サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

S 1037:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 種類······························································································································· 2 

5 品質······························································································································· 3 

5.1 外観 ···························································································································· 3 

5.2 性能 ···························································································································· 3 

6 構造······························································································································· 5 

7 材料······························································································································· 5 

8 表面処理························································································································· 6 

9 試験······························································································································· 6 

9.1 強度試験 ······················································································································ 6 

9.2 耐繰返し試験 ················································································································ 8 

9.3 安定性試験 ··················································································································· 8 

9.4 塗膜の防せい試験 ·········································································································· 9 

9.5 塗膜の付着性試験 ········································································································· 10 

9.6 金属部めっき厚さ試験 ··································································································· 10 

9.7 耐火試験 ····················································································································· 10 

9.8 耐破壊試験 ·················································································································· 16 

10 検査 ···························································································································· 18 

11 製品の呼び方 ················································································································ 18 

12 表示 ···························································································································· 19 

13 取扱説明書 ··················································································································· 19 

附属書A(参考)引出しの急速開閉試験用装置 ········································································· 20 

S 1037:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本セーフ・ファ

ニチュア協同組合連合会(FJSF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日

本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。 

これによって,JIS S 1037:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

S 1037:2013 

耐火金庫 

Fire-resistive containers 

序文 

この規格は,1966年に制定され,その後7回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2006年に

行われたが,その後,検査方法及び試験方法をより明確にする必要が出てきたため改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,火災を想定した高温雰囲気中において庫内を所定温度及び相対湿度(以下,湿度という。)

に維持する耐火金庫について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1602 熱電対 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3123 みがき棒鋼 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

JIS H 8601 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜 

JIS H 8610 電気亜鉛めっき 

JIS H 8617 ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき 

JIS K 5531 ニトロセルロースラッカー 

JIS K 5572 フタル酸樹脂エナメル 

JIS K 5600-5-6 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法) 

JIS R 5210 ポルトランドセメント 

JIS R 5211 高炉セメント 

JIS R 5212 シリカセメント 

JIS R 5213 フライアッシュセメント 

background image

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

一般紙用耐火金庫 

庫内の許容温度177 ℃以下の条件下で,一般紙(新聞紙など)に記載の情報又は資料を保管するもの。 

3.2 

フレキシブルコンピュータディスク用耐火金庫 

庫内の許容温度52 ℃以下で,かつ,湿度80 %以下の条件下で,主にフレキシブルコンピュータディス

クを保管するもの。 

3.3 

二次庫 

一般紙用耐火金庫の中に,あらかじめ組み込んだもの又は追加して組み込む容器で,主にフレキシブル

コンピュータディスクを保管するもの。 

3.4 

リロッキング機能 

錠が,符号錠又は電子錠(テンキー錠など)である場合,錠を庫内側に打ち抜いて破壊すると,戸締り

機構が自動施錠する機能。 

種類 

種類は,保管物及びリロッキング機能による区分と性能による区分との組合せで,次による。 

a) 保管物(許容温度)による区分は,表1による。 

b) リロッキング機能による区分は,表2による。 

c) 性能による区分は,表3による。 

表1−保管物による区分 

区分 

記号 

用途 

一般紙用 

主として種々の紙を保管するもので,許容温度177 ℃以下のもの。 

フレキシブルコンピュータ
ディスク用 

主としてフレキシブルコンピュータディスクを保管するもので,許
容温度52 ℃以下のものa)。 

注a) 二次庫にも適用する。この場合には,一般紙用耐火金庫の中に入れた二次庫の保管物(許容温度)と

一般紙用の保管場所とを明確にする。 

表2−リロッキング機能による区分 

区分 

記号 

リロッキング機能付き 

リロッキング機能なし 

background image

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3−性能による区分 

区分 

記号 

一般紙用 

4時間耐火・急加熱・耐衝撃 

4TKS 

3時間耐火・急加熱・耐衝撃 

3TKS 

2時間耐火・急加熱・耐衝撃 

2TKS 

1時間耐火・急加熱・耐衝撃 

1TKS 

30分耐火・急加熱・耐衝撃 

0.5TKS 

4時間耐火 

4T 

3時間耐火 

3T 

2時間耐火 

2T 

1時間耐火 

1T 

30分耐火 

0.5T 

フレキシブルコンピュータ
ディスク用 

4時間耐火 

4T 

3時間耐火 

3T 

2時間耐火 

2T 

1時間耐火 

1T 

30分耐火 

0.5T 

品質 

5.1 

外観 

耐火金庫の外観は,次による。 

a) 外観は,きず,ゆがみ,接合部分のはずれなど著しい欠点があってはならない。 

b) 人体及び衣服の触れる部分には,鋭い突起,かど,ささくれなどがあってはならない。 

c) 塗装面の見えがかり部分は,光沢及び色調が均一で塗りむらがあってはならない。 

5.2 

性能 

性能は,箇条9に規定する試験を行い,表4〜表6を満足しなければならない。 

background image

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表4−強度及びその他 

項目 

開閉方式 

性能 

試験項目 

強度 

棚板 

両開き,片開き
又は投入れ 

たわみ量が棚板の長さの1 000分の3以下。 
棚板にひずみが残らない。 
棚受金具に変形がない。 

9.1.1 

扉 

両開き,片開き
又は投入れ 

扉の開閉が円滑に作動する。 
開閉時に扉と本体枠との隙間が正常に保たれている。 
錠及び戸締り機構が正常に作動する。 

9.1.2 

引出し 

引出し 

引出し正面板と本体枠とは,左右上下に接触しない。 
引出しの開閉が円滑に作動する。 
開閉時に引出しと本体枠との隙間が正常に保たれている。 
錠及び戸締り機構が正常に作動する。 
本体及び引出し内部に変形,緩み,溶接外れなどの異常が
ない。 

