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S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 2 

4 アクセシブルデザイン包装の主な要求事項 ············································································ 2 

4.1 情報及び表示 ················································································································ 2 

4.2 取扱い及び操作 ············································································································· 3 

4.3 包装におけるアクセシブルデザインの評価 ········································································· 5 

5 有害物の包装に関する特別配慮事項 ····················································································· 5 

5.1 表示 ···························································································································· 5 

5.2 危険及び傷害を回避する包装設計 ····················································································· 6 

附属書A(参考)包装におけるアクセシブルデザイン規格構成 ····················································· 7 

附属書B(参考)アクセシビリティを試験するための検討事項の枠組み−一般的研究························ 8 

附属書C(参考)アクセシブルデザイン包装事例 ······································································ 10 

参考文献 ···························································································································· 18 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本包装技術協会(JPI)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,
JIS S 0021:2014は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

S 0021-1:2020 

(ISO 11156:2011) 

包装−アクセシブルデザイン− 

第1部:一般要求事項 

Packaging-Accessible design-Part 1: General requirements 

序文 

この規格は,2011年に第1版として発行されたISO 11156を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

また,包装におけるアクセシブルデザインの規格構成について,附属書Aに示す。 

適用範囲 

この規格は,感覚機能,身体機能及び認知機能の低下している人々,アレルギーがある人々,高齢者並

びに異文化・多言語圏の人々を含むより多くの人々にとって,包装された製品の内容物を適切に識別し,
取扱い及び使用できるように,包装の設計及び評価を行うために役立つ一般要求事項について規定する。 

この規格は,製品の識別並びに購入及び使用から包装の分別及び廃棄まで,包装された製品のライフサ

イクルにおける様々な状況に配慮している。ただし,個々の包装における寸法,材料,製造方法及び評価
方法については除く。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 11156:2011,Packaging−Accessible design−General requirements(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こと

を示す。 

引用規格 

次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項

を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS X 0500 自動認識及びデータ取得技術−用語 

注記 対応国際規格における引用規格:ISO/IEC 19762,Information technology−Automatic 

identification and data capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary 

JIS Z 0108 包装−用語 

注記 対応国際規格における引用規格:ISO 21067,Packaging−Vocabulary 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS X 0500及びJIS Z 0108による。 

3.1 
アクセシブルデザイン(accessible design) 

何らかの機能に制限のある人に焦点を合わせ,これまでの設計をそのような人々のニーズに合わせて拡

張することによって,製品をそのまま利用できる潜在顧客数を最大限まで増やそうとする設計 

3.2 
代替様式(alternative format) 

他の動作(mobility)又は感覚(sensory ability)によって,製品及びサービスをアクセシブル(可能な

限り最大限まで利用できるよう)にする別の表現方法 

3.3 

包装(packaging) 

物品の輸送,保管,取引,使用などに当たって,その価値及び状態を維持するための適切な材料,容

器,それらに物品を収納する作業並びにそれらを施す技術又は施した状態 

アクセシブルデザイン包装の主な要求事項 

4.1 

情報及び表示 

4.1.1 

内容物 

内容物の情報又は表示をアクセシブルにするに当たり,次の事項に配慮する。 

4.1.1.1 

文字及び画像 

文字は,視認性確保のためにとりわけ重要な要素となる大きさ,書体,コントラスト及び色の組合せに

配慮して見やすいものとする。絵文字などの画像は,容易に理解しやすいものとする。 

4.1.1.2 

点字及び触覚記号 

点字及び触覚記号による情報は,視覚障害者を含め全ての人々に対して,包装された製品のアクセシビ

リティを高めるために知覚しやすく,かつ,理解しやすいものとする。 

例 医薬品への点字の利用(欧州指令Directive 2004/27/EC [5]) 

注記 全ての視覚障害者は,必ずしも点字による情報を理解できるわけではない。 

触覚記号をより分かりやすいものにするためには,記号又は絵文字の使用,及び使用言語の形態(大き

さ,用いる割合など)を考慮し,情報が適切に伝わるよう配慮することが望ましい。このような配慮は,
高齢者及び障害者向けに役立たせるだけでなく,全ての包装形態にも適用できるように,社会的及び文化
的背景を考慮して包装を行うことが望ましい。 

