R 6253:2006
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,研磨布紙協会(ACPA)
/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS R 6253:1999は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 3366:1999,Coated abrasives−
Abrasive rolls及びISO 21948:2001,Coated abrasives−Plain sheetsを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS R 6253には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
R 6253:2006
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 種類 ······························································································································ 1
4. 品質 ······························································································································ 2
4.1 外観 ···························································································································· 2
4.2 特性 ···························································································································· 2
5. 寸法及び寸法許容差 ········································································································· 2
5.1 寸法 ···························································································································· 2
5.2 寸法許容差 ··················································································································· 2
6. 材料 ······························································································································ 3
6.1 基材 ···························································································································· 3
6.2 研磨材 ························································································································· 3
6.3 接着剤 ························································································································· 3
7. 試験方法 ························································································································ 3
7.1 引張強さ ······················································································································ 3
7.2 耐水性 ························································································································· 4
7.3 柔軟性 ························································································································· 4
8. 検査 ······························································································································ 5
9. 表示 ······························································································································ 5
9.1 製品 ···························································································································· 5
9.2 包装 ···························································································································· 5
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 6
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日本工業規格 JIS
R 6253:2006
耐水研磨紙
Waterproof abrasive papers
序文 この規格は,1999年に第2版として発行されたISO 3366,Coated abrasives−Abrasive rolls及び2001
年に初版として発行されたISO 21948,Coated abrasives−Plain sheetsを翻訳し,原国際規格の適用範囲で
ある研磨布紙のうち耐水研磨紙だけを対象とし,かつ,対応する部分(種類,寸法及び許容差,並びに表
示)については技術的内容を変更して作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていな
い規定項目(品質,材料,試験方法及び検査)を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,塗装面などの研磨加工に使用する耐水研磨紙について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 3366:1999,Coated abrasives−Abrasive rolls (MOD)
ISO 21948:2001,Coated abrasives−Plain sheets (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS P 8124 紙及び板紙−坪量測定方法
JIS R 6010 研磨布紙用研磨材の粒度
JIS R 6111 人造研削材
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 種類 耐水研磨紙の種類は,形状,基材の坪量,研磨材の材質及び研磨材の粒度によって,表1のと
おりとする。
2
R 6253:2006
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表 1 耐水研磨紙の種類
形状による種類
基材の坪量
による種類
研磨材の材質による種類
(記号)
研磨材の粒度による種類
シート
ロール
Aw
アルミナ質研削材
(A,WA,PA,HA,AZ)
炭化けい素質研削材(C,GC)
P220,P240,P280,P320,P360,P400,
P500,P600,P800,P1 000,P1 200,
P1 500,P2 000,P2 500
Cw
アルミナ質研削材
(A,WA,PA,HA,AZ)
炭化けい素質研削材(C,GC)
P60,P80,P100,P120,P150,P180,
P220,P240,P280,P320,P360,P400,
P500,P600,P800,P1 000,P1 200,P1 500,
P2 000,P2 500
Dw
アルミナ質研削材
(A,WA,PA,HA,AZ)
炭化けい素質研削材(C,GC)
P60,P80,P100,P120,P150,P180,
P220,P240,P280,P320,P360,P400
備考1. 研磨材の材質は,JIS R 6111の規定による。
2. 研磨材の粒度は,JIS R 6010の規定による。
4. 品質
4.1
外観 耐水研磨紙には,使用上有害なきず,しわ,破れ,穴及び研磨材の塗装むらがあってはなら
ない。
4.2
特性 耐水研磨紙の特性は,表2による。特性の試験は,7.による。
表 2 耐水研磨紙の特性
単位 N/25mm
基材の坪量による種類
特性
引張強さ
耐水性
柔軟性
幅方向
長さ方向
Aw
49以上
88以上
研磨材の離脱があっ
てはならない。
割れ目の幅(1か所ごと)
は,耐水研磨紙の厚さの1.5
倍を超えてはならない。
Cw
88以上
177以上
Dw
137以上
265以上
備考 幅方向の引張強さは,シートだけとする。
5. 寸法及び寸法許容差
5.1
寸法 耐水研磨紙の寸法は,通常,表3による。
表 3 耐水研磨紙の寸法
単位 mm
形状による種類
寸法
シート
幅×長さ
70×115,70×230,93×230,115×140,115×280,140×230,
230×280
ロール
幅
12.5,15,25,35, 40,50,75,80,93,100,115,120,125,150,
200,300,600
長さ
25 000,36 500, (45 700), 50 000
備考 括弧内の数値は,できるだけ使用しないことが望ましい。
5.2
寸法許容差 耐水研磨紙の寸法許容差は,表4による。
3
R 6253:2006
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表 4 耐水研磨紙の寸法許容差
形状による種類
寸法許容差
シート
幅
±3 mm
長さ
±3 mm
ロール
幅
35 mm未満
±1 mm
35 mm以上
±2 mm
長さ
±1 %
6. 材料
6.1
基材 耐水研磨紙に使用する基材は,クラフト紙又はこれと同等以上の紙とし,その区分は表5に
よる。
表 5 基材の種類
単位 g/m2
基材の坪量による種類
基材
区分
坪量
Aw
耐水処理を施したクラフト紙,又は
これに準じる紙
110未満
Cw
110以上 150未満
Dw
150以上
備考 耐水研磨紙に使用する基材の試験方法は,JIS P 8124 の規定による。
6.2
研磨材 耐水研磨紙に使用する研磨材の種類は,表6 による。アルミナ質研削材及び炭化けい素質
研削材の品質は,JIS R 6111に適合するもの又は同等以上のものとする。耐水研磨紙に使用する研磨材の
粒度は,表7に,その特性は,JIS R 6010 の規定による。
表 6 研磨材の種類
研磨材の材質による区分
研磨材の種類(記号)
アルミナ質研削材
A,WA,PA,HA,AZ
炭化けい素質研削材
C,GC
表 7 研磨材の粒度
研磨材の粒度
P60,P80,P100,P120,P150,P180,P220,P240,P280,P320,P360,
P400,P500,P600,P800,P1 000,P1 200,P1 500,P2 000,P2 500
6.3
接着剤 研磨材の塗装に使用する接着剤は,目的に対して良質のものでなくてはならない。
7. 試験方法
7.1
引張強さ シートは,幅方向及び長さ方向について,また,ロールは,長さ方向だけについて引張
強さを測定するものとし,その方法は次による。
a) 装置 引張試験機を用い,つかみの間隔は,125±0.5 mmとする。
b) 試験片 シートの試験片は230×280 mmのシートから採取し,それぞれの辺が耐水研磨紙の幅及び長
さの各方向にそれぞれ平行となるように切り取る。また,ロールの試験片は幅25 mm以上のものを対
象とし,その長さ方向に平行になるように切り取る。試験片の幅は25±0.5 mm,長さは試験機のつか
みの間隔に対し,十分なものとする(図1参照)。
4
R 6253:2006
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単位 mm
図 1 試験片の寸法
c) 試験片の前処理 試験片は,あらかじめ温度20 ℃±2 ℃,相対湿度(65±5)%の空気中に1時間保持
