S 0023-2:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
工業規格である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS S 0023-2には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考)男子高齢者の実験方法とその結果
附属書2(参考)女子高齢者の実験方法とその結果
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. ボタンの設計,選択及び取り付けるときの配慮事項 ······························································· 2
附属書1(参考)男子高齢者の実験方法とその結果 ····································································· 4
附属書2(参考)女子高齢者の実験方法とその結果 ···································································· 22
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
S 0023-2:2007
高齢者配慮設計指針−衣料品−
ボタンの形状及び使用法
Guidelines for older persons−Designing of clothes−
Shape and use of buttons
序文 この規格は,高齢化に伴う手指の運動機能,指先の保湿性,感覚機能の低下による指先の細かな動
きの衰えなどによって,衣服の着脱が困難になってくるため,高齢者にとってより快適な衣服設計の一要
素として,留め具の中で特に使用頻度の多いボタンの使用について配慮すべき指針として作成したもので
ある。
1. 適用範囲 この規格は,高齢者の加齢による運動機能の低下などの様々な現象に対して,衣料品の着
用性の向上を確保することを目的として,ボタンの設計・製作,衣服製作のときのボタンの選択及び取付
けなどにおける配慮すべき事項について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS L 0110 衣料パターンの表示記号
JIS L 0112 衣料の部分・寸法用語
JIS S 0023 高齢者配慮設計指針−衣料品
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS L 0110,JIS L 0112及びJIS S 0023の3.によるほか,
次による。
a) 表面(おもてめん) 衣服の着衣状態から見て,見えているボタン面。
b) 裏面(うらめん) 衣服の着用状態にして表面の反対面。
c) 表穴ボタン 図1 a)に示すような,ボタンの表面にボタン付けの糸通し穴が貫通しているボタン。
d) 裏穴ボタン 図1 b)及びc)に示すような,ボタンの裏面の足部にボタン付けの糸通し穴をあけたボタ
ン。
e) 糸足 衣服の素材が厚い及び/又は硬い場合に,表穴ボタンの留め及びはずしを容易にするため,図
2に示すように取付け糸を長めにし,それに糸を巻き付けて作った足部。
f)
縦穴 ボタンを留めるために衣服に縦方向にあけたボタンホール。
g) 横穴 ボタンを留めるために衣服に横方向にあけたボタンホール。
h) ボタンの外径 図1のように円形状のボタンは,その直径とする。角型のボタンは,対角線の長さと
する。
i)
ボタンの厚さ 図1 a)及びb)の足部を除いた最も厚い部分の寸法とする。ただし,ボタン本体と足部
2
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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とが一体化している図1 c)のようなボタンでは,その全体の厚さを“厚さ”とする。
図 1 ボタンの形状と寸法
4. ボタンの設計,選択及び取り付けるときの配慮事項 ボタンの留め及びはずしを容易にするため,ボ
タンの設計・製作,衣服製作のときのボタンの選択及び取付け方法並びにボタンとしての基本的な条件と
して,次の事項に配慮する。
a) ボタンの形状及び材質 ボタンの形状及び材質は,次による。
1) ボタンの形状は,つかみやすい円形状のものを用いることが望ましい。外径15 mm未満で厚みのあ
る裏穴ボタン(船底型)は,高齢者にはつかみにくいので使用は避ける。
備考 表面から見た形には,図1に示す表穴及び裏穴ボタンのような円形状のほかに,だ(楕)円
型,角型,自由曲線型などがある。側面から見た形には,図1 a)及びb)のようにボタン本体
が板状のもの,図1 c) 裏穴ボタンのようにボタン本体と足部とが一体化した船底型などがあ
る。また,表穴ボタンには,二つ穴,四つ穴などの種類がある。
2) ボタンの材質は,洗濯による色落ち及び変質のないものを用いる。また,外面は,滑りやすい“つ
や”のある材質及び表面加工は避け,滑りにくいもの(つや消し)を用いる。
b) ボタンの寸法 シャツ,ブラウス,ドレス類などでは,ボタンの標準外径寸法を15 mmとし,それよ
り小さいものは避けることが望ましい。また,上着,コート類などの厚地の素材を用いる場合には,
a) 表穴ボタン
b) 裏穴ボタン
c) 裏穴ボタン(船底型)
3
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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外径寸法は,20 mm以上とすることが望ましい。
c) ボタンの付け方 ボタンは裏穴ボタンを除き,ボタン留め及びボタンはずしがしやすいように,ボタ
ンと生地との間に図2に示すような糸足を付け,適切な間隔を設けることが望ましい。ただし,衣服
の布地が柔らかく薄いシャツ,ブラウス類に,外径が15 mm未満のボタンを使用するときは,糸足は
付けないほうが望ましい。また,袖口のボタンには,デザイン的に手首と袖口との間に余裕がとれな
い場合は,糸足を付けるほうが望ましい。
図 2 糸足
d) ボタンホールの寸法及び方向
1) ボタンホールの寸法は,ボタン留め及びボタンはずしがしやすく,又は,意図しないでボタンが容
易に外れないように,ボタンの外径にボタンの厚さを加えた長さを基本として,衣服の硬さ及び厚
さ並びに素材の伸縮性も考慮して決定する。
2) ボタンホールの方向は,あきの方向に直交する方向(縦方向のあきでは横方向)とし,意図しない
でボタンがはずれないようにすることが望ましい。
ただし,実際に衣服を設計するうえでは,衣服の構造デザイン及び素材の伸縮性を考慮する。
e) ボタンの取付け位置(あきの位置) 衣料品におけるボタンの取付け位置(あきの位置)は,留め及
びはずしがしにくい,わき(脇)及び背面を避け,前面とすることが望ましい。
また,袖口のボタンは,手首と袖口との間に余裕ができる位置に取り付け,留めを容易にすること
が望ましい。
備考 袖口のボタンとボタンホールとの距離は,着用者の手首回りの長さに,約60 mmを加えた長さ
が適当とされている。そのためカフス丈は,カフスの重なり部分を含めると,手首回りの長さ
に,約80 mmを加えた長さとなる。(図3参照)
単位 mm
図 3 袖口のボタンとボタンホールとの距離(参考)
糸足
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S 0023-2:2007
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附属書1(参考)男子高齢者の実験方法とその結果
序文 この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
この規格を作成するに当たって,男子高齢者(以下,男子という。)について実施した実験方法とその結
果について記載する。
なお,この附属書では,人体計測値,衣服寸法及びボタンサイズについては,センチメートル(cm)単
位を採用した。
1. 実験方法
1.1
器具及び材料
a) ペグボード 附属書1図1に示す。両端に青及び黄色が着色されている直径0.450 cm,長さ5 cmの木
製の円柱棒(ペグ)20本,及び直径0.505 cmの穴が縦4列,横5列,計20個の穴があいた方形台座
(ボード)が1セットになった器具である。
ペグボードに20本のペグを差し込む及び抜くの時間計測で,個人の手指の運動機能についての評価
を行う。
附属書1図 1 ペグボード
b) 実験用シャツ 附属書1図2に示す。サイズは,出来上がり身幅124 cmの1サイズとした。ボタンホ
ールは,縦穴を4着とし,その他は横穴とした。
使用素材は,綿100 %,平織,厚さ0.29 mm,糸密度縦19本/cm及び横19本/cmである。
c) ボタン ボタンは,0.9 cm,1.15 cm,1.5 cm,1.8 cm及び2.0 cmの5種類とした。ボタンの形状は,
すべて表穴ボタンとした。実験に使用したボタン及びボタンホールの大きさを,附属書1図3に示す。
附属書1図 2 実験服(シャツ)
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S 0023-2:2007
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単位 cm
外径
0.90
1.15
1.50
1.80
2.00
厚さ
0.29
0.22
0.27
0.31
0.32
ボタンホールの
大きさ
1.20
1.40
1.80
2.10
2.30
形状
附属書1図 3 実験服のボタンの種類
1.2
実験方法
1.2.1
実施項目・実施方法 実施項目・実施方法は,次のとおりである。
a) フェースシート記入(附属書1付表1参照)
b) 人体計測は,テープメジャーによるチェスト,ウエスト,ヒップ及びでん(臀)囲並びに身長及び体
重を計測
c) ボタン及び留め具についてのアンケート調査
d) ペグボードテスト及びビデオ撮影
e) シャツの着用官能検査(5段階評価法)及びビデオ撮影
f)
写真撮影
1.2.2
実験水準 実験の要因及び水準は,ボタンの外径5水準,ボタンの形状1水準(表穴だけ),ボタ
ン付けの糸足2水準(糸足あり,糸足なし)及びボタンホールの方向2水準(縦,横)として,附属書1
表1に示すように各実験服に組み合わせた。被験者の疲労を考えて,着用回数は18回にとどめることを目
標に計画した(着用順序は,附属書1付表2参照)。
附属書1表 1 実験服No.と要因・水準との組合せ(男子)
要因
実験服No.