4.1.1.3 

代替様式を使った情報の提示 

情報が包装に表示されている場合であっても,代替様式によって情報を提示する。 

例 情報コミュニケーション技術(ICT)を使った手段を用いて,アレルギー反応を引き起こす可能性の

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

ある成分又は物質の情報を提供[6] [7]。 

4.1.1.4 

情報表示の位置 

製品を安全かつ効果的に使用するために必要な情報は,目立つ位置に示すものとし,開封によっても損

なわれないよう配慮する。 

例 成分,使用の指示,有効期限(賞味期限,使用期限など),警告など。 

製品が小分けに包装されている場合,それぞれの包装に必要不可欠な情報を表示することが望ましい。 

4.1.2 

識別 

4.1.2.1 

色による識別 

色による識別は,同一形状の包装を区別するのに有効な手段である。 ただし,色の識別力に問題がある

人にも見分けられるよう明度差を設ける,絵柄を変えるなどの色以外の情報を追加し,識別しやすくなる
ように配慮する。 

4.1.2.2 

点字及び他の触覚記号による識別 

点字並びに浮き出し文字,記号及び切欠きを含む触覚記号は,同一形状の包装を識別するのに有効とな

るように配慮する(C.1参照)。 

4.1.2.3 

特定の形状による識別 

触覚及び視覚による特定の形状を用いる場合には,包装の識別をするのに有効であるよう配慮する(C.1

参照)。 

4.1.2.4 

誤認しやすい製品のための識別 

包装された製品を安全かつ効果的に使用するためには,簡潔・明瞭な識別を用いなければならない。誤

認のおそれがある場合には,目につきやすい内容表示をする。 

4.1.3 

開封性 

4.1.3.1 

開封の位置 

開封位置は,形状及びその他の特徴によって,容易に識別できるように配慮する(C.2参照)。 

例1 周囲と色彩又はコントラストが異なる開封位置 

例2 開封位置を示す切り口 

注記 包装又は容器の開封位置を示す切欠きは,開封位置を特定するために有効である。 

4.1.3.2 

開封の方法 

開封の方法又は機構が明確でない場合には,文字及び/又は図示によって,明確にする。 

4.2 

取扱い及び操作 

4.2.1 

持ち運び 

包装された製品は,サイズ,形状,質量,摩擦特性及び安定性(重心,バランス及び剛性)に配慮し,

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

持ち運びしやすくすることが望ましい(C.3参照)。 

4.2.2 

開封性及び再封性 

4.2.2.1 

開封のしやすさ 

包装の開封は,手の大きさ又は力に関係なく,容易に開けられるように包装設計する(C.4参照)。 

例 つまみ,滑り止め,直線カット性などのついた包装 

4.2.2.2 

再封のしやすさ 

再封して使用できる包装された製品は,製品として状態を維持するため,再封が容易にできるよう十分

に配慮する(C.4参照)。 

例 包装が再封されたことを確認できるように,触覚又は聴覚(例えば,カチッと音がする。)を用いた

機構 

4.2.3 

内容物の取出し 

4.2.3.1 

適量の取出しやすさ 

包装された製品から内容物が過剰に出るのを防ぐために,適量の内容物を量り取れる又は取り出せる機

構を付与することが望ましい(C.5参照)。 

4.2.3.2 

内容物の取出しやすさ 

使用時に,内容物が飛散したり,あふれたりしないように配慮し,また,使用者が内容物の全てを利用

できるように包装設計する。 

4.2.4 

保管及び安定性 

4.2.4.1 

効率性 

容易かつ効率的に収納でき,安定性が保てるように包装設計する。 

4.2.4.2 

視認性 

製品名,有効期限(賞味期限,使用期限など)その他重要な情報が,保管中も容易に認識できるように

包装設計する。 

4.2.4.3 

