S 3033 : 1997
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
昨今,窒素酸化物排出濃度の環境基準値の達成が困難になっており,環境庁などでは,これまでの規制
対象であった固定発生源及び移動発生源に加えて,大気汚染防止法の規制対象規模未満である業務用燃焼
機器及び家庭用燃焼機器などの小規模施設・機器から排出されるNOxを低減させる目的からNOx削減指導
要綱,低NOx燃焼機器認定要綱を定め指導を開始した。これに伴い,家庭用石油燃焼機器においては,他
の石油燃焼機器に先駆けて,強制通気形開放式石油ストーブの燃焼排ガス中の二酸化窒素排出量に関する
自主基準を定め,二酸化窒素の低減を図ってきたが,大気汚染の状況から屋内だけでなく屋外に排出され
るNOxの排出量自体を削減することが要求されてきたことから,二酸化窒素に留まらずNOx全体の排出量
の削減を図るため,社団法人日本ガス石油機器工業会が窒素酸化物排出量に関する自主基準を定めた。さ
らに,1994年にJIS S 3032(強制通気形開放式石油ストーブの窒素酸化物排出量の測定方法)を制定し,
測定方法を確立した。
今回の制定は,強制通気形開放式石油ストーブに次いで普及台数の多い自然通気形開放式石油ストーブ
に関する窒素酸化物排出量の測定方法について確立し,国民生活の安全の確保と環境保護に寄与すること
を目的とした。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 測定方法 ························································································································ 1
3.1 測定条件 ······················································································································ 1
3.1.1 試験室 ······················································································································· 1
3.1.2 試験用燃料 ················································································································· 1
3.1.3 排ガス採取フード及び排ガス採取管 ················································································ 2
3.1.4 試験用の計測器等 ········································································································ 3
3.2 燃焼排ガス中の窒素酸化物排出量の測定方法 ······································································· 4
3.3 二酸化窒素排出量 ·········································································································· 7
3.4 窒素酸化物排出量 ·········································································································· 7
付表1 計測器等 ·········································································································· 8
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日本工業規格 JIS
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自然通気形開放式石油ストーブの
窒素酸化物排出量の測定方法
Measurement method of NOx emission rate for open type
natural ventilating oil burning space heaters
序文 この規格は,窒素酸化物排出量の低減を図ることを目的とし,自然通気形開放式石油ストーブの窒
素酸化物排出量の測定方法を確立するために制定する。
1. 適用範囲 この規格は,燃料消費量(1)が600g/h以下の自然通気形開放式石油ストーブ(以下,ストー
ブという。)から排出される窒素酸化物排出量の測定方法について規定する。
注(1) 燃料消費量とは,正常燃焼状態にしたとき,燃焼する燃料の最大量を1時間当たりで表示したも
のをいう。
