2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
S 6016-1991
スタンプ台
Stamp pads
1. 適用範囲 この規格は,金属製又はプラスチック製容器に,インキを吸収させた吸蔵体で構成された
印床をもつ一般の事務に使用するスタンプ台(以下,スタンプ台という。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 種類 スタンプ台の種類は,大きさとインキの色によって,表1のとおりとする。
表1 スタンプ台の種類
大きさ
による
種類
号数
1号(1)
2号(2)
3号(3)
4号(4)
呼称
小形(小)
中形(中)
大形(大)
特大形(特大)
インキ含有量
g
6以上
12以上
19以上
45以上
盤面寸法
mm
縦
37〜44
53〜60
61〜 73
86〜 95
横
55〜66
87〜96
102〜117
137〜147
インキの色による種類
黒,赤,朱色,緑,あい(藍)色,紫
備考 盤面寸法は参考値とする。
3. 品質 スタンプ台の品質は,5.によって試験し表2の規定に適合しなければならない。
表2 スタンプ台の品質
項目
品質
試験方法
色度
表3に適合すること。
5.3
耐光性
変退色がJIS L 0804で判定し,3号以上であること。
5.4
耐にじみ性
印影は均一で,にじみが目立たないこと。
5.5
耐転写性
転写の形跡が著しく目立たないこと。
5.6
インキ蒸発残分
80%以上であること。
5.7
耐衝撃性
各部のはめあいに異常がないこと。
5.8
ふたの開閉性
ふたと本体のはめあいに異常がないこと。
5.9
ホルムアルデヒドの放出量
5mg/l似下
5.10
2
S 6016-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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表3 色度
色名
基準の色
許容範囲
H V/C
∆H
∆V
∆C
黒
N2.5
−
N3.0以下
−
赤
5R
4.5/14.0
±1.0
±0.5
12.0以上
朱色
8R
5.5/13.0
±1.0
±0.5
11.0以上
緑
2.5G 3.5/
8.0
±2.5
±0.5
6.0以上
あい色 7.5PB 3.0/
8.0
±2.5
±0.5
6.0以上
紫
2.5P 2.5/ 7.0
±2.5
±0.5
3.0以上
備考1. 色の表示記号の定め方は,JIS Z 8721に規定する方
法による。
2. 色の許容範囲∆H,∆V及び∆Cは,それぞれ基準の
色からの色相差,明度差及び彩度差を表す。
4. 材料 スタンプ台に使用する主な材料は,次のとおりとする。
(1) 容器
(a) プラスチック材料にあっては,衝撃及びインキに対して強いものを使用すること。
(b) 金属材料にあっては,さび止め処理を施した金属板で,厚は0.25mm以上のものを用いること。
(2) 吸蔵体 吸蔵体は,フェルト(羊毛混入率70%以上)又はこれと同等以上の材質のものであり,厚さ
は5mm以上とする。
(3) 表面布 表面布は,綿布(40番単糸以上の綿糸で,たて・よこ平均の打込本数が5cm当たり170本以
上)又はこれと同等以上の材質のものであること。
(4) インキ
(a) 変質及び悪臭の発生がなく,印材ゴムなどを侵さないものであること。
(b) 有害物質(1)を成分とする原材料を使用してはならない。
注(1) 有害物質とは,毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)に規定する毒物及び劇物をいう。
5. 試験方法
5.1
試験の一般条件 試験は特に規定がない限り,JIS Z 8703に規定する常温・常湿[温度20±15℃,
湿度 (65±20) %]で行う。
5.2
数値の丸め方 試験結果は,規定の数値より1けた下の位まで求めて,JIS Z 8401によって丸める。
5.3
測色試験 測色試験は,試験片(2)を作成してから3時間後にJIS Z 8722によって測定するか,又は
試験片(2)と標準見本(3)とを,JIS Z 8723によって比較する。
注(2) 試験片の作り方JIS S 9016に規定される彫刻用印材ゴム又はこれと同等のゴムで作成した直径
