2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
S2401 : 1991
ボーンチャイナ製食器
Bone China table wares
1. 適用範囲 この規格は,ボーンチャイナ(骨灰磁器)製の食器(以下,ボーンチャイナという。)につ
いて規定する。
備考1. この規格の引用規格を次に示す。
JIS K 8223 過塩素酸(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8747 バナジン酸アンモニウム(メタバナジン酸アンモニウム)(試薬)
JIS K 8819 ふっ化水素酸(試薬)
JIS K 8905 モリブデン酸アンモニウム(試薬)
JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬)
JIS P 3801 紙(化学分析用)
2. この規格の対応国際規格を次に示す。
ISO 6486/1 Ceramic ware in contact with food−Release of lead and cadmium−Part 1 : Method of
test
ISO 6486/2 Ceramic ware in contact with food−Release of lead and cadmium−Part 2 : Permissible
limits
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 素(き)地 陶磁器からゆう層を除いた部分。
(2) ボーンチャイナ 素地が少なくともりん酸三カルシウム,灰長石及びガラス質からなるもの。
(3) 食器 食事に用いられる器具で,直接飲食物に触れる部分をもつもの。
3. 品質
3.1
外観 ボーンチャイナは,外観を損なうような貫入(1),ピンホール,異物及びひずみが目立たず,
すわりが良好でなければならない。
注(1) ゆう層に生じたひび割れをいう。
なお,ゆう層とは,素地にゆう薬を施して焼成した後,製品の表面にできるガラス質のゆう
薬の層をいう。
3.2
りん酸三カルシウムの含有率 りん酸三カルシウムの含有率は,4.1によって試験し,30質量%以上
でなければならない。
2
S2401 : 1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3
熱衝撃強さ 熱衝撃強さは,4.2によって試験し,ゆう層の貫入若しくははく離又は素地の割れ,切
れ,ひび若しくは欠けが生じてはならない。
3.4
有害物質の溶出量 有害物質の溶出量は,4.3によって試験したとき,食品衛生法(昭和22年法律
第233号)に基づく食品,添加物などの規格基準に適合しなければならない。
4. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
4.1
りん酸三カルシウムの含有率
4.1.1
要旨 りん酸三カルシウムの含有率は,りんバナドモリブデン酸吸光法(示差法)によって求めた
五酸化りんの含有率から,計算によって算出する。
4.1.2
試薬 試薬は,次のとおりとする。
(1) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。
(2) 過塩素酸 JIS K 8223に規定するもの。
(3) ふっ化水素酸 JIS K 8819に規定するもの。
(4) バナジン酸アンモニウム溶液 JIS K 8747に規定するメタバナジン酸アンモニウム5gを熱水500ml
に溶かし,冷却後,必要に応じてろ過し,過塩素酸80mlを加え,水で1lに薄めたもの。
(5) モリブデン酸アンモニウム溶液 JIS K 8905に規定するモリブデン酸アンモニウム7.2gを温水20ml
に溶かし,必要に応じてろ過し,水で100mlに薄めたもの。
備考 容器はプラスチック製のものを用い,保存中にモリブデン酸が析出したときは,新たに調製す
る。
(6) 標準五酸化りん溶液 (0.50mgP2O5/ml) JIS K 9007に規定するりん酸二水素カリウム (KH2PO4) を
105〜110℃において3時間乾燥し,デシケ一夕一中で放冷した後,0.959gを正しくはかり採り,水に
溶かして1000mlの全量フラスコに移し,水で標線まで薄めたもの。
(7) 標準五酸化りん対照液 (3.0mgP2O5/100ml) 標準五酸化りん溶液6.0ml(五酸化りんとして3.0mg)
を100mlの全量フラスコに正しくはかり採り,過塩素酸5mlを加え,水で約80mlに薄める。これに
バナジン酸アンモニウム溶液5mlを加えて,1分間放置後,モリブデン酸アンモニウム溶液10mlを加
え,水で標線まで薄めた後,1時間放置したもの。
4.1.3
操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) ボーンチャイナの素地0.2gを白金皿 (100ml) にはかり採り,水で潤し,硝酸2ml,過塩素酸2ml及び
