S 2092:2010
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 区分······························································································································· 3
5 機器の構造,材料及び寸法 ································································································· 5
5.1 構造一般 ······················································································································ 5
5.2 材料一般 ······················································································································ 6
5.3 屋内式機器の給排気方式別の構造,材料及び寸法 ································································· 8
5.4 屋外式機器の構造,材料及び寸法······················································································ 8
5.5 設置形態別の構造及び材料 ······························································································ 9
5.6 設定時間になると自動的に運転を開始する機能をもつ機器 ····················································· 9
6 部品の構造,材料及び寸法 ································································································ 10
6.1 ガス接続口 ·················································································································· 10
6.2 器具栓 ························································································································ 12
6.3 パイロットガス導管 ······································································································ 12
6.4 予備ガス栓 ·················································································································· 12
6.5 ノズル ························································································································ 12
6.6 バーナ及び点火バーナ ··································································································· 12
6.7 空気調節器 ·················································································································· 12
6.8 燃焼ガスの通る部分 ······································································································ 13
6.9 給排気筒トップ,給気筒トップ及び排気筒トップ ································································ 13
6.10 電気点火装置 ·············································································································· 13
6.11 点火及び/又は消火タイマ ···························································································· 14
6.12 サーモスタット ··········································································································· 14
6.13 安全装置 ···················································································································· 14
7 電源使用機器の構造 ········································································································· 15
