘアや毛皮の剛毛がスキーテールに向くよ
うに使用される様々なサイズの挿入物。
mohair or fur inserts
203114
ミクロ構造
特殊研磨技術又は滑走面材の中の複合素材に
よって得られる滑走面の粗さ。これらの素材
は,ときには組み合わせて用いる。
この種のミクロ構造は,キッキングエイドと
しては,滑走面の中央部に限定されるのが普
通である。
micro-structure
(3) 形状に関する用語と記号
番号
用語
定義
対応英語(参考)
301000
呼び長さ
展開した長さ。スキー板の長さを表示するの
に用いる(付図3参照)。
量記号は,lNとする。
nominal length
302000
展開長さ
滑走面の長さで,スキー板のテールとチップ
の間を測定した長さ。
developed length
303000
投影長さ
投影したスキー板の長さ。スキー板を平面に
押し付けて,スキーテールからスキーチップ
までを測定した長さ(付図3参照)。
量記号は,lpとする。
projected length
304000
接触長さ
スキー板を平面に押し付けたとき,0.5mm(ア
ルペンスキーの場合)又は0.1mm(クロスカ
ントリースキーの場合)のすきまゲージが滑
走面と交わる2か所の接触線間の距離(付図
3参照)。
量記号は,lCとする。
contact length
305000
シャベル長さ
スキーシャベル部を投影した長さで,接触長
さと同様に,前部接触線までを測定した長さ
(付図3参照)。
量記号は,lSとする。
shovel length
6
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
306000
テールターンアップ長さ テールターンアップ部を投影した長さで,接
触長さと同様にスキーテールから後部接触線
までを測定した長さ(付図3参照)。
量記号は,lTとする。
tail turn-up length
307000
幅形状
滑走面を縁取り,ボトムエッジで範囲を限定
された曲線の形状。
side geometry
307010
公称幅
ウエストの幅(アルペンスキー板の場合)又
は締め具取付け箇所で測定した幅(クロスカ
ントリースキー板の場合)。
nominal width
307021
スキー板のショルダー幅 スキーシャベル部の最大幅(付図4参照)。
量記号は,bVとする。
width of the shoulder of the ski
307022
スキー板のウエスト幅
中央部の滑走面の最小幅(付図4参照)。
量記号は,bMとする。
width of the waist of the ski
307023
スキー板のヒール幅
後部の滑走面の最大幅(付図4参照)。
量記号は,bHとする。
width of the heel of the ski
307024
サイドカット
スキー板のショルダ幅 (bV) の位置とスキー
板のヒール幅 (bH) の間のサイドの外形を表
す線。この線は,ボトムエッジによって範囲
が限定される。
sidecut
307025
サイドカット長さ
スキー板のショルダ幅の位置とスキー板のヒ
ール幅の位置との間の距離(付図4参照)。
量記号は,lKとする。
length of the sidecut
307026
サイドキャンバ
スキー板の最も幅の広い部分の2か所のサイ
ドを結ぶ線から,サイドカットまでの最大距
離(付図4参照)。
参考 スキー側面に2点で接する接線か
ら中心に対して直角方向にサイド
カットまで測定したときの最大距
離(付図4参照)。
量記号は,dKとする。
side camber
307027
ウエスト指数
サイドキャンバ (dK) のサイドカット長さ
(lK) に対する比率。
量記号は,RKとする。
waist index
307028
テーパ
スキー板のショルダ幅とスキー板のヒール幅
の差の21の長さ。
量記号は,dbとする。
taper
307031
前部接触線幅
滑走面の前部接触点における幅(付図5参
照)。
width at the forward contact line
307032
後部接触線幅
滑走面の後部接触点における幅(付図5参
照)。
width at the rear contact line
307033
前部変曲点
スキー板の幅形状が平行になっている部分の
前端(付図5参照)。
forward deflection point
307034
前部円すい形長さ
前部接触点と前部変曲点との間の距離(付図
5参照)。
length of the forward conical shape
308000
スキー板の厚さ
滑走面に対し,垂直に測定した厚さ。
量記号は,Sとする
thickness of the ski
309000
滑走面間の距離
垂直に立て,滑走面を合わせた2本のスキー
板の滑走面間の距離。
distance between bottom surfaces
7
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