9.1.3 

引出し及びランナの変形などによって,開閉・引出し作動
などに支障がない。 

9.1.4 

引出し開閉のストッパに著しい変形がない。 

9.1.5 

耐繰返し 

引出し 

引出し 

引出し力及び押込み力は,39.2 N以下で,使用上支障のあ
る破損,変形などがない。 

9.2.1 

扉の開閉 

両開き,片開き 

開閉力は,39.2 N以下で,使用上支障のある破損,変形な
どがない。 

9.2.2 

安定性 

全て 

本体が前傾しない。 

9.3 

塗膜の防せい 

きずの両側3 mmの外側に,膨れ又はさびが認められない。 

9.4 

塗膜付着 

塗膜の剝がれがない。 

9.5 

金属部めっき厚さ 

JIS H 8617に規定する2級以上,又はJIS H 8610に規定す
る2級以上。 

9.6 

表5−耐火 

項目 

耐火金庫の種類 

開閉方式 

性能 

試験項目 

耐火 

標準加熱 

一般紙用 

両開き,片開き,
引出し,投入れ 

加熱試験中及び炉内冷却中,内部温度
がいずれも177 ℃以下。 
新聞紙の変色,劣化などが著しくなく
判読できる。 

9.7.5 

フレキシブル
コンピュータ
ディスク用 

両開き,片開き,
引出し 

加熱試験中及び炉内冷却中,内部温度
がいずれも52 ℃以下及び内部湿度
80 %以下。 

急加熱・衝
撃落下併用 

一般紙用 

両開き,片開き,
引出し,投入れ 

試験体に破裂が起こらない。 
施錠状態を維持している。 
新聞紙の変色,劣化が著しくなく判読
できる。 

9.7.6 

background image

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表6−耐破壊 

項目 

耐火金庫の種類 

開閉方式 

性能 

試験項目 

耐破壊 

戸締り機構
破壊 

リロッキング
機能付き 

両開き,片開き,
投入れ 

15分間の実施時間中,扉を開扉又は取
り外しができない。 

9.8.4 

リロッキング
機能なし 

扉・本体枠
破壊 

リロッキング
機能付き 

9.8.5 

リロッキング
機能なし 

構造 

耐火金庫の構造は,次による。 

a) 錠は,1台につき1個以上取り付けるものとし,次による。 

1) 鍵を用いる錠の場合は,鍵違いが100種類以上のものを取り付ける。 

2) 符号錠の場合は,変換数が300種以上のものを取り付ける。 

3) テンキー錠などの電子錠の場合は,テンキー式,カード式,指紋照合式などの方式は問わない。 

4) テンキー錠などの電子錠の場合は,戸締り装置にリロッキング機能を取り付ける。 

5) 投入れ口付き耐火金庫の投入れ口には,鍵違いが100種以上の錠を1個以上取り付ける。 

b) 錠及びかんぬきの操作機構は,戸締りされた状態で破壊以外に取り外しができない。 

c) 投入れ口付き耐火金庫の投入れ口から保管物が容易に取り出せない。 

d) 両開き,片開き並びに投入れ口付き耐火金庫の扉及び本体枠,引出し耐火金庫の引出し,本体枠の見

えがかり部分との隙間は,左右及び上下の隙間寸法の合計が,それぞれ3.2 mm以下とする。ただし,

一方の隙間は,2.3 mm以下とする。 

e) 扉は,施錠した状態で,外部から見える丁番を切断又は取り外しても開かない。 

f) 

引出し耐火金庫の引出しは,施錠した状態で,本体から外れないか又は開かない。 

g) 戸締り機構が保管物との接触をしないように扉又は戸の裏側の部分を保護する。 

h) 引出し耐火金庫の各引出しには,ラッチその他の引出しの飛出し防止装置を付ける。また,ストップ

機構は堅固とする。 

i) 

庫内の気密を保つために使用するガスケットは,耐久性及び耐熱性のあるものとする。 

材料 

耐火金庫の材料は,次による。 

a) 主な部分に使用する材料は,表7に規定するもの又はこれと同等以上の品質とする。 

background image

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表7−材料 

材料 

規格番号 

鋼板 

JIS G 3101 
JIS G 3131 
JIS G 3141 
JIS G 3313 

棒鋼 

JIS G 3123 
JIS G 4051 

平鋼及び形鋼 

JIS G 3101 

セメント 

JIS R 5210 
JIS R 5211 
JIS R 5212 
JIS R 5213 

b) 耐火充塡材は,充塡後化学変化などによって耐火金庫本体及び保管物に悪影響を及ぼさない。 

表面処理 

耐火金庫の表面処理は,次による。 

a) 塗装は,JIS K 5531若しくはJIS K 5572に規定する自然乾燥エナメル又はこれと同等以上の性能をも

つ塗料を使用する。 

b) めっきは,JIS H 8610又はJIS H 8617に規定する2級以上とする。 

c) アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理は,JIS H 8601に規定する処理又は同等以上の処理を