8 表示······························································································································ 16
8.1 製品表示 ····················································································································· 16
8.2 取扱表示 ····················································································································· 16
9 取扱説明書 ····················································································································· 17
S 2092:2010
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本ガス
機器検査協会(JIA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS S 2092:1996は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
S 2092:2010
家庭用ガス燃焼機器の構造通則
General constructions of gas burning appliances for domestic use
序文
この規格は,1991年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。液化石油ガス器具等の技
術上の基準等に関する省令及びガス用品の技術上の基準等に関する省令が2007年及び2008年に改正され
たことを受け,JIS S 2103,JIS S 2109及びJIS S 2122を改正した。今般,これら3規格に追加された構造
を家庭用ガス燃焼機器の共通的な構造とする見直し及び技術進歩に伴う対応のため改正したものである。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,液化石油ガス又は都市ガス(以下,ガスという。)を燃料とする,主として一般家庭用のガ
ス燃焼機器(以下,機器という。)の共通的な構造について規定する。ただし,この規格と個別規格[JIS S
2103,JIS S 2109,JIS S 2122及びJIS S 2130(以下,個別規格という。)]との間に相違がある場合には個
別規格を優先する。また,この規格では,圧力は,すべてゲージ圧力とする。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0203 管用テーパねじ
JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS B 2401 Oリング
JIS C 3101 電気用硬銅線
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3301 ゴムコード
JIS C 3306 ビニルコード
JIS C 3312 600 Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル
JIS C 3327 600 Vゴムキャブタイヤケーブル
JIS C 8303 配線用差込接続器
JIS C 8358 電気器具用差込接続器
JIS C 8515 一次電池個別製品仕様
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3314 溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯
2
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS G 3446 機械構造用ステンレス鋼鋼管
JIS G 3459 配管用ステンレス鋼管
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4308 ステンレス鋼線材
JIS G 4313 ばね用ステンレス鋼帯
JIS G 4314 ばね用ステンレス鋼線
JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品
JIS H 3100 銅及び銅合金の板並びに条
JIS H 3250 銅及び銅合金の棒
JIS H 3300 銅及び銅合金の継目無管
JIS H 3320 銅及び銅合金の溶接管
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H 4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H 4090 アルミニウム及びアルミニウム合金溶接管
JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H 5120 銅及び銅合金鋳物
JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物
JIS H 5301 亜鉛合金ダイカスト
JIS H 5302 アルミニウム合金ダイカスト
JIS S 2091 家庭用燃焼機器用語
JIS S 2093 家庭用ガス燃焼機器の試験方法
JIS S 2103 家庭用ガス調理機器
JIS S 2109 家庭用ガス温水機器
JIS S 2122 家庭用ガス暖房機器
JIS S 2130 家庭用ガス衣類乾燥機
JIS S 2135 ガス機器用迅速継手
JIS S 2149 ガス燃焼機器用バイメタルサーモスイッチ
JIS S 2150 ガス燃焼機器用手動ガスバルブ
JIS S 2151 ガス燃焼機器用自動ガスバルブ
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS S 2091によるほか,次による。
3.1
液化石油ガス
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律第149号)に基づく施行規則
(平成9年通商産業省令第11号)の“液化石油ガスの規格”に掲げるガス。