ボタンの外径
ボタンの
形状
ボタンの糸足の
有無
ボタンホールの
方向
シャツの
サイズ
水準 5
水準 1
水準
2
水準
2
水準 1
J 1
1
0.90 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 124 cm
J 2
2
1.15 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 124 cm
J 3
3
1.50 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 124 cm
J 4
4
1.80 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 124 cm
J 5
1
0.90 cm
1
表穴
2
あり
1
横
身幅 124 cm
J 6
2
1.15 cm
1
表穴
2
あり
1
横
身幅 124 cm
J 7
3
1.50 cm
1
表穴
2
あり
1
横
身幅 124 cm
J 8
4
1.80 cm
1
表穴
2
あり
1
横
身幅 124 cm
J 9
2
1.15 cm
1
表穴
1
なし
2
縦
身幅 124 cm
J 10
3
1.50 cm
1
表穴
1
なし
2
縦
身幅 124 cm
J 11
4
1.80 cm
1
表穴
1
なし
2
縦
身幅 124 cm
J 12
5
2.00 cm
1
表穴
1
なし
2
縦
身幅 124 cm
J 13
5
2.00 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 124 cm
1.2.3
手指の運動機能検査 ぺグボードテスト法を採用して,手指の運動機能の能力指標とする。ぺグボ
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S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ードに20本のぺグを差し込む及び抜くの時間計測はビデオで行い,最初に両手を机に置いておき,開始の
合図でその手が動き始めた時点から,終了して机の上に手を置いた時点までを計測する。
1.2.4
官能検査 ボタンの評価は,附属書1表2に示すように,5段階評価法を用いて行い,“留めやす
い”及び“はずしやすい”を5点とした。
検査前に,被験者各人に試験内容を説明する。検査時には,被験者の正面に評価用語及びその5段階の
評価値を大きく掲示しておき,それを見ながら回答してもらい,質問者が記録するという方法をとる。附
属書1付表2は,官能検査順序及びその質問内容と回答記録用紙である。
附属書1表 2 5段階評価用語及び評点
評点
ボタンを留める
評点
ボタンをはずす
5
留めやすい
5
はずしやすい
4
やや留めやすい
4
ややはずしやすい
3
どちらともいえない
3
どちらともいえない
2
やや留めにくい
2
ややはずしにくい
1
留めにくい
1
はずしにくい
1.2.5
実験服の着脱実験 衣服の着脱は,い(椅)座位姿勢で実施する。実験状況をビデオ撮影し,所要
時間の計測はビデオで行い,留め及びはずし共に最初のボタンに手がかかった時点から,留め終わって手
が離れる時点,又は,はずし終わって手が離れた時点までとした。留め直前,留め終了直後,はずし直前
及びはずし終了直後は,手をひざ(膝)に置く。また,着脱実験直後に,ボタンについてのヒアリングに
よるアンケート調査を行う。
2. 実験結果
2.1
被験者 被験者の年齢層分布を,附属書1図4に示す。被験者は,いずれも日常生活行動に支障が
ない健康な男子54人である。
0
2
4
6
8
10
12
14
16
60〜64
65〜69
70〜74
75〜79
80〜
年齢層(歳)
被
験
者
人
数
(
人
)
附属書1図 4 被験者の年齢層分布(男子)
2.2
人体計測結果 人体計測の統計結果を,附属書1表3に示す。各表の右の図は,1992〜1994年に実
施された日本人全国調査の同年代の平均値を基準(M)としたモリソン関係偏差折線である。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
今回の被験者の平均値は全国値と比較して,全体的に大きく,データのばらつきを示す標準偏差はほぼ
同程度であることから,被験者の平均値は1992〜1994年の同年代の全国平均値より優位に大きいことが分
かる。特に,65歳代前半及び80歳代においては1偏差に近い差が認められる。ただし,80歳以上の年齢
層は,被験者数が少ないので個人のデータが大きく影響している。
附属書1表 3 人体計測結果(男子)
備考 全国値の60〜80歳代の平均値は公表されていないので,“全体”では中間の70〜
79歳のデータと比較した。
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
+1σ
+1σ
**
**
*
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
偏差折線
検定
検定
ヒップ (cm)
M:全国値70〜74歳
+1σ
+1σ
検定
検定
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
-1σ
M
*
**
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
偏差折線
-1σ
M
M:全国値60〜64歳
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
**
**
*
*
*
**
**
**
**
**
**
+1σ
検定
**
M:全国値80〜99歳
M:全国値65〜69歳
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
偏差折線
-1σ
M
偏差折線
偏差折線
-1σ
M
M
+1σ
検定
身長 (cm)
-1σ
M:全国値70〜79歳
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
偏差折線
-1σ
M
M:全国値75〜79歳
8.8
54.8
5.4
90.8
ヒップ (cm)
79.0
47.0
11.1
62.0
7.9
54.7
体重 (kg)
115.4
84.5
10.1
96.8
86.5
12.4
64.4
103.0
体重 (kg)
104.6
82.0
7.5
93.5
5.4
87.9
チェスト(cm)
68.0
50.0
6.3
58.4
95.1
6.1
90.8
ヒップ (cm)
5.6
72.8
ウエスト(cm)
79.6
9.5
84.0
91.3
100.3
4.0
86.3
90.5
6.0
88.1
チェスト(cm)
体重 (kg)
171.5
151.4
5.8
160.0
5.8
157.5
身長 (cm)
75〜79歳
91.6
70.0
51.0
7.2
60.2
8.4
57.5
9.3
100.8
94.7
5.6
体重 (kg)
170.5
156.5
4.7
162.5
5.6
159.0
身長 (cm)
70〜74歳
6.0
92.6
73.0
52.5
6.3
65.7
8.9
59.1
103.7
88.7
3.8
97.6
86.4
7.3
68.8
94.8
5.4
90.6
101.0
84.3
4.6
95.5
チェスト(cm)
ウエスト(cm)
81.9
8.7
165.9
5.3
160.9
身長 (cm)
7.4
53.5
79.2
178.8
157.0
6.4
体重 (kg)
61.6
8.5
63.6
97.6
5.6
92.8
ヒップ (cm)
99.4
107.2
89.6
5.5
7.9
83.4
8.6
74.1
92.2
チェスト(cm)
ウエスト(cm)
83.5
6.0
95.2
5.4
6.5
164.6
3.0
62.2
7.6
47.0
79.2
5.8
91.5
ヒップ (cm)
体重 (kg)
56.7
8.6
115.4
84.5
5.3
96.4
85.0
7.9
64.4
103.0
チェスト(cm)
ウエスト(cm)
80.9
9.5
79.6
8.7
151.4
178.8
108.0
80.0
5.7
93.5
5.7
89.1
7.6
84.7
全国値:人間生活工学研究センター1992年〜94年計測
177.5
154.7
7.7
162.1
6.9
157.1
ウエスト(cm)
168.8
159.2
89.6
80歳代
81.4
ウエスト(cm)
89.0
4.2
ヒップ (cm)
75.2
被験者 80〜85歳(人数: 7名)
全国値75〜79歳
被験者 75〜79歳(人数:11名)
全国値80〜99歳
95.9
80.0
5.3
チェスト(cm)
96.8
全国値70〜74歳
被験者 70〜74歳(人数:11名)
101.7
83.5
5.5
92.4
5.5
60〜64歳
108.0
87.9
全国値60〜64歳
被験者 60〜64歳(人数:10名)
身長 (cm)
161.1
全国値65〜69歳
被験者 65〜69歳(人数:15名)
65〜69歳
158.6
全国値70〜79歳
被験者 60〜85歳(人数:54名)
全体
身長 (cm)
5.7
163.3
5.9
8
S 0023-2:2007
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時
間
〈
秒
)
0
10
20
30
40
50
60
60〜64
65〜69
70〜74
75〜79
80〜
年齢層(歳)
差し込む
はずす
抜く
2.3
ペグボードテスト結果 附属書1図5は,ペグボードテスト時間計測結果の年齢層ごとの平均値を
示す。“差し込む”では各年齢層間の時間差はごく少なく,したがって,加齢に伴う変化は60歳代前半か
