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S 2142 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本

工業規格である。これによってJIS S 2142 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。

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日本工業規格          JIS 

S 2142 : 2000 

燃焼機器用変圧器 

Ignition transformers for burning apparatus 

序文 この規格は,燃焼機器用変圧器について規定したもので,1974年(昭和49年)に制定された。今

回の改正では,引用規格の廃止及び改正に伴い,引用規格の規格名称及び関係する規定内容を変更してい

る。 

1. 適用範囲 この規格は,主に油バーナ又はガスバーナの点火回路に電力を供給する燃焼機器用変圧器

(以下,変圧器という。)で,燃焼機器内に組み込む漏えい形単相変圧器(以下,漏えい形という。)及び

パルス形点火装置(以下,パルス形という。)について規定する。ただし,ヒータ形のものは除く。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS B 8031 内燃機関用スパークプラグ 

JIS B 8330 送風機の試験及び検査方法 

JIS C 0602 保護接地線及び接地側電線の色別並びに端子記号通則 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS C 2809 平形接続子 

JIS C 3306 ビニルコード 

JIS C 3307 600Vビニル絶縁電線 (IV) 

JIS C 3312 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル 

JIS C 3316 電気機器用ビニル絶縁電線 

JIS C 3405 自動車高圧電線 

JIS C 3409 自動車雑音防止用高圧抵抗電線 

JIS D 5403 自動車用電線端子 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

a) 漏えい形 一次側巻線と二次側巻線との間に漏れ磁路を設け,放電開始に必要な高電圧を発生する変

圧器。 

b) パルス形点火装置 充放電回路と半導体を使用したスイッチング回路を内蔵し,それによってパルス

を発生させ,放電開始に必要な高電圧を発生する装置。 

c) 波高値Vo-p 波形上の基準レベルと最高点における電圧の瞬間値。 

d) 発生雑音 電極間火花放電から発生する電気雑音のうち,燃焼機器用変圧器を介して伝搬するもの。 

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S 2142 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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4. 定格 

4.1 

定格一次電圧 定格一次電圧は,表1のとおりとする。 

表1 定格一次電圧 

区分 

定格一次電圧 (AC) 

漏えい形 

100V又は200V 

パルス形 

24V,100V又は200V 

4.2 

定格二次電圧 定格二次電圧は,一次端子間に定格周波数の定格一次電圧を加えた場合の二次無負

荷電圧で表す。 

なお,パルス形は,波高値Vo-pで表す。 

4.3 

一次側の定格周波数 一次側の定格周波数は,50Hz及び60Hz共用とする。 

4.4 

定格一次電流 定格一次電流は,二次端子を短絡した状態で,一次端子間に定格周波数の定格一次

電圧を加えた場合の一次電流で表す。 

4.5 

定格二次電流 定格二次電流は,二次端子を短絡した状態で,一次端子間に定格周波数の定格一次

電圧を加えた場合の二次電流で表す。 

4.6 

定格容量 定格容量は,定格一次電圧と定格一次電流の積ボルトアンペア (VA) で表す。 

4.7 

時間定格 時間定格は,連続定格及び短時間定格とする。短時間定格は,6分20%使用(1分12秒

運転,4分48秒休止のサイクルを繰り返す使用をいう。)とする。 

5. 種類 変圧器の種類は,接地方式,定格二次電圧及び定格二次電流によって,表2のとおり区分する。 

表2 種類 

区分 

接地方式 

中性点接地 

一端接地 

漏えい形 定格二次電圧 V 

7 000 

8 500 

10 000 

6 000 

7 000 

8 500 

定格二次 
電流 mA 

50Hz 

16 

23 

23 

16 

23 

23 

60Hz 

13 

18 

18 

13 

18 

18 

寸法適用記号 

II 

III 

IV 

VI 

パルス形 定格二次電圧 Vo-p 

16 500 

16 500 

定格二次電流 mA 

15 

20 

30 

10 

15 

20 

備考 表の値は推奨値とする。 

6. 性能 変圧器の性能は,8.の規定によって試験し,表3に適合しなければならない。 

表3 性能 

項目 

性能 

試験方法 

一次電流 

定格容量 (VA) から算出した定格一次電流の+10%以下であること。 

8.2 

二次電圧 

定格二次電圧に対し,次の範囲内にあること。 

8.3 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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項目 

