2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
S 2041-1995
プラスチック製洗い容器
Plastics washing basins
1. 適用範囲 この規格は,ちゅう(厨)房,浴室などで使用するたらい,洗いおけ,湯おけ,洗面器な
どプラスチック製の洗い容器(以下,容器という。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS A 1415 プラスチック建築材料の促進暴露試験方法
JIS B 1501 玉軸受用鋼球
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7516 金属製直尺
JIS K 6747 ポリプロピレン成形材料
JIS K 6748 ポリエチレン成形材料
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 7105 プラスチックの光学的特性試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900による。
3. 種類 容器の種類は,形状によって,丸形,角形,小判形及び朝顔形とする。
なお,一部を変形したものは,これらのいずれかの種類に含める。
4. 品質
4.1
衛生性 容器は,食品衛生法(昭和22年法律第233号)に基づく食品,添加物などの規格基準に適
合しなければならない。
4.2
外観及び構造 容器の外観及び構造は,使用上支障がなく,次の項目に適合しなければならない。
(1) 欠け,き裂,ひび,ばり及び不足成形がなく,水漏れがないこと。
(2) 異物,泡,型傷,ひけマーク,ウェルドマーク,フローライン及びその他の傷が目立たないこと。
(3) ぬれた布でふいても落ちないような汚れが目立たないこと。
(4) 変色,色むら(装飾を目的としたものは除く。),くもりなどが目立たないこと。
(5) 彩色及び絵付けは,良好であること。
(6) すわりは,良好であること。
4.3
性能 容器の性能は,6.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
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S 2041-1995
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表1 性能
項目
径による区分(1) cm
試験方法
31未満
31以上〜45未満
45以上
径 cm
表示値±1.0
表示値±1.5
6.3
容量 %
表示値
93
+
−
6.4
懸垂ひずみ率 %
丸形
5以下
10以下
20以下
6.5
角形及び小判形
8以下
朝顔形
耐衝撃性
破損しないこと。
6.6
耐候性
色差 3.0以下
6.7
注(1) 径による区分は,直径又は長径による。
5. 材料 容器の材料は,JIS K 6747及びJIS K 6748のいずれかに適合するか又はこれらと同等以上の品
質のものでなければならない。
6. 試験方法
6.1
試験条件 試験は,6.7を除き,容器を温度23±5℃の室内に2時間以上放置した後,同じ温度条件
で試験を行う。
6.2
数値の丸め方 試験の結果は,規定の数値より1けた下の位まで求めてJIS Z 8401によって丸める。
6.3
径 容器の径の測定は,JIS B 7507に規定するノギス若しくはJIS B 7516に規定する2級以上の金
属製直尺又はそれと同等以上の精度があるものを用い,次のとおり行う。
(1) 丸形及び朝顔形容器は,図1に示すように,直角方向の2方向の直径の外径を測定し,その平均値と
する。
図1 丸形及び朝顔形容器の測定箇所
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(2) 角形及び小判形容器は,図2に示すように,長径と短径の外径を測定する。
図2 角形及び小判形容器の測定箇所
6.4
容量 容量は,台ばかりに容器を載せ,水を満たし,水の質量を測定し,換算によって求める。こ
の場合,満水とは,合成繊維モノフィラメント系の両端におもりを付け,容器のつばの両端に張ったとき,
糸に水が触れた状態とする。ただし,容器の胴部につり手の取付穴,オーバーフロー用の穴,切欠きなど
がある場合は,穴又は切欠きからあふれるまで水を満たした状態を満水とする。
なお,水温は,23±5℃とし,水の質量1kgを容量1lに換算する。
6.5
懸垂ひずみ率 懸垂ひずみ率の試験は,次のとおり行う。
(1) 図3に示すつり上げ位置に対して直角方向のつばの外径 (l1) を6.3と同じ測定器具を用いて測定する。
