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(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 種類······························································································································· 2 

5 寸法······························································································································· 2 

6 品質······························································································································· 2 

6.1 外観 ···························································································································· 2 

6.2 性能 ···························································································································· 2 

7 構造······························································································································· 4 

8 試験······························································································································· 4 

8.1 一般試験条件 ················································································································ 4 

8.2 安定性試験 ··················································································································· 4 

8.3 静荷重試験 ··················································································································· 5 

8.4 耐久性試験 ··················································································································· 6 

8.5 表面処理試験 ················································································································ 6 

9 検査方法························································································································· 7 

10 表示 ····························································································································· 8 

11 取扱い上及び維持管理上の注意事項 ··················································································· 8 

附属書A(規定)安定性,強度及び耐久性の試験のための力,サイクルなどの選択の手引−一般原則 ··· 9 

附属書B(参考)オフィス家具−座面高さ調節式回転椅子の寸法 ·················································· 11 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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日本工業規格          JIS 

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オフィス家具−座面高さ調節式回転椅子 

Office furniture-Seat height adjustable swivel chairs 

序文 

この規格は,試験方法であるJIS S 1206が2013年に制定されたこと,並びに,最近の椅子の使用状況の

多様性及び品質の向上に対応するために作成したものである。また,適用範囲が異なるJIS S 1032につい

ては,同時に見直し,改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,オフィス家具用の椅子のうち,高さ調節ができる回転椅子(以下,椅子という。)について

規定する。 

この規格の椅子は,主にオフィスでの執務を目的とし,座面,背もたれ,肘部(肘掛け),脚部などの幾

つかの主要部材の組合せによって構成する一人用の椅子で,座面を含む上部が水平面で回転し,かつ,高

さ調節ができるものとし,組立式のものも含む。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1531 家具−常温液体に対する表面抵抗の試験方法 

JIS A 5549 造作用接着剤 

JIS A 5905 繊維板 

JIS A 5908 パーティクルボード 

JIS H 8610 電気亜鉛めっき 

JIS H 8617 ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき 

JIS K 5600-5-6 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法) 

JIS K 5961 家庭用屋内木床塗料 

JIS K 5962 家庭用木部金属部塗料 

JIS S 1032 オフィス家具−椅子 

JIS S 1206 オフィス用回転椅子−安定性,強度及び耐久性の試験方法 

JIS Z 1522 セロハン粘着テープ 

JIS Z 2101 木材の試験方法 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

日本農林規格(JAS) 製材 

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日本農林規格(JAS) 合板 

日本農林規格(JAS) 集成材 

日本農林規格(JAS) 単板積層材 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS S 1032による。 

種類 

椅子の種類は,構造によって,次のとおり区分する。 

a) 背もたれ傾斜機能付き椅子 背もたれが傾斜する構造の椅子。 

b) 背もたれ傾斜機能のない椅子 背もたれが,傾斜しない椅子。 

寸法 

椅子の寸法は,受渡当事者間の協定による。 

注記 椅子の寸法については,附属書Bを参照。 

品質 

6.1 

外観 

外観は,次による。 

a) 外観は,製品特性上の欠点がなく,きず,へこみなどがあってはならない。 

b) 人体及び衣類の触れる部分には,不安全な鋭い角,突起,ばり,かえりなどがあってはならない。 

c) 塗装面の見えがかり部分は,光沢,色調が均等で塗りむら,たれなどがあってはならない。 

6.2 

性能 

a) 製品及び部材の性能は,箇条8に規定する試験を行ったとき,表1に適合しなければならない。 

b) 表2に該当する材料は,それぞれの性能を満たしたものを使用しなければならない。 

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表1−性能(1) 

項目 

性能 

適用試験箇条 

安定性 

前縁安定性試験 

転倒しない。 

8.2 a) 

前方安定性試験 

8.2 b) 

足掛け付き椅子の前方安定性試験 

8.2 c) 

肘掛けのない椅子の側方安定性試験 

8.2 d) 

肘掛け付き椅子の側方安定性試験 

8.2 e) 

背もたれ傾斜機能のない椅子の後方安
定性試験 

8.2 f) 

背もたれ傾斜機能付き椅子の後方安定
性試験 

8.2 g) 

静荷重 

座面前縁の静荷重試験 

使用上支障のある破損,変形,緩み,外
れ及び摩耗がない。 

8.3 a) 

座面及び背もたれの複合静荷重試験 

8.3 b) 

