S 2071:2008
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 給湯機器の標準使用条件 ···································································································· 4
5 区分······························································································································· 4
5.1 使用用途による区分 ······································································································· 4
5.2 非出湯時の燃焼区分 ······································································································· 4
6 標準加速モード ················································································································ 5
6.1 非出湯時に燃焼しない機器及びパイロットバーナをもつ機器の場合 ········································· 5
6.2 非出湯時にも断続燃焼する機器の場合 ················································································ 7
7 試験条件 ························································································································· 9
7.1 給水温度 ······················································································································ 9
7.2 給湯機器の設置状態及び使用状態······················································································ 9
7.3 貯湯式給湯機器の貯湯温度······························································································· 9
7.4 出湯温度 ····················································································································· 10
7.5 出湯流量の算出 ············································································································ 10
7.6 試験用燃料 ·················································································································· 11
7.7 電源・その他環境条件 ··································································································· 11
7.8 試験装置 ····················································································································· 11
附属書A(参考)標準使用モード ··························································································· 12
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ガス石油機器工業会(JGKA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
S 2071:2008
家庭用ガス温水機器・石油温水機器の
標準使用条件及び標準加速モード
並びにその試験条件
Standard use conditions, standard acceleration mode and test conditions
for domestic gas and oil water heater
序文
2007年11月21日の消費生活用製品安全法改正(2009年4月1日施行)に伴い経年劣化による事故を未
然に防止するため長期使用製品安全点検制度が導入され,その対象となる特定保守製品に,ガス瞬間湯沸
器(屋内式)等が指定された。この規格は,特定保守製品のうちガス瞬間湯沸器(屋内式)及び石油給湯
機等の家庭用ガス温水機器・石油温水機器について,同法に基づき,経年劣化により安全上支障がなく使
用することができる標準的な期間として設計上設定される設計標準使用期間を設定するための原単位の標
準使用条件,標準加速モード及びその試験条件を決めたものである。
2003年から2006年まで社団法人日本ガス石油機器工業会は,経済産業省などから受託し,“運転モード
によるガス石油機器のエネルギー消費効率測定方法の標準化調査研究”を実施した。この標準化調査研究
では,一般家庭の給湯の標準使用について代表的な4人世帯の24時間の標準的な給湯の使用モードである
“標準使用モード(附属書Aを参照)”を提案した。この規格では,標準使用モードが一般的な家庭用ガ
ス・石油給湯機器の使用モードであることから,これを給湯機器の標準使用条件に用いた。その上で,加
速試験及び耐久試験として機器の評価試験条件として“標準加速モード”及び試験条件を定めたものであ
る。
なお,加速試験のため本来の稼働時間の耐久性を確認できない可動部品については,別途部品ごとに確
認する必要がある。
1
適用範囲
この規格は,ガス又は石油を燃料とする,室内に設置する家庭用ガス温水機器・石油温水機器(以下,
給湯機器という。)の設計標準使用期間を定めるときに用いる標準使用条件及び標準加速モード並びにその
試験条件について規定する。
この規格のガスを燃料とする給湯機器は,瞬間形とし,石油を燃料とする給湯機器は,瞬間形1) 又は貯
湯式2) であり次の機種に適用する。
a) 屋内式ガス瞬間湯沸器
b) 屋内式ガスふろがまの給湯機能をもつ機種の給湯部
c) 石油給湯機
注1) 熱交換部が管式のもので,JIS S 3031に規定する加熱速度の測定方法によって測定した加熱時
2
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間(以下,加熱時間という。)が45秒以内のものをいう。
2) 熱交換部が単缶(ドラム)構造で,熱交換器容量が50 L以下のものをいう。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2203 灯油
JIS K 2204 軽油
JIS K 2205 重油
JIS S 2091 家庭用燃焼機器用語
JIS S 2093 家庭用ガス燃焼機器の試験方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS S 2091によるほか,次による。
3.1
標準使用モード
4人世帯の平日,中間期(春又は秋)において,1日の各用途での給湯使用について,継続時間,停止時
間,使用流量について詳細に定めたもの(附属書Aを参照)。
3.2
標準使用条件
標準使用モードなどによって,温度,湿度その他の使用環境,電源電圧,運転負荷,運転時間その他の
使用条件及び運転回数その他の使用頻度などの標準的な数値によって設定した条件。
3.3
標準加速モード
標準使用条件を基礎として,継続時間,停止時間,使用流量,保温について加速試験を行い,給湯機器
の設計標準使用期間を求めるためのモードについて詳細に定めたもの。
3.4
設計標準使用期間
標準的な使用条件の下で使用した場合に,安全上支障がなく使用することができる標準的な期間として
設計上設定される期間。
3.5
用途
給湯使用のなされる水栓箇所のこと。この規格では,台所,洗面,シャワー及び湯はりの四つの用途を
定義している。
3.6
消費行為
給湯栓の開栓から閉栓までの連続した給湯。
3.7
使用量
標準加速モードに示された消費行為ごとの湯の総量。
3