(2) 容器に温度40±3℃の温水を表2に規定する容量だけ入れて,つり上げ具(2)を用いて図3のようにつ
り上げる。
注(2) 約7cm幅の鉄板を曲げ,ゴムで覆ったものをひもの一端に取り付けたものとする。つばがない
ものは,クリップを用いる。
(3) 5分経過後,つり上げた状態で,(1)で測定した箇所でつばの外径 (l2) を測定し,次の式によって懸垂
ひずみ率を算出する。
100
1
1
2
×
l
l
l
L
−
=
ここに,
L: 懸垂ひずみ率 (%)
l1: 試験前のつばの外径又は外側距離 (mm)
l2: つり上げ5分経過後の外径又は外側距離 (mm)
表2 水量
区分
水量
丸形
直径45cm未満
満水量の80%
直径45cm以上
満水量の60%
角形及び小判形
長径45cm未満
満水量の80%
長径45cm以上
満水量の60%
朝顔形
満水量の70%
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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図3 つり上げ位置及び寸法
備考 黒で示した箇所は,つり上げ位置を示す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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6.6
耐衝撃性 耐衝撃性の試験は,容器を平らなコンクリート床上にほぼ水平に置いた厚さ3cm以上の
平滑なかし又はこれと同等以上の堅さがある板上に伏せ,表3に示すJIS B 1501に規定する鋼球を70±2
cmの高さから底部の中心に向かって繰り返し3回落下させ,破損の有無を調べる。
なお,落下高さとは,鋼球の下部から落下面までをいう。
表3 鋼球
区分
JIS B 1501に規定する鋼球の呼び
丸形
直径45cm未満
11/2(呼び直径38.100 00mm)
直径45cm以上
21/2(呼び直径63.500 00mm)
角形及び小判形
長径45cm未満
11/2(呼び直径38.100 00mm)
長径45cm以上
21/2(呼び直径63.500 00mm)
朝顔形
直径45cm未満
11/2(呼び直径38.100 00mm)
直径45cm以上
21/2(呼び直径63.500 00mm)
6.7
耐候性 耐候性の試験は,JIS A 1415に規定する方法による。ただし,促進暴露試験装置,試験片,
試験時間及び色差の測定は,次のとおりとする。
(1) 促進暴露試験装置 WS形
(2) 試験片 試験片を容器のできるだけ平面な部分から切り取る。
(3) 試験時間 8時間
(4) 色差 試験前後の色差を,JIS K 7105の5.4(色差)のL*a*b*の式によって求める。
7. 検査方法 容器は,4.について検査を行う。この場合,検査は,全数検査又は合理的な抜取検査方式
によって行う。
8. 表示 容器の本体には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。ただし,(3)の
表示は,原則として刻印するが,刻印できない場合に限り,下げ札又はラベルを添付してもよい。
また,(2)は,(3)によって表示される場合には省略してもよい。
(1) 径
(2) 製造業者名又はその略号
(3) 家庭用品品質表示法による表示
参考 家庭用品品質表示法による表示項目は,次のとおりである。
(1) 原料樹脂
(2) 耐熱温度
(3) 耐冷温度
(4) 容量
(5) 取扱い上の注意
(6) 表示者
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
斎 藤 一 朗
工業技術院生命工学工業技術研究所
(委員)
高 松 明
通商産業省生活産業局
倉 剛 進
工業技術院標準部
紙 川 明
通商産業省通商産業検査所
河 村 葉 子
厚生省国立衛生試験所
下 村 康 夫
岐阜プラスチック工業株式会社
真 鍋 晟
アロン化成株式会社
角 山 正 和
積水化学工業株式会社
大 野 陸 幸
蝶プラ工業株式会社
喜 田 正
新輝合成株式会社
粟 野 光 明
ニッスイ工業株式会社
中 山 修
岩崎工業株式会社
木 下 晴 美
全日本プラスチック成形工業連合会
中 村 貫 一
日本プラスチック日用品工業組合
石 井 栄 子
主婦連合会
岩 下 好 恵
全国地域婦人団体連絡協議会
尾 崎 英 子
関西主婦連合会
横 田 倫 子
消費科学連合会
和歌森 玉 枝
文京区消費者の会
渡 辺 多加子
国民生活センター
古 川 哲 夫
財団法人日本消費者協会
斎 藤 有 常
日本百貨店協会
前 島 明 宏
日本チェーンストア協会
(事務局)
塚 野 隆
財団法人高分子素材センター
池 田 二三男
財団法人高分子素材センター