310000
チップ高さ
スキー板の胴体を平面に押し付けて測定した
ときの平面からスキーチップ下側までの高さ
(付図6参照)。
量記号は,hSとする。
tip height
311000
テール高さ
スキー板の胴体を平面に押し付けて測定した
ときの平面からスキーテール下側までの高さ
(付図6参照)。
量記号は,hTとする。
tail height
312000
キャンバ高さ
スキー板を平面に置き,自重だけがかかって
いる状態で測定したときの滑走面と平面との
間の距離。
量記号は,hKとする。
camber height
313000
ボトムキャンバ
キャンバ高さの最高値(付図7参照)。
量記号は,hBとする。
bottom camber
314000
最大キャンバ長さ
スキー板を平面に置き,自重だけがかかって
いる状態で,平面と滑走面の接する2点の位
置を測定したときのスキー板のキャンバ部の
長さ(付図7参照)。
量記号は,lK maxとする。
maximum camber length
315000
残留キャンバ高さ
クロスカントリースキー板の滑走面と平面と
の間で,締め具取付け位置 (P) から8cm後方
の荷重付加位置で測定したキャンバ高さ。ス
キー板には,荷重Fを加えておく(付図8参
照)。
量記号は,hRFとする。
residual camber height
316000
接触荷重
残留キャンバ高さが,0.3mmまで減少する荷
重。
contact load
317000
残留キャンバ長さ
スキー板に荷重Fを加えたとき,クロスカン
トリースキー板のキャンバ部の長さ(付図8
参照)。
量記号は,lRFとする。
residual camber length
318000
標準残留キャンバ長さ
JIS S 7025(クロスカントリースキー試験方
法)に従い,荷重FSを加えた後の残留キャン
バ長さ。
量記号は,lRSとする。
standard residual camber length
319000
スキー板測定用X座標
スキーテールから始まり,測定すべきスキー
板上の位置を明示するための座標。X座標の
長さは,測定値で明示しなければならない(付
図6参照)。
例 S 123=1.6cmは,スキーテールから
123cmの箇所での厚さが1.6cmであ
ることを示している。
x co-ordinate for ski measurement
8
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
320010
キッキングエイド長さ
(1) ワックスを使用するスキー板の場合
ステップワックスを塗る箇所の長さ
(付図9参照)。この箇所は定まっておら
ず,ワックス塗布マークが付いていると
きだけ正確に決めることができる。
(2) ワックスを使用しないスキー板の場合
裏面のキッキングエイド(例えば,ス
テップ又はモヘアのインサート)が位置
している箇所の長さ(付図9参照)。
量記号は,lSTとする。
length of the kicking aid
320020
キッキングエイド範囲の
位置決め指数
キッキングエイド長さの中心と締め具取付け
位置 (MP) との間の距離(付図9参照)。
量記号は,dSTとする。
dSTは,次の式によって求める。
dST=XMP−XSTM
ここに,XMP:締め具取付け位置 (MP)
の位置(付図9参照)
XSTM:キッキングエイド長さ
の中心の位置(付図9
参照)
参考 キッキングエイド長さの中心が締
め具取付け位置の後ろにあると
き,dSTは正の数となる。
positioning index of the kicking aid
area
(4) 物理的特性を表す用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
401000
スキー板の質量
部品が一切取り付けられていないスキー板の
完成品の質量。
量記号は,mとする。
mass of ski
402000
バランスポイント(クロス
カントリースキー板の)
クロスカントリースキー板を支点の上に置い
たとき,バランスがとれる滑走面の中心線上
の点。
balance point
(XC-ski)
403000
慣性モーメント(アルペン
スキー板の)
重心の周りにおけるスキー板の慣性モーメン
ト。
量記号は,Iとする。
polar moment of inertia
(alpine ski)
404000
ばね定数(アルペンスキー
板の)
それぞれの試験条件において,スキー板に負
荷される力 (F) が,この力によって生じるた
わみ (f) に対してもつ割合。
量記号は,Cとする。
また,スキー板の各部分のばね定数は,下記
の添字で表示する。
中心
M
シャベル
S
リヤ
R
後部
A
前部
B
spring constant
(alpine ski)
405000
ばね定数バランス(アルペ
ンスキー板の)
スキー板の後部のばね定数 (CA) が,スキー
板の前部のばね定数 (CB) に対してもつ割
合。
量記号は,Bとする。