性能 

試験方法 

二次電流 

定格二次電流に対し,次の範囲内にあること。 

8.4 



平常温度上昇 

器体の外部に,炎又は溶融した絶縁性充てん物が出ず,かつ,各部の温度上昇
は,次の値以下であること。 

8.5.1 

絶縁抵抗 5MΩ以上であること。 

異常温度上昇 

器体の外部に,炎又は溶融した絶縁性充てん物が出ず,外面のすべての部分の
温度上昇は110K以下であり,かつ,木台の表面の温度上昇は,120K以下であ
ること。 

8.5.2 

絶縁抵抗 1MΩ以上であること。 

絶縁抵抗 

5MΩ以上であること。 

8.6 

耐電圧 

試験電圧に1分間耐えること。 

8.7 

二次開路電圧 

定格二次電圧に対し,次の範囲内にあること。 

8.8 

通風放電 
(漏えい形に限る。) 

放電が持続すること。 

8.9 

耐湿性 

絶縁抵抗 5MΩ以上であること。 

8.10 

耐電圧 

試験電圧に1分間耐えること。 

耐静荷重 

口出線及びブッシングの外れ又は切断,破損などが生じないこと。 

8.11 

反復使用 
(パルス形に限る。) 

定格二次電圧に対し,±20%の範囲内にあること。 

8.12 

絶縁抵抗 5MΩであること。 

耐電圧 

試験電圧に1分間耐えること。 

耐衝撃 
(パルス形に限る。) 

充電部の露出及び短絡が生じないこと。 

8.13 

絶縁抵抗 0.1MΩ以上であること。 

発生雑音 

各周波数範囲で次の値以下であること(漏えい形に限る。)。 

8.14 

7. 構造 

7.1 

一般構造 変圧器は,良質な材料を用い,かつ,丈夫な構造で,次によらなければならない。 

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a) 一次巻線と二次巻線は,電気的に接続されていないこと。 

b) 二次巻線の中性点又は一端は,接地端子若しくは接地線又は接地片に電気的に接続されていること。 

c) 一次側及び二次側には,端子又は口出線を備えていること。 

d) 変圧器の取付け部分は,堅固な構造であること。 

e) 変圧器の巻線に接して用いる繊維質絶縁物は,絶縁性含浸剤で十分に処理すること。 

f) 

外箱をもつもので,外箱中に絶縁性充てん物を満たしたものは,充てん物が外部に漏れるおそれがな

いこと。 

7.2 

漏えい形の構造 漏えい形の構造は,次によらなければならない。 

a) 巻線は,金属製の箱に納めたものであること。ただし,巻線を耐火性をもつ外被によって十分保護し

てあるものは,この限りでない。 

b) 金属製の外郭は,厚さ呼び0.5mm以上の鋼板又はこれと同等以上の強さをもつものを用い,かっ,鉄

心と金属製外郭とは電気的に接続したものであること。ただし,鋼板製のものは,十分なさび止めを

施すこと。 

c) 取付部の寸法及び寸法許容差は,原則として付図1〜6による。 

7.3 

パルス形の構造 パルス形の構造は,次によらなければならない。 

a) 外被は,8.13に耐える機械的強度をもち,かっ,体積固有抵抗値が1×1011Ω・cm以上の絶縁性に優

れた樹脂などであること。 

b) 外被の外面又は適当な位置に,接地片又は接地線若しくは接地端子を備えていること。 

7.4 

端子及び口出線 

7.4.1 

一次側端子 一次側端子は,次のいずれかによる。 

a) ターミナル又はナット若しくはねじで容易に締め付けられる構造とし,かつ,呼び径3mm以上の大

きさをもつ端子。 

b) パルス形の差込み端子は,定格一次電流値に十分耐える電流容量をもち,JIS C 2809の4.6(挿入力・

引抜力)に規定する引抜力を満足するものであること。 

7.4.2 

二次側端子 二次側端子は,次のいずれかによる。 

a) JIS B 8031に規定する端子。 

b) ターミナル又はナットで容易に締め付けられる構造とし,かつ,呼び径5mm以上の大きさをもつ端

子。 

c) 圧縮ばねをもち,圧縮力によって接続されるスプリング端子。 

d) パルス形のぎぼし形おす端子は,JIS D 5403に規定する自動車用ぎぼし形おす端子を用いること。 

e) パルス形の差込み端子は,定格二次電流値に十分耐える電流容量をもち,JIS C 2809の4.6(挿入力・

引抜力)に規定する引抜力を満足するものであること。 

7.4.3 

口出線 

a) 漏えい形の口出線は,次による。 

1) 一次側口出線は,JIS C 3307に規定する0.9mm2以上の軟銅より線又はこれと同等以上のものである

こと。 

2) 二次側口出線は,JIS C 3405又はJIS C 3409に規定する電線又は,これらと同等以上の電線である

こと。 

b) パルス形の口出線は,次による。 

1) 一次側口出線は,JIS C 3306に規定する0.5mm2以上の軟銅より線又はこれと同等以上のものである

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S 2142 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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こと。 