肘掛けの中心垂直力静荷重試験 

8.3 c) 

肘掛けの前部垂直力静荷重試験 

8.3 d) 

肘掛けの側方静荷重試験 

8.3 e) 

足掛けの静荷重試験 

8.3 f) 

耐久性 

座面及び背もたれの耐久性試験 

使用上支障のある破損,変形,緩み,外
れ及び摩耗がない。 

8.4 a) 

肘掛けの耐久性試験 

8.4 b) 

旋回試験 

8.4 c) 

足掛けの耐久性試験 

8.4 d) 

キャスター及び椅子の脚羽根の耐久性
試験 

8.4 e) 

表面処理a) 

常温液体に対する表面抵抗性試験b) 

JIS A 1531に規定する等級3以上とす
る。 

8.5 a) 

金属部・木部塗膜密着性試験 

JIS K 5600-5-6に規定する分類2以上の
性能とする。 

8.5 b) 

金属部塗膜防せい(錆)性試験 

きずの両側3 mmの外側に膨れ及びさび
が認められない。 

8.5 c) 

金属部めっき厚さ試験 

JIS H 8610に規定する表1の2級以上,
又はJIS H 8617に規定する表1及び表2
の2級以上とする。 

8.5 d) 

注a) 見えがくれ部分には適用しない。 

b) 金属部の塗装面及びめっき面に適用する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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表2−性能(2) 

項目 

性能 

適用規格 


木材 

含水率 

日本農林規格(JAS)の製材などに規定する
もので,含水率は12 %以下で,割れ,変形,
虫食いなどの著しい欠点がない。 

なお,含水率の測定は,JIS Z 2101に規定

する方法による。 

日本農林規格(JAS) 

木質材料 

ホルムアルデ
ヒド放散量 

ホルムアルデヒド放散量は,F☆☆☆等級の規
定値以下とする。 

JIS A 5905又はJIS A 5908 

合板 

日本農林規格(JAS) 

集成材 

日本農林規格(JAS) 

単板積層材 
(LVL) 

日本農林規格(JAS) 

接着剤 

ホルムアルデ
ヒド放散速度
又は放散量 

ホルムアルデヒド放散速度又は放散量は,F
☆☆☆等級の規定値以下とする。 

JIS A 5549 

塗料 

JIS K 5961又はJIS K 
5962 

構造 

構造は,次による。ただし,該当する部材又は部品が椅子にない場合は,その項目は適用しない。 

a) 接合部は,溶接,接着,ねじ止め,その他の方法によって,堅ろうに結合し,剝がれ又は緩みが生じ

にくい構造とする。 

b) 木材及び木質材料を使用するときは,製材,乾燥,仕上げなどによって適切に加工し,曲がり,反り,

ねじれなどの生じにくい構造とする。 

c) 操作部がある場合は,容易に扱うことができ,かつ,耐久性に優れている。 

d) 回転部又はリクライニング機構がある場合は,堅ろうに取り付けられており,滑らかに作動し,使用

に際して著しい騒音を生じない。 

e) 取り外し可能な部品及び部材は,確実に固定できる構造とする。 

f) 

キャスターの取付けは丈夫で,がた,抜けなどがなく,滑らかに作動できる。 

試験 

8.1 

一般試験条件 

一般試験条件は,試験の種類によって,引用する試験方法の試験条件による。 

なお,特に指定がない場合は,試験場所の温湿度状態は,JIS Z 8703に規定する常温常湿とする。また,

試験において,JIS S 1206で規定されている当て板などを使用する場合は,試験荷重に影響がないことを

確認する。その場合は,試験報告書に使用したことを記載する。 

試験で加える力,サイクル数などは,附属書Aのレベル1による。 

注記 当て板などは,全て力の方向に対して回転を妨げないのが望ましい。 

8.2 

安定性試験 

安定性試験は,椅子を転倒させようとする力に耐える性能を確認するために行う試験で,次による。 

a) 前縁安定性 前縁安定性試験は,JIS S 1206の7.1.1(前縁安定性)に従い,22 kgのおもりを座面につ

り下げて,転倒の有無を調べる。このとき,キャスターは最も不利な位置に向ける。 

b) 前方安定性 前方安定性試験は,JIS S 1206の7.1.2(前方安定性)に従い,座面に490 Nの垂直の力

を加えるとともに,20 Nの水平の外向きの力を少なくとも5秒間加えて,転倒の有無を調べる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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c) 足掛け付き椅子の前方安定性 足掛け付き椅子の前方安定性試験は,JIS S 1206の7.1.3(足掛け付き