3
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.2
都市ガス
ガス事業法(昭和29年法律第51号)に基づくガス用品の技術上の基準等に関する省令(昭和46年通商
産業省令第27号)別表第3に掲げるガスグループのガス。
3.3
パイロットバーナ
メーンバーナへの着火用として少なくともメーンバーナが燃焼している間は同時に燃焼しているもの。
3.4
バーナ
燃焼させる装置又は部分の総称。パイロットバーナがあるものはパイロットバーナ及びメーンバーナ,
パイロットバーナがないものはメーンバーナを指す。
3.5
点火バーナ
バーナに着火するときだけ燃焼するもの。
3.6
点火動作が自動的に行われるもの
機器を待機状態にした後,バーナへのガス通路の開動作,点火動作,点火確認などが自動的に行われる
もの。
4
区分
機器は,用途,屋内外設置,屋内式機器の給排気方式及び設置形態によって,表1〜表4のとおり区分
する。
4
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−用途による区分
用途
機種
区分内容
暖房機器 ガス暖房機器(ガスストーブ) ガスの燃焼によって発生した熱を利用し,対流,放射などによって部
屋を暖める機器。
温水機器 ガス瞬間湯沸器
給水に関連してガス通路を開閉することができる機構をもち,水が熱
交換部を通過する間に加熱される構造の給湯専用の機器。
ガス貯湯湯沸器
貯湯槽内にあらかじめ蓄えた水を加熱し,湯温に関連してガス通路を
開閉することができる機構をもち,貯湯部が密閉されており,貯湯部
に0.1 MPaを超える圧力がかからず,かつ,伝熱面積が4 m2以下の給
湯専用の機器。
ガスふろがま
浴槽内の水をガスの燃焼熱で直接循環加熱する装置であって,浴槽内
の水を加熱するための熱交換部(以下,かま本体という。)とバーナ(以
下,ふろバーナという。)とを組み合わせて一体構成しているふろ部だ
けの機器,及び給湯機能を組み合わせた複合形の機器。
調理機器 ガスこんろ(カセットこんろを
除く。)
バーナの上になべなどを支えて,調理する機器。
ガスグリル
食品を主としてじかび(直火)で焼く機器。
ガスオーブン
食品をじかび(直火)によらず,放射熱及び/又は対流熱で調理する
機器。
ガス炊飯器
米飯の炊き上がりを検知し,自動的にメーンバーナを消火させる装置
を備えた機器。
ガスクッキングテーブル
ガスこんろ,ガスグリルなどの機器を備えたテーブル(食卓)。
複
合
形
ガスグリル付こんろ
ガスグリルを備えたガスこんろ。
ガスレンジ
ガスオーブンとガスこんろ(ガスグリル付こんろを含む。)とを組み合
わせた機器。
ガスグリル付こんろ及び
ガスレンジを除くその他
のもの
ガスこんろ,ガスグリル,ガスオーブン,ガス炊飯器のいずれか二つ
以上を組み合わせた機器。
乾燥機器 ガス衣類乾燥機
洗濯した衣類を乾燥する機器であって,ガスの燃焼熱で加熱した空気
を送風機で通風して乾燥する機器。
表2−屋内外設置による区分
設置方式
区分内容
略号
関連図番号
屋内式
屋内に設置して用いる機器。
−
図4〜図12
屋外式
屋外に設置して用いる機器。
RF
図13
5
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−屋内式機器の給排気方式による区分
給排気方式
区分内容
呼称
略号
関連図番号
開放式
燃焼用空気を屋内から採り,燃焼ガスを屋
内に排出する方式。
開放式
−
図4
半密閉式
自然排
気式
燃焼用空気を屋内から採り,燃焼ガスを排
気筒を用いて,自然通気力によって屋外に
排出する方式。
自然排気式
CF
図5
強制排
気式
燃焼用空気を屋内から採り,燃焼ガスを送
風機を用いて強制的に屋外に排出する方
式。
強制排気式
FE
図6
密閉式
自然給
排気式
給排気筒を外気に接する壁を貫通して屋外
に出し,自然通気力によって給排気を行う
方式。
バランス外
壁式
BF
BF-W
図7
給排気筒を専用給排気室(チャンバ)内に
接続して,自然通気力によって開放廊下に
給排気を行う方式。
バランスチ
ャンバ式
BF-C
図8
給排気筒を共用給排気筒(Uダクト,SEダ
クトなど)内に接続して自然通気力によっ
て給排気を行う方式。
バランスダ
クト式
BF-D
図9
強制給
排気式
給排気筒を外気に接する壁を貫通して屋外
に出し,送風機を用いて強制的に給排気を
行う方式。
強制給排気
外壁式
FF
FF-W
図10
給排気筒を専用給排気室(チャンバ)内に
接続して,送風機を用いて強制的に開放廊
下に給排気を行う方式。
強制給排気
チャンバ式
FF-C
図11
給排気筒を共用給排気筒(Uダクト,SEダ
クトなど)内に接続して送風機を用いて強
制的に給排気を行う方式。
強制給排気
ダクト式
FF-D
図12
表4−設置形態による区分
設置形態
区分内容
関連図番号
卓上形
こんろ台,調理台,食卓などの上に置いて使用する機器。 図14
据置形
台又は床面に据え置いて使用する機器。
図15
壁掛形
壁面に取り付けて使用する機器。
図16
つり下げ形
壁,天井などにつり下げて使用する機器。
図17
組込形
壁,調理台などに組み込んで使用する機器。
図18
キャビネット形
専用のキャビネットの上に取り付けて使用する機器。
図19
5
機器の構造,材料及び寸法
5.1
構造一般
機器及び機器の各部の構造は,ガス漏れ,火災などに関する安全性及び耐久性を考慮して作られ,通常
の輸送,設置,使用などに対して,破損又は使用上支障がある変形などを生じない構造とし,次の各項に
適合しなければならない。
a) 各部の作動は,円滑,かつ,確実でなければならない。
b) 通常の設置状態で,通常の使用操作によって,容易に移動又は転倒してはならない。
c) 常設形の機器のガス接続口,機器の内部又は設置台の内部などの隠れる部分にあるガス接続口及び予
6
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備ガス栓をもつ機器のガス接続口は,6.1 b) に規定するねじとし,容易に接続できる位置になければ
ならない。
d) 6.2に規定する器具栓を備えていなければならない。
e) ガスの通る部分は,次による。
1) ガスの通路は,気密性があり,通常の輸送,設置,使用などにおいて気密性が損なわれてはならな
い。
2) ガス導管は,過度の熱若しくは腐食を受けるおそれがない箇所に設けるか,又は防護などの措置が