ら70歳代後半まで微量の漸増傾向はみられるものの必ずしも明らかではない。また,80歳代はむしろ所
要時間は少ない結果であったが,人数が少ないため個人のデータに大きく左右されているものと考えられ
る。手指の運動機能には,年齢だけで判断しきれない個人差のあることが分かる結果といえる。
“抜く”でも同様に年齢層間の時間差は少なく,ほぼ一定の傾向である。また“差し込む”と“抜く”
との時間差は,各年齢層共に20数秒と多い。
平均値そのものを女子と比較すると,80歳代以外では男子の方がやや多く時間を要していることが分か
る。
附属書1図 5 ペグボードテスト結果(男子)
2.4
ボタンの留め・はずしの時間計測結果及び考察 附属書1図6は,年齢を一括したボタンの大きさ
別各要因の“留める”及び“はずす”の所要時間の平均値を示している。附属書1図7は,ボタンの大き
さ別に各要因の年齢層による変化を表したものである。附属書1図8は,年齢層別及び要因別にボタンの
大きさによる所要時間の変化を表したものである。
これらからボタンの外径,糸足の有無,ボタンホールの方向,年齢層などの各要因と時間との関係につ
いて,次のようなことが分かる。以下,ボタンは,0.9 cmのボタンを0.9ボタン,1.15 cmのボタンを1.15
ボタン,1.5 cmのボタンを 1.5ボタン,1.8 cmのボタンを 1.8ボタン及び2.0 cmのボタンを2.0ボタンと
略す。
0
10
20
30
40
50
0.9
1.15
1.5
1.8
2.0
ボタンの外径(cm)
時
間
(秒
)
糸足なし・横
糸足あり・横
糸足なし・縦
0
10
20
30
40
50
0.9
1.15
1.5
1.8
2.0
ボタンの外径(cm)
時
間
(
秒
)
糸足なし・横
糸足あり・横
糸足なし・縦
留める(平均値) はずす(平均値)
附属書1図 6 ボタンの留め・はずしの年齢一括時間計測結果(男子)
9
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
留める はずす
備考 図の縦軸は5秒刻み。各図の秒数の上限及び下限は所要時間によって異なる。
附属書1図 7 ボタンの大きさ別留め・はずしの所要時間の変化(男子)
10
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
60〜64歳
65〜69歳
70〜74歳
75〜79歳
80歳〜
ボタンの外径(cm)
糸足なし・横
糸足あり・横
糸足なし・縦
糸足なし・横
糸足あり・横
糸足なし・縦
0
10
20
30
40
50
60
0.91.151.5 1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
2
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1.15
1.5
1.8
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1.5
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10
20
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60
1.15
1.5
1.8
2
時
間
(
秒
)
時
間
(秒
)
時
間
(
秒
)
時
間
(
秒
)
時
間
(
秒
)
留める はずす
附属書1図 8 年齢層別及び要因別ボタンの大きさによる所要時間の変化(男子)
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S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.4.1
ボタンの大きさと所要時間
a) 留める 附属書1図6の年齢を一括したボタンの大きさ別の所要時間をみると,0.9ボタンが最も多く
時間を要しており,1.5ボタンまでは徐々に時間が少なくなっていることが分かる。しかし,1.5,1.8
及び2.0ボタンはほぼ同程度の時間となっていることから,0.9ボタンから1.5ボタンまでは,ボタン
が大きいほど所要時間が短縮するとみることができる。
b) はずす 附属書1図6に示すように“はずす”の所要時間は全般に少なく,“留める”の1/3〜1/2程
度である。
結果として,ボタンの大きさによる時間の変化では,1.5ボタンが最も少なく,それより小さいボタン,
又はそれより大きいボタンは,いずれもわずかであるが時間を多く必要としている。
2.4.2
糸足の有無と所要時間
a) 留める 附属書1図6及び図7をみると,全般に糸足ありの時間が少なく,特に,0.9ボタンで糸足な
しとの差が大きく,糸足ありの時間が少ない。
b) はずす 附属書1図7に示すように全般に所要時間が少なく,糸足の有無による差も“留める”とき
より少ない。
2.4.3
ボタンホールの方向と所要時間 附属書1図7及び図8から,縦穴においての“留める” 及び“は
ずす”は,いずれにおいても横穴より多くの時間を要している。特に,0.9ボタンの“留める” 及び2.0
ボタンの“はずす”には,横穴との差が大きく表れた。男子用シャツ類には縦穴が一般に多く用いられて
おり,男子は縦穴には慣れていると考えられるが,時間はやや多く必要としている。
2.4.4
年齢層別にみた所要時間
a) 留める 附属書1図7及び図8から,加齢による漸増傾向がみられる。0.9ボタンにおいては,必ずし
も加齢とともに所要時間が増加傾向にあるとはとら(捉)えにくい部分もみられるが,70歳代後半ま
では増加と読みとれる。附属書1図8は,縦軸に時間,横軸にボタンの外径をとってデータをプロッ
トしてあるが,その図形は各年齢層とも類似のパターンをもっている。所要時間の絶対値は多少異な
るとしても,ボタンの大きさによる変化の仕方は各年齢層ともにほぼ類似の傾向で,0.9ボタンから
1.5ボタンまでは各年齢層共にボタンが大きくなれば時間が減少していることが分かる。ただし,1.8
及び2.0ボタンでは70歳代前半とその後半以降とでは異なったパターンを示しており,70歳代後半以
降では1.5ボタンと同等,又は再び所要時間が増加するという傾向を示している。
b) はずす 附属書1図7及び図8に示すように,“留める”より年齢層間の増減傾向は一様ではないが,
総体的には加齢によって所要時間は増加していることが分かる。2.0ボタンでは,ボタンホールの要因
(ボタンホールの縦,横)による差が大きく,縦穴において時間が多く必要とされ,約5秒程度,ど
の年齢においても多く時間を要していることが分かる。
2.4.5
ボタン取付位置による所要時間 附属書1図9は,全年齢を一括して,ボタン1個当たりの身頃及
び袖の留め所要時間平均値を示したものである。どの大きさでも,どの要因でも,袖は身頃に比べ約2倍
以上の所要時間を要していることが分かる。糸足なしとありとの比較では,糸足ありの方が留め所要時間
は少ない。また,縦穴と横穴とを比較すると,横穴の方が留め所要時間は少ない。
男子は日常,ワイシャツを着用していることから,縦穴の方が横穴よりも早く留められると予想してい
たが,横穴の方が留め時間が少ない結果となった。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
0
2
4
6
8
10
12
0.91.151.5
1.8 2.0
0.91.151.5
1.81.151.5
1.8 2.0
糸足なし・横穴
糸足あり・横穴
糸足なし・縦穴
ボタンの
外径(cm)
時
間
(秒
)
身頃
袖
要因
附属書1図 9 ボタン取付け位置による所要時間の比較(男子)
(ボタン1個当たり)
2.5
ボタンの留め・はずしの官能評価結果及び考察 附属書1図10は,年齢を一括してボタンの大きさ
別の“留める”及び“はずす”の官能評価結果を示している。附属書1図11は,ボタンの大きさ別,“留
める”及び“はずす”の官能評価結果の年齢層による変化を表したものである。また,附属書1図12は,
年齢層別にボタンの大きさによる官能評価値の変化を示している。これらのデータから,次のことが分か
る。
留める(平均値) はずす(平均値)
附属書1図 10 ボタンの留め・はずしの年齢一括官能評価結果(男子)
留める(平均値)
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
0.9
1.15
1.5
1.8
2.0
ボタンの外径(cm)
官
能
量
糸足なし・横
糸足あり・横
糸足なし・縦
はずす(平均値)
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
0.9
1.15
1.5
1.8
2.0
ボタンの外径(cm)
官
能
量
糸足なし・横
糸足あり・横
糸足なし・縦
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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留める はずす
附属書1図 11 ボタンの大きさ別留め・はずしの官能評価結果(男子)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
60〜64歳
65〜69歳
70〜74歳
75〜79歳
80歳〜
ボタンの外径(cm)
糸足なし・横
糸足あり・横
糸足なし・縦
糸足なし・横
糸足あり・横
糸足なし・縦
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
2
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
1.8
2
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1