2) 二次側口出線は,クロロプレンゴム又はこれと同等以上の耐熱性,電気絶縁性をもつ絶縁物を用い,

定格二次電圧に耐える厚さの被覆を施したもので,公称断面積が0.5mm2以上のものであること。 

7.5 

接地端子,接地線及び接地片 

7.5.1 

接地端子 接地端子は,呼び径5mm(押し締めねじ形は3.5mm)以上の銅製又は銅合金製ねじ若

しくはボルト又はナットを用いなければならない。 

7.5.2 

接地線 接地線は,JIS C 3306若しくはJIS C 3316に規定する1.25mm2以上のもの,JIS C 3312

に規定する0.75mm2以上の軟銅より線のいずれか又はこれらと同等以上の電線を用いなければならない。 

なお,識別は,JIS C 0602に規定する方法によること。 

7.5.3 

接地片 接地片は,厚さ呼び0.5mm以上の銅製又は銅合金製の板材を用いなければならない。 

7.6 

絶縁距離 二次側の端子は,異極間及び対地間の空間距離及び沿面距離は,漏えい形は表4パルス

形は表5の値以上でなければならない。 

表4 絶縁距離 

単位 mm 

接地方式 

中性点接地 

一端接地 

定格二次電圧 V 

7 000 

8 500 

10 000 

6 000 

7 000 

8 500 

異極間 

空間距離 

20 

30 

30 

− 

− 

− 

沿面距離 

30 

40 

40 

− 

− 

− 

対地間 

空間距離 

20 

20 

20 

20 

20 

30 

沿面距離 

30 

30 

30 

30 

30 

40 

表5 絶縁距離̀ 

単位 mm 

接地方式 

中性点接地 

一端接地 

定格二次電圧 Vo-p 

16 500 

16 500 

異極間 

空間距離 

30 

− 

沿面距離 

40 

− 

対地間 

空間距離 

20 

30 

沿面距離 

30 

40 

8. 試験方法 

8.1 

試験条件 試験条件は,特に規定する場合を除き,次による。 

a) 周囲温度は,20±2℃とする。 

b) 相対湿度は,(65±5) %とする。 

c) 基準大気圧は,1 013hPaとする。 

d) 電源は,定格電圧及び定格周波数の正弦波電源とする。 

なお,試験結果の判定に疑義を生じない場合は,次の条件によってもよい。 

周囲温度 5〜35℃ 

相対湿度 45〜85% 

大気圧 

860〜1 060hPa 

電源 

正弦波に近い波形の交流電圧 

8.2 

一次電流試験 一次電流試験は,二次端子を短絡した状態で,一次端子間に定格周波数の定格一次

電圧を加えて測定する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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なお,パルス形は,熱電形高周波電流計又はこれと同等以上の計器を用いて実効値を測定する。 

8.3 

二次電圧試験 二次電圧試験は,変圧器を厚さ50mm以上の表面が平らな絶縁物の上に置き,二次

端子を開放し,一次端子間に定格周波数の定格一次電圧を加え,次によって測定する。 

a) 漏えい形は,静電電圧計を用いて実効値を測定する。 

b) パルス形は,厚さ50mm以上の表面が平らな絶縁物の上に置かれた分圧器を通してオシロスコープで

波高値を測定する。 

なお,分圧器は入力抵抗100MΩ以上のもので,入力容量3pF,15pF及び20pFのいずれかのうち10.c)

