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R 7240:2018  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 原理······························································································································· 2 

5 熱拡散率測定 ··················································································································· 3 

5.1 試料の形状 ··················································································································· 3 

5.2 装置及び器具 ················································································································ 3 

5.3 測定手順 ······················································································································ 4 

5.4 熱拡散率の求め方 ·········································································································· 4 

5.5 再測定 ························································································································· 5 

6 報告書···························································································································· 5 

附属書A(参考)試料台及び試料押さえの形状例 ······································································· 7 

附属書B(参考)変調周波数及び加熱光量の決定方法例 ······························································· 8 

附属書C(参考)熱伝導率の計算方法 ····················································································· 10 

附属書D(参考)加熱光量に依存しない熱拡散率を求める方法····················································· 11 

附属書E(参考)熱拡散率参照物質を用いた測定の検証 ······························································ 12 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本工業規格          JIS 

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放熱用グラファイトシートのレーザスポット周期 

加熱放射測温法による熱拡散率の求め方 

Determination of thermal diffusivity for heat dissipation graphite sheet by  

a laser spot periodic heating radiation thermometry method 

適用範囲 

この規格は,レーザスポット周期加熱放射測温法による放熱用グラファイトシート(以下,グラファイ

トシートという。)の面内方向の熱拡散率の求め方の基本的な考え方及び手法について規定する。 

なお,この規格は,グラファイトだけからなるグラファイトシートで,厚さ100 μm以下のものを対象

とする。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7502 マイクロメータ 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600によるほか,次による。 

3.1 

グラファイトシート 

放熱用の黒鉛製シート。 

3.2 

熱拡散率,α 

グラファイトシートの面内方向の温度の伝わる早さを示す値。ただし,面内方向と厚さ方向とを区別す

る場合には,それぞれαv,αHとする。 

3.3 

厚さ,d 

グラファイトシートの幾何学的厚さ。 

3.4 

スポット径,σ 

加熱レーザの試料面上での照射直径。ガウシアン強度分布を仮定した半値全幅をいう。 

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3.5 

変調周波数,f 

加熱レーザを周期的に強度変調するための基準信号の周波数。 

3.6 

位相遅れ,θ 

加熱レーザの強度変調信号の位相を基準とした放射測温信号の位相。 

3.7 

距離,l 

加熱レーザスポットの中心と放射測温箇所の中心との面内方向の間隔。 

原理 

図1にレーザスポット周期加熱放射測温法によるグラファイトシートの面内方向の熱拡散率測定原理図

を示す。変調周波数fで正弦波に強度変調した加熱レーザを熱拡散率αの試料表面に,スポット径σで照

射する。加熱レーザ光によって周期的に与えられた熱エネルギーは,試料の面内方向に拡散するとともに,

試料の温度は変調周波数と同じ周期で振動する。この周期的な温度の振動の位相遅れθは,式(1)で表され,

距離l及び変調周波数fの1/2乗に比例し,熱拡散率αの1/2乗に反比例する。ここで,Cは定数である。 

距離lの位置における試料の裏面温度を赤外線検出器で測定することで,レーザ強度変動と裏面温度の

変動に対応した赤外放射信号との関係をプロットした図1 b)のグラフから位相遅れθが得られる。また,

位相遅れθと距離lとの相関をプロットすることによって,図1 a)のグラフが得られる。このとき,加熱

点の近傍では距離lに対して試料の厚さdの大きさが無視できないため,式(1)の直線的な関係を満たさな

い範囲が存在する。また,試料の端面に近づくと端面の影響によって式(1)の関係を満たさない範囲が存在

する。したがって,これらの範囲を除き,グラフの傾きを求める。この傾き及び式(1)の傾き

)

π( α

f

ら,試料の面内方向の熱拡散率αが求められる。 

C

l

α

f

θ

+

=

π

 ········································································ (1) 

注記1 式(1)のCは,装置固有の位相遅れである。 

注記2 加熱点の近傍の試料の式(1)の関係を満たさない範囲は,l<

d

α

α

)

/

(

H

v

の範囲となる。 

注記3 強度変調した加熱レーザによって,試料には周期的な温度の振動が発生し,これを温度波と

呼ぶ。温度波は約1波長で大きく減衰する性質があることから,その波長よりも試料,試料

台及び試料押さえを十分大きくすると,それらの端面の影響を受けない測定が可能となる。

試料の熱拡散率及び測定時の変調周波数によって温度波の波長(熱拡散長)は変化すること

から,測定に影響を及ぼさない試料の寸法,試料台及び試料押さえの寸法は,熱拡散長によ

って判断できる。熱拡散長μ(単位:m)は,式(2)によって求められる。 

f

α

μ

π

=

 ·················································································· (2) 