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4
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0.9
1.15
1.5
1.8
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1
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0.9
1.15
1.5
1.8
0
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2
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6
1.15
1.5
1.8
2
0
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0.9
1.15
1.5
1.8
2
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2
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1.15
1.5
1.8
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1.15
1.5
1.8
2
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0.9
1.15
1.5
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1.8
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1.15
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4
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1.15
1.5
1.8
2
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
留める はずす
附属書1図 12 年齢層別及び要因別ボタンの大きさによる官能評価値の変化(男子)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.5.1
ボタンの大きさと官能評価
a) 留める 附属書1図10及び図11に示すように,0.9ボタンでは年齢一括でも,また,どの年齢層でも
評価点が1点から3点までの中にあり,留めにくいことが分かる。1.15ボタンの糸足なしでは年齢一
括で4点とやや高い評価であるが,糸足ありは評価が低い。1.5ボタンはどの要因も,どの年齢層も,
5点に近い高い評価となっており,5種のボタンのうち最も高い評価となっている。1.8及び2.0ボタ
ンでは要因によっては1.5ボタンよりやや高い評価もあるが,全体的には1.5ボタンより評価が下がる。
2.0ボタンでは,更に評価が下がっている。
b) はずす “はずす”も“留める”と同様に全体的には1.5ボタンの評価が高く,それより小さいボタ
ン,又は大きいボタンも評価が下がっている。また,1.5ボタン以上の大きいボタンでは,糸足ありの
方が“留める”より,“はずす”において評価が高い。
2.5.2
糸足の有無と官能評価 0.9ボタンから1.5ボタンまでは糸足なしの評価が高い。しかし,1.8ボタ
ンになると糸足ありの評価の方が糸足なしを上まわる。これは女子の場合と同様に,外径の大きいボタン
では,“留める”及び“はずす”において,ボタンの外径がボタンホールにそろ(揃)うまで身頃を引き寄
せる必要があり,その動作が加わることによって糸足なしではその評価が下がり,糸足ありでは糸足が助
けになって身頃の引き寄せ量が少なくなることから評価が高くなる。
全般に時間計測では,糸足なしより糸足ありが早く留められ(又は,はずされ)ているにもかかわらず,
官能評価では必ずしも高く評価されないのは,日常の自分のボタン留めはずしの時間のペースで,留めや
すさ,はずしやすさを判断していることによる。このことから,時間と官能評価との変化が連動しない現
象が必然的に生じている。
2.5.3
ボタンホールの方向と官能評価 縦穴は,1.15,1.5,1.8及び2.0ボタンの実験服にあけられてお
り,ボタンは糸足なしの付け方としている。したがって,糸足なしの4種類のボタンの横穴と比較すると,
“留める”及び“はずす”のいずれも横穴より縦穴の評価が低い。縦穴は意図しないでボタンがはずれる
可能性も高くなる。
2.5.4
年齢層別にみた官能評価 ボタンの大きさ別にみると,男子は加齢による官能評価の漸増,漸減の
傾向は弱い。年齢層別の附属書1図12をみると“留める”ではボタンの大きさによる官能評価の変化の
様相は,各年齢層ともほぼ同じ山形のパターンを示しており,1.5ボタンでは5点に近い高い評価となって
おり,それより小さいボタン,又は大きいボタンでは評価が下がっている。ただし,縦穴では年齢層でパ
ターンが異なり,70歳代前半で0.9ボタン,それ以外の年代層で1.15ボタンが4点に近い評価点で最も高
くなっている。日常ワイシャツなどで慣れている大きさであるためと推測する。
2.6
ボタンの留めにくい位置の調査結果 附属書1図13は,実験服ごとに留めにくい位置及びはずしに
くい位置を質問した結果のグラフである。圧倒的に袖口のボタンが留めにくいという回答であった。時間
計測でも多くの時間を要した位置である。対応としては,カフスの大きさの検討,糸足を付けるなどの工
夫が必要である。
前中心の第5ボタンにも9 %の“留めにくい”の回答があった。これは被験者の疲労を軽減するために
い(椅)座の状態で着衣実験を行ったため,位置の低い第5ボタンは腹部に当たって留めにくい状態にな
った被験者がいたことによる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
無回答
4%
第3ボタン
2%
第1ボタン
2%
なし
4%第5ボタン
9%
両袖
79%
両袖
第5ボタン
なし
第1ボタン
第3ボタン
無回答
附属書1図 13 ボタンの留めにくい位置(男子)
2.7
お気に入りボタンの調査結果 官能検査の最後に,5種類のボタンのうちどれが一番気に入ったかを
質問した結果を,附属書1図14に示す。最も気に入ったボタンは,1.5ボタンで53 %である。しかし,
女子の70 %以上の集中には及ばない(附属書2図15参照)。1.15ボタンが24 %,1.8ボタンが17 %と
分散している。1.15ボタンは,日常着用のシャツボタンとして扱い慣れていることから,使いやすい大き
さと感じたものと分かる。
附属書1図 14 お気に入りボタンの大きさ(男子)
3. まとめ この実験から,男子高齢者の衣服の着用性を向上させるためのボタンの選択及び取付け方に
ついて,次に示すような結果と示唆が得られた。
− ペグボードテストでは,女子において明らかに表れた加齢に伴う所要時間の増加傾向が,男子の年齢
層別平均値ではごくわずかの漸増傾向はみられるものの顕著にはみられなかった。
− ボタンの大きさでは,女子と同じく“留める”及び“はずす”ともに1.5ボタンの所要時間が早く,
かつ官能評価が最も高い。また,1.5ボタンでは,各要因ともに同レベルの高い評価であった。
− 糸足の有無では,“留める”及び“はずす”ともに糸足ありが早い。官能評価では0.9ボタン及び1.15
ボタンの評価そのものは低いが,糸足なしの方が少し評価は高い。1.5以上のボタンの官能評価は全体
的に高く,糸足の有無はほぼ同じ評価値となっている。
− ボタンホールの方向では,全般的には縦穴の方が時間を要しており,その官能量も他の要因と比較す
ると低い。
17
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 加齢による変化は,留める時間及びはずす時間とともに加齢による増加傾向はみられるが,官能評価
では加齢による変化は明らかにはみられない。
− 留めにくい位置は,女子と同様に袖口が最も多い。
− 最も好ましいボタンは女子と同様に1.5ボタンであるが,女子ではごく少なかった1.15ボタンも24 %
を占めていた。
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S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1付表 1 フェースシート(男子)
実 験 日
年 月 日
チェックリスト
フェースシート
受付
*
被験者No.
フェースシート
*
名前
スナップ写真
*
生年月日
年 月 日
年齢
歳 計測点付け
現 住 所
基本人体計測
〒
体型写真
TEL
ペグボードテスト
*
スポーツ歴
過去 現在
留め具実験官能検査
*
購入既製服サイズ
上衣 S.M.L.LL.3L
三次元マーク点付け
下衣 S.M.L.LL.3L
三次元計測
備考
受付
*
*:チェック項目
人体基本計測
スナップ写真
No.
項 目
計 測 値
1
チェスト
* cm
2
バスト
* cm
3
ウエスト(水平)
* cm
4
ウエスト(ナチュラル) cm
5
ヒップ(セルロイド板) * cm
6
臀囲
* cm
7
上腕最大囲
cm
8
腕付け根囲
cm
9
前丈
cm
10
背丈
cm
11
後ろ丈
cm
12
袖丈
cm
13
身長
* cm
14
体重
* ㎏
*:実施項目
19
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1付表 2 留め具実験官能検査用紙(男子)
実験日 年 月 日
被験者
No.
名前
実験服No.
