S 2103:2019
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 区分······························································································································· 4
4.1 設置形態による区分 ······································································································· 4
4.2 機種別の区分 ················································································································ 4
5 性能······························································································································· 5
6 構造,材料及び寸法 ········································································································· 20
6.1 構造一般 ····················································································································· 20
6.2 材料一般 ····················································································································· 21
6.3 機種別構造及び寸法 ······································································································ 23
6.4 設置形態別の構造 ········································································································· 26
6.5 設定時間になると自動的に運転を開始する機能をもつ機器 ···················································· 27
6.6 各部の構造及び寸法 ······································································································ 28
6.7 電源使用機器の構造 ······································································································ 32
7 試験方法························································································································ 33
7.1 性能試験 ····················································································································· 33
7.2 機器の設置状態 ············································································································ 33
7.3 機器の使用状態 ············································································································ 33
7.4 構造,材料及び寸法の試験 ····························································································· 34
8 検査······························································································································ 36
8.1 形式検査 ····················································································································· 36
8.2 製品検査 ····················································································································· 36
9 表示······························································································································ 36
9.1 製品表示 ····················································································································· 36
9.2 取扱表示 ····················································································································· 37
10 取扱説明書 ··················································································································· 37
附属書A(規定)こんろ及びこんろ部をもつ複合形機器の安全要求事項 ········································· 61
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本
ガス機器検査協会(JIA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工
業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS S 2103:2015
は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
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家庭用ガス調理機器
Gas cooking appliances for domestic use
1
適用範囲
この規格は,液化石油ガス又は都市ガス(以下,ガスという。)を燃料とする,主として一般家庭用の調
理機器(以下,機器という。)について規定する。この規格が対象とする機器を表1に示す。
なお,この規格では,圧力は,大気圧と示しているもの以外は,全てゲージ圧力とする。
注記 ガスこんろ及びこんろ部をもつ複合形機器については,液化石油ガスの保安の確保及び取引の
適正化に関する法律における液化石油ガス器具等及びガス事業法におけるガス用品に指定され
ている(附属書A参照)。
表1−機器
機種
表示ガス消費量
kW
機能など
図
ガスこんろ
(カセットこんろを除く。)
(以下,こんろという。)
14以下
こんろバーナ1個
当たり5.8以下
バーナの上に鍋などを支えて,調理
する機器
図21〜図26
ガスグリル
(以下,グリルという。)
7.0以下
じかび(直火)によって,主として
放射熱で調理する機器
図27〜図29
ガスグリドル
(以下,グリドルという。)
7.0以下
じかび(直火)で加熱したプレート
によって,主として伝導熱で調理す
る機器
図30
ガスオーブン
(以下,オーブンという。)
7.0以下
じかび(直火)によらず,主として
対流熱で調理する機器
図31〜図33
ガス炊飯器
(最大炊飯量4 L以下)
(以下,炊飯器という。)
4.7以下
米飯の炊き上がりを探知し,自動的
にメーンバーナを消火させる装置
を備えた機器
図34〜図37
ガスクッキングテーブル
(以下,クッキングテーブルという。)
7.0以下
こんろをテーブル(食卓)に組み込
んだ機器
図49
2
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表1−機器(続き)
機種
表示ガス消費量
kW
機能など
図
複
合
形
a)
ガスグリル付こんろ
(以下,グリル付こんろという。)
14以下
こんろ本体にグリル部を組み込ん
だ機器
図38〜図42
ガスグリドル付こんろ
(以下,グリドル付こんろという。)
14以下
こんろ本体にグリドル部を組み込
んだ機器
図43,図44
ガスオーブン付こんろ
(以下,オーブン付こんろという。)
14以下
こんろ本体にオーブン部を組み込
んだ機器
図45,図46
ガスレンジ
(以下,レンジという。)
21以下
こんろ又はグリル付こんろの下部
にオーブンを配置し,一体になった
機器
図47,図48
ガスグリル付こんろ,ガスグリドル付
こんろ,ガスオーブン付こんろ及びガ
スレンジを除くその他のもの
21以下
こんろ,グリル,グリドル,オーブ
ン,又は炊飯器のいずれか二つ以上
を組み合わせた機器
−
注a) 複合形の個々のガス消費量は,機種別の表示ガス消費量のとおりとする。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 9504 人造鉱物繊維保温材
JIS B 0203 管用テーパねじ
JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS B 2401-1 Oリング−第1部:Oリング
JIS C 3101 電気用硬銅線
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3301 ゴムコード
JIS C 3306 ビニルコード
JIS C 3312 600 Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル
JIS C 3327 600 Vゴムキャブタイヤケーブル
JIS C 8303 配線用差込接続器
JIS C 8358 電気器具用差込接続器
JIS C 8515 一次電池個別製品仕様
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3314 溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3446 機械構造用ステンレス鋼鋼管
JIS G 3459 配管用ステンレス鋼鋼管
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4308 ステンレス鋼線材
JIS G 4313 ばね用ステンレス鋼帯
3
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JIS G 4314 ばね用ステンレス鋼線
JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 3250 銅及び銅合金の棒
JIS H 3300 銅及び銅合金の継目無管
JIS H 3320 銅及び銅合金の溶接管
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H 4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H 4090 アルミニウム及びアルミニウム合金溶接管
JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H 5120 銅及び銅合金鋳物
JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物
JIS H 5301 亜鉛合金ダイカスト
JIS H 5302 アルミニウム合金ダイカスト
JIS K 6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ
JIS S 2010 アルミニウム製加熱調理器具
JIS S 2091 家庭用燃焼機器用語
JIS S 2093 家庭用ガス燃焼機器の試験方法
JIS S 2135 ガス機器用迅速継手
JIS S 2149 ガス燃焼機器用バイメタルサーモスイッチ
JIS S 2150 ガス燃焼機器用手動ガスバルブ
JIS S 2151 ガス燃焼機器用自動ガスバルブ
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS S 2091及びJIS S 2093によるほか,次による。
3.1
液化石油ガス
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律第149号)に基づく施行規則
(平成9年通商産業省令第11号)の“液化石油ガスの規格”に掲げるガス。
3.2
都市ガス
ガス事業法(昭和29年法律第51号)に基づくガス用品の技術上の基準等に関する省令(昭和46年通商
産業省令第27号)別表第3に掲げるガスグループのガス。
3.3
点火動作が自動的に行われるもの
機器を待機状態にした後,バーナへのガス通路の開動作,点火動作,点火確認などが自動的に行われる
もの。
4
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3.4
表示ガス消費量
機器をガスの消費量が最も多い状態で使用したときに消費するガス量で,機器に表示する値。
3.5
こんろバーナ
一つの被加熱物(例えば,“鍋”)を加熱することを目的としたこんろ用のバーナ。
3.6
最大炊飯量
炊飯器で1回に炊飯できる米の最大量(L)で,釜,その他に表示する値。
3.7
高温モード
揚げ物調理を目的とせず,焼き物,いた(炒)め物などの高温調理を目的とした,調理油過熱防止装置
が作動する温度より高温に設定できる機能。
3.8
予熱時間
予熱開始からオーブン庫内温度が設定温度に上昇するまでに要する時間。
3.9
グリドル皿
食品を入れて調理を行うガスグリドル用のプレート。
3.10
グリドル庫内
ガスグリドルのグリドル皿を受ける部分。
3.11
グリドル皿過熱防止装置
グリドル皿の空だき,食品から発生する油などの過熱などを検知して自動消火する安全装置。
4
区分
4.1
設置形態による区分
機器は,設置形態による区分は,表2による。
表2−設置形態による区分
設置形態
区分内容
図
卓上形
こんろ台,調理台,食卓などの上に置いて使用する機器 図6
据置形
台又は床面に据え置いて使用する機器
図7
組込形
壁,調理台などに組み込んで使用する機器
図8
キャビネット形
専用のキャビネットの上に取り付けて使用する機器
図9
4.2
機種別の区分
こんろ及び炊飯器は,次のとおり区分する。
なお,グリル,グリドル,オーブン及びクッキングテーブルの場合は,区分を設けない。
5
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a) こんろ こんろは,バーナの数による区分は,表3による。
表3−こんろのバーナの数による区分
バーナの数
区分内容
図
一口
こんろのバーナが1個のもの。
図21〜図26
二口以上
こんろのバーナが2個以上のもの。
b) 炊飯器 炊飯器は,保温の有無及び保温方式による区分は,表4による。
表4−炊飯器の保温の有無及び保温方式による区分
保温の有無
保温方式
区分内容
図
なし
−
保温しないもの。
図34
あり
保温バーナ方式
保温バーナによって保温するもの。
図35,図36
電気方式
電気によって保温するもの。
図37
5
性能
機器の性能は,表5の試験方法及び箇条7によって試験したとき,表5の性能を満足しなければならな
い。また,複合形及び二つ以上の機能を兼用するものは,それぞれの機能の性能を満足しなければならな
い。
なお,試験条件,試験ガス,試験用計測器及び試験装置は,JIS S 2093による。
6
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白 紙
7
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表5−性能及び試験方法
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
ガス通路の気密
器具栓を通して漏れる量が70 mL/h以下
表7
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
器具栓以外のガス閉止弁を通して漏れる量が550
mL/h以下
ガス接続口から炎口まで外部漏れがあってはな
らない。
ガス消費量
表示ガス消費量に対して±10 %
表8
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
個々のバーナの表示ガス消費量に対しては,取扱
説明書に表示する個々のバーナの表示ガス消費
量に対して±10 %
表8
−
○ − − − −
−
○
○
○
○
個々のバーナのガス消費量の総和に対する全ガ
ス消費量の比は,80 %以上
表8
同時に使用できる個々のバーナのガス消費量及び同時使用時の全ガス消費量をそれぞれ測定し,次
の式によって算出する。
100
i
×
Σ
=Q
Q
r
ここに,
r: 個々のバーナのガス消費量の総和に対する全ガス消費量の比(%)
Q: 全ガス消費量(kW)
ΣQi: 個々のバーナのガス消費量の総和(kW)
○ − − − −
−
○
○
○
○
燃焼状態
無風状態
1) 確実に着火a) し,かつ,爆発的着火があって
はならないb)。また,1点に着火した後,速
やかに全ての炎口に着火しなければならな
い。
表9
a) 理論乾燥燃焼ガス中のCO %の燃焼ガス採取方法については,次による。
1) こんろ部は,次の採取位置の全周にわたって一様に採取する。
こんろ部の燃焼ガスの採取位置
2) グリル,グリドル,オーブン及び炊飯器は,それぞれの排気口に適合した漏斗状のフード,サ
ンプラなどによって一様に採取する。
b) こんろ,煮物調理ができるグリドル及び炊飯器の連続騒音については,沸騰しない条件で調べ
る。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
2) リフティングがあってはならないc)。
3) 消火があってはならないd)。
4) 炎が均一でなければならない。
5) 逆火があってはならないe)。
6) 連続騒音が60 dB以下
7) 消火時に爆発音があってはならない。
8) 理論乾燥燃焼ガス中の一酸化炭素(以下,CO
という。)濃度(体積分率%)(以下,CO %と
いう。)が0.14 %以下
9) すすが発生してはならないf)。
10) 炎のあふれがあってはならない(こんろ部を
除く。)g)。
11) パイロットバーナの消火及び逆火があっては
ならないd) e)。
過大鍋使用状態
(こんろ部に適用)
炎のふらつき,もやもや及び刺激臭があってはな
らない。
−
表6に示す試験用鍋よりも,口径が60 mm±10 mm大きい鍋(載せられない場合は載せられる最大
のもの)を使用し,試験ガスの条件をB-1又は1-1として,こんろの各バーナごとに点火し,器具栓
を全開にし,目視などによって調べる。
○ − − − −
○
○
○
○
○
オーブン扉開閉時
(オーブン扉の開閉
操作時に燃焼を継続
するバーナをもつオ
ーブン部に適用)
パイロットバーナの消火及び逆火があってはな
らないd) e)。
−
試験ガスの条件をP-2又は3-2として,パイロットバーナだけに点火し,燃焼状態が安定した後又は
5分以後にオーブン扉の開閉操作を通常の速さで5回行い,目視によって調べる。
− − − ○ −
−
−
−
○
○
消火及び逆火があってはならないd) e)。
−
試験ガスの条件をP-3又は3-3として,パイロットバーナ及びメーンバーナに点火し,オーブン庫内
中央部の温度をほぼ150 ℃に保つようにガス量を調節した状態で,オーブン扉の開閉操作を通常の
速さで5回行い,目視によって調べる。
8
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表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
燃焼状態
キャビネット扉開閉
時(組込形及びキャ
ビネット形のこんろ
部に適用)
消火及び逆火があってはならないd) e)。
−
つまみに最小位置の表示があるものは,その位置で,表示がないものは全開時の1/3のガス量になる
位置に調節し,試験ガスの条件をP-3又は3-3としてバーナに点火し,15分以上燃焼した後に,キ
ャビネット扉の開閉操作を通常の速さで5回行い,目視によって調べる。
○ − − − −
−
○
○
○
−
オーブンサーモスタ
ット作動時
消火及び逆火があってはならない(サーモスタッ
ト作動時に消火しないオーブンバーナをもつオ
ーブン部に適用)d) e)。
−
試験ガスの条件をP-3又は3-3として,バーナに点火し,約200 ℃に温度設定したサーモスタットが
作動している状態で目視によって調べる。
− − − ○ −
−
−
−
○
○
確実に着火a) し,かつ,爆発的着火があってはな
らないb)。また,1点に着火した後,速やかに全
ての炎口に着火しなければならない(サーモスタ
ット作動時に消火するオーブンバーナをもつオ
ーブン部に適用)。
−
試験ガスの条件をP-3又は3-3として,バーナに点火し,約200 ℃に温度設定したサーモスタットが
作動した後,オーブン庫内の温度の低下によって再点火したときに,この表の燃焼状態の無風状態
の性能1) に規定する内容をJIS S 2093の表9の試験方法によって調べる。
温度センサ作動時
(温度センサで自動
的にガス量を調節す
るグリル及びグリド
ルに適用)
消火及び逆火があってはならないd) e)。
−
試験ガスの条件をP-3又は3-3として,バーナに点火し,温度センサでガス量が調節された状態のと
きに,目視によって調べる。
− ○ ○ − −
−
○
○
−
○
温度上昇
平常時温度上昇
(機器の各部)
操作時に手の触れる部
分の表面(つまみ類)
金属製,陶磁器製及び
ガラス製のもの
60 ℃以下
表12
a) 機器の設置状態は,機器を図10〜図20に示す測温板に,機器と測温板との間隔が次の“機器と
測温板との間隔”の表に示す間隔となるように,製造業者が指定する要領(取扱説明書などに
示す要領)で設置する。
なお,測温板との間隔について,火災予防上有効な措置が施されたもので,製造業者が指定す
る間隔が次の表に規定する寸法未満の場合は,その指定の条件による。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