施す。 

試験 

9.1 

強度試験 

9.1.1 

棚板の強度試験 

棚板の強度試験は,耐火金庫に棚板を取り付けた状態で,砂袋などを用いて,棚板上に棚板面積1 cm2

当たり質量10 gのおもりをほぼ等分布に載せて,棚板前縁中央部のたわみ量を測定する。同様に1 cm2当

たり質量30 gのおもりをほぼ等分布に載せ,10分間経過した後,このおもりを取り除き,各部の異常の有

無を調べる。 

9.1.2 

扉の強度試験 

扉の強度試験は,耐火金庫を剛性のある水平な台上に置き,耐火金庫の本体を支え,扉を90゜開き,扉

のほぼ中央に扉の自重の3倍の質量のおもりを載せ,10分間経過した後,このおもりを取り除き,各部の

異常の有無を調べる。 

9.1.3 

引出しの強度試験 

引出しの強度試験は,耐火金庫を剛性のある水平な台上に置き,全ての引出し内に砂袋などを用いて表

8に示すおもりをほぼ等分布に載せ,引出しを閉め,24時間放置後,おもりを入れた状態で引出し正面板

と本体枠との接触状態を調べた後,このおもりを取り除き,各部の異常の有無を調べる。 

background image

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表8−おもり 

単位 g 

耐火金庫の種類 

引出し1個当たり有効内容積1 Lにつき

入れるおもりの質量 

一般紙用 
 

600 

フレキシブルコンピュータ
ディスク用 

400 

9.1.4 

引出し及びランナ(サスペンションレール)の強度試験 

引出し及びランナの強度試験は,次による。ただし,試験中は耐火金庫が床上を動かないように,脚又

は底部の回りにストッパを取り付け,全ての引出し内に砂袋などによって,引出し1個当たり有効内容積

1 Lにつき330 gのおもりを載せ,耐火金庫を拘束する。 

a) 引出しを,その内側長さ(奥行き)の3分の1又は少なくとも100 mmが耐火金庫の内側に残る位置

まで引き出す(図1を参照)。 

単位 mm 

図1−引出し及びランナの強度試験 

b) 250 Nの垂直力を,引出しの前板上部の一つのかどに加える。力を加える手段は,引出しが変形する

のを妨げてはならない。 

1) 力は,最低10秒間は維持する。 

2) この手順を10回繰り返す。ただし,引出しが本体から外れてしまった場合は,引出しを再組立てし,

本体に戻す。この場合には,試験報告書に記載しなければならない。 

9.1.5 

引出しの急速開閉試験 

引出しの急速開閉試験は,次による。 

なお,力(おもり)は,構造を補強したり,又は応力を再分布させたりすることがないものとする。鉛

の小球などを入れた袋を用いる場合は,内容物が試験中に移動することがないように,袋は小さな区分室

に分けて収納しなければならない。引出しの開閉速度は,載荷なしのときは,1.2 m/sとし,表8のおもり

を載荷したときは,0.8 m/sで引出しを10回開閉する。 

a) 適切な急速開閉試験用装置の例を,附属書Aに示す。 

b) 急速に開閉するための力は,引出しが移動端に到達する約10 mm前の位置で取り除く。 

c) 力は取手に,又は取手が二つある場合はその中間点に加える。取手がない引出しについては,ランナ

background image

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

と同じ高さにおいて力を加える。 

d) 急速に開ける試験は,開位置にストップ機構が備えられている引出しだけに適用する。 

9.2 

耐繰返し試験 

9.2.1 

引出しの開閉耐繰返し試験 

引出しの開閉耐繰返し試験は,耐火金庫を剛性のある水平な台上に置き,足車をストッパなどを用いて

固定する。全ての引出し内に砂袋などを用いて,表8に示すおもりをほぼ等分布に載せ,引出しを閉める。

次に,引出しの繰返し操作は,試験作動距離l3とし,図2に示す全作動距離l1からl2及びl4の合計寸法(最

大60 mm:l2+l4)を減じたものとする。毎分約20回の速さで30 000回繰り返した後,おもりを載せたま

まで,各部の異常の有無を調べる。ただし,衝撃力が前方ラッチ部分及びストップ機構にかからないよう

にセットする。 

なお,試験の初回及びその後10 000回ごとに止めて,引出し力及び押込み力を測定する。測定方法は,

図2のおもり又はプッシュプルばかりで3回測定し,その平均値を求める。 

(引出し力及び押込み力測定) 