品質保証 

使用時及び保管時のいずれにおいても,内容物の品質が維持できるように包装設計する。 

4.2.5 

分別及び廃棄 

4.2.5.1 

分別のしやすさ 

使用者が包装を廃棄する場合に,分別しやすいように包装設計し(C.6参照),適切に材料の種類を表示

することが望ましい。 

4.2.5.2 

廃棄のしやすさ 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

様々な廃棄の方法を提供し,その廃棄方法について使用者が認識し,理解したうえで容易かつ安全に廃

棄できるように包装設計する(C.6参照)。 

例 折りたたみやすい紙箱,つぶしやすいチューブ,押しつぶしやすいプラスチックボトルなど。 

4.2.5.3 

安全性 

分別,廃棄及び廃棄した後においても安全性が確保され,危険が生じないように包装設計する。 

4.3 

包装におけるアクセシブルデザインの評価 

4.3.1 

評価における配慮事項 

4.3.1.1 

包装の段階 

包装におけるアクセシビリティの評価は,製造,流通,使用及び廃棄を含む包装のあらゆる段階を考慮

する。 

4.3.1.2 

使用状況及び人間の能力 

アクセシビリティの評価は,使用状況及び人間の能力(感覚,身体,認識及びアレルギー)を考慮する。 

注記 この規格における使用状況とは,包装を使用する場合の物理的条件及び社会的条件(例えば,店

舗,家など)を含んでいる。 

4.3.2 

評価方法 

機器による評価及び使用者による評価は並行して行い,互いに補完し合うことが望ましい。機器による

評価では,物理的試験における力,トルクなどの定量化されたデータを得るために測定機器によって行う。 

使用者による評価は,測定機器使用の有無にかかわらず,人が関与する方法によって行う。この評価は,

アクセシビリティに対する使用者の感覚的,身体的及び認知的な見方を知る上での手がかりとなる。 

アクセシビリティを正しく評価するための試験条件の検討事項の枠組みについて,附属書Bに示す。 

有害物の包装に関する特別配慮事項 

5.1 

表示 

5.1.1 

誤使用の回避 

内容物の誤使用又は誤飲食によって危険をもたらす可能性がある包装された製品には,最も目立つ位置

に危険であることを警告表示する。また,こうした警告表示は,触覚による識別を含む複数の代替様式に
よって使用者が認知できるようにすることが望ましい(C.7参照)。 

例 塩素系洗浄剤の包装においては,酸性洗浄剤と混ぜると危険な塩素ガスが発生するとの表示,かつ,

二つの洗浄剤を混ぜてはならない旨の警告表示。 

注記 包装のための触覚識別表示法を規定したJIS S 0022-3 [1]及びJIS S 0025 [8]を参照。 

5.1.2 

有害のおそれがある内容物 

有害のおそれがある包装された製品には,有害性を特定し,その情報を目立つように表示する。また,

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

こうした有害性に関する情報の表示は,触覚による識別を含む複数の代替様式によって使用者が認知でき
るようにすることが望ましい(C.8参照)。 

例1 アルコール飲料であることの表示 

例2 アレルゲン含有物質の表示 

注記 包装のための触覚識別表示法を規定したJIS S 0022-3 [1]及びJIS S 0025 [8]を参照。 

5.2 

危険及び傷害を回避する包装設計 

包装構造においては,使用者に危険及び傷害をもたらす取扱い上の誤りを最小限にできるように包装設

計する(C.9参照)。 

例 多様な使用者に対し,使用法が直感的に分かるように包装設計された製品の容器 

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S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

附属書A 

(参考) 