に表示したものを用いて測定する。 

8.4 

二次電流試験 二次電流試験は,二次端子を短絡した状態で,一次端子間に定格周波数の定格一次

電圧を加えて測定する。 

なお,パルス形は,熱電形高周波電流計又はこれと同等以上の計器を用いて実効値を測定する。 

8.5 

温度試験 

8.5.1 

平常温度上昇試験 平常温度上昇試験は,周囲温度が35±5℃の状態において,供試品を厚さ10mm

以上の表面が平らな木台の上に通常の使用状態に取り付け,一次端子間に定格周波数の定格一次電圧を加

えて,二次短絡電流を各部の温度がほぼ一定となるまで通じ各部の温度を測定する。この場合,短時間定

格のものは,その規定された時間の通電を繰り返し,各部の温度がほぼ一定となるまで電流を通る。この

測定の後に,8.6の試験を行う。測定は,熱電温度計法(巻線の温度上昇の測定は抵抗法)による。 

8.5.2 

異常温度上昇試験 異常温度上昇試験は,周囲温度が35±5℃の状態において,供試品を厚さ10mm

以上の表面が平らな木台の上に置き,二次側の口出線又は端子を短絡して,一次端子間に定格周波数の定

格一次電圧を加えて,各部の温度がほぼ一定となるまで,又は温度過昇防止装置若しくは過負荷保護装置

が作動するまで行い供試品外面の温度を測定する。この測定の後に,8.6の試験を行う。 

8.6 

絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,JIS C 1302に規定する直流500V絶縁抵抗計を用い,一次巻線一括

と非充電金属部との間の絶縁抵抗を測定する。 

8.7 

耐電圧試験 耐電圧試験は,次による。 

a) 加圧試験 絶縁抵抗試験の直後,表6に示す50Hz又は60Hzの正弦波に近い試験電圧を1分間加える。 

表6 加圧試験 

加圧箇所 

試験電圧 

一次巻線一括と
非充電金属部間 

定格一次電圧が24Vの場合500V 
定格一次電圧が100Vの場合1 000V 

定格一次電圧が200Vの場合1 500V 

b) 誘導試験 誘導試験は,漏えい形について行うものとし,二次側を開放した状態で一次側に50Hz又

は60Hzの周波数で定格一次電圧の1.5倍の正弦波に近い電圧を1分間加える。 

8.8 

二次開路試験 二次開路試験は,二次側を開放した状態で,一次端子間に定格周波数の定格一次電

圧を加え,24時間の連続通電後,各部の温度が周囲温度と平衡した後,8.3の試験を行う。この場合,短

時間定格のものは,その規定された時間の通電を繰り返すものとする。 

8.9 

通風放電試験 通風放電試験は,漏えい形について行うものとし,変圧器の二次側を,先端が平ら

であって水平に対向する直径1.6mmの一対の鋼製電極に接続し,その電極間距離を表7に規定する値に調

整する。この電極に直角方向から表7に規定する風速を電極に与え,一次端子間に定格周波数の定格一次

電圧の85%の電圧を加えたときの放電状態を目視によって観察する。 

表7 通風放電試験 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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定格二次電圧 V 