図2−耐繰返し試験の例 

9.2.2 

扉の開閉耐繰返し試験 

扉の開閉耐繰返し試験は,耐火金庫を剛性のある水平な台上に置き,足車をストッパなどを用い固定す

る。次に,扉の開閉繰返し操作は,開閉角度90゜以上になるように設定し,毎分約20回の速さで30 000

回繰り返した後に,操作上著しい支障がないかを調べる。 

なお,試験の初回及びその後10 000回ごとに止めて,開閉力を測定する。測定方法は取手の位置をプッ

シュプルばかりで3回測定し,その平均値を求める。 

9.3 

安定性試験 

安定性試験は,次による。 

a) 両開き及び片開き耐火金庫を剛性のある水平な台上に置き,本体を支えず,全ての扉を約90゜開き,

扉のほぼ中央に扉の自重の半分の質量のおもりを載せ,本体の安定性を調べる。ただし,本体内部に

は保管物を入れない。 

b) 引出し耐火金庫を剛性のある水平な台上に置き,砂袋などを用いて,表10に示すおもりをほぼ等分布

に載せ,引出しをストップ機構が働く位置まで引き出し,本体の安定性を調べる。ただし,表9に規

background image

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

定する引出し以外にはおもりを入れず,かつ,引出しは,閉めた状態にしておく。また,転倒防止装

置がある場合は,実際の場合と同様に装着して行う。 

表9−おもりを入れる引出し 

引出しの段数 

おもりを入れる引出し 

1段 

1個 

2段又は3段 

最上段の引出し1個 

4段以上 

最上段の引出しと上から2段目の引出しの計2個 

表10−おもり 

単位 g 

耐火金庫の種類 

引出し1個当たり有効内容積1 Lにつき

入れるおもりの質量 

一般紙用 
 

800 

フレキシブルコンピュータ
ディスク用 

550 

9.4 

塗膜の防せい試験 

9.4.1 

試験片 

試験片は,長さ約150 mm,幅約50 mmの大きさとし,製品から採取するか又は製品と同一生産条件で

塗装されたものとする。 

9.4.2 

試験方法 

試験方法は,9.4.1に規定する試験片に鋭利な刃物で鋼板に達するように各対角線にきずを付け,図3に

示すように3 %食塩水(15 ℃〜25 ℃)をビーカーに深さ約70 mm入れたものにきずを付けた試験片を約

半分浸し,100時間経過後,浸せきしたまま,きずの両側3 mmの外側の膨れの有無を調べ,引き上げて

静かに水洗した後,乾燥させ,きずの両側3 mmの外側のさびの有無を調べる。 

単位 mm 

図3−塗膜の防せい試験 

background image

10 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9.5 

塗膜の付着性試験 

塗膜の付着性試験は,JIS K 5600-5-6のクロスカット法によって,塗膜の剝がれの有無を調べる。 

9.6 

金属部めっき厚さ試験 

金属部めっき厚さ試験は,JIS H 8610の9.3(厚さ試験)又はJIS H 8617の9.4(厚さ試験)の規定によ

る。 

9.7 

耐火試験 

9.7.1 

試験体 

試験体は,次による。 

a) 試験体は,製造後1か月以上経過したものとする。 

1) 形状,構造,材料及び壁厚が同じの場合,その種類のうち最も大きな寸法のものを選ぶ。ただし,

最大寸法と最小寸法の容積比とが50 %以上の差異のものがある場合には,中間寸法の試験体を選ん

でもよい。 

2) 試験体は,9.7.5に規定した標準加熱試験に1台使用し,9.7.6に規定した急加熱・衝撃落下併用試験

を実施する場合には,同じ大きさの製品をもう1台用意し,合計2台とする。 

b) 試験実施前に少なくとも12時間以上,扉を開放した状態で温度18 ℃〜24 ℃,湿度65 %以下の恒温

恒湿室などを用いて調温及び調湿する。 

c) 試験体を加熱炉内に入れた場合は,その底部に支えを設けるなど,試験体が転倒しないようにする。 

d) 一般紙用耐火金庫は,庫内の天井を除く,各面へ新聞紙をアルミニウムはく(箔)テープなどで,全

面に貼り付ける。各区画にも新聞紙を軽くもみ,その容積の25 %〜50 %を入れる。 

9.7.2 

試験項目 

試験項目は,表11に示すとおりとする。 

表11−試験項目 

性能による区分 

試験項目 

一般紙用 

4時間耐火・急加熱・耐衝撃 

4時間標準加熱試験及び急加熱・衝撃落下併用試験 

3時間耐火・急加熱・耐衝撃 

3時間標準加熱試験及び急加熱・衝撃落下併用試験 

2時間耐火・急加熱・耐衝撃 

2時間標準加熱試験及び急加熱・衝撃落下併用試験 

1時間耐火・急加熱・耐衝撃 

1時間標準加熱試験及び急加熱・衝撃落下併用試験 

30分耐火・急加熱・耐衝撃 

30分標準加熱試験及び急加熱・衝撃落下併用試験 

4時間耐火 

4時間標準加熱試験 

3時間耐火 

3時間標準加熱試験 

2時間耐火 

2時間標準加熱試験 

1時間耐火 

1時間標準加熱試験 

30分耐火 

30分標準加熱試験 

フレキシブル 
コンピュータ 
ディスク用 

4時間耐火 

4時間標準加熱試験 

3時間耐火 

3時間標準加熱試験 

2時間耐火 

2時間標準加熱試験 

1時間耐火 

1時間標準加熱試験 

30分耐火 

30分標準加熱試験 

9.7.3 

標準温度曲線 

耐火試験の標準温度曲線は,表12及び図4に示すとおりとする。 

background image

11 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表12−標準温度曲線 

経過時間(分) 

10 

15 

20 

25 

30 

35 

40 

45 

50 

55 

60 

加熱温度(℃) 

538 

704 

760 

795 

821 

843 

862 

878 

892 

905 

916 

927 

経過時間(分) 

65 

70 

75 

80 

85 

90 

95 

100 

105 

110 

115 

120 

加熱温度(℃) 

937 

946 

955 

963 

971 

978 

985 

991 

996 

1 001 

1 006 

1 010 

経過時間(分) 