外枠の取っ手,蓋のつ
まみ(炊飯器に適用)
75 ℃以下
その他のもの
70 ℃以下
操作時に手の触れるおそれがある部分の表面(つ
まみ類,燃焼ガスの排出部,炊飯器の外枠,蓋な
どは除く。)
140 ℃以下
足の触れるおそれがある部分(クッキングテーブ
ルに適用)
100 ℃以下
乾電池の表面
55 ℃以下
ガス接続口(ねじ接続口を除く。)の表面
60 ℃以下
9
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表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
温度上昇
(続き)
機器と測温板との間隔
単位 mm
機種の種類
機器上方
機器周囲
設置状態
本体周囲
本体上方の周囲
卓上形
加熱部が開放されているも
の(一口こんろ,グリル,グ
リドル)
1 000
150
150
図10,図11
加熱部が隠蔽されているも
の(オーブン,箱型グリル)
500
45
45
図10,図12
炊飯器
300
100
100
図10,図13
二口以上のこんろ,グリル付
こんろ,グリドル付こんろ,
オーブン付こんろ
1 000
0
150
図14,図15
据置形,
キャビネ
ット形
レンジ,こんろ,グリル付こ
んろ,グリドル付こんろ,オ
ーブン付こんろ
1 000
0
150
図14,図16
組込形
レンジ,こんろ,グリル付こ
んろ,グリドル付こんろ,オ
ーブン付こんろ
1 000
0
150
図17,図18
オーブン
0
0
−
図19
クッキングテーブル
−
−
−
図20
b) 機器の基準周囲温度は,35 ℃とする。
10
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表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
温度上昇
平常時温度上昇
(機器の各部)
ガス閉止弁(器具栓を
含む。)本体のガスの通
る部分の外表面
85 ℃以下又は耐熱試験
によってガス通路の気
密の項目に適合し,か
つ,使用上支障がない
ことが確認された温度
以下
表12
表16
c) 機器の使用状態は,次による。
1) こんろバーナは,機器の各部の温度を測定するときは,ガス消費量が表示の1/2になるように
器具栓を調節し,木壁などの温度を測定するときは,器具栓を全開にした状態とする。
なお,温度制御装置をもつもので温度設定可能のものは最高温度に設定する。
2) グリルは,器具栓を全開にした状態とする。
3) グリドルは,焼き物調理ができるものは,最大のガス消費量の状態とする。煮物調理ができる
ものは,下火バーナだけに点火し,器具栓を全開にした状態とする。
4) オーブンは,サーモスタットによるか又はサーモスタットがないものは器具栓などによってオ
ーブン庫内中央の温度を230 ℃に保っている状態とする。ただし,230 ℃に達しない場合は,
達する最高温度とする。
5) 炊飯器は,釜に最大炊飯量の水位付近まで水を入れた状態とする。
6) 複合形機器にあっては,それぞれの機能に応じた状態として,使用できる全てのバーナを同時
に使用する。ただし,グリル兼用のこんろバーナはこんろの使用状態とする。
7) 機能を兼用するもの(グリル兼用こんろ,こんろ兼用炊飯器など)は,それぞれの機能の状態
について行う。
8) クッキングテーブルは,1) と同様とする。
d) 燃焼時間は,次の“機器の燃焼時間及び測温時間”の表に示すように機器の各部については,
バーナに点火してから30分間とし,機器周囲の木壁などについては,引き続き30分間とする。
ただし,炊飯器のメーンバーナについては,それぞれの30分間の前半の15分間だけ燃焼させ
るものとする。また,複合形機器のグリル部及び複合形機器のグリドル部(焼き物調理ができ
るもの)については,それぞれの後半の15分間だけ燃焼させるものとする。
e) 測温時間は,次に示すようにそれぞれの30分間行う。ただし,炊飯器の外枠の取っ手及び蓋の
つまみについては,試験開始後30分経過した時点(木壁などの温度上昇試験を開始する直前)
の温度を測定する。
機器の燃焼時間及び測温時間
種類
時間
点火
15分
30分
45分
60分
燃
焼
時
間
炊飯器
複合形のグリル部,複合
形のグリドル部(焼き物
調理ができるもの)
こんろ,グリル,グリド
ル,オーブンなどの上記
種類以外のもの
測
温
時
間
こんろ,グリル,グリド
ル,オーブン,炊飯器な
ど
● ●
機器の各部の 木壁などの
測温時点 測温時点
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
点火ユニット(圧電素
子を含む。)の表面
85 ℃以下又は耐熱試験
によって電気点火の項
目に適合し,変形及び
変色がなく,かつ,使
用上支障がないことが
確認された温度以下
器具ガバナのガスの通
る部分の外表面
70 ℃以下又は耐熱試験
によってガス通路の気
密の項目に適合し,か
つ,調整圧力の変化が
(0.05P1+30)Pa以下
であることが確認され
た温度以下
P1:耐熱試験前の調整
圧力
平常時温度上昇
(木壁など)
機器後面,側面及び上
方天井面の木壁の表
面,並びに機器下面の
木台の表面(図10〜図
20参照)
100 ℃以下
表12
カウンタの表面及び機
器が接するカウンタの
表面(クッキングテー
ブル及び組込形に適
用)(図17〜図20参照)
排気管貫通部の壁表面
(組込形に適用)
11
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
温度上昇
異常時温度上昇
(木壁など)
機器の後面,側面及び
上方天井面の木壁の表
面,並びに機器下面の
木台の表面(図10〜図
20参照)
135 ℃以下
表12
a) 機器の設置状態は,平常時温度上昇試験と同じ状態とする。
b) 機器の基準周囲温度は,35 ℃とする。
c) 機器の使用状態は,次による。
1) こんろバーナは,最大のガス消費量の状態とし,表6に示す試験用鍋よりも,口径が60 mm
±10 mm大きい鍋(載せられない場合は,載せることのできる最大のもの)を用いて行う。
2) グリルは,グリル皿に,水を入れない状態とする。
3) グリドルは,グリドル皿に水を入れず,最大のガス消費量の状態とする。
4) オーブンは,サーモスタットがあるものは作動しない状態とし,ないものは器具栓を全開にし
た状態とする。
5) 炊飯器は,釜に最小炊飯量の水位まで水を入れ,自動消火装置は作動しない状態とする。
6) 複合形機器にあっては,各機能のうち,一つを1)〜5) のいずれかの状態とし,他の機能を平
常時温度上昇試験と同じ状態として,それぞれの組合せについて使用できる全てのバーナを同
時に使用した状態で行う。ただし,グリル兼用こんろバーナはグリルの使用状態,及びこんろ
兼用炊飯器は炊飯器の使用状態とする。
d) 測温時間は,時間が経過しても測温部の温度が変わらなくなるまでとする。ただし,バーナに
点火してから1時間までとする。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
カウンタの表面及び機
器が接するカウンタの
表面(クッキングテー
ブル及び組込形に適
用)(図17〜図20参照)
排気管貫通部の壁表面
(組込形に適用)
耐熱衝撃
グリル扉,蓋,グリド
ル扉,オーブン扉,ト
ッププレートなどのガ
ラス部分
異常があってはならな
い。
−
平常時温度上昇試験に引き続き又はガラスがこれと同じ状態のとき,温度5 ℃の水を,トッププレ
ートにあっては200 mL,その他の箇所にあっては5 mL及び10 mLの各々を,2回ずつガラスの中
央部に注ぐ。
なお,繰り返し注水を行う場合には,ガラスの温度が定常状態になるのを待って行う。
○ ○ ○ ○ ○
−
○
○
○
○
電気点火
家庭用電源又は乾電池を用いた連続放電点火方
式のものは20回中19回,その他のものは10回
中9回以上点火しなければならない。また,爆発
的点火があってはならないb)。
表13
ガス量を調節するものにあっては,最大及び最小の状態で確認する。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
安
全
装
置
立
消
え
安
全
装
置
再
点
火
形
点火した場合の開弁
時間
90秒以内とする。ただし,こんろバーナにあって
は10秒以内とする。
表14
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
消火した場合の閉弁
時間
− 消火後1回目の閉弁時間は,フレームロッド
式のものは3秒以内,その他のものは60秒以
内とする。ただし,家庭用電源又は乾電池を
使用して熱電対式立消え安全装置を強制的に
閉弁させるものは50秒以内とする。
− 2回目以降の閉弁時間は,1回の閉弁時間につ
き,フレームロッド式のものは7秒以内,そ
の他のものは60秒以内とする。ただし,家庭
用電源又は乾電池を使用して熱電対式立消え
安全装置を強制的に閉弁させるものは50秒
以内とする。
− 2回以上閉弁するものは,閉弁時間の積算は
60秒以内とする。
表14
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
12
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
安
全
装
置
立
消
え
安
全
装
置
再
点
火
形
点火時に不点火した
場合の閉弁時間(点火
動作が自動的に行わ
れるものに適用)
− 1回の閉弁時間につき,フレームロッド式の
ものは7秒以内,その他のものは60秒以内と
する。ただし,家庭用電源又は乾電池を使用
して熱電対式立消え安全装置を強制的に閉弁
させるものは50秒以内とする。
− 2回以上閉弁するものは,閉弁時間の積算は
60秒以内とする。
表14
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
爆発的点火及び使用
上支障がある炎のあ
ふれ
消火した後及び点火時に不点火した後,再び点火
動作をしたときに爆発的点火及び使用上支障が
ある炎のあふれがあってはならないb) g)。
表14
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
再
点
火
形
以
外
点火した場合の開弁
時間
90秒以内とする。ただし,こんろバーナにあって
は10秒以内とする。
表14
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
消火した場合の閉弁
時間
− 消火後1回目の閉弁時間は,フレームロッド
式のものは3秒以内,その他のものは60秒以
内とする。ただし,家庭用電源又は乾電池を
使用して熱電対式立消え安全装置を強制的に
閉弁させるものは50秒以内とする。
− 2回目以降の閉弁時間は,1回の閉弁時間につ
き,フレームロッド式のものは7秒以内,そ
の他のものは60秒以内とする。ただし,家庭
用電源又は乾電池を使用して熱電対式立消え
安全装置を強制的に閉弁させるものは50秒
以内とする。
− 2回以上閉弁するものは,閉弁時間の積算は
60秒以内とする。
表14
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
点火時に不点火した
場合の閉弁時間(点火
動作が自動的に行わ
れるものに適用)
− 1回の閉弁時間につき,フレームロッド式の
ものは7秒以内,その他のものは60秒以内と
する。ただし,家庭用電源又は乾電池を使用
して熱電対式立消え安全装置を強制的に閉弁
させるものは50秒以内とする。
− 2回以上閉弁するものは,閉弁時間の積算は
60秒以内とする。
表14
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
爆発的点火及び使用
上支障がある炎のあ
ふれ(繰返し点火動作
が自動的に行われる
ものに適用)
消火した後及び点火時に不点火した後,再び点火
動作をしたときに爆発的点火及び使用上支障が
ある炎のあふれがあってはならないb) g)。
表14
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
13
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
安
全
装
置
過熱防止装置
異常な温度に達したときに作動し,ガス通路を自
動的に閉ざさなければならない。また,温度が平
常に戻った場合にガス通路が自動的に開いては
ならない。
表14
異常時温度上昇の項目による。
− ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
調理油過熱防止装置(こんろバ
ーナに適用)
油の最高温度
300 ℃未満
(高温モード設定時を除く。)
−
表6に示す呼び20 cmの試験用鍋に200 mLのサラダ油を入れ,試験ガスの条件をS-2とし,バーナ
に点火し,油の最高温度を測定する。
この場合,温度設定の調節可能なものは,最高温度に設定して行う。
○ − − − −
○
○
○
○
○
グリドル皿の過熱防止性能(グリド
ル部に適用)
油の最高温度
300 ℃未満
−
グリドル皿に200 mLのサラダ油を入れ,試験ガスの条件をS-2とし,バーナに点火し,油の最高温
度を測定する。
この場合,温度設定の調節可能なものは,最高温度に設定し,全バーナに点火して行う。
− − ○ − −
−
−
○
−
−
電気部
(交流電源
を使用する
機器に適
用)
絶縁性
能(絶
縁抵抗)
平常時温
度上昇試
験前
1 MΩ以上
表20
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
異常時温
度上昇試
験後
0.3 MΩ以上
耐電圧
電気回路に異常があってはならない。
耐衝撃電圧
使用上支障があってはならない。
始動
始動しなければならない。
電圧変動
運転が継続しなければならない。
定格消費電力に対す
る精度
定格消費電力 W
許容差 %
10以下
10を超え
30以下
30を超え
100以下
100を超え 1 000以下
1 000を超えるもの
+25
±25
±20
±15
±10
巻線の温度上昇(括
弧内の値は回転機の
巻線に適用する。)
A種絶縁:100 ℃以下
E種絶縁:115 ℃以下
B種絶縁:125(120)℃以下
F種絶縁:150(140)℃以下
H種絶縁:170(165)℃以下
表20
巻線の温度上昇試験における基準周囲温度は,30 ℃とする。
交流
電源
異常
停電
安全性に支障があってはならない。また,停電の
ときにバーナの炎が消えるものは,再び通電した
とき,バーナへのガスの通路が自動的に開かない
か,又は自動的に点火しなければならない。
表20
−
電圧降下
安全性に支障があってはならない。
電源雑音
(電子制御装置をも
つものに適用)
安全性に支障があってはならない。
14
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
電気部
(直流電源
を使用する
機器に適
用)
電圧降下
(0 Vまで)
安全性に支障があってはならない。
表20
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
電気部
(電子制御
装置をもつ
ものに適
用)
回路の短絡又は断線
安全性に支障があってはならない。
表20
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
はんだの耐久性
通常使用時の温度変化に耐え,かつ,はんだクラ
ック進行ランクが7未満
表20
a) こんろ,クッキングテーブル,グリル付こんろ,グリドル付こんろ,オーブン付こんろ及びレ
ンジ
試験条件は,次に示すとおりとする。
低温TA
−40 ℃
高温TB
100 ℃
放置時間t1
30分
サイクル数
400回
ただし,製造業者の指定する試験条件が次に示す内容の場合,上記の試験条件を次に示す内容
とすることができる。
低温TA
−40 ℃
高温TB
80 ℃
放置時間t1
30分
サイクル数
500回
b) グリル,グリドル,オーブン及び炊飯器
試験条件は,次に示すとおりとする。
低温TA
−40 ℃
高温TB
100 ℃
放置時間t1
30分
サイクル数
200回
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
電気部
(点火ヒー
タを使用す
る機器に適
用)
電圧降下
(0 Vまで)
安全性に支障があってはならない。
−
機器の状態をガス消費量試験と同様とし,試験ガスの条件をS-2としてバーナに点火し15分以後に,
電源電圧を定格電圧から0 Vまで徐々に降下させ,その間に安全性に支障のないことを確認する。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
反復使用
器具栓
ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,使用上支
障があってはならない。
表15
繰返し回数は6 000回とする。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
電気点火装置
電気点火の項目に適合し,かつ,使用上支障があ
ってはならない。
表15
繰返し回数は6 000回とする。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
器具ガバナ
ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,調整圧力
の変化が(0.05P1+30)Pa以下でなければならな
い。
P1:試験前の調整圧力
表15
繰返し回数は30 000回とする。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
立消え安全装置
ガス通路の気密の項目及び安全装置の立消え安
全装置の項目に適合しなければならない。
表15
繰返し回数は1 000回とする。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
電磁弁
ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,使用上支
障があってはならない。
表15
繰返し回数は30 000回とする。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
15
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
反復使用
タイマ(電子式のも
のを除く。)
ガス通路の気密の項目に適合し,使用上支障がな
く,かつ,作動時間の変化が10 %以下でなければ
ならない。
表15
繰返し回数は2 000回とする。
− ○ ○ ○ ○
−
○
○
○
○
サーモスタット(電
子式のもの及び比例
制御式のものを除
く。)
ガス通路の気密の項目及びオーブンの使用性能
の庫内温度の項目に適合し,かつ,使用上支障が
あってはならない。
表15
a) 繰返し回数は6 000回とする。
b) サーモスタットの設定温度をほぼ200 ℃に設定した状態で,サーモスタットが作動する温度の
熱風及び冷風をほぼ1分間ずつ検知部に交互に当て,作動を繰り返した後,オーブンの使用性
能 庫内温度の項目にある試験方法で試験し,表示温度との温度差を調べる。また,使用上支
障があるかを調べる。
− − − ○ −
−
−
−
○
○
器具コンセント
ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,着脱が円
滑・確実でなければならない。
表15
繰返し回数は6 000回とする。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
自在ガス接続口
ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,使用上支
障があってはならない。
表15
繰返し回数は1 000回とする。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
自動消火装置
ガス通路の気密の項目及び炊飯性能の項目に適
合しなければならない。
−
a) 繰返し回数は1 000回とする。
b) 自動消火専用のものは,炊飯状態と同様の条件によって,ガス通路を開閉する操作を一定周期
で繰り返した後,ガス通路の気密の項目によって試験し,ガス漏れの有無を調べる。また,炊
飯器の使用性能 炊飯性能の項目によって試験し,炊飯性能を調べる。
c) 電気点火装置と連動するものは,a) に引き続き自動消火装置の開閉操作を手動又は機械操作に
よって,5回/分〜20回/分の速さで電気点火装置の項に規定する回数を繰り返した後,電気
点火装置の項目によって試験し,点火回数を調べる。また,爆発的点火の有無を調べる。この
場合の回数は,a) で行う回数を含む合計の回数とする。
− − − − ○
−
−
−
−
−
グリドル皿過熱防止
装置(グリドル部に
適用)
ガス通路の気密の項目及びグリドル皿過熱防止
性能の項目に適合しなければならない。
−
a) 繰返し回数は1 000回とする。
b) 一定の周期で検知部の加熱及び冷却を行うことによって,装置の作動を繰り返した後,ガス通
路の気密の項目によって試験し,ガス漏れの有無を調べる。また,グリドル皿過熱防止性能の
項目によって試験し,油の最高温度を調べる。
− − ○ − −
−
−
○
−
−
調理油過熱防止装置
(こんろバーナ部に
適用)
ガス通路の気密の項目及び安全装置の調理油過
熱防止装置の項目に適合しなければならない。
−
a) 繰返し回数は1 000回とする。
b) 一定の周期で検知部の加熱及び冷却を行うことによって,装置の作動を繰り返した後,ガス通
路の気密の項目によって試験し,ガス漏れの有無を調べる。また,安全装置の調理油過熱防止
装置の項目によって試験し,油の最高温度を調べる。
○ − − − −
○
○
○
○
○
グリル,グリドル,
オーブンなどの扉
使用上支障があってはならない。
−
a) 繰返し回数は500回とする。
b) 開閉の操作を5回/分〜20回/分の速さで繰り返した後,扉及び扉に連動する機構部について,
使用上支障がある破損などの有無を調べる。
− ○ ○ ○ −
−
○
○
○
○
耐振動
ガス通路の気密の項目に適合しなければならな
い。
表18
−
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
16
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
こんろの使
用性能
熱効率
こんろ専用バーナ40 %以上
グリル兼用バーナ35 %以上
炊飯器兼用バーナ37 %以上
−
試験ガスの条件をP-2又は1-2とし,次による。
a) 機器の状態 機器をガス消費量試験に用いる試験装置に接続し,こんろバーナ上に表6に示す
試験用鍋に,同表に示す量の水を入れて載せ,器具栓などは全開とし,空気調節をして使用す
るバーナは,良好な燃焼状態に調節した状態とする。加熱試験に用いる水の初温は,室温±0.5 ℃
とする。試験用の蓋は,試験用鍋に適したもので,次に示すように,蓋のほぼ中央部にあけた
孔に水銀棒状温度計を,球部が水のほぼ中央部に位置するように取り付け,かくはん器を球部
に触れないように取り付けたものを用いる。使用する水銀棒状温度計は,測定範囲が0 ℃〜
100 ℃,最小目盛0.1 ℃のものを用いる。
試験用蓋
b) 試験方法 水を入れた試験用鍋に試験用の蓋を載せ,バーナに点火し,水温が初温から45 ℃±
0.5 ℃上昇したとき,かくはん器でかくはんを開始し,初温から50 ℃±0.5 ℃上昇したときガス
を止め,更にかくはんを続行し,その到達最高温度を水の最終温度とし,その間のガス使用量,
その他所要の値を測定し,熱効率を次の式によって算出する。
(
)
100
3.
