R 9112:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 試料の採取方法 ················································································································ 1
4 試験方法························································································································· 1
4.1 混水量 ························································································································· 1
4.2 流し込み開始時間 ·········································································································· 2
4.3 凝結時間 ······················································································································ 2
4.4 ぬれ引張強さ ················································································································ 2
4.5 粉末度残分 ··················································································································· 3
R 9112:2015
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,無機マテリアル学
会(IMJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS R 9112:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 9112:2015
陶磁器型材用せっこうの物理試験方法
Method of physical test for plaster of paris mold for pottery
1
適用範囲
この規格は,JIS R 9111で規定する陶磁器型材用せっこう(以下,型材用せっこうという。)の物理試験
方法(混水量,流し込み開始時間,凝結時間,ぬれ引張強さ,粉末度残分)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7411-1 一般用ガラス製温度計−第1部:一般計量器
JIS B 7721 引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法
JIS R 5201 セメントの物理試験方法
JIS R 9111 陶磁器型材用せっこう
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部 金属製網ふるい
3
試料の採取方法
試料は,その平均品質を表すよう合理的な抜取方式によって採取し,四分法によって縮分し,湿分を含
まない気密な容器に保存しなければならない。ただし,未熟成のものを試験する場合には,焼成後24時間
以上,常温・常湿の空気中にさらしたものでなければならない。
4
試験方法
4.1
混水量
測定手順は,次による。
なお,混水量とは,型材用せっこうを混練するのに最適な水の量をいう。
a) 約300 mlの乾燥したビーカーに15〜25 ℃の水100 gを入れる。
b) 試料をビーカー中に少量ずつ散布しながら水中に沈め,余剰の上澄水が全くなくなるまでに投入した
試料の質量をはかる。
c) 混水量は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって整数に丸める。
なお,試料を投入する時間は約2分間とし,その間ビーカー内部をかき回したり,ビーカーを振り
動かさないようにする。
100
1
0×
=m
m
a
ここに,
a: 混水量(%)
2
R 9112:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
m0: 使用した水の質量(=100 g)
m1: 使用した試料の質量(g)
4.2
流し込み開始時間
流し込み開始時間は,試料を混水量の水中に投入し始めてから,流し込みを開始するまでの時間をいい,
測定は,次による。
a) 内径120 mm以上で約2 Lの円筒形の容器を使用し,この容器に試料800 gに相当する混水量の水を入
れる。
b) 試料800 gを約1分間で水面に均一に散布する。
c) 2分間放置後,直径約15 mmの棒で約1分間に約100回の速度で約2分間以上かきまわす。
d) 棒の跡がかすかに現れても直ちに消滅するような粘さとなるときまでの時間を流し込み開始時間とす
る。
4.3
凝結時間
凝結時間とは,試料を混水量の水中に投入し始めてから凝結するまでの時間をいい,凝結の進行に従い,
“始発時間”,“見掛けの終結時間”及び“終結時間”を測定する。凝結時間の測定は,次による。
a) 凝結時間の測定には,JIS R 5201に定めるビカー針装置を使用し,せっこう用の標準針は,長さ45 mm,
直径2 mmの金属針とし,その頭を平らに切ったもので,これとともに降下する可動部の全質量は,
300±1 gである。
b) 使用する温度計は,JIS B 7411-1に規定する温度計記号Cの温度計又はこれと同等以上の精度をもつ
温度測定器を使用する。
c) 測定方法は,ガラス板上に置いた内径78±5 mm,高さ40.0±0.5 mmの円筒型に,4.2の流し込み開始
時間に達したペーストを流し込み,中央に温度計を差し込み,次の測定を行う。
1) 始発時間:測定器の標準針が供試体の底面からおよそ1 mmの高さに止まるようになるまでの時間
を測定する。
2) 見掛けの終結時間:測定器の標準針が供試体の表面からおよそ1 mmの深さに止まるようになるま
での時間を測定する。
3) 終結時間:温度計が最高温度を示すようになるまでの時間を測定する。
4.4
ぬれ引張強さ
ぬれ引張強さの測定は,次による。
a) 測定には,ミハエリス形,又はJIS B 7721による1等級の試験機を使用する。
b) ぬれ引張強さ供試体の作製は,金属型をガラス板上に置き,4.2の流し込み開始時間に達したペースト
を流し込み,表面を平滑にし,約40分後に脱型する。
なお,金属型は最小断面積が400 mm2以上で,最小断面の一辺の長さが15 mm以上のものを使用す
る。
c) その後,試験体は大気中に静置し,試料の投入開始から2時間経過したものについてぬれ引張強さを
測定する。ぬれ引張強さ試験の荷重速度は,引張開始後20〜40秒間で破断に達する速度として,最大
引張荷重を求める。
d) ぬれ引張強さは,次の式によって算出した6個の平均値をJIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸め
て求める。
s
w
t=
3
R 9112:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに,
t: ぬれ引張強さ(MPa)
w: 最大引張荷重(N)
s: 金属型の最小断面積(mm2)
4.5
粉末度残分
粉末度残分の測定は,次による。
a) 粉末度残分は,JIS Z 8801-1の目開き425 μm及び150 μmの試験用ふるいを用いて測定する。
b) 測定は,50 gの試料を試験用ふるいにとる。
c) 試験用ふるいを軽くたたいて振動を与え,粉末の凝集したものは,指先で枠に軽くすりつけてつぶす
程度に処理しながらふるい分けを行い,1分間当たりのふるい通過量が0.1 g以下となったとき,ふる
い上に残留した質量を測定する。
なお,機械ふるいを使用しても差し支えない。
d) 粉末度残分は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって整数に丸めて,質量分率(%)で求める。
100
1
×
=mm
f
ここに,
f: 粉末度残分(%)
m: ふるい上残分の質量(g)
m1: 試料質量(g)