評価
しにくい
普通
しやすい
Q1 a
このシャツのボタンの留めやすさは,どうですか
J1
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J1
左袖口
右袖口
なし
c
このシャツのボタンのはずしやすさは,どうですか
J1
1
2
3
4
5
d
どこかはずしにくい所がありましたか
J1
左袖口
右袖口
なし
Q2 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J2
/
J1
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J2
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J2
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J2
/
J1
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J2
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J2
1
2
3
4
5
Q3 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J3
/
J2
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J3
/
J2
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
Q4 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J4
/
J3
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J4
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J4
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J4
/
J3
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J4
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J4
1
2
3
4
5
Q5 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J8
/
J4
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J8
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J8
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J8
/
J4
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J8
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J8
1
2
3
4
5
Q6 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J7
/
J8
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J7
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J7
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J7
/
J8
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J7
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J7
1
2
3
4
5
Q7 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J3
/
J7
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J3
/
J7
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
20
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1付表 2 留め具実験官能検査用紙(男子)(続き)
被験者
No.
名前
実験服No.
評価
しにくい
普通
しやすい
Q8 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J6
/
J3
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J6
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J6
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J6
/
J3
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J6
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J6
1
2
3
4
5
Q9 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J5
/
J6
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J5
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J5
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J5
/
J6
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J5
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J5
1
2
3
4
5
Q10 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J1
/
J5
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J1
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J1
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J1
/
J5
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J1
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J1
1
2
3
4
5
Q11 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J9
/
J1
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J9
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J9
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J9
/
J1
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J9
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J9
1
2
3
4
5
Q12 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J5
/
J9
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J5
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J5
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J5
/
J9
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J5
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J5
1
2
3
4
5
Q13 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J3
/
J5
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J3
/
J5
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
Q14 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J10 /
J3
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J10
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J10
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J10 /
J3
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J10
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J10
1
2
3
4
5
21
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1付表 2 留め具実験官能検査用紙(男子)(続き)
被験者
No.
名前
実験服No.
評価
しにくい
普通
しやすい
Q15 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J7
/ J10
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J7
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J7
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J7
/ J10
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J7
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J7
1
2
3
4
5
Q16 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J11 /
J7
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J11
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J11
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J11 /
J7
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J11
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J11
1
2
3
4
5
Q17 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J12 / J11
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J12
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J12
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J12 / J11
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J12
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J12
1
2
3
4
5
Q18 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J13 / J12
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J13
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J13
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J13 / J12
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J13
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J13
1
2
3
4
5
Q19
一番留めやすかったボタンは,どの大きさですか
0.9
1.15
1.5
1.8
Q20
一番はずしやすかったボタンは,どの大きさですか
0.9
1.15
1.5
1.8
Q21
一番留めにくかったボタンは,どの大きさすか
0.9
1.15
1.5
1.8
Q22
一番留めにくかった場所は,どこですか
左袖口
右袖口
Q23
一番はずしにくかったボタンは,どの大きさですか
0.9
1.15
1.5
1.8
Q24
一番はずしにくかった場所は,どこですか
左袖口
右袖口
Q25
シャツのボタンとして,どの大きさのボタンが好きですか
0.9
1.15
1.5
1.8
J1 0.9なし横 J2 1.15なし横 J3 1.5なし横 J4 1.8なし横 J5 0.9あり横 J6 1.15あり横 J7 1.5あり横
J8 1.8あり横 J9 1.15なし縦 J10 1.5なし縦 J11 1.8なし縦 J12 2.0なし縦 J13 2.0なし横
22
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2(参考)女子高齢者の実験方法とその結果
序文 この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
この規格を作成するに当たって,女子高齢者(以下,女子という。)について実施した実験方法とその結
果について記載する。
なお,この附属書では,人体基本計測値,衣服寸法及びボタンサイズについては,センチメートル(cm)
単位を採用した。
1. 実験方法
1.1
器具及び材料
a) ペグボード ペグボードテストの器具及びテスト方法は,男子の場合と同様にペグボードに20本のペ
グを差し込む及び抜くの時間計測で,個人の手指の運動機能についての評価を行う(附属書1図1参
照)。
b) 実験用ブラウス 附属書2図1に示す。サイズは,出来上がり身幅116 cmの同一サイズ10着を用い
た。
実験服の素材は,ポリエステル100 %,なし(梨)地織,厚さ0.58 mm,糸密度縦39本/cm及び横
33本/cmである。
附属書2図 1 実験服(ブラウス)
c) ボタン ボタンは,前ボタン5個,袖口ボタン左右各1個である。10着のうち4着は,厚さの薄い外
径0.9 cm,1.15 cm,1.5 cm及び1.8 cmの表穴ボタンが,糸足のない付け方で付けられており,他の4
着は同じ4種類のボタンが糸足のある付け方で付いている。残る2着は,外径1.15 cm,1.5 cmの裏穴
ボタンが付いている。実験に使用したボタン及びボタンホールの大きさを,附属書2図2に示す。ま
た,裏穴ボタン(船底型)の表面厚さの寸法を,附属書2図3に示す。
23
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 cm
表
穴
ボ
タ
ン
外径
0.90
1.15
1.50
1.80
厚さ
0.26
0.27
0.31
0.33
ボタンホールの大きさ
1.20
1.40
1.80
2.10
形状
裏
穴
ボ
タ
ン
(
船
底
型
)
外径
1.15
1.50
厚さ
0.51
0.52
表面厚さ
0.24
0.31
ボタンホールの大きさ
1.30
1.80
形状
附属書2図 2 実験服のボタンの種類
附属書2図 3 裏穴ボタンの表面厚さ
1.2
実験方法
1.2.1
実施項目・実施方法 実施項目・実施方法は,次のとおりである。
a) フェースシート記入(附属書2付表1参照)
b) 人体基本計測は,テープメジャーによるバスト,ウエスト,ヒップ及びでん(臀)囲並びに身長及び
体重を計測
c) ボタン及び留め具についてのアンケート調査記入
d) ペグボードテスト及びビデオ撮影
e) ブラウスの着用官能検査(5段階評価法は,男子と同じ。)及びビデオ撮影
f)
写真撮影
24
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1.2.2
実験水準 高齢者の着脱実験による疲労とそれによる官能検査の回答の不正確さなどを避けるた
め,附属書2表1に示すように,ボタンの外径の要因を4水準,形状の種類2水準及び取付け方2水準と
して実験服を準備し,着用回数を15回にとどめることを目標に計画した(着用順序は,附属書2付表2
参照)。
附属書2表 1 実験服No.と各要因・水準との組合せ(女子)
要因
実験服No.
