S 2073:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 標準使用条件 ··················································································································· 3
5 標準加速モード ················································································································ 3
5.1 標準加速モードによる試験方法 ························································································ 3
5.2 年間燃焼回数 ················································································································ 4
6 試験条件························································································································· 4
6.1 暖房機の設置状態及び使用状態 ························································································ 4
6.2 試験用燃料 ··················································································································· 4
6.3 電源・環境条件 ············································································································· 4
6.4 火力 ···························································································································· 4
附属書A(参考)年間燃焼回数決定のためのシミュレーション設定条件 ·········································· 5
附属書B(参考)ターンダウンレシオ(TDR)と年間燃焼回数との関係 ·········································· 8
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ガス石油機器工業会(JGKA)か
ら,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,
経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格
JIS
S 2073:2009
家庭用密閉燃焼式石油温風暖房機の標準使用条件,
標準加速モード及び試験条件
Standard use conditions, standard acceleration mode and test conditions for
domestic direct vent type oil burning space heater
序文
消費生活用製品安全法が2007年11月21日付けで改正され,経年劣化による事故を未然に防止するため
長期使用製品安全点検制度が導入され,その対象となる特定保守製品として,密閉燃焼式石油温風暖房機
など9品目が政令で指定された。
この規格は,特定保守製品のうち密閉燃焼式石油温風暖房機について,標準的な使用条件の下で使用し
た場合に安全上支障がなく使用することができる標準的な期間としての設計標準使用期間を設定するため
の標準使用条件,標準加速モード及び試験条件について規定したものである。
なお,加速試験のため,本来の稼働時間の耐久性を確認できない部品については,別途部品ごとに確認
する必要がある。
1
適用範囲
この規格は,灯油を燃料とし,燃料消費量1) が12 kW以下の家庭用密閉燃焼式石油温風暖房機2)(以下,
暖房機という。)の設計標準使用期間を定めるときに用いる標準使用条件,標準加速モード及び試験条件に
ついて規定する。
注1) 燃料消費量とは,油量調節装置を最大にしたときに燃焼する燃料の量を1時間当たりで表示し
たものをいい,バーナが2個以上ある場合は,その総和をいう。
2) 密閉燃焼式石油温風暖房機とは,JIS S 2031に規定する密閉式石油ストーブの強制対流形のも
のをいう。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2203 灯油