試料の端面において,式(1)の関係を満たさない範囲は,変調周波数によって決まる。変調

周波数が低く,熱拡散長μが試料サイズLに比べて無視できないほど大きい場合は,温度波

がエッジ(試料端面)で反射する効果が大きくなり中間の直線領域が失われるため,熱拡散

長μと試料サイズLとの関係をμ<(1/2.5) Lとし,f>6.25α/(πL2)となるfで測定するとよい。 

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a) レーザスポット周期加熱放射測温法の模式図 

b) 加熱レーザの波形及び赤外放射信号の波形 

図1−レーザスポット周期加熱放射測温法によるグラファイトシート面内方向の熱拡散率測定原理図 

熱拡散率測定 

5.1 

試料の形状 

試料の形状は,1辺が50 mm以上の長方形で,厚さは100 μm以下とする。 

5.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次の要素をもつものとする。 

a) 試料台及び試料押さえ 試料を平面に設置でき,かつ,それぞれの中心に内径20 mm以上若しくは熱

拡散長μの2.5倍以上の円形の孔,又は一辺20 mm以上若しくは熱拡散長μの2.5倍以上の長方形の

孔があるものとする。附属書Aに,形状例を示す。 

b) スポット周期加熱装置 周波数fで強度変調されたレーザ及びσ<σ0のスポット径を実現する照射光

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学系で構成されたものとする。最大許容スポット径σ0は,σ0=200 μmとする。 

c) 温度応答測定装置 応答速度が変調周波数fよりも十分速い赤外線検出器を用いる。また,赤外線検

出器は試料裏面の任意の座標で測定するために,試料表面に平行に,距離l=0 mmに対して,±5 mm

以上の可動範囲をもつものとする。 

d) 記録装置 基準信号に対する位相遅れを,距離に対して自動記録できるものとする。 

5.3 

測定手順 

5.3.1 

試料の形状測定 

試料の形状測定は,次の手順によって行う。 

a) 試料厚さの測定 JIS B 7502に規定するマイクロメータによって,試料の任意の3〜5点の厚さを1 μm

の桁まで測定し,その平均値を四捨五入して整数位(単位:μm)としたものを試料厚さとする。 

b) 試料の外形測定 外形寸法をノギスなどで測定する。 

5.3.2 

試料の固定 

シート状試料を,平たん(坦)かつ水平に保ったまま試料台上に設置し,試料押さえで押さえる(附属

書A参照)。 

5.3.3 

測定環境の調整 

測定時の温度,湿度などの環境は,試料が化学的な変化を受けない雰囲気にする。 

5.3.4 

位相遅れと距離との関係測定 

位相遅れと距離との関係の測定は,次の手順によって,直交する2方向で行う。ただし,異方性がない

ことが明確な場合には,1方向だけの測定でもよい。測定した方向は,報告書に記載する。 

a) 加熱位置及び測定範囲の設定 固定した試料表面のほぼ中心部に加熱用レーザスポットの照射位置を

設定し,この加熱スポットの中心から面内方向に距離lだけ離れた点の裏面を測定位置とする(附属

書A参照)。このとき,距離lの測定範囲は,2 mm〜4 mmとする。 

b) 変調周波数の設定及び加熱光量の調整 測定範囲における位相遅れの差が0.5〜1.5 radの範囲内とな

るように変調周波数を設定する。それより位相遅れの差が小さい場合には変調周波数を上げ,逆の場

合には下げる。試料の裏面で検出する位相遅れθが十分測定できるように,加熱光量(mW)を設定

する。 

注記1 約75 Hzの変調周波数を初期値とするのが適切である。 

注記2 変調周波数及び加熱光量の決定方法の例を,附属書Bに示す。 

c) 位相遅れデータの取得 距離lが2 mm〜4 mmにおいて赤外線検出器を走査し,位相遅れθと距離l

との関係を記録する。測定間隔は,0.1 mm以下とする。 

5.4 

熱拡散率の求め方 

熱拡散率の求め方は,次による。 

a) 熱拡散率の算出式 5.3.4 c)で得られたデータを横軸に距離l,縦軸に位相遅れθ(rad)を取ってプロ

ットすると,図2のような位相遅れと距離との関係が得られる。グラフの傾きAは,式(1)によって式

(3)となるため,熱拡散率αを求める式は,式(4)となる。 

α

f

A

π

=

 ················································································· (3) 

2

π

A

f

α=

 ···················································································· (4) 

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位相遅れ,θ(rad) 

距離,l(mm) 