なお,1個の燃焼筒又は火口で燃焼する燃料の量とする。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS G 3459 配管用ステンレス鋼管
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS K 2203 灯油
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
3. 測定方法
3.1
測定条件
3.1.1
試験室
a) 試験室内の温度 試験室内の温度は,20±10℃とする。
b) 試験室内の湿度 試験室内の湿度は,JIS Z 8703の表2に規定する[標準湿度状態20級: (65±20) %]
とする。
c) 試験室内の雰囲気 試験室内の雰囲気は,試験開始前及び試験中の試験室内の空気に含まれる二酸化
炭素濃度は0.2%以下,一酸化炭素濃度は0.002%以下,窒素酸化物の濃度は0.6ppm以下,二酸化窒素
濃度は0.06ppm以下であること。この場合,燃焼に影響するような空気の流れがないこと。
3.1.2
試験用燃料 試験用燃料は,JIS K 2203の規定に適合する1号灯油又は製造業者の指定する燃料と
する。
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3.1.3
排ガス採取フード及び排ガス採取管 排気筒内の燃焼排ガスを採取する排ガス採取フード及び排
ガス採取管は,燃焼排ガスの成分に影響を与えず,また,高温の燃焼排ガスに侵されにくい材質を用いる
ものとし,原則として次のとおりとする。
a) 排ガス採取フード 排ガス採取フードは,JIS G 4305に規定するSUS304を用い,原則として図1に
示すものを用いる。ただし,図2に示すものを使用してもよい。
単位 mm
図1 排ガス採取フード
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注(2) ダンパ開度は,45°とする。
図2 排ガス採取フード
b) 排ガス採取管 排ガス採取フードに使用する排ガス採取管は,次に示すものを用いる。
1) 図1に示す排ガス採取フードを使用する場合の排ガス採取管は,図3に示すものを用いる。
図3 採取管
2) 図2に示す排ガス採取フードを使用する場合の排ガス採取管は,原則として外径6mm,内径4mm
のJIS G 3459に規定するSUS304の単管を用いる。
3.1.4
試験用の計測器等 試験用の計測器等は,原則として付表1に示すもの又はこれらと同等以上のも
のとする。
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3.2
燃焼排ガス中の窒素酸化物排出量の測定方法 燃焼排ガス中の窒素酸化物排出量の測定方法は,次
のとおりとする。
a) ストーブの油タンク内に試験用燃料を油タンク容量まで入れた後,試験室に設置し,試験開始前及び
試験中の試験室内の二酸化窒素,窒素酸化物,二酸化炭素及び一酸化炭素の濃度を測定する。
b) ストーブは,取扱説明書などに示す正常な最大燃焼状態で試験を行う。この場合,ストーブはあらか
じめ最大燃焼状態で30分間以上燃焼させた後,次に示す方法で燃焼排ガス中の二酸化窒素,窒素酸化
物及び二酸化炭素の濃度を測定する。
1) 放射形のストーブの場合 放射形のストーブは,図4又は図5に示すように排ガス採取フードの下
端がストーブの上端に合うように置き,ストーブの上方で燃焼排ガスを捕集し,排ガス採取フード
に設けた排ガス採取管を用いて燃焼排ガス中の二酸化窒素,窒素酸化物及び二酸化炭素の濃度を測
定する。ただし,天板の構造などによって燃焼排ガスが十分に捕集できない場合は,十分捕集でき
る位置に排ガス採取フードをずらして燃焼排ガスを捕集する。
備考 図は,図1に示す排ガス採取フードを使用する場合の一例を示す。
図4 放射形のストーブの場合
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注(2) ダンパ開度は,45°とする。
備考 図は,図2に示す排ガス採取フードを使用する場合の一例を示す。
図5 放射形のストーブの場合
2) 自然対流形のストーブの場合 自然対流形のストーブは,図6に示すように排ガス採取フードの下
端がストーブの上端に合うように置き,ストーブの上方で燃焼排ガスを捕集し,排ガス採取フード
に設けた排ガス採取管を用いて燃焼排ガス中の二酸化窒素,窒素酸化物及び二酸化炭素の濃度を測
定する。この場合,図2に示す排ガス採取フードを使用しても排ガスを十分捕集できる場合は,図
7によってもよい。
6
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備考 図は,図1に示す排ガス採取フードを使用する場合の一例を示す。
図6 自然対流形のストーブの場合
7
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注(2) ダンパ開度は,45°とする。
備考 図は,図2に示す排ガス採取フードを使用する場合の一例を示す。
図7 自然対流形のストーブの場合
c) 燃焼量が調節できるストーブは,最小の燃焼状態でも試験を行う。
3.3
二酸化窒素排出量 理論最大二酸化炭素濃度によって換算した二酸化窒素を排出係数によって表し
た排出量は,次の式によって算出する。
Hh
CO
G
CO
NO
M
MAX
×
×
×
=
)
(
)
(
)
(
2
0
2
2
ここに,