spring constant balance
(alpine ski)
9
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
406000
ねじりばね定数(アルペン
スキー板の)
スキー板に加えられたトルク (M) が,その
トルクによって生じるねじり角度 (α) に対
してもつ割合。
量記号は,CTとする。
torsional spring constant
(alpine ski)
407000
変形荷重(アルペンスキー
板の)
それぞれの試験条件において,スキー板が永
久変形を引き起こす荷重。
量記号は,FDとする。
deformation load
(alpine ski)
408000
破壊荷重
それぞれの試験条件において,スキー板が破
損(破壊,層間はく離)を引き起こす荷重。
量記号は,FBとする。
breaking load
409000
曲げ振動特性(アルペンス
キー板の)
固有振動数と半減期によって示される特性。 bending vibrational characteristics
(alpine ski)
410000
固有振動数(アルペンスキ
ー板の)
単位時間当たりの振動数。
量記号は,fとする。
natural frequency
(alpine ski)
411000
半減期(アルペンスキー板
の)
初期振動の振幅を半減するのに要する時間。
量記号は,tとする。
half life
(alpine ski)
412000
疲労特性
長時間にわたり,繰返し荷重を加えることに
よって生じる本質的な特性の変化。
fatigue characteristics
(5) 締め具取付け範囲に関する用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
501000
締め具取付け範囲
締め具取付けねじを固定するスキー板上面の
範囲。
binding mounting area
502000
締め具取付け位置
スキー板の長さ方向に,靴の位置を正しく定
める点。
参考 締め具取付け位置は,アルペンス
キー板の場合は,ISO 5355とISO
5977によって規定された靴のソー
ルのマークに一致し,靴の前上部
については,クロスカントリース
キー板の場合はISO 6959による。
クロスカントリースキー板につい
ては,取付け位置にドリル用ジグ
を使用する。
mounting point
503000
締め具取付けねじ
締め具取付け位置決め後,締め具のアタッチ
メントとスキー板を確実に締め付けるねじ。
SBSと略称してもよい。
参考 SBSは,アルペンスキー板の場合
はISO 6004に従い,クロスカント
リースキー板の場合はISO 7794に
従う。
ski binding screw
504000
ねじ込み深さ
ねじの軸部が,スキー板に挿入された部分の
深さ。スキー板の上面からねじの先端までを
測定する。
量記号は,dとする。
penetration depth
505000
ねじ込みトルク
油滑を施したり,たたいたりすることなく,
所定の条件に従って,締め具取付けねじをス
キー板の穴にねじ込むのに要するトルクの最
大値。
driving torque
10
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
506000
締付けトルク
取付説明書に明示されているトルクで,締め
具取付けねじを確実に締め付けるための適切
なトルク値。
tightening torque
507000
ストリッピングトルク
既に締め付けられているねじに,ねじ込みト
ルクによって更に荷重を加えた場合に,スキ
ー板内のめねじ又はおねじのねじ山に損傷を
与えるトルクで,測定できる最大のトルク。
量記号は,TSとする
stripping torque
508000
静的ねじ保持強さ(ねじ引
抜き強さ)
2本の試験用ねじを準静的にねじの中心線の
方向に引き抜くのに要する荷重。
参考 この荷重を加えると,スキー板の
上面材は破損又は層間はく離を起
こす。
statics screw retention strength
(6) スキー板の性能に関する用語
(6.1) アルペンスキー板
番号
用語
定義
対応英語(参考)
601011
左右の安定性
左右交互に動揺を与えても,一定速度で最大
傾斜線方向を維持する性質。
lateral tracking stability
601012
上下の安定性
有害な動揺を生じる速度でも,雪面に密着し
て直滑降するスキー板の性質。
vertical tracking stability
601013
衝撃吸収性
スキーヤーに衝撃を生じる速度でも,スキー
板が“こぶ”や“くぼみ”になじむ性質。
shock absorption
601021
斜滑降安定性
斜滑降による直進性に関する特性。
参考 スキーヤーは,通常の斜滑降の姿
勢をとり,横滑りを避けるために
十分にエッジをきかせる。
traversing stability
601022
斜滑降エッジ反応性
