2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
S 1038-1994
事務いす用キャスター
Castors for office chairs
1. 適用範囲 この規格は,事務いす用キャスター(以下,キャスターという。)について規定する。ただ
し,ストッパ付きのものは除く。
備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参
考値である。
2. 種類,記号及び各部の名称
2.1
種類及び記号 種類及び記号は,次による。
(1) キャスターの車輪数による区分は,表1のとおりとする。
表1
車輪数による区分
記号
単輪キャスター
V
双輪キャスター
W
(2) キャスターの取付方法による区分は,表2のとおりとする。
表2
取付方法による区分
記号
ねじ込み形
S
リング形
R
2.2
各部の名称 キャスターの各部の名称は,図1による。
2
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1(例図)
番号
部品名称
番号
部品名称
1
本体
5
鋼球
2
上皿
6
車軸
3
主軸
7
リング
4
下皿
8
車輪
3. 性能 キャスターの性能は,8.によって試験を行い,表3の規定に適合しなければならない。
表3
項目
性能
試験方法
車輪の振れ
縦振れ,横振れ共に1.0mm以内であること。
8.(1)
耐荷重性
車輪は,復元性が良好で有害な き裂,離脱などがないこと。
8.(2)
荷重走行性能 円滑に作動し,有害な き裂,離脱などがないこと。
8.(3)
衝撃走行性能 円滑に作動し,各部に破損のないこと。
8.(4)
4. 構造及び加工
4.1
旋回部分の作動は,滑らかで,緩みが生じないよう確実に緊締されていなければならない。
4.2
車輪は,円滑に回転するように組み立てられていなければならない。
3
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.3
単輪キャスターの車軸は,本体に固定され,回転しないように加工されていなければならない。
4.4
主軸は,容易に本体から離脱しない構造でなければならない。
4.5
単輪キャスターにおける本体,上皿,及び下皿の鋼板は,呼び厚さ1.6mm以上のものとする。
4.6
鉄素地にめっきを施す場合は,JIS H 8617に規定する等級2級以上,又はJIS H 8610に規定する等
級2級以上とする。
5. 寸法 キャスターの主要寸法は,表4による。
4
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4
単位mm
種類
車輪
の呼
び外
径D
H Hの
許容
差
L
E
主軸径
d1
w
wの
許容
差
t
Bナ
ット
の二
面幅
Bの
許容
差
車軸
径
d2
d2の
許容
差
車輪数によ
る区分
キャスター
の取付方法
による区分
単輪キャス
ター (V)
ねじ込み形
(S)
50 67 ±1.0 13以上 17〜22 M12×1.25 20以上 ±0.7 4以上 19
0
−0.8
6以上
0
−0.2
71
リング形
(R)
50 67
20以上
11
0
15
.0
−
20以上
−
−
− 6以上
双輪キャス
ター (W)
ねじ込み形
(S)
50 64 ±1.0 13以上 17〜22 M12×1.25 9以上 ±0.7 4以上 19
0
−0.8
6以上
0
−0.2
67
リング形
(R)
50 61
20以上
11
0
15
.0
−
9以上
−
−
− 6以上
64
備考1. ねじ込み形のねじは,JIS B 0207の3級による。
2. 寸法w1は約20mm,t1は約4mm,d3は約15mmとする(参考値)。
5
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 外観
(1) 仕上げは良好で,きず,ばりなどの欠点があってはならない。
(2) めっきは,下地及び素地の露出があってはならない。
7. 材料 キャスターに使用する材料は,表5〜8に規定するもの,又はこれらと同等以上の品質をもつも
のとする。
(1) 金属材料 金属材料は,表5のとおりとする。
表5
規格番号
種類
JIS G 3101
JIS G 3131
JIS G 3141
JIS G 3505
JIS G 3506
JIS G 3522
JIS G 4305
JIS G 4801
JIS H 3100
JIS H 3130
JIS H 3260
JIS H 5301
亜鉛合金ダイカストに規定するZDC-2
JIS H 5302
アルミニウム合金ダイカストに規定するADC-12
鋼球
硬さHRC57以上
直径の許容差
01
.002
.0
−
−
mm
(2) ゴム材料
(a) はん用ゴムの物理的性質は,JIS K 6301によって試験を行い,表6のとおりとする。
表6
硬さ
Hs
引張強さ
N/cm2 {kgf/cm2}
伸び
%
耐油性(1)
(体積変化率)%
80以上
883 {90} 以上
230以上
−10〜+15
注(1) JIS K 6301の12.(浸せき試験)によって温度70℃±1K {70±1℃} の潤滑油No.1に
70時間浸せきしたときの体積変化率。
(b) ウレタンゴムの物理的性質は,JIS K 6301によって試験を行い,表7のとおりとする。
表7
硬さ
Hs
引張強さ
N/cm2 {kgf/cm2}
伸び
%
引裂強さ
N/cm {kgf/cm}
70以上
1 961 {200} 以上
250以上
294 {30} 以上
(3) プラスチック材料 プラスチック材料の物理的性質は,次の試験方法によって行い,表8のとおりと
する。
JIS K 6810
JIS K 7202
6