130 

140 

150 

160 

170 

180 

190 

200 

210 

220 

230 

240 

加熱温度(℃)  1 017 

1 024 

1 031 

1 038 

1 045 

1 052 

1 059 

1 066 

1 072 

1 079 

1 086 

1 093 

図4−標準温度曲線 

9.7.4 

加熱炉 

加熱炉は,次による。 

a) 加熱炉は,9.7.3に示す温度の時間的変化を,試験体の底以外の全面にほぼ一様に与えられるようなも

のとする。火炎が直接試験体へ当たってはならない。 

b) 加熱炉の熱源は,都市ガス,液化石油ガス,軽油その他の火炎とする。 

9.7.5 

標準加熱試験 

標準加熱試験は,次による。 

a) 標準加熱試験は,9.7.1に規定した試験体を9.7.4に規定した加熱炉内に設置し,c) に規定した熱電対

の示す温度を9.7.3に規定する標準温度曲線に沿わせるようにして,表11に示す試験項目別に表13

に規定した加熱時間に達するまで加熱する。加熱終了後,耐火金庫の内部温度がf) に達するまで炉内

冷却する。 

表13−加熱時間 

単位 分 

試験項目 

加熱時間 

4時間標準加熱試験 

240 

3時間標準加熱試験 

180 

2時間標準加熱試験 

120 

1時間標準加熱試験 

60 

30分標準加熱試験 

30 

b) 試験中の加熱炉の圧力はできるだけ正圧で大気圧に近く保持する。 

background image

12 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 加熱炉内の加熱温度の測定は,次による。 

1) 加熱温度は,JIS C 1602に規定するクラス2以上の性能をもつ素線径1.00 mmのK熱電対によって

測定する。 

2) 加熱温度を測定する熱電対の熱接点は,試験体の正面,背面及び側面から50

5
0

+mmの位置に対称的

に,4か所以上設置する。 

3) 熱電対は,内径1.0〜1.4 cmの先端を封じた石英,鉄又は磁器保護管に入れたものを用い,保護管の

先端は,試験体面に平行に約15 cm沿わせる。 

4) 加熱温度の標準温度曲線に対する許容差は,温度時間面積で1時間までは±10 %,2時間までは±

7.5 %,4時間までは±5 %とする。 

d) 試験体の内部温度の測定は,次による。 

1) 内部温度は,JIS C 1602に規定するクラス2以上の性能をもつ素線径0.65 mmのK熱電対又は素線

径0.32 mmのT熱電対によって測定する。 

熱電対は,試験体底面にあけた小孔から挿入し,挿入後,小孔は一般紙用耐火金庫の場合には,

耐火材で埋め戻し,フレキシブルコンピュータディスク用耐火金庫は,耐熱性のあるシール材でシ

ールして埋め戻す。 

2) 一般紙用両開き,片開き及び投入れ口付耐火金庫は,図5のように天井及び背面から150

5
0

+mm離

れた位置で,側面からそれぞれ25

5
0

+mmの2か所,側面及び扉面からそれぞれ25

5
0

+mmの合計4

か所に熱電対の熱接点を設置する。 

なお,両開き耐火金庫の場合は,扉の接合部(扉合わせ目の背面)に扉裏面から25

5
0

+mm離れた

箇所にも熱電対の熱接点を設置する。投入れ口付耐火金庫の場合は,シュート[かばん(鞄)の出

口]が邪魔をして熱電対の熱接点を上記の箇所に設けることが不可能のときは,シュート出口を配

慮して設置してもよい。また,試験体の内部の内のり高さが30 cm未満の試験体にあっては,内の

り寸法の1/2の高さの箇所に熱電対の熱接点を設置してもよい。 

単位 mm 

図5−内部温度の測定箇所 

3) 一般紙用引出し耐火金庫は,図6のように天井から150

5
0

+mm離れた位置で,最上段引出しの前板

裏側及び引出し側板からそれぞれ25

5
0

+mmの2か所,中央の背後,引出しの後板及び天井からそれ

background image

13 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ぞれ150

5
0

+mmの1か所の合計3か所に熱電対の熱接点を設置する。その他の引出しは,引出し前

板裏側及び引出し側板からそれぞれ25

5
0

+mmのA点又はB点の1か所,正面の隅に交互に設置す

る。また,試験体の内部の内のり高さが30 cm未満の試験体にあっては,内のり寸法の1/2高さの

箇所に熱電対の熱接点を設置してもよい。 

単位 mm 

a) 側断面図 

b) 平面図 

c) 正面図 

図6−内部温度の測定箇所 

4) フレキシブルコンピュータディスク用両開き,片開き及び引出し耐火金庫は,図7のように天井か

ら25

5
0

+mm離れた位置で,側面及び裏面からそれぞれ25

5
0

+mmの2か所,側面及び扉面からそれ

ぞれ25

5
0

+mmの2か所の合計4か所に熱電対の熱接点を設置する。 

なお,両開き耐火金庫の場合は,扉の接合部(扉合わせ目の背面)に扉裏面から25

5
0

+mm離れた

箇所にも熱電対の熱接点を設置する。 

単位 mm 

図7−内部温度の測定箇所 

background image

14 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5) フレキシブルコンピュータディスク用引出し耐火金庫は,図8のように天井から25

5
0

+mm離れた箇

所で,最上段引出しの前板裏側及び引出し側板からそれぞれ25

5
0

+mmの2か所,引出しの後板及び

側板からそれぞれ25

5
0

+mmの2か所の合計4か所に熱電対の熱接点を設置する。その他の引出しは,

引出し前板裏側及び引出し側板からそれぞれ25

5
0

+mmのA点又はB点の1か所,正面の隅に交互

に設置する。 

単位 mm 

a) 側断面図 

b) 平断面図 

c) 正面図 

図8−内部温度の測定箇所 

e) 内部湿度の測定は,フレキシブルコンピュータディスク用耐火金庫の内部の中央部に,天井及び地か

ら460 mmの箇所へ各1個(合計2か所)とする。内部の高さが920 mm以下のものは,1か所とし(耐

火金庫内部の中央部へ),湿度計のセンサ部分を設置して行う。引出し耐火金庫の場合で2段以上のも

のは,最上段と最下段との中央へ湿度計を設置する。また,湿度計設置のときに,指定寸法どおり設

置できない場合には,設置可能な位置とする。 

f) 