JIS S 2031 密閉式石油ストーブ
JIS S 2091 家庭用燃焼機器用語
JIS S 3031 石油燃焼機器の試験方法通則
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS S 2091によるほか,次による。
2
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3.1
設計標準使用期間
標準的な使用条件の下で使用した場合に,安全上支障がなく使用することができる標準的な期間として
設計上設定される期間。
3.2
標準使用条件
建物断熱性能,使用地域,暖房設定条件などによって,暖房スケジュール,年間使用時間などの標準的
な数値によって設定した条件。
3.3
標準加速モード
標準使用時間を基礎として,最大燃焼時間,停止時間について加速試験を行い,暖房機の設計標準使用
期間を求めるためのモードについて詳細に定めたもの。
3.4
暖房スケジュール
暖房機使い始め,春先の時期,一番寒い時期及びそれ以外の時期において定めた暖房日数,暖房時間な
ど。
3.5
ターンダウンレシオ(TDR)(turn down ratio)
暖房機の最大燃焼時の定格暖房出力に対する最小燃焼時の定格暖房出力の比率。
3.6
コールドスタート
器具の熱交換器の温度が室温程度にまで低下している状態から暖房を開始する状態。運転スイッチを操
作することによる暖房開始を表す。
3.7
ホットスタート
器具の熱交換器の温度が室温ほどには低下していない状態から暖房を開始する状態。室温上昇時に自然
消火した後に,室温が低下して暖房機が自動的に行う暖房開始を表す。
3.8
合計年間燃焼回数
暖房機が1年間で行う運転回数。対象とする暖房機のターンダウンレシオ(TDR)によって異なる。合
計年間燃焼回数は,コールドスタート状態の年間燃焼回数とホットスタート状態の年間燃焼回数とで構成
される。
3
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4
標準使用条件
暖房機の標準使用条件は,表1による。
表1−暖房機の標準使用条件
項目
標準使用条件
暖房スケジュール
・暖房機使い始め及び春先の時期(30日)
平日 8.3時間/日 休日 8.4時間/日
・一番寒い時期(121日)
平日 15.5時間/日 休日 16.6時間/日
・それ以外の時期a)(30日)
平日 11.9時間/日 休日 12.5時間/日
年間使用時間
2 500時間
注a) それ以外の時期の平均時間は,暖房機使い始め及び春先の時期の
平均時間並びに一番寒い時期の平均時間を平均したものである。
5
標準加速モード
5.1
標準加速モードによる試験方法
標準加速モードは,図1によって,最大燃焼及び停止の組合せを1サイクル(これを燃焼回数1回とす
る。)とし,これを繰り返す。
→
暖
房
出
力
最
大
燃
焼
停
止
最
大
燃
焼
停
止
最
大
燃
焼
停
止
最大燃焼
時間
停止
時間
最大燃焼
時間
停止
時間
最大燃焼
時間
停止
時間
最大燃焼及び停止で1サイクル
→時間
図1−暖房機の標準加速モード
5.1.1
最大燃焼時間
最大燃焼時間は,JIS S 3031の6.2(各部の温度上昇試験)に準じて測定した暖房機の熱交換器の温度が
最高到達温度と室温との温度差の90 %に達する時間とする。
5.1.2
停止時間
停止時間は,次による。
a) コールドスタート状態の停止時間 コールドスタート状態の停止時間は,JIS S 3031の6.2に準じて測
定した暖房機の熱交換器の温度が最高到達温度と室温との温度差の90 %まで低下する時間とする。
4
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b) ホットスタート状態の停止時間 ホットスタート状態の停止時間は,JIS S 3031の6.2に準じて測定し
た暖房機の熱交換器の温度が最高到達温度と室温との温度差の80 %まで低下する時間とする。
5.2
年間燃焼回数
5.2.1
合計年間燃焼回数
1年間の燃焼回数は,次の式によって求める。
なお,1年間の燃焼回数決定のためのシミュレーション設定条件は,附属書Aによる。
238.4
1
114.91
7
4.390
0.037
2
3
total
+
×
×
+
×
=
TDR
TDR
TDR
S
−
−
ここに,
Stotal: 年間燃焼回数(回/年)
TDR:
100
M
m×
Q
Q
(%)
Qm:最小燃焼時の定格暖房出力(kW)
QM:最大燃焼時の定格暖房出力(kW)
5.2.2
コールドスタート状態の年間燃焼回数
コールドスタート状態の年間燃焼回数は,試験暖房機のターンダウンレシオ(TDR)によらず245回/
年とする。
5.2.3
ホットスタート状態の年間燃焼回数
ホットスタート状態の年間燃焼回数は,次の式によって求める。
cold
total
hot
S
S
S
−
=
ここに,
Shot: ホットスタート状態の年間燃焼回数(回/年)
Scold: コールドスタート状態の年間燃焼回数(回/年)
6
試験条件
6.1
暖房機の設置状態及び使用状態
