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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

S 4100-1996 

使いすてかいろ 

Disposable body warmers 

1. 適用範囲 この規格は,使用時に火,電気などの外部エネルギー(酸素,水などを除く。)を与えずに,

内包された成分の化学反応を熱源として昇温する温熱用品(以下,使いすてかいろという。)について規定

する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS A 5304 舗装用コンクリート平板 

JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS K 7126 プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法 

JIS Z 0208 防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法) 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) 立ち上がり時間 発熱開始直後から40℃まで昇温するのに要する時間。 

(2) 温度保証時間 最高温度と40℃の中間の温度以上を保持する時間。 

(3) 持続時間 40℃以上を保持し,持続する時間。 

3. 種類 種類は,次のとおりとする。 

(1) はれないタイプ 

(2) はるタイプ 

4. 品質 

4.1 

密封性 外袋の密封性は,6.2によって試験したとき,気泡が発生してはならない。 

4.2 

袋の強度 

4.2.1 

内袋 内袋の強度は,6.3によって試験したとき,破れなどの異常があってはならない。 

4.2.2 

外袋 外袋の引張強さは,6.4によって試験したとき,破れなどの異常があってはならない。 

4.3 

温度特性 温度特性は,6.6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1 温度特性 

項目 

規定 

最高温度 

70℃以下 

立ち上がり時間 

20分以下 

温度保証時間 

持続時間の50%以上 

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S 4100-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

持続時間 

表示持続時間以上 

4.4 

はり付け強度 はるタイプのはり付け強度は,6.7によって試験したとき,ずれがなく,製品及び下

敷材に異常があってはならない。 

5. 材料 

5.1 

原材料 使いすてかいろに使用する原料の主な成分は,鉄粉とする。 

なお,有害物質は,6.5によって試験したとき,表2に適合しなければならない。 

表2 有害物質の溶出量 

単位 mg/l 

項目 

溶出量 

鉛 

3以下 

カドミウム 

0.3以下 

ひ素 

1.5以下 

全水銀 

0.005以下 

六価クロム 

1.5以下 

5.2 

外袋材料の気密性 外袋材料の気密性は,6.8によって試験したとき,表3に適合しなければならな

い。 

表3 外袋材料の気密性 

項目 

規定値 

透湿度 g/m2・24h 

4.0以下 

酸素透過度 mol/m2・s・Pa 

6.1×10−14以下 

6. 試験方法 

6.1 

試験の一般条件 

6.1.1 

試験条件 試験条件は,特に規定がない限り,JIS Z 8703に規定する常温 (20±15℃),常湿 [(65

±20) %] とする。 

6.1.2 

供試体 供試体は,完成した試料(製品)を用いて行う。 

6.1.3 

数値の丸め方 試験結果は,規定の数値より1けた下の位まで求めて,JIS Z 8401によって丸める。 

6.2 

密封性 密封性の試験は,試料の外袋の封を切らずに,図1の試験装置の水中に完全に沈め,金網

などで浮き上がらないように押さえ,装置内の圧力を21.4kPaまで減圧した後,1分間保持し,気泡の連続

発生の有無を調べる。 

図1 密封性試験装置 

S 4100-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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6.3 

内袋の強度 内袋の強度試験は,次のとおりとする。 

(1) 引張強さ 

(a) はれないタイプの引張強さは,試料2個を用意し,試料から内袋を取り出してその両端を深さ10mm,

幅50mmで挟み,縦方向(1個)及び横方向(1個)にそれぞれ100Nの強さで1分間引っ張った後,

異常の有無を調べる。ただし,中央にヒートシールがある場合は,50Nの強さとする。 

(b) はるタイプの引張強さは,試料2個を用意し,試料から内袋を取り出してその両端を深さ約10mm,

幅50mmで挟み,縦方向(1個)及び横方向(1個)にそれぞれ50Nの強さで1分間引っ張った後,

異常の有無を調べる。 

(2) 落下衝撃試験 試料から内袋を取り出して,それをJIS A 5304に規定する平板に1.5mの高さから連

続して10回落下させた後,異常の有無を調べる。 

6.4 

外袋の引張強さ 外袋の引張強さの試験は,次のとおりとする。 

(1) シール部を含まない部分から縦方向及び横方向からそれぞれ幅15.0±0.5mmで,長さは試験するのに

十分な長さの試験片を作成する。 

(2) 試験片の両端を深さ10mm以上で挟み,30Nの強さで1分間引っ張った後,破れの有無を調べる。 

6.5 

有害物質 有害物質の試験は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)に基

づく産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(昭和48年環境庁告示第13号)に規定する試験方法による。 