101
273
273
m
g
1
2
×
−
+
×
+
×
×
−
×
=
S
P
B
t
Q
V
t
t
C
M
η
ここに,
η: 熱効率(%)
M: 加熱(試験)に用いた水の質量(kg)
C: 加熱に用いた水の比熱[MJ/(kg・K)]=4.19×10−3
t2: 加熱された水の最終温度(℃)
t1: 加熱に用いた水の初温(℃)
V: 実測ガス量(m3)
Q: 使用ガスの総発熱量(MJ/m3N)
tg: 測定時のガスメータ内のガス温度(℃)
B: 測定時の大気圧(kPa)
Pm: 測定時のガスメータ内のガス圧力(kPa)
S: 温度tg ℃における飽和水蒸気圧(kPa)
○ − − − −
○
○
○
○
○
グリルの使
用性能
グリル焼き性能
表面に,著しい焦げ,焼きむらなどがなく,内部
に生焼けがあってはならない。
−
試験ガスの条件をP-2又は1-2として,バーナに点火し,生あじ,魚の切り身,肉などを焼いて調べ
る。ただし,取扱説明書に予熱に関する記載がある場合はそれによる。
− ○ − − −
−
○
−
−
○
17
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
グリドルの
使用性能
グリドル焼き性能
表面に,著しい焦げ,焼きむらなどがなく,内部
に生焼けがあってはならない。
−
試験ガスの条件をP-2又は1-2として,バーナに点火し,生あじ,魚の切り身,肉などを焼いて調べ
る。ただし,取扱説明書に予熱に関する記載がある場合は,それによる。
− − ○ − −
−
−
○
−
−
グリドル煮物性能
焦げ付きがなく,煮物調理ができなければならな
い。
−
試験ガスの条件をP-2又は1-2として,製造業者が指定する煮物調理をして調べる。
− − ○ − −
−
−
○
−
−
オーブンの
使用性能
オーブン焼き性能
表面に著しい焼きむらがあってはならない。
−
試験ガスの条件をP-2又は1-2として,バーナに点火し,オーブン庫内中央部の温度を170 ℃〜190 ℃
に保ち,次によってロールケーキ(素地)焼き試験を行う。
a) ケーキ材料 材料比(質量)鶏卵100,上白砂糖80,薄力小麦粉60
b) 調整の仕方
1) 薄力小麦粉及び砂糖は,あらかじめふるいに2回かけておく。
2) 卵白を十分に泡立てる(泡立て器を持ち上げ,卵白が“ぴん”となるまで泡立てる。)。
3) 砂糖を始めに1/4加えてよくかき混ぜて,泡を安定させ,残りの砂糖を加えて,さっと混ぜる。
4) 卵黄を,クリーム状になるまでかき混ぜてから加えて混ぜる。
5) 薄力小麦粉を加えて,ねばりの出ないようにさっくりと混ぜる。
6) ケーキ材料を,紙を敷いたオーブン皿に流し入れ,約20 mmの厚さになるように平均になら
す。
7) オーブン皿のケーキ材料の高さを整え,かつ,気泡を取り除くために調理台上に皿ごと数回た
たきつける。
c) 試験方法 ケーキ材料をオーブン庫内に入れ,適切な焼き色が付くまで(15分〜30分程度)焼
いた後消火し,約5分間経過後に取り出し,目視によって焼け具合を調べる。
ケーキ材料及び焼き方(温度設定,時間など)について,製造業者の指定する条件,方法など
がある場合は,それによる。
− − − ○ −
−
−
−
○
○
温度分布
中央部との温度差
20 ℃以内
−
次に示す測温板を入れたオーブン皿を,測温板の表面がオーブン庫内のほぼ中央になる段に入れた
後,試験ガスの条件をP-2又は1-2とし,バーナに点火して,測温板の中央の温度が180 ℃±10 ℃
になるように保ち,1時間経過後に,中央の測定点と他の6測定点とのそれぞれの温度差を調べる。
単位 mm
オーブン温度分布測定用測温板
測温板は,附属のオーブン皿に入る大きさであってJIS A 9504に規定する96 K厚さ12 mmのグラ
スウール保温板(以下,保温板という。)を2枚重ね,その間に上に示す位置(7点)に熱電対を入
れる(2枚の保温板に熱電対を入れた後,隙間を少なくするようにテープなどで密着させ,保温板の
表面に黒塗装を施す。)。
− − − ○ −
−
−
−
○
○
18
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
オーブンの
使用性能
加熱時間
20分以内
−
オーブン庫内は空にし,器具栓などはガス量が最大となる使用状態とする。
サーモスタットを備えている機器は最高温度表示位置にセットする。オーブン庫内のほぼ中央部に
次に示す熱電対を設置し,庫内中央部の温度が室温のとき試験ガスの条件をP-2又は1-2としてバー
ナに点火し,200 ℃に達するまでの時間を測定し,加熱時間を次の式によって算出する。
R
0
c
200
180
t
T
T
−
×
=
ここに, Tc: 加熱時間(分)(室温20 ℃のとき200 ℃の温度に達するまでの時間)
T0: 実測時間(分)
tR: 室温(℃)
単位 mm
オーブン温度測定用熱電対
− − − ○ −
−
−
−
○
○
最高温度
220 ℃以上
−
加熱時間の試験をそのまま続け,到達する最高温度を調べる。
− − − ○ −
−
−
−
○
○
庫内温度
サーモスタットによるもの
表示温度との差20 ℃以内
−
オーブン庫内を空にして,ほぼその中央部にオーブンの使用性能の加熱時間の項目に示す熱電対を
設置し,試験ガスの条件をP-2又は1-2として,バーナに点火し,次による。
a) サーモスタットをもつものは,150 ℃,200 ℃及び250 ℃に相当する位置にセットした状態で,
サーモスタットの作動開始20分後に中央部と表示温度との差を調べる。
この場合,温度を調節する方法は,取扱説明書に示す方法による。
なお,250 ℃は表示がある場合に行う。
b) 温度指示器をもつものは150 ℃,200 ℃及び250 ℃に相当する表示位置に温度を保った状態で中
央部と表示温度との差を調べる。
この場合,温度を調節する方法は,取扱説明書に示す方法による。
なお,250 ℃は表示がある場合に行う。
− − − ○ −
−
−
−
○
○
温度指示器によるもの
表示温度との差25 ℃以内
19
S 2103:2019
表5−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
適用機種
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
グ
リ
ド
ル
オ
ー
ブ
ン
炊
飯
器
テ
ー
ブ
ル
ク
ッ
キ
ン
グ
こ
ん
ろ
グ
リ
ル
付
こ
ん
ろ
グ
リ
ド
ル
付
こ
ん
ろ
オ
ー
ブ
ン
付
レ
ン
ジ
JIS S 2093
この規格で規定する試験方法
炊飯器の使
用性能
炊飯性能
芯がなく,また,著しい炊きむら,焦げ,びしょ
つき及び吹きこぼれがあってはならない。
−
試験ガスの条件をP-2又は1-2とし,最大炊飯量及び最小炊飯量のそれぞれについて,次によって調
べる。
a) 試験に用いる米は,精米とし,炊飯前に十分吸水させたものを用いる。ただし,取扱説明書に
指定する条件がある場合は,それによる。
b) 取扱説明書による方法で炊飯し,自動消火装置が作動してから15分後に炊飯の状態を調べる。
メーンバーナ消火後,保温状態を継続しているものは,その状態で調べる。
− − − − ○
−
−
−
−
−
保
温
性
能
(
保
温
機
能
を
も
つ
も
の
に
適
用
)
保温バーナ方式
によるもの
中心部の温度が80 ℃以上あり,かつ,著しい焦
げがあってはならない。
−
炊飯性能試験と同じ条件で最大炊飯量の炊飯を行い,メーンバーナが消火した後,風の影響を受け
ない状態で保温を行い,1時間経過後に米飯の中央部の温度及び米飯の状態を調べる。
− − − − ○
−
−
−
−
−
電気方式による
もの
温度が71 ℃±6 ℃であり,著しい異臭及び褐変が
あってはならない。
−
炊飯性能試験と同じ条件で最大炊飯量の炊飯を行い,メーンバーナが消火した後,15分間むらしを
行い,米飯をかき混ぜた後,風の影響を受けない状態において定格電圧で,12時間保温した後,米
飯の温度及び米飯の状態を調べる。温度は,次に示す点の温度の平均値とする。
熱効率
40 %以上
−
機器をガス消費量試験に用いる試験装置に接続し,炊飯用の釜には,最大炊飯量の2倍の水を入れ,
こんろの熱効率試験と同様の方法で調べる。
− − − − ○
−
−
−
−
−
トッププレートの耐衝撃性試験
(ガラス製のトッププレートに適
用)
通常の使用状態で発生する可能性のある負荷に
対し,変形及び破損があってはならない。
−
ごとくの上に直径130 mm以上の鋼板を載せ,質量1.80 kg±0.01 kgのおもり(直径120 mm±10 mm
の平らな,銅又はアルミニウムの底をもち,その端は少なくとも10 mmの半径の丸みが付いたもの)
を各バーナごとにごとく上方150 mmの高さから,おもりの底面が鋼板に水平に当たるように10回
落下させて調べる。
○ − − − −
−
○
○
○
○
連続燃焼
ガス通路の気密
ガス通路の気密の項目に適合しなければならな
い。
−
試験ガスの条件をS-1とし,次による。
a) 機器の状態 機器を平常時温度上昇試験の使用状態とする。
b) 試験方法 機器を連続8時間燃焼させた後,次の各項について調べる。
なお,温度又は時間による自動消火装置を備えるものにあっては,温度は最高,時間は最長に
調節した状態で,自動消火装置が作動するまでとする。
1) ガス通路の気密 ガス通路の気密は,JIS S 2093の表7(ガス通路の気密試験)によって調べ
る。
2) 燃焼状態 燃焼状態は,無風状態における逆火の有無及び燃焼ガス中のCO %についてJIS S
2093の表9(無風燃焼状態試験)によって調べる。
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
燃焼状態
CO %は0.14 %以下
−
逆火があってはならないe)。
−
注記 適用機種の欄の記号“○”は試験が該当するかどうかを示すが,適用の義務付けの有無については個別の製品によって判断する。
注a) 確実に着火とは,5回行って5回着火することをいう。
b) 爆発的に点火しないとは点火したときに発する騒音が85 dBを超えないことをいい,爆発的に着火しないとは着火したときに発する騒音が85 dBを超えないことをいう。
c) リフティングがないとは,点火15秒後において炎口から離れる炎が,ノズルに対応したバーナごとに1/3を超えないことをいう。
d) 消火がないとは,ノズルに対応したバーナごとに炎が消滅することがないことをいう。
e) 逆火がないとは,炎がバーナ内部で燃焼している状態にならないこと及び逆火による消火がないことをいう。
f) すすの発生がないとは,点火して30分間経過するまでの間(ただし,点火時を除く。)こんろに載せてある鍋の底部にすすが付着しないことをいう。
g) 炎のあふれがないとは,ケーシング外に炎があふれないことをいう。
20
S 2103:2019
表6−試験用鍋の大きさ
ガス消費量
kW
鍋の大きさの
呼び
cm
口径
mm
深さ
mm
鍋底の丸み
(曲率半径)
mm
質量
g
熱効率測定時
の水の質量
kg
1.26以下
14
140
64
20
130
0.65
1.26を超え
1.60以下
16
160
73
23
155
1.0
1.60を超え
2.02以下
18
180
82
26
190
1.4
2.02を超え
2.44以下
20
200
91
29
250
2.0
2.44を超え
2.93以下
22
220
100
32
300
2.7
2.93を超え
3.49以下
24
240
109
35
380
3.5
3.49を超え
4.19以下
26
260
118
38
470
4.4
4.19を超え
5.23以下
28
280
128
41
585
5.6
5.23を超え
るもの
30
300
137
44
720
6.9
− ガス消費量は,個々のバーナのガス消費量で,製造業者が取扱説明書などに表示する値による。
− 鍋は,取っ手のないものとし,この表による。この表に規定のないものは,JIS S 2010による。
− 鍋の形状は,寸胴のものとする。
− 鍋の寸法及び最低底厚は,この表及びJIS S 2010の規定によるものとし,寸法許容差は,口径については,
±3 %,深さについては,
3
10
−+ %,鍋底の丸み(曲率半径)については,±10 %とする。
− 質量は,熱効率試験用の鍋にだけ適用し,許容差は,取っ手,蓋などを取り除いた状態で規定の±5 %と
する。
6
構造,材料及び寸法
6.1
構造一般
機器及び機器の各部の構造は,ガス漏れ,火災などに関する安全性及び耐久性を考慮して作られ,通常
の輸送,設置,使用などに対して,破損又は使用上支障がある変形などを生じない構造とし,次の各項に
適合しなければならない。箇条6全般について,試験は7.4によって行う。
a) 各部の作動は,円滑かつ確実でなければならない。
b) 通常の設置状態で,通常の使用操作によって,容易に移動又は転倒してはならない。
c) 常設形の機器のガス接続口,機器の内部又は設置台の内部などの隠れる部分にあるガス接続口,及び
予備ガス栓をもつ機器のガス接続口は,6.6.1 b) に規定するねじとし,容易に接続できる位置になけ
ればならない。
d) 6.6.2に規定する器具栓を備えていなければならない。
e) ガスの通る部分は,次による。
1) ガスの通路は,気密性があり,通常の輸送,設置,使用などにおいて気密性が損なわれてはならな
い。
2) ガス導管は,過度の熱若しくは腐食を受けるおそれがない箇所に設けるか,又は防護などの措置が
施されていなければならない。
21
S 2103:2019
3) 結合部は,溶接,ねじ込み,ボルト・ナット,ねじなどによって確実に結合されていなければなら
ない。
f)
バーナ及び点火バーナは,次のとおり取り付けられていなければならない。
1) 所定の位置に安定して取り付けられ,ノズル,燃焼室,電気点火装置,安全装置などの関連する部
分との関係位置が確実に保たれ,通常の使用状態で移動したり,外れたりしてはならない。
2) 機器の必要以外の部分を過熱・損傷させない位置に取り付けられていなければならない。
g) パイロットバーナ又はパイロットバーナがないものは,メーンバーナに点火されたことが,目視,鏡,
電圧計,表示ランプなどによって,点火操作を行う場所で確認できなければならない。ただし,6.6.11.1
に規定する立消え安全装置を備えているもの,又は点火ヒータなどによって不点火及び立消えを防止
する機能をもつものはこの限りではない。
h) 点火動作が自動的に行われるものは,6.6.11.1に規定する立消え安全装置を備えていなければならな
い。ただし,点火ヒータなどによって,不点火及び立消えを防止する機能をもつものは,この限りで
はない。
i)
主要な機能部品の調整及び交換ができなければならない。
j)
使用中又は掃除のときに手を触れる部分の端部は,滑らかでなければならない。
k) 掃除,日常の手入れなどのために取外しを必要とする部分は,工具を用いず取外し及び取付けができ
なければならない。
l)
各部の取付けに用いられるねじは,締付けが有効であり,保守点検のため,取外しを必要とする部分
は,繰り返して使用できなければならない。
m) 壁,柱,床などに取り付けて使用する機器は,取付け及び取外しができ,通常の配管接続作業によっ
て異常が生じてはならない。
n) 複合形及び二つ以上の機能を兼用するものは,それぞれの項目を満足しなければならない。
o) 食品と接する部分の材料又は表面処理は,通常の使用状態で人体に有害な化学変化を起こしたり,有
害な物質を溶出したりしないものでなければならない。
6.2
材料一般
機器に使用する材料は,通常の使用及び保守条件において受ける可能性がある機械的,化学的及び熱的
作用に耐えるものであり,かつ,次の各項に適合しなければならない。
a) ガスを内包する部分,煮こぼれを受ける部分,グリル皿,グリドル皿,空気調節器及び炊飯器の釜の
材料は,JIS S 2093の表19(材料試験)の1(耐熱性試験)によって試験を行い,500 ℃(ねじ以外の