20mmのゴム印を用いて,スタンプ台に約30Nの荷重で5秒間押してインキを付着させ,JIS P
3301に規定される図画用紙A1の坪量180〜200g/m2の用紙に,約49Nの荷重で5秒間押印し5分間
放置し,この操作を3回繰り返したもの。
(3) 注(2)の試験片と同様な方法で作成したものを,JIS Z 8722によって測定し,表3に適合したも
の。
3
S 6016-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.4
耐光性試験 耐光性試験は,JIS L 0841に規定する試験方法によって,5.3の注(2)と同じ方法で作成
した試験片をブルースケールの2級が標準退色するまで露光する。この場合,変退色の判定は,JIS L 0801
の10.(判定)に規定する判定方法による。
試験片の露光には促進試験機を用いてもよい。その場合は,JIS B 7754又はJIS B 7751に規定する試験
機によって,試験片をブルースケールの2級が標準退色するまで露光し,同様に判定する。
5.5
耐にじみ性試験 耐にじみ性試験は,乾式PPC用紙に,JIS Z 8305の3.(大きさ)に規定する12ポ
イントの活字で作った“日本工業規格”のゴム印を2回繰り返してインキを均一に付着させ押印し,1分
間放置後にじみの状態を目視によって調べる。
5.6
耐転写性試験 耐転写性試験は,5.5の耐にじみ性試験と同様な方法で押印した試験片を作成し,4
分後に同紙を折り曲げその印影部分に,底面が直径約50mm,質量500gのおもり(錘)を圧着させ,1分
間放置した後,両紙を離し,重ねた紙にその印影の転写の有無を調べる。
5.7
インキ蒸発残分試験 インキ蒸発残分試験は,インキ20gを試料とし,表面積55cm2(円筒であれば
直径8.36cm)の容器に入れ,これを100℃の恒温乾燥器に入れて30分間放置後取り出し,最初の質量と試
験後の質量とを測定し,次の式によって残分率を算出する。
100
1
2×
=m
m
d
ここに,
d: 蒸発残分率 (%)
m1: 乾燥前の質量 (g)
m2: 乾燥後の質量 (g)
5.8
耐衝撃性試験 耐衝撃性試験は床上にJIS A 5705に規定する半硬質コンポジションビニル床タイル
(厚さ2mm)を置き,スタンプ台の盤面を上にして床面と平行に保ち,床上1mの高さから1回落下させ,
各部のはめあいに異常がないかどうかを調べる。
5.9
ふたの開閉性試験 ふたの開閉性試験は,ふたの開閉を10 000回行った後,ふたと本体のはめあい
に異常がないかどうかを調べる。
5.10 ホルムアルデヒドの放出量試験 ホルムアルデヒドの放出量試験は,ホルムアルデヒドを捕集した
試料溶液を用いて定性方法又は定量方法によって行う。この場合,定性方法によって紫が現れた場合は,
定量方法の試験を行う。
(1) ホルムアルデヒドの捕集 内径240mmのデシケータ(4)の底部に,300mlの水(5)を入れた直径12cm,
高さ6cmの結晶皿を置き,その上に金網を敷き,ふたを取り外した直後のスタンプ台を金網に載せ,
20〜25℃で24時間放置して,放出されるホルムアルデヒドを水に吸収させ試料溶液とする。
注(4) JIS R 3503に規定するデシケータ。
(5) ここでいう水とは,蒸留水又はイオン交換水であって,この水を試薬類の調整,器具類の洗浄
及び試験操作のすべてに用いる。
(2) ホルムアルデヒドの定性方法 試験管に試料溶液1mlを採り,これに硫酸(6)3mlを徐々に加えて振り
混ぜた後,新たに調整したクロモトロープ酸二ナトリウムの2%溶液(7)を1滴加えて振り混ぜ,沸騰
水浴中で10分間加熱し,紫(8)が現れるかどうかを調べる。
なお,この場合,空試験を平行して行う。
注(6) JIS K 8951に規定する硫酸。
(7) JIS K 8316に規定するクロモトロープ酸二ナトリウム2gを水に溶かして100mlとしたもの。
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S 6016-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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(8) ホルムアルデヒドが存在すれば紫が現れる。
(3) ホルムアルデヒドの定量方法