6.6 

温度特性 

6.6.1 

試験条件 試験条件は,次のとおりとする。 

(1) 周囲温度 20±1℃ 

(2) 周囲湿度 55〜70%  

(3) 風速 無風状態(0.5m/s以下) 

(4) 被覆材及び下敷材 被覆材及び下敷材は,次のとおりとする。 

(4.1) 材質 

(a) 被覆材 綿100%,テックス番手5.905双糸のネル 

(b) 下敷材 日本薬局方で規定するタイプ1のガーゼ 

(4.2) 被覆量 8枚重ね 

(4.3) 下敷量 2枚重ね 

(4.4) 大きさ 温熱器の温熱部表面とほぼ同じ大きさであること。 

(5) 温熱装置 温熱装置は,温熱器と循環式恒温水槽からなり,その構造は次による(図2参照)。 

(5.1) 温熱器 

(a) 温熱器水槽の材質は,JIS G 4304のSUS304とし,厚さ3mm,縦300mm,横600mm,幅100mmの

箱形で縦に設置すること。 

(b) 温熱器の温熱部表面は,厚さ1mm,縦300mm,横600mmのポリプロピレン板7枚を接着剤を用い

ずに,かつ,空気層ができないように重ね合わせて被覆すること(図3-1及び図3-2参照)。 

(c) 温熱部表面以外の部分は,厚さ30mmの発泡スチレン又は発泡ウレタン断熱材で被覆すること(図

3-1及び図3-2参照)。 

(d) 温熱部の各部の寸法は,図4のとおりとする。 

(5.2) 循環式恒温水槽 循環式恒温水槽は,温熱器に12±2l/minの流量で温水を循環させることができる

ものであること。 

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S 4100-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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図2 温熱装置(図は,一例を示す。) 

図3-1 はれないタイプの試料の設置方法 

図3-2 はるタイプの試料の設置方法 

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S 4100-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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図4 温熱器各部寸法 

(6) 温熱部表面の温度 温熱部(ポリプロピレン板の表面)の各部の温度は,30±1℃に維持できること。 

(7) 試験試料の数 試験試料の数は,10個とする。 

6.6.2 

手順 手順は,次のとおりとする。 

(1) はれないタイプ 

(1.1) 発熱の手順及び設置方法 

(a) 温熱部に下敷材及び被覆材を重ねて,温熱部表面を30℃に昇温させ±1℃に保持する。 

(b) 周囲温度と同じ雰囲気中に2時間以上放置した試料を,使用方法に基づいて発熱させた後,上端を

持ち上げ上下方向に2〜3回振って,内容物をできるだけ片寄せ,検温部(1)を試料の通気孔がない側,

両面に通気孔がある場合はどちらか一方の内容物のほぼ中心となる部分にはり付け,その部分を温

熱器側にして下敷材と被覆材の間に設置する(図3-1参照)。この場合,被覆材の上から手で押さえ,

間の空気を出すようにのばした後,木枠などで押さえること。 

なお,2回以上使用可能なものについては,1回の使用量によって試験すること。 

また,1台の温熱器で複数の試料を試験する場合は,相互の熱干渉がないように30cm以上離すこ

と。 

注(1) 熱電対,サーミスタなどの温度センサを銅板(10×10mm,厚さ0.5mm)の中央にはり付けて使

用する。 

(1.2) 測定時間 測定時間は,発熱開始直後から最高温度を経過して40℃以下になるまで測定すること。 

(2) はるタイプ 

(2.1) 発熱の手順及び設置方法 

(a) 温熱部に下敷材及び被覆材を重ねて,温熱部表面を30℃に昇温させ±1℃に保持する。 

S 4100-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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(b) 周囲温度と同じ雰囲気中に2時間以上放置した試料を,使用方法に基づいて発熱させた後,検温部