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3.8
使用流量
単位時間当たりの使用量。
3.9
出湯流量
給湯機器から出湯される消費行為ごとの湯の単位時間当たりの出湯量。
3.10
保温模擬流量
保温試験を加速するときに行う断続出湯の使用流量。
3.11
継続時間
給湯栓を開栓してから閉栓するまでの時間。
3.12
停止時間
前消費行為で給湯栓を閉栓してから当該消費行為で給湯栓を開栓するまでの時間。
3.13
保温模擬出湯時間
非出湯時にも断続燃焼する機器において,加速試験のために短縮した非出湯時の保温燃焼を模擬するた
めに行う出湯時間。
3.14
保温模擬停止時間
非出湯時にも断続燃焼する機器において,加速試験のために短縮した非出湯時の保温燃焼を模擬するた
めに行う停止時間。
3.15
使用温度
標準加速モードに示された給湯の各用途に適した湯の温度。この規格では,すべての用途で40 ℃とし
ている。
3.16
給水温度
給湯機器の給水接続口近傍の温度。
3.17
出湯温度
給湯機器の給湯接続口近傍の温度。使用温度が出湯温度とは異なる場合には,仮想的に給水と混合し使
用温度とする。
3.18
貯湯温度
非出湯時にも断続燃焼する機器における缶体の加熱設定温度。
3.19
連続出湯試験
非出湯時にも断続燃焼する機器において,保温時間を加速するために必要な諸特性を得るための試験。
4
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3.20
繰返し回数
保温試験を加速するときに行う断続出湯の回数で,標準使用モードを用いた24時間の試験を実施したと
きの燃焼回数から標準加速モードを用いた試験を実施したときの燃焼回数を減じた回数。この回数は,1
日の保温回数に,標準加速モードを用いたときの標準使用モードとの燃焼回数の補正を含めたものに相当
する。
4
給湯機器の標準使用条件
給湯機器の標準使用条件は,4人世帯の24時間の中間期(春又は秋)の給湯の使用モードである標準使
用モードを用い,水温15 ℃±10 ℃,使用温度40 ℃,温度及び湿度は自然大気条件,電源は商用電源又
は製造業者が指定する電源とする。燃料及びその他は,製造業者が指定するもの。
5
区分
5.1
使用用途による区分
この規格の給湯機器は,表1によって区分する。さらに,各区分における給湯の使用用途は,表1によ
る。
表1−使用用途による給湯機器の区分
燃料
区分
使用用途
湯はり
シャワー
洗面
台所
ガス
元止め式ガス瞬間湯沸器
−
−
−
○
先止め式ガス瞬間湯沸器
○
○
○
○
給湯機付ガスふろがま(BF式など浴室専用機)
○
○
−
−
給湯機付ガスふろがま(上記以外)
○
○
○
○
石油
石油小形給湯機(瞬間式)
○
○
○
○
石油小形給湯機(貯湯式)
○
○
○
○
石油給湯機付ふろがま(瞬間式)
○
○
○
○
石油給湯機付ふろがま(貯湯式)
○
○
○
○
油だき温水ボイラ(給湯部をもつもの)
○
○
○
○
5.2
非出湯時の燃焼区分
非出湯時の燃焼による区分は,表2のように区分する。
注記 非出湯時の燃焼状態によって試験方法又は手順に相違があるため,表2のとおり区分した。
表2−非出湯時の燃焼による給湯機器の区分
区分
例(表1による区分)
非出湯時に燃焼しない機器
元止め式及び先止め式ガス瞬間湯沸器,給湯機付ガスふろがま,石油小形給湯機
(瞬間式)及び石油給湯機付ふろがま(瞬間式)
パイロットバーナをもつ機器
給湯機付ガスふろがま(BF式など)
非出湯時にも断続燃焼する機器
石油小形給湯機(貯湯式),石油給湯機付ふろがま(貯湯式)及び油だき温水ボ
イラ
5
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標準加速モード
標準加速モードは,非出湯時の燃焼区分(表2参照)及び使用用途区分(表1参照)によって,それぞ
れ次のとおりとする。
6.1
非出湯時に燃焼しない機器及びパイロットバーナをもつ機器の場合
6.1.1
台所,洗面,シャワー及び湯はりで使用する機器の場合
台所,洗面,シャワー及び湯はりで使用する機器の場合は,表3による。
表3−台所,洗面,シャワー及び湯はりで使用する給湯機器の標準加速モード
使用用途
継続時間
s
停止時間
s
使用流量a)
L/min
使用用途
継続時間
s
停止時間
s
使用流量a)
L/min
洗面
1
30b)
30
5
台所
27
15c)
30
5
2
10
30
5
28
15c)
30
5
3
10
30
5
シャワー
29
90d)
30
10
4
10
30
5
台所
30
15c)
30
5
5
10
50e)
5
31
10
30
5
台所
6
30b)
30
5
32
15c)