包装におけるアクセシブルデザイン規格構成 

この規格は,JIS Z 8071 [2]及びISO/TR 22411 [4]に基づいた包装におけるアクセシブルデザインの規格で

ある。JIS Z 8071 [2]に基づき,包装された製品のアクセシビリティを高めるために,一連の配慮事項と併読

して用いるよう構成している。 

包装設計の配慮事項については,包装の物理的特性(形状,構造及び製品のアクセシビリティとの関連

性)及び情報特性(情報及びその情報による包装された製品のアクセシビリティを高める手法)について
規定した個別規格の中で規定されている。 

図A.1は,JIS Z 8071 [2],ISO/TR 22411 [4]及びこの規格の相互関係を示すフローチャートであり,ISO 

11156の図A.1を基にJISの制定状況についても追加して記載したものである。 

図A.1−アクセシブルデザインのフローチャート 

ISO 17480 

Packaging−Accessible design−

Ease of opening 

計量及び取出し,開封性及びそ

の評価方法 

〈対応JIS〉 

JIS S 0021-2  IDT 

包装−アクセシブルデザイン−

開封性 

ISO 19809 

Packaging−Accessible 

design−Information and marking 

内容物の情報,情報設計に必要

な配慮事項 

〈対応JIS〉 

JIS S 0021-3  IDT 

包装−アクセシブルデザイン− 

情報及び表示 

ISO 22015 

Packaging−Accessible  

design−Handling and manipulation 

持ち運び,開封,計量及び取出

し,保管及び廃棄 

ISO 11156 

Packaging−Accessible 

design−General 

requirements 

一般的な要求事項 

〈対応JIS〉 

JIS S 0021-1  IDT 

包装−アクセシブルデザ

イン−第1部:一般要求事

項 

ISO/TR 22411 

Ergonomics data and 

guidelines for the application 

of ISO/IEC Guide 71 

(人間工学的データ)及び

共通規格 

ISO/IEC Guide 71 

Guide for addressing 

accessibility in standards 

〈対応JIS〉 

JIS Z 8071  IDT 

規格におけるアクセシビ

リティ配慮のための指針 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

附属書B 

(参考) 

アクセシビリティを試験するための検討事項の枠組み−一般的研究 

B.1 

包装の設計者に最大限十分な情報を提供し,全ての能力レベルの人々に対し最良の解決策を提供す

るために,包装の評価者にとって,使用者と包装との間に生じる複雑で微妙な差異を理解することが,極
めて重要である。 

配慮事項には,使用者が包装を用いて遂行しなければならない種々のタスク(例えば,識別,開封,内

容物の取出し,保管,分別,廃棄など)に対する使用者の能力及び種々の使用状況に対する多面的な要素
が含まれる。 

B.2 

消費者が包装された製品を使用する場合に経る段階の説明には,情報処理の一般モデル(ルソーほ

か1998 [9],ロジャースほか2000 [10])が適している。これらのモデルは,次の段階からなる。 

a) 接触 使用者は,手元で適切にタスクを遂行するために,必要な特徴又は情報に触れる必要がある。 

b) 注意 使用者の注意が包装の特徴に向けられることで,その情報が五感(視覚,聴覚,触覚,嗅覚及

び味覚)を通して伝わる。 

c) 変換 五感から伝えられる情報は,内容物の想像へと変換される。 

d) 理解 使用者は,変換された情報の意味を理解する必要がある。 

e) 受容 使用者は,適切な方法で行動することで,その設計者の意図どおりに行動することを可能とす

る。 

B.3 

B.2の各段階を進められるか(成功)否か(失敗)は,次の四つの要因が影響する。 

(出典:ノリスほか1999)[11] 

a) 使用者 使用者の知覚的,認知的,身体的及び心理的特徴 

b) 包装 包装された製品の図形的及び構造的特徴 

c) タスク 行動の特性及び使用者の目的(例えば,動かす,保管する,使う,廃棄する) 

d) 使用状況 包装を使用する場合の身体的及び社会的状況(例えば,店舗,深夜の家) 

先に記載したとおり,B.2の各段階が進められるか(成功か失敗か)どうかは,この四つの要因が複合的

に影響して決まる(図B.1参照)。 

このように,包装におけるアクセシビリティの評価の場合には,(包装の取扱いの)失敗は,知覚的,認

知的又は身体的な理由で発生し,最終的に様々な要因が使用上の成功又は失敗に影響するということを考
慮することが望ましい。また,評価は再現可能,繰返し可能,かつ,現実的な結果をもたらすようこれら
の要因を慎重に考慮することが望ましい。 

設計者及び評価者は,試験条件が結果に大きく影響しがちであるということを理解し,使用者,タスク

及び評価するときの使用状況を考慮することが理想的である。例えば,健康的な被験者に実験室環境下で,
時間制限もなく包装の開封を依頼した場合と腕を骨折した消費者が時間に限りがある中などといったより

実際の使用環境(家庭での忙しい環境)で包装を開封する場合とでは,異なる結果を生みやすいことにな
る。 

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S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

使用者(User),包装(Package),タスク(Task),使用状況(Context of use)及び 

使用者及び包装の相互作用(User-package interaction) 

図B.1−成功・失敗に影響を与える四つの要因 

市場細分化とは,ニーズ及び好みを共有する同質のグループに,最大のインパクトをもつ製品を提供す

る戦略である。 

市場細分化は,1950年代からマーケティングにおいて主流であり,試験を行う企業は,一般的に,製品

の属性及び購買行動に基づき,地理的,人口学的,心理学的見地などから特定の市場に的を絞る。しかし,
アクセシビリティの評価を目的とする場合,この市場細分化は正しい戦略ではないと考えられる。 