ボタンの外径
ボタンの
形状
ボタンの糸足の
有無
ボタンホールの
方向
ブラウスの
サイズ
水準 4
水準 2
水準
2
水準
1
水準 1
J 1
1
0.90 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 116 cm
J 2
2
1.15 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 116 cm
J 3
3
1.50 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 116 cm
J 4
4
1.80 cm
1
表穴
1
なし
1
横
身幅 116 cm
J 5
1
0.90 cm
1
表穴
2
あり
1
横
身幅 116 cm
J 6
2
1.15 cm
1
表穴
2
あり
1
横
身幅 116 cm
J 7
3
1.50 cm
1
表穴
2
あり
1
横
身幅 116 cm
J 8
4
1.80 cm
1
表穴
2
あり
1
横
身幅 116 cm
J 9
2
1.15 cm
2
裏穴
1
なし
1
横
身幅 116 cm
J10
4
1.80 cm
2
裏穴
1
なし
1
横
身幅 116 cm
1.2.3
手指の運動機能検査 男子の場合と同様にぺグボードテスト法で行う(附属書1の1.2.3参照)。
1.2.4
官能検査 ボタンの評価は,男子の場合と同様に5段階評価法を用いて行い,“留めやすい”及び
“はずしやすい”を5点とした(附属書1の1.2.4参照)。
附属書2付表2は,官能検査順序及びその質問内容と回答記録用紙である。
1.2.5
実験服の着脱実験 衣服の着脱実験も,男子の場合と同様に行った(附属書1の1.2.5参照)。
2. 実験結果
2.1
被験者 被験者の年齢層分布を,附属書2図4に示す。被験者は,いずれも日常生活行動に支障が
ない健康な女子50人である。
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
55〜5960〜6465〜6970〜7475〜79
80〜
年齢層(歳)
被
験
者
数
(
人
)
附属書2図 4 被験者年齢層分布(女子)
25
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.2
人体計測結果 人体計測の統計結果を,附属書2表2に示す。各表の右の図は,1992〜1994年に実
施された日本人全国調査の同年代の平均値を基準(M)としたモリソンの関係偏差折線である。被験者全
員の値でも年齢層別でも,当時の全国平均値よりウエスト以外はすべて大きい集団であったことが分かる。
ただし,50歳代は,58歳1名であったため,以下,年代別表は省略している。
附属書2表 2 人体計測結果(女子)
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
平均
標準偏差
平均
標準偏差
最小値
最大値
88.6
138.5
43.2
5.8
36.5
バスト (cm)
84.5
9.5
2.9
83.0
72.5
81.4
10.8
全国値:人間生活工学研究センター1992年〜94年計測
3.9
86.4
93.7
体重 (kg)
46.9
9.0
ヒップ (cm)
91.0
7.4
90.9
4.6
身長 (cm)
143.5
5.3
140.3
86.2
1.9
ウエスト(cm)
73.8
76.3
142.2
全国値80〜99歳
被験者 80〜83歳(人数:3名)
M:全国値70〜79歳
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
80歳代
ヒップ (cm)
92.1
6.2
96.4
ウエスト(cm)
75.5
8.7
76.5
8.9
53.5
99.5
4.9
86.0
107.0
バスト (cm)
86.9
8.2
90.8
3.7
144.2
156.8
*
7.5
72.0
101.0
身長 (cm)
146.1
5.5
150.5
全国値70〜79歳
被験者 70〜79歳(人数:22名)
偏差折線
-1σ
M
+1σ
ヒップ (cm)
93.4
6.0
96.7
8.3
61.0
90.0
5.6
88.5
110.0
*
7.7
45.0
70.0
ウエスト(cm)
76.0
8.3
75.1
バスト (cm)
89.1
7.3
91.8
5.9
142.7
162.1
*
7.9
76.5
107.8
*
身長 (cm)
149.7
5.4
153.3
全国値60〜69歳
被験者 60〜69歳(人数:24名)
偏差折線
-1σ
M
+1σ
検定
M:全国値70〜79歳
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
60歳代
ヒップ (cm)
92.1
6.2
96.4
ウエスト(cm)
75.5
8.7
76.0
7.6
72.0
107.8
**
8.3
53.5
99.5
バスト (cm)
86.9
8.2
91.2
5.7
138.5
162.1
**
身長 (cm)
146.1
5.5
151.4
全体
全国値70〜79歳
被験者 58〜83歳(人数:50名)
偏差折線
-1σ
M
+1σ
検定
体重 (kg)
49.7
7.8
53.9
7.3
34.5
70.0
**
5.5
86.0
110.0
**
体重 (kg)
52.8
7.5
55.8
**
M:全国値60〜69歳
検定
平均値の差の検定 **P<0.01,*P<0.05
47.0
34.5
60.0
体重 (kg)
49.7
7.8
53.3
5.7
70歳代
備考 全国値の60〜80歳代の平均値が公表されていないので,“全体”では中間の70〜79歳のデータ
と比較した。“80歳代”では,被験者が3名のため偏差折線図は省く。
26
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.3
ペグボードテスト結果 附属書2図5は,ペグボードテストの時間計測結果の年齢層ごとの平均値
を示す。“差し込む”では年齢層が上がるに従って長くなっており,加齢に伴う手指の運動機能性の低下が
分かる。ペグを“抜く”では,加齢とともに時間が漸増しているが,その差は小さい。
平均値そのものを男子と比較すると,全般的に女子の方がやや短い。80歳代では人数が少ないため,男
女とも個人差によって左右され,比較が難しい。
附属書2図 5 ペグボードテスト結果(女子)
2.4
ボタンの留め・はずしの時間計測結果及び考察 附属書2図6は,年齢を一括したボタンの大きさ
別の各要因の“留める”及び“はずす”の所要時間の平均値を示している。附属書2図7は,ボタンの大
きさ別に各要因の年齢層による変化を表したものである。また,附属書2図8は年齢層別及び要因別にボ
タンの大きさによる所要時間の変化を表したものである。
これらから,ボタンの外径,形状,糸足の有無,年齢層などの各要因と時間の関係について,次のよう
なことが分かる。以下,ボタンは,0.9 cmのボタンを0.9ボタン,1.15 cmのボタンを1.15ボタン,1.5 cm
のボタンを 1.5ボタン及び1.8 cmのボタンを 1.8ボタンと略す。
留める(平均値) はずす(平均値)
附属書2図 6 ボタンの留め・はずしの年齢一括時間計測結果(女子)
0
10
20
30
40
50
60〜64
65〜69
70〜74
75〜79
80〜
年齢層(歳)
時
間
(秒
)
差し込む
抜く
留める(平均値)
0
10
20
30
40
50
0.9
1.15
1.5
1.8
ボタンの外径(cm)
時
間
(
秒
)
糸足なし
糸足あり
裏穴
はずす(平均値)
0
10
20
30
40
50
0.9
1.15
1.5
1.8
ボタンの外径(cm)
時
間
(
秒
)
糸足なし
糸足有あり
裏穴
糸足あり
27
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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0.9cmボタン
10
20
30
40
50
60
60〜6465〜6970〜7475〜79 80〜年齢
時
間
(
秒
)
糸足なし
糸足あり
1.15cmボタン
10
20
30
40
50
60
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
時
間
(
秒
)
糸足無
糸足有
裏穴
1.5cmボタン
10
20
30
40
50
60
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜
年齢
時
間
(
秒
)
糸足無
糸足有
裏穴
1.8cmボタン
10
20
30
40
50
60
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜
年齢
時
間
(
秒
)
糸足無
糸足有
0.9cmボタン
0
5
10
15
20
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
時
間
(
秒
)
糸足無
糸足有
1.15cmボタン
0
5
10
15
20
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜
年齢
時
間
(
秒
)
糸足無
糸足有
裏穴
1.5cmボタン
0
5
10
15
20
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
時
間
(
秒
)
糸足無
糸足有
裏穴
1.8cmボタン
0
5
10
15
20
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜
年齢
時
間
(
秒
)
糸足無
糸足有
糸足なし
糸足なし
糸足あり
糸足あり
糸足あり
糸足あり
糸足あり
糸足あり
糸足あり
糸足なし
糸足なし
糸足なし
糸足なし
糸足なし
留める はずす
附属書2図 7 ボタンの大きさ別留め・はずしの所要時間の変化(女子)
28
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60〜64歳
65〜69歳
70〜74歳
75〜79歳
80歳〜
ボタンの外径(cm)
糸足なし
糸足あり
裏穴
糸足なし
糸足あり
裏穴
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
0.9
1.15
1.5
1.8
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
0
10
20
30
40
50
60
1.15
1.5
時
間
(秒
)
時
間
(
秒
)
時
間
(
秒
)
時
間
(
秒
)
時
間
(
秒
)
留める はずす
附属書2図 8 年齢層別及び要因別ボタンの大きさによる所要時間の変化(女子)
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S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.4.1
ボタンの大きさ・形状と所要時間
a) 留める 附属書2図6の年齢を一括したボタンの大きさ別の所要時間をみると,0.9ボタンが最も多く
時間を要しており,0.9ボタンから1.5ボタンまでは,ボタンの大きさと反比例するように時間が減少
している。1.8ボタンと1.5ボタンとでは,わずかの差であるが1.8ボタンの方が少ない。
形状による時間の差をみると,裏穴ボタンの1.15ボタンが,時間を多く要している。附属書2図7
及び図8から年齢層別にみても,裏穴1.15ボタンが同じ大きさの表穴ボタンよりも多くの時間を要し
ている。実験に用いたボタンが,本体と足部とが一体化している全体の厚さの大きい船底型のボタン
で,つかみにくさがあったためと考えられる。1.5ボタンでは,年齢層による多少の増減はみられるが
裏穴と表穴とは,ほぼ同時間となっている。
b) はずす 附属書2図6にみられるように“はずす”の所要時間は全般に少なく,外径,形状による差
も少ない。実験服がなし(梨)地織の柔らかいものであったことが影響している。
2.4.2
糸足の有無と所要時間
a) 留める 附属書2図6の年齢を一括した平均値では,1.5ボタンを除いて他の大きさでは糸足ありの方
が時間が少ない。附属書2図7及び図8をみると80歳代の1.5ボタンで糸足ありに極端に多く時間を
要しており,それによって平均値を押し上げていると考えられ,全体としては,1.5ボタンにおいても
所要時間は同じ程度,又は糸足ありの方がやや少ないと考えられる。
b) はずす 所要時間そのものは全体に少ない。附属書2図7に示すように外径の小さいボタンでは,糸
足ありの方が時間を要しているが,大きい方では差が少ない。
2.4.3
年齢層別にみた所要時間
a) 留める 附属書2図7及び図8から,いずれの大きさ,いずれの要因でも加齢とともに所要時間は漸
増していることが分かる。また,特に75歳以上では0.9ボタンに多くの時間を要していることが分か
