サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

S 6050 : 2002  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本字消工業会 

(JEMA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,

JIS S 6050 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

S 6050 : 2002 

プラスチック字消し 

Plastics erasers 

序文 この規格は,プラスチック字消しの品質の向上及び使用者を保護することを目的に1972年(昭和

47年)に制定された。 

今回の改正は,JIS Z 8301(規格票の様式)の改正に伴う規格構成の見直し及び規定内容が現状に即して

いるかどうか全般的な見直しを行った。 

1. 適用範囲 この規格は,鉛筆(1)及びシャープペンシル(1)で描画されたものを消すために用いるプラス

チック字消し(以下,字消しという。)について規定する。ただし,天然ゴムを用いて加硫してあるものは

除く。 

注(1) JIS S 6006に規定する鉛筆用しん及びJIS S 6005に規定するシャープペンシル用しん又はこれと

同等以上のものをいう。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0116 発光分光分析通則 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS S 6005 シャープペンシル用しん 

JIS S 6006 鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん 

3. 品質 

3.1 

外観 字消しは,形態が均整で,きず,泡(2),異物の混入,その他使用上支障のある欠点がなく,

汚れ,その他著しく外観を損なうような欠点があってはならない。 

注(2) 使用上の目的で泡を混入し,均一に分散されているものは除く。 

3.2 

性能 字消しは,6.によって試験したとき,表1の規定に適合しなければならない。 

表1 性能 

項目 

性能 

試験方法 

硬さ 

50以上 

6.2 

移行性 

試験片に塗料が付着してはならない。 

6.3 

消し能力(消字率)% 

80以上 

6.4 

3.3 

有害物質 字消しには,有害物質(3)を成分とする原材料を使用してはならない。 

background image

S 6050 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,製品については,6.5によって試験したとき,アンチモンが60mg/kg以下,ひ素が25mg/kg以下,