アクセシビリティの評価は,設計及び評価の期間中に多様な使用状況を検討し,対象を狭めずに,幅広

い使用者を含めて設計されることが望ましい。 

このような評価プロセスによって得られた洞察は,努力を要する使用状況下での障害がある消費者(障

害者,妊婦,子供,ギプスをはめた人たちなど)だけでなく,通常の使用状況下にいる一般人にとっても
使いやすい製品及び包装の創造に役立つことになる。 

さらに,使用者及び使用状況が多様であるということは,設計に失敗した経緯を理解する助けとなり,

不十分な設計に対する修正措置に向け,より効果的な戦略を立てられるようになる。 

例えば,多くの消費者が開けられなかった新規性のある開封口がついた包装について,次の5段階で考

察する。 

− 消費者が開封指示(説明書)に気づかなかった結果かもしれない。 

− 開封機構に気づかなかったのかもしれない。 

− 開封指示(説明書)に気づいていたかもしれないが,コントラスト及び文字のサイズが不十分だった

ために,指示文を判読することができなかったのかもしれない。 

− 消費者は指示文を理解はできたものの,それを見ても開封機構を理解できなかったのかもしれない。 

− 身体的制約によってその作業を行うことができなかったのかもしれない。 

それぞれの失敗に対する設計上の解決手段は異なるので,この5段階のどこで設計が失敗したかを理解

することが重要である[12]。 

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10 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

附属書C 
(参考) 

アクセシブルデザイン包装事例 

この附属書に示した事例は,ISO 11156:2011の附属書Cを元に,日本の実情に合わせて修正・追加した

ものである。事例は,製品の特性に応じて,単独又は組み合わせて適用することが望ましい。 

C.1 同一又は類似形状の包装・容器の内容物を識別しやすくした事例 

C.1.1 切欠きの付加 

飲料用紙パック容器の場合は,開け口と反対側上部の一部を切り欠くなどで,内容物の識別を容易にす

る。同一又は似た形状の包装に切欠きを入れることで,近接して使用し,又は保管する場合でも切欠きの
有無によって,使用者は,牛乳又はジュースとその他の製品との識別がしやすくなる(図C.1参照)。 
 

単位 mm 

a) 牛乳パック 

注a) ただし,切欠きの半径は2か所とも同じとする。 

b) ジュースパック 

図C.1−上部に切欠きを付加する場合 

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11 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

C.1.2 触覚記号の付加 

同一又は似た形状の包装に触覚記号を入れることで,近接して使用し又は保管する場合でも上部及び外

側に施された触覚記号によって,使用者は,洗髪料又は身体用洗浄料とその他の製品との識別がしやすく

なる。洗髪料の容器には,ぎざぎざ状の触覚記号,身体用(顔面及び頭髪を除く。)洗浄料の容器には,一
直線状の触覚記号を付加することで識別がしやすくなる(図C.2及び図C.3参照)。 

(洗髪料の場合) 

[身体用(顔面及び頭髪を除く。)洗浄料の場合] 

図C.2−容器に触覚記号を付加する場合 

図C.3−容器に触覚記号を付加する場合 

C.2 開封位置を明確に表示した例 

切欠き又は開封位置を示す明確な表示をすることで,開封位置が明確となり,開封がしやすくなる(図

C.4参照)。 

(開封位置を示すための切欠きを付加する場合) 

図C.4−開封位置を示すための明確な表示をする場合 

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12 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

C.3  持ちやすくした例 

容器にくびれ若しくはくぼみを設ける又は容器の側面に取っ手を付加することで容器が持ちやすくなる

(図C.5及び図C.6参照)。 

図C.5−容器にくびれ又はくぼみを設ける場合 

図C.6−容器側面に取っ手を付加する場合 

C.4  開けやすく,又は再封しやすくした例 

上部の開封のため又は再封を確認するための特別な設計を施したもの,開封用タブ及び開封用リングを

開封しやすく設計したもの,押し破ることで簡単に開封できるように設計したものなどがある。(図C.7〜
図C.12参照)。 

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13 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

注記 上部を押すだけで蓋が開く。 

注記 キャップを閉じたときカチッという音がして 

閉めたことが分かりやすい。 

a) 開封のために特別な設計が施されている例 

b) 再封を確認するための特別な設計が施されている例 

図C.7−容器に特別な設計が施されている場合 

 注記 開封用タブをつまみやすい大きさにする又は滑りにくい加工を施す。 

図C.8−開封用タブをつまみやすく加工した場合 

図C.9−開封用リングを引き上げやすくした場合 

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14 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