ガス接続口については350 ℃)で溶融しない材料でなければならない。ただし,パッキン類(ダイア
フラム及びゴム製弁体を含む。以下,同じ。),シール材(グリースを含む。以下,同じ。)などの気密
保持部材は,この限りではない。
b) ガスを内包する部分,空気調節器及び燃焼ガスの通る部分の材料は不燃材料で,かつ,次の1)〜3) の
いずれかに適合する耐食性材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール材などの気密保持
部材は,不燃材料でなくてもよい。また,煮こぼれを受ける部分,グリル皿,グリドル皿,クッキン
グテーブルの燃焼部のケース及びこんろ部,グリル部並びに煮物調理ができるグリドル部をもつ組込
形機器の底板の材料は,金属材料で,かつ,1)〜3) のいずれかに適合する耐食性材料でなければなら
ない。
1) 表7に示すもの。
2) JIS S 2093の表19の2 a)(金属材料の塩水噴霧試験)によってこんろ部,グリル部及び煮物調理が
22
S 2103:2019
できるグリドル部をもつ組込形機器の底板の材料にあっては192時間,それ以外の材料にあっては,
24時間試験を行い,腐食がないこと又はレイティングナンバが9.8から6までの腐食面積率である
ことを確認したもの。
3) 表面に塗装による耐食処理を施した金属材料であって,JIS S 2093の表19の2 b)(塗膜の塩水噴霧
試験)によってこんろ部,グリル部及び煮物調理ができるグリドル部をもつ組込形機器の底板の材
料にあっては192時間,それ以外の材料にあっては,24時間試験を行い,さび,膨れ及び剝離がな
いことを確認したもの。ここで,表面とは,ガスの通る部分(パイロットバーナ,メーンバーナ,
及びノズル以外の部分に限る。),器具栓,バーナ受け及び煮こぼれを受ける部分にあっては外面を,
パイロットバーナ,メーンバーナ,ノズル,及び空気調節器については内面及び外面をいう。
表7−耐食性のある金属材料
材料
適用規格
鋳物
JIS H 5120
JIS H 5202
ダイカスト
JIS H 5301
JIS H 5302
ステンレス鋼材
JIS G 3446
JIS G 3459
JIS G 4303
JIS G 4304
JIS G 4305
JIS G 4308
JIS G 4313
JIS G 4314
表面処理鋼材
JIS G 3302
JIS G 3313
JIS G 3314
アルミニウム及び
アルミニウム合金材
JIS H 4000
JIS H 4040
JIS H 4080
JIS H 4090
JIS H 4100
銅及び銅合金
JIS C 3101
JIS C 3102
JIS H 3100
JIS H 3250
JIS H 3300
JIS H 3320
JIS G 5501に規定された鋳鉄品で2 mm以上の肉厚のあるものは,
耐食性のある材料とみなす。
c) ガスの通る部分に使用するパッキン類,シール材などの気密保持部材は,次による。
1) ゴム,プラスチックなどの材料は,JIS S 2093の表19の3 a)(ガスケット類一般)によって試験を
行い,質量変化率が20 %以内であり,かつ,使用上支障がある軟化,ぜい(脆)化などがあっては
ならない。また,ゴム[JIS B 2401-1の表2(Oリングに用いる材料の種類及びその識別記号)の一
23
S 2103:2019
般用ニトリルゴム(NBR),燃料用ニトリルゴム(NBR),ふっ素ゴム(FKM)及びエチレンプロピ
レンゴム(EPDM)に適合するものは除く。]は,JIS S 2093の表19の3 b)(ゴム製のガスケット及
び弁)によって試験を行い,n-ペンタンの1時間当たりの透過量が5 mg以下でなければならない。
2) シール材は,JIS S 2093の表19の3 c)(シール材)によって試験を行い,質量変化率がガス温度20 ℃
の場合10 %以内,ガス温度4 ℃の場合25 %以内でなければならない。
d) 導電材料は,銅,銅合金又はこれらと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安定性をもち,さびにく
いものでなければならない。ただし,弾性を必要とする部分,その他構造上やむを得ない部分に使用
するもので,危険が生じるおそれがないときは,この限りではない。
e) ガス通路,燃焼部及び電装部近傍に使用する保温材,断熱材などは,JIS S 2093の表19の5(保温材,
断熱材などの難燃性試験)によって試験を行い,燃えつきず,かつ,10秒以内に消火しなければなら
ない。ただし,保温材,断熱材などが燃焼した場合において,感電,火災などの危険が生じるおそれ
がないものは,この限りではない。
6.3
機種別構造及び寸法
6.3.1
こんろ
こんろは,次による。
a) こんろバーナは,燃焼状態が外部から確認できなければならない。
b) こんろバーナは,容易に掃除ができなければならない。ただし,煮こぼれなどがかからない構造のも
のは,この限りではない。
c) 二口以上の機器のこんろバーナの間隔は,隣のこんろバーナ及びグリル兼用のこんろバーナとの中心
距離が180 mm以上でなければならない。
d) 二口以上のこんろバーナを備えるトッププレートの強度は,7.4.2 a) 1) に規定する方法で試験し,中
央部のひずみ量が5 mm以下でなければならない。
e) こんろで,鍋などを支える部分(以下,ごとくなどという。)は,次による。
1) こんろバーナのガス消費量が2.9 kW以下のものは,中央部に底の直径120 mm容器を置いたとき,
支えられなければならない。
2) 7.4.2 a) 2) に規定する方法で試験し,ごとくなどの転倒がなく,使用上支障のある変形,破損など
があってはならない。
3) 通常の使用状態で安定していなければならない。
f)
こんろは,7.4.3 b) 1) に規定する方法で試験し,煮こぼれがガス導管,電装品の端子部など1) にかか
ってはならない。ただし,耐食性のある材料を用いるなど,煮こぼれの付着に対して措置が施してあ
る部位は除く。
注1) 腐食した場合又は煮こぼれによって短絡した場合に,ガス漏れ又は機器の通常使用に影響を
及ぼす可能性のある部位をいう。
g) 取扱説明書などに,掃除などのために取外しをする記載がある煮こぼれを受ける部分については,工
具を用いないで容易に取外し及び取付けができなければならない。ただし,煮こぼれを受ける部分が
トッププレートと一体になっているものについては,通常の工具を用いて取外し及び取付けができる
構造でもよい。
h) こんろバーナには,立消え安全装置を備えていなければならない。ただし,点火ヒータなどによって,
不点火及び立消えを防止する機能をもつものは,この限りではない。
i)
こんろバーナには,調理油過熱防止装置を備えていなければならない。ただし,卓上形一口ガスこん
24
S 2103:2019
ろは,この限りではない。
j)
調理油過熱防止装置は,次による。
1) 調理油が300 ℃以上に加熱されない構造でなければならない。ただし,高温モードをもつバーナで
は,高温モード設定時は,この限りではない。
2) 調理油過熱防止装置の検知部が損傷した場合に調理油が300 ℃以上に加熱されない構造でなければ
ならない。ここで,調理油過熱防止装置の検知部が損傷した場合とは,例えば,サーミスタ式のも
のは電流が流れない状態及び素子が短絡した状態,熱電対式のものは起電力が起きない状態,膨張
式のものはその膨張機構が弁を操作しない状態,バイメタル式のものはバイメタルが破損した状態
などをいう。
3) 7.4.2 a) 3) に規定する方法で試験し,検知部に使用上支障がある変化を生じてはならない。
4) 通常の使用状態において,その取付位置が容易に変化してはならない。
5) 調理油過熱防止装置と制御基板との接続部は,特殊工具,専用端子などを使用しないと接続できな
い構造でなければならない。ただし,接続部を特殊工具で固定するボックスなどで保護している構
造でもよい。
6) 高温モードをもつバーナは,次の項目に適合しなければならない。
6.1) 点火時及び使用中に使用者の意識なしに,高温モードに設定できない。
6.2) 使用時は,高温モードであることが表示ランプなどによって明確に判断できなければならない。
6.3) 高温モードから消火への操作は,1操作で実施可能でなければならない。
6.4) 高温モードのための設定ボタン,つまみなどは,他の調理モード用のものと兼用してはならない。
ただし,モード設定を解除するためのボタン及びつまみとの兼用は,この限りではない。
6.5) 1回の高温モード使用後,高温モード設定が解除されなければならない。
6.3.2
グリル
グリルは,次による。
a) グリルバーナは,焼き汁などによって火が消えないものでなければならない。また,焼き汁などによ
って詰まるおそれがある部分は,掃除できる構造でなければならない。
b) グリル皿及びグリル焼き網は,次による。
1) グリル皿は,焼き汁を受けるのに十分な広さがなければならない。
2) グリル焼き網の強度は,7.4.2 b) に規定する方法で試験し,網に使用上支障があるひずみが生じず,
直径30 mmの球が網目から落ちてはならない。
3) グリル皿及びグリル焼き網は,円滑に出し入れでき,入れた状態で容易に落下してはならない。
c) グリル扉を閉じた状態でも燃焼ガスが十分に排出できなければならない。ただし,使用時に閉じない
よう明示してあるものは,この限りではない。
d) グリルは,電気点火装置をもつグリルバーナに,立消え安全装置を備えていなければならない。グリ
ル付こんろ及びレンジは,グリルバーナに,立消え安全装置を備えていなければならない。ただし,
グリルバーナは,点火ヒータなどによって,不点火及び立消えを防止する機能をもつものは,この限
りではない。
6.3.3
グリドル
グリドルは,次による。
a) グリドルバーナは,焼き汁などによって火が消えないものでなければならない。また,焼き汁などに
よって詰まるおそれがある部分は,掃除できる構造でなければならない。
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b) グリドル皿は,次による。
1) グリドル皿は,グリドル庫内に円滑に出し入れできなければならない。
2) グリドル皿は,円滑に取付け及び取外しができ,入れた状態で容易に落下してはならない。
c) グリドル皿をグリドル扉の当たり面からグリドル皿の奥行きの2/3程度まで(ストッパがあるものは
その位置まで)引き出したとき,グリドル皿の後端がグリドル庫内から脱落してはならない。
d) グリドル皿を引き出した状態で,7.4.2 c) 1) に規定する方法で試験し,転倒してはならない。また,
扉の機能が損なわれてはならない。
e) グリドルは,電気点火装置をもつグリドルバーナには,立消え安全装置を備えていなければならない。
グリドル付こんろは,グリドルバーナには,立消え安全装置を備えていなければならない。ただし,
グリドルバーナは,点火ヒータなどによって,不点火及び立消えを防止する機能をもつものは,この
限りではない。
6.3.4
オーブン
オーブンは,次による。
a) オーブン庫内の温度を調節するサーモスタット又は温度指示器を備えていなければならない。
b) サーモスタットは,次による。
1) バイパスガス調節機能をもつものは,通常の使用操作で設定位置が変化してはならない。
2) オーブン庫内の設定温度を示す表示は,“150 ℃相当”,“200 ℃相当”及び250 ℃以上に設定できる
ものは,“250 ℃相当”のほか,製造業者が機器に応じて必要な表示をサーモスタットつまみ,器体
などにしなければならない。
c) 温度指示器は,次による。
1) オーブン使用時のオーブン庫内の温度を示す表示があり,作動が円滑かつ確実でなければならない。
2) 表示は,150 ℃相当の表示(“150”又は“低温”),200 ℃相当の表示(“200”又は“中温”),及び
250 ℃以上になるものは250 ℃相当の表示(“250”又は“高温”)をするほか,製造業者が機器に応
じて表示しなければならない。
d) オーブン扉は,次による。
1) 閉じた状態で,機能上必要な気密がなければならない。
2) 下に開くオーブン扉で,開いた状態でその上にオーブン皿を載せることができる構造のものは,
7.4.2 d) に規定する方法で試験し,扉の機能が損なわれてはならない。また,卓上形及び据置形の
ものにあっては,転倒してはならない。
e) マッチ又は点火棒で点火する構造のオーブン部は,オーブン扉を開かないと器具栓が開いてはならな
い。
f)
オーブンバーナには,立消え安全装置を備えていなければならない。ただし,点火ヒータなどによっ
て,不点火及び立消えを防止する機能をもつものは,この限りではない。
g) オーブンの庫内にある熱風循環用のファンは,オーブン扉を全開にしたとき運転が停止する構造とす
るか,調理物の出し入れのときに障害などの危険が生じないよう,保護枠,保護網などを取り付ける
などの安全措置が講じられていなければならない。
h) オーブン皿をオーブン扉の当たり面からオーブン皿の奥行きの2/3程度まで(ストッパがあるものは
その位置まで)引き出したとき,オーブン皿の後端がオーブン棚から脱落してはならない。
i)
オーブン皿は,円滑に出し入れでき,入れた状態で容易に落下してはならない。
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6.3.5
炊飯器
炊飯器は,次による。
a) 炊飯器は,立消え安全装置を備えていなければならない。
b) 自動消火装置は,煮こぼれなどが直接かからないように保護されており,過度の熱などによって容易
に故障してはならない。
c) 炊飯器の釜は,次による。
1) 釜は,最大炊飯量を炊いた場合,米飯が蓋に接触しない容量でなければならない。
2) 釜には,炊飯に必要な水位を表示していなければならない。
6.3.6
クッキングテーブル
クッキングテーブルは,次による。
a) こんろ部は,6.3.1に適合しなければならない。
b) 甲板は,次による。
1) 7.4.2 e) 1) に規定する方法で試験し,破損がなく,使用上支障がない強度をもたなければならない。
2) 表面は,通常の使用状態で,きずがつきにくく,熱による変形変色がない材料でなければならない。
c) 甲板に対して平らになる構造のバーナ蓋は,7.4.2 e) 2) に規定する方法で試験し,甲板に対する変位
量が5 mm以内でなければならない。
d) 脚は,7.4.2 e) 3) に規定する方法で試験し,甲板端部の変位量が20 mm以内でなければならない。ま
た,各部に異常があってはならない。
6.4
設置形態別の構造
6.4.1
卓上形
卓上形の機器は,次による。
a) 機器底面周辺部以外の部分又は足以外の部分が直接,台などに接してはならない。ただし,使用上支
障がない部分は,この限りではない。
b) JIS S 2093の表18(構造試験)の2(傾斜転倒試験)によって試験を行い,いずれの方向に傾けても
15度以下の角度では倒れず,かつ,火災のおそれがある部分及び附属部品の移動又は脱落があっては
ならない。
c) 排気口を上部に開口する機器は,排気口が容易に塞がれないか,又は排気口を塞がないよう明示しな
ければならない。
d) 台に接する部分は,機器が容易に滑るおそれがないものでなければならない。
e) 台に接する部分が金属以外のものは,7.4.3 a) に規定する方法で試験し,使用上支障がある著しい変
形があってはならない。
f)
台に接する部分に用いられるゴムは,JIS K 6253-3に規定する方法で試験し,硬さ(タイプAデュロ
メータ)A50〜A90のものでなければならない。
6.4.2
据置形の機器及びキャビネット形の機器
据置形の機器及びキャビネット形の機器は,次による。
a) 機器底面周辺部以外の部分又は足以外の部分が直接,台又は床面に接してはならない。ただし,使用
上支障がない部分はこの限りではない。
b) JIS S 2093の表18の2によって試験を行い,いずれの方向に傾けても15度以下の角度では倒れず,