バリウムが1 000mg/kg以下,カドミウムが75mg/kg以下,クロムが60mg/kg以下,鉛は90mg/kg以下,水

銀が60mg/kg以下,及びセレンが500mg/kg以下でなければならない。 

注(3) 有害物質とは,毒物及び劇物取締法(昭和25年法律303号)に規定する毒物及び劇物をいう。た

だし,クロム酸鉛を成分とするものについては,使用してはならない。 

3.4 

香料 香料は,使用してはならない。 

4. 形状 形状は,角形,斜面形,円盤形及び円柱形とし,これらの形状のものでも使用上好ましくない

ものは除く。 

5. 巻紙 巻紙を使用する場合には,古紙配合率50%以上の再生紙を使用することが望ましい。 

6. 試験方法 

6.11 一般事項 試験に用いる試料は,製造後24時間以上経過したものを用いる。また,化学分析に共通

する一般事項は,JIS K 0050による。 

6.2 

硬さ 硬さの試験は,硬さ試験機(4)を用い,水平に保持した試験片の表面に,試験機の押針が鉛直

になるようにして加圧面を接触させ,直ちに目盛を正数で読み取る。 

なお,試験片の測定箇所は表面の全体を3等分しそれぞれの中央部分を1か所ずつ測定して,その中央

値を試験片の硬さとする。 

注(4) 図1に示すような,押針形状が直径5.08±0.02mmの半球状のスプリング硬さ試験機をいう。 

図1 硬さ試験機 

備考1. 押針の高さは,目盛が0のとき2.54±0.02mm,100のとき0mmである。 

2. 目盛とばねの力との関係は,表2による。 

表2 目盛とばねの力との関係 

目盛 

10 

20 

25 

30 

40 

50 

60 

70 

75 

80 

90 

100 

ばねの力 N 0.54 1.32 2.11 2.50 2.89 3.68 4.46 5.25 6.03 6.42 6.82 7.60 8.39 

background image

S 6050 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.3 

移行性 移行性の試験は,鉛筆(5)を40mmに切り,これを長さ35mm,幅15mm以上及び厚さ5mm

以上の試験片の上に2本平行(試験片の長辺に対して)に置き,その上に20gのおもりを載せ,60±2℃の

恒温器の中に入れ,1時間後に取り出し,鉛筆の塗料が試験片に付着するかどうかを調べる。 

注(5) 鉛筆は,JIS S 6006に規定する塗膜を施した六角形の鉛筆を用いる。 

6.4 

消し能力(消字率) 消し能力の試験は,次による。 

a) 試験片の作成 試験片は,試料から厚さ5.0±0.2mmの板状のものを取り,着色紙との接触部分を半

径6±1mmの円弧に仕上げる(図3参照)。 

b) 着色紙の作成 図2に示すドラム式画線機を用いて次の条件で作成する。 

1) 使用鉛筆 JIS S 6006に規定する鉛筆のHB 

2) 着色紙作成用用紙 坪量90g/m2以上,白色度75%以上の上質紙 

3) おもり 0.3kg 

4) 画線速度 310±10cm/min 

5) 画線ピッチ 0.3mm 

6) しん保持角度 75±5° 

7) しん先端形状 先端の直径が0.6mmの円すい形 

8) しんの動き 10秒間につき1〜3回自転 

8) 着色幅 8±1mm 

図2 ドラム式画線機 

c) 測定方法 測定方法は,次による。 

1) 図3のように,試験片を着色紙に対して垂直に,しかも,着色線に対して直角になるように接触さ

せ,試験片におもりとホルダの質量の和が0.5kgとなるようにおもりを載せ,150±10cm/minの速

さで着色部を4往復摩消する。 

なお,この際,摩消部をはけで軽く掃いてもよい。 

background image

S 6050 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 消し能力(消字率)試験 

2) 写真測定用濃度計又はこれと同等以上の性能をもつ装置によって,着色紙の非着色部の濃度を0と

して,着色部及び摩消部の濃度をそれぞれ測定する。 

d) 消字率の算出 消字率は,次の式によって算出する。 

100

1

×

=

C

M

E

ここに, 

E: 消字率 (%)  

M: 摩消部の濃度 

C: 着色部の濃度 

6.5 

有害物質 有害物質の試験は,次による。 

a) 試料を6mm以下の小片に裁断する。 

b) 裁断した試料を1g以上取り,その質量を0.1mgまで正しく量る。 

c) 適切な大きさの容器(6)を用い,試験片とその質量の50倍量の0.07mol/l塩酸(7)溶液 (37±2℃) と混合

し,1分間振り混ぜる。 

注(6) 総容量が塩酸抽出液の1.6〜5.0倍の容器。 

(7) JIS K 8180に規定する塩酸を用いて調整する。 

d) 混合液の酸性度をpH計(8)で調べ,pHが1.5以上あるときは,2mol/l塩酸(7)溶液をpHが1.0〜1.5とな

るまで振り混ぜながら滴下する。 

注(8) pH計は,±0.2pH単位の精度をもつ計器を使用する。 

e) 混合液に光が当たらないようにして,混合液を37±2℃で1時間連続して振り混ぜた後,37±2℃で1

時間放置する。 

f) 

混合液をろ過し,得られた溶液を原子吸光法又は誘導結合プラズマ発光分析法を用いて,JIS K 0121

又はJIS K 0116に従って分析する。 

なお,ろ過する場合は,0.45μmサイズの膜フィルタを使用して,必要ならば49km/s2以下で遠心し

て固形物を分離する。 

g) 分析結果は,表3の補正値を用い,次の式によって補正する。 

background image

S 6050 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

B2

B1

B1

B

ρ

ρ

ρ

ρ

×

=

ここに, 

ρB: 分析結果の補正後の値 (mg/kg)  

ρB1: 分析結果 (mg/kg)  

ρB2: 分析元素の補正値 (%)  

表3 補正値 (ρB2)  

元素 

アンチモン 

ひ素 

バリウム カドミウム 

クロム 

鉛 

水銀 

セレン 

補正値 % 

60 

60 

30 

30 

30 

30 

50 

60 

7. 検査方法 字消しは,3.及び4.について検査を行う。この場合,検査は全数検査又は合理的な抜取検

査方式によって行ってもよい。 

8. 表示 字消しは,本体又は1個ごとの巻紙ごとに,次の事項を表示しなければならない。 

a) 名称(プラスチック字消し,Plastic eraser, プラスチックなど) 

b) 塩化ビニル樹脂製又は非塩化ビニル樹脂製の別 

例 塩化ビニル樹脂(製) 非塩化ビニル樹脂(製) 

塩ビ(製)      非塩ビ(製) 

PVC(製)      NON-PVC(製) 

c) 製造業者名又はその略号 

改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

斉 藤 一 朗 

株式会社つくば研究支援センター 

(委員) 

萩 平 博 文 

経済産業省製造産業局 

小 林 忠 男 

経済産業省製品評価技術センター 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会 

村 田 政 光 

財団法人日本文化用品安全試験所 

佐 野 真理子 

主婦連合会 

菱 木 純 子 

全国地域婦人団体連絡協議会 

栗 原   愛 

東京都地域消費者団体連絡会 

伊 東 依久子 

消費科学連合会 

伊 藤 文 一 

財団法人日本消費者協会 

土 田 武 雄 

シードゴム工業株式会社 

田 口 一 雄 

田口ゴム工業株式会社 

村 井 俊 夫 

ヒノデワシ株式会社 

高根沢 光 男 

ぺんてる株式会社 

近 藤 喜 数 

ラビット株式会社 

(関係者) 

北 村 直 子 

経済産業省産業技術環境局 

植 田 恭 裕 

ぺんてる株式会社 

(事務局) 

西 岡 靖 博 

日本字消工業会(シードゴム工業株式会社)