(1)を試料の接着剤塗布面,内容物のほぼ中心となる部分にはり付け,その部分を温熱器側にして下

敷材と被覆材の間に設置(図3-2参照)し,試料を軽く手で押さえてはり付け,一度はがして再度

はり付ける。この場合,被覆材の上から軽く手で押さえ,間の空気を出すようにのばした後,木枠

などで押さえること。 

なお,1台の温熱器で複数の試料を試験する場合は,相互の熱干渉がないように30cm以上離すこ

と。 

(2.2) 測定時間 測定時間は,発熱開始直後から最高温度を経過して40℃以下になるまで測定すること。 

6.6.3 

試験結果のまとめ方 試験結果のまとめ方は,次のとおりとする。 

(1) 最高温度 すべての試料の最高温度測定値のうちの最高値とする。 

(2) 立ち上がり時間 すべての試料の発熱開始直後から40℃まで昇温するのに要する時間のうち,最大値

及び最小値をそれぞれ除外し(ただし,最大値又は最小値が複数となる場合は,複数となった最大値

又は最小値の一つを除外する。),残る測定値の平均値とする。 

(3) 温度保証時間 すべての試料の温度保証時間測定値(付図1参照)のうち,最大値及び最小値の一つ

を除外し(ただし,最大値又は最小値が複数となる場合は,複数となった最大値又は最小値の一つを

除外する。),残る測定値の平均値とする。 

(4) 持続時間 すべての試料の発熱後40℃となってから,最高温度を経過し,40℃となるまで測定した時

間のうち,最大値及び最小値の一つを除外し(ただし,最大値又は最小値が複数となる場合は,複数

となった最大値又は最小値の一つを除外する。),残る測定値の平均値とする。 

6.7 

はり付け強度 はり付け強度の試験は,6.6で試験が終了した試料が元の位置からずれているかどう

か,更に試料を下敷材からはがしたとき,試料及び下敷材に異常があるかどうかを調べる。 

6.8 

外袋材料の気密性 外袋材料の気密性の試験は,次のとおりとする。 

(1) 透湿度 JIS Z 0208によって行う。この場合,温湿度条件は,条件Bとする。 

(2) 酸素透過度 JIS K 7126のB法(等圧法)によって行う。 

7. 検査方法 使いすてかいろは,4.及び5.について検査を行う。この場合,検査は,全数検査又は合理

的な抜取検査方式によって行う。 

8. 表示 使いすてかいろは,1個ごとの外袋に次の事項を表示しなければならない。 

(1) はれない又ははるタイプである旨(ただし,はれないタイプは,省略してもよい。)。 

例 はるタイプの場合 “貼るタイプ”,“貼る”,“貼れる”,“衣類に貼るかいろ”,“肌着に貼れるカ

イロ”など。 

(2) 持続時間(40℃以上を保持し,持続する時間) 

(3) 製造年月又はその略号 

(4) 製造業者名又はその略号 

9. 取扱い上の注意事項 使いすてかいろは,取扱い上の注意について,1個ごとの外袋に次の事項を表

示しなければならない。 

なお,記載事項の趣旨を変えない範囲であれば,その表現は自由とする。 

(1) 低温やけどの注意。 

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S 4100-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 寝具の中で使用する場合,通常の温度より温度が上がる場合があることの注意。 

(3) 乳幼児,皮膚の弱い人,身体の不自由な人への使用に関する注意。 

(4) 幼児の手の届く所へ置かないことの注意。 

(5) はるタイプにあっては,直接肌にはらないことの注意。 

付図1 温度保証時間 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

紙 川   明 

通商産業省製品評価技術センター 

遠 藤 善 久 

通商産業省生活産業局 

江 津 定 年 

東京都生活文化局 

岡 林 哲 夫 

工業技術院標準部 

松 岡 寿 人 

財団法人日本文化用品安全試験所 

甲 斐 麗 子 

主婦連合会 

伊 藤 文 一 

財団法人日本消費者協会 

原   早 苗 

消費科学連合会 

山 村 敏 夫 

国民生活センター 

中 野 三千代 

東京都地域婦人団体連盟 

岡 本 鐵 夫 

東京医療用品卸商協同組合 

小 礒 保 彦 

日本パイオニクス株式会社 

臼 井 照 興 

マイコール株式会社 

伊 藤 繁 樹 

広栄化学工業株式会社 

初 本 喜 彦 

桐灰化学株式会社 

稲 垣 恭 介 

日本カイロ同業会 

(関係者) 

本 間 信 幸 

平八商事 

(事務局) 

村 田 政 光 

財団法人日本文化用品安全試験所 

石 川 文 男 

財団法人日本文化用品安全試験所