30
5
7
10
30
5
33
10
30
5
8
10
30
5
34
10
30
5
9
15c)
30
5
シャワー
35
90d)
30
10
10
15c)
50e)
5
台所
36
10
30
5
11
30b)
30
5
37
10
30
5
12
10
30
5
38
10
30
5
13
10
30
5
39
10
50e)
5
14
15c)
30
5
洗面
40
30b)
30
5
15
15c)
50e)
5
41
10
30
5
16
30b)
30
5
42
10
30
5
17
10
30
5
43
10
30
5
18
15c)
30
5
シャワー
44
90d)
30
10
19
15c)
30
5
洗面
45
10
30
5
20
10
30
5
46
10
30
5
21
10
30
5
シャワー
47
90d)
30
10
22
10
30
5
洗面
48
15c)
30
5
23
15c)
30
5
49
10
30
5
24
10
30
5
50
15c)
30
5
25
10
50e)
5
51
10
50e)
5
湯はり
26
90d)
30
15
注記 使用温度は,用途及び時刻にかかわらず40 ℃とした。
注a) 使用流量は,使用温度 (40 ℃) における流量である。出湯温度が使用温度と異なる場合には,湯水を混合
して使用温度とするように,出湯流量を計算する。出湯温度と給水温度との差は25 ℃以上。
b) 標準使用モードの使用用途の台所,洗面において,停止時間が30分以上後の初回給湯時は,熱交換器の平
衡温度になる燃焼時間を30秒とした。
c) 使用用途の台所,洗面において,給湯継続時間が30秒以上は熱交換器の平衡温度になる燃焼時間を15秒
とした。
d) 使用用途のシャワー,湯はりにおいて熱交換器の平衡温度になる燃焼時間を90秒とした。
e) 給湯使用後,停止時間が30分以上の場合は,20秒間の自然冷却ののち30秒間の通水などによる強制的な
冷却(併せて50秒)とした。
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6.1.2 台所用途で使用する機器の場合
台所用途で使用する機器の場合は,表4による。
表4−台所用途で使用する給湯機器の標準加速モード
使用用途
継続時間
s
停止時間
s
使用流量a)
L/min
使用用途
継続時間
s
停止時間
s
使用流量a)
L/min
台所
30b)
30
5
台所
10
30
5
10
30
5
15c)
30
5
10
30
5
10
30
5
15c)
30
5
10
50d)
5
15c)
50d)
5
30b)
30
5
30b)
30
5
15c)
30
5
10
30
5
15c)
30
5
10
30
5
10
30
5
15c)
30
5
15c)
30
5
15c)
50d)
5
10
30
5
30b)
30
5
10
30
5
10
30
5
10
30
5
15c)
30
5
10
30
5
15c)
30
5
10
30
5
10
30
5
10
50d)
5
10
30
5
注記 使用温度は,用途及び時刻にかかわらず40 ℃とした。
注a) 使用流量は,使用温度 (40 ℃) における流量である。出湯温度が使用温度と異なる場合には,湯水を混合
して使用温度とするように,出湯流量を計算する。出湯温度と給水温度との差は25 ℃以上。
b) 停止時間が30分以上後の初回給湯時は,熱交換器の平衡温度になる燃焼時間を30秒とした。
c) 給湯継続時間が30秒以上は,熱交換器の平衡温度になる燃焼時間を15秒とした。
d) 給湯使用後,停止時間が30分以上の場合は,20秒間の自然冷却ののち30秒間の通水などによる強制的な
冷却(併せて50秒)とした。
6.1.3
シャワー及び湯はり用途で使用する機器の場合
シャワー及び湯はり用途で使用する機器の場合は,表5による。
表5−シャワー及び湯はり用途で使用する給湯機器の標準加速モード
使用用途
継続時間
s
停止時間
s
使用流量a)
L/min
使用用途
継続時間
s
停止時間
s
使用流量a)
L/min
湯はり
90b)
30
15
シャワー
90b)
30
10
シャワー
90b)
50c)
10
90b)
50c)
10
90b)
50c)
10
注記 使用温度は,用途及び時刻にかかわらず40 ℃とした。
注a) 使用流量は,使用温度 (40 ℃) における流量である。出湯温度が使用温度と異なる場合には,湯水を混合
して使用温度とするように,出湯流量を計算する。出湯温度と給水温度との差は25 ℃以上。
b) 使用用途のシャワー,湯はりにおいて熱交換器の平衡温度になる燃焼時間を90秒とした。