る。
2.4.4
ボタン取付位置による所要時間 附属書2図9は,年齢を一括して,ボタン1個当たりの身頃及び
袖の留め所要時間平均値を示したものである。前ボタンに比べて圧倒的に袖口ボタンに多くの時間を要し
ていることが分かる。また,身頃ボタン及び袖口ボタンともに,1.5ボタン及び1.8ボタンでは,糸足あり
の方がやや所要時間が少なくなっている。
30
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2図 9 ボタン取付け位置による所要時間の比較(女子)
(ボタン1個当たり)
2.5
ボタンの留め・はずしの官能評価結果及び考察 附属書2図10は,年齢を一括して,ボタンの大き
さ別に各要因のボタンについての“留める”及び“はずす”の官能評価結果を示している。附属書2図11
は,ボタンの大きさ別留め・はずしの官能評価結果の年齢層による変化を表したものである。附属書2図
12は,年齢層別にボタンの大きさによる官能評価値の変化を示している。これらのデータから,次のこと
が分かる。
留める(平均値) はずす(平均値)
附属書2図 10 ボタンの留め・はずしの年齢一括官能評価結果(女子)
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0.9
1.15
1.5
1.8
0.9
1.15
1.5
1.8
1.15
1.5
糸足なし
糸足あり
糸足なし(裏穴)
時
間
(
秒
)
身頃
袖
ボタンの
外径(cm)
要因
留める(平均値)
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
0.9
1.15
1.5
1.8
ボタンの外径(cm)
官
能
量
糸足なし
糸足あり
裏穴
はずす(平均値)
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
0.9
1.15
1.5
1.8
ボタンの外径(cm)
官
能
量
糸足なし
糸足あり
裏穴
31
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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0.9cmボタン
1
2
3
4
5
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
官
能
量
糸足無
糸足有
1.15cmボタン
1
2
3
4
5
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
官
能
量
糸足無
糸足有
裏穴
糸足あり
1.5cmボタン
1
2
3
4
5
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
官
能
量
糸足無
糸足有
裏穴
1.8cmボタン
1
2
3
4
5
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
官
能
量
糸足無
糸足有
0.9cmボタン
1
2
3
4
5
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜
年齢
官
能
量
糸足無
糸足有
1.15cmボタン
1
2
3
4
5
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜
年齢
官
能
量
糸足無
糸足有
裏穴
1.5cmボタン
1
2
3
4
5
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
官
能
量
糸足無
糸足有
裏穴
1.8cmボタン
1
2
3
4
5
60〜6465〜6970〜7475〜79
80〜年齢
官
能
量
糸足無
糸足有
糸足なし
糸足あり
糸足あり
糸足あり
糸足あり
糸足あり
糸足なし
糸足なし
糸足なし
糸足なし
糸足なし
糸足なし
糸足あり
糸足あり
糸足なし
留める はずす
附属書2図 11 ボタンの大きさ別留め・はずしの官能評価結果(女子)
32
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
60〜64歳
65〜69歳
70〜74歳
75〜79歳
80歳〜
糸足あり
裏穴
ボタンの外径(cm)
糸足なし
糸足あり
裏穴
糸足なし
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
0.9
1.15
1.5
1.8
0
1
2
3
4
5
6
1.15
1.5
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
官
能
量
留める はずす
附属書2図 12 年齢層別及び要因別ボタンの大きさによる官能評価値の変化(女子)
33
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2.5.1
ボタンの大きさ・形状と官能評価
a) 留める 附属書2図10から,全体的には0.9ボタンの評価が低く,1.15ボタンでは糸足なしの評価は
やや高いが,裏穴ボタンの評価は低い。1.5ボタンでは各要因において評価が高くなっており,特に裏
穴ボタンでは1.15ボタンより著しく評価が上がったが,糸足なしの評価には及ばなかった。
これらのことから高齢者用衣服として,ボタンの外径は1.5 cmが適していることが分かる。1.5 cm
より小さいボタンは,避けることが望ましい。
1.8ボタンは,附属書2の2.4に記載した時間計測では1.5ボタンよりやや所要時間が少ない(早い)
結果であったが,官能評価では,特に糸足なしで1.5ボタンより評価点が下がってやや留めにくい評
価となっている。反対に糸足ありの評価が高い。
b) はずす “はずす”にはいずれも評価が高いが,附属書2図11に示すように65歳以上では,0.9ボタ
ンの糸足ありの評価が3点を下回っている。1.5ボタンでは各要因間の差がほとんどなくなり,1.8ボ
タンでは,留める場合と同様に糸足ありの評価が高い。
2.5.2
糸足の有無と官能評価
a) 留める 外径の大きい1.5ボタン及び1.8ボタンでは,評価はほぼ同じ,又は糸足ありの方の評価が高
くなっている。糸足は,大きいボタンで有効と分かる。
b) はずす “はずす”でも年齢一括平均では,“留める”と同じ傾向となっており,小さいボタンでは糸
足なしの評価が高く,大きいボタンでは糸足が有効に働いて評価を上げている。
2.5.3
年齢層別にみた官能評価 附属書2図11及び図12から,全体的には,官能量には“留める”の時
間計測にみられるような加齢による明らかな方向性のある変化はみられないが,0.9ボタンの評価には,年
齢差がみられ,高齢になるほど評価が下がる。年齢層別にみると,糸足なしでは1.5ボタンはほとんどの
年齢層で最も評価が高く,1.8ボタンでやや評価が下がる。ただし,80歳代では,1.8ボタンの評価が高い。
つか(掴)みやすさを優先したことが分かる。糸足ありでは,ほとんどの年齢層においてボタンの外径が
大きいほど評価が高い。
2.5.4
留める及びはずすの動作分析 時間計測において年齢一括平均では,1.5ボタンと1.8ボタンはほ
ぼ同じ又は1.8ボタンの方がやや短い時間で留められているにもかかわらず,官能量では糸足なしの1.8
ボタンが低い評価となった。理由としては,次に示すボタンの留め・はずしの動作が影響している。横穴
の場合のボタンが留められている状態を観察すると,ボタンホールの先端(前端に近い方)に,ボタン付
けの糸,又はボタンの足部が引っかかる状態で留められている。“はずす”ためには上前身頃,又は両方の
前端を一度ボタンの半径分だけ引き寄せて,ボタンの外径をボタンホールと同位置にそろえた後,はずさ
なければならないという現象となる。“留める”ときも同様に一度ボタンホールとボタンの外径とがそろ
(揃)うところまで前身頃を引き寄せてからボタンをくぐらせる。ボタンの外径が大きくなると,つか(掴)
みやすくなる利点はあるがこの引き寄せ分が大きくなり,その余分な動作が評価を下げたものと考えられ
る。糸足があるとその分だけ引き寄せ分が少なくなることから,留めやすく,また,はずしやすく感じら
れ,糸足ありの評価が上がったといえる。
2.6
ペグボードテスト,留める時間計測及び官能検査結果の比較 附属書2図13は,糸足なし0.9ボタ
ン及び1.5ボタンの“留める”の時間計測,官能評価結果並びにペグボードテスト時間計測結果を比較し
たものである。官能量のスケールは,逆に置いている。
ペグボードテスト時間計測結果及びボタン留め時間結果は,加齢とほとんど連動して時間が増加してお
り,ペグボードテストによって,手指の運動機能性及びボタン留めの機敏さが類推可能と分かる。官能量
は,ボタンそのものの大きさに評価が大きく影響されていることが読みとれるが,0.9ボタンの糸足なしで
34
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
は60歳代前半ではやや留めやすい4点に近い評価から80歳代では留めにくい1点の評価に下がっており,
小さいボタンでは,加齢による影響がみられる。1.5ボタンは,各年齢層とも留めやすく感じていて,必ず
しも加齢の影響はみられない。
附属書2図 13 ペグボードテスト,留める時間及び官能量の比較(女子)
(0.9ボタン及び1.5ボタン)
2.7
ボタンの留めにくい位置の調査結果 附属書2図14は,実験服ごとに留めにくい位置及びはずしに
くい位置を質問した結果のグラフである。
どの年齢層でも回答が“留める”及び“はずす”ともにほとんど袖口ボタンに集中している。附属書2
図9に示したように袖口ボタンの所要時間が圧倒的に多いが,要因からみると0.9ボタンでは,糸足あり
が糸足なしより所要時間が少なく,1.8ボタンでも糸足ありの方が時間が少ない。
官能量と所要時間とを併せて考えると,カフスの両端を引き寄せてボタンとボタンホールとの位置をそ
ろえる動作を助けるためには,糸足(又はボタンの足部)が有効である。
60〜64 65〜69 70〜74 75〜79 80〜
0
10
20
30
40
50
60
60〜64
65〜69
70〜74
75〜79
80〜
(年齢)
所
要
時
間
(
秒
)
0
1
2
3
4
5
6
官
能
量
ペグボード(差し込む)
留める(1.5ボタン)
留める(0.9ボタン)
官能検査(1.5ボタン)
官能検査(0.9ボタン)
(1.5ボタン)
(1.5ボタン)
(0.9ボタン)
(0.9ボタン)
35
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
両袖
第1ボタン
第2ボタン
第3ボタン
第4ボタン
第5ボタン
両袖74%
第1ボタン16%
第4ボタン10%
附属書2図 14 ボタンの留めにくい位置(女子)
2.8
お気に入りボタンの調査結果 官能検査の最後に,4種類の表穴ボタンのうちどれが一番気に入った
かを質問した結果を,附属書2図15に示した。最も気に入ったボタンは,どの年齢でも1.5ボタンに集中
した。
附属書2図 15 お気に入りボタンの大きさ(女子)
3. まとめ この実験から,女子高齢者の衣服の着用性を向上させるためのボタンの選択及び取付け方に
ついて,次に示すような結果と示唆が得られた。
− ペグボードテストによって,手指の運動機能性が加齢とともに相応の低下傾向がみられ,またボタン
留め・はずしについての時間計測においても,70歳代以上では加齢に伴う所要時間の増加傾向が認め
られた。
− 官能評価では,日常の各自の生活における衣服着用時の感覚をベースに判断していることから,必ず
1.5ボタン
1.8ボタン
1.15ボタン
0.9ボタン
無回答
1.5ボタン72%
1.8ボタン16%
1.15ボタン10%
無回答
2%
36
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
しも年齢との連動傾向は明らかではない。ただし,ボタンの大きさに対する官能評価には,年齢層の
特性がみられた。
今回の実験の主要因としたボタンの外径については,次のことが得られた。
− 時間計測では,各年齢層ともに1.5ボタン及び1.8ボタンが早い。
− 官能評価については,70歳代前半以下では1.5ボタンが最も評価が高く,1.8ボタンではやや評価が落
ちる。70歳代後半以上では,1.8ボタンの方が評価が高い。
− 外径以外の裏穴ボタン及び糸足の有無の各要因においての時間計測結果並びに官能評価も,1.5ボタン
が最も要因間の差が少なく,また年齢層間の差も少ない結果になっている。
− お気に入りボタンの調査結果は,圧倒的に1.5ボタンに集中している。
以上のことから,高齢者用衣服のボタンの大きさの選択に当たっては, 1.5ボタンを基準として選択す
ることが適正と考えられる。
ボタンの留めにくい位置は,明らかに袖口に集中した。袖口の大きさ,あきの位置とともに糸足の付け
方も考慮に入れてデザイン及びパターン設計の必要がある。
37