炉内冷却中の試験体の内部温度の測定は,次による。 

1) 一般紙用は,内部温度が明らかに低下が認められるまでとする。 

2) フレキシブルコンピュータディスク用は,加熱終了後30分以内に内部温度の最高温度を示した測定

箇所が49 ℃まで下がるか,又は2 ℃の温度低下が認められるまでとする。 

g) a) に規定する加熱時間及び炉内冷却が終了後,内部温度(全ての耐火金庫)及び内部湿度(フレキシ

ブルコンピュータディスク用の場合)については表5によって調べる。庫内に貼り付けた新聞紙及び

内部に入れた新聞紙については,炉内冷却が終了後,試験体を加熱炉から取り出し,自然(大気)放

冷して試験体を冷やして扉又は引出しを開け,表5によって調べる。 

9.7.6 

急加熱・衝撃落下併用試験 

急加熱・衝撃落下併用試験は,次による。 

a) 試験体は,9.7.1に規定したものとし,内部温度及び湿度は測定しない。 

b) 9.7.4に規定した加熱炉をあらかじめ1 090 ℃以上に加熱する。加熱炉内の加熱温度の測定は,9.7.5

のc) による。 

c) 手早く炉のドアを開け,試験体を入れる。 

d) 試験体を入れた後,30分耐火用金庫は20分間,また,1時間耐火用金庫以上のものは30分間加熱を

background image

15 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

維持する。この場合の加熱温度は,平均値で1 090 ℃以上,最高温度1 200 ℃以下とする。 

e) 2時間耐火以上のものは,30分間急加熱後,炉ののぞき窓から観察し,試験体に破裂がなかったこと

を確認した後,9.7.3に規定する標準温度曲線の30分経過時点の温度まで下げ,引き続き標準温度曲

線に沿わせるようにして,表11に示す試験項目別に表14に規定した加熱時間に達するまで加熱する。 

表14−加熱時間 

単位 分 

性能による区分 

加熱時間 

4時間耐火・急加熱・耐衝撃 

30 

3時間耐火・急加熱・耐衝撃 

30 

2時間耐火・急加熱・耐衝撃 

15 

1時間耐火・急加熱・耐衝撃 

− 

30分耐火・急加熱・耐衝撃 

− 

f) 

2時間耐火以上のものは,e) の加熱時間終了後,30分及び1時間耐火のものは,d) の急加熱時間終

了後,試験体を加熱炉から引き出し,9.1 mの高さまで引き上げた後,前後左右の振れがないことを

確認し,コンクリート基盤の上に古いれんが,半砕及び原形のものの高さ(深さ)500 mm以上ほぼ

平ら状に積んだ床へ落とす(図9を参照)。 

加熱炉から引き出してから落とすまでの時間は,4分間以内とする。 

図9−床の外観 

g) さらに,作業ができる程度に冷えた試験体を逆さにして加熱炉に置き,(炉の火を止めた時点から再加

熱開始までは,20分間)再び9.7.3の標準温度曲線に沿わせるようにして,表11に示す試験項目別に

表15に規定した加熱時間に達するまで再度加熱する。 

表15−再加熱時間 

単位 分 

性能による区分 

再加熱時間 

4時間耐火・急加熱・耐衝撃 

60 

3時間耐火・急加熱・耐衝撃 

60 

2時間耐火・急加熱・耐衝撃 

45 

1時間耐火・急加熱・耐衝撃 

30 

30分耐火・急加熱・耐衝撃 

20 

h) e) 及びg) の加熱の場合,加熱温度の標準温度曲線に対する許容誤差は±10 %とする。 

i) 

g) に規定する加熱時間及び同一構造,同一寸法の試験体が,9.7.5に規定する標準加熱試験で実施し

た炉内冷却と同じ時間,炉内冷却を実施した後,試験体を加熱炉から取り出し,取扱いできる程度に

試験体を冷やして扉又は引出しを開け,表5によって調べる。 

16 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9.7.7 

耐火試験回数及び耐火試験結果の報告 

耐火試験回数及び耐火試験結果の報告は,次による。 

a) 9.7.5及び9.7.6の試験回数は,それぞれ1回とする。 

b) 耐火試験結果の報告書には,次の事項を記載する。 

1) 耐火金庫の種類及び商品名 

2) 使用材料(耐火充塡材の材料名,比重,含水率,材料組成,充塡日など) 

3) 試験体の形状(開閉方式),寸法 

4) 試験項目(この規格番号及び改正西暦年を含む) 

5) 加熱炉の加熱温度並びに試験体の内部温度の値及びその測定位置 

6) 湿度測定を行った場合は,湿度測定の値及びその測定位置(フレキシブルコンピュータディスク用

耐火金庫の場合。) 

7) 試験終了後の試験体の観察事項 

8) 新聞紙の変色,劣化状態及び判読の結果(一般紙用耐火金庫の場合。) 