6 000 

7 000 

8 500 

10 000 

放電電極間距離 mm 

2.5 

風速 m/S 

10 

10 

15 

8.10 耐湿試験 耐湿試験は,温度45±3℃で4時間放置した供試品を温度40±2℃,相対湿度90〜95%の

雰囲気中に48時間放置後,水滴などが付着したときは,これを十分にふき取った後,8.6及び8.7の試験

を行う。 

8.11 静荷重試験 静荷重試験は,一次側又は二次側の口出線ごとにまとめて,各口出線に均等に引張荷

重が加わるように供試品の自重の3倍の値に等しい値の引張荷重を徐々に5分間加えたとき,口出線及び

ブッシングの異常の有無を調べる。 

8.12 反復使用試験 反復使用試験は,パルス形について行うものとし,二次端子に直径1.6mmの先端の

平らな鋼製電極を接続し,間げき(隙)を4mmに調整した状態で,一次端子間に定格周波数の定格一次

電圧を3秒間通電,3秒間休止のサイクルを100 000回繰り返した後,8.3,8.6及び8.7の試験を行う。こ

の場合,短時間定格のものは,3秒間通電,27秒間休止のサイクルとする。 

8.13 衝撃試験 衝撃試験は,器体の重さが4kg以下のパルス形について行うものとし,コンクリート床

上に置いた厚さ30mmの表面が平らなラワン材の面に平行になるように器体をひもでつり下げたものを

70cmの高さから落下させ異常の有無を調べる。さらに8.6の試験を行う。 

8.14 雑音試験 雑音試験は,次の装置,条件及び方法によって測定する。 

8.14.1 測定装置 測定装置は,付表1及び付表2に示す測定器を用いる。 

8.14.2 試験装置 試験装置は,付図9及び付図10に示すものとする。 

なお,供試品を取り付ける風洞は,付図11に示すものとする。 

8.14.3 供試品の試験条件 供試品の試験条件は,次による。 

a) 電源は,定格電圧,定格周波数とする。ただし,複数の定格をもつものは,雑音が最大となる定格値

とする。 

b) 電極の風洞内の設置は,付図11とする。 

c) 電源から試験装置への電源供給コードの断面積及び長さは,供試機器への電源コードを含め1.25mm2

及び2.5mとする。 

d) 高圧コードは,供試品に附属するコードを用い,附属しないものでコードを指定するものは指定のコ

ードを用いる。ただし,JIS C 3405を用いてもよい。 

e) 供試品で一端接地のものは,放電電極の一方と放電間げき近傍の風洞壁面を0.75mm2導線で接続する。 

f) 

取付面に二次側端子を配置するものは,二次側端子だけが風洞内に入るように設置する。ただし,風

洞内での端子から放電電極への接続は,JIS C 3405を用いる。 

g) 供試品の接地用引出線は,風洞壁面に接続する。ただし,接地用引出線が附属されていないものは,

断面積0.75mm2の電線で風洞壁面に接続する。 

h) 電極の形状は,付図11による。 

8.14.4 放電条件 供試品の放電間げきは,表7による。 

8.14.5 風洞内風速 風洞内の風速は,10m/sとする。 

8.14.6 雑音電力及び雑音端子電圧の測定条件 雑音電力及び雑音端子電圧の測定条件は,次による。 

a) 雑音電力の測定条件 

1) 供試品以外の発する雑音(暗雑音)は,表3の値から6dBを差し引いた値以下とする。 

2) 供試品を取り付けた風洞は,0.7〜1mの高さの絶縁物の台上に置き,シールドルーム壁その他の金

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S 2142 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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属物体から0.4m以上の距離をおくこと。 

3) 電源コードは,供試品を取り付けた風洞からほぼ水平に,かつ,直線的に4.5m伸ばすこと。 

備考 電源コードを延長する場合は,同種のものを用いるものとする。 

b) 雑音端子電圧の測定条件 

1) 供試品以外の発する雑音(暗雑音)は,表3の値から20dBを差し引いた値以下とする。 

2) 供試品を取り付けた風洞は,一辺が2m平方以上の正方形の水平基準接地導体面上0.4mの高さの絶

縁物の台上に置き,他の接地導体面から0.8mの距離をおくこと。 

3) シールドルーム内で壁の一面を基準接地導体面とする場合は,供試品を取り付けた風洞を0.8m以上

の高さの絶縁物の台上に置き,壁面から0.4mの距離をおくこと。 

4) 擬似電源回路網は,供試品を取り付けた風洞から0.8m離して設置すること。 

5) 電源コードの長さが0.8m以上のときは,0.3〜0.4mの長さの水平の束になるよう前後に折り曲げる

こと。 

8.14.7 接地線の条件 各機器は,基準接地導体へ接地し,接地線の配線は,次による。 

a) 電源コードの心線に含まれない接地線の長さは0.8〜1mとする。 

b) 接地線の配線は,電源コードに平行して0.1m以内とする。 

8.14.8 測定方法 測定方法は,次による。 

a) 雑音電力の測定 

1) 測定時間は,供試品の定格時間以内とする。 

2) 測定周波数は,30MHzから300MHzまでの周波数帯で最大ピークを発生する周波数とする。ただし,

特に最大ピークの発生しないものは,許容範囲±5MHzで表8の値とする。 

表8 雑音電力の測定周波数 

(30MHz) 

45MHz 

(65MHz) 

90MHz 

(150MHz) 

(180MHz) 

220MHz 

(300MHz) 

備考 ( )内の値で,最大ピークのないものは記録を省略することができる。 

3) 測定は,電源コードに沿って吸収クランプを供試品の端から電源側に移動させたとき,妨害電波測

定器の指示が最初に最大となる位置で行う。 

b) 雑音端子電圧の測定 

1) 測定は,起動,停止時の孤立パルスを除いて15秒間読取り最高値を記録する。ただし,供試品に定

格時間が表示されているものは表示時間とする。 

2) 測定周波数は,0.526 5MHzから30MHzまでの周波数帯で最大ピークを発生する周波数とする。こ

の場合,表9の周波数で測定することが望ましい。ただし,それぞれの周波数において,許容範囲

は±10%とする。 

表9 雑音端子電圧の測定周波数 

0.55MHz 

1.0MHz 

1.4MHz 

2.0MHz 

3.5MHz 

6.0MHz 

10MHz 

22MHz 

30MHz 

9. 検査 

9.1 

形式検査 形式検査は,製品の品質がすべての設計品質を満足するかどうかを判定するため,6.,7.