M: 理論最大二酸化炭素濃度によって換算した二酸化窒素を
排出係数によって表した排出量二酸化窒素排出量 (ml/kJ)
(NO2) : 乾き燃焼排ガス中の二酸化窒素濃度 (ppm)
(CO2) MAX: 乾き燃焼排ガス中の理論最大二酸化炭素濃度 (%)
(灯油:15.2%)
G0: 乾き燃焼排ガス量 (m3N/kg) (灯油:10.6m3N/kg)
(CO2) : 乾き燃焼排ガス中の二酸化炭素濃度 (%)
Hh: 燃料の高発熱量 (kJ/kg) (灯油:46.3MJ/kg)
3.4
窒素酸化物排出量 窒素酸化物排出量は,次の式によって算出する。
a) 理論最大二酸化炭素濃度によって換算した窒素酸化物を濃度によって表した排出量で算出する場合
)
(
)
(
)
(
)
(
2
2
2
CO
CO
NO
CO
N
MAX
X×
=
ここに,
N (CO2) :
理論最大二酸化炭素濃度によって換算した窒素酸化物
を濃度によって表した排出量 (ppm)
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(NOx) : 乾き燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度 (ppm)
(CO2) MAX: 乾き燃焼排ガス中の理論最大二酸化炭素濃度 (%)
(灯油:15.2%)
(CO2) : 乾き燃焼排ガス中の二酸化炭素濃度 (%)
b) 理論最大二酸化炭素濃度によって換算した窒素酸化物を排出係数によって表した排出量で算出する
場合
2
2
0
2
10
)
(
)
(
)
(
×
×
×
×
×
×
=
V
Hh
CO
M
G
CO
NO
KC
MAX
X
ここに,
KC: 理論最大二酸化炭素濃度によって換算した窒素酸化
物を排出係数によって表した排出量 (kg/108kJ)
(NOx) : 乾き燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度 (ppm)
(CO2) MAX: 乾き燃焼排ガス中の理論最大二酸化炭素濃度 (%)
(灯油:15.2%)
G0: 乾き燃焼排ガス量 (m3N/kg) (灯油:10.6m3N/kg)
M: モル質量 (kg/kmol) (窒素酸化物をすべて二酸化窒素
として換算.46.0kg/kmol)
(C02) : 乾き燃焼排ガス中の二酸化炭素濃度 (%)
Hh: 燃料の高発熱量 (kJ/kg) (灯油:46.3MJ/kg)
V: モル体積 (m3N/kmol) (22.4m3N/kmol)
付表1 計測器等
種類
目盛(測定)
範囲
細分(最小)
目盛
用途
関連規格
ガラス製棒状温度計
0〜50℃
0.5℃
室温測定用
JIS B 7411
窒素酸化物分析計
0〜10ppm
0.1ppm
窒素酸化物
(NOx) 濃度
測定用
JIS B 7953
JIS B 7982
JIS K 0001
0〜30ppm
0.3ppm
0〜50ppm
0.5ppm
0〜100ppm
1.0ppm
0〜200ppm
2.0ppm
赤外線ガス分析計又はヘ
ンペル式ガス分析器
0〜5%
0.05%
二酸化炭素
(CO2) 濃度
測定用
JIS K 0003
JIS K 0151
JIS K 2301
0〜15%
0.15%
0〜100%
0.2%
赤外線ガス分析計又は比
色式一酸化炭素検知器
0〜0.01%
0.000 1%
一酸化炭素
(CO) 濃度
測定用
JIS K 0002
JIS K 0151
JIS M 7605
0〜0.2%
0.002%
0.01〜0.1%
−
はかり 20kg未満
0〜20kg
2g
質量測定用
−
0〜50kg未満
0〜50kg
5g
備考 この表に示す計測器等は,性能の基準を示すもので,これと同等以上の他のものを
使用してもよい。
関連規格 JIS B 7411 ガラス製棒状温度計(全浸没)
JIS B 7953 大気中の窒素酸化物自動計測器
JIS B 7982 排ガス中の窒素酸化物自動計測器
JIS K 0001 一酸化窒素標準ガス
JIS K 0002 一酸化炭素標準ガス
JIS K 0003 二酸化炭素標準ガス
JIS K 0151 赤外線ガス分析計
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 2301 燃料ガス及び天然ガス−分析・試験方法
JIS M 7605 検知管式一酸化炭素測定器(比色形)
消費生活部会 石油燃焼器具専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
斎 藤 平 蔵
東京大学名誉教授
東 尾 正
自治省消防庁予防課
大 屋 正 明
通商産業省資源環境技術総合研究所
遠 藤 善 久
通商産業省生活産業局日用品課
西 出 徹 雄
工業技術院標準部消費生活規格課
大 熊 順 三
東京消防庁
山 下 邦 博
自治省消防庁消防研究所
吉 枝 正 明
財団法人日本燃焼器具検査協会
石 田 邦 彦
株式会社ノーリツ
前 田 滋 博
松下電器産業株式会社
松 本 基 樹
株式会社トヨトミ
丸 山 昭 巳
サンポット株式会社
山 口 敏 夫
株式会社コロナ
剱 崎 比出雄
社団法人北海道消費者協会
高 梨 洋 子
東京都地域婦人団体連盟
田 村 悠紀子
消費科学連合会
兵 頭 美代子
主婦連合会
前 島 明 宏
日本チェーンストア協会
(事務局)
渡 辺 武 夫
工業技術院標準部消費生活規格課
山 田 高 行
工業技術院標準部消費生活規格課