施されていなければならない。
3) 結合部は,溶接,ねじ込み,ボルト・ナット,ねじなどによって確実に結合していなければならな
い。
f)
バーナ及び点火バーナは,次のとおり取り付けられていなければならない。
1) 所定の位置に安定して取り付けられ,ノズル,燃焼室,電気点火装置,安全装置などの関連する部
分との関係位置が確実に保たれ,通常の使用状態で移動したり,外れたりしてはならない。
2) 機器の必要以外の部分を過熱・損傷させない位置に取り付けられていなければならない。
g) パイロットバーナ又はパイロットバーナがないものはメーンバーナ(以下,パイロットバーナなどと
いう。)に点火されたことが,目視,鏡,電圧計,表示ランプなどによって,点火操作を行う場所で確
認できなければならない。ただし,6.13.1に規定する立消え安全装置を備えているもの,又は点火ヒ
ータなどによって不点火及び立消えを防止する機能をもつものはこの限りではない。
h) 点火動作が自動的に行われるものは,6.13.1に規定する立消え安全装置を備えていなければならない。
ただし,点火ヒータなどによって不点火及び立消えを防止する機能をもつものはこの限りではない。
i)
主要な機能部品の調整及び交換ができなければならない。
j)
使用中又は掃除のときに手を触れる部分の端部は,滑らかでなければならない。
k) 掃除,日常の手入れなどのために取外しを必要とする部分は,工具を用いず取外し及び取付けができ
なければならない。
l)
各部の取付けに用いるねじは,締付けが有効であり,保守点検のため取外しを必要とする部分は,繰
り返して使用できなければならない。
m) 壁,柱,床などに取り付けて使用する機器は,取付け及び取外しができ,通常の配管接続作業によっ
て異常が生じてはならない。
5.2
材料一般
機器に使用される材料は,通常の使用,保守条件において受ける可能性がある機械的,化学的及び熱的
作用に耐えるものであり,かつ,次の各項に適合しなければならない。
a) ガスを内包する部分の材料は,JIS S 2093の表19(材料試験)の1(耐熱性試験)によって試験を行
い,500 ℃(ねじ以外のガス接続口については350 ℃)で溶融しない不燃材料で,かつ,次のいずれ
かに適合する材料(以下,耐食性材料という。)でなければならない。ただし,パッキン類(ダイアフ
ラム及びゴム製弁体を含む。以下,同じ。),シール材(グリースを含む。以下,同じ。)などの気密保
持部材は,この限りではない。
1) 表5に示すもの,又はこれと同等以上の耐食性があるもの。
2) めっきを施した金属材料であって,JIS S 2093の表19の2 a)(金属材料の塩水噴霧試験)によって
24時間試験を行い,腐食がないこと又はレイティングナンバが9.8から6までの腐食面積率である
ことを確認したもの。
7
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3) 塗装による表面処理を施した金属材料であって,JIS S 2093の表19の2 b)(塗膜の塩水噴霧試験)
によって24時間試験を行い,さび,膨れ及びはく離がないことを確認したもの。
表5−耐食性のある金属材料
材料
JIS番号
鋳物
JIS H 5120
JIS H 5202
ダイカスト
JIS H 5301
JIS H 5302
ステンレス鋼材
JIS G 3446
JIS G 3459
JIS G 4303
JIS G 4304
JIS G 4305
JIS G 4308
JIS G 4313
JIS G 4314
表面処理鋼材
JIS G 3302
JIS G 3313
JIS G 3314
アルミニウム及び
アルミニウム合金材
JIS H 4000
JIS H 4040
JIS H 4080
JIS H 4090
JIS H 4100
銅及び銅合金
JIS C 3101
JIS C 3102
JIS H 3100
JIS H 3250
JIS H 3300
JIS H 3320
JIS G 5501の2 mm以上の肉厚のあるものは,耐食性のある材料とみ
なす。
b) ガスの通る部分に使用するパッキン類,シール材などの気密保持部材は,次による。
1) ゴム,プラスチックなどの材料は,JIS S 2093の表19の3 a)(ガスケット類一般)によって試験を
行い,質量変化率が20 %以内であり,かつ,使用上支障がある軟化,ぜい(脆)化などがあっては
ならない。また,ゴム(JIS B 2401に適合するものは除く。)は,JIS S 2093の表19の3 b)(ゴム製
のガスケット及び弁)によって試験を行い,n-ペンタンの1時間当たりの透過量が5 mg以下でなけ
ればならない。
2) シール材は,JIS S 2093の表19の3 c)(シール材)によって試験を行い,質量変化率がガス温度20 ℃
の場合10 %以内,ガス温度4 ℃の場合25 %以内でなければならない。
c) 導電材料は,銅,銅合金又はこれらと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安定性をもち,さびにく
いものでなければならない。ただし,弾性を必要とする部分,その他構造上やむを得ない部分に使用
するもので,危険が生じるおそれがないときは,この限りではない。
8
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) ガス通路,燃焼部及び電装部近傍に使用する保温材,断熱材などは,JIS S 2093の表19の5(保温材,
断熱材などの難燃性試験)によって試験を行い,燃えつきず,かつ,10秒以内に消火しなければなら
ない。ただし,保温材,断熱材などが燃焼した場合において,感電,火災などの危険が生じるおそれ
がないものは,この限りではない。
5.3
屋内式機器の給排気方式別の構造,材料及び寸法
5.3.1
開放式の機器
開放式の機器の表示ガス消費量は,個別規格に規定する値以下でなければならない。
5.3.2
自然排気式(CF)の機器
自然排気式の機器は,次による。
a) 設置上,構造上特に理由がない限り,表6に規定するいずれかの内径の排気筒が接続できる構造であ
り,かつ,15 mm以上の差込み代がなければならない。
表6−排気筒の内径
単位 mm
排気筒の呼び
70
75
80
90
100
110
120
130
140
160
180
200
250
排気筒の内径
70
75
80
90
100
110
120
130
140
160
180
200
250
b) 逆風止めを備えていなければならない。