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表8
硬さ
ロックウェル硬さ
HRR
引張強さ
N/mm2 {kgf/mm2}
曲げ強さ
N/mm2 {kgf/mm2}
衝撃強さ
(アイゾットノッチ付)
J/m {kgf・cm/cm}
100以上
39.2 {4.0} 以上
49.0 {5.0} 以上
39.2 {4.0} 以上
備考 表の数値は,絶乾時のものとする。
8. 試験方法 試験は,JIS Z 8703の常温常湿において行う。
(1) 車輪の振れ試験 キャスターを図2に示すように固定し,ダイヤルインジケータを用いて車輪の振れ
を測定する。縦振れは車輪外周のできるだけ中心に近い箇所,横振れは車輪外周に最も近い側面を測
定する。
なお,測定する場合,車輪を緩やかに1回転させたとき,ダイヤルインジケータの指針の最大の動
き(双輪の場合は,いずれか振れの大きい方)を調べる。
図2
(2) 耐荷重性試験 キャスターの主軸を図3に示すように固定し,1 471.0N {150kgf} の荷重を主軸に平行
に3分間負荷(双輪の場合は,双輪に均等に)した後,荷重を取り除き,車輪の状態を調べる。
図3
7
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(3) 荷重走行性能試験 図4に示すようにキャスターを試験用いす脚(3個のキャスターに平均に荷重が
かかる構造)にそれぞれ付け,荷重1 029.7N {105kgf} を載荷した状態で走行距離約1mを1時間約
800mの速さで反復させ,6km走行させた後,各部の状態を調べる。ただし,走行中,車輪を冷却す
るか,又は約3km走行したとき,約30分間止めて冷却してもよい。
なお,走行床面は鋼板とする。
図4
(4) 衝撃走行性能試験 図5に示すようにキャスターに343N {35kgf} の荷重を負荷し,鋼製の突起物の
ある鋼製ドラムを1.5km/hの円周速度で10kmを回転させ,試験終了後,各部の状態を調べる。ただ
し,走行中,車輪を冷却するか,又は約3km走行したとき,約30分間止めて冷却してもよい。
なお,回転体に取り付けた突起物(双輪の場合は,双輪同時に当たるようにする。)は,ドラム円周
上1m以内に1個とし,その形状寸法は表9による。
図5
表9 突起物寸法
単位mm
長さ
b
高さ
h
半径
r
6
3
3
8
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9. 検査 検査は合理的な抜取方法によって,性能,構造及び加工,寸法,外観並びに材料について行い,
3.〜7.の規定に適合しなければならない。
10. 製品の呼び方 キャスターの呼び方は,次による。
(1) キャスターの車輪数による区分
(2) キャスターの取付方法による区分
(3) キャスターの車輪の呼び外径
例
11. 表示
11.1 製品の表示 製品には,次の事項を表示する。
(1) 製造業者名又はその略号
(2) 製造年月又はその略号
11.2 包装の表示 包装外面には,次の事項を表示する。
(1) 種類又はその記号,車輪の呼び外径
(2) 製造業者名又はその略号
(3) 製造年月
9
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 引用規格
JIS B 0207 メートル細目ねじ
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 3505 軟鋼線材
JIS G 3506 硬鋼線材
JIS G 3522 ピアノ線
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4801 ばね鋼鋼材
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 3130 ばね用ベリリウム銅,りん青銅及び洋白の板及び条
JIS H 3260 銅及び銅合金線
JIS H 5301 亜鉛合金ダイカスト
JIS H 5302 アルミニウム合金ダイカスト
JIS H 8610 電気亜鉛めっき
JIS H 8617 ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき
JIS K 6301 加硫ゴム物理試験方法
JIS K 6810 ポリアミド樹脂(ナイロン)成形材料試験方法
JIS K 7202 プラスチックのロックウェル硬さ試験方法
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
10
S 1038-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
事務いす用キャスター工業標準改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
坂 田 種 男
千葉大学工学部
長 藤 史 郎
通商産業省生活産業局
笹 谷 勇
工業技術院標準部
竹 内 阪 蔵
工業技術院製品科学研究所
鈴 木 庸 夫
財団法人建材試験センター
松 本 武 男
東京電力株式会社総務部
吉 浜 富 夫
社団法人用度需要者協会
近 藤 誠 宏
株式会社ホウトク
中 島 龍 生
株式会社岡村製作所オフィス家具部
岩 田 久 雄
株式会社ネコス技術開発室
櫻 井 弘
株式会社東洋工芸
酒 巻 高 一
日本金属家具工業組合
斎 藤 保
株式会社南進製作所
依 田 憲一郎
株式会社石川製作所
杉 浦 由 治
中部化成株式会社
八 代 宏
中部化成株式会社
富 沢 秀 雄
株式会社東信製作所
内 村 国 啓
株式会社内村製作所
浅 井 清 春
ハンマーキャスター株式会社技術開発部
(事務局)
相 原 守
日本運搬車両機器協会