c) 給湯使用後,停止時間が30分以上の場合は,20秒間の自然冷却ののち30秒間の通水などによる強制的な
冷却(併せて50秒)とした。
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6.1.4
表1の給湯機器の区分と異なる使用用途の組合せの場合
給湯機器の使用用途が表1と異なる組合せの場合は,表3に示した台所,洗面,シャワー及び湯はりで
使用する給湯機器の標準加速モードから,使用用途に合わせた標準加速モードだけを選択して用いる。
6.1.5
給湯機器の給湯能力が標準加速モードの条件に満たない場合
試験を行う給湯機器の給湯能力では,標準加速モードの出湯流量と出湯温度を満たせない場合は,出湯
温度を優先して設定し,必ずしも出湯流量を満たす必要はない。
6.2
非出湯時にも断続燃焼する機器の場合
6.2.1
台所,洗面,シャワー及び湯はりで使用する機器の場合
台所,洗面,シャワー及び湯はりで使用する機器の場合は,表6による。
表6−台所,洗面,シャワー及び湯はりで使用する給湯機器の標準加速モード
使用用途
継続時間b)
s
停止時間c)
s
使用流量
a) b)
L/min
使用用途
継続時間b)
s
停止時間c)
s
使用流量
a) b)
L/min
洗面
1
60
10
10
台所
27
60
10
10
2
5
10
10
28
15
10
10
3
5
10
10
シャワー 29
120
10
10
4
5
10
10
台所
30
15
10
10
5
5
30c)
10
31
5
10
10
台所
6
30
10
10
32
15
10
10
7
5
10
10
33
5
10
10
8
5
10
10
34
5
10
10
9
150
10
10
シャワー 35
300
10
10
10
15
30c)
10
台所
36
5
10
10
11
30
10
10
37
5
10
10
12
5
10
10
38
5
10
10
13
5
10
10
39
5
30c)
10
14
60
10
10
洗面
40
60
10
10
15
15
30c)
10
41
5
10
10
16
30
10
10
42
5
10
10
17
5
10
10
43
5
10
10
18
30
10
10
シャワー 44
120
10
10
19
30
10
10
洗面
45
5
10
10
20
5
10
10
46
5
10
10
21
5
10
10
シャワー 47
300
10
10
22
5
10
10
洗面
48
15
10
10
23
15
10
10
49
5
10
10
24
5
10
10
50
30
10
10
25
5
30c)
10
51
5
10
10
湯はり
26
720
10
15
保温d)
52
―
―
15
注記 使用温度は,用途及び時刻にかかわらず40 ℃換算とした。
注a) 使用流量は,使用温度 (40 ℃) における流量である。出湯温度が使用温度と異なる場合には,湯水を混合
して使用温度とするように,出湯流量を計算する。貯湯温度と給水温度との差は45 ℃以上。
b) 標準使用モードの台所,洗面の使用流量5 L/minは,試験時間短縮のために10 L/minとし,継続時間を半
減する。シャワー,湯はりは標準使用モードどおりの継続時間,使用流量とする。
c) 特に,給湯の消費行為と貯湯温度を維持するための燃焼とは,連動していないので停止時間は,10秒とす
る。ただし,停止時間が30分以上ある場合は,冷却時間を30秒とする。
d) 6.2.2で定める保温模擬流量にて,保温模擬出湯時間と保温模擬停止時間との組合せで行う繰返し回数とす
る。
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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6.2.2
保温模擬出湯時間と保温模擬停止時間,繰返し回数の決定
保温模擬出湯時間と保温模擬停止時間は,次のいずれかによって決定する。
a) 試験によって給湯機器の特性を反映させる場合 試験を行う給湯機器の特性を反映させる場合は,次
による。
1) 連続出湯試験の実施 使用流量15 L/minの条件で連続出湯を行い,図1における連続出湯燃焼時間,
連続出湯非燃焼時間及び冷却時間を求める。このとき連続出湯非燃焼時から燃焼時に移行するとき
の缶体の平衡温度が貯湯温度以下になることを確認する。貯湯温度より高い場合は,使用流量を10
L/minにして同様の確認をする。
連続出湯試験は,燃焼を3回以上繰返すまで行い,終了後,燃焼ファンが停止するまで(温度平
衡になるまで)計測する。収集したデータから,図1に定義した三つの時間を求める。