5.3.3
強制排気式(FE)の機器
強制排気式の機器は,次による。
a) 6.13.2に規定する排気閉そく安全装置又は6.13.3に規定する過大風圧安全装置を備えていなければな
らない。
b) 6.13.5に規定する送風機停止安全装置を備えていなければならない。
c) 排気筒接続口は,排気筒が確実に接続でき,かつ,容易に外れないよう固定できる構造でなければな
らない。
5.3.4
密閉式(BF,FF)の機器
密閉式の機器は,次による。
a) 気密構成部の材料は,不燃性の耐食性材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール材など
の気密保持部材及び熱的影響を受けない箇所にあり,かつ,振動などの機械的影響を受ける給気部の
部材は不燃性でなくてもよい。
b) バランス外壁式(BF-W),バランスダクト式(BF-D),強制給排気外壁式(FF-W)及び強制給排気ダ
クト式(FF-D)の給排気筒トップ,並びにバランスチャンバ式(BF-C)及び強制給排気チャンバ式(FF-C)
の給気筒トップ及び排気筒トップは,6.9に規定するものでなければならない。
c) 強制給排気外壁式(FF-W)の機器の排気筒接続口は,排気筒が確実に接続でき,かつ,容易に外れな
いよう固定できる構造でなければならない。また,給気筒接続口は,給気筒が確実に接続でき,かつ,
容易に外れないよう固定できる構造でなければならない。
5.4
屋外式機器の構造,材料及び寸法
屋外式の機器は,次による。
a) ケーシング及び給排気部内に異物(直径16 mmの鋼球)が入らない構造でなければならない。
b) ケーシングの材料は,不燃性の耐食性材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール材など
9
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
の気密保持部材,取っ手,操作部,及び通常使用時に熱的影響を受けるおそれがない部分は不燃性で
なくてもよい。
5.5
設置形態別の構造及び材料
5.5.1
卓上形の機器
卓上形の機器は,次による。
a) 機器底面周辺部以外の部分又は足以外の部分が直接,台などに接してはならない。ただし,使用上支
障がない部分はこの限りではない。
b) 転倒するおそれがあるものは,JIS S 2093の表18(構造試験)の2(傾斜転倒試験)によって試験を
行い,いずれの方向に傾けても15度以下の角度では倒れず,かつ,火災のおそれがある部分の移動又
は脱落があってはならない。
c) 排気口を上部に開口する機器は,排気口が容易にふさがれないか,又は排気口をふさがないよう明示
しなければならない。
5.5.2
据置形の機器及びキャビネット形の機器
据置形の機器及びキャビネット形の機器は,次による。
a) 機器底面周辺部以外の部分又は足以外の部分が直接,台又は床面に接してはならない。ただし,使用
上支障がない部分はこの限りではない。
b) 転倒するおそれがあるものは,JIS S 2093の表18の2によって試験を行い,いずれの方向に傾けても
15度以下の角度では倒れず,かつ,火災のおそれがある部分の移動又は脱落があってはならない。
c) 排気口を上部に開口する機器は,排気口が容易にふさがれないか,又は排気口をふさがないよう明示
しなければならない。
d) 燃焼ガスが機器の背面及びバックガードの頂上面から排出される構造であってはならない。ただし,
排気口がふさがれるおそれがなく,かつ,機器の後面の壁面が過熱するおそれがない措置が施されて
いるものはこの限りではない。
e) 排気口をバックガードに設ける機器は,排気口の上端とバックガードの頂上面との距離が20 mm以上
離れていなければならない。
f)
調理台などと並べて設置する機器は,機器の高さ(床面からトッププレートまでの高さ)が,保安上
又は使用上特に支障がある場合を除き,800 mm又は850 mmでなければならない。
5.5.3
組込形の機器
組込形の機器は,次による。
a) 排気口を上部に開口する機器は,排気口が容易にふさがれないか,又は排気口をふさがないよう明示
しなければならない。
b) 排気口をバックガードに設ける機器は,排気口の上端とバックガード頂上面との距離が20 mm以上離
れていなければならない。
c) 構造物又は工作物の内部に入る部分にあっては,ケーシング部をもたなければならない。
d) 構造物又は工作物に固定される構造でなければならない。
5.6
設定時間になると自動的に運転を開始する機能をもつ機器
設定時間になると自動的に運転を開始する機能をもつ機器は,次による。
a) ガス接続口は,6.1 b) に規定するねじ又は6.1 e) に規定する器具コンセントでなければならない。
b) バーナへのガス通路は,機器の待機の状態において,直列に設けられた2個以上の弁によって閉ざさ
れていなければならない。
10
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
なお,この場合一つのバーナへのガス通路に直列に設けられた2個以上の弁のうち,少なくとも1
個の弁は,その機能が独立したものでなければならない(図1参照)。
電磁弁Aと電磁弁Bとの機能が独立でなければならない。
a) メーンバーナへのガス通路が一つの場合の例
電磁弁Aと電磁弁Cとの機能が独立であって,かつ,電磁弁Bと電磁弁Cとの機能が独立で
なければならない。
なお,この場合,電磁弁Aと電磁弁Bとは機能が独立である必要はない。
b) メーンバーナへのガス通路が二つに分岐されている場合の例
図1−設定時間になると自動的に運転を開始する機能をもつ機器の電磁弁の配列の例
c) b) に規定する弁は,直列に設けられた全数が閉ざされた状態において,JIS S 2093の表7(ガス通路
の気密試験)によって試験を行ったとき,それらの弁を通して漏れる空気量が70 mL/h以下のもので
なければならない。
d) 6.13.4に規定する過熱防止装置を備えていなければならない。
6
部品の構造,材料及び寸法
6.1
ガス接続口
ガス接続口は,次による。
a) ガス接続口は,保安上又は使用上特に支障がある場合を除き,外部に露出しているか,又は外部から
容易に目視できる位置になければならない。
b) ガス接続口に使用するねじは,JIS B 0203に規定するものでなければならない。
c) ねじ接続するガス接続口は,通常の配管工具で接続作業ができる位置にあり,接続のときにガス通路