図C.10−押し破るだけで容易に開封できるようにした場合 

図C.11−開封のため切りやすく加工した場合 

図C.12−開封及び再封のためキャップを持ちやすく滑りにくくした場合 

C.5  計量しやすく又は取り出しやすくした例 

容器のキャップに計量用の目盛を付加したり,注ぎ口の形状を工夫することで,内容物が計量しやすく

なったり,取り出しやすくなる(図C.13及び図C.14参照)。 

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15 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

図C.13−キャップに計量用目盛を付加した場合 

注記 注ぎ出しをスムーズに行えるように,形状を工夫するとよい。 

図C.14−注ぎ口の形状を工夫した場合 

C.6  分別しやすく,又は廃棄しやすくした例 

剝しやすいラベルとする,外しやすいキャップとする又はつぶしやすい設計とすることで分別又は廃棄

がしやすくなる(図C.15〜図C.17参照)。 
 

図C.15−分別のため剝がしやすいラベルにした場合 

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16 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

図C.16−分別のため外しやすいキャップにした場合 

図C.17−廃棄のためつぶしやすくした場合 

C.7  誤使用を回避しやすい表示とした例 

危険を示す明確な表示をすることで,使用者は誤った使用による危険を回避しやすくなる(図C.18参

照)。 

図C.18−危険を示す明確な表示をした場合 

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17 

S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

C.8  危険又は有害であることを識別しやすい表示とした例 

内容物に関する情報を容器に文字及び点字によって表示することで識別しやすくなる(図C.19参照)。 

図C.19−内容物に関する情報(アルコール飲料)を表示した場合 

C.9  危険又は傷害を回避する設計とした例 

熱いものを入れる容器は,外側に熱が伝わりにくくするなどの設計によって,危険・傷害を回避しやす

くなる(図C.20参照)。 
 

図C.20−外側に熱が伝わりにくくした容器の場合 

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S 0021-1:2020 (ISO 11156:2011) 

参考文献 

[1] JIS S 0022-3 高齢者・障害者配慮設計指針−包装・容器−触覚識別表示 

[2] JIS Z 8071 規格におけるアクセシビリティ配慮のための指針 

注記 対応国際規格における参考文献:ISO/IEC Guide 71,Guide for addressing accessibility in 

standards 

[3] Declaration on the Rights of Disabled Persons 

[4] ISO/TR 22411,Ergonomics data and guidelines for the application of ISO/IEC Guide 71 to products and services 

to address the needs of older persons and persons with disabilities 

[5] Directive 2004/27/EC of the European parliament and of the council of 31 March 2004 amending Directive 

2001/83/EC on the Community code relating to medicinal products for human use 

[6] JIS Z 0666 RFIDのサプライチェーンへの適用−製品包装 

注記 対応国際規格における参考文献:ISO 17366,Supply chain applications of RFID−Product 

packaging 

[7] JIS Z 0667 RFIDのサプライチェーンへの適用−製品タグ付け 

注記 対応国際規格における参考文献:ISO 17367,Supply chain applications of RFID−Product tagging 

[8] JIS S 0025 高齢者・障害者配慮設計指針−包装・容器−危険の凸警告表示−要求事項 

注記 対応国際規格における参考文献:ISO 11683,Packaging−Tactile warnings of danger−

Requirements 

[9] ROUSSEAU, G.K., LAMSON, N., RODGERS, W.A., Designing Warnings to Compensate For Age-Related 

Changes in Perceptual and Cognitive Abilities, Psychology and Marketing, Vol.15 (7), pp. 643-662, 1998 

[10] ROGERS, W.A., LAMSON, N., and ROUSSEAU, G.K., Warning research: An integrative perspective, Human 

Factors, 42(1), pp. 102-139, 2000 

[11] NORRIS, B.J., and WILSON, J.R., Ergonomics and safety in consumer product design, in Human factors in 

product design: current practice and future trends: W.S. Green and P.W. Jordan. London, United Kingdom, Taylor 
& Francis, pp. 73-84, 1999 

[12] NORRIS, B.J., and WILSON, J.R., Designing safety into products: making ergonomics evaluation a part of the 

design process, London, United Kingdom, Department of Trade and Industry, 1997 

[13] ISO 17351,Packaging−Braille on packaging for medicinal products