2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
S 1011-1994
事務用いすの寸法
Standard size of chairs for office
1. 適用範囲 この規格は,事務用いす(以下,いすという。)の寸法及び各部の寸法について規定する。
備考1. 事務用いすとは,一般事務に使用される執務用のいすをいう。
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考値である。
2. いすの基準面 いすには,次のように基準面を設ける。
(1) 間口方向及び奥行方向 間口方向及び奥行方向は,脚部を除いた最大外形の面に接して,それぞれ垂
直に基準面を設ける。
(2) 高さ方向 高さ方向は,床に接する面及び脚部を含む最大高さの床面に,それぞれ基準面を設ける。
3. いすの基準点 いすの基準点は,次による。
(1) 座位基準点及び背もたれ点 いすには,座位基準点及び背もたれ点を設ける。
(2) 座位基準点及び背もたれ点の求め方 座位基準点及び背もたれ点は,表1による。
表1
基準点
区分
求め方
座位基準点
回転いす
座の回転軸の中心を通る鉛直線上に,図1に示す座位
模形測定器のX点を合わせて載せ,静止した位置。
非回転いす
背もたれ点から前方150mmの鉛直線上に,図1に示す
座位模形測定器のX点を合わせて載せ,静止した位置。
背もたれ点
背あて可動
背あての可動軸の中心から20mm下を通る水平面と背
あての中央垂直断面の内側表面との交わる点。
背あて固定
背あての中央垂直断面の内側表面上で,回転軸又は座
の中心を通る鉛直線に最も近い点。ただし,背もたれ
点が複数となる場合は,その中の最も高い点。
2
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図1 座位模形測定器
備考1. 荷重は,でん部372.7N {38kgf},だいたい(大腿)部34.4N {3.5kgf},計441.3N
{45kgf} とする。
2. 連結部分の荷重は,だいたい部に含むものとする。
3. 寸法の許容差は±2mm,重さの許容差は全質量に対して±0.5kgとする。
4. いすの寸法 いすの間口方向 (W),奥行方向 (D) 及び高さ方向 (H) の寸法は,基準面間の距離で測
る。
5. 各部の寸法
5.1
寸法条件 いすの各部は,図2及び表2に示す寸法条件を満たしていなければならない。
3
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図2
表2
単位mm
方向
記号
寸法
備考(1)
間口方向
W1
420以上
座位基準点を含む垂直面上にお
けるひじ掛間の有効幅
W2
330以上
座位基準点を含む垂直面上にお
ける座面の幅
W3
300以上
背もたれ点を通る水平面上にお
ける背もたれ幅
奥行方向
d1
回転いすの場合 130〜180
非回転いすの場合 150
座位基準点から背もたれ点まで
の水平距離
d2
480以下
背もたれ点から座の前縁までの
水平距離
d3
80以上
座位基準点から座の後縁までの
水平距離
4
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単位mm
方向
記号
寸法
備考(1)
高さ方向
h1
380以上410以下。ただし,上
下調節のものは,この範囲を含
んで調整できなければならな
い。
座位基準点の高さ
h2
200以上250以下(2)
座位基準点から背もたれ点まで
の垂直距離
h3
210以上250以下
座位基準点を通る横断面上にお
ける座位基準点からひじ掛上面
までの距離
h4
2°以上9°以下
座位基準点を通る水平面と図1
に示す測定器で測った座位基準
点と座の前縁とのなす角度
注(1) 備考欄に記載されている面とは、図2に示す方向のものをいう。
(2) 5.2(2)に規定する厚張りの場合は,この限りでない。
5.2
背あての形状 背あての形状は,次による。
(1) 背もたれ点を通る水平面における背あての内側の表面は,図3に示す斜線の範囲内になければならな
い。
図3
(2) 背もたれは,次の方法によって薄張りと厚張りとに区分する。薄張りについては,垂直断面の形状を
(3)のように規定し,厚張りについては規定しない。
いすは背もたれ面を水平にし,図4の球面の加圧板を載せ,これに78.5N {8kgf} の荷重をかける。
測定位置は,背もたれ点を通る水平線上及び鉛直線上のa, b, c, d, eの5点とする(図5)。
(2.1) 薄張り b点の沈みが25mm未満のもの,及びb点とその他の点との沈みの差が10mm以下のもの。
(2.2) 厚張り b点の沈みが25mm以上のもの。ただし,b点とその他の点との沈みの差が10mm以下の
ものは,薄張りとして取り扱うものとする。
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図4
備考1. 加圧部分は球形とし,その直径は76mmとする。
2. 荷重は,加圧板の重さを含めて78.5N {8kgf} とする。
図5
備考 bは背もたれ点。
(3) 背あての中央垂直断面の表面形状は,背もたれ点を含み図6に示す斜線の範囲内になければならない。
図6
6. 背もたれの動く範囲 背もたれが前後方向に動くいすは,背あてに176.6N {18kgf} の水平荷重を後方
にかけたとき,その倒れる範囲は20mm以下でなければならない。測定点は,背もたれ点とする。
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7. 寸法の表示 いすの寸法の表示をする場合は,次の順序で記載する。
(1) いすの寸法 [間口 (W) ×奥行 (D) ×高さ (H)]又はいずれの外形寸法(投影最大寸法)
(2) 各部の寸法
(a) 座位基準点の高さ h1
(b) 上下調節のものは,調節できる範囲 S
(c) 座位基準点から背もたれ点までの垂直距離 h2
(d) 背もたれ点から座の前縁までの水平距離 d2
例 h1 400, S 380〜430, h2 230, d2 450
建築部会 鋼製事務用家具専門委員会 構成表(昭和53年2月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員長)
笠 石 正
笠石建築事務所
小 原 二 郎
千葉大学工学部
池 辺 陽
東京大学生産技術研究所
脇 山 俊
通商産業省生活産業局
帆 足 万 里
工業技術院標準部
吉 永 淳
工業技術院製品科学研究所
小 川 一 哉
会計検査院事務総長官房
中 村 卓 雄
郵政省大臣官房
田 中 敏 男
日本国有鉄道
大 橋 眞 一
東京都出納長室
岡 本 巌
社団法人用度需要者協会
山 口 秀 郎
株式会社岡村製作所
梶 原 健 志
株式会社伊藤喜工作所
鈴 木 文 彦
株式会社コトブキ
新 倉 正 二
ネコス工業株式会社
田 崎 道 明
共栄工業株式会社
酒 巻 高 一
日本金属家具工業組合
(事務局)
田 村 尹 行
工業技術院標準部材料規格課
大久保 和 夫
工業技術院標準部材料規格課
大 磯 義 和
工業技術院標準部材料規格課