の気密性を損なう緩み,変形などが生じてはならない。
d) ガス接続口に使用するゴム管口は,形状及び寸法が図2に示すいずれかによるものとし,ゴム管の抜
き差しによってガス通路の気密性を損なう緩み,変形などが生じてはならない。
e) 器具コンセントの形状及び寸法は,図3に示すいずれかによるものとし,次による。
11
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) JIS S 2135に規定するガス機器用迅速継手との着脱が円滑,かつ,確実にできなければならない。
2) 通常の使用操作で気密性を損なう緩み,変形などが生じてはならない。
3) JIS S 2093の表18の3 a)(異常時気密試験)によって試験を行ったとき,接続部からの漏れ量が70
mL/h以下でなければならない。
4) JIS S 2093の表18の3 b)(引張力試験)によって試験を行ったとき,離脱及び使用上支障がある欠
陥を生じず,かつ,接続部からの漏れ量が70 mL/h以下でなければならない。
単位 mm
a) 9.5 mmゴム管口
b) 13 mmゴム管口
○aの部分のかどを取らなければならない。
○bの部分に溝を設け,溝の部分を赤く塗らなければならない。
補強のため,入り隅部にはRを付けてもよい。
許容差の指定がない寸法の許容差は,JIS B 0405の粗級によらなければならない。ただし,R寸法及び括弧
内の寸法は,参考値とする。
図2−ゴム管口の形状及び寸法
12
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
a) 16 mmソケット
b) 11 mmプラグ
○aは,プラグの弁を押すための棒(以下,弁押棒という。)の最大外接円の径を示し,
弁押棒がプラグの弁に接触する面から1 mm以内の部分をいう。
図3−器具コンセントの形状及び寸法
6.2
器具栓
器具栓は,JIS S 2150又はJIS S 2151に適合するものでなければならない。
6.3
パイロットガス導管
パイロットガス導管に銅管を用いるものは,内面に表面処理を施すか,又は内径が呼び2 mm以上ある
ものでなければならない。
6.4
予備ガス栓
予備ガス栓は,過流出防止機構を備えていなければならない。
6.5
ノズル
ノズルは,次による。
a) 一般に取外し及び取付けができなければならない。
b) 外部からのじんあい(塵埃),異物の付着などで容易に詰まらない位置に設けるか,又は容易に詰まら
ないものでなければならない。
6.6
バーナ及び点火バーナ
バーナ及び点火バーナは,次による。
a) かしめ部,溶接部,及びその他の箇所に使用上支障がある欠点があってはならない。
b) 炎口は,燃焼に影響を与える変形があってはならない。
c) ほうろうによる表面処理を施したバーナは,JIS S 2093の表19の4(鋼球衝撃試験)によって試験を
行ったとき,ほうろう部分にはく離があってはならない。
6.7
空気調節器
ブンゼンバーナの空気調節器は,次による。
13
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 通常の使用状態で設定位置が変化してはならない。
b) 可変式空気調節器のつまみは,容易に操作が行える位置にあり,操作が円滑,かつ,確実にできなけ
ればならない。
c) 材料は,JIS S 2093の表19の1によって500 ℃で溶融しないことを確認したもので,かつ,不燃性の
耐食性材料でなければならない。
6.8
燃焼ガスの通る部分
燃焼ガスの通る部分の材料は,不燃性の耐食性材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール
材などの気密保持部材,及び排湿管などの部材は不燃性でなくてもよい。
6.9
給排気筒トップ,給気筒トップ及び排気筒トップ
6.9.1
外壁式
バランス外壁式(BF-W)及び強制給排気外壁式(FF-W)の機器に用いる給排気筒トップは,次による。
a) 屋外に出る開口部は,防鳥構造(直径16 mmの鋼球が入らない構造)でなければならない。
b) 設置した状態で屋外の開口部から炎が見えてはならない。
c) 燃焼ガスが直接,取付壁面に当たってはならない。
d) 材料は,不燃性の耐食性材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール材などの気密保持部
材などは不燃性でなくてもよい。
6.9.2
ダクト式
バランスダクト式(BF-D)及び強制給排気ダクト式(FF-D)の機器に用いる給排気筒トップは,次によ
る。
a) 燃焼ガスが直接,取付壁面に当たってはならない。
b) 材料は,不燃性の耐食性材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール材などの気密保持部
材などは不燃性でなくてもよい。
6.9.3
チャンバ式
バランスチャンバ式(BF-C)及び強制給排気チャンバ式(FF-C)の機器に用いる給気筒トップ及び排気
筒トップは,次による。
a) 専用給排気室(チャンバ)内に出る給気筒トップの開口部及び開放廊下に出る排気筒トップの開口部
は,防鳥構造(直径16 mmの鋼球が入らない構造)でなければならない。
b) 設置した状態で専用給排気室(チャンバ)内に出る給気筒トップの開口部及び開放廊下に出る排気筒
トップの開口部から炎が見えてはならない。
c) 燃焼ガスが直接,取付壁面に当たってはならない。
d) 材料は,不燃性の耐食性材料でなければならない。ただし,パッキン類,シール材などの気密保持部
材などは不燃性でなくてもよい。
6.10 電気点火装置
6.10.1 放電点火装置
放電火花を利用して点火を行うものは,次による。
a) 電極部は,常時黄炎が触れない位置になければならない。
b) 電極は,電極間げき(隙)が通常の使用状態で変化しないよう固定されていなければならない。
c) 高圧配線の充電部と非充電金属部との間は,電極間げき以上の十分な空間距離が保たれているか,又
は点火動作時に漏電することがない有効な電気絶縁措置が施されていなければならない。
d) 通常の使用において,手を触れるおそれがある高圧配線の部分には,有効な電気絶縁被覆が施されて
14
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
いなければならない。
6.10.2 ヒータ点火装置
点火ヒータを利用して点火を行うものは,次による。