(a) (1)の試料溶液10mlを共栓三角フラスコに採り,アセチルアセトン-酢酸アンモニウム溶液(9)10ml
を加えて振り混ぜる。
(b) これを60〜65℃の水浴中で10分間加熱する。
(c) 冷却後,溶液の一部を吸収セル (10mm) に移し,波長415nm付近の吸光度を水を対照液として光電
分光光度計又は光電光度計で測定する。
(d) 空試験として水10mlを共栓三角フラスコに採り,(a)〜(c)の操作を行って吸光度を求め,試料につ
いて得た吸光度を補正する。
(e) 検量線からホルムアルデヒドの量を求め,試料溶液中のホルムアルデヒドの濃度 (mgHCHO/l) を算
出する。
注(9) JIS K 0102の29.1(1)(b)(アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶液)に規定する方法で調製し
たもの。
(10) JIS K 0102の29.1(1)(f)(ホルムアルデヒド標準液)に規定する方法で調製したもの。
備考 検量線の作成 ホルムアルデヒド標準液 (0.0lmgHCHO/ml) (l0)0.6〜6mlを共栓三角フラスコに
段階的に採り,水を加えて10mlとし,(a)〜(d)の操作を行って,ホルムアルデヒドの量と吸光
度との関係を示す線を作成する。
6. 検査 スタンプ台は,3.の規定に適合するかどうかを検査する。この場合,検査は,合理的な抜取り
によって行ってもよい。
7. 表示 スタンプ台には,見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。
(1) 種類(11)
例 1号 黒,小形 黒, 1黒,小 黒など
2号 黒,中形 黒,2 黒,中 黒など
(2) 製造業者名又はその略号
(3) 製造年月又はその略号
注(11) 大きさによる種類は,号数又は呼称のいずれかで表示し,インキの色による種類は,色名の代
わりに容器に色彩による表示をしてもよい。
付表1 引用規格
JIS A 5705 ビニル床タイル
JIS B 7751 紫外線カーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機
JIS B 7754 キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 8316 クロモトロープ酸二ナトリウム(2水和物)(クロモトローブ酸二ナトリウム)(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 0804 変退色用グレースケール
JIS L 0841 日光に対する染色堅ろう度試験方法
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S 6016-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS P 3301 図画用紙
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS S 9016 印材用ゴム
JIS Z 8305 活字の基準寸法
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
JIS Z 8721 三属性による色の表示方法
JIS Z 8722 物体色の測定方法
JIS Z 8723 表面色の視感比較方法
スタンプ台原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
斉 藤 一 朗
工業技術院製品化学研究所
森 田 光 俊
通商産業省生活産業局
細 川 幹 夫
工業技術院標準部
尾 藤 明
通商産業省通商産業検査所
西 野 正 道
西野JIS研究所
植 野 秀 昭
財団法人日本文具検査協会
葛 和 建 巳
株式会社森山工業所
福 谷 豊
株式会社福谷工業所
服 部 昭 二
シャチハタ工業株式会社
宮 坂 昇 一
宮坂産業株式会社
岡 山 忠 二
千代田インテグレ株式会社
田 村 剛
塚原工業株式会社
石 井 栄 子
主婦連合会
飛 田 恵理子
全国地域婦人団体連絡協議会
柳 橋 哲 夫
国民生活センター
岡 本 厳
社団法人用度需要者協会
染 谷 昇
日本チェーンストア協会
斉 藤 有 常
日本百貨店協会
村 田 政 光
財団法人日本文具検査協会