2) 保温模擬出湯時間 1) で実施した連続出湯試験データの連続出湯燃焼時間A及び連続出湯非燃焼
時間Bとの合計
3) 保温模擬停止時間 1) で実施した連続出湯試験データの冷却時間Cと連続出湯非燃焼時間Bとの
差
4) 保温模擬流量 1) で実施した連続出湯試験の使用流量
5) 繰返し回数 附属書Aに掲載した標準使用モードを用いた24時間の試験を実施したときの燃焼回
数から表6で示した標準加速モードを用いた試験を1回実施したときの燃焼回数を減じた回数。こ
の回数は,1日の保温回数に,標準加速モードを用いたときの標準使用モードとの燃焼回数の補正
を含めたものに相当する。
b) 代表的な値を用いる場合 代表的な値を用いる場合は,次による。
1) 保温模擬出湯時間は,20秒とする。
2) 保温模擬停止時間は,30秒とする。
3) 保温模擬流量は,15 L/minとする。
4) 繰返し回数は,20回とする。
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図1−保温模擬出湯時間及び保温模擬停止時間の求め方
7
試験条件
7.1
給水温度
試験中の安定出湯時の給水温度は,15 ℃±10 ℃とする。
7.2
給湯機器の設置状態及び使用状態
給湯機器の設置状態及び使用状態は,機器別の規格に特に指定がない場合には,製造業者の指定する状
態3)(取扱説明書などに示す状態)とし,空気調節をして使用するものは,各試験項目ごとに空気調節器
を適切な開度に調節する。また,強制排気式機器の排気管及び強制給排気式機器の給排気筒は製造業者の
指定する状態とする。ただし,試験の項目によって,試験結果に影響を及ぼさない場合は,これによらな
くてもよい。また,加速試験を行うために,試験結果に影響を及ぼさない改造,例えば,自動運転の改造,
制御装置の信号系を外部制御する改造,パイロットバーナのガス通路の改造などについては,差し支えな
い。
注3) 出荷状態のことをいう。
7.3
貯湯式給湯機器の貯湯温度
非出湯時にも断続燃焼する機器の場合,缶体の貯湯温度は[給水温度4)+45]℃ 又は60 ℃の高い方と
する。ただし,貯湯温度を60 ℃以上で自動制御する機器の場合は,最高温度に設定する。最高温度に設
定ができない場合は,機器の制御によっても差し支えないが,貯湯温度が60 ℃未満にしか設定できない
機器においては60 ℃以上となるような工夫をする。
注4) 貯湯温度の設定は試験開始時に行うが,試験中に給水温度が変化した場合には,その都度貯湯
温度を調節する。ただし,給水温度の変化以上の温度を貯湯温度に加算して設定している場合
10
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は,調整しなくても差し支えない。
7.4
出湯温度
出湯温度は,出湯温度設定の可否によって異なり表7による。
出湯温度が設定できる給湯機器においては,給湯設定温度を(給水温度+25)℃以上とし,設定しにく
い給湯機器においては,表7に示す温度が目標となるように調節する。
出湯温度が設定しにくく,器具水栓で使用する給湯機器の場合には,次のようなルールによって標準加
速モードの使用流量を修正する。
− 手動で燃焼量が切り替えられる場合には,最大の燃焼とする。
− 出湯温度が表7に示すような温度となるような使用流量及び出湯流量を求め標準加速モードを調節す
る。
表7−給湯機器の設定出湯温度・目標出湯温度
出湯温度の設定
湯水の混合
設定出湯温度・目標出湯温度
リモコンなどで出湯温度が設定で
きる給湯機器
―
(給水温度+25)℃以上
上記以外の給湯機器
使用水栓で湯水混合する給湯機器
貯湯温度に同じ
器具水栓で出湯温度を手動調整する給
湯機器
40 ℃以上
注記1 給水温度が試験中に変化し,給湯温度との差分が25 ℃以下になった場合はその都度出湯温度の設定を
見直す。
注記2 貯湯式給湯機の貯湯温度は,試験給水温度に45 ℃以上加えた温度とする。ただし,貯湯温度を調整で
きない場合は最高温度とし,自動制御によって最高温度にできない場合は60 ℃以上の自動制御でも差
し支えない。
7.5
出湯流量の算出
出湯流量は,7.4で求めた出湯温度及び標準加速モード(表3〜表6)に記載された使用流量を用いて次
の式によって設定する。
出湯温度が使用温度である40 ℃に等しい場合には,出湯流量は使用流量と等しくなる。上記以外の給
湯機器で,器具水栓で使用する給湯機器の場合には,7.4に示した手順で既に出湯流量が計算されているた
めここでの設定は不要である。ただし,給水温度が高い場合,リモコンなどで出湯温度が設定できる給湯
機器の給湯温度は給水温度に25 ℃以上を加えた温度とする。前記以外の給湯機器の給湯温度(貯湯温度)