a) 点火ヒータは,取付位置が容易に変化しないよう保持されていなければならない。
b) 点火ヒータなどの消耗品は,交換が容易でなければならない。
6.11 点火及び/又は消火タイマ
点火時間及び/又は消火時間を任意に設定できるタイマは,時間設定が容易であり,かつ,確実にでき
なければならない。
6.12 サーモスタット
サーモスタットは,次による。
a) 温度可変形のものは,温度設定が容易であり,かつ,確実にできなければならない。
b) 器具栓と兼用するものは,通常,“開”操作方向に従って順次設定温度が高温とならなければならない。
6.13 安全装置
6.13.1 立消え安全装置
立消え安全装置は,次による。
a) パイロットバーナなどが点火しない場合,及び立消え,吹消えなどによって燃焼しない場合に,バー
ナへのガス通路を,個別規格に規定する時間内に自動的に閉ざさなければならない。
b) 炎検出部が損傷した場合に,自動的にバーナへのガス通路を閉ざさなければならない。
c) 炎検出部は,パイロットバーナなどとの関係位置が通常の使用状態で変化することのないよう保持さ
れていなければならない。
6.13.2 排気閉そく安全装置
排気閉そく安全装置は,JIS S 2093の表28[強制排気式(FE)機器の試験]の6.2(排気閉そく安全装
置)によって試験を行い,排気口を閉そくしたとき,排気口以外に燃焼ガスが流出したときから5分以内
(温水機器にあっては1分以内)に自動的にバーナへのガス通路を閉じ,その状態のままでは自動的にバ
ーナへのガス通路が再び開かない構造でなければならない。また,排気口を閉そくしたときからガス通路
を閉ざすまでの間に,バーナの炎が不安定になってはならない。
6.13.3 過大風圧安全装置
過大風圧安全装置は,JIS S 2093の表28の6.3(過大風圧安全装置)によって試験を行い,排気筒トッ
プに過大な風圧が加わった場合に,バーナの炎が不安定になる以前又は不安定になったときに自動的にバ
ーナへのガス通路を閉ざす構造でなければならない。
6.13.4 過熱防止装置
過熱防止装置は,次による。
a) 機器本体又は機器周辺が過熱する以前に自動的にバーナへのガス通路を閉ざさなければならない。
b) 温度が平常に戻っても自動的にバーナへのガス通路が再び開いてはならない。
c) バイメタルサーモスイッチを用いる場合は,JIS S 2149に適合するものでなければならない。
6.13.5 送風機停止安全装置
送風機停止安全装置は,JIS S 2093の表28の6.4(送風機停止安全装置)によって試験を行い,送風機
が停止したときから1分以内に自動的にバーナへのガス通路を閉じ,その状態のままでは自動的にバーナ
へのガス通路が再び開かない構造でなければならない。また,送風機が停止したときからガス通路を閉ざ
すまでの間に,バーナの炎が不安定になってはならない。
15
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
電源使用機器の構造
電源を使用する機器の構造は,次による。
a) 家庭用電源を使用する機器は,通常,定格電圧は単相100 Vとし,定格周波数は50 Hz,60 Hz又は
50 Hz/60 Hzとする。
b) 直流電源を使用する機器に用いる乾電池は,通常,JIS C 8515に規定するものとし,交換が容易にで
きなければならない。
c) 電気装置及び配線は,熱的影響が少ない位置に設けなければならない。
d) 電気装置の作動は,円滑,かつ,確実でなければならない。
e) 電源電線は,次による。
1) JIS C 3301,JIS C 3306,JIS C 3312及びJIS C 3327に規定するもの,又はこれらと同等以上のもの
を用い,その公称断面積は,0.75 mm2以上でなければならない。
2) 電源電線の接続端に用いる差込プラグは,JIS C 8303又はJIS C 8358に規定するものでなければな
らない。
3) 通常の使用中に温度が100 ℃を超える部分に触れるおそれがある電源電線又は分岐点の温度が
80 ℃を超える電源電線には,ビニルコード,ビニルキャブタイヤコード及びビニルキャブタイヤケ
ーブル以外のものを使用しなければならない。
f)
電源電線の貫通口は,保護スプリング又は保護ブッシングなどを備えるか,面取りなどの保護加工を
行うなど,電源電線が損傷するおそれがない保護措置が施されていなければならない。
g) 電源電線など(固定して使用するものであって,取り付けた状態で外部に露出しないものを除く。)に
機器本体の外方に向かって機器本体の質量の値の3倍の値(機器本体の質量の値の3倍の値が10 kg
を超えるものにあっては100 N,機器本体の質量の値の3倍の値が3 kg未満のものにあっては30 N)
の張力を連続して15秒間加えたとき及び機器本体の内部に向かって電源電線などの機器側から5 cm
の箇所を保持して押し込んだとき,電源電線などと内部端子との接続部に張力が加わらず,かつ,ブ
ッシングなどが外れてはならない。
h) 機器内の電気配線は,次による。
1) 通常の輸送,設置,使用などにおいて被覆の損傷などが生じてはならない。
2) 配線に使用する導線は,できるだけ短く配線し,必要な箇所には,絶縁,防熱保護,固定などの措
置が施されていなければならない。
3) 配線に2 Nの力を加えた場合に高温部に接触するおそれがあるものは,接触したとき異常を生じる
おそれがあってはならない。
4) 配線に2 Nの力を加えたときに可動部に接触するおそれがあってはならない。
5) 被覆がある電線を固定する場合,貫通口を通す場合,又は2 Nの力を加えたときに他の部分に接触
する場合は,被覆を損傷しないようにしなければならない。
6) 接続器によって接続したものは,5 Nの力を接続した部分に加えたとき外れてはならない。
i)
充電部は,JIS S 2093の表20(電気関係試験)の8(テストフィンガ試験)によって試験を行い,テ
ストフィンガが充電部に接触してはならない。ただし,次に示す充電部にあってはこの限りではない。
1) 取り付けた状態で容易に人に触れるおそれがない取付面の充電部。
2) 質量が40 kgを超える機器の底面の開口部から40 cm以上離れている充電部。
3) 定格電圧が150 V以下であって,かつ,通電した場合に赤熱する発熱体。
4) 構造上充電部を露出して使用することがやむを得ない機器の露出する充電部で,絶縁変圧器に接続
16
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