椅子の前方安定性)に従い,足掛けに900 Nの垂直の力を加えるとともに,20 Nの外向きの水平の力

を少なくとも5秒間加えて,転倒の有無を調べる。 

なお,縦断面がパイプ状の場合などで,足掛けの幅が120 mm未満の場合には,パイプの断面の中

心を通るように力を加える。 

d) 肘掛けのない椅子の側方安定性 肘掛けのない椅子の側方安定性試験は,JIS S 1206の7.1.4(肘掛け

のない椅子の側方安定性)に従い,座面に490 Nの垂直の力を加えるとともに,20 Nの横向きの水平

の力を少なくとも5秒間加えて,転倒の有無を調べる。 

e) 肘掛け付き椅子の側方安定性 肘掛け付き椅子の側方安定性試験は,JIS S 1206の7.1.5(肘掛け付き

椅子の側方安定性)に従い,座面に200 Nの垂直の力を加え,かつ,同じ側にある肘掛けに280 Nの

垂直の力を加えるとともに,20 Nの横向きの水平の力を少なくとも5秒間加えて,転倒の有無を調べ

る。 

なお,JIS S 1206の7.1.5の“肘掛けの長さに沿った最も不利な位置”は,肘掛けの最も不利な位置

が肘掛けの前縁又は後縁である場合,肘掛けの前縁又は後縁から75 mmの位置とする。 

f) 

背もたれ傾斜機能のない椅子の後方安定性 背もたれ傾斜機能のない椅子の後方安定性試験は,JIS S 

1206の7.1.6(背もたれ傾斜機能のない椅子の後方安定性)に従い,座面に490 Nの垂直の力を加え,

かつ,背もたれに192 Nの水平の力を加えて,転倒の有無を調べる。 

g) 背もたれ傾斜機能付き椅子の後方安定性 背もたれ傾斜機能付き椅子の後方安定性試験は,JIS S 

1206の7.1.7(背もたれ傾斜機能付き椅子の後方安定性)に従い,11枚の荷重用円盤を椅子に載せて,

転倒の有無を調べる。 

8.3 

静荷重試験 

静荷重試験は,椅子に通常加わり得る最大の力のもとで,その機能を発揮できる十分な強度を備えてい

ることを確認するために重負荷を数回加える試験で,次による。 

a) 座面前縁の静荷重試験 座面前縁の静荷重試験は,JIS S 1206の7.2.1(座面前縁の静荷重試験)に従

い,1 320 Nの垂直の下向きの力を座面に加える。試験後,力を取り除き,各部の異常の有無を調べる。 

b) 座面及び背もたれの複合静荷重試験 座面及び背もたれの複合静荷重試験は,JIS S 1206の7.2.2(座

面及び背もたれの複合静荷重試験)に従い,1 320 Nの垂直力を座面に加え,かつ,560 Nの垂直な力

を背もたれに加える。椅子が転倒する場合は,背もたれに加える力を減少させて,実際の力を報告す

る。試験後,力を取り除き,各部の異常の有無を調べる。 

c) 肘掛けの中心垂直力静荷重試験 肘掛けの中心垂直力静荷重試験は,JIS S 1206の7.2.3(肘掛けの中

心垂直力静荷重試験)に従い,750 Nの垂直の力を両方の肘掛けに同時に加える。試験後,力を取り

除き,各部の異常の有無を調べる。 

d) 肘掛けの前部垂直力静荷重試験 肘掛けの前部垂直力静荷重試験は,JIS S 1206の7.2.4(肘掛けの前

部垂直力静荷重試験)に従い,375 Nの垂直の力を両方の肘掛けの前縁に同時に加える。試験後,力

を取り除き,各部の異常の有無を調べる。 

なお,肘掛けへの力は,肘掛けの前縁から75 mm手前のところに加える。 

e) 肘掛けの側方静荷重試験 肘掛けの側方静荷重試験は,JIS S 1206の7.2.5(肘掛けの側方静荷重試験)

に従い,400 Nの横向きの水平の力を両方の肘掛けに同時に加える。試験後,力を取り除き,各部の

異常の有無を調べる。 

なお,肘掛けへの力は,肘掛けの前縁又は後縁から75 mm以上離れたところに加える。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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f) 