した後,直ちに試験に供する。
d) 操作及び測定値の処理 試験片をつかみに取り付けるには,まず,下部つかみに緩く挟んで一線にそ
ろえ,上部つかみにその上端をしっかり締め付け,次にその下部を締め付け,直ちに毎分200〜350 mm
の速度で荷重をかける。試験片が滑ったり,又はつかみの端で切断した場合の読みは捨て,切断時に
おける引張強さを測定する。
測定値は,各方向について,5枚の試験片の引張強さをそれぞれ小数点以下1けたまで求め,それ
ぞれの引張強さの平均値を,JIS Z 8401 によって整数位に丸める。
7.2
耐水性 耐水性は,耐水研磨紙を温度約60 ℃の水中に1時間浸した後,直ちに指頭で研磨材面を強
く摩擦し,研磨材の離脱の状態を調べる。
7.3
柔軟性 柔軟性は,耐水研磨紙を温度20 ℃±2 ℃,相対湿度(65±5) %の空気中に1時間保持した
後,長さ方向を表8に示す直径の丸棒に研磨材面を外側にして,図2のように,徐々に丸棒の曲面に密着
させながら180度折り曲げ,研磨材面の割れ目の状態を調べる。
表 8 丸棒径の使用区分
単位 mm
粒度による区分
棒径 (D)
P60
60
P80 〜 P220
30
P240 〜 P2 500
15
図 2 柔軟性の測定
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8. 検査 耐水研磨紙の検査は,受渡当事者間の協定による合理的に設計された抜取方式によって試料を
採取し,外観,引張強さ,耐水性,柔軟性及び寸法について行い,4.及び5.によって合否を決定する。
9. 表示
9.1
製品 耐水研磨紙には,1製品ごとに,次の事項を表示する。
a) 基材の坪量による種類
b) 研磨材の材質による種類(記号)
c) 研磨材の粒度による種類
d) 製造業者名又はその略号
9.2
包装 耐水研磨紙には,1包装ごとに,次の事項を表示する。
a) 基材の坪量による種類
b) 研磨材の材質による種類(記号)
c) 研磨材の粒度による種類
d) 寸法(幅×長さ)
e) 製造業者名又はその略号
6
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6
R
6
2
5
3
:
2
0
0
6
6
R
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2
5
3
:
2
0
0
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS R 6253:2006 耐水研磨紙
ISO 3366:1999 研磨布紙−研磨ロール
ISO 21948:2001 研磨布紙−研磨シート
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1.適用範囲
研磨加工に使用する耐水研
磨紙について規定。
ISO
21948
ISO
3366
1
研磨シート及び研磨ロールに
ついて,寸法及びその許容値
並びに製品の呼び方について
規定。
MOD/追加
JISは,ISO規格の規定
項目に加え,品質,材料,
試験方法及び検査の項
目を追加
ISO規格は,品質に関する標準化
がなされていない。JISは製品規
格として必要な規定項目を追加。
ISO規格の次回改正時に,提案の
検討を行う。
MOD/削除
JISは,研磨布紙のうち,
耐水研磨紙について規
定。
研磨布はJIS R 6251で,研磨紙は
JIS R 6252で規定。
2.引用規格
JIS P 8124, JIS R 6010
JIS R 6111, JIS Z 8401
21948
3366
2
−
MOD/追加
規定項目の相違によって,引用規
格を追加・削除。
−
ISO 554
MOD/削除
3.種類
形状(シート及びロール),
基材の坪量,研磨材の材質
及び研磨材の粒度による分
類を規定。
3366
3.1
ロールを巻く,しん(芯)及
びフランジの有無による,2
種類の分類を規定(シートの
分類は規定していない)。
MOD/変更
MOD/追加
JISは,研磨紙の種類を
細かく規定。
製品規格としての必要な規定内
容に変更。ISO規格の次回改正時
に,提案の検討を行う。
4.品質
耐水研磨紙の外観及び特性
(引張強さ,耐水性及び柔
軟性)について規定。
−
−
MOD/追加
製品規格としての必要な規定項
目として,追加。ISO規格の次回
改正時に,提案の検討を行う。
5.寸法及び
寸法許容差
耐水研磨紙の寸法及び寸法
許容差について規定
21948
3.1
シート:JISと同じ。
IDT
−
−
3366
3.1
ロール:JISとほぼ同じ。
MOD/追加
幅に,75,120及び125
mmを追加。長さ36 500
m及び45 700 mを追加。
国内市場実態から追加が必要。次
回JIS見直し時に必要性を再検討
する。
7
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7
R
6
2
5
3
:
2
0
0
6
7
R
6
2
5
3
:
2
0
0
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
6.材料
耐水研磨紙の材料(基材,
研磨材及び接着剤)につい
て規定。
−
−
MOD/追加
製品規格としての必要な規定項
目として,追加。ISO規格の次回
改正時に,提案の検討を行う。
7.試験方法
耐水研磨紙の試験方法(引
張強さ,耐水性及び柔軟性)
について規定
21948
3366
−
試験方法の規定はない。
MOD/追加
品質規定の内容に応じ必要な試
験方法の規定を追加。
3.2
寸法許容差測定時の試験環
境(温度及び湿度)を規定。
MOD/削除
ISO規格の試験環境は,我が国の
実際とはかい(乖)離が大きいの
で採用せず。次回改正時に再検討
する。
8.検査
耐水研磨紙の試料採取方
法,検査項目及び合否判定
基準について規定。
−
−
MOD/追加
製品規格としての必要な規定項
目として,追加。ISO規格の次回
改正時に,提案の検討を行う。
9.表示
製品及び包装についての表
示項目について規定。
21948
5
シートの表示項目を規定。内
容は,JISとほぼ同じ。
MOD/変更
製品規格としての必要な規定内
容に変更。ISO規格の次回改正時
に,提案の検討を行う。
3366
5
ロールについての表示は,製
造業者が決める。
−
−
21948
3366
4
この規格に適合するするシ
ート及びロールの製品の呼
び方を規定。
MOD/削除
JISは,呼び方として種類と寸法
を規定しているためISOの呼び
方を入れることは,ダブル表示と
なるためISOの呼び方を削除。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
8
R6253:2005
8
R
6
2
5
3
:
2
0
0
6
8
R
6
2
5
3
:
2
0
0
6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。