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2付表 1 フェースシート(女子)
実 験 日
年 月 日
チェックリスト
フェースシート
受付
*
被験者No.
フェースシート
*
名前
スナップ写真
*
生年月日
年 月 日
年齢
歳 計測点付け
現 住 所
基本人体計測
〒
体型写真
TEL
ペグボードテスト
*
スポーツ歴
過去 現在
留め具実験官能検査
*
購入既製服サイズ
上衣 5・7・9・11・13・15
三次元マーク点付け
下衣 5・7・9・11・13・15
三次元計測
備考
受付
*
*:チェック項目
人体基本計測
スナップ写真
No.
項 目
計 測 値
1
チェスト
* cm
2
バスト
* cm
3
ウエスト(水平)
* cm
4
ウエスト(ナチュラル) cm
5
ヒップ(セルロイド板) * cm
6
臀囲
* cm
7
上腕最大囲
cm
8
腕付け根囲
cm
9
前丈
cm
10
背丈
cm
11
後ろ丈
cm
12
袖丈
cm
13
身長
* cm
14
体重
* ㎏
*:実施項目
38
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2付表 2 留め具実験官能検査用紙(女子)
実験日 年 月 日
被験者
No.
名前
実験服No.
評価
しにくい
普通
しやすい
Q1 a
このブラウスのボタンの留めやすさは,どうですか
J1
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J1
左袖口
右袖口
なし
c
このブラウスのボタンのはずしやすさは,どうですか
J1
1
2
3
4
5
d
どこかはずしにくい所がありましたか
J1
左袖口
右袖口
なし
Q2 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J2
/ J1
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J2
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J2
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J2
/ J1
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J2
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J2
1
2
3
4
5
Q3 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J3
/ J2
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J3
/ J2
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
Q4 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J4
/ J3
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J4
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J4
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J4
/ J3
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J4
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J4
1
2
3
4
5
Q5 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J8
/ J4
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J8
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J8
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J8
/ J4
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J8
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J8
1
2
3
4
5
Q6 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J7
/ J8
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J7
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J7
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J7
/ J8
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J7
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J7
1
2
3
4
5
Q7 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J3
/ J7
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J3
/ J7
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
39
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2付表 2 留め具実験官能検査用紙(女子)(続き)
被験者
No.
名前
実験服No.
評価
しにくい
普通
しやすい
Q8 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J6
/ J3
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J6
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J6
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J6
/ J3
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J6
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J6
1
2
3
4
5
Q9 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J5
/ J6
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J5
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J5
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J5
/ J6
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J5
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J5
1
2
3
4
5
Q10 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J1
/ J5
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J1
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J1
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J1
/ J5
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J1
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J1
1
2
3
4
5
Q11 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J9
/ J1
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J9
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J9
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J9
/ J1
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J9
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J9
1
2
3
4
5
Q12 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J5
/ J9
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J5
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J5
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J5
/ J9
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J5
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J5
1
2
3
4
5
Q13 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J3
/ J5
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J3
/ J5
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J3
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J3
1
2
3
4
5
Q14 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J10 / J3
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J10
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J10
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J10 / J3
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J10
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J10
1
2
3
4
5
40
S 0023-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2付表 2 留め具実験官能検査用紙(女子)(続き)
被験者
No.
名前
実験服No.
評価
しにくい
普通
しやすい
Q15 a
前のと比べてこのボタンの留めやすさは,どうですか
J7
/ J10
1
2
3
4
5
b
どこか留めにくい所がありましたか
J7
左袖口
右袖口
なし
c
このボタンはあなた自身にとって留めやすさとしてはどうですか
J7
1
2
3
4
5
d
前のと比べてこのボタンのはずしやすさは,どうですか
J7
/ J10
1
2
3
4
5
e
どこかはずしにくい所がありましたか
J7
左袖口
右袖口
なし
f
このボタンはあなた自身にとってはずしやすさとしてはどうですか
J7
1
2
3
4
5
Q16
一番留めやすかったボタンは,どの大きさですか
0.9
1.15
1.5
1.8
Q17
一番はずしやすかったボタンは,どの大きさですか
0.9
1.15
1.5
1.8
Q18
一番留めにくかったボタンは,どの大きさですか
0.9
1.15
1.5
1.8
Q19
一番留めにくかった場所は,どこですか
左袖口
右袖口
Q20
一番はずしにくかったボタンは,どの大きさですか
0.9
1.15
1.5
1.8
Q21
一番はずしにくかった場所は,どこですか
左袖口
右袖口
Q22
ブラウスのボタンとして,どの大きさのボタンが好きですか
0.9
1.15
1.5
1.8