された二次側の回路の対地電圧及び線間電圧が交流の場合は30 V以下のもの又は直流の場合は45
V以下のもの,並びに1 kΩの抵抗を対地間及び線間に接続した場合に,その抵抗に流れる電流が商
用周波数以上の周波数において感電の危険を生じるおそれがない場合を除き,1 mA以下のもの。
5) 放電電極
j)
接地用端子及び接地線(接地用口出し線を含む。)は,次による。
1) 接地用端子は,接地線を容易に,かつ,確実に取り付けることができ,接地用端子ねじの呼び径は,
4 mm以上(押し締めねじ形のものにあっては,3.5 mm以上)でなければならない。
2) 接地線は,次のいずれかに適合するものでなければならない。
2.1) 直径が1.6 mmの軟銅線,又はこれと同等以上の強さ及び太さをもち容易に腐食しにくい金属線。
2.2) 断面積が1.25 mm2以上の単心コード又は単心キャブタイヤケーブル。
2.3) 断面積が0.75 mm2以上の2心コードであって,その2本の導体を両端でより合わせ,かつ,ろう
付け又は圧着したもの。
2.4) 断面積が0.75 mm2以上の多心コード(より合わせコードを除く。)又は多心キャブタイヤケーブル
の線心の一つ。
k) 電気部品及び附属品の定格電圧,定格電流及び許容電流は,これらに加わる最大電圧又はこれらに流
れる最大電流以上でなければならない。
8
表示
8.1
製品表示
機器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) 製造業者の機器の形式の呼び
b) 使用ガス名(液化石油ガス用機器には“LPガス用”,都市ガス用機器には“都市ガス”及び“適用ガ
スグループ名”。ただし,“適用ガスグループ名”はガス事業法に基づくガス用品の技術上の基準等に
関する省令に掲げるガスグループの記号を用いなければならない。)
例 都市ガス13A用,都市ガスL1(6B,6C,7C用)
c) ガス消費量(kW)。ただし,機器をガス消費量が最も多い状態で使用したときのガス消費量を表示し
なければならない。
d) 定格電圧(V)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
e) 定格消費電力(W)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
f)
定格周波数(Hz)(家庭用電源を使用する機器に限る。)
g) 製造年月又はその略号
h) 製造番号又はロット番号
i)
製造業者名又はその略号
j)
設置方式及び屋内式の給排気方式の呼称又はその略号。ただし,“設置方式”の表示は,屋外式だけ“屋
外式”と表示しなければならない。また,“屋内式の給排気方式の呼称又はその略号”の表示は,半密
閉式及び密閉式のものについて表示しなければならない。
8.2
取扱表示
8.2.1
操作表示
点火,消火,調節など使用操作が容易に判断できないものにあっては,機器の見やすい箇所に,容易に
消えない方法で,その使用操作の方法を簡潔明りょうに表示しなければならない。
17
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.2.2
取扱注意表示
機器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) 取扱説明書に従って使用する旨の注意
b) 機器に表示されているガス以外のガスを使用しない旨の注意(移動形のものに限る。)
c) 点火・消火を確認する旨の注意(点火・消火の操作を行う場所で確認できるものに限る。)
d) 排気温度が260 ℃を超えるものにあっては,その旨の注意及び設置上の注意事項(半密閉式及び密閉
式のものに限る。)
e) 換気に関する事項(開放式及び半密閉式のものに限る。)
f)
点検・掃除に関する事項(使用者が容易に点検・掃除できるものに限る。)
g) 可燃物からの離隔距離[製造業者の指定する可燃物からの離隔距離が,個別規格の“機器と測温板と
の間隔”に規定する測温板(木壁)との離隔距離未満の場合に限る。]
9
取扱説明書
機器には,次の事項を記載した取扱説明書などを添付しなければならない。
a) 機器の取扱いに当たって特に注意すべき事項
1) 使用ガス及び適用ガスグループに関する注意事項
2) 使用する場所,位置についての注意事項及び防火上の注意事項
3) 使用上の注意事項
b) 機器の設置の要領に関する事項
1) ガス用ゴム管の接続などガス接続及びその要領並びに注意事項
2) 部品の組立て,取付けなどを必要とするものは,その要領及び注意事項
3) 防熱板を使用する場合には,その設置の要領及び注意事項
4) 換気設備,排気筒,給排気筒などを必要とするものは,その設置の要領及び注意事項
5) 家庭用電源を使用するものは,電源接続などの要領及び注意事項
6) 排気温度が260 ℃を超えるものは,排気温度及びその設置上の注意事項(半密閉式及び密閉式のも
のに限る。)
c) 機器の使用方法に関する事項
d) 日常の点検・掃除に関する事項(点検・掃除を必要とする部分の点検・掃除方法)
e) 簡単な故障・異常の場合の見分け方及びその処置方法に関する事項
f)
故障,修理などの連絡先に関する事項
g) 機器の仕様に関する事項
18
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図4−開放式
図5−自然排気式(CF)
図6−強制排気式(FE)
図7−バランス外壁式(BF-W)
19
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図8−バランスチャンバ式(BF-C)
図9−バランスダクト式(BF-D)
図10−強制給排気外壁式(FF-W)
図11−強制給排気チャンバ式(FF-C)
20
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図12−強制給排気ダクト式(FF-D)
図13−屋外式(RF)
図14−卓上形(ガスグリル付こんろの例)
図15−据置形(ガスオーブンの例)
21
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図16−壁掛形(ガス瞬間湯沸器の例)
図17−つり下げ形(ガスストーブの例)
図18−組込形(ガスグリル付こんろの例)
22
S 2092:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図19−キャビネット形(ガスグリル付こんろの例)