図2−面内方向の熱拡散率測定の位相遅れと距離との関係 

b) 直線回帰による傾きの決定 測定範囲である距離lが2 mm〜4 mmの範囲で直線回帰計算を行い,傾

きAを決定する。 

c) 熱拡散率の算出 b)で得られた傾きAを式(4)に代入して熱拡散率を求める。 

注記 得られた熱拡散率から熱伝導率を求める計算方法を,附属書Cに示す。 

5.5 

再測定 

加熱光量が小さいか,又は大きすぎる場合,並びに変調周波数が適切な範囲にないことで直線となる領

域を伴った位相遅れと距離との関係が得られない場合は,5.3.4で再測定する。 

なお,試料に不可逆的な損傷を与える場合は,加熱光量を低減して行う。加熱光量を低減できない場合

は,スポット径を最大許容スポット径σ0まで拡大する。 

注記 試料に損傷を与えないが加熱光量に依存して熱拡散率に変化が生じる場合は,加熱光量に依存

しない方法で熱拡散率を求めるとよい(附属書D参照)。また,測定結果に疑義があるものの

原因が判然としない場合は,熱拡散率参照試料を用いて測定を検証するとよい(附属書E参照)。 

報告書 

報告書には,次の項目を記載する。ただし,受渡当事者間で記載することが不要との合意が得られた項

目については,報告書への記載を省略することができる。 

a) この規格に基づいて求めた結果である旨の記載 

b) 試料情報 

1) 種類及び名称 

2) 寸法(試料厚さ,長辺及び短辺の長さ) 

3) その他の基本特性(かさ密度,比熱容量,熱伝導率) 

c) 測定記録 

1) 測定年月日,測定機関及び測定者 

2) 測定装置の製造業者及び形式 

3) 測定条件(測定方向[直交2方向又は1方向],マーキングの位置,変調周波数,加熱光量,測定範

囲,測定点数,環境温度,湿度,大気圧) 

4) 測定データ(位相遅れと距離との関係) 

5) 解析結果(直線回帰から得られた熱拡散率) 

距離lが2 mm〜4 mmを解析 

θ=−A・l+c 

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d) 特記事項 

1) この規格の規定を変更した事項又は受渡当事者間で協定した事項 

2) その他必要とする事項 

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附属書A 

(参考) 

試料台及び試料押さえの形状例 

試料台及び試料押さえの形状例を,図A.1に示す。 

a) 加熱レーザを照射した側面図 

b) 斜視図 

図A.1−試料台及び試料押さえの形状例 

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附属書B 

(参考) 

変調周波数及び加熱光量の決定方法例 

B.1 

変調周波数の決定方法例 

変調周波数の決定方法例を,次に示す。 

a) 変調周波数は,測定範囲の両端(距離lが2 mm及び4 mm)での位相遅れの差が1 rad程度となるよ

うに決める。許容範囲は,0.5 rad〜1.5 radとする。 

b) 位相遅れの差が許容範囲より大きい場合は周波数を下げ,小さい場合は周波数を上げる。ただし,商

用周波数との一致は避ける。図B.1に距離lが2 mm〜4 mmにおける位相遅れの差と熱拡散率との関

係を示す。この図は,それぞれの熱拡散率において位相遅れの差が0.5 rad〜1.5 radとなる変調周波数

を示したものである。測定する試料の熱拡散率範囲を100〜1 000×10−6 m2 s−1としたとき,測定範囲

の両端(距離lが2 mm及び4 mm)での位相遅れの差が1 radとなる周波数は8 Hz〜80 Hzとなる。 

図B.1−距離lが2 mm〜4 mmにおける位相遅れの差と熱拡散率との関係 

B.2 

加熱光量の決定方法例 

加熱光量の決定方法例を,次に示す。 

a) 試料が厚くなると単位面積当たりの熱容量が大きくなることから,必要となる加熱光量は増加する。

したがって,試料の厚さに合った加熱光量を決定するとよい。 

b) グラファイトシートを測定するときの,試料厚さ及び加熱光量の目安を,図B.2に示す。 

許容範囲 

0.5 rad 

1.5 rad 

200

175

150

125

100

75

50

25

0

調

f (

H

z)

 100 

200 

300 

400 

500 

600 

700 

800 

900 

1 000 

熱拡散率,α (×10−6 m2 s−1) 

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W

  

20 

30 

40 

50 

60 

70 

80 

90 

100 

試料厚さ,d(μm) 

図B.2−試料厚さ及び加熱光量の目安 

目安となる加熱光の光量 

0.2 

0.4 

0.6 

0.8 

1.2 

10 

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附属書C 
(参考) 