は給水温度に45 ℃以上を加えた温度とする。
1
2
1
use
use
out
tw
tw
tw
tw
G
G
−
−
×
=
ここに,
Gout: 出湯流量 (L/min)
Guse: 使用流量 (L/min) (表3〜表6から引用)
twuse: 使用温度 (℃) (40 ℃)
tw1: 給水温度 (℃) (15 ℃)
tw2: 出湯温度 (℃) (表7から引用)
7.6
試験用燃料
11
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試験用燃料は,表8による。
表8−試験用燃料
燃料
試験用燃料
ガス
試験ガスの条件はJIS S 2093によるガスグループの0ガス又はい号プロパンとする。
石油
製造業者の指定する燃料とし,JIS K 2203,JIS K 2204又はJIS K 2205の規定に適合するものと
する。
7.7 電源・その他環境条件
電源・その他環境条件は,次による。
a) 電源については,機器に指定されているものを用いる。ただし,電池電源の場合,加速試験中に消耗
した場合は交換する。
b) 試験時の気温,湿度などについては,自然大気条件のままで差し支えない。
7.8
試験装置
試験装置の例を図2に示す。出湯は,あらかじめ使用流量が5 L/min,10 L/min及び15 L/min以上とな
るような出湯流量に調節する。試験時には,シーケンサ,リレーなどによって配管に設置した電磁弁を自
動開閉し,出湯パターンの継続時間及び停止時間を設定する。
給湯機
給水
T
給水温度
T
出湯温度
使用流量:5L/min以上
使用流量:10L/min以上
使用流量:15L/min以上
電磁弁
流量
調整弁
図2−試験装置の例
参考文献 JIS S 3031 石油燃焼機器の試験方法通則
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附属書A
(参考)
標準使用モード
序文
この附属書は,標準使用モードについて記載するものであって,規定の一部ではない。
A.1 前提条件
この標準使用モードは,4人世帯の平日,中間期(春又は秋)において,1日の各用途での給湯使用につ
いて,継続時間,停止時間,使用流量について詳細に定めたもの。ただし,各用途における標準使用モー
ドは,表A.1〜表A.3のとおり。
表A.1−台所,洗面,シャワー及び湯はりで使用する給湯機器の標準使用モード
用途
開始
時刻
継続
時間
停止
時間
使用
流量a)
使用
量
用途
開始
時刻
継続
時間
停止
時間
使用
流量a)
使用
量
(s)
(s)
(L/分)
(L)
(s)
(s)
(L/分)
(L)
洗面
6:45:00
120
−
5
10.00 台所
19:45:00
120
180
5
10.00
6:47:30
10
30
5
0.83
19:47:30
30
30
5
2.50
6:48:10
10
30
5
0.83 シャワー
19:53:00
120
300
10
20.00
6:49:20
10
60
5
0.83
台所
19:57:00
30
120
5
2.50
6:50:00
10
30
5
0.83
19:58:00
10
30
5
0.83
台所
8:00:00
60
4 190
5
5.00
20:03:10
30
300
5
2.50
8:01:30
10
30
5
0.83
20:04:10
10
30
5
0.83
8:02:10
10
30
5
0.83
20:04:50
10
30
5
0.83
8:12:20
300
600
5
25.00 シャワー
20:15:00
300
600
10
50.00
8:19:20
30
120
5
2.50
台所
20:21:00
10
60
5
0.83
12:45:00
60
15 910
5
5.00
20:21:40
10
30
5
0.83
12:46:30
10
30
5
0.83
20:22:20
10
30
5
0.83
12:47:10
10
30
5
0.83
20:23:00
10
30
5
0.83
12:52:20
120
300
5
10.00
洗面
21:45:00
120
4 910
5
10.00
12:55:20
30
60
5
2.50
21:47:30
10
30
5
0.83
18:00:00
60
18 250
5
5.00
21:48:10
10
30
5
0.83
18:01:30
10
30
5
0.83
21:48:50
10
30
5
0.83
18:03:40
60
120
5
5.00 シャワー
21:59:00
120
600
10
20.00
18:09:40
60
300
5
5.00 洗面
22:01:30
10
30