斜面でスキー板が上方又は下方に回転しない
ように,エッジのたて方を滑らかに増減した
ときにみられる特性。
traversing edge response
601031
ターン始動反応性
通常のターン始動に対してスキー板がみせる
反応に関する特性,及びオーバーターンに対
する過剰抵抗の影響。
turn initiation response
601032
ターン動作反応性
ターン始動後,スキーヤーによる修正行為が
なくても安定したターンを継続する特性。
参考 好ましくない例としては,オーバ
ーターン,レーリング,チャタリ
ング,ターンに対する過剰抵抗な
どが挙げられる。
turn execution response
601033
ターン完了反応性
ターンを完了する際の容易さに関する特性。 turn completion response
601034
ターン迅速性
スキー板が,連続小回りターンにおいて示す
反応の再現性に関する特性,及びオーバータ
ーンとターンに対する過剰抵抗の影響。
turning quickness
601035
カービング反応性
硬い雪の上でスキッドやチャタリングを最小
にして,所定の半径で切込みによる横ずれの
少ないターンを行う際にスキー板が示す特
性。
carving response
601036
スキッド反応性
ターン,斜滑降及び停止を行っているときに
スキー板がみせる横滑り制動ターンの滑らか
さ及び安定性に関する特性。
skidding response
11
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
601041
エッジグリップ
雪面の硬い所定の傾斜度の斜面を所定のエッ
ジング角で滑走するとき,望ましくない横滑
りを起こさない特性。
edge grip
601042
方向操作性
エッジのたて方,体重の移動,荷重の有無な
どに対してスキー板がみせる反応に関する特
性。
steering sensitivity
601043
復元許容性
凹凸のある斜面の影響又はスキーヤーの不必
要な制御動作の影響を減少させる特性。
forgiveness
601044
エッジグリップバランス 所定の滑走状況の下で,スキーヤーが通常の
姿勢をとれるようエッジグリップを前後に分
配する特性。
edge grip balance
601045
チャタリング
エッジグリップが時々効かなくなる傾向に関
する特性。
chattering
601046
レーリング
スキーヤーによる制御動作にもかかわらず,
最初とっていた方向を維持する傾向に関する
特性。
railing
601047
機敏性
斜面の変化及びスキーヤーの動作に対する機
敏なスキー板の反応に関する特性。
liveliness
601048
沈静性
衝撃,振動など不安定な要素を減少させるス
キー板の性能に関する特性。
quietness
(6.2) クロスカントリースキー板
番号
用語
定義
対応英語(参考)
602011
滑走特性
滑走時の滑らかさ及び速度に関する特性。
gliding
602012
保持特性
キックしたとき,スキー板が後方に滑らない
特性。
retention
(properties)
602013
左右の安定性
シュプールからスキー板が横に逃れない性
質。
lateral tracking stability
602014
ばね反応性
キックに対するスキー板の弾性応答性。
springiness
602021
ターン動作反応性
安定したターンの継続に関する特性。
turn executing response
602022
スキッド反応性
ターン,斜滑降及び停止を行っているときに
スキー板がみせる横滑り制動ターンの滑らか
さ及び安定性に関する特性。
skidding response
602031
エッジグリップ
スキッド,全制動滑降及び開脚登行に関する
特性。通常,横滑りの防止に関するものであ
る。
edge grip
602032
摩擦音
雪とスキー板との摩擦による音。
frictional noise
602033
着氷
雪質及び滑走面の特性によって,スキー板の
滑走面を氷の膜が覆う現象。
icing
602034
ワックスアビリティ
ワックスが,塗りやすく落ちにくい特性。
wax ability
12
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 スキー板の機能的要素(横断面)図
付図2 スキー板の機能的要素(縦断面)図
付図3 スキー板の形状(長さ)図
付図4 凹状サイドカットの付いているスキー板のサイド形状図
13
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図5 パラレルサイドカットをもつスキー板のサイド形状図
付図6 スキー板の形状(厚さ,高さ)図
付図7 スキー板の形状(キャンバ)図
付図8 クロスカントリースキー板の残留キャンバ図
14
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図9 スキー板のキッキングエイド図