暖房機の設置状態及び使用状態は,機器別の規格に特に指定がない場合には,製造業者の指定する状態3)
(取扱説明書などに示す状態)とする。また,給排気筒は製造業者の指定する標準状態とする。ただし,
試験の項目によって,試験結果に影響を及ぼさない場合には,これによらなくてもよい。
なお,加速試験を行うために,暖房機の強制的な冷却,試験結果に影響を及ぼさない改造,例えば,自
動運転の改造,制御装置の信号系を外部制御する改造などについては,差し支えない。
注3) 出荷状態のことをいう。
6.2
試験用燃料
試験用の燃料は,製造業者の指定する灯油とし,JIS K 2203の規定に適合するものとする。
6.3
電源・環境条件
電源・環境条件は,次による。
a) 電源については,機器に指定されているものを用いる。
b) 気温,湿度などについては,自然大気条件とする。
6.4
火力
暖房機の火力は,取扱説明書などに示す最大燃焼状態とする。
5
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附属書A
(参考)
年間燃焼回数決定のためのシミュレーション設定条件
A.1 設定条件
暖房機の1年間の燃焼回数決定のためのシミュレーション設定条件は,表A.1及び図A.1による。
表A.1−設定条件
項目
主な設定条件
暖房期間
6か月
建物断熱性能
使用地域における平成4年基準に準拠
使用地域
北海道[代表都市は札幌(Ⅰ地域)]
換気回数
1回/h
暖房設定条件
22 ℃
暖房スケジュール
使用する部屋:居間
・暖房機使い始め及び春先の時期(30日)
平日 8.3時間/日 休日 8.4時間/日
・一番寒い時期(121日)
平日 15.5時間/日 休日 16.6時間/日
・それ以外の時期a)(30日)
平日 11.9時間/日 休日 12.5時間/日
年間使用時間
2 500時間
気象データ
拡張アメダス気象データ(1991−2000年版 標準)
注a) それ以外の時期の平均時間は,暖房機使い始め及び春先の時期の
平均時間並びに一番寒い時期の平均時間を平均したものである。
A.2 詳細設定条件
A.2.1 モデル住宅プラン
シミュレーションに用いたモデル住宅の平面図は,図A.1に示す延床面積106 m2の木造,総2階を想定
した。室は8室で構成され,暖房室はそのうちの4室である。
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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単位 mm
納戸
13.25m2
子供部屋北
13.25m2
寝室
13.25m2
子供部屋南
13.25m2
水周り
13.25m2
厨房
13.25m2
和室
6.62m2
居間
19.87m2
:暖房室
a)1階
b)2階
7 280
7
2
8
0
5 460
1 820
:対象室
単位mm
1
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
4
1
1
1
W(窓幅)1 800×H(高さ)2 000
2
W
1 800×H
1 200
3
W
1 700×H
2 000
4
W
1 100×H
2 000
7
2
8
0
図A.1−モデル住宅の平面図
A.2.2 計算時間間隔
計算時間間隔は,20分間を想定した。拡張アメダス気象データは1時間間隔であることから,直線補間
して用いた。
A.2.3 断熱仕様
断熱仕様は,表A.2による。
表A.2−想定した部位ごとの熱貫流率及び断熱材厚さ
単位 W/m2・K
部位
熱貫流率(断熱材厚さ)
天井
0.24(210 mm)
外壁
0.45( 94 mm)
床
0.43( 74 mm)
開口部
2.33
注記 括弧内は熱貫流率から逆算した断熱材厚さ。想定した断
熱材はグラスウールで,密度は10 kg/m3のものである。
A.2.4 建物周囲環境
建物の周囲環境による日射の影響を考慮し,窓の透過日射及び壁面の日射吸収率を物性値の半分とした。
A.2.5 暖房機の制御方法
暖房機は室温が22 ℃となるように,暖房出力を制御する。暖房機の最小出力以下の熱需要となった場
合には,室温が25 ℃となるまでは最小出力で運転し25 ℃を超えると停止する。
7
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A.2.6 シミュレーションプログラム
シミュレーションには,建築熱環境制御システムのはん(汎)用シミュレーションプログラムを用いる。
注記 代表的なはん(汎)用シミュレーションプログラムに,EESLISM 5.0がある。
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附属書B
(参考)
ターンダウンレシオ(TDR)と年間燃焼回数との関係
ターンダウンレシオ(TDR)と年間燃焼回数との関係は,図B.1による。
図B.1−ターンダウンレシオ(TDR)と年間燃焼回数との関係
参考文献 EESLISM5.0:工学院大学建築学科宇田川研究室で開発され,現在,同研究室のWebサイト
(http://ees.arch.kogakuin.ac.jp/)から無償でダウンロードすることができる。