9) 耐火試験結果の判定及びその理由 

10) 加熱炉の熱源の種類 

11) 試験年月日 

12) 試験機関及び試験担当者名 

9.8 

耐破壊試験 

9.8.1 

一般 

耐破壊試験の一般は,次による。 

a) 試験項目は,戸締り機構破壊試験,及び扉・本体枠破壊試験とする。 

b) 耐破壊試験は,耐火金庫の種類が一般紙用,フレキシブルコンピュータディスク用で,開閉方式が両

開き,片開き及び投入れに適用する。 

c) 投入れ口付き耐火金庫においては,投入れ口を除く部分の構造,形状,材料及び壁厚が同じで,同一

種類の両開き又は片開きがある場合は,その試験結果を採用することができる。 

d) フレキシブルコンピュータディスク用耐火金庫においては,二次庫を除く部分の構造,形状,材料及

び壁厚が同じで,同一種類の両開き又は片開きがある場合は,その試験結果を採用することができる。 

e) 錠に符号錠,テンキー錠などの電子錠を用い,更に戸締り機構にリロッキング機能をもつ耐火金庫は,

戸締り機構破壊試験は,行わない。 

f) 

耐破壊試験の試験実施者は,破壊技術に依存するため,一定水準の破壊技術をもつものとする。 

9.8.2 

試験体 

試験体は,次による。 

a) 試験体は,戸締り機構破壊,扉・本体枠破壊の試験にそれぞれ1台ずつ同じ大きさの製品を合計2台

用意する。ただし,戸締り機構破壊の試験後に,試験体の本体に損傷がない場合には,扉を新しいも

のと取り替えて,扉・本体枠破壊の試験体としてもよい。 

b) 同一種類の製品については,形状,構造,材料及び壁厚が同じの場合,通常,その種類のうち最も大

きな寸法のものを選ぶ。ただし,この系列の最大寸法と最小寸法との容積比が50 %以上の差異のもの

がある場合には,中間寸法の試験体を選んでもよい。 

9.8.3 

試験工具 

試験工具は,次による。 

background image

17 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 耐破壊試験に使用する試験工具は,表16に示すとおりとする。 

b) 表16に示す工具は,全て市販の形状,寸法及び材質のまま使用するものとし,その形式に特別の制限

を設けてはならない。 

c) 工具の個々の質量は目安として表16によるが,仕様欄に質量を記載している片手ハンマを除き,特に

制限を設けない。 

表16−試験工具 

工具名 

仕様 

質量目安

(kg) 

使用数量 

参考 

平たがね 

全長220 mm以下 

0.6 

制限なし 

刃幅は問わない 

チス 

全長250 mm以下 

0.6 

制限なし 

ポンチ 

全長160 mm以下 

0.1 

制限なし 

プライヤ 

全長210 mm以下 

0.3 

制限なし 

モンキ 

全長300 mm以下 

0.5 

制限なし 

片手ハンマ 

全長360 mm以下・0.9 kg以下 

0.9 

制限なし 

ドライバ(−) 全長220 mm以下 

0.2 

制限なし 

ドライバ(+) 全長220 mm以下 

0.4 

制限なし 

バール 

全長1 050 mm以下 

4.0 

制限なし 

形状を問わない 

パイプレンチ 

全長450 mm以下 

2.0 

制限なし 

ペンチ 

全長200 mm以下 

0.3 

制限なし 

金切りのこ 

全長500 mm以下 

0.5 

のこ歯 

金きりのこ用 

− 

制限なし 

針金 

− 

− 

制限なし 

9.8.4 

戸締り機構破壊試験 

戸締り機構破壊試験は,次による。 

a) かんぬきハンドルを開放方向に片手ハンマなどで強い力を加え,扉の開放を試みる。 

b) 錠を平たがね,チス,片手ハンマなどで庫内に打ち抜き,施錠機構を破壊し,扉の開放を試みる。た

だし,錠を打ち抜いた後の貫通孔を拡大してはならない。 

c) 上記a) 及びb) 以外の攻撃は行わない。 

d) 上記a) 及びb) の攻撃順は自由とし,同時攻撃も許される。 

9.8.5 

扉・本体枠破壊試験 

扉・本体枠破壊試験は,次による。 

a) 扉と本体との隙間をバールなどで攻撃し,隙間を大きくすることで,扉の開放を試みる。 

b) 丁番軸を金切りのこで切断した後,丁番側の扉及び庫体の隙間をバールなどで攻撃し,隙間を大きく

することで,扉の開放を試みる。 

c) 上記a) 及びb) 以外の攻撃は行わない。 

d) 上記a) 及びb) の攻撃順は自由とし,同時攻撃も許される。 

9.8.6 

耐破壊試験の実施方法 

耐破壊試験の実施方法は,次による。 

a) 戸締り機構破壊試験及び扉・本体枠破壊試験の実施時間は,それぞれ15分間とする。攻撃は連続して

行う必要はない。破壊攻撃,横転及び刃先の脱着と摩耗した用具との取替えに要した時間の合計を実

施時間とする。準備及び試験途中での休憩,安全予防又は破壊手順の検討によって要した時間は,実

background image

18 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

施時間に含まない。また,作業手違いによる刃先の欠け,ハンマの柄のはずれなどが生じた場合も,

取替え時間は実施時間に含まない。ただし,試験体への攻撃の開始から,最後の攻撃が終了するまで

の経過時間は,60分以内とする。 

b) 9.8.3に規定する試験工具で試験体を横転させることができる場合には,試験体は自由に姿勢を変えて

試験することができる。 

c) 試験中に試験体が動いて危険な場合には,床面に敷物,当て板(2面)などを用いて試験体を固定し

てもよい。 

d) 試験は,表17に示す試験実施者4名で行う。ただし,耐破壊試験担当の交代要員を1名含む場合には,

5名とする。 

表17−試験実施者の内訳 

試験実施者 

人数 

耐破壊試験担当 

2名(又は3名) 