かつ,火災のおそれがある部分及び附属部品の移動又は脱落があってはならない。
c) 排気口を上部に開口する機器は,排気口が容易に塞がれないか,又は排気口を塞がないよう明示しな
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ければならない。
d) 燃焼ガスが機器の背面及びバックガードの頂上面から排出される構造であってはならない。ただし,
排気口が塞がれるおそれがなく,かつ,機器の後面の壁面が過熱するおそれがない措置が施されてい
るものはこの限りではない。
e) 排気口をバックガードに設ける機器は,排気口の上端とバックガードの頂上面との距離が20 mm以上
離れていなければならない。
f)
調理台などと並べて設置する機器は,機器の高さ(床面からトッププレートまでの高さ)が,保安上
又は使用上特に支障がある場合を除き,800 mm又は850 mmでなければならない。
6.4.3
組込形
組込形の機器は,次による。
a) 排気口を上部に開口する機器は,排気口が容易に塞がれないか,又は排気口を塞がないよう明示しな
ければならない。
b) 排気口をバックガードに設ける機器は,排気口の上端とバックガード頂上面との距離が20 mm以上離
れていなければならない。
c) 構造物又は工作物の内部に入る部分にあっては,ケーシング部をもたなければならない。
d) 構造物又は工作物に固定される構造でなければならない。
e) こんろ部,グリル部及び煮物調理ができるグリドル部をもつ組込形の機器は,機器内部に,煮こぼれ
などが入りにくい措置が施されており,次のいずれかに適合しなければならない。
1) 7.4.3 b) に規定する方法で試験し,こんろについては,煮こぼれがケーシング部の底板に浸入する
ことなく,また,ガス導管,電装品の探知部などにかからない構造でなければならない。グリドル
については,煮こぼれが下火バーナに浸入しない構造でなければならない。
2) ケーシング部の底板が密閉空間をもつ二重構造のもの。
3) ケーシング部の底板が6.2 b) に適合する材料のもの。
6.5
設定時間になると自動的に運転を開始する機能をもつ機器
設定時間になると自動的に運転を開始する機能をもつ機器は,次による。
a) ガス接続口は,6.6.1 b) に規定するねじ又は6.6.1 e) に規定する器具コンセントでなければならない。
b) バーナへのガス通路は,機器の待機の状態において,直列に設けられた2個以上の弁によって閉ざさ
れていなければならない。
なお,この場合,一つのバーナへのガス通路に直列に設けられた2個以上の弁のうち,少なくとも
1個の弁は,その機能が独立したものでなければならない(図1参照)。
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電磁弁Aと電磁弁Bとの機能が独立でなければならない。
a) メーンバーナへのガス通路が一つの場合の例
電磁弁Aと電磁弁Cとの機能が独立であって,かつ,電磁弁Bと電磁弁Cとの機能が独立で
なければならない。
なお,この場合,電磁弁Aと電磁弁Bとは機能が独立である必要はない。
b) メーンバーナへのガス通路が二つに分岐されている場合の例
図1−設定時間になると自動的に運転を開始する機能をもつ機器の電磁弁の配列の例
c) b) に規定する弁は,直列に設けられた全数が閉ざされた状態において,JIS S 2093の表7によって試
験を行ったとき,それらの弁を通して漏れる空気量が70 mL/h以下のものでなければならない。
d) 表5及び6.6.11.2に規定する過熱防止装置を備えていなければならない。
6.6
各部の構造及び寸法
6.6.1
ガス接続口
ガス接続口は,次による。
a) ガス接続口は,保安上又は使用上特に支障がある場合を除き,外部に露出しているか,又は外部から
容易に目視できる位置になければならない。
b) ガス接続口に使用するねじは,JIS B 0203に規定するものでなければならない。
c) ねじ接続するガス接続口は,通常の配管工具で接続作業ができる位置にあり,接続のときにガス通路
の気密性を損なう緩み,変形などが生じてはならない。
d) ガス接続口に使用するゴム管口は,形状及び寸法が図2に示すいずれかによるものとし,ゴム管の抜
き差しによってガス通路の気密性を損なう緩み,変形などが生じてはならない。
e) 器具コンセントの形状及び寸法は,図3に示すいずれかによるものとし,次による。
1) JIS S 2135に規定するガス機器用迅速継手との着脱が円滑かつ確実にできなければならない。
2) 通常の使用操作で気密性を損なう緩み,変形などが生じてはならない。
3) JIS S 2093の表18の3 a)(異常時気密試験)によって試験を行ったとき,接続部からの漏れ量が70
mL/h以下でなければならない。
4) JIS S 2093の表18の3 b)[引張力(せん断力)試験]によって試験を行ったとき,離脱及び使用上
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支障がある欠陥を生じず,かつ,接続部からの漏れ量が70 mL/h以下でなければならない。
単位 mm
a) 9.5 mmゴム管口
b) 13 mmゴム管口
○aの部分のかどを取らなければならない。
○
bの部分に溝を設け,溝の部分を赤く塗らなければならない。
補強のため,入り隅部には丸みを付けてもよい。
許容差の指定がない寸法の許容差は,JIS B 0405の粗級によらなければならない。ただし,R寸法及び括弧内
の寸法は,参考値とする。
図2−ゴム管口の形状及び寸法
単位 mm
a) 16 mmソケット
b) 11 mmプラグ
○aは,プラグの弁を押すための棒(以下,弁押棒という。)の最大外接円の径を示し,弁押棒がプラグの弁
に接触する面から1 mm以内の部分をいう。
図3−器具コンセントの形状及び寸法
6.6.2
器具栓
器具栓は,JIS S 2150又はJIS S 2151に適合するものでなければならない。
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6.6.3
パイロットガス導管
パイロットガス導管に銅管を用いるものは,内面に表面処理を施すか,又は内径が呼び2 mm以上ある
ものでなければならない。
6.6.4
予備ガス栓
予備ガス栓は,過流出防止機構を備えていなければならない。
6.6.5
ノズル又はノズルの機能をもつもの
ノズル又はノズルの機能をもつものは,次による。
a) 取外し及び取付けができなければならない。
b) 外部からのじんあい(塵埃),異物の付着などで容易に詰まらない位置に設けるか,又は容易に詰まら
ないものでなければならない。
6.6.6
バーナ及び点火バーナ
バーナ及び点火バーナは,次による。
a) かしめ部,溶接部及びその他の箇所に使用上支障がある欠点があってはならない。
b) 炎口は,燃焼に影響を与える変形があってはならない。
c) ほうろうによる表面処理を施したバーナは,JIS S 2093の表19の4(鋼球衝撃試験)によって試験を
行ったとき,ほうろう部分に剝離があってはならない。
6.6.7
空気調節器
バーナの空気調節器は,次による。
a) 通常の使用状態で設定位置が変化してはならない。
b) 可変式空気調節器のつまみは,容易に操作が行える位置にあり,操作が円滑かつ確実であり,開閉の
ための操作の方向を明示していなければならない。
6.6.8
電気点火装置
6.6.8.1
放電点火装置
放電火花を利用して点火を行うものは,次による。
a) 電極部は,通常の使用状態で常時黄炎が触れない位置になければならない。ここで,常時黄炎が触れ
ないとは,JIS S 2093の表10(燃焼状態試験の機器の状態及び試験の条件)の試験の条件とし,15分
間燃焼したとき,電極部に黄炎が1分間に30秒以上連続して触れていないことをいう。
b) 電極は,位置及び電極間隙が通常の使用状態で変化しないよう固定しなければならない。
c) 高圧配線の充電部と非充電金属部との間は,電極間隙以上の十分な空間距離が保たれているか,又は
点火動作時に漏電することがない有効な電気絶縁2) 措置を施さなければならない。
d) 通常の使用において,手を触れるおそれがある高圧配線の部分には,有効な電気絶縁2) 被覆を施さな
ければならない。
注2) 有効な電気絶縁とは,絶縁抵抗が50 MΩ以上あることをいう。
6.6.8.2
点火ヒータ
点火ヒータを利用して点火を行うものは,次による。
a) 点火ヒータは,取付位置が容易に変化しないよう固定しなければならない。
b) 点火ヒータなどの消耗品は,交換が容易でなければならない。
c) 通常の操作によって,グリル皿などの可動部に点火ヒータが接触してはならない。
d) 点火ヒータが損傷した場合に,自動的にバーナへのガス通路を閉ざさなければならない。
31
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6.6.9
点火タイマ及び/又は消火タイマ
点火時間及び/又は消火時間を任意に設定できるタイマは,時間設定が容易であり,かつ,確実に設定
できなければならない。
6.6.10
サーモスタット
サーモスタットは,次による。
a) 温度可変形のものは,温度設定が容易であり,かつ,確実に設定できなければならない。
b) 器具栓と兼用するものは,通常,“開”操作方向に従って,順次,設定温度が高温とならなければなら
ない。
6.6.11
安全装置
6.6.11.1
立消え安全装置
立消え安全装置をもつものは,次による。
a) 炎検出部が損傷した場合3) に,自動的にバーナへのガス通路を閉ざさなければならない。
注3) 炎検出部が損傷した場合とは,例えば,熱電対式のものは起電力が起きない状態,膨張式の
ものはその膨張機構が弁を操作しない状態,フレームロッド式のものは電流が流れない状態
及び電極部が短絡した状態,光電式のものは電流が流れない状態などをいう。
b) 炎検出部は,パイロットバーナ又はパイロットバーナがないものは,メーンバーナとの関係位置が通
常の使用状態で変化することのないよう固定しなければならない。
c) 立消え安全装置と制御基板との接続部は,特殊工具,専用端子などを使用しないと接続できない構造
でなければならない。ただし,接続部を特殊工具で固定するボックスなどで保護している構造でもよ
い。
6.6.11.2
過熱防止装置
過熱防止装置をもつものは,次による。
a) バイメタルサーモスイッチを用いる場合は,JIS S 2149に適合するものでなければならない。
b) 過熱防止装置の検知部が損傷した場合4) に,自動的にバーナへのガス通路を閉ざさなければならない。
注4) 過熱防止装置の検知部が損傷した場合とは,例えば,温度ヒューズ式のものは電流が流れな
い状態,バイメタル式のものはバイメタルが破損した状態,サーミスタ式のものは電流が流
れない状態及び素子が短絡した状態などをいう。
c) 通常の使用状態において,その取付位置が容易に変化してはならない。
d) 過熱防止装置と制御基板との接続部は,特殊工具,専用端子などを使用しないと接続できない構造で
なければならない。ただし,接続部を特殊工具で固定するボックスなどで保護している構造でもよい。
6.6.11.3
グリドル皿過熱防止装置
グリドル皿過熱防止装置をもつものは,次による。
a) グリドル皿過熱防止装置の検知部が損傷した場合5) に,調理油が300 ℃以上に加熱されない構造でな
ければならない。
注5) グリドル皿過熱防止装置の検知部が損傷した場合とは,例えば,温度ヒューズ式のものは電
流が流れない状態,バイメタル式のものはバイメタルが破損した状態,サーミスタ式のもの
は電流が流れない状態及び素子が短絡した状態などをいう。
b) 通常の使用状態において,その取付位置が容易に変化してはならない。
c) グリドル皿過熱防止装置と制御基板との接続部は,特殊工具,専用端子などを使用しないと接続でき
ない構造でなければならない。ただし,接続部を特殊工具で固定するボックスなどで保護している構
32
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造でもよい。
d) グリドル皿に直接触れる構造のグリドル皿過熱防止装置は,7.4.2 c) 2) に規定する方法で試験し,検
知部に使用上支障がある変化を生じてはならない。
6.7
電源使用機器の構造
電源を使用する機器の構造は,次による。
a) 家庭用電源を使用する機器は,通常,定格電圧は単相100 Vとし,定格周波数は50 Hz,60 Hz又は
50 Hz/60 Hzでなければならない。
b) 直流電源を使用する機器に用いられる乾電池は,通常,JIS C 8515に規定するものとし,交換が容易
にできなければならない。
c) 電気装置及び配線は,熱的影響が少ない位置に設けなければならない。
d) 電気装置の作動は,円滑かつ確実でなければならない。
e) 電源電線は,次による。
1) JIS C 3301,JIS C 3306,JIS C 3312及びJIS C 3327に規定するもの,又はこれらと同等以上のもの
を用い,その公称断面積は,0.75 mm2以上でなければならない。
2) 電源電線の接続端に用いられる差込プラグは,JIS C 8303又はJIS C 8358に規定するものでなけれ
ばならない。
3) 通常の使用中に温度が100 ℃を超える部分に触れるおそれがある電源電線又は分岐点の温度が
80 ℃を超える電源電線には,ビニルコード,ビニルキャブタイヤコード及びビニルキャブタイヤケ
ーブル以外のものを使用しなければならない。
f)
電源電線の貫通口は,保護スプリング,保護ブッシングなどを備えるか,面取りなどの保護加工を行
うなど,電源電線が損傷するおそれがない保護措置が施されていなければならない。
g) 電源電線など(固定して使用するものであって,取り付けた状態で外部に露出しないものを除く。)に
機器本体の外方に向かって機器本体の質量の値の3倍の値(機器本体の質量の値の3倍の値が10 kg
を超えるものにあっては100 N,機器本体の質量の値の3倍の値が3 kg未満のものにあっては30 N)
の張力を連続して15秒間加えたとき,及び機器本体の内部に向かって電源電線などの機器側から5 cm
の箇所を保持して押し込んだとき,電源電線などと内部端子との接続部に張力が加わらず,かつ,ブ
ッシングなどが外れてはならない。
h) 機器内の電気配線は,次による。
1) 通常の輸送,設置,使用などにおいて被覆の損傷などが生じてはならない。
2) 配線に使用する導線は,できるだけ短く配線し,必要な箇所には,絶縁,防熱保護,固定などの措
置が施されていなければならない。
3) 配線に2 Nの力を加えた場合に高温部に接触するおそれがあるものは,接触したときに異常を生じ
るおそれがあってはならない。
4) 配線に2 Nの力を加えたときに可動部に接触するおそれがあってはならない。
5) 被覆がある電線を固定する場合,貫通口を通す場合,又は2 Nの力を加えたときに他の部分に接触
する場合は,被覆を損傷しないようにしなければならない。
6) 接続器によって接続したものは,5 Nの力を接続した部分に加えたとき外れてはならない。
i)
充電部は,JIS S 2093の表20(電気関係試験)の8(テストフィンガ試験)によって試験を行い,テ
ストフィンガが充電部に接触してはならない。ただし,次に示す充電部にあっては,この限りではな
い。
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1) 取り付けた状態で容易に人に触れるおそれがない取付面の充電部。
2) 質量が40 kgを超える機器の底面の開口部から40 cm以上離れている充電部。
3) 定格電圧が150 V以下であって,かつ,通電した場合に赤熱する発熱体。
4) 構造上充電部を露出して使用することがやむを得ない機器の露出する充電部で,絶縁変圧器に接続
された二次側の回路の対地電圧及び線間電圧が交流の場合は30 V以下のもの又は直流の場合は45
V以下のもの,並びに1 kΩの抵抗を対地間及び線間に接続した場合に,その抵抗に流れる電流が商