足掛けの静荷重試験 足掛けの静荷重試験は,JIS S 1206の7.2.6(足掛けの静荷重試験)に従い,1 060 

Nの垂直の力を足掛けに加える。椅子が転倒する場合は,転倒しないような力を加えて実際に加えた

力を報告する。試験後,力を取り除き,各部の異常の有無を調べる。 

なお,縦断面が輪の場合など,幅160 mm未満の足掛けの場合には,断面の中心を通るように力を

加える。 

8.4 

耐久性試験 

耐久性試験は,長期間にわたる使用中に反復的に発生する負荷を模擬的に作り,そのような状況の下で

の試験品の強度を評価する試験で,次による。 

a) 座面及び背もたれの耐久性試験 座面及び背もたれの耐久性試験は,JIS S 1206の7.3.1(座面及び背

もたれの耐久性試験)に従い,表A.3に示す試験順序で力を加え,全てのサイクル数で試験を行った

後,力を取り除き,各部の異常の有無を調べる。 

b) 肘掛けの耐久性試験 肘掛けの耐久性試験は,JIS S 1206の7.3.2(肘掛けの耐久性試験)に従い,335 

Nの垂直力を両方の肘掛けに同時に加え,30 000回繰り返す。試験後,力を取り除き,各部の異常の

有無を調べる。 

なお,肘掛けへの力はJIS S 1206の5.7(肘掛けの耐久性試験装置)によらない場合は,肘掛けに対

する負荷時の角度を,試験報告書に記載しなければならない。 

c) 旋回試験 旋回試験は,JIS S 1206の7.3.3(旋回試験)に従い,JIS S 1206の図7の荷重点Aに質量

50 kg,荷重点Cに質量30 kgを載せて,1回転1サイクルとして,左右交互に椅子を60 000サイクル

旋回させる。試験後,力を取り除き,各部の異常の有無を調べる。 

d) 足掛けの耐久性試験 足掛けの耐久性試験は,JIS S 1206の7.3.4(足掛けの耐久性試験)に従い,750 

Nの下向きの力を足掛けに加える。25 000サイクル荷重を加えた後,力を取り除き,各部の異常の有

無を調べる。 

なお,縦断面が輪の場合など,幅160 mm未満の足掛けの場合には,断面の中心を通るように力を

加える。 

e) キャスター及び椅子の脚羽根の耐久性試験 キャスター及び椅子の脚羽根の耐久性試験は,JIS S 

1206の7.3.5(キャスター及び椅子の脚羽根の耐久性試験)に従い,90 kgの質量をJIS S 1206の図7

の荷重点Aに加える。50 000サイクル回転させた後,力を取り除き,各部の異常の有無を調べる。 

8.5 

表面処理試験 

表面処理試験に用いる試験片は,試験体から木質系及び金属の場合は長さ約150 mm,幅約50 mm,金

属管の場合は原形のまま,長さ約150 mmの大きさのものをとり,次による。ただし,試験体と同一生産

条件で製作された試験片を用いてもよい。 

a) 常温液体に対する表面抵抗性試験 常温液体に対する表面抵抗性試験は,JIS A 1531の規定に従い,

酢酸4.4 %溶液,アンモニア10 %溶液,中性洗剤及び事務用インクの4種類の試験液を用いて,6時

間放置した後,試験液を拭き取り,塗装面の異常の有無を調べる。 

なお,JIS A 1531において,試験体の調製及び予備処理として,試験体は気温15 ℃以上で通風の

よい室内に4週間以上放置となっている。金属の焼付け塗装の場合は,この限りではない。また,洗

浄溶液は,JIS A 1531で規定している溶液のほか,同等の性質の溶液とする。 

b) 金属部・木部塗膜密着性試験 金属部・木部塗膜密着性試験は,試験片が金属の場合は,試験片に鋭

利な刃物で,刃が素地に達するように,1 mm間隔で相互に直交するように,けがき線を11本ずつ引

き,100個の升目を作る。試験片が木の場合は,2 mm間隔で相互に直行するようにけがき線を11本

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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ずつ引き,100個の升目を作る。 