及び10.の項目について行う。 

9.2 

受渡検査 受渡検査は,既に形式検査に合格したものと同じ設計,製造による製品の受渡しの際,

必要な品質を満足するかどうかを判定するため,次の検査項目の順序によって同一供試品について行う。

ただし,当事者間の協定によって検査項目の一部を省略してもよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 一次電流 

b) 二次電圧 

c) 二次電流 

d) 絶縁抵抗 

e) 耐電圧(加圧試験に限る。) 

f) 

表示 

10. 表示 表示は,変圧器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならな

い。 

a) 製造者の形式 

b) 定格一次電圧 (V) 

c) 定格二次電圧(V又はkV)(パルス形にあってはVo-p又はkVo-p及び分圧器入力容量pFを表示する。) 

d) 定格周波数 (Hz) 

e) 定格二次電流 (mA) 

f) 

接地方式 

g) 定格容量 (VA) 

h) 時間定格 

i) 

製造業者名又はその略号 

j) 

製造年又はその略号 

k) 高圧注意 

備考1. 関連する法規,基準及び規格を,次に示す。 

電気用品取締法・技術基準 別表第61.共通の事項,2の3燃焼器具用変圧器 

2. この規格の関連国際規格を,次に示す。 

CISPR 11 第2版 

工業用,科学用及び医療用 (ISM) 無線周波機器の無線妨害特性の限度値

と測定方法 

(Limits and methods of measurement of electromagnetic disturbance 

characteristics of industrial, scientific and medical (ISM) radio-frequency 

equipment) 

CISPR 14 第3版 

家庭用及び類似目的のモータ作動並びに熱器具,電動工具及び電気機器の

無線妨害特性の限度値と測定方法 

(Limits and methods of measurement of radio disturbance characteristics of 

electrical motor-operated and thermal appliances for household and similar 

purposes electric tools and electric apparatus) 

CISPR 16 第2版 

無線妨害電波測定器及び測定法に関するCISPR規格 

(CISPR specification for radio interference measuring apparatus and 

measurement methods) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表1 雑音電力の測定装置(周波数範囲30MHzから300MHz) 

測定装置 

規格 

妨害波測定器 

6dB低下の帯域幅 

120kHz 

準せん(尖)頭値電圧計の電気的充電時定数 

1ms 

準せん頭値電圧計の電気的放電時定数 

550ms 

臨界制動された指示計器の機械的時定数 

100ms 

検波器より前の段の過負荷係数(指示計器に最大の振れを与える
正弦波信号レベル基準とする。) 

43.5dB 

検波器より指示計器の間に挿入する直流増幅器の過負荷係数(指
示計器の最大の振れに相当する直流電圧レベル基準とする。) 

6dB 

吸収クランプ 

付図7による。 

備考 指示計器の機械的時定数は,指示計器が直線的に作動することを仮定したものである

が,指示計器が直線的に作動しないものでも,測定器がこの表の要求を満たすものは
使用してもよい。 

付表2 雑音端子電圧の測定装置(周波数範囲0.15MHzから30MHz) 

測定装置 

規格 

妨害波測定器 

6dB低下の帯域幅 

9kHz 

準せん頭値電圧計の電気的充電時定数 

1ms 

準せん頭値電圧計の電気的放電時定数 

160ms 

臨界制動された指示計器の機械的時定数 

160ms 

検波器より前の段の過負荷係数(指示計器に最大の振れを与える
正弦波信号レベルを基準とする。) 

30dB 

検波器より指示計器の間に挿入する直流増幅器の過負荷係数(指
示計器の最大の振れに相当する直流電圧レベル基準とする。) 

12dB 

擬似電源回路網 50Ω/5μH・V形擬似電源回路網 

付図8による。 

備考 指示計器の機械的時定数は,指示計器が直線的に作動することを仮定したものである

が,指示計器が直線的に作動しないものでも,測定器がこの表の要求を満たすものは
使用してもよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 4点締め変圧器の取付寸法(ブッシング付き) 