用周波数以上の周波数において感電の危険を生じるおそれがない場合を除き,1 mA以下のもの。
5) 放電電極
j)
接地用端子及び接地線(接地用口出し線を含む。)は,次による。
1) 接地用端子は,接地線を容易に,かつ,確実に取り付けることができ,接地用端子ねじの呼び径は,
4 mm以上(押し締めねじ形のものにあっては,3.5 mm以上)でなければならない。
2) 接地線は,次のいずれかに適合するものでなければならない。
2.1) 直径が1.6 mmの軟銅線,又はこれと同等以上の強さ及び太さをもち,容易に腐食しにくい金属線
2.2) 断面積が1.25 mm2以上の単心コード又は単心キャブタイヤケーブル
2.3) 断面積が0.75 mm2以上の2心コードであって,その2本の導体を両端でより合わせ,かつ,ろう
付け又は圧着したもの
2.4) 断面積が0.75 mm2以上の多心コード(より合わせコードを除く。)又は多心キャブタイヤケーブル
の線心の一つ
k) 電気部品及び附属品の定格電圧,定格電流及び許容電流は,これらに加わる最大電圧又はこれらに流
れる最大電流以上でなければならない。
7
試験方法
7.1
性能試験
性能試験は,表5の試験方法及び次による。
7.2
機器の設置状態
機器の設置状態は,JIS S 2093及びこの規格の各箇条の試験方法による。ただし,各箇条に特に規定が
ない場合は,製造業者の指定する状態(取扱説明書などに示す状態)とする。ただし,試験の項目によっ
て試験結果に影響を及ぼさない場合は,この限りではない。
7.3
機器の使用状態
機器の使用状態は,JIS S 2093及びこの規格の各箇条の試験方法による。ただし,各箇条に特に規定が
ない場合は,次による。次の状態にできないものにあっては,製造業者の指定する状態(取扱説明書など
に示す状態)とする。ただし,試験の項目によって試験結果に影響を及ぼさない場合は,この限りではな
い。
a) 空気量を調節して使用するバーナについては,良好な燃焼状態に調節して使用する。
b) こんろは,表6に示す大きさの試験用鍋を用い,鍋の深さ1/2以上の水を入れて,こんろの上に載せ
た状態とし,試験中に鍋の水がなくならないように注水する。
c) グリルは,グリル皿に水を入れて,試験中にグリル皿の水がなくならないように注水する。ただし,
取扱説明書などにグリル皿に水を入れずに使用する旨の記載があるものは,グリル皿に水を入れない。
d) グリドルは,製造業者の指定する状態(取扱説明書などに示す状態)とする。
グリドル付こんろのグリドル部は,グリドル庫内にグリドル皿を1枚入れる。焼き物調理ができる
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ものは,グリドル皿に水を入れない状態とする。煮物調理ができるものは,グリドル皿に水を入れ,
蓋があるものは蓋をし,試験中にグリドル皿の水がなくならないように注水する。
e) クッキングテーブルのこんろとしての使用状態は,b) による。
f)
オーブンは,オーブン庫内のほぼ中央の段にオーブン皿を1枚入れた状態とする。
g) 炊飯器は,最大炊飯量の水位付近まで水を入れた状態とし,試験中に水量が1/2以下にならないよう
に注水する。
h) グリル兼用こんろ又はこんろ兼用炊飯器のこんろとしての使用状態は,b) による。この場合,グリル
としての使用状態は,c) による。
なお,その他の兼用機能をもつ機器の各々の状態については,製造業者が指定する状態とする。
i)
グリル排気口上に容器を載せて使用できる機器(製造業者が使用できる旨の表示をした機器に限る。)
の使用状態は,グリルの使用状態とし,グリル排気口の上には,製造業者が取扱説明書などで指定す
る大きさの鍋を載せ,グリル皿は,c) による。
鍋の大きさの指定がない場合は,表6に示す試験用鍋を載せる。ただし,載せられない場合には,
載せられる最大のものを載せる。
7.4
構造,材料及び寸法の試験
7.4.1
試験一般
構造,材料及び寸法の試験は,JIS S 2093によるほか,内容に応じて,目視,操作,適切な試験用計測
器又は試験装置によって行う。また,複合形及び二つ以上の機能を兼用するものは,それぞれの機能の項
目を満足しなければならない。
7.4.2
機種別試験
機種別試験は,次による。
a) こんろ こんろの試験は,次による。
1) 二口以上のこんろのトッププレートの強度 トッププレートは,それぞれのごとくなどの上に同時
に50 Nの力を5分間加え,トッププレート中央部のひずみ量を調べる。
2) ごとくなどの強度 それぞれのごとくなどの中央部に100 Nの力を5分間加え,ごとくなどの転倒
の有無及び使用上の支障がある変形,破損などがないかどうかを調べる。
3) 調理油過熱防止装置の強度 表6に示す試験用鍋におもりを入れて,50 Nの力をこんろ上に5分間
以上加えた後,目視などによって,検知部に使用上支障がある変化を生じないかどうかを調べる。
b) グリル(グリル焼き網) グリル焼き網の強度は,網の中心に直径100 mm,質量300 gの円筒形のお
もりを5分間加え,網に使用上支障があるひずみが生じず,かつ,直径30 mmの球形のものが網目か
ら落ちないかどうかを調べる。
c) グリドル グリドルの試験は,次による。
1) グリドル扉の強度 グリドル扉が下に開く場合は,グリドル扉を全開にし,機器に附属するグリド
ル皿を載せる。グリドル扉を手前に引き出して開く場合は,グリドル皿の奥行きの2/3程度まで(ス
トッパがあるものはその位置まで)グリドル皿を枠に載せた状態で引き出す。グリドル皿の中央部
に円形のおもりによって,40 Nの力を5分間加え,扉の前縁の位置でのひずみ量(グリドル扉を開
いたときにおける位置と力を加えたときにおける位置との差)が15 mm以下であり,かつ,扉の機
能が損なわれないことを調べる。また,卓上形及び据置形の機器は,転倒しないことを調べる。
2) グリドル皿過熱防止装置の強度 グリドル皿に直接触れる構造のグリドル皿過熱防止装置は,グリ
ドル庫内にグリドル皿を入れた状態で,グリドル皿におもりを入れて,50 Nの力を5分間以上加え
35
S 2103:2019
た後,目視などによって,検知部に使用上支障がある変化を生じないかどうかを調べる。
d) オーブン(オーブン扉) オーブン扉の強度は,機器を堅固な台上に水平に置き,オーブン扉を全開に
し,機器に附属するオーブン皿を載せ,その中央部に直径260 mmの円形のおもりによって,卓上形
の機器は40 N,据置形又は組込形の機器は150 Nの力を5分間加え,扉の前縁の位置でのひずみ量(オ
ーブン扉の全開時における無負荷時の位置と力を加えたときの位置との差)が15 mm以下であり,か
つ,扉の機能が損なわれないことを調べる。また,卓上形及び据置形の機器は転倒しないことを調べ
る。ただし,オーブン付こんろのオーブン部は,設置形態によらず40 Nの力を5分間加えて調べる。
e) クッキングテーブル クッキングテーブルの試験は,次による。
1) 甲板の強度 甲板の中央に600 mm×600 mmの当て板を載せ,その中央に板も含めて1.2 kNの力を
1分間加え,破損及び通常の使用に支障がある変形が生じないかどうかを調べる。
2) バーナ蓋の強度 底板の直径100 mm,質量30 kgの円形のおもり1個を用いて,図4に示すそれぞ
れの位置に5分間静置した状態で,甲板に対する変位量が5 mm以内かどうかを調べる。
図4−バーナ蓋及びおもりの位置
3) 脚の強度 機器を水平な床上に置き,脚端を固定し,図5に示すように甲板の奥行き方向の側面中
央部を水平方向に,200 Nの力を5秒間加える操作を図5に示す方向とその逆方向交互に10回繰り
返し,10回目の力を加えたときの甲板端部の変位量が20 mm以内かどうかを調べる。また,試験
後,各部の状態を調べる。
図5−脚のひずみ
7.4.3
設置形態別試験
設置形態別試験は,次による。
36
S 2103:2019
a) 卓上形 卓上形の試験は,次による。
足の耐油性 足部の試料を温度20 ℃±15 ℃の食用油(大豆油など)に24時間浸せきし,使用上支
障がある著しい変形がないことを調べる。
b) 組込形 組込形の試験は,次による。
1) こんろの煮こぼれの浸入 試験ガスの条件をS-2としてこんろバーナに点火し,15分後に表6に示
す呼び14 cmの試験用鍋に,鍋の縁の下10 mmまで牛乳を入れて,蓋をしないでこんろに水平に載
せ,沸騰して煮こぼれが始まってから15秒後に消火し,各バーナについて煮こぼれが浸入しないか
及びガス導管,電装品の端子部などにかかっていないか確認する。
2) グリドルの煮こぼれの浸入 グリドル皿の縁の下10 mmまで牛乳を入れて,蓋をしないでグリドル
皿をグリドル庫内に入れ,試験ガスの条件をS-2としてグリドルバーナに点火し,沸騰して煮こぼ
れが始まってから15秒後に消火し,下火バーナについて煮こぼれが浸入しないかどうかを調べる。
8
検査
8.1
形式検査6)
形式検査は,箇条5,箇条6,箇条9及び箇条10の各項について,箇条7による試験方法,目視などに
よって行い,箇条5,箇条6,箇条9及び箇条10の規定に適合しなければならない。
8.2
製品検査7)
製品検査は,各機器ごとに次の各項について,箇条7による試験方法,目視などによって行い,箇条5
及び箇条9の規定に適合しなければならない。
なお,検査は,合理的な抜取検査方式によってもよい。
a) ガス通路の気密
b) ガス消費量
c) 燃焼状態の無風状態。ただし,連続騒音は省略してもよい。
d) 電気点火
e) 絶縁性能。ただし,平常時温度上昇試験前とする。
f)
製品表示
注6) 製品の品質が,設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
7) 既に形式検査に合格したものと同じ設計及び製造による機器の受渡しをする場合,必要と認め
る特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。
9
表示
9.1
製品表示
機器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) 製造業者の機器の形式(型式)の呼び。形式(型式)は,製造業者が自社の製品の形式(型式)の区
分を明確にするために定める略号を表示してもよい。
b) 使用ガス名[液化石油ガス用機器にはLPガス用である旨,都市ガス用機器には都市ガス用である旨
及び適用ガスグループ名8)]
例 LPガス用,都市ガス13A用,都市ガスL1(6B,6C,7C)用など
注8) ガス事業法に基づくガス用品の技術上の基準等に関する省令のガスグループの記号参照。
c) ガス消費量(kW)。ただし,機器をガス消費量が最も多い状態で使用したときのガス消費量を表示し
37
S 2103:2019
なければならない。
d) 定格電圧(V)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
e) 定格消費電力(W)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
f)
定格周波数(Hz)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
g) 製造年月又はその略号(製造年月は,西暦によるものとし,製造年は下2桁でもよい。)
h) 製造番号(製造番号は,個々の製品を区別するための一連番号であることとする。ただし,各製品の
製造状況などが明らかとなるような場合には,ロット番号としてもよい。)
i)
製造業者名又はその略号
9.2
取扱表示
9.2.1
操作表示
点火,消火,調節など使用操作が容易に判断できないものは,機器の見やすい箇所に,容易に消えない
方法で,その使用操作の方法を平易かつ簡潔明瞭に表示しなければならない。
9.2.2
取扱注意表示
機器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。また,説明内容
は平易かつできるだけ簡潔明瞭なものとしなければならない。
a) 取扱説明書に従って使用する旨の注意
b) 機器に表示されているガス以外のガスを使用しない旨の注意(移動形のものに限る。)
c) 点火・消火を確認する旨の注意(点火・消火の操作を行う場所で確認できるものに限る。)
d) 換気に関する事項
e) 点検・掃除に関する事項(使用者が容易に点検・掃除できるものに限る。)
f)
可燃物からの離隔距離[製造業者の指定する可燃物からの離隔距離が,表5の温度上昇の項目の“機
器と測温板との間隔”に規定する測温板(木壁)との離隔距離未満の場合に限る。]
g) 調理油過熱防止装置をもっていない卓上形一口ガスこんろは,揚げ物調理に使用してはならない旨の
注意
h) 調理油過熱防止装置に高温モードをもつものは,高温モード使用時に揚げ物調理をしてはならない旨
の注意
i)
立消え安全装置をもっていないグリル及びグリドルは,使用時に点火,使用中に燃焼,及び使用後に
器具栓を閉止させ消火していることを確認する旨の注意
j)
グリドルは,揚げ物調理をしてはならない旨の注意
10 取扱説明書
機器には,次の事項を記載した取扱説明書を添付しなければならない。
a) 機器の取扱いに当たって特に注意すべき事項
1) 使用ガス及び適用ガスグループに関する注意事項
2) 使用する場所及び位置についての注意事項並びに防火上の注意事項
3) 使用上の注意事項
b) 機器の設置の要領に関する事項
1) ガス用ゴム管の接続など,ガス接続及びその要領並びに注意事項
2) 部品の組立て,取付けなどを必要とするものは,その要領及び注意事項
3) 防熱板を使用する場合には,その設置の要領及び注意事項
38
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4) 換気設備,排気筒,給排気筒などを必要とするものは,その設置の要領及び注意事項
5) 家庭用電源を使用するものは,電源接続などの要領及び注意事項
c) 機器の使用方法に関する事項
d) 日常の点検・掃除に関する事項(点検・掃除を必要とする部分の点検・掃除方法)
e) 簡単な故障・異常の場合の見分け方及びその処置方法に関する事項
f)
故障,修理などの連絡先に関する事項
g) 機器の仕様に関する事項
h) 二口以上のこんろ,グリル付こんろ,グリドル付こんろ,オーブン付こんろ,レンジ及びその他の複
合形機器は,個々のバーナのガス消費量
i)
オーブン,オーブン付こんろ及びレンジは,予熱時間
j)
調理油過熱防止装置をもっていない卓上形一口ガスこんろは,揚げ物調理に使用してはならない旨
k) 調理油過熱防止装置に高温モードをもつものは,高温モード使用時に揚げ物調理をしてはならない旨
l)
立消え安全装置をもっていないグリル及びグリドルは,使用時に点火,使用中に燃焼,及び使用後に
器具栓を閉止させ,消火していることを確認する旨
m) グリドルは,揚げ物調理をしてはならない旨
39
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図6−卓上形(ガスグリル付こんろの例)
図7−据置形(ガスオーブンの例)
図8−組込形(ガスグリル付こんろの例)
図9−キャビネット形(ガスグリル付こんろの例)
40
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単位 mm
測定点の拡大図(例)
木台及び木壁の材料は,十分に乾燥した合板を圧着させて厚さ約20 mmにし,木台の表面はワニス仕上げ,木壁の
表面は,つやがない黒ペイント仕上げとする。
木壁及び木台の大きさは,温度を測定する機器に対して十分な大きさとする。
熱電対の数は,できるだけ多く,碁盤目状に等間隔に埋め込み,任意の箇所の温度を測定できるようにする。
銅円板と熱電対とをはんだ又は接着剤付けし,木台及び木壁の表面から約1 mmの深さに埋め込むものとする。
図10−卓上形(一口こんろ,グリル,オーブン,炊飯器など)の木壁及び木台表面温度測温板の形状
41
S 2103:2019
単位 mm
単位 mm
単位 mm