時計,記録担当(記録及び写真撮影) 1名 

安全確保担当 

1名 

e) 試験は,同時に耐破壊試験担当2名での攻撃を可能とし,自由に交代要員と交代できる。ただし,同

時に3名での攻撃は行ってはならない。 

9.8.7 

耐破壊試験回数及び耐破壊試験結果の報告 

耐破壊試験回数及び耐破壊試験結果の報告は,次による。 

a) 9.8.4及び9.8.5の試験回数は,それぞれ1回とする。 

b) 9.8.6に規定する試験を実施し,表6に照らして報告する。 

10 検査 

耐火金庫の検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,検査項目は,それぞれ次の項目を箇条9及び

目視によって検査したとき,箇条5,箇条6及び箇条12に適合したものを合格とする。 

なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協議によって定める。 

注1) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。 

2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

a) 形式検査項目 

1) 品質 

2) 構造 

b) 受渡検査項目 

1) 外観 

2) 表示 

11 製品の呼び方 

耐火金庫の呼び方は,次の例による。 

a) 保管物による区分(性能)が同じ製品の呼び方は,次の例による。 

例1 一般紙用耐火金庫リロッキング機能付き 2時間耐火・急加熱・耐衝撃又はPR・2TKS 

19 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例2 一般紙用耐火金庫リロッキング機能付き 3時間耐火 又はPR・3T 

例3 フレキシブルコンピュータディスク用耐火金庫リロッキング機能なし 2時間耐火又はFN・

2T 

b) 保管物による区分(性能)が異なる製品の呼び方は,次の例による。 

例 フレキシブルコンピュータディスク用区画をもつ一般紙用耐火金庫リロッキング機能付き1時

間耐火又はPR・1T(一部F・1T) 

c) 一般紙用耐火金庫リロッキング機能なしへ追加し,組み込む二次庫の呼び方は,次の例による。 

例 フレキシブルコンピュータディスク用二次庫,一般紙用耐火金庫リロッキング機能なし2時間

耐火(○○シリーズ)に入れ使用するもの又は PN・2T(○○シリーズ)(この区画F・2T) 

12 表示 

この規格の全ての要求事項に適合した耐火金庫には,次の事項を表示しなければならない。 

a) この規格の番号及び改正西暦年 例 JIS S 1037:2013 

b) 種類3) 例 PR・2TKS 

c) 製造年月又はその略号 

d) 製造業者名又はその略号 

注3) 同一耐火金庫内で区分の異なる保管物を保管するものについては,その区分及び領域を明確

にする。箇条11 c) の追加タイプの容器で取外し可能なものは,基本となる一般紙用の適用

耐火時間を明確にする。 

13 取扱説明書 

耐火金庫には,次の事項を記載した取扱説明書を添付する。ただし,耐火金庫によって該当しない事項

は,記載しなくてよい。 

a) 保管物に関する注意事項 

b) 設置に関する注意事項 

c) 各部の名称 

d) 使用方法 

e) 故障時・修理時などの連絡先に関する事項 

background image

20 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

引出しの急速開閉試験用装置 

A.1 原理 

軽い(空の)引出しは,重い(保管物が入った)引出しより必ず速い速度で閉じられるが,摩擦は,閉

じる速度に重要な影響は及ぼさない。 

これらの条件を模擬的に作り出すためには,摩擦ができるだけ小さい,標準の“空”(載荷なし)引出し

及び“満杯”(表8の質量のおもりを載荷した)引出しを用いる。これらの引出しを用いて,引出しの急

速開閉試験用装置の速度を規定の急速開閉速度に調整する。 

A.2 方法 

引出しを,最大300 mm引き出すか,又は,その内側長さ(奥行き)の3分の1又は少なくても100 mm

がユニットの内側に残る位置まで引き出す(図A.1を参照)。 

引出しを,完全開位置から300 mm押し込む(最大移動距離が300 mm未満の場合は,完全に閉じる)。 

A.3 装置 

引出しの急速開閉試験用装置の適切な装置の一つは,空気圧で作動する低摩擦のピストン・シリンダ機

構及び空気タンクから供給される空気の圧力を調製する手段によって構成する。ピストン・シリンダ機構

と空気タンクとの間の空気の流れは,方向制御弁(空気操作弁)によって制御し,その方向制御弁は,操

作されたときに空気タンク内の空気を急速にピストン・シリンダ機構によって接続できるものとする。こ

の空気の流量は,内径及び長さが規定のものである管を接続することによって制御する(図A.2を参照)。 

A.4 校正 

載荷重(質量)がないもの及び表8の質量のおもりを載荷したときで,ライナにおける総摩擦力が10 N

〜25 Nの標準引出しを2個用い,9.1.5に規定する開閉速度が得られるように装置を校正する。 

注記 質量が0 kgから表8の質量のおもりを載荷したものまでの引出しについては,質量と速度との

間の比例関係があるものとみなす。 

単位 mm 

図A.1−引出しの急速開閉試験 

background image

21 

S 1037:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図A.2−空気圧式引出し急速開閉試験用装置の回路図 

空気タンク 

空気フィルタ 

方向制御弁