その上に,JIS Z 1522又は同等以上の性能をもつ粘着テープを貼り付けた後,すぐに剝がし,塗膜

の剝がれの有無を調べる。 

なお,試験による性能については,JIS K 5600-5-6に規定する“分類2以上の性能”であることを

確認する。けがき線を引く段階で,升目の角の損傷等の不都合が生じる場合は,JIS K 5600-5-6の7.1.4

のカットの間隔に従う。 

c) 金属部塗膜防せい性試験 金属部塗膜防せい性試験は,試験片に鋭利な刃物で刃が金属素地に達する

ように,各対角線にきずを付け,図1に示すように3 %食塩水(15〜25 ℃)をビーカに深さ約70 mm

入れたものに,きずを付けた試験片を約半分浸し,100時間経過後,浸せきしたままで,きずの両側3 

mmの外側の膨れの有無,及び引き上げて静かに水洗した後,乾燥させ,きずの両側3 mmの外側の

さびの有無を調べる。 

単位 mm 

図1−金属部塗膜防せい性試験 

d) 金属部めっき厚さ試験 金属部めっき厚さ試験は,JIS H 8610の9.3(厚さ試験)又はJIS H 8617の

9.4(厚さ試験)の規定による。 

検査方法 

製品の検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,検査の項目はそれぞれ次のとおりとして,箇条5

〜箇条7及び箇条10に適合したものを合格とする。 

なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当事者間の協定による。 

a) 形式検査項目 

1) 外観 

2) 性能 

3) 構造 

4) 寸法 

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b) 受渡検査項目 

1) 外観 

2) 表示 

注1) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。 

2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

10 

表示 

製品には,次の事項を表示しなければならない。 

a) この規格の番号 

b) 製造年又はその略号 

c) 製造業者名又はその略号 

d) 椅子の高さは,上限及び下限の達する範囲 

11 

取扱い上及び維持管理上の注意事項 

製品には,次の事項を添付しなければならない。 

a) 取扱い上の注意事項 

b) 維持管理上の注意事項(手入れ方法など) 

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S 1043:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

安定性,強度及び耐久性の試験のための力, 

サイクルなどの選択の手引−一般原則 

この附属書に記載されている力,サイクルなどは,JIS S 1206に示されている,附属書JA(レベル1)

及び附属書A(レベル2)を引用しており,この規格ではレベル1を規定値とする。また,レベル2につ

いては,欧米人の体格を考慮した目標値として参考とする。 

なお,表A.1は安定性試験,表A.2は静荷重試験,表A.3は耐久性試験のための,力,サイクル数など

を示す。 

表A.1−安定性試験のための力及びサイクル数 

箇条 
番号 

JIS S 

1206 
箇条 
番号 

試験 

タイプ 

場所 

力/質量/サイクルと試験区分 

レベル1 

レベル2(参考) 

力 

質量 

kg 

サイク

ル数 

(回) 

力 

質量 

kg 

サイク

ル数 

(回) 

8.2 a) 

7.1.1 

前縁安定性 

質量 

− 

22 

− 

27 

8.2 b)  7.1.2 

前方安定性 

下向き

の力F1 

490 

− 

600 

− 

水平の 

力F2 

20 

− 

20 

− 

8.2 c) 

7.1.3 

足掛け付き椅子の前方安定
性 

下向き

の力F1 

900 

− 

1 100 

− 

水平の 

力F2 

20 

− 

20 

− 

8.2 d)  7.1.4 

肘掛けのない椅子の側方安
定性 

下向き

の力F1 

490 

− 

600 

− 

水平の 

力F2 

20 

− 

20 

− 

8.2 e) 

7.1.5 

肘掛け付き椅子の側方安定
性 

下向き

の力F1 

200 

− 

250 

− 

下向き

の力F2 

280 

− 

350 

− 

水平の 

力F3 

20 

− 

20 

− 

8.2 f) 

7.1.6 

背もたれ傾斜機能のない椅
子の後方安定性 

下向き

の力F1 

490 

− 

600 

− 

水平の 

力F2 

192 

− 

192 

− 

8.2 g) 

7.1.7 

背もたれ傾斜機能付き椅子
の後方安定性 

円盤数 

− 

円盤 

11枚 

− 

円盤 

13枚 

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10 

S 1043:2016  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2−静荷重試験試験のための力及びサイクル数 

箇条 
番号 

JIS S 

1206 
箇条 
番号 

試験 

場所 

力/質量/サイクルと試験区分 

レベル1 

レベル2(参考) 

力 

質量 

kg 

サイク

ル数 

(回) 

力 

質量 

kg 

サイク

ル数 

(回) 

8.3 a) 