図11−加熱部が開放されている
もの(こんろの例)
図12−加熱部が隠蔽されて
いるもの(オーブンの例)
図13−炊飯器
単位 mm
図14−卓上形及び据置形(二口以上のこんろ,グリル付こんろ,レンジなど)の木壁及び
木台表面温度測温板の形状
42
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単位 mm
注a) 機器後面の離隔距離を150 mmにしたとき,機器前面から後壁までの距離が550 mm
を超えるものはその距離を550 mmとし,後面の距離を150 mm以下とする。
図15−卓上形(グリル付二口こんろの例)
単位 mm
図16−据置形及びキャビネット形(グリル付二口レンジの例)
43
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単位 mm
図17−組込形(こんろなどの機器をカウンタ上部から落とし込んで設置するもの)の木壁及び
木台表面温度測温板の形状
44
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単位 mm
図18−組込形(こんろなどの機器をカウンタ上部から落とし込んでオーブンと
組み合わせて設置するもの)の木壁及び木台表面温度測温板の形状
45
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単位 mm
図19−組込形(オーブン)の木壁及び木台表面温度測温板の形状
46
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単位 mm
図20−クッキングテーブル
注記 形状は,一例を示す。
図21−卓上形一口こんろ
47
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注記 形状は,一例を示す。
図22−卓上形二口こんろ
注記 形状は,一例を示す。
図23−組込形一口こんろ
48
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注記 形状は,一例を示す。
注記 形状は,一例を示す。
図24−組込形二口こんろ
図25−組込形三口こんろ
注記 形状は,一例を示す。
図26−二口こんろの各部の名称
49
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a) 下火グリル
b) 上火グリル
注記 形状は,一例を示す。
図27−卓上形グリル
注記 形状は,一例を示す。
図28−グリル(下火式)の各部の名称
50
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注記 形状は,一例を示す。
図29−グリル(上火式)の各部の名称
注記 形状は,一例を示す。
図30−卓上形グリドル
51
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a) オーブン
b) 電子レンジ兼用オーブン
注記 形状は,一例を示す。
図31−卓上形オーブン
注記 形状は,一例を示す。
図32−据置形オーブン
52
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注記 形状は,一例を示す。
図33−オーブンの各部の名称
53
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注記 形状は,一例を示す。
図34−専用形,保温バーナなし炊飯器
注記 形状は,一例を示す。
図35−専用形,保温バーナ付炊飯器
54
S 2103:2019
注記 形状は,一例を示す。
図36−保温バーナ付こんろ兼用炊飯器
注記 形状は,一例を示す。
図37−電気保温付炊飯器
55
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注記 形状は,一例を示す。
図38−卓上形グリル付こんろ
注記 形状は,一例を示す。
図39−キャビネット形グリル付こんろ
56
S 2103:2019
注記 形状は,一例を示す。
注記 形状は,一例を示す。
図40−組込形グリル付二口こんろ
図41−組込形グリル付三口こんろ
注記 形状は,一例を示す。
図42−グリル付二口こんろの各部の名称
57
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注記 形状は,一例を示す。
図43−組込形グリドル付三口こんろ
注記 形状は,一例を示す。
図44−グリドル付三口こんろの各部の名称
58
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注記 形状は,一例を示す。
図45−組込形オーブン付三口こんろ
注記 形状は,一例を示す。
図46−オーブン付三口こんろの各部の名称
59
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注記 形状は,一例を示す。
図47−据置形レンジ
注記 形状は,一例を示す。
図48−据置形レンジの各部の名称
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注記 形状は,一例を示す。
図49−クッキングテーブル
61
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附属書A
(規定)
こんろ及びこんろ部をもつ複合形機器の安全要求事項
A.1 一般
この附属書は,この規格に規定する調理機器の中でこんろ及びこんろ部をもつ複合形機器に適用する規
定から,安全上特に重要な事項をまとめたものである。
A.2 性能
機器の性能は,表A.1の試験方法及び箇条7によって試験したとき,表A.1の性能を満足しなければな
らない。
なお,試験条件,試験ガス,試験用計測器及び試験装置は,JIS S 2093による。
表A.1−性能及び試験方法
項目
性能
試験方法
JIS S
2093
この規格で
規定する試
験方法
ガス通路の気密
器具栓を通して漏れる量が70 mL/h以下
表7
−
器具栓以外のガス閉止弁を通して漏れる量が550 mL/h以下
ガス接続口から炎口まで外部漏れがあってはならない。
ガス消費量
表示ガス消費量に対して±10 %
表8
−
個々のバーナの表示ガス消費量に対しては,取扱説明書に
表示する個々のバーナの表示ガス消費量に対して±10 %
個々のバーナのガス消費量の総和に対する全ガス消費量の
比は,80 %以上
表5
燃焼状態 無風状態
確実に着火a) し,かつ,爆発的着火があってはならないb)。
また,1点に着火した後,速やかに全ての炎口に着火しなけ
ればならない。
表9
表5
リフティングがあってはならないc)。
消火があってはならないd)。
逆火があってはならないe)。
理論乾燥燃焼ガス中の一酸化炭素(以下,COという。)濃
度(体積分率%)(以下,CO %という。)が0.14 %以下
すすが発生してはならないf)。
パイロットバーナの消火及び逆火があってはならないd) e)。
キャビネット扉
開閉時(組込形及
びキャビネット
形のこんろ部に
適用)
消火及び逆火があってはならないd) e)。
−
表5
62
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表A.1−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
JIS S
2093
この規格で
規定する試
験方法
温度上昇 平常時温度上昇
(機器の各部)
操作時に手の触れる部分の
表面(つまみ類)
金属製,陶磁器製及びガラス
製のもの
60 ℃以下
表12
表5
その他のもの
70 ℃以下
操作時に手の触れるおそれがある部分の表面(つまみ類及
び燃焼ガスの排出部は除く。)
140 ℃以下
足の触れるおそれがある部分(クッキングテーブルに適用)
100 ℃以下
乾電池の表面
55 ℃以下
ガス接続口(ねじ接続口を除く。)の表面
60 ℃以下
温度上昇 平常時温度上昇
(機器の各部)
ガス閉止弁(器具栓を含
む。)本体のガスの通る部分
の外表面
85 ℃以下又は耐熱試験によ
ってガス通路の気密の項目
に適合し,かつ,使用上支障
がないことが確認された温
度以下
表12
表16
表5
点火ユニット(圧電素子を
含む。)の表面
85 ℃以下又は耐熱試験によ
って電気点火の項目に適合
し,変形及び変色がなく,か
つ,使用上支障がないことが
確認された温度以下
器具ガバナのガスの通る部
分の外表面
70 ℃以下又は耐熱試験によ
ってガス通路の気密の項目
に適合し,かつ,調整圧力の
変化が(0.05P1+30)Pa以下
であることが確認された温
度以下
P1:耐熱試験前の調整圧力
平常時温度上昇
(木壁など)
機器後面,側面及び上方天
井面の木壁の表面,並びに
機器下面の木台の表面(図
10〜図20参照)
100 ℃以下
表12
カウンタの表面及び機器が
接するカウンタの表面(ク
ッキングテーブル及び組込
形に適用)(図17〜図20参
照)
排気管貫通部の壁表面(組
込形に適用)
63
S 2103:2019
表A.1−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
JIS S
2093
この規格で
規定する試
験方法
電気点火
家庭用電源又は乾電池を用いた連続放電点火方式のものは
20回中19回,その他のものは10回中9回以上点火しなけ
ればならない。また,点火動作が自動的に行われるもの又
は点火動作が自動的に行われないものでパイロットバーナ
をもたないものは,爆発的点火があってはならないb)。
表13
表5
安
全
装
置
立
消
え
安
全
装
置
再
点
火
形
消火した場合の
閉弁時間
消火後の閉弁時間は,60秒以内とする。
表14
−
点火時に不点火
した場合の閉弁
時間(点火動作
が自動的に行わ
れるものに適
用)
1回の閉弁時間につき,60秒以内とする。
爆発的点火
消火した後及び点火時に不点火した後,再び点火動作をし
たときに爆発的点火があってはならないb)。
再
点
火
形
以
外
消火した場合の
閉弁時間
閉弁時間は,60秒以内とする。
表14
−
点火時に不点火
した場合の閉弁
時間
閉弁時間は,60秒以内とする。
過熱防止装置
異常な温度に達したときに作動し,ガスの通路を自動的に
閉ざさなければならない。また,温度が平常に戻った場合
にガスの通路が自動的に開いてはならない。
表14
表5
調理油過熱防止装置(こ
んろバーナに適用)
油の最高温度
300 ℃未満
(高温モード設定時を除く。)
−
表5
電気部
(交流電
源を使用
する機器
に適用)
絶縁
性能
(絶縁
抵抗)
平常
時温
度上
昇試
験前
1 MΩ以上
表20
−
耐電圧
電気回路に異常があってはならない。
交流電
源異常
停電
安全性に支障があってはならない。また,停電のときにバ
ーナの炎が消えるものは,再び通電したとき,バーナへの
ガスの通路が自動的に開かないか,又は自動的に点火しな
ければならない。
電気部
(電子制
御装置を
もつもの
に適用)
はんだの耐久性 通常使用時の温度変化に耐え,かつ,はんだクラック進行
ランクが7未満
表20
表5
64
S 2103:2019
表A.1−性能及び試験方法(続き)
項目
性能
試験方法
JIS S
2093
この規格で
規定する試
験方法
反復使用
器具栓
ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,使用上支障があっ
てはならない。
表15
表5
電気点火装置
電気点火の項目に適合し,かつ,使用上支障があってはな
らない。
器具ガバナ
ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,調整圧力の変化が
(0.05P1+30)Pa以下でなければならない。
P1:試験前の調整圧力
立消え安全装置 ガス通路の気密の項目及び安全装置の立消え安全装置の項
目に適合しなければならない。
タイマ
(電子式のもの
を除く。)
ガス通路の気密の項目に適合し,使用上支障がなく,かつ,
作動時間の変化が10 %以下でなければならない。
サーモスタット
(電子式のもの
及び比例制御式
のものを除く。)
ガス通路の気密の項目及び庫内温度の項目に適合し,かつ,
使用上支障があってはならない。
器具コンセント ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,着脱が円滑・確実
でなければならない。
自在ガス接続口 ガス通路の気密の項目に適合し,かつ,使用上支障があっ
てはならない。
調理油過熱防止
装置(こんろバ
ーナ部に適用)
ガス通路の気密の項目及び安全装置の調理油過熱防止装置
の項目に適合しなければならない。
−
耐振動
ガス通路の気密の項目に適合しなければならない。
表18
−
連続燃焼
ガス通路の気密 ガス通路の気密の項目に適合しなければならない。
−
表5
燃焼状態
CO %は0.14 %以下
逆火があってはならないe)。
注a) 確実に着火とは,5回行って5回着火することをいう。
b) 爆発的に点火しないとは点火したときに発する騒音が85 dBを超えないことをいい,爆発的に着火しないと
は着火したときに発する騒音が85 dBを超えないことをいう。
c) リフティングがないとは,点火15秒後において炎口から離れる炎が,ノズルに対応したバーナごとに1/3を
超えないことをいう。
d) 消火がないとは,ノズルに対応したバーナごとに炎が消滅することがないことをいう。
e) 逆火がないとは,炎がバーナ内部で燃焼している状態にならないこと及び逆火による消火がないことをいう。
f) すすの発生がないとは,点火して30分間経過するまでの間(ただし,点火時を除く。)こんろに載せてある
鍋の底部にすすが付着しないことをいう。
65
S 2103:2019
表A.2−試験用鍋の大きさ
ガス消費量
kW
鍋の大きさの
呼び
cm
口径
mm
深さ
mm
鍋底の丸み
(曲率半径)
mm
質量
g
熱効率測定時
の水の質量
kg
1.26以下
14
140
64
20
130
0.65
1.26を超え
1.60以下
16
160
73
23
155
1.0
1.60を超え
2.02以下
18
180
82
26
190
1.4
2.02を超え
2.44以下
20
200
91
29
250
2.0
2.44を超え
2.93以下
22
220
100
32
300
2.7
2.93を超え
3.49以下
24
240
109
35
380
3.5
3.49を超え
4.19以下
26
260
118
38
470
4.4
4.19を超え
5.23以下
28
280
128
41
585
5.6
5.23を超え
るもの
30
300
137
44
720
6.9
− ガス消費量は,個々のバーナのガス消費量で,製造業者が取扱説明書などに表示する値による。
− 鍋は,取っ手のないものとし,この表による。この表に規定のないものは,JIS S 2010による。
− 鍋の形状は,寸胴のものとする。
− 鍋の寸法及び最低底厚は,この表及びJIS S 2010の規定によるものとし,寸法許容差は,口径については,
±3 %,深さについては,
3
10
−+ %,鍋底の丸み(曲率半径)については,±10 %とする。
− 質量は,熱効率試験用の鍋にだけ適用し,許容差は,取っ手,蓋などを取り除いた状態で規定の±5 %と
する。
A.3 構造,材料及び寸法
A.3.1 構造一般
機器及び機器の各部の構造は,ガス漏れ,火災などに関する安全性及び耐久性を考慮して作られ,通常
の輸送,設置,使用などに対して,破損又は使用上支障がある変形などを生じない構造でなければならな
い。A.3全般について,試験は7.4によって行う。
A.3.2 材料一般
機器に使用する材料は,通常の使用及び保守条件において受ける可能性がある機械的,化学的及び熱的
作用に耐えるものであり,かつ,次の各項に適合しなければならない。