ふっ化水素酸10mlを加え,白金線でよくかき混ぜ,砂浴上で注意して加熱分解し,ほとんど蒸発乾
固させる。
(2) 冷却後,過塩素酸2mlを加えて,再び蒸発乾固させる。この操作を4回繰り返す。この際温度を上げ
すぎないように注意する。
(3) 放冷後,過塩素酸5.0mlと水約30mlを加えて水浴上で加熱溶解後,ビーカー (100ml) に移し,ほと
んど透明になるまで煮沸した後,冷却し,直ちにJIS P 3801に規定する5種Cのろ紙でろ過し,水で
数回洗浄する。ろ液及び洗液は,100mlの全量フラスコに受け定容とする。
(4) この溶液から一定量(通常20ml)を100mlの全量フラスコに正確に分取し,過塩素酸4.0mlを加え,
水で約80mlに薄める。これにバナジン酸アンモニウム溶液5mlを加えて振り混ぜる。1分間放置後,
モリブデン酸アンモニウム溶液10mlを加え,水で標線まで薄め,1時間放置する。
(5) この溶液の一部を光度計のセルに取り,4.1.2の(7)で調製した溶液を対照液として,波長480nm付近
で吸光度を測定する。
3
S2401 : 1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.1.4
検量線の作成 標準五酸化りん溶液6〜20ml(五酸化りんとして3.0〜10.0mg)を,100mlの全量
フラスコに段階的に取り,過塩素酸5mlを加え,水で約80mlに薄めた後,4.1.3 (4)のバナジン酸アンモニ
ウム溶液5ml添加以降の手順に従って操作し,吸光度と五酸化りん量との関係線を作成して検量線とする。
4.1.5
五酸化りん含有率の計算 4.1.4で作成した検量線から五酸化りん量を求め,試料中の五酸化りん
含有率を,次の式によって算出する。
()
100
100
10
%
3
×
×
×
V
W
a
−
=
五酸化りん
ここに,
a: 試料溶液中の五酸化りん検出量 (mg)
W: 試料はかり採り量 (g)
V: 溶液の分取量 (ml)
4.1.6
りん酸三カルシウムの含有率の算出 りん酸三カルシウムの含有率は,五酸化りんの含有率から次
の式によって算出する。
りん酸三カルシウム (%)=2.183×五酸化りんの含有率 (%)
4.2
熱衝撃試験 熱衝撃試験は,120±3℃の温度差(加熱温度と水槽の温度差)に加熱した恒温器の中
に試料を1時間保持した後,直ちに24±3℃の水槽(2)中に投入し,試料が水温まで冷えてから取り出して,
ゆう層及び素地の欠点の有無を調べる。
注(2) 水槽は,加熱されたすべての試料が冷却できる大きさのものとし,試料を投入時水槽の底で重
なることがなく,水面から試料までの深さが15mm以上あるものとする。水の量は,試料を冷
却しても水温が29℃よりも高くならないものとする。
4.3
有害物質の溶出量 試験有害物質の溶出量試験は,食品衛生法(昭和22年法律第233号)に基づく
食品,添加物などの規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号食品添加物などの規格基準第3,器具
及び容器,包装D1)の試験方法による。
浅形容器の有害物質の溶出量(μg/cm2)の算出には,ミリ方眼紙上に容器を伏せて,その縁に沿って輪
郭を描いて得られる見掛け表面積を使用する。
5. 検査 ボーンチャイナは,3.の規定に適合するかどうかを検査する。この場合検査は,合理的な抜取
りによって行ってもよい。
6. 表示 ボーンチャイナには,製品の本体又は最小包装単位ごとに次の事項を表示しなければならない。
(1) ボーンチャイナ製である旨
例 ボーンチャイナ
骨灰磁器
BomeChina
(2) 製造業者名又はその略号
関連規格 JIS K 0121 原子吸光分析のための通則
4
S2401 : 1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日用品部会 陶磁器製食器専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
加 藤 悦 三
安達学園中京短期大学
田 中 映 男
通商産業省生活産業局
細 川 幹 夫
工業技術院標準部
尾 藤 明
通商産業検査所商品テスト部
大 橋 吉 尚
財団法人日本陶磁器検査協会
梶 原 義 弘
国民生活センター商品テスト部
甲 斐 麗 子
主婦連合会
高 梨 洋 子
全国地域婦人団体連絡協議会
斎 藤 有 常
日本百貨店協会
染 谷 昇
日本チェーンストアー協会
西 村 明
日本陶磁器工業協同組合連合会
森 田 直 文
株式会社ノリタケカンパニーリミテド
加 藤 恒 彦
春暁陶器株式会社
武 内 義 郎
ニッコー株式会社
木 村 利 寿
鳴海製陶株式会社
小 川 芳 司
全国陶磁器商組合連合会
(事務局)
工 藤 英 武
工業技術院標準部繊維化学規格課
門 間 由 洋
工業技術院標準部繊維化学規格課