7.2.1 

座面前縁の静荷重試験 

− 

1 320 

− 

10 

1 600 

− 

10 

8.3 b)  7.2.2 

座面及び背もたれの複合静
荷重試験 

座面F1 

1 320 

− 

10 

1 600 

− 

10 

背もた

れF2 

560 

− 

560 

− 

8.3 c) 

7.2.3 

肘掛けの中心垂直力静荷重
試験 

− 

750 

− 

900 

− 

8.3 d)  7.2.4 

肘掛けの前部垂直力静荷重
試験 

− 

375 

− 

450 

− 

8.3 e) 

7.2.5 

肘掛けの側方静荷重試験 

− 

400 

− 

10 

400 

− 

10 

8.3 f) 

7.2.6 

足掛けの静荷重試験 

− 

1 060 

− 

10 

1 300 

− 

10 

表A.3−耐久性試験のための力及びサイクル数 

箇条 
番号 

JIS S 

1206 
箇条 
番号 

試験 

場所 

力/質量/サイクルと試験区分 

レベル1 

レベル2(参考) 

力 

質量 

kg 

サイク

ル数 

(回) 

力 

質量 

kg 

サイク

ル数 

(回) 

8.4 a) 

7.3.1 

座面及び背もたれの耐久性
試験 
 手順1:A 
 手順2:C・B 
 手順3:J・E 
 手順4:F・H 
 手順5:D・G(交互) 

点A 

1 250 

− 

60 000 

1 500 

− 

120 000 

点B 

320 

− 

40 000 

320 

− 

80 000 

点C 

1 000 

− 

40 000 

1 200 

− 

80 000 

点D 

900 

− 

10 000 

1 100 

− 

20 000 

点E 

320 

− 

10 000 

320 

− 

20 000 

点F 

1 000 

− 

10 000 

1 200 

− 

20 000 

点G 

900 

− 

10 000 

1 100 

− 

20 000 

点H 

320 

− 

10 000 

320 

− 

20 000 

点J 

1 000 

− 

10 000 

1 200 

− 

20 000 

8.4 b)  7.3.2 

肘掛けの耐久性試験 

− 

335 

− 

30 000 

400 

− 

60 000 

8.4 c) 

7.3.3 

旋回試験 

M1 

− 

50 

60 000 

− 

60 

120 000 

M2 

− 

30 

− 

35 

8.4 d)  7.3.4 

足掛けの耐久性試験 

− 

750 

− 

25 000 

900 

− 

50 000 

8.4 e) 

7.3.5 

キャスター及び椅子の脚羽
根の耐久性試験 

座面 

− 

90 

50 000 

− 

110 

100 000 

11 

S 1043:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

オフィス家具−座面高さ調節式回転椅子の寸法 

この附属書は,椅子の指針及び使用の合理化のため,椅子の寸法について記載するもので,規定の一部

ではない。 

椅子の寸法はJIS S 1011(事務用いすの寸法)を参考とするほか,ISO/TR 24496:2012,Office furniture

−Office work chairs−Methods for the determination of dimensions(オフィス用椅子の寸法測定方法)がある。 

B.1 

寸法 

寸法は,受渡当事者間の協定によることとしているが,流通の目安とするために寸法及び寸法設定の関

連事項を,次に示す。 

B.2 

寸法の表示 

寸法の表示は,次による。 

a) 寸法はミリメートル(mm)で表示する。 

b) 寸法の表示は,呼び寸法を用いる。呼び寸法は,主に分類上使用する代表寸法として使用する。 

c) 寸法の表示は,間口寸法,奥行き寸法,高さ寸法及び座高寸法の順で表し,略記号は,間口寸法をW,

奥行き寸法をD,高さ寸法をH,座高をWHで表す。 

d) 間口寸法及び奥行き寸法は,椅子の最大外形寸法で,間口寸法は肘付きの場合は左右の肘の最大外形

寸法,肘なしの場合は座又は背の最大外形寸法。ただし,脚寸法が最大の場合はその寸法(キャスタ

ーは椅子の前方方向に向ける。)。 

e) 高さ寸法は,床面から椅子の背もたれ(又はヘッドレスト)までの最大高さ寸法。座高寸法は,床面

から椅子の座の前縁の中央部分までの高さ。また,上下調節のものは,調節できる範囲を表示する。 

f) 

そのほかに,座位基準点を含む垂直面上における肘掛け間の有効幅,背もたれ点から座の前縁までの

水平距離,床面からの座位基準点高さ及び背もたれ点までの垂直距離を必要に応じて表示する。