熱伝導率の計算方法 

C.1 一般事項 

熱伝導率は,熱拡散率,比熱容量及びかさ密度から求めることができる。これらの測定では,一般的に

用いられる試料の形状が異なる。一つの試料を用いて,これらの三つの物性値を評価する場合には,必要

となる試料の形状が大きい測定方法から順番に,試料を加工しながら測定を行うとよい。この手順によっ

て得られる熱伝導率は,その試料自体の熱伝導率である。 

材料の不均一性を考慮して三つの物性値を評価する場合,同じ材料の近い部分から,各測定方法に適用

した形状の試料を用意し,それぞれ測定する。それぞれの物性値の測定用に複数個の試料を用いることが

望ましい。複数個の試料を用いた場合は,平均値を求め四捨五入する。この手順によって得られる熱伝導

率は,その材料の熱伝導率の代表値である。 

C.2 測定方法 

a) 熱拡散率 熱拡散率の測定は,箇条5による。 

b) 比熱容量 比熱容量の測定は,JIS R 1672又はこれと同等の方法による。 

c) かさ密度 かさ密度の測定は,JIS R 1634又はこれと同等の方法による。 

C.3 計算 

熱伝導率は,式(C.1)によって求める。 

λ=α×c×ρ ··········································································· (C.1) 

ここに, 

λ: 熱伝導率(W K−1 m−1) 

α: 熱拡散率の実測値(m2 s−1) 

c: 比熱容量(J kg−1 K−1) 

ρ: 試料のかさ密度(kg m−3) 

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11 

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附属書D 
(参考) 

加熱光量に依存しない熱拡散率を求める方法 

熱拡散率は,その値が材料に応じて異なるが,同時に温度に依存して値が変化する量でもある。加熱光

量を変えることで試料温度が変化し,熱拡散率が見掛け上変化する可能性があるため,注意を要する。 

レーザスポット周期加熱放射測温法では,試料を周期加熱するために試料の温度上昇を伴う。加熱スポ

ットから2 mm以上離れている測定範囲における温度上昇量は,通常は環境温度に対して僅かであるが,

この温度上昇の影響を除いた熱拡散率を求める方法は,次による。 

a) 各試料を,ある一定温度T(℃)において,加熱レーザの強度を4段階以上変化させて,測定を行う。

測定は,各強度で3回繰り返して行う。 

b) 見掛けの熱拡散率の値を,図D.1のように,加熱レーザの強度に対してプロットし,1次の回帰曲線

を求める。関係式から,プロットのゼロ外挿値(αex),すなわち,1次式の切片を求める。 

このゼロ外挿値は,温度上昇を伴わない測定によって求められる熱拡散率と考えることができる。した

がって,温度Tにおけるレーザによる温度上昇を伴わない熱拡散率は,ゼロ外挿値(αex)として定義でき

る。見掛けの熱拡散率と温度上昇値との関係式は,1次の回帰曲線で近似してもよいが,受光素子の応答

の非線形性などの影響によって,明らかに1次式ではない場合は,適当な関数を選択することができる。 

加熱レーザの強度 

注記 図は,加熱レーザの強度が4段階で,かつ,繰返し回数が3回の例。 

図D.1−見掛けの熱拡散率の加熱レーザの強度依存性の例 

αex 

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附属書E 

(参考) 

熱拡散率参照物質を用いた測定の検証 

E.1 

参照物質による検証 

測定結果及び測定システムに疑義が生じた場合は,参照物質による測定の検証が有効である。レーザス

ポット周期加熱放射測温法では,板状の試料形状が必要なため,純度の高い金属が適切である。 

E.2 

銅の熱拡散率及び測定条件 

熱拡散率参照物質としては,入手が容易な純度の高い銅が望ましい。表E.1に,銅の熱拡散率を示す。

また,銅の測定条件の例を,表E.2に示す。 

表E.1−銅の熱拡散率 

単位 m2 s−1 

測定温度 

300 K 

400 K 

熱拡散率 

1.164×10−4 

1.135×10−4 

注記 記載の銅の熱拡散率は,CODATA RRR=300 [4]

のデータに基づく。 

表E.2−銅の測定条件の例 

項目 

測定条件 

変調周波数a) 

8 Hz 

加熱光量 

150 mW 

試料厚さ 

100 μm 

注a) 図B.1参照 

E.3 

測定上の留意点 

試料表面のレーザの吸収率及び裏面の放射率が低い物質については,試料表面の黒化処理が必要である。

試料表面の黒化処理は,JIS R 1611を参照するとよい。 

参考文献 

[1] JIS R 1611 ファインセラミックスのフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率の測定方

法 

[2] JIS R 1634 ファインセラミックスの焼結体密度・開気孔率の測定方法 

[3] JIS R 1672 長繊維強化セラミックス複合材料の示差走査熱量法による比熱容量測定方法 

[4] CODATA(Committee on Data for Science and Technology)RRR=300:科学技術データ委員会