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R 7605 : 1999  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 7605 : 1999 

炭素繊維−線密度の試験方法 

Carbon fibre−Determination of linear density 

序文 この規格は,1991年に第1版として発行されたISO 10120, Carbon fibre−Determination of linear 

densityを翻訳し,原国際規格の様式によって作成した日本工業規格であるが,規定内容の一部を我が国の

実情に即して変更した。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格の規定内容を変更した事項又は原国際規格

にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,炭素繊維糸の線密度(単位長さ当りの質量)の試験方法について規定する。

サイジング剤が付着した炭素繊維の線密度を試験したときには,サイジング剤付着率を用い計算によって

補正すること(9.2)。この規格の方法によって試験した線密度は,糸のよりの影響は考慮していない。 

備考1. 線密度はLinear densityの訳であり,繊度と同じ意味である。JIS L 0104-1988(テックス方式

による糸の表示)参照。 

2. 引用規格 次の規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。こ

の規格の発行時点では,ここに示す版の規格が有効である。すべての規格は改正されることがあるので,

この規格の使用者は,引用規格の最新版を適用できるかどうか検討するのが望ましい。 

IEC及びISOの加盟機関は,国際規格の最新版の登録簿を維持している。 

ISO 291 : 1977, Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing.  

ISO 1144 : 1973, Textiles−Universal system for designating linear density (Tex System). 

ISO 10548 : 1994, Carbon fibre−Determination of size content.  

参考1. サンプリング法を削除したためISO 1886 : 1990は,引用しない。 

2. ISO 10548は1994年に出版されたので追加した。 

3. 定義 この規格で使用される用語の定義は,次のとおりとする。 

3.1 

サイジング剤 (size)  繊維の取扱い性を良くするため,繊維に付着させたもの。 

3.2 

サイジング剤付着率 (size content)  サイジング剤が付着した状態の炭素繊維の絶乾質量当たりの

サイジング剤の質量をパーセントで表したもの。 

3.3 

線密度 (linear density)  テックス方式によって表した炭素繊維糸の単位長さ当り質量 (ISO 1144)。 

3.4 

初荷重 (pre-tension)  長さを測るとき試験片にかける荷重 

4. 原理 線密度は長さ既知の試験片の質量を量ることによって試験し,1キロメートル当りの質量 (tex) 

で表す。試験片の長さは,規定の初荷重の下に測る。 

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R 7605 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考 原国際規格6.サンプリング方法Samplingの項目を削除する。ISO/TC61/SC13は試験方法の国際

規格にはサンプリング方法を含めないと決定したため。 

5. 試験場所の標準状態 試験に先立って,試験片はISO 291に規定した標準試験雰囲気中に保ち,試験

中も装置及び試験片は,同じ条件下に維持する。条件としては23℃±2℃,(50±5) %RHが望ましい。 

また,JIS K 7100(プラスチックの状態調節及び試験場所の標準状態)に定める23℃±5℃, (50+20/

−10) %RHを採用してもかまわない。 

参考 原国際規格はISO 291の詳細は規定していない。ISO 10119は詳細を規定しているのでこの規

格に従い一致をはかった。また,JIS R 7601-1986(炭素繊維試験方法)にJIS K 7100が採用さ

れているので,この標準に定める条件を追加した。 

6. 試験片 試験片の長さ (m) は,試験片の質量が0.25g以上になるように試料の線密度 (tex) に応じて

定める。表1に線密度と試験片の長さの関係を示す。 

表1 

線密度 tex 

試験片の長さ m 

  50未満 

質量0.25g以上の長さ 

 50以上 125未満 

5m 

125以上 250未満 

2m 

250以上 

1m 

7. 装置及び器具 

7.1 

はかり 最小0.1mgまで測定できるものとする。 

7.2 

切断用刃物 

7.3 

熱風乾燥機 110℃±5℃に調節できるものとする。 

7.4 

デシケーター シリカゲル,塩化カルシウム,五酸化りん (V) などの適当な乾燥剤を含むものとす

る。 

参考 原国際規格にはシリカゲル及び五酸化りん (V) の例示はないがISO 10548には示されている

ので,両規格の内容を一致させるために付け加えた。 

7.5 

巻取リール 試験片を採取するための円周1mのリールとする。 

7.6 

長さ計 最小1mmまで測れるものとする。 

参考 原国際規格に欠落しているため追加する。 

8. 手順 

8.1 

試料から約2mの糸を引き出して捨て,表1に示す長さの試験片3個を連続して採取する。このとき

糸に4mN/texから6mN/tex(0.4gf/texから0.6gf/tex)の初荷重をかけ,長さを1mmの精度で測り,切り取

る。 

8.2 

試験片を110℃±5℃で1時間乾燥し,デシケーター内で冷却する。 

備考2. 大気中から水を吸収しない炭素繊維については,受渡当事者間の協定により乾燥工程を省い

てもよい。 

8.3 

試験片の絶乾質量を1mgまで量る。 

R 7605 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9. 計算及び結果の表示 

9.1 

サイジング剤が付着していない糸の線密度 (Tt) は,次の式によって算出し,texで表す。 

L

m

Tt

3

10

×

=

ここに, m: 試験片の質量 (g)  
 

L: 試験片の長さ (m)  

9.2 

サイジング剤が付着した糸の線密度 (Tt) は,次の式によって算出し,texで表す。 

(

)

100

100

103

S

L

m

Tt

×

×

=

ここに, 

S: サイジング剤付着率 (%) (3.2) 

m: 9.1と同じ 

L: 9.1と同じ。 

試験の結果は,小数点以下1けたまで求めJIS Z 8401(数値の丸め方)によって

1けたの位に丸める。 

参考 原国際規格に欠落しているので追加した。 

10. 精度 この試験方法の精度は,試験室間のデータがないので不明である。精度はそのデータが得られ

た時点で,次の改正版に追加される。 

11. 報告 報告には,次の事項を記載する。 

a) この規格の番号 

b) 試料の明細 

c) 線密度Tt,3個の試験片の値の平均値をtexで表示 

d) その他特記すべき事項 

R 7605 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS R 7605(炭素繊維−線密度の試験方法)原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

宮 入 裕 夫 

東京医科歯科大学 

(委員) 

福 水 健 文 

通商産業省生活産業局窯業建材課 

増 田   優 

通商産業省基礎産業局化学課 

岡 林 哲 夫 

工業技術院標準部 

剣 持   潔 

物質工学工業技術研究所 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

奥 田 謙 介 

奥田技研 

山 内 啓 司 

NSテクノサービス 

三 好 一 雄 

三菱電機株式会社 

秋 元   剛 

横浜ゴム株式会社 

菅 原 憲 明 

富士重工業株式会社 

室 井 國 昌 

ヤマハ株式会社 

矢 作 雅 男 

炭素繊維協会 

松 井 醇 一 

東レ株式会社 

安 藤 正 人 

東邦レーヨン株式会社 

伊 藤   正 

ドナック株式会社 

松 岡 慶 典 

三菱レイヨン株式会社 

鍵 崎 正 己 

三菱化学株式会社 

野 崎 春 夫 

呉羽化学工業株式会社 

磯 部 鴻 一 

日本カーボン株式会社 

鹿 毛 紀久雄 

財団法人科学技術戦略推進機構 

渡 部 恵 三 

硝子繊維協会 

田 村 正 勝 

日本プラスチック工業連盟