単位 mm 

箇所 

寸法適用記号 

寸法及び許容差  90±1.0 155±1.0  50±0.7 140±1.0 

6±0.5 

40±3.0 

28±3.0 

I, II, III 

110±1.0 175±1.0  64±0.7 160±1.0 

7±0.5 

40±3.0 

34±3.0 

III 

付図2 4点締め変圧器の取付寸法(ブッシングなし) 

単位 mm 

箇所 

寸法適用記号 

寸法及び許容差  90±1.0 155±1.0 50±0.7 140±1.0 

6±0.5 

I, II, III, IV, V, VI 

110±1.0 175±1.0 64±0.7 160±1.0 

7±0.5 

II, III, IV 

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付図3 2点締め変圧器の取付寸法(ブッシングなし) 

単位 mm 

箇所 

寸法適用記号 

寸法及び許容差 90±1.0 130±1.0 114±1.0 

7±0.5 

II, III, IV 

付図4 2点締め変圧器の取付寸法(ブッシングなし) 

単位 mm 

箇所 

φK 

寸法適用記号 

寸法及び許容差 90±1.0 155±1.0 140±1.0 

6±0.5 

6±0.5 

I, II, III, IV, V, VI 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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付図5 丁番付き変圧器の取付寸法(ブッシング付き) 

単位 mm 

箇所 

寸法及び許容差  90±1.0 155±1.0 50±0.7 

6±0.5 

40±3.0 

28±3.0 

110±1.0 175±1.0 64±0.7 

7±0.5 

40±3.0 

34±3.0 

箇所 

φK 

寸法適用記号 

寸法及び許容差 25±0.5 

64±0.5 

6±0.5 

6±0.5 

I, II, III 

30±0.5 

76±0.5 

8±0.5 

7±0.5 

III 

付図6 4点締め変圧器の取付寸法(ブッシング付き) 

単位 mm 

箇所 

寸法適用記号 

寸法及び許容差 113±1.0 182±1.0 65±0.7 144±1.0 

8±0.5 

28±3.0 

V, VI 

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付図7 吸収クランプ 

付図8 50Ω/50μH・V形擬似電源回路網 

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付図9 雑音電力の試験装置 

備考 供試品電源と供試品電源入力との間の高周波の分離度が不十分な場合は,供試品を

取り付けた風洞から約4m離した位置に補助クランプを置き,電源線から入る外部
雑音を軽減し,負荷インピーダンスの安定性を改善することができる。 

供試品を取り付けた風洞側面とシールドルーム壁面の距離は0.4m以上とする。 

付図10 雑音端子電圧の試験装置 

備考 床面を基準接地導体面とした場合を示す。 

供試品を取り付けた風洞側面とシールドルーム壁面の距離は0.8m以上とする。 
擬似電源回路網側面と供試品を取り付けた風洞側面の距離は0.8mとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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付図11 試験装置の風洞 

備考 試験装置は,JIS B 8330の4.1(試験装置)の図1 (C)に準じる。 

平成6年改正時の改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

室 伏 公 夫 

財団法人日本電気用品試験所 

岡 村 繁 寛 

資源エネルギー庁公益事業部 

安 達 俊 雄 

通商産業省機械情報産業局 

倉 重 有 幸 

工業技術院標準部 

木 村 方 紀 

社団法人日本電気協会技術部 

佐 藤 定 宏 

株式会社第一設備設計事務所 

篠 原   脩 

社団法人日本ガス石油機器工業会 

平 野 幸 夫 

株式会社伊東設備設計事務所 

御法川 義 雄 

株式会社御法川工場 

桜 井 秀 一 

日精オーバル株式会社技術部 

村 野 雄 大 

ロケットボイラー工業株式会社技術部 

加 藤 昇 三 

三洋電機株式会社空冷機事業本部研究センター 

堀     勲 

株式会社三陽電機製作所 

首 藤 秋 美 

ダイヤモンド電機株式会社 

諸 星 征 夫 

山武ハネウエル株式会社機器制御事業部技術部 

福 地 一 夫 

松下電器産業株式会社東京本部 

(関係者) 

今 村 常 男 

株式会社三陽電機製作所品質保証部 

土 屋 元 男 

長野愛知電機株式会社電機部 

(事務局) 

鴨志田 隆 英 

日本暖房機器工業会