関連規格:JIS S 7007 アルペンスキー
JIS S 7019 アルペンスキー試験方法
JIS S 7020 クロスカントリースキー
ISO 5355 Ski boots for adults−Interfaces for ski bindings for downhill skiing
ISO 5902 Alpine skis−Determination of the elestic properties
ISO 5977 Ski boots for children−Interfaces for ski bindings for downhill skiing
ISO 6003 Alpine skis−Determination of mass and polar moment of inertia−Laboratory
measurement method
ISO 6004 Alpine skis−Ski binding screws−Requirements
ISO 6265 Alpine skis−Determination of deformation load and breaking load
ISO 6266 Alpine skis−Determination of fatigue indexes−Cyclic loading test
ISO 6267 Alpine skis−Measurement of bending vibrations
ISO 6959 Cross-country ski boots with three pin holes−Dimensions, interface and design
ISO 7138 Cross-country skis−Determination of mass and location of balance point
ISO 7140 Cross-country skis−Determination of dynamic performance−Laboratory measurement
method
ISO 7264 Cross-country skis−Dimensions of the binding mounting area for toe clip bindings
ISO 7265 Cross-country skis−Binding mounting area−Static screw retention strength−
Requirements and test method
ISO 7793 Cross-country skis−Binding mounting area−Stripping torque−Requirements and test
method
ISO 7794 Cross-country skis−Ski binding screws−Requirements
ISO 7797 Cross-country skis−Determination of breaking load and deflection at break with quasistatic
load
ISO 7798 Cross-country skis−Determination of fatigue indexes−Cyclic loading test
ISO 8364 Alpine skis and bindings−Binding mounting area−Requirements and test methods
15
S 7018-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日用品部会 スキー専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
南 野 竹 男
財団法人長岡テクノポリス開発機構
森 田 光 俊
通商産業省生活産業局
細 川 幹 夫
工業技術院標準部
松 岡 寿 人
財団法人日本文化用品安全試験所
鈴 木 誠 一
新潟県工業技術センター
藤 本 定 正
長野県工業試験場
向 井 正 剛
文部省体育局
松 井 秀 治
財団法人スポーツ医科学研究所
渋 川 侃 二
中京大学体育学部
高 村 雄 治
青山学院大学体育研究室
杉 山 進
社団法人日本職業スキー教師協会
松 浦 益司郎
財団法人全日本スキー連盟
鈴 木 祐 一
財団法人日本体育協会
丸 山 哲 三
日本スキー工業組合
林 敬次郎
ミズノ株式会社
棚 橋 良 次
ヤマハ株式会社スポーツ事業部
川 又 輝 長
社団法人日本スポーツ用品工業協会
風 間 直 人
株式会社カザマスキー
西 沢 保 佑
株式会社西沢
山 崎 富 雄
日本スキーポール工業会
井 本 忠 博
全日本スポーツ用品卸商組合連合会
泉 田 弘
日本スポーツ用品輸入協会
宮 沢 順 一
株式会社シナノ
(関係者)
高 橋 文 男
製品安全協会
(事務局)
工 藤 英 武
工業技術院標準部繊維化学規格課
門 間 由 洋
工業技術院標準部繊維化学規格課