5
0.83
18:11:10
10
30
5
0.83
22:02:10
10
30
5
0.83
18:11:50
10
30
5
0.83 シャワー
22:17:20
300
900
10
50.00
18:12:30
10
30
5
0.83
洗面
22:24:20
30
120
5
2.50
18:17:40
30
300
5
2.50
22:25:50
10
60
5
0.83
18:18:40
10
30
5
0.83
22:28:00
60
120
5
5.00
18:19:20
10
30
5
0.83
22:30:00
10
60
5
0.83
湯はり 19:30:00
720
4 230
15
180.00
注記1 使用温度は,用途及び時刻によらず40 ℃とした。
注記2 合計使用量は,456 L。
注記3 停止時間とは,前行為が終了してから当該行為を開始するまでの時間。
注a) 使用流量は,使用温度 (40 ℃) における流量である。出湯温度が使用温度と異なる場合には,湯水を混
合して使用温度とするように,出湯量,出湯流量を計算する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.2−台所用途で使用する給湯機器の標準使用モード
用途
開始
時刻
継続
時間
停止
時間
使用
流量a)
使用量
用途
開始
時刻
継続
時間
停止
時間
使用
流量a)
使用量
(s)
(s)
(L/分)
(L)
(s)
(s)
(L/分)
(L)
台所
8:00:00
60
−
5
5.00
台所
19:45:00
120
5 130b)
5
10.00
8:01:30
10
30
5
0.83
19:47:30
30
30
5
2.50
8:02:10
10
30
5
0.83
19:57:00
30
540
5
2.50
8:12:20
300
600
5
25.00
19:58:00
10
30
5
0.83
8:19:20
30
120
5
2.50
20:03:10
30
300
5
2.50
12:45:00
60
15 910b)
5
5.00
20:04:10
10
30
5
0.83
12:46:30
10
30
5
0.83
20:04:50
10
30
5
0.83
12:47:10
10
30
5
0.83
20:21:00
10
960
5
0.83
12:52:20
120
300
5
10.00
20:21:40
10
30
5
0.83
12:55:20
30
60
5
2.50
20:22:20
10
30
5
0.83
18:00:00
60
18 250b)
5
5.00
20:23:00
10
30
5
0.83
18:01:30
10
30
5
0.83
18:03:40
60
120
5
5.00
18:09:40
60
300
5
5.00
18:11:10
10
30
5
0.83
18:11:50
10
30
5
0.83
18:12:30
10
30
5
0.83
18:17:40
30
300
5
2.50
18:18:40
10
30
5
0.83
18:19:20
10
30
5
0.83
注記1 使用温度は,用途及び時刻によらず40 ℃とした。
注記2 合計使用量は,99 L。
注記3 停止時間とは,前行為が終了してから当該行為を開始するまでの時間。
注a) 使用流量は,使用温度 (40 ℃) における流量である。出湯温度が使用温度と異なる場合には,湯水を混合し
て使用温度とするように,出湯量,出湯流量を計算する。
b) モード効率短縮試験を行う場合は,3 600秒とする。
表A.3−シャワー及び湯はり用途で使用する給湯機器の標準使用モード
用途
開始
時刻
継続
時間
停止
時間
使用
流量a)
使用
量
用途
開始
時刻
継続
時間
停止
時間
使用
流量a)
使用
量
(s)
(s)
(L/分)
(L)
(s)
(s)
(L/分)
(L)
湯はり
19:30:00
720
−
15
180.00 シャワー
21:59:00
120
5 940b)
10
20.00
シャワー
19:53:00
120
660
10
20.00
22:17:20
300
980
10
50.00
20:15:00
300
1 200
10
50.00
注記1 使用温度は,用途及び時刻によらず40 ℃とした。
注記2 合計使用量は,320 L。
注記3 停止時間とは,前行為が終了してから当該行為を開始するまでの時間。
注a) 使用流量は,使用温度 (40 ℃) における流量である。出湯温度が使用温度と異なる場合には,湯水を混合し
て使用温度とするように,出湯量,出湯流量を計算する。
b) モード効率短縮試験を行う場合は,3 600秒とする。