a) ガスを内包する部分,煮こぼれを受ける部分,グリル皿,グリドル皿及び空気調節器の材料は,JIS S
2093の表19(材料試験)の1(耐熱性試験)によって試験を行い,500 ℃(ねじ以外のガス接続口に
ついては350 ℃)で溶融しない材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール材などの気密
保持部材は,この限りではない。
b) ガスを内包する部分,空気調節器及び燃焼ガスの通る部分の材料は不燃材料で,1)〜3) のいずれかに
適合する耐食性材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール材などの気密保持部材は,不
燃材料でなくてもよい。また,煮こぼれを受ける部分,グリル皿,グリドル皿及びクッキングテーブ
ルの燃焼部のケースの材料は金属材料で,かつ,1)〜3) のいずれかに適合する耐食性材料でなければ
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ならない。
1) 表A.3に示すもの。
2) JIS S 2093の表19の2 a)(金属材料の塩水噴霧試験)によって24時間試験を行い,腐食がないこ
と又はレイティングナンバが9.8から6までの腐食面積率であることを確認したもの。
3) 表面に塗装による耐食処理を施した金属材料であって,JIS S 2093の表19の2 b)(塗膜の塩水噴霧
試験)によって24時間試験を行い,さび,膨れ及び剝離がないことを確認したもの。ここで,表面
とは,ガスの通る部分(パイロットバーナ,メーンバーナ,及びノズル以外の部分に限る。),器具
栓,バーナ受け及び煮こぼれを受ける部分にあっては外面を,パイロットバーナ,メーンバーナ,
ノズル,及び空気調節器については内面及び外面をいう。
表A.3−耐食性のある金属材料
材料
適用規格
鋳物
JIS H 5120
JIS H 5202
ダイカスト
JIS H 5301
JIS H 5302
ステンレス鋼材
JIS G 3446
JIS G 3459
JIS G 4303
JIS G 4304
JIS G 4305
JIS G 4308
JIS G 4313
JIS G 4314
表面処理鋼材
JIS G 3302
JIS G 3313
JIS G 3314
アルミニウム及び
アルミニウム合金材
JIS H 4000
JIS H 4040
JIS H 4080
JIS H 4090
JIS H 4100
銅及び銅合金
JIS C 3101
JIS C 3102
JIS H 3100
JIS H 3250
JIS H 3300
JIS H 3320
JIS G 5501に規定された鋳鉄品で2 mm以上の肉厚のあるものは,
耐食性のある材料とみなす。
c) ガスの通る部分に使用するパッキン類,シール材などの気密保持部材は,次による。
1) ゴム,プラスチックなどの材料は,JIS S 2093の表19の3 a)(ガスケット類一般)によって試験を
行い,質量変化率が20 %以内であり,かつ,使用上支障がある軟化,ぜい(脆)化などがあっては
ならない。また,ゴム[JIS B 2401-1の表2(Oリングに用いる材料の種類及びその識別記号)の一
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般用ニトリルゴム(NBR),燃料用ニトリルゴム(NBR),ふっ素ゴム(FKM)及びエチレンプロピ
レンゴム(EPDM)に適合するものは除く。]は,JIS S 2093の表19の3 b)(ゴム製のガスケット及
び弁)によって試験を行い,n-ペンタンの1時間当たりの透過量が5 mg以下でなければならない。
2) シール材は,JIS S 2093の表19の3 c)(シール材)によって試験を行い,質量変化率がガス温度20 ℃
の場合10 %以内,ガス温度4 ℃の場合25 %以内でなければならない。
A.3.3 機種別構造
A.3.3.1 こんろ
こんろは,次による。
a) 二口以上のこんろバーナを備えるトッププレートの強度は,7.4.2 a) 1) に規定する方法で試験し,中
央部のひずみ量が5 mm以下でなければならない。
b) こんろで,ごとくなどは,次による。
1) 7.4.2 a) 2) に規定する方法で試験し,ごとくなどの転倒がなく,使用上支障のある変形,破損など
があってはならない。
c) こんろバーナには,立消え安全装置を備えていなければならない。ただし,点火ヒータなどによって,
不点火及び立消えを防止する機能をもつものは,この限りではない。
d) こんろバーナには,調理油過熱防止装置を備えていなければならない。ただし,卓上形一口ガスこん
ろは,この限りではない。
e) 調理油過熱防止装置は,次による。
1) 調理油が300 ℃以上に加熱されない構造でなければならない。ただし,高温モードをもつバーナで
は,高温モード設定時は,この限りではない。
2) 調理油過熱防止装置の検知部が損傷した場合に調理油が300 ℃以上に加熱されない構造でなければ
ならない。ここで,調理油過熱防止装置の検知部が損傷した場合とは,例えば,サーミスタ式のも
のは電流が流れない状態及び素子が短絡した状態,熱電対式のものは起電力が起きない状態,膨張
式のものはその膨張機構が弁を操作しない状態,バイメタル式のものはバイメタルが破損した状態
などをいう。
3) 7.4.2 a) 3) に規定する方法で試験し,検知部に使用上支障がある変化を生じてはならない。
4) 通常の使用状態において,その取付位置が容易に変化してはならない。
5) 調理油過熱防止装置と制御基板との接続部は,特殊工具,専用端子などを使用しないと接続できな
い構造でなければならない。ただし,接続部を特殊工具で固定するボックスなどで保護している構
造でもよい。
6) 高温モードをもつバーナは,次の項目に適合しなければならない。
6.1) 点火時及び使用中に使用者の意識なしに,高温モードに設定できない。
6.2) 使用時は,高温モードであることが表示ランプなどによって明確に判断できなければならない。
6.3) 高温モードから消火への操作は,1操作で実施可能でなければならない。
6.4) 高温モードのための設定ボタン,つまみなどは,他の調理モード用のものと兼用してはならない。
ただし,モード設定を解除するためのボタン及びつまみとの兼用は,この限りではない。
6.5) 1回の高温モード使用後,高温モード設定が解除されなければならない。
A.3.3.2 グリル
グリル焼き網の強度は,7.4.2 b) に規定する方法で試験し,網に使用上支障があるひずみが生じず,直
径30 mmの球が網目から落ちてはならない。
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A.3.3.3 オーブン
オーブンは,次による。
a) バイパスガス調節機能をもつサーモスタットは,通常の使用操作で設定位置が変化してはならない。
b) オーブン扉は閉じた状態で,機能上必要な気密がなければならない。
c) オーブン皿は,円滑に出し入れでき,入れた状態で容易に落下してはならない。
A.3.3.4 クッキングテーブル
クッキングテーブルは,次による。
a) こんろ部は,6.3.1に適合しなければならない。
b) 甲板は,次による。
1) 7.4.2 e) 1) に規定する方法で試験し,破損がなく,使用上支障がない強度をもたなければならない。
2) 表面は,通常の使用状態で,きずがつきにくく,熱による変形変色がない材料でなければならない。
c) 甲板に対して平らになる構造のバーナ蓋は,7.4.2 e) 2) に規定する方法で試験し,甲板に対する変位
量が5 mm以内でなければならない。
d) 脚は,7.4.2 e) 3) に規定する方法で試験し,甲板端部の変位量が20 mm以内でなければならない。
A.3.4 設置形態別の構造
A.3.4.1 卓上形
卓上形の機器は,JIS S 2093の表18(構造試験)の2(傾斜転倒試験)によって試験を行い,いずれの
方向に傾けても15度以下の角度では倒れず,かつ,火災のおそれがある部分及び附属部品の移動又は脱落
があってはならない。
A.3.4.2 据置形の機器及びキャビネット形の機器
据置形の機器及びキャビネット形の機器は,JIS S 2093の表18の2によって試験を行い,いずれの方向
に傾けても15度以下の角度では倒れず,かつ,火災のおそれがある部分及び附属部品の移動又は脱落があ
ってはならない。
A.3.5 各部の構造,材料及び寸法
A.3.5.1 ガス接続口
ガス接続口は,次による。
a) ガス接続口に使用するねじは,JIS B 0203に規定するものでなければならない。
b) ガス接続口に使用するゴム管口は,形状及び寸法が図A.1に示すいずれかによるものとしなければな
らない。
c) 器具コンセントの形状及び寸法は,図A.2に示すいずれかによるものとし,次による。
1) JIS S 2135に規定するガス機器用迅速継手との着脱が円滑かつ確実にできなければならない。
2) JIS S 2093の表18の3 a)(異常時気密試験)によって試験を行ったとき,接続部からの漏れ量が70
mL/h以下でなければならない。
3) JIS S 2093の表18の3 b)[引張力(せん断力)試験]によって試験を行ったとき,離脱及び使用上
支障がある欠陥を生じず,かつ,接続部からの漏れ量が70 mL/h以下でなければならない。
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単位 mm
a) 9.5 mmゴム管口
b) 13 mmゴム管口
○aの部分のかどを取らなければならない。
○
bの部分に溝を設け,溝の部分を赤く塗らなければならない。
補強のため,入り隅部には丸みを付けてもよい。
許容差の指定がない寸法の許容差は,JIS B 0405の粗級によらなければならない。ただし,R寸法及び括弧内
の寸法は,参考値とする。
図A.1−ゴム管口の形状及び寸法
単位 mm
a) 16 mmソケット
b) 11 mmプラグ
○aは,プラグの弁を押すための棒(以下,弁押棒という。)の最大外接円の径を示し,弁押棒がプラグの弁
に接触する面から1 mm以内の部分をいう。
図A.2−器具コンセントの形状及び寸法
A.3.5.2 バーナ及び点火バーナ
バーナ及び点火バーナは,次による。
a) ほうろうによる表面処理を施したバーナは,JIS S 2093の表19の4(鋼球衝撃試験)によって試験を
行ったとき,ほうろう部分に剝離があってはならない。
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A.3.5.3 空気調節器
バーナの空気調節器は,次による。
a) 通常の使用状態で設定位置が変化してはならない。
b) 可変式空気調節器のつまみは,容易に操作が行える位置にあり,操作が円滑かつ確実であり,開閉の
ための操作の方向を明示していなければならない。
A.3.5.4 放電点火装置
放電火花を利用して点火を行うものは,次による。
a) 電極部は,通常の使用状態で常時黄炎が触れない位置になければならない。ここで,常時黄炎が触れ
ないとは,JIS S 2093の表10の試験条件とし,15分間燃焼したとき,電極部に黄炎が1分間に30秒
以上連続して触れていないことをいう。
b) 電極は,位置及び電極間隙が通常の使用状態で変化しないよう固定しなければならない。
c) 高圧配線の充電部と非充電金属部との間は,電極間隙以上の十分な空間距離が保たれているか,又は
点火動作時に漏電することがない有効な電気絶縁1) 措置を施さなければならない。
d) 通常の使用において,手を触れるおそれがある高圧配線の部分には,有効な電気絶縁1) 被覆を施さな
ければならない。
注1) 有効な電気絶縁とは,絶縁抵抗が50 MΩ以上あることをいう。
A.3.5.5 安全装置
A.3.5.5.1 立消え安全装置
立消え安全装置をもつものは,次による。
a) 炎検出部が損傷した場合2) に,自動的にバーナへのガス通路を閉ざさなければならない。
注2) 炎検出部が損傷した場合とは,例えば,熱電対式のものは起電力が起きない状態,膨張式の
ものはその膨張機構が弁を操作しない状態,フレームロッド式のものは電流が流れない状態
及び電極部が短絡した状態,光電式のものは電流が流れない状態などをいう。
b) 立消え安全装置と制御基板との接続部は,特殊工具,専用端子などを使用しないと接続できない構造
でなければならない。ただし,接続部を特殊工具で固定するボックスなどで保護している構造でもよ
い。
A.3.5.5.2 過熱防止装置
過熱防止装置をもつものは,次による。
a) バイメタルサーモスイッチを用いる場合は,JIS S 2149に適合するものでなければならない。
b) 過熱防止装置の検知部が損傷した場合3) に,自動的にバーナへのガス通路を閉ざさなければならない。
注3) 過熱防止装置の検知部が損傷した場合とは,例えば,温度ヒューズ式のものは電流が流れな
い状態,バイメタル式のものはバイメタルが破損した状態,サーミスタ式のものは電流が流
れない状態及び素子が短絡した状態などをいう。
c) 過熱防止装置と制御基板との接続部は,特殊工具,専用端子などを使用しないと接続できない構造で
なければならない。ただし,接続部を特殊工具で固定するボックスなどで保護している構造でもよい。
A.4 表示
A.4.1 製品表示
機器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) 製造業者の機器の形式(型式)の呼び。形式(型式)は,製造業者が自社の製品の形式(型式)の区
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分を明確にするために定める略号を表示してもよい。
b) 使用ガス名[液化石油ガス用機器にはLPガス用である旨,都市ガス用機器には都市ガス用である旨
及び適用ガスグループ名4)。]
例 LPガス用,都市ガス13A用,都市ガスL1(6B,6C,7C)用など
注4) ガス事業法に基づくガス用品の技術上の基準等に関する省令のガスグループの記号参照。
c) ガス消費量(kW)。ただし,機器をガス消費量が最も多い状態で使用したときのガス消費量を表示し
なければならない。
d) 定格電圧(V)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
e) 定格消費電力(W)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
f)
定格周波数(Hz)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
g) 製造年月又はその略号(製造年月は,西暦によるものとし,製造年は下2桁でもよい。)
h) 製造番号(製造番号は,個々の製品を区別するための一連番号であることとする。ただし,各製品の
製造状況などが明らかとなるような場合には,ロット番号としてもよい。)
i)
製造業者名又はその略号
A.4.2 取扱表示
A.4.2.1 操作表示
点火,消火,調節など使用操作が容易に判断できないものにあっては,機器の見やすい箇所に,容易に
消えない方法で,その使用操作の方法を平易かつ簡潔明瞭に表示しなければならない。
A.4.2.2 取扱注意表示
機器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。また,説明内容
は平易かつできるだけ簡潔明瞭なものとしなければならない。
a) 機器に表示されているガス以外のガスを使用しない旨の注意(移動形のものに限る。)
b) 点火・消火を確認する旨の注意(点火・消火の操作を行う場所で確認できるものに限る。)
c) 換気に関する事項
d) 点検・掃除に関する事項(使用者が容易に点検・掃除できるものに限る。)
e) 調理油過熱防止装置をもっていない卓上形一口ガスこんろは,揚げ物調理に使用してはならない旨の
注意
f)
調理油過熱防止装置に高温モードをもつものは,高温モード使用時に